JP4395329B2 - 船艙用シートおよびその設置方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、船艙用シートおよびその設置方法に係り、特に大型の機械や道具を用いることなく人力で簡単に設置することができる船艙用シートおよびその設置方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、船艙に散積み貨物を積付ける場合には、散積み貨物をそのまま積付けるのが通例であるが、この場合には、散積み貨物の揚荷後に、船艙内を清掃する必要があり、その作業が容易でない。
【0003】
そこで一部では、船艙内に船艙用シートを設置し、左右両舷側の壁面および船首尾方向両側の壁面を、この船艙用シートで覆うことが検討されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、船艙内に船艙用シートを設置する場合、船艙の左右両舷側の壁面には、上下方向に延在する複数の補強材が設けられているとともに、船艙の船首尾方向の壁面には、コルゲートと称される補強用の凹凸が設けられているため、通常の方法で船艙用シートを設置した場合には、船艙用シートが積付けられる散積み貨物からの圧力により損傷したり、補強材等が変形するおそれがある等の問題がある。
【0005】
また、船艙内には、船艙用シートを設置するための係止金具等が設けられていないため、これらを後付けで設ける必要があるが、船艙用シートを要するのは、セメント等の一部の散積み貨物のみであるため、既存のすべての船舶の船艙に係止金具等を予め取付けておくのは必ずしも得策ではなく、また予め係止金具等を取付けておくと、これらが船艙の壁面に凹凸を形成することになるため、船艙用シートを用いないで積付けられた散積み貨物が、この凹凸部に付着し易くなると云う問題がある。
【0006】
また、予め係止金具等を取付けておくと、船艙用シートの紐体をこの係止金具に係止する際に、昇降台車や長尺梯子等を用いる必要があり、その作業が容易でないと云う問題もある。
【0007】
本発明は、かかる現況に鑑みなされたもので、大型の機械や道具を用いることなく人力で簡単に設置することができる船艙用シートおよびその設置方法を提供することを目的とする。
【0008】
本発明の他の目的は、設置された船艙用シートが積付けられる散積み貨物からの圧力によって損傷したり、補強材等が変形するおそれが全くないようにすることにある。
【0009】
本発明の他の目的は、船艙壁面への散積み貨物の付着を、より完全に防止することができるようにすることにある。
【0010】
本発明のさらに他の目的は、船艙用シートを、船艙底部およびハッチ上に作業員を配するのみで設置することができるようにすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明は、少なくとも船艙の右舷側の壁面にそって配置される右舷壁シートと;船艙の左舷側の壁面にそって配置される左舷壁シートと;船艙の船首側の壁面にそって配置される船首壁シートと;船艙の船尾側の壁面にそって配置される船尾壁シートと;を設け、前記左右の各舷壁シートにおける各壁面の補強材に対応する部位に、多数の折返し部を任意間隔で配して形成される舷壁ギャザーシート部を設けるとともに、前記船首尾の各壁シートにおける各壁面のコルゲートに対応する部位に、多数の折返し部を任意間隔で配して形成される前後壁ギャザーシート部を設け、かつ舷壁ギャザーシート部を、壁面の沿面距離の2.3倍以上の長さとするとともに、前後壁ギャザーシート部を、壁面の沿面距離の1.2倍以上の長さとするようにし、右舷壁シート,左舷壁シート,船首壁シート,および船尾壁シートは、これらに対応する各壁面形状に符合する変形台形状に形成されていることを特徴とする。そして、各舷壁シートおよび各壁シートにギャザーシート部を設けることで、散積み貨物側から大きな圧力がかかった場合でも、船艙用シートが各壁面の凹凸に倣って無理なく変形し、シートが損傷したり、補強材等が変形するおそれが全くない。また、シートを設置することで、船艙内の清掃作業を大幅に簡素化することが可能となる。特に、船艙壁面の凹凸部を構成する補強材やコルゲートがシートで覆われるので、その実用的効果は大きい。
また、右舷壁シート,左舷壁シート,船首壁シート,および船尾壁シートを、これらに対応する各壁面形状に符合する変形台形状に形成したことで、右舷壁シート,左舷壁シート,船首壁シート,および船尾壁シートの4枚のシートで、船艙壁面をほぼ完全に被覆することが可能となる。
【0012】
本発明はまた、船艙の右舷側と船首側とのコーナ部に配置される右舷船首コーナ壁シートと;船艙の右舷側と船尾側とのコーナ部に配置される右舷船尾コーナ壁シートと;船艙の左舷側と船首側とのコーナ部に配置される左舷船首コーナ壁シートと;船艙の左舷側と船尾側とのコーナ部に配置される左舷船尾コーナ壁シートと;を設け、これら各コーナ壁シートを、右舷壁シート,左舷壁シート,船首壁シート,および船尾壁シートの表面側または背面側に、一部オーバラップさせた状態で配置するようにしたことを特徴とする。そしてこれにより、船艙壁面の全域が、シートにより完全に覆われることになり、船艙壁面への散積み貨物の付着を、ほぼ完全に防止することが可能となる。
【0014】
本発明はまた、各コーナ壁シートを、所定幅の長方形状に形成するようにしたことを特徴とする。そしてこれにより、各コーナ壁シートの製作が極めて容易となるとともに、その設置作業も容易である。
【0016】
本発明はまた、少なくとも船艙の右舷側の壁面にそって配置される右舷壁シートと;船艙の左舷側の壁面にそって配置される左舷壁シートと;船艙の船首側の壁面にそって配置される船首壁シートと;船艙の船尾側の壁面にそって配置される船尾壁シートと;を備え、前記左右の各舷壁シートは、各壁面の補強材に対応する部位に、多数の折返し部を任意間隔で配して形成される舷壁ギャザーシート部を有しているとともに、前記船首尾の各壁シートは、各壁面のコルゲートに対応する部位に、多数の折返し部を任意間隔で配して形成される前後壁ギャザーシート部を有し、かつ舷壁ギャザーシート部は、壁面の沿面距離の2.3倍以上の長さを有しているとともに、前後壁ギャザーシート部は、壁面の沿面距離の1.2倍以上の長さを有し、右舷壁シート,左舷壁シート,船首壁シート,および船尾壁シートは、ハッチの開口寸法に符合する横幅を有する長方形状に形成され、各コーナ壁シートを、コーナ部にそって直角状に屈曲する変形台形状に形成するようにしたことを特徴とする。右舷壁シート,左舷壁シート,船首壁シート,および船尾壁シートを、ハッチの開口寸法に符合する横幅を有する長方形状に形成した場合には、船艙の四隅部が大面積で露出することになるので、コーナ壁シートとの併用が必要となるが、左右の各舷壁シートおよび船首尾方向の各壁シートの形状が単純形状となるので、その製作および設置が容易となる。そして、各コーナ壁シートを、コーナ部にそって直角状に屈曲する変形台形状に形成することにより、各コーナ壁シートの形状が多少複雑になって、その製作および設置には多少の時間を要するが、反面、右舷壁シート,左舷壁シート,船首壁シート,および船尾壁シートの形状を簡素化することが可能となる。
本発明はまた、前記各コーナ壁シートは、船艙の右舷側と船首側とのコーナ部に配置される右舷船首コーナ壁シートと;船艙の右舷側と船尾側とのコーナ部に配置される右舷船尾コーナ壁シートと;船艙の左舷側と船首側とのコーナ部に配置される左舷船首コーナ壁シートと;船艙の左舷側と船尾側とのコーナ部に配置される左舷船尾コーナ壁シートと;を備え、これら各コーナ壁シートは、右舷壁シート,左舷壁シート,船首壁シート,および船尾壁シートの表面側または背面側に、一部オーバラップさせた状態で配置されることを特徴とする。
【0017】
本発明はまた、左右両舷側の側壁に上下方向に延在する複数の補強材を有する船艙内に、船艙用シートを設置する船艙用シートの設置方法において、前記船艙用シートを、少なくとも船艙の右舷側の壁面にそって配置される右舷壁シートと;船艙の左舷側の壁面にそって配置される左舷壁シートと;船艙の船首側の壁面にそって配置される船首壁シートと;船艙の船尾側の壁面にそって配置される船尾壁シートと;で構成し、前記任意の補強材に、補強材をガイドレールとして昇降可能な船艙用滑車を着脱可能に装着するとともに、この船艙用滑車を予め所定の高さ位置に固定しておき、前記各壁面シートを、船艙用滑車を介し引廻される紐体を引張ることにより、各壁面にそって配置するようにしたことを特徴とする。そして、補強材にそって昇降する船艙用滑車を用いることで、補強材の下端部に船艙用滑車を装着するとともに、各壁面シートの紐体をこの船艙用滑車に係止し、その後ハッチ上からロープを引張って、船艙用滑車を補強材の所定高さ位置まで上昇,固定するようにすれば、昇降台車や長尺梯子等を用いることなく、船艙底部およびハッチ上に作業員を配するのみで、船艙用シートを設置することが可能となる。また、船艙用滑車は、補強材に対し着脱可能となっているので、不要の場合には取外して他の船舶に用いることが可能となる。
【0018】
本発明はまた、左右の各舷壁シートにおける各壁面の補強材に対応する部位に、多数の折返し部を任意間隔で配して形成される舷壁ギャザーシート部を設けるとともに、船首尾の各壁シートにおける各壁面のコルゲートに対応する部位に、多数の折返し部を任意間隔で配して形成される前後壁ギャザーシート部を設け、かつ前記舷壁ギャザーシート部を、壁面の沿面距離の2.3倍以上の長さとするとともに、前記前後壁ギャザーシート部を、壁面の沿面距離の1.2倍以上の長さとするようにしたことを特徴とする。そしてこれにより、船艙用シートを、各壁面の凹凸に倣って無理なく変形させることが可能となり、散積み貨物側から大きな圧力がかかっても、シートが損傷したり補強材等が変形するおそれが全くない。
【0019】
本発明はさらに、船艙用シートに、船艙の右舷側と船首側とのコーナ部に配置される右舷船首コーナ壁シートと;船艙の右舷側と船尾側とのコーナ部に配置される右舷船尾コーナ壁シートと;船艙の左舷側と船首側とのコーナ部に配置される左舷船首コーナ壁シートと;船艙の左舷側と船尾側とのコーナ部に配置される左舷船尾コーナ壁シートと;を設け、これら各コーナ壁シートを、船艙用滑車を介し引廻される紐体を引張ることにより、右舷壁シート,左舷壁シート,船首壁シート,および船尾壁シートの表面側または背面側に、一部オーバラップさせた状態で配置するようにしたことを特徴とする。そしてこれにより、船艙壁面の全域をシートにより完全に被覆することが可能となり、船艙壁面への散積み貨物の付着を、ほぼ完全に防止することが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面を参照して説明する。
図1ないし図3は、本発明の第1の実施の形態に係る船艙用シートを示すもので、この船艙用シート1は、船艙2の右舷側の壁面3にそって配される右舷壁シート7と、船艙2の左舷側の壁面4にそって配される左舷壁シート8と、船艙2の船首側の壁面5にそって配される船首壁シート9と、船艙2の船尾側の壁面6にそって配される船尾壁シート10と、船艙2の右舷側と船首側とのコーナ部に配される右舷船首コーナ壁シート11と、船艙2の右舷側と船尾側とのコーナ部に配される右舷船尾コーナ壁シート12と、船艙2の左舷側と船首側とのコーナ部に配される左舷船首コーナ壁シート13と、船艙2の左舷側と船尾側とのコーナ部に配される左舷船尾コーナ壁シート14とで構成されており、前記各コーナ壁シート11,12,13,14は、前記各壁シート7,8,9,10の表面側に、一部オーバラップさせた状態で配置さるようになっている。
【0021】
前記右舷壁シート7および左舷壁シート8は、図2および図4に示すように、壁面3,4の垂直壁部3a,4aに対応する右舷壁ギャザーシート部7aおよび左舷壁ギャザーシート部8aと、壁面3,4の上部傾斜壁部3b,4bに対応する右舷壁フラットシート部7bおよび左舷壁フラットシート部8bと、ハッチコーミング15の舷側内壁15aに対応するハッチ内壁シート部7c,8cと、ハッチ内壁シート部7c,8cの上端部とハッチコーミング15の舷側内壁15aとの間を覆う吹込み防水シート部7d,8dとから、全体として変形台形状に形成されている。
【0022】
前記各舷壁ギャザーシート部7a,8aは、図5および図6に示すように、多数の折返し部を一定間隔で配して構成されており、その長さ(ギャザー部を真直に伸ばした長さ)は、補強材16(図2参照)を含めた垂直壁部3a,4aの沿面距離の2.3倍以上,より好ましくは2.5倍以上に設定されている。そしてこれにより、船艙2内に積付けられる散積み貨物からの圧力により、各舷壁ギャザーシート部7a,8aが損傷したり、補強材16等が変形することがないよう考慮されている。
【0023】
前記各舷壁ギャザーシート部7a,8a上端と、各舷壁フラットシート部7b,8b下端との連結部には、図5に示すように、横補強テープ17が縫合されているとともに、各吹込み防水シート部7d,8dを除く各シート部7a,7b,7c,8a,8b,8cの表面には、図4ないし図6に示すように、縦補強テープ18が一定間隔で多数縫合されている。そして、各縦補強テープ18の上下端部には、各舷壁シート7,8を船艙2内に取付けるための上端Cリング19および下端Cリング20がそれぞれ取付けられており、各Cリング19,20に加わった力を、各縦補強テープ18で直接受けることができるようになっている。また、前記横補強テープ17には、図4に示すように、中間リングC1が所定間隔で複数設けられている。
【0024】
また、前記船首壁シート9および船尾壁シート10は、図3および図7に示すように、壁面5,6の垂直壁部5a,6aに対応する前壁ギャザーシート部9aおよび後壁ギャザーシート部10aと、壁面5,6の上部直角コーナ壁部5b,6bに対応する前壁フラットシート部9bおよび後壁フラットシート部10bと、ハッチコーミング15の船首尾方向内壁15bに対応するハッチ内壁シート部9c,10cと、ハッチ内壁シート部9c,10cの上端部とハッチコーミング15の船首尾方向内壁15bとの間を覆う吹込み防水シート部9d,10dとから、全体として変形台形状に形成されている。
【0025】
前記各前後壁ギャザーシート部9a,10aは、前記各舷壁ギャザーシート部7a,8aと同様、多数の折返し部を一定間隔で配して構成されており、その長さ(ギャザー部を真直に伸ばした長さ)は、図示しないコルゲート部が形成されている垂直壁部5a,6aの沿面距離の1.2倍以上,より好ましくは1.4倍以上に設定されている。そしてこれにより、船艙2内に積付けられる散積み貨物からの圧力により、各前後壁ギャザーシート部9a,10aが損傷したりするのを防止できるようになっている。
【0026】
これら各前後壁ギャザーシート部9a,10a上端と各前後壁フラットシート部9b,10b下端との連結部には、図7に示すように、横補強テープ21が縫合されているとともに、各吹込み防水シート部9d,10dを除く各シート部9a,9b,9c,10a,10b,10cの表面には、縦補強テープ22が一定間隔で多数縫合されている。そして、各縦補強テープ22の上下端部には、各船首尾壁シート9,10を船艙2内に取付けるための上端Cリング23および下端Cリング24がそれぞれ取付けられており、各Cリング23,24に加わった力を、各縦補強テープ22で直接受けることができるようになっている。また、前記横補強テープ21には、図7に示すように、中間リングC2が所定間隔で複数設けられている。
【0027】
また、前記各コーナ壁シート11,12,13,14は、図8に示すように、前記各ギャザーシート部7a,8a,9a,10aの表面側に配されるコーナギャザーシート部11a,12a,13a,14aと、前記各フラットシート部7b,8b,9b,10bの表面側に配されるコーナフラットシート部11b,12b,13b,14bと、前記各ハッチ内壁シート部7c,8c,9c,10cの表面側に配されるハッチコーナシート部11c,12c,13c,14cと、前記各吹込み防止シート部7d,8d,9d,10dの表面側に配される吹込み防止コーナシート部11d,12d,13d,14dとから、全体として所定幅の長方形状に形成されている。
【0028】
前記各コーナギャザーシート部11a,12a,13a,14aは、多数の折返し部を一定間隔で配して構成されており、その長さ(ギャザー部を真直に伸ばした長さ)は、補強材16(図2参照)を含めた垂直壁部3a,4aの沿面距離の2.3倍以上,より好ましくは2.5倍以上に設定されている。そしてこれにより、各コーナ壁シート11,12,13,14を、どのコーナ部に設置しても支障が生じないよう考慮されている。
【0029】
前記各コーナ壁シート11,12,13,14上端におけるハッチコーナシート部11c,12c,13c,14cと吹込み防止コーナシート部11d,12d,13d,14dとの連結部分には、図8に示すように、各コーナ壁シート11,12,13,14の上端部を船艙2内に取付けるための上端Cリング27が、所定間隔で複数取付けられており、また各コーナギャザーシート部11a,12a,13a,14aの下端部には、各コーナ壁シート11,12,13,14の下端部を船艙2内に取付けるための下端Cリング28が、所定間隔で複数取付けられている。また、各コーナ壁シート11,12,13,14の上下方向中間部には、中間リングC3が設けられている。
【0030】
次に、前記船艙用シート1の設置方法について説明する。
船艙用シート1の設置に際しては、まず図9ないし図14に示すように、船艙用シート1を船艙2内に係止するための係止手段を船艙2内に取付ける。
【0031】
具体的には、まずハッチコーミング15の各内壁15a,15bに、例えば10個のハッチリング29を溶着するとともに、垂直壁部3a,4aの下端に対する位置に、例えば10個の垂直壁リング30を溶着し、さらに船艙2の船底部に、例えば4個の船底リング31を溶着する。
【0032】
また、船艙2の左右の壁面3,4における垂直壁部3a,4aの上端部には、補強材16にそって昇降可能な船艙用滑車32を例えば8個取付けるとともに、船首尾方向の壁面5,6における垂直壁部5a,6aの上端部には、図示しない昇降梯子の手摺等を利用して、2個のシャックル33を取付ける。
【0033】
図15ないし図17は、前記船艙用滑車32の具体例を示すもので、以下これについて説明する。
【0034】
図15および図16は、補強材16の先端形状が断面T形状をなす場合に適用される船艙用滑車32の一例を示すもので、この船艙用滑車32は、前面ケース部34aと、この前面ケース部34aの両側部に着脱可能に連結された一対の側面ケース部34bとから、断面T形状の補強材16の先端部分を包囲するように形成されたケース本体34を備えており、このケース本体34の各ケース部34a,34bには、船艙用滑車32が補強材16にそって昇降する際に補強材16上を転動する転動ローラ35および転動ローラ35の外面を覆うカバー36がそれぞれ設けられている。
【0035】
また、前記前面ケース部34aには、図15および図16に示すように、前面側に上部アイ37および下部アイ38が設けられているとともに、上面側に吊下げアイ39が設けられており、上部アイ37および下部アイ38には、各舷壁シート7,8あるいは船首尾壁シート9,10、さらには各コーナ壁シート11,12,13,14を引上げるための紐体40が予め係止されるようになっているとともに、吊下げアイ39には、上部アイ37および下部アイ38に紐体40が係止されている船艙用滑車32をハッチコーミング15上から補強材16の上端位置まで引上げて固定するための引上げロープ41の端部が、連結されるようになっている。そしてこれにより、大型の機械や道具を用いることなく、人力のみで船艙用滑車32を補強材16の上端位置に設置できるようになっている。
【0036】
図17および図18は、補強材16の先端形状が断面L形状をなす場合に適用される船艙用滑車32の一例を示すもので、この船艙用滑車32は、補強材16の外面側を覆う外ケース部42aと、補強材16の内面側を覆う内ケース部42bとから分割構造をなし、断面L形状の補強材16の先端部分を包囲するように形成されたケース本体42を備えており、このケース本体42の各ケース部42a,42bには、船艙用滑車32が補強材16にそって昇降する際に補強材16上を転動する転動ローラ43および転動ローラ43の外面を覆うカバー44がそれぞれ設けられている。
【0037】
また、前記外ケース部42aには、図17および図18に示すように、前面側に上部アイ45および下部アイ46が設けられているとともに、上面側に吊下げアイ47が設けられており、上部アイ45および下部アイ46には、各舷壁シート7,8あるいは船首尾壁シート9,10、さらには各コーナ壁シート11,12,13,14を引上げるための紐体40が予め係止されるようになっているとともに、吊下げアイ47には、上部アイ45および下部アイ46に紐体40が係止されている船艙用滑車32を、ハッチコーミング15上から補強材16の上端位置まで引上げて固定するための引上げロープ48の端部が、連結されるようになっている。そしてこれにより、大型の機械や道具を用いることなく、人力のみで船艙用滑車32を補強材16の上端位置に設置できるようになっている。
【0038】
なお、前記シャックル33は、作業員が昇降梯子を登って手摺等に取付けることになるが、その際にも、各舷壁シート7,8あるいは船首尾壁シート9,10を引上げるための紐体40を、予めシャックル33に係止しておくようにする。
【0039】
このようにして、各リング29,30,31、船艙用滑車32およびシャックル33を取付けたならば、図9ないし図14に示すように、ハッチリング29および垂直壁リング30に、各壁シート7,8,9,10,11,12,13,14の上下端部を係止するためのリーチワイヤ49,50をリング状にそれぞれ装着する。
【0040】
次いで、左右の舷壁シート7,8を取付けるとともに、船首尾方向の両壁シート9,10を取付け、その後これら各シート7,8,9,10の表面側から、各コーナ壁シート11,12,13,14を取付けて船艙用シート1を完成させる。
【0041】
以下、前記各シート7,8,9,10,11,12,13,14の取付け方法を、具体的に説明する。
まず、左右の舷壁シート7,8を取付ける場合には、船底にいる作業員が、船艙用滑車32の各アイ37,38,45,46に係止されている紐体40に、各舷壁シート7,8の中間リングC1を取付ける。次いで、紐体40の両端を引張って、各舷壁シート7,8の中間部を船艙用滑車32の位置まで引上げるとともに、ハッチコーミング15上にいる作業員が、各舷壁シート7,8の上端部を、ロープ等を用いて上方に引上げる。そして、各舷壁シート7,8上端の上端Cリング19を、ハッチリング29に装着されているリーチワイヤ49に係止するとともに、各舷壁シート7,8下端の下端Cリング20を、垂直壁リング30に装着されているリーチワイヤ50に係止する。
【0042】
図19は、左右の舷壁シート7,8の上下方向中間部を、中間リングC1および船艙用滑車32を通した紐体40を、船底の船底リング31等を介し引張って、各舷壁シート7,8の上下方向中間部を船艙用滑車32の位置まで引上げている状態を示すもので、左右の舷壁シート7,8は、この作業により、先ず上下方向中間部が二つ折り状態で船艙用滑車32の位置まで引上げられることになる。
【0043】
その後、各舷壁シート7,8の上端部が上方に引上げられ、各舷壁シート7,8上端の上端Cリング19が、リーチワイヤ49に係止されるとともに、各舷壁シート7,8下端の下端Cリング20が、リーチワイヤ50に係止されることになる。
【0044】
これにより、左右の舷壁シート7,8が、図2に示すように、壁面3,4にそって取付けられることになるが、各ギャザーシート部7a,8aを表面側から押さえる必要がある場合には、その表面側にX状やW状等の形状に、押さえロープを配置する。また、図20に示すように、ハッチコーミング15の内壁とハッチ内壁シート部7c,8cとの間に散積み貨物が入らないように、吹込み防止シート部7d,8dを捲り上げて、端部をハッチコーミング15上に粘着テープ等を用いて固定する。
【0045】
次に、船首尾方向の各壁シート9,10を取付ける場合には、まず船底にいる作業員が、船艙用滑車32の各アイ37,38,45,46およびシャックル33に係止されている紐体40に、各壁シート9,10の中間リングC2を取付ける。次いで、紐体40の両端を引張って、各壁シート9,10の中間部を船艙用滑車32およびシャックル33の位置まで引上げるとともに、ハッチコーミング15上にいる作業員が、各壁シート9,10の上端部を、ロープ等を用いて上方に引上げる。
【0046】
次いで、各壁シート9,10上端の上端Cリング25を、ハッチリング29に装着されているリーチワイヤ49に係止するとともに、各壁シート9,10下端の下端Cリング26を、垂直壁リング30に装着されているリーチワイヤ50に係止する。
【0047】
これにより、船首尾方向の両壁シート9,10が、図3に示すように、壁面5,6にそって取付けられることになるが、各ギャザーシート部9a,10aを表面側から押さえる必要がある場合には、その前面側にX状やW状等の形状に、押さえロープを配置する。また、ハッチコーミング15の内壁とハッチ内壁シート部9c,10cとの間に、散積み貨物が入らないように、図20に示す左右の舷壁シート7,8の場合と同様、吹込み防止シート部9d,10dを捲り上げて、端部をハッチコーミング15上に粘着テープ等を用いて固定する。
【0048】
次に、各コーナ壁シート11,12,13,14を取付ける場合には、まず船底にいる作業員が、船艙用滑車32の各アイ37,38,45,46に係止されている紐体40に、各コーナ壁シート11,12,13,14の中間リングC3を取付ける。次いで、紐体40を引張って、各コーナ壁シート11,12,13,14の中間部,具体的には中間リングC3の部分を、船艙用滑車32の位置まで引上げるとともに、ハッチコーミング15上にいる作業員が、各コーナ壁シート11,12,13,14の上端部を、ロープ等を用いて上方に引上げる。
【0049】
次いで、各コーナ壁シート11,12,13,14上端の上端Cリング27を、ハッチリング29に装着されているリーチワイヤ49に係止するとともに、各コーナ壁シート11,12,13,14下端の下端Cリング28を、垂直壁リング30に装着されているリーチワイヤ50に係止する。そしてその後、各コーナ壁シート11,12,13,14の両側端縁に取付けられている紐体(図示せず)を両側に引張って、図1に示すように、断面L形状になるように、各コーナ壁シート11,12,13,14を張設する。最後に、吹込み防止コーナシート部11d,12d,13d,14dを捲り上げ、端部をハッチコーミング15上に粘着テープ等を用いて固定する。
【0050】
しかして、平坦な船底部分を除き、船艙2の内面が船艙用シート1で完全に覆われることになるので、散積み貨物がセメント等であっても、これらの散積み貨物が船艙2内の凹凸部分に付着するおそれがない。このため、揚荷後に船艙2内を清掃する必要がないか、あったとしても極めて簡素化することができる。
【0051】
また、各シート7,8,9,10,11,12,13,14には、船艙2内の凹凸に倣って変形するように、ギャザーシート部7a,8a,9a,10a,11a,12a,13a,14aが設けられているので、船艙2内に積付けられた散積み貨物から大きな圧力がかかっても、船艙用シート1が損傷したり、あるいは補強材16等が変形するおそれが全くない。
【0052】
図21は、本発明の第2の実施の形態を示すもので、前記第1の実施の形態における船艙用シート1に代え、船艙用シート51を用いるようにしたものである。
【0053】
すなわち、この船艙用シート51は、船艙2の右舷側の壁面3にそって配される右舷壁シート57と、船艙2の左舷側の壁面4にそって配される左舷壁シート58と、船艙2の船首側の壁面5にそって配される船首壁シート59と、船艙2の船尾側の壁面6にそって配される船尾壁シート60と、船艙2の右舷側と船首側とのコーナ部に配される右舷船首コーナ壁シート61と、船艙2の右舷側と船尾側とのコーナ部に配される右舷船尾コーナ壁シート62と、船艙2の左舷側と船首側とのコーナ部に配される左舷船首コーナ壁シート63と、船艙2の左舷側と船尾側とのコーナ部に配される左舷船尾コーナ壁シート64とで構成されており、前記各コーナ壁シート61,62,63,64は、前記第1の実施の形態の場合とは逆に、前記各壁シート57,58,59,60の背面側に、一部オーバラップさせた状態で配置されるようになっている。
【0054】
前記右舷壁シート57および左舷壁シート58は、図22に示すように、右舷壁ギャザーシート部57aおよび左舷壁ギャザーシート部58aと、右舷壁フラットシート部57bおよび左舷壁フラットシート部58bと、ハッチ内壁シート部57c,58cと、吹込み防止コーナシート部57d,58dとから構成され、基本的には前記第1の実施の形態における左右の各舷壁シート7,8と同一構成となっているが、ただ異なる点は、横幅がハッチコーミング15の船首尾方向の長さに符合する長方形状に形成されている。
【0055】
なお、ハッチ内壁シート部57c,58cと吹込み防止コーナシート部57d,58dとの連結部分、および左右の各舷壁ギャザーシート部57a,58aの下端部には、図22に示すように、上端Cリング65および下端Cリング66がそれぞれ取付けられているとともに、上下方向中間部には、中間リングC4が取付けられており、前記第1の実施の形態における左右の各舷壁シート7,8と同様に取扱うことができるようになっている。
【0056】
また、前記船首壁シート59および船尾壁シート60は、図23に示すように、前壁ギャザーシート部59aおよび後壁ギャザーシート部60aと、前壁フラットシート部59bおよび後壁フラットシート部60bと、ハッチ内壁シート部59c,60cと、吹込み防止コーナシート部59d,60dとから構成され、基本的には前記第1の実施の形態における船首尾方向の各壁シート9,10と同一構成となっているが、ただ異なる点は、横幅がハッチコーミング15の船首尾方向の長さに符合する長方形状に形成されている。
【0057】
なお、ハッチ内壁シート部59c,60cと吹込み防止コーナシート部59d,60dとの連結部分、および前後の各壁ギャザーシート部59a,60aの下端部には、図23に示すように、上端Cリング67および下端Cリング68がそれぞれ取付けられているとともに、上下方向中間部には、中間リングC5が取付けられており、前記第1の実施の実施の形態における船首尾方向の各壁シート9,10と同様に取扱うことができるようになっている。
【0058】
また、前記各コーナ壁シート61,62,63,64は、図24および図25に示すように、右舷船首コーナ壁シート61と左舷船尾コーナ壁シート64とが同一形状寸法で、かつ右舷船尾コーナ壁シート62と左舷船首コーナ壁シート63とが同一形状寸法になるように寸法設定されており、しかも図24に示すコーナ壁シート61,64と図25に示すコーナ壁シート62,63とは、対称形状になるように寸法設定されている。
【0059】
すなわち、各コーナ壁シート61,62,63,64は、図24および図25に示すように、舷壁ギャザーシート部69aおよび前後壁ギャザーシート部70aと、舷壁フラットシート部69aおよび前後壁フラットシート部70bと、ハッチ内壁シート部69c,70cと、吹込み防止コーナシート部69d,70dとから、全体としてコーナ部にそって直角状に屈曲する変形台形状に形成されており、ハッチ内壁シート部69c,70cと吹込み防止コーナシート部69d,70dとの連結部分には、上端Cリング71が取付けられているとともに、舷壁ギャザーシート部69aおよび前後壁ギャザーシート部70aの各下端縁には、下端Cリング72が取付けられ、さらに上下方向中間部には、中間リングC6,C7がそれぞれ取付けられ、船艙2内に固定できるようになっている。
【0060】
前記舷壁ギャザーシート部69aは、多数の折返し部を一定間隔で配して構成されており、その長さ(ギャザー部を真直に伸ばした長さ)は、補強材(図2参照)を含めた垂直壁部3a,4aの沿面距離の2.3倍以上,より好ましくは2.5倍以上に設定されている。
【0061】
また、前記前後壁ギャザーシート部70aも、多数の折返し部を一定間隔で配して構成されているが、その長さ(ギャザー部を真直に伸ばした長さ)は、図示しないコルゲートが形成されている垂直壁部5a,6aの沿面距離の1.2倍,より好ましくは1.4倍以上に設定されている。
なお、その他の点については、前記第1の実施の形態と同一構成となっており、作用も同一である。
【0062】
しかして、本実施の形態における船艙用シート51は、各コーナ壁シート61,62,63,64の構造が複雑で、取扱いも必ずしも容易であるとは云えないが、左右の舷壁シート57,58および船首尾方向の各壁シート59,60の構造および形状が極めて簡素化されるので、その取扱いおよび製造が容易となる。
【0063】
なお、前記各実施の形態においては、いずれもコーナ壁シート11,12,13,14,61,62,63,64を用いて船艙2の内面を完全に覆う場合について説明したが、特に第1の実施の形態の場合のように、コーナ壁シート11,12,13,14がなくても他のシートで船艙2内をほぼ覆うことができる場合には、コーナ壁シート11,12,13,14は省略してもよい。また、前記各実施の形態においては、いずれかのシートが長方形状をなす場合について説明したが、すべてのシートを、例えば変形台形状等に形成してもよい。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、少なくとも船艙の右舷側の壁面にそって配置される右舷壁シートと;船艙の左舷側の壁面にそって配置される左舷壁シートと;船艙の船首側の壁面にそって配置される船首壁シートと;船艙の船尾側の壁面にそって配置される船尾壁シートと;を設け、前記左右の各舷壁シートにおける各壁面の補強材に対応する部位に、多数の折返し部を任意間隔で配して形成される舷壁ギャザーシート部を設けるとともに、前記船首尾の各壁シートにおける各壁面のコルゲートに対応する部位に、多数の折返し部を任意間隔で配して形成される前後壁ギャザーシート部を設け、かつ舷壁ギャザーシート部を、壁面の沿面距離の2.3倍以上の長さとするとともに、前後壁ギャザーシート部を、壁面の沿面距離の1.2倍以上の長さとするようにしているので、各舷壁シートおよび各壁シートにギャザーシート部を設けることで、散積み貨物側から大きな圧力がかかった場合でも、船艙用シートが各壁面の凹凸に倣って無理なく変形し、シートが損傷したり、補強材等が変形するおそれが全くない。また、シートを設置することで、船艙内の清掃作業を大幅に簡素化することができる。特に、船艙壁面の凹凸部を構成する補強材やコルゲートがシートで覆われるので、その実用的効果は大きい。
また、右舷壁シート,左舷壁シート,船首壁シート,および船尾壁シートを、これらに対応する各壁面形状に符合する変形台形状に形成するようにしているので、右舷シート,左舷シート,船首壁シート,および船尾壁シートの4枚のシートで、船艙壁面をほぼ完全に被覆することができる。
【0065】
本発明はまた、船艙の右舷側と船首側とのコーナ部に配置される右舷船首コーナ壁シートと;船艙の右舷側と船尾側とのコーナ部に配置される右舷船尾コーナ壁シートと;船艙の左舷側と船首側とのコーナ部に配置される左舷船首コーナ壁シートと;船艙の左舷側と船尾側とのコーナ部に配置される左舷船尾コーナ壁シートと;を設け、これら各コーナ壁シートを、右舷壁シート,左舷壁シート,船首壁シート,および船尾壁シートの表面側または背面側に、一部オーバラップさせた状態で配置するようにしているので、船艙壁面の全域が、シートにより完全に覆われることになり、船艙壁面への散積み貨物の付着を、ほぼ完全に防止することができる。
【0067】
本発明はまた、各コーナ壁シートを、所定幅の長方形状に形成するようにしているので、各コーナ壁シートの製作が極めて容易となるとともに、その設置作業も容易である。
【0069】
本発明はまた、右舷壁シート,左舷壁シート,船首壁シート,および船尾壁シートを、ハッチの開口寸法に符合する横幅を有する長方形状に形成するようにしたことを特徴とする。ところで、この場合には、船艙の四隅部が大面積で露出することになるので、コーナ壁シートとの併用が必要となるが、左右の各舷壁シートおよび船首尾方向の各壁シートの形状が単純形状となるので、その製作および設置が容易となる。
そして、各コーナ壁シートを、コーナ部にそって直角状に屈曲する変形台形状に形成するようにしているので、各コーナ壁シートの形状が多少複雑になって、その製作および設置には多少の時間を要するが、反面、右舷壁シート,左舷壁シート,船首壁シート,および船尾壁シートの形状を簡素化することができる。
【0070】
本発明はまた、左右両舷側の側壁に上下方向に延在する複数の補強材を有する船艙内に、船艙用シートを設置する船艙用シートの設置方法において、前記船艙用シートを、少なくとも船艙の右舷側の壁面にそって配置される右舷壁シートと;船艙の左舷側の壁面にそって配置される左舷壁シートと;船艙の船首側の壁面にそって配置される船首壁シートと;船艙の船尾側の壁面にそって配置される船尾壁シートと;で構成し、前記任意の補強材に、補強材をガイドレールとして昇降可能な船艙用滑車を着脱可能に装着するとともに、この船艙用滑車を予め所定の高さ位置に固定しておき、前記各壁面シートを、船艙用滑車を介し引廻される紐体を引張ることにより、各壁面にそって配置するようにしているので、補強材にそって昇降する船艙用滑車を用いることで、補強材の下端部に船艙用滑車を装着するとともに、各壁面シートの紐体をこの船艙用滑車に係止し、その後ハッチ上からロープを引張って、船艙用滑車を補強材の所定高さ位置まで上昇,固定するようにすれば、昇降台車や長尺梯子等を用いることなく、船艙底部およびハッチ上に作業員を配するのみで、船艙用シートを設置することができる。また、船艙用滑車は、補強材に対し着脱可能となっているので、不要の場合には取外して他の船舶に用いることができる。
【0071】
本発明はまた、左右の各舷壁シートにおける各壁面の補強材に対応する部位に、多数の折返し部を任意間隔で配して形成される舷壁ギャザーシート部を設けるとともに、船首尾の各壁シートにおける各壁面のコルゲートに対応する部位に、多数の折返し部を任意間隔で配して形成される前後壁ギャザーシート部を設け、かつ前記舷壁ギャザーシート部を、壁面の沿面距離の2.3倍以上の長さとするとともに、前記前後壁ギャザーシート部を、壁面の沿面距離の1.2倍以上の長さとするようにしているので、船艙用シートを、各壁面の凹凸に倣って無理なく変形させることができ、散積み貨物側から大きな圧力がかかっても、シートが損傷したり補強材等が変形するおそれが全くない。
【0072】
本発明はさらに、船艙用シートに、船艙の右舷側と船首側とのコーナ部に配置される右舷船首コーナ壁シートと;船艙の右舷側と船尾側とのコーナ部に配置される右舷船尾コーナ壁シートと;船艙の左舷側と船首側とのコーナ部に配置される左舷船首コーナ壁シートと;船艙の左舷側と船尾側とのコーナ部に配置される左舷船尾コーナ壁シートと;を設け、これら各コーナ壁シートを、船艙用滑車を介し引廻される紐体を引張ることにより、右舷壁シート,左舷壁シート,船首壁シート,および船尾壁シートの表面側または背面側に、一部オーバラップさせた状態で配置するようにしているので、船艙壁面の全域をシートにより完全に被覆することができ、船艙壁面への散積み貨物の付着を、ほぼ完全に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る船艙用シートを示す説明図である。
【図2】左右の各舷壁シートの設置状態を示す説明図である。
【図3】船首尾方向の各壁シートの設置状態を示す説明図である。
【図4】左右の各舷壁シートの構造を示す説明図である。
【図5】図4の各舷壁シートに配される補強テープの配置状態を示す説明図である。
【図6】図5のVI−VI線断面図である。
【図7】船首尾方向の各壁シートの構造を示す説明図である。
【図8】船艙の四隅部に配される各コーナ壁シートの構造を示す説明図である。
【図9】ハッチコーミング部に溶着されるハッチリングの状態を示す説明図である。
【図10】船底に溶着される船底リングの状態を示す説明図である。
【図11】右舷側の壁面に取付けられる各リングおよび船艙用滑車の状態を示す説明図である。
【図12】左舷側の壁面に取付けられる各リングおよび船艙用滑車の状態を示す説明図である。
【図13】船首側の壁面に取付けられる各リングおよびシャックルの状態を示す説明図である。
【図14】船尾側の壁面に取付けられる各リングおよびシャックルの状態を示す説明図である。
【図15】断面T形状の補強材に適用される船艙用滑車を上方から見た部分断面図である。
【図16】図15と同様の正面図である。
【図17】断面L形状の補強材に適用される船艙用滑車を上方から見た部分断面図である。
【図18】図17と同様の正面図である。
【図19】左右の舷壁シートの中間部を、船艙用滑車を利用して二つ折り状に引上げている状態を示す説明図である。
【図20】吹込み防止シート部の取付け状態を示す説明図である。
【図21】本発明の第2の実施の形態に係る船艙用シートを示す図1相当図である。
【図22】左右の各舷壁シートの構成を示す斜視図である。
【図23】船首尾方向の各壁シートの構成を示す斜視図である。
【図24】右舷船首コーナ壁シートおよび左舷船尾コーナ壁シートの構成を示す斜視図である。
【図25】右舷船尾コーナ壁シートおよび左舷船首コーナ壁シートの構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,51 船艙用シート
2 船艙
3,4,5,6 壁面
7,57 右舷壁シート
8,58 左舷壁シート
9,59 船首壁シート
10,60 船尾壁シート
11,61 右舷船首コーナ壁シート
12,62 右舷船尾コーナ壁シート
13,63 左舷船首コーナ壁シート
14,64 左舷船尾コーナ壁シート
15 ハッチコーミング
16 補強材
19,23,27,65,67,71 上端Cリング
20,24,28,66,68,72 下端Cリング
29 ハッチリング
30 垂直壁リング
31 船底リング
32 船艙用滑車
33 シャックル
C1,C2,C3,C4,C5,C6,C7 中間リング

Claims (8)

  1. 少なくとも船艙の右舷側の壁面にそって配置される右舷壁シートと;船艙の左舷側の壁面にそって配置される左舷壁シートと;船艙の船首側の壁面にそって配置される船首壁シートと;船艙の船尾側の壁面にそって配置される船尾壁シートと;を備え、前記左右の各舷壁シートは、各壁面の補強材に対応する部位に、多数の折返し部を任意間隔で配して形成される舷壁ギャザーシート部を有しているとともに、前記船首尾の各壁シートは、各壁面のコルゲートに対応する部位に、多数の折返し部を任意間隔で配して形成される前後壁ギャザーシート部を有し、かつ舷壁ギャザーシート部は、壁面の沿面距離の2.3倍以上の長さを有しているとともに、前後壁ギャザーシート部は、壁面の沿面距離の1.2倍以上の長さを有し
    右舷壁シート,左舷壁シート,船首壁シート,および船尾壁シートは、これらに対応する各壁面形状に符合する変形台形状に形成されていることを特徴とする船艙用シート。
  2. 船艙の右舷側と船首側とのコーナ部に配置される右舷船首コーナ壁シートと;船艙の右舷側と船尾側とのコーナ部に配置される右舷船尾コーナ壁シートと;船艙の左舷側と船首側とのコーナ部に配置される左舷船首コーナ壁シートと;船艙の左舷側と船尾側とのコーナ部に配置される左舷船尾コーナ壁シートと;を備え、これら各コーナ壁シートは、右舷壁シート,左舷壁シート,船首壁シート,および船尾壁シートの表面側または背面側に、一部オーバラップさせた状態で配置されることを特徴とする請求項1記載の船艙用シート。
  3. 各コーナ壁シートは、所定幅の長方形状に形成されていることを特徴とする 請求項1または請求項2に記載の船艙用シート。
  4. 少なくとも船艙の右舷側の壁面にそって配置される右舷壁シートと;船艙の左舷側の壁面にそって配置される左舷壁シートと;船艙の船首側の壁面にそって配置される船首壁シートと;船艙の船尾側の壁面にそって配置される船尾壁シートと;を備え、前記左右の各舷壁シートは、各壁面の補強材に対応する部位に、多数の折返し部を任意間隔で配して形成される舷壁ギャザーシート部を有しているとともに、前記船首尾の各壁シートは、各壁面のコルゲートに対応する部位に、多数の折返し部を任意間隔で配して形成される前後壁ギャザーシート部を有し、かつ舷壁ギャザーシート部は、壁面の沿面距離の2.3倍以上の長さを有しているとともに、前後壁ギャザーシート部は、壁面の沿面距離の1.2倍以上の長さを有し、
    右舷壁シート,左舷壁シート,船首壁シート,および船尾壁シートは、ハッチの開口寸法に符合する横幅を有する長方形状に形成され、
    各コーナ壁シートは、コーナ部にそって直角状に屈曲する変形台形状に形成されていることを特徴とする船艙用シート。
  5. 前記各コーナ壁シートは、船艙の右舷側と船首側とのコーナ部に配置される右舷船首コーナ壁シートと;船艙の右舷側と船尾側とのコーナ部に配置される右舷船尾コーナ壁シートと;船艙の左舷側と船首側とのコーナ部に配置される左舷船首コーナ壁シートと;船艙の左舷側と船尾側とのコーナ部に配置される左舷船尾コーナ壁シートと;を備え、これら各コーナ壁シートは、右舷壁シート,左舷壁シート,船首壁シート,および船尾壁シートの表面側または背面側に、一部オーバラップさせた状態で配置されることを特徴とする請求項4に記載の船艙用シート。
  6. 左右両舷側の側壁に上下方向に延在する複数の補強材を有する船艙内に、船艙用シートを設置する船艙用シートの設置方法において、前記船艙用シートは、少なくとも船艙の右舷側の壁面にそって配置される右舷壁シートと;船艙の左舷側の壁面にそって配置される左舷壁シートと;船艙の船首側の壁面にそって配置される船首壁シートと;船艙の船尾側の壁面にそって配置される船尾壁シートと;を備え、前記任意の補強材に、補強材をガイドレールとして昇降可能な船艙用滑車を着脱可能に装着するとともに、この船艙用滑車を予め所定の高さ位置に固定しておき、前記各壁面シートを、船艙用滑車を介し引廻される紐体を引張ることにより、各壁面にそって配置することを特徴とする船艙用シートの設置方法。
  7. 左右の各舷壁シートは、各壁面の補強材に対応する部位に、多数の折返し部を任意間隔で配して形成される舷壁ギャザーシート部を有しているとともに、船首尾の各壁シートは、各壁面のコルゲートに対応する部位に、多数の折返し部を任意間隔で配して形成される前後壁ギャザーシート部を有し、かつ前記舷壁ギャザーシート部は、壁面の沿面距離の2.3倍以上の長さを有しているとともに、前記前後壁ギャザーシート部は、壁面の沿面距離の1.2倍以上の長さを有していることを特徴とする請求項6記載の船艙用シートの設置方法。
  8. 船艙用シートは、船艙の右舷側と船首側とのコーナ部に配置される右舷船首コーナ壁シートと;船艙の右舷側と船尾側とのコーナ部に配置される右舷船尾コーナ壁シートと;船艙の左舷側と船首側とのコーナ部に配置される左舷船首コーナ壁シートと;船艙の左舷側と船尾側とのコーナ部に配置される左舷船尾コーナ壁シートと;を備え、これら各コーナ壁シートを、船艙用滑車を介し引廻される紐体を引張ることにより、右舷壁シート,左舷壁シート,船首壁シート,および船尾壁シートの表面側または背面側に一部オーバラップさせた状態で配置することを特徴とする請求項6または7記載の船艙用シートの設置方法。
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