JP4394380B2 - スクロール流体機械 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スクロール流体機械に係り、特に流体機械内部の圧力差を利用して軸受に給油する差圧軸受給油方式のスクロール流体機械に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のスクロール流体機械としては、特開2002−310076号公報(特許文献1)に記載されたものがある。このスクロール流体機械は、環状のシール部で内外に分割された旋回スクロール部材背面の空間である背圧室を有し、この背圧室とチャンバ底部との間を繋ぐ油流路を有し、この油流路を主軸受及び旋回軸受を直列に経由して繋ぐように設けている。そして、背圧室を分割する環状シール部を貫く油流路の部分は、旋回運動する旋回スクロール部材がある回転位相角範囲にあるときのみ連通する間欠流路となっている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−310076号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した特許文献1に適用されている油流路が間欠連通流路となっている場合の問題点を説明する。
【0005】
間欠連通流路の油流路において、一定の圧力差がかかる給油路がある時刻に開口した場合の油の質量流速は、図11に実線で示す間欠連通の特性となる。すなわち、油の非圧縮性から閉口時にほぼ不連続的に流速が0まで落ちるため、開口直後の流速は0であり、開口直後に油には主に一定の圧力差による一定の力がかかることによって、ほぼ二次関数で流速が増大していく。しかし、流速が大きくなるにつれて、流速を低下させる向きの粘性力が大きくなるため、流速が頭うちになり、最終的には一定の流速(A)に収束する。従って、開口してから時間Pで閉じるまでの間に給油路を流れる油の流量は、図11の斜線部分の面積にほぼ等しくなる。つまり、油の流量は時間0から時間PまでのVの定積分で算出される。
【0006】
そして、給油路の一開口あたりの時間に対する給油路を流れる油量は、図12の実線で示す間欠連通の特性となる。この間欠連通の特性より、開口時間が短い場合には流量は非常に少なく、流速が頭うちとなる時間まで長くなると流量は急激に増加し、時間が非常に長くなると流量は時間にほぼ比例して増加する関係であることがわかる。
【0007】
この関係から、シャフト回転周期と単位時間当たりの軸受給油量を求めると、図13に実線で示す間欠連通の特性となる。ここで、Bという値は、シャフトが一回転する間の給油路の連通する時間の割合である。例えば、閉口している時間が0の場合、すなわち閉口した直後に開口するような間欠連通状態の場合はB=1となり、連通時間がシャフト一回転当りの時間(シャフト回転周期)の半分の場合はB=0.5となる。この特性から、シャフト回転周期が短い場合(すなわち、流体機械の回転周波数が大きい場合)には、軸受給油量が極端に少なくなることがわかる。
【0008】
スクロール流体機械において、一般的に、回転周波数が大きい場合には軸受内の発熱量が増加するので、軸受の温度上昇を抑制して信頼性を確保するために必要な給油量は増加する。しかし、特許文献1のような間欠連通の軸受給油路では、要求される給油特性と正反対の特性を有するため、スクロール流体機械の回転周波数の大きい場合に充分な給油量を確保すると、回転周波数の小さい場合に極端な給油過多となり、最終的に油が流入する圧縮室内の油が極端に増加する。この結果、チャンバ内で分離しきれず流体機械外へ流出する油量が極端に増加し、チャンバの底部内の油を極端に減少させてしまうこととなる。このため、軸受給油が0となる危険性が増大し、軸受信頼性を低下させるという問題があった。
【0009】
次に、上述した特許文献1に適用されている油流路を主軸受及び旋回軸受を直列に経由して繋ぐように設けている場合の問題点を説明する。油流路を主軸受及び旋回軸受を直列に経由して繋ぐように設けると、供給された油の温度が上流側の主軸受において上昇し、下流側に配置される軸受へ給油される油の温度が高くなってしまうため、下流側の軸受の信頼性が低下するという問題があった。
【0010】
本発明の目的は、給油ポンプを必要とすることなく軸受及び旋回軸受に十分に給油できると共に、軸受及び旋回軸受での油からの冷媒のガス化を抑制でき、しかもシャフトの回転数に依存することなくほぼ一定の給油量を確保できるようにすることによって、安価でエネルギー効率がよく、主軸受及び旋回軸受の信頼性の高いスクロール流体機械を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明のスクロール流体機械は、端板及びそれに立設する渦巻体から成る固定スクロール部材と、端板及びそれに立設する渦巻体から成りその渦巻体の立設する軸線方向に概略垂直な面内を自転せずに旋回運動する旋回スクロール部材と、回転駆動源と、前記旋回スクロール部材を旋回運動させるべく前記回転駆動源と前記旋回スクロール部材を連繋するシャフトと、前記シャフトの軸受と、これらを包含するチャンバ内に設けられた油を貯める貯油室と、前記貯油室に貯まる油を前記軸受へ圧力差で給油すべく前記貯油室から前記軸受を経由して前記貯油室よりも低圧の油流出空間に常時連通する軸受給油路と、を備え、フレームで保持された主軸受及び前記旋回スクロールの旋回軸受保持部で保持された旋回軸受で前記軸受を構成し、前記貯油室に貯まる油を前記主軸受へ圧力差で給油すべく前記貯油室から前記主軸受を経由して前記貯油室よりも低圧の油流出空間に常時連通する主軸受給油路と前記貯油室に貯まる油を前記旋回軸受へ圧力差で給油すべく前記貯油室から前記旋回軸受を経由して前記貯油室よりも低圧の油流出空間に常時連通する旋回軸受給油路とで前記軸受給油路を構成し、前記シャフトの前記主軸受と前記旋回軸受との間に位置する部分に鍔部を形成し、前記鍔部の一側面と前記フレームとの間に前記主軸受給油路のうちで前記主軸受側と前記油流出空間側とを区画する主軸受シール部を形成し、前記鍔部の他側面と前記旋回軸受保持部との間に前記旋回軸受給油路のうちで前記旋回軸受側と前記油流出空間側とを区画する旋回軸受シール部を形成し、前記主軸受シール部または前記旋回軸受シール部を、前記フレームまたは前記旋回軸受保持部に設けられた円環状のシール溝と、前記シール溝に挿入された円環状のシール材と、前記シール材を前記鍔部の一側面または他側面に押圧する部材とで構成し、前記主軸受シール部を貫いて前記主軸受側と前記油流出空間側とを常時連通する流路である軸受絞り流路を設け、前記軸受絞り流路の流路抵抗を前記軸受の流路抵抗より大きくし、前記旋回軸受シール部を貫いて前記旋回軸受側と前記油流出空間側とを常時連通する流路である旋回軸受絞り流路を設け、前記旋回軸受絞り流路の流路抵抗を前記旋回軸受の流路抵抗より大きくしたことにある。
【0013】
係るスクロール流体機械において、より好ましい構成は次の通りである。
【0014】
好ましい構成は、前記旋回スクロール部材と前記回転駆動源とを上下に配置し、前記シャフトを垂直に設置し、前記旋回駆動源をロ一タとステータとからなるモータで構成し、前記モータによる磁気推力を上向きとし、前記フレームに設けられた円環状のシール溝と前記シール溝に挿入された円環状のシール材と前記シール材を前記鍔部の一側面に押圧する部材とで前記主軸受シール部を構成し、前記鍔部の他側面を前記旋回軸受保持部に当接して前記旋回軸受シール部を構成したことにある。
【0015】
また、好ましい構成は、前記旋回スクロール部材と前記回転駆動源とを上下に配置し、前記シャフトを垂直に設置し、前記旋回軸受保持部に設けられた円環状のシール溝と、前記シール溝に挿入された円環状のシール材と、前記シール材を前記鍔部の他側面に押圧する部材とで前記旋回軸受シール部を構成し、内外径の幅が前記旋回シール溝の幅より大きく設定された外周拡大部を設けた前記旋回軸受シールを前記旋回シール溝に前記外周拡大部の弾力性を利用して密着させて装着したことにある。
【0020】
記目的を達成するために、本発明のスクロール流体機械は、端板及びそれに立設する渦巻体から成る固定スクロール部材と、端板及びそれに立設する渦巻体から成りその渦巻体の立設する軸線方向に概略垂直な面内を自転せずに旋回運動する旋回スクロール部材と、回転駆動源と、前記旋回スクロール部材を旋回運動させるべく前記回転駆動源と前記旋回スクロール部材を連繋するシャフトと、前記シャフトの軸受と、これらを包含するチャンバ内に設けられた油を貯める貯油室と、前記貯油室に貯まる油を前記軸受へ圧力差で給油すべく前記貯油室から前記軸受を経由して前記貯油室よりも低圧の油流出空間に常時連通する軸受給油路と、を備え、フレームで保持された主軸受及び前記旋回スクロールの旋回軸受保持部で保持された旋回軸受で前記軸受を構成し、前記貯油室に貯まる油を前記主軸受へ圧力差で給油すべく前記貯油室から前記主軸受を経由して前記貯油室よりも低圧の油流出空間に常時連通する主軸受給油路と前記貯油室に貯まる油を前記旋回軸受へ圧力差で給油すべく前記貯油室から前記旋回軸受を経由して前記貯油室よりも低圧の油流出空間に常時連通する旋回軸受給油路とで前記軸受給油路を構成し、前記シャフトの前記主軸受と前記旋回軸受との間に位置する部分に鍔部を形成し、前記鍔部の一側面と前記フレームとの間に前記主軸受給油路のうちで前記主軸受側と前記油流出空間側とを区画する主軸受シール部を形成し、前記鍔部の他側面と前記旋回軸受保持部との間に前記旋回軸受給油路のうちで前記旋回軸受側と前記油流出空間側とを区画する旋回軸受シール部を形成し、前記主軸受シール部と前記旋回軸受シール部の大きさ及び形状を同一とし、前記主軸受シール部を貫いて前記主軸受側と前記油流出空間側とを常時連通する流路である軸受絞り流路を設け、前記軸受絞り流路の流路抵抗を前記軸受の流路抵抗より大きくし、前記旋回軸受シール部を貫いて前記旋回軸受側と前記油流出空間側とを常時連通する流路である旋回軸受絞り流路を設け、前記旋回軸受絞り流路の流路抵抗を前記旋回軸受の流路抵抗より大きくしたことにある。
前記目的を達成するために、本発明のスクロール流体機械は、端板及びそれに立設する渦巻体から成る固定スクロール部材と、端板及びそれに立設する渦巻体から成りその渦巻体の立設する軸線方向に概略垂直な面内を自転せずに旋回運動する旋回スクロール部材と、回転駆動源と、前記旋回スクロール部材を旋回運動させるべく前記回転駆動源と前記旋回スクロール部材とを連繋するシャフトと、前記シャフトの軸受と、これらを包含するチャンバ内に設けられた油を貯める貯油室と、前記貯油室に貯まる油を前記軸受へ圧力差で給油すべく前記貯油室から前記軸受を経由して前記貯油室よりも低圧の油流出空間に常時連通する軸受給油路と、を備え、フレームで保持された主軸受及び前記旋回スクロールの旋回軸受保持部で保持された旋回軸受で前記軸受を構成し、前記貯油室に貯まる油を前記主軸受へ圧力差で給油すべく前記貯油室から前記主軸受を経由して前記貯油室よりも低圧の油流出空間に常時連通する主軸受給油路と前記貯油室に貯まる油を前記旋回軸受へ圧力差で給油すべく前記貯油室から前記旋回軸受を経由して前記貯油室よりも低圧の油流出空間に常時連通する旋回軸受給油路とで前記軸受給油路を構成し、前記シャフトの前記主軸受と前記旋回軸受との間に位置する部分に鍔部を形成し、前記鍔部の一側面と前記フレームとの間に前記主軸受給油路の前記主軸受側と前記油流出空間側とを区画する主軸受シール部を形成し、前記鍔部の他側面と前記旋回軸受保持部との間に前記旋回軸受給油路のうちで前記旋回軸受側と前記油流出空間側とを区画する旋回軸受シール部を形成し、前記主軸受シール部を、前記フレームに設けられた円環状のシール溝と、前記シール溝に挿入された円環状のシール材と、前記シール材を前記鍔部の一側面または他側面に押圧する部材とで構成し、前記旋回軸受シール部を貫いて前記旋回軸受側と前記油流出空間側とを常時連通する流路である旋回軸受絞り流路を設け、前記旋回軸受絞り流路の流路抵抗を前記旋回軸受の流路抵抗より大きくし、前記主軸受給油路と前記旋回軸受給油路とを前記主軸受及び前記旋回軸受の下流側で合流させる軸受給油路連通穴を前記鍔部に設けたことにある。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のスクロール流体機械の複数の実施例について図を用いて説明する。
【0024】
最初に本発明の第1実施例を図1乃至図5を用いて詳細に説明する。図1は本発明の第1実施例のスクロール流体機械の縦断面図、図2は図1のM部拡大図(旋回軸受及び主軸受付近の拡大図)、図3は図2のN部拡大図(鍔部付近の拡大図)、図4は図2のA−A断面図(シャフトの横断面図)、図5は図2のB−B断面図(シャフトの横断面図)である。本実施例のスクロール流体機械は、縦型のスクロール圧縮機で構成され、インバータにより回転数制御される。
【0025】
固定スクロール部材1は固定端板1bとそれに立設する固定渦巻体1aよりなる。固定スクロール部材1の歯底面(固定端板1b)にはバイパス穴1cが複数設けられ、各々にバイパス弁110が設けられている。これらは、過圧縮抑制と液圧縮の回避を行うために設けられている。これらと後述する背圧制御弁とを組み合わせることにより、広範囲な条件下で背圧の適正化を行うことができる。
【0026】
旋回スクロール部材2は旋回端板2bとそれの両側に立設する旋回渦巻体2a及び旋回軸受保持部2dよりなる。その旋回スクロール部材2は、旋回渦巻体2aを固定スクロール部材1の固定渦巻体1aに噛み合わせ、作動流体(本実施例ではHFC冷媒またはHC冷媒)を圧縮するための圧縮室を形成する。旋回スクロール部材2の背面に設けられた旋回軸受保持部2d内にはカーボン製の旋回軸受2cが設けられ、この旋回軸受2c内には旋回軸受2cよりも熱膨張率の大きい鉄系合金製のシャフト9の偏心部9aが挿入されている。このように、旋回軸受2cはシャフト9よりも熱膨張率が小さい材料が用いられている。カーボン製の軸受は一般に信頼性が高く、鉄系合金製のシャフトは一般に安価である。固定スクロール部材1と旋回スクロール部材2とは圧縮機構部を構成する。
【0027】
回転駆動源であるモータ17は、チャンバ20に固定されたステータ17bと、このステータ17b内に回転可能に配置されたロータ17aとから構成されている。ロータ17aにはシャフト9が貫通して固定されている。圧縮機構部とモータ17とは上下に配置され、シャフト9がこれらを連結するように垂直に設置されている。
【0028】
シャフト9は、フレーム15に固定したカーボン製の主軸受15aで上部が回転可能に支持されると共に、副軸受70で下部が回転可能に支持されている。また、旋回スクロール部材2はフレーム15との間に配置したオルダムリング16により、自転を阻止されるようになっている。
【0029】
上述した圧縮機構成要素は、密閉されたチャンバ20内に配置される。このチャンバ20の底部が貯油室5となっている。
【0030】
シャフト9をモータ17で回転させることにより、偏心部9aの偏心運動に伴って旋回スクロール部材2がその渦巻体の立設する軸線方向に概略垂直な面内を自転せずに旋回運動される。旋回スクロール部材これにより、両スクロール部材1、2間に圧縮室200が形成され、この圧縮室200が中心方向に容積を縮小して移動され、固定端板1bの中央部からチャンバ20内に圧縮された作動流体が吐出される。従って、チャンバ20内の貯油室5を含む空間は、吐出圧力(高圧)になっている。
【0031】
シャフト9の中心には、給油穴9bが貫通して設けられている。この給油穴9bは、一側が貯油室5内に連通されると共に、他側が偏心部9aの上面と旋回端板2bの下面とで形成される空間に連通されている。
【0032】
給油穴9bの主軸受15aに対応する部分から主軸受15aに延びる給油分岐穴9cが設けられている。この給油分岐穴9cに連なるようにシャフト9表面に軸方向に延びる主軸受給油溝9dが設けられている。この主軸受給油溝9dの他側は、主軸受15aの端部より外方に開口して設けられ、鍔部9eの一側面(主軸受側の面)の近くまで延びている。主軸受給油溝9dは主軸受15aの摺動部に給油するためのものである。
【0033】
また、シャフト9の偏心部9aの表面に軸方向に延びる旋回軸受給油溝9fが設けられている。旋回軸受給油溝9fの一側は偏心部9aの上面と旋回端板2aの下面とで形成される空間に連通されると共に、他側は鍔部9eの他側面(旋回軸受側の面)の近くまで延びている。旋回軸受給油溝9fは旋回軸受2cの摺動部に給油するためのものである。
【0034】
シャフト9には、モータ17を形成するロータ17aの磁気中心をステータ17bの磁気中心よりも圧縮機構部側へずらすことにより発生するフレーム側への磁気推力をかけるようになっている。これによって、図3に示すように鍔部9eの一側面をフレーム15の突出面に常時接触させるようになっている。鍔部9eとフレーム15の突出面が接触することにより、図5に示すように主軸受シール部300が形成され、その内外空間が区切られている。この区切られた外側空間は、貯油室5よりも低圧の油流出空間を構成する。なお、フレーム15の突出面は断面が円錐台形状となるように形成されている。
【0035】
また、旋回軸受2cを保持する旋回軸受保持部2dの端面には、図3に示すように、円環状の旋回シール溝2eが設けられている。旋回シール溝2eには、波板ばね(図示せず)が挿入された後、旋回円環シール30が装着されている。この旋回円環シール30により、図4に示すように旋回軸受シール部301が形成され、その内外空間が区切られている。ここで、これらのシール部300、301を貫くように(換言すれば、シール部300、301の両側を常時連通するように)絞り流路302、303が設けられている。
【0036】
旋回軸受絞り流路303は、図4に示すように、鍔部9eの旋回軸受側の面にミクロンオーダで掘り込んだ極めて浅く且つ広い面積の溝が旋回軸受シール部301を跨ぐように設けられて実現されている。このような旋回軸受絞り流路303は極めて容易に加工できる。図示例では、旋回軸受絞り流路303は三日月状に形成されている。
【0037】
また、主軸受絞り流路302は、図5に示すように、鍔部9eの主軸受側の面にミクロンオーダで掘り込んだ極めて浅く且つ広い面積の溝を主軸受シール部302を跨ぐように設けて実現している。このような主軸受絞り流路302は極めて容易に加工できる。図示例では、主軸受絞り流路302は三日月状に形成されている。
【0038】
絞り流路302、303は、全て鍔部9eの段差加工で行っている。これによって、加工性が向上するという効果がある。また、2個所のシール部300、301の大きさと形状を同一としている。これによって、シャフト9にかかる軸方向のガス力はキャンセルされ、それによる摺動損失が無いという効果がある。
【0039】
それら2個所のシール部30、30の共通した外側空間である油流出外側空間4は、戻し流路40を介して、圧縮室200または吸込み室6に繋がれている。戻し流路40の途中には背圧制御弁100が設けられている。この背圧制御弁100は、油流出外側空間4に流入する吐出圧下の油とそこに溶け込んでいた流体がガス化することにより上昇する
圧力を抜く弁である。流出先の圧力に内部の圧縮ばねの圧縮量に対応した一定値を足した圧力に油流出外側空間4の圧力を制御する。この圧力で旋回スクロール部材2を固定スクロール部材1に押付けて圧縮室の密閉性を向上させ、高性能を実現する。
【0040】
次に、スクロール流体機械の運転動作にともなう作動流体の流れを説明する。スクロール流体機械が運転されると、吸込みパイプ18により作動流体のガスをチャンバ20の外部から吸込み室6に取り込む。その後、圧縮室200でガスを圧縮し、高圧の吐出圧にして、チャンバ20内に一旦吐出する。ここで、ガス中に混入している油を分離した後、吐出パイプ19からチャンバ20外に出す。分離された油は貯油室5内に溜められる。
【0041】
次に、スクロール流体機械の運転動作にともなう油の流れを説明する。スクロール流体機械が運転されると、吐出圧下にある貯油室5の油は、給油穴9b、給油分岐穴9c、主軸受給油溝9d、主軸受絞り流路302を経由して、油流出外側空間4に流れ込む。つまり、これが、主軸受給油路である。この主軸受給油路において、主軸受給油溝9dの流路抵抗より主軸受絞り流路302の流路抵抗を小さくしてある(換言すれば、主軸受絞り流路302の流路抵抗より主軸受給油溝9dの流路抵抗を大きくしてある。これによって、主軸受給油溝9dにおける油からのガスが抑制される。
【0042】
特に、この主軸受給油路全体の流路抵抗のうちで、主軸受絞り流路302の流路抵抗を9割以上の大きさとなるようにしている。これによって、主軸受給油路の両端にかかる差圧の9割以上が主軸受絞り流路302の両端にかかり、1割以下のわずかな部分がそれ以外の給油路部にかかる。主軸受15aはそれ以外の給油路部の一部であるから、そこにかかる差圧は確実に1割以下となる。すなわち、主軸受15aに給油するためにかかる主軸受給油路の両端間の差圧よりも一桁以上小さい差圧しか主軸受15aにかからないことになる。この結果、主軸受15aにおいて油に溶解していた成分の溶解度はほとんど低下せず、軸受部の油中から泡状にガス化して油膜切れを起こす発泡現象が抑制できるため、主軸受105aの信頼性が格段に向上する効果がある。
【0043】
また、エネルギー損失が発生する給油ポンプ等を用いず、圧力差を利用して主軸受15aへ給油を行うため、エネルギー効率が高くなる効果がある。
【0044】
旋回軸受2cに対しても同様に、吐出圧下にある貯油室5の油は、給油穴9b、旋回軸受給油溝9f、旋回軸受絞り流路303を経由して、油流出外側空間4に流れ込む。つまり、これが、旋回軸受給油路である。この旋回軸受給油路は、主軸受給油路と同様の流路抵抗の設定となっているので、主軸受給油路と同様に、旋回軸受2cでの発泡現象を抑制でき、旋回軸受2cの信頼性を向上でき、エネルギー効率が高くなる効果がある。
【0045】
主軸受給油路及び旋回軸受給油路は、主軸受給油路の主軸受部分と旋回軸受給油路の旋回軸受部分とを並列に形成している。これによって、貯油室5に貯留された低温の油を、主軸受給油路の主軸受部分と旋回軸受給油路の旋回軸受部分とに、独立して直接供給することができるので、従来の特許文献1におけるように下流側に配置された旋回軸受の信頼性が損なわれることもなく、主軸受15a及び旋回軸受2cの軸受信頼性を共に高めることができる。そして、各軸受15a、2cの必要給油量に合わせた給油を行うことが可能となるため、両軸受15a、2cの信頼性がより一層向上するという効果がある。
【0046】
また、これらの主軸受給油路及び旋回軸受給油路は、常時連通された状態で形成されている。これによって、図11乃至図13に示す従来技術の特性と対比した本実施例の給油路内の流速、給油路の流量及び軸受給油量は、図11乃至図13の二点鎖線で示す特性となる。図13から明らかなように、本実施例では、シャフト回転周期すなわち流体機械の回転周波数によらず軸受給油量が一定となる特性を有する。従って、流体機械の回転周波数の増大とともに軸受給油量が低下する従来技術の問題点を解決し、軸受信頼性が向上する効果がある。特に、必要給油量が増大する高回転周波数の運転時でも給油量が確保され、軸受信頼性を保つことができるという効果がある。
【0047】
油流出外側空間4に流れ込んだ油は、背圧制御弁100を途中に配置した戻し流路40により、吸込み室6または圧縮室200に流入する。この油は、圧縮室200のシール性を向上させつつ、ガスとともにチャンバ20内に吐出される。このチャンバ20内に吐出されるときにガスの流速が低下するために、油は油滴となって、チャンバ20底部の貯油室5に戻る。
【0048】
各軸受15a、2cへの給油経路の絞り流路302、303は、回転する鍔部9aと回転しないフレーム15または旋回軸受円環シール30の相対運動する二面間で油流出側空間4側に開放されるように形成されるため、たとえごみが入っても油流出側空間4側に排出され、詰まる危険性がなく、この給油機構の信頼性を高める効果がある。
【0049】
信頼性の高いカーボン製の軸受15a、2cを用いて信頼性を向上しつつ、熱膨張率が大きい安価なシャフト9を用いるようにした前述の構成では、旋回軸受2cと偏心部9aとの隙間を大きく確保する必要がある。すなわち、軸受15a、15bの熱膨張率がシャフト9のそれよりも小さい組み合わせの場合、軸受15a、2cの温度が高温になる厳しい運転条件でも軸受隙間を確保するために、常温での組立時の軸受隙間は非常に大きく設定する必要がある。この結果、高性能が要求される定格運転条件のような軸受温度があまり高温とならない通常運転では、軸受隙間はかなり大きい状態となる。従来は、この軸受部が絞り流路の役割を担っていたために、軸受給油量が多くなってしまっていた。そして、戻し流路によって、軸受へ供給した高温の油はほぼ全て圧縮室や吸込み室に戻るため、圧縮対象ガスの加熱度合いが増大し、その分だけ性能の低下を招いていた。また、油に溶け込んだ高圧の圧縮対象ガスも吸込み室や圧縮室に戻るため、吸込み室に戻った分は体積効率の低下、圧縮室に戻った分は圧縮に要するエネルギーの増大を起こし、いずれも性能の低下を招いていた。本実施例では、シャフト9に深い給油溝9d、9fを掘ったりして軸受部の流路抵抗を下げ、その下流側に流路抵抗の大きい絞り流路を設けたため、軸受給油量を増加させることなく、高性能を実現できるという効果がある。
【0050】
次に、本発明の第2実施例について図6及び図7を用いて説明する。図6は本発明の第2実施例のスクロール流体機械に用いる旋回軸受円環シールの断面拡大図、図7は同スクロール流体機械の旋回軸受シール部付近の断面拡大図である。この第2実施例は、次に述べる通り第1実施例と相違するものであり、その他の点については第1実施例と基本的には同一である。
【0051】
この第2実施例では、旋回軸受シール30の外周側に外周拡大部30aを設けたものである。この外周拡大部30aの内外径の幅は、旋回シール溝2eの幅より大きく設定されている。この外周拡大部30aを設けることで、旋回軸受シール30を旋回シール溝2eの外周側面に外周拡大部30aの弾力性を利用して密着させることができるため、旋回スクロール部材2から脱落する危険性を回避でき、組立性が向上できるという第2実施例特有の効果がある。
【0052】
なお、図7では、旋回軸受シール30が旋回シール溝2eの側面に接触しない状態で示されているが、これは運転動作における圧力によりこのように変形された状態を示しているからである。また、図7には、波板ばね31を示してあるが、この波板ばね31は旋回軸受シール30を鍔部9aに確実に押圧するためのものである。
【0053】
次に、本発明の第3実施例について図8を用いて説明する。図8は本発明の第3実施例のスクロール流体機械における旋回軸受及び主軸受付近の拡大図である。この第3実施例は、次に述べる通り第1実施例と相違するものであり、その他の点については第1実施例と基本的には同一である。
【0054】
この第3実施例では、モータ17による磁気推力の向きを上向きとし、シール材を旋回スクロール部材側からフレーム側に変更したものであり、上向きのフレームシール溝15xに波板ばね(図示せず)と主軸受円環シール35を挿入するようにしたものである。第1実施例ではシール31を挿入する旋回シール溝2eが下向きであったのに対し、この第3実施例ではフレームシール溝15xが上向きとなるため、組立時に主軸受円環シール35がフレームシール溝15xから脱落する危険性は無くなり、組立性が向上できるという第3実施例特有の効果がある。
【0055】
次に、本発明の第4実施例について図9を用いて説明する。図9は本発明の第4実施例のスクロール流体機械における旋回軸受及び主軸受付近の拡大図である。この第4実施例は、次に述べる通り第3実施例と相違するものであり、その他の点については第3実施例と基本的には同一である。
【0056】
この第4実施例では、主軸受絞り流路302を廃止し、主軸受給油路と旋回軸受給油路とを各軸受の下流側で合流させる軸受給油路連通穴304を設け、絞り流路をシール材35のないシール部301における旋回軸受絞り流路303の一個所にしたものである。シール材35は絞り流路を形成する微小な段差でも摩耗する危険性があり、段差を有する絞り流路と組み合わせた場合にシール材35のシール性が時間の経過とともに低下する危険性があったが、その危険性が無くなるという第4実施例特有の効果がある。
【0057】
次に、本発明の第5実施例について図10を用いて説明する。図10は本発明の第5実施例のスクロール流体機械におけるシャフトの横断面図である。この第5実施例は、次に述べる通り第4実施例と相違するものであり、その他の点については第4実施例と基本的には同一である。
【0058】
この第5実施例では、旋回軸受シール部301の内側と主軸受シール部302の内側との双方に共通する部分の鍔部9aに軸受給油路連通穴を軸方向と平行に設けた軸方向連通穴305としたものである。この軸方向連通穴305によれば、軸方向に加工すればよいので、その加工性が格段に向上するという第5実施例特有の効果がある。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、給油ポンプを必要とすることなく軸受及び旋回軸受に十分に給油できると共に、軸受及び旋回軸受での油からの冷媒のガス化を抑制でき、しかもシャフトの回転数に依存することなくほぼ一定の給油量を確保でき、安価でエネルギー効率がよく信頼性の高いスクロール流体機械を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例のスクロール流体機械の縦断面図である。
【図2】図1のM部拡大図である。
【図3】図2のN部拡大図である。
【図4】図2のA−A断面図である。
【図5】図2のB−B断面図である。
【図6】本発明の第2実施例のスクロール流体機械に用いる旋回軸受円環シールの断面拡大図である。
【図7】同スクロール流体機械の旋回軸受シール部付近の断面拡大図である。
【図8】本発明の第3実施例のスクロール流体機械における旋回軸受及び主軸受付近の拡大図である。
【図9】本発明の第4実施例のスクロール流体機械における旋回軸受及び主軸受付近の拡大図である。
【図10】本発明の第5実施例のスクロール流体機械におけるシャフトの横断面図である。
【図11】給油路開口時刻からの時間と給油路内に発生する油の流れの速度との関係を示す特性図である。
【図12】給油路が一回だけ開口して閉じる間の時間とその間に流れる油の総量の関係を示す特性図である。
【図13】スクロール流体機械のシャフト回転周期と軸受給油量の関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1…固定スクロール部材、2…旋回スクロール部材、2c…旋回軸受、2e…シール溝、4…油流出外側空間、5…貯油室、6…吸込み室、9…シャフト、9b…給油穴、9c…給油分岐穴、9d…主軸受給油溝、9e…鍔部、9f…旋回軸受給油溝、15…フレーム、15a…主軸受、16…オルダムリング、17…モータ、18…吸込みパイプ、19…吐出パイプ、20…チャンバ、30…旋回軸受円環シール、31…波板ばね、35…主軸受円環シール、100…背圧制御弁、200…圧縮室、300…主軸受シール部、301…旋回軸受シール部、302…主軸受絞り流路、303…旋回軸受絞り流路、304…軸受給油路連通穴、305…軸方向連通穴。

Claims (5)

  1. 端板及びそれに立設する渦巻体から成る固定スクロール部材と、
    端板及びそれに立設する渦巻体から成りその渦巻体の立設する軸線方向に概略垂直な面内を自転せずに旋回運動する旋回スクロール部材と、
    回転駆動源と、
    前記旋回スクロール部材を旋回運動させるべく前記回転駆動源と前記旋回スクロール部材とを連繋するシャフトと、
    前記シャフトの軸受と、
    これらを包含するチャンバ内に設けられた油を貯める貯油室と、
    前記貯油室に貯まる油を前記軸受へ圧力差で給油すべく前記貯油室から前記軸受を経由して前記貯油室よりも低圧の油流出空間に常時連通する軸受給油路と、を備え、
    フレームで保持された主軸受及び前記旋回スクロールの旋回軸受保持部で保持された旋回軸受で前記軸受を構成し、
    前記貯油室に貯まる油を前記主軸受へ圧力差で給油すべく前記貯油室から前記主軸受を経由して前記貯油室よりも低圧の油流出空間に常時連通する主軸受給油路と前記貯油室に貯まる油を前記旋回軸受へ圧力差で給油すべく前記貯油室から前記旋回軸受を経由して前記貯油室よりも低圧の油流出空間に常時連通する旋回軸受給油路とで前記軸受給油路を構成し、
    前記シャフトの前記主軸受と前記旋回軸受との間に位置する部分に鍔部を形成し、
    前記鍔部の一側面と前記フレームとの間に前記主軸受給油路のうちで前記主軸受側と前記油流出空間側とを区画する主軸受シール部を形成し、
    前記鍔部の他側面と前記旋回軸受保持部との間に前記旋回軸受給油路のうちで前記旋回軸受側と前記油流出空間側とを区画する旋回軸受シール部を形成し、
    前記主軸受シール部または前記旋回軸受シール部を、前記フレームまたは前記旋回軸受保持部に設けられた円環状のシール溝と、前記シール溝に挿入された円環状のシール材と、前記シール材を前記鍔部の一側面または他側面に押圧する部材とで構成し、
    前記主軸受シール部を貫いて前記主軸受側と前記油流出空間側とを常時連通する流路である軸受絞り流路を設け、
    前記軸受絞り流路の流路抵抗を前記軸受の流路抵抗より大きくし
    前記旋回軸受シール部を貫いて前記旋回軸受側と前記油流出空間側とを常時連通する流路である旋回軸受絞り流路を設け、
    前記旋回軸受絞り流路の流路抵抗を前記旋回軸受の流路抵抗より大きくしたスクロール流体機械。
  2. 前記旋回スクロール部材と前記回転駆動源とを上下に配置し、前記シャフトを垂直に設置し、前記旋回駆動源をロ一タとステータとからなるモータで構成し、前記モータによる磁気推力を上向きとし、前記フレームに設けられた円環状のシール溝と前記シール溝に挿入された円環状のシール材と前記シール材を前記鍔部の一側面に押圧する部材とで前記主軸受シール部を構成し、前記鍔部の他側面を前記旋回軸受保持部に当接して前記旋回軸受シール部を構成した請求項1に記載のスクロール流体機械。
  3. 前記旋回スクロール部材と前記回転駆動源とを上下に配置し、前記シャフトを垂直に設置し、前記旋回軸受保持部に設けられた円環状のシール溝と、前記シール溝に挿入された円環状のシール材と、前記シール材を前記鍔部の他側面に押圧する部材とで前記旋回軸受シール部を構成し、内外径の幅が前記旋回シール溝の幅より大きく設定された外周拡大部を設けた前記旋回軸受シールを前記旋回シール溝に前記外周拡大部の弾力性を利用して密着させて装着した請求項1に記載のスクロール流体機械。
  4. 端板及びそれに立設する渦巻体から成る固定スクロール部材と、
    端板及びそれに立設する渦巻体から成りその渦巻体の立設する軸線方向に概略垂直な面内を自転せずに旋回運動する旋回スクロール部材と、
    回転駆動源と、
    前記旋回スクロール部材を旋回運動させるべく前記回転駆動源と前記旋回スクロール部材を連繋するシャフトと、
    前記シャフトの軸受と、
    これらを包含するチャンバ内に設けられた油を貯める貯油室と、
    前記貯油室に貯まる油を前記軸受へ圧力差で給油すべく前記貯油室から前記軸受を経由して前記貯油室よりも低圧の油流出空間に常時連通する軸受給油路と、を備え
    フレームで保持された主軸受及び前記旋回スクロールの旋回軸受保持部で保持された旋回軸受で前記軸受を構成し、
    前記貯油室に貯まる油を前記主軸受へ圧力差で給油すべく前記貯油室から前記主軸受を経由して前記貯油室よりも低圧の油流出空間に常時連通する主軸受給油路と前記貯油室に貯まる油を前記旋回軸受へ圧力差で給油すべく前記貯油室から前記旋回軸受を経由して前記貯油室よりも低圧の油流出空間に常時連通する旋回軸受給油路とで前記軸受給油路を構成し、
    前記シャフトの前記主軸受と前記旋回軸受との間に位置する部分に鍔部を形成し、
    前記鍔部の一側面と前記フレームとの間に前記主軸受給油路のうちで前記主軸受側と前記油流出空間側とを区画する主軸受シール部を形成し、
    前記鍔部の他側面と前記旋回軸受保持部との間に前記旋回軸受給油路のうちで前記旋回軸受側と前記油流出空間側とを区画する旋回軸受シール部を形成し、
    前記主軸受シール部と前記旋回軸受シール部の大きさ及び形状を同一とし、
    前記主軸受シール部を貫いて前記主軸受側と前記油流出空間側とを常時連通する流路である軸受絞り流路を設け、
    前記軸受絞り流路の流路抵抗を前記軸受の流路抵抗より大きくし
    前記旋回軸受シール部を貫いて前記旋回軸受側と前記油流出空間側とを常時連通する流路である旋回軸受絞り流路を設け、
    前記旋回軸受絞り流路の流路抵抗を前記旋回軸受の流路抵抗より大きくしたスクロール流体機械。
  5. 端板及びそれに立設する渦巻体から成る固定スクロール部材と、
    端板及びそれに立設する渦巻体から成りその渦巻体の立設する軸線方向に概略垂直な面内を自転せずに旋回運動する旋回スクロール部材と、
    回転駆動源と、
    前記旋回スクロール部材を旋回運動させるべく前記回転駆動源と前記旋回スクロール部材とを連繋するシャフトと、
    前記シャフトの軸受と、
    これらを包含するチャンバ内に設けられた油を貯める貯油室と、
    前記貯油室に貯まる油を前記軸受へ圧力差で給油すべく前記貯油室から前記軸受を経由して前記貯油室よりも低圧の油流出空間に常時連通する軸受給油路と、を備え、
    フレームで保持された主軸受及び前記旋回スクロールの旋回軸受保持部で保持された旋回軸受で前記軸受を構成し、
    前記貯油室に貯まる油を前記主軸受へ圧力差で給油すべく前記貯油室から前記主軸受を経由して前記貯油室よりも低圧の油流出空間に常時連通する主軸受給油路と前記貯油室に貯まる油を前記旋回軸受へ圧力差で給油すべく前記貯油室から前記旋回軸受を経由して前記貯油室よりも低圧の油流出空間に常時連通する旋回軸受給油路とで前記軸受給油路を構成し、
    前記シャフトの前記主軸受と前記旋回軸受との間に位置する部分に鍔部を形成し、
    前記鍔部の一側面と前記フレームとの間に前記主軸受給油路の前記主軸受側と前記油流出空間側とを区画する主軸受シール部を形成し、
    前記鍔部の他側面と前記旋回軸受保持部との間に前記旋回軸受給油路のうちで前記旋回軸受側と前記油流出空間側とを区画する旋回軸受シール部を形成し、
    前記主軸受シール部を、前記フレームに設けられた円環状のシール溝と、前記シール溝に挿入された円環状のシール材と、前記シール材を前記鍔部の一側面または他側面に押圧する部材とで構成し、
    前記旋回軸受シール部を貫いて前記旋回軸受側と前記油流出空間側とを常時連通する流路である旋回軸受絞り流路を設け、
    前記旋回軸受絞り流路の流路抵抗を前記旋回軸受の流路抵抗より大きくし、
    前記主軸受給油路と前記旋回軸受給油路とを前記主軸受及び前記旋回軸受の下流側で合流させる軸受給油路連通穴を前記鍔部に設けたスクロール流体機械。
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