JP4394246B2 - ドクター装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロール表面の汚れが取れにくいロールや、金属ブレードでドクタリングを行うと傷が付いてしまうような、表面にテフロンコーティングが施されているロールをドクタリングするのに適したドクター装置、ドクターブレードおよび当該ドクタブレードを用いたドクタリング方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
製紙用ロールや、製鉄用ロール等の表面に付着した異物等の汚れを除去するためにドクター装置が広く使用されている。典型的な構成のドクター装置は、ロール外周面に刃先が圧接されるドクターブレードと、このドクターブレードを保持しているブレードホルダと、このブレードホルダを支持しているドクターバックから構成されている。回転するロールの外周面に対して、固定した位置においてドクターブレードの刃先を適切な角度で押し付けることにより、回転するロール外周面に付着した異物がドクターブレードによって掻き落とされる。ドクターブレードとしては、金属製のもの、硬質樹脂からなるもの、樹脂にガラス繊維を混合した複合素材からなるもの等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、ドクタリング(異物等の汚れを掻き落とすこと)対象のロールとしては、特に汚れが取れにくいロールとして、塗料等の薬剤を塗布された紙を巻き付けて乾燥させる円筒状ドライヤーが知られている。また、その外周面に傷が付き易いロールとして、外周面に樹脂コーティング、例えばテフロンコーティングが施されたロール(テフロンコーティングされた円筒状ドライヤー等)が知られている。これらのロール外周面に付着した異物等の汚れの掻き落としも上記構成のドクター装置を用いると便利である。
【0004】
しかしながら、塗料等の薬剤を塗布された紙を接触させて乾燥させる円筒状ドライヤーは、塗料等がロール外周面に付着して乾燥するので、金属製のドクター等では汚れが十分に除去できないという問題がある。更に、塗料中に接着剤が含まれていると特に汚れの除去が難しくなる。また、樹脂コーティングが施されているロールの場合は、外周面の硬度が低く、一般的に使用されているドクターブレードによりドクタリングを行なうと、表面に傷が付き易いという問題がある。特に金属製のドクターブレードを用いた場合には表面に傷が付く危険性が高い。
【0005】
そこで、従来は、汚れの取れにくいシリンダードライヤーの場合には従来型のドクターが設置されていても汚れの除去が十分ではないので、先端にウエスを巻いた棒を作業員が持って残った異物を拭くという手作業が必要であった。同様に、樹脂コーティングロールの表面に付着している異物等の汚れの除去は、従来型のドクター装置の使用が出来ないので、先端にウエスを巻いた棒を作業員が持って付着した異物を拭くという手作業に頼らざるをえないのが実状であった。しかしながら、手作業による異物の拭き取り作業は効率が悪く、また、確実に異物を除去できないという問題点がある。更には、ロールを停止して、異物を拭き取る必要があるので、稼動効率が低下するという弊害もある。
【0006】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、塗料等の薬剤を塗布された紙の乾燥に用いるため汚れの取れにくいシリンダードライヤーや、表面に傷の付き易い樹脂コーティングロールのドクタリングに適したドクター装置及びドクターブレードを提案することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は、ドクターブレード、ブレードホルダおよびドクターバックを有し、ロール外周面の汚れを掻き取るために用いるドクター装置において、ロール外周面に圧接されるドクターブレードの刃先部分をフェルト製とし、前記ブレードホルダはエアチューブ式のものであり、前記ドクターブレードの前記ロール外周面に対する圧接力が空気を印加されたエアチューブの膨張、収縮により調整可能であることを特徴としている。
【0008】
本発明のドクター装置による掻き取り対象のロールは、塗料等の薬剤が塗布された紙を接触させて乾燥させる円筒状ドライヤー、または表面にテフロン(登録商標)コーティング等の樹脂コーティングが施されている樹脂コーティングロールである。
【0009】
ここで、前記ドクターブレードを、ほぼ長方形のブレード芯材と、このブレード芯材の先端部分において当該ブレード芯材の表面部分から先端縁を経て裏面部分を覆うように当該ブレード芯材に取り付けたフェルト材から構成することができ、この場合には、当該フェルト材の折り曲げ部分が前記ドクターブレードの刃先部分として機能する。
【0010】
この構成の樹脂コーティングロール用ドクター装置では、そのドクターブレードの刃先部分がフェルト製であるので、ロール外周面を傷付けることがない。また、ロール表面とドクターブレード先端との間に隙間が出来ることがなく接触が確実である為、効率良くロール外周面から異物を掻き落とすことが可能なことも確認された。
【0011】
ここで、フェルト製のドクターブレード刃先部分により異物の掻き落としを行うと、掻き落とされた異物がフェルト内に溜まる可能性がある。そこで、本発明のドクター装置においては、上記構成に加えて、フェルト内に溜まった異物を除去するために、フェルト製のドクターブレードの刃先部分に水を供給する給水手段を備えた構成とすることが望ましい。また、給水はシリンダードライヤーのような高温(例えば100℃以上)のロールのドクタリングにおいてブレード接触部の冷却作用もある。
【0012】
次に、本発明のドクター装置は、移動式ドクター装置あるいは摺動式ドクター装置として構成すると、ロール面長方向に均一にドクタリング出来るので好ましい。この場合には、前記ドクターブレードを、前記ロール外周面に沿って当該ロール回転軸線に平行に往復移動させるブレード移動手段を配置すればよい。
【0014】
一方、本発明は、テフロンコーティング等の樹脂コーティングが施されているロールをドクタリングするために使用する樹脂コーティングロール用ドクター装置において、前記ロール外周面に圧接されるドクターブレードの刃先部分をフェルト製としたことを特徴としている。
【0015】
この場合においても、本発明のドクターブレードを、長方形のブレード芯材と、このブレード芯材の先端部分において当該ブレード芯材の表面部分から先端縁を経て裏面部分を覆うように当該ブレード芯材に取り付けた長方形のフェルト材から構成し、当該フェルト材の折り曲げ部分を前記ドクターブレードの刃先部分とすればよい。
【0016】
本発明においてドクターブレードの先端部に用いる「フェルト」は、広義の意味で用いており、(1)羊毛その他の獣毛を主原料として湿気、熱および圧力を加えて縮繊したもの、(2)ナイロン、アクリル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン、ビニロン、レーヨンの合成繊維をニードルパンチにより高密度に交絡させた不織布である所謂ニードルフェルト、(3)獣毛を主原料とした織物、(4)獣毛ではないが天然繊維あるいは合成繊維を主原料とした織物、を含むものである。これらのうち特に、(2)のニードルフェルトと、(1)のフェルトが耐久性等の点で優れており、好適に使用できる。
【0017】
次に、本発明は、ドクター装置を用いてロール外周面の汚れを掻き取るドクタリング方法において、ロール外周面に圧接される刃先部分がフェルト製のドクターブレードを用いて、ドクターブレード部分を前記ロール外周面に沿ってロール回転軸線に平行に移動させながら、これと共に、あるいはこの代りに、ブレード刃先部分に水を供給しながら掻き取りを実施することを特徴としている。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、本発明を適用した樹脂コーティングロール用ドクター装置の実施例を説明する。
【0019】
図1は本例のドクター装置の全体構成図、図2はその概略断面構成図であり、図3はそのドクターブレード構成部品を示す図である。
【0020】
まず、図1および図2を参照して説明すると、本例のドクター装置1は移動式あるいは摺動式ドクター装置であり、表面にテフロンコーティングが施されている樹脂コーティングロール2の外周面2aに沿って、当該ロール2の回転軸線2bの方向に往復移動しながらロール外周面2aの全幅に渡ってドクタリングを行うものである。
【0021】
尚、本例のドクター装置1は、塗料等の薬剤が塗布された紙を接触させて乾燥させる金属表面を有する円筒状ドライヤーにも好適に使用できるが、この場合は一般的に円筒状ドライヤーに用いられる固定式ドクター装置と併設することができる。
【0022】
この本例のドクター装置1は、ロール外周面2aに圧接される刃先部分3を備えたドクターブレード4と、このドクターブレード4を保持しているブレードホルダ5と、このブレードホルダ(ブレード保持装置)5をロール回転軸線2bの方向(ロール幅方向)に往復移動させる直動機構6と、この直動機構6を支持しているドクターバック7とを備えている。
【0023】
また、刃先部分3の上方には、当該刃先部分3に散水するための散水用パイプ8が刃先部分3に平行に配置され、この散水用パイプ8にはその長さ方向に沿って一定の間隔で散水ノズル8aが形成されている(これらパイプ8、散水ノズル8aについては図1において図示を省略してある。)
次に、図1ないし図3を参照して、本例のドクター装置1の特徴であるドクターブレード4の構造を説明する。本例のドクターブレード4は、図3(a)に示す長方形の一定厚さのブレード芯材11を備えている。このブレード芯材11の先端側の部分(刃先側部分)には、その先端縁11aの側から、二つ折りにした図3(b)に示す長方形の一定厚さのフェルト材12が取り付けられている。換言すると、ブレード芯材11の先端側の部分は、その表面側から先端縁11aを経由して裏面側に渡りフェルト材12で覆われている。そして、この二つ折りにしたフェルト材12の折り曲げ部分12aが刃先部分3とされている。
【0024】
尚、本実施例において使用したフェルトは、合成繊維を主原料とするニードルフェルト(日本フェルト工業株式会社製、型番GA3071)である。
【0025】
二つ折り状態でブレード芯材11に取り付けたフェルト材12が外れないように、本例では、フェルト材12をビス13およびナット14を用いてブレード芯材11に締結している。すなわち、図3(a)に示すように、二つ折り状態で取り付けたフェルト材12の上下の端部分、ブレード芯材11のほぼ中央部分にはそれぞれ3個ずつのビス孔12(1)ないし12(3)、12(11)ないし12(13)と、ビス孔11(1)ないし11(3)が、対応する位置に形成されている。また、図2(c)に示す細長い長方形の一定厚さのフェルト押さえ板15、16が、二つ折りにされたフェルト材12の上側および下側表面にそれぞれ当てられ、下側のフェルト押さえ板16に開けた3個のビス孔15(1)ないし15(3)からビス13をねじ込み、各ビス13の脚部を、二つ折り状態のフェルト材12を通して、上側のフェルト押さえ板15の各ビス孔16(1)ないし16(3)から突出させ、突出した部分にナット14をそれぞれ取り付けてある。
【0026】
なお、ブレード芯材11は、例えば、厚さ1.5mm、横150mm、縦74.5mmのエポキシ樹脂板とすることができ、フェルト材12は、例えば、厚さ10ないし15mm、横170mm、(広げた状態での)縦65mmないし120mmとすることができる。この場合には、フェルト材12がブレード芯材11よりも広く、両端部分においてフェルト材端部がブレード芯材11の両端から横方に突出した状態になる。一方、フェルト押さえ板15、16は、例えば、厚さ2mm、横150mm、縦20mmのエポキシ樹脂板とすることができる。勿論、本発明のドクタブレード2の各部分はこのような寸法、素材に限定されるものではないことは明らかである。
【0027】
次に、ドクターブレード4を保持しているブレードホルダ5は、本例では公知のエアーチューブ式のものを採用している。このエアーチューブ式のブレードホルダ(ブレード保持装置)5は、長方形のトッププレート51を備え、この裏面には一定の間隔でブレードフィンガ52が取り付けられており、これらの先端に形成されている差し込み溝53に、ドクターブレード4の後端部分4aを着脱可能な状態で差し込むことができる。本例では、差し込まれたドクターブレード4の後端部分4aとトッププレート51の間に、板ばね18、19が取付けられ、これらによりドクターブレード4の抜けが防止されている。
【0028】
これらブレードフィンガ52は、両端に配置されている支持ブラケット54の間に架け渡した回転軸55によって、当該回転軸を中心として前後方向(矢印A方向)に回転可能に支持されている。支持ブラケット54は、ブレードフィンガ52から一定の間隔をおいて配置されているボトムプレート56の両端縁の一部を直角に起立させたものである。
【0029】
ブレードフィンガ52とボトムプレート56の間には、回転軸55を挟み、前後にそれぞれ開放用エアーチューブ57、加圧用エアーチューブ58が配置されている。これらのエアーチューブ57、58に対する空気の供給および排出を制御することにより、ドクターブレード4をロール外周面2aから離すことができ、また、所定の圧接力でドクターブレード4の刃先部分3をロール外周面2aに押し付けることができる。
【0030】
このブレードホルダ5を支持している直動機構6は、ドクターバック7に取り付けたベース61と、このベース61に形成したロール幅方向に延びる一対の直線スライドレール62、63と、これらの直線スライドレール62、63に沿って直線往復移動するスライドテーブル64とを備えている。スライドテーブル64は、その裏面が、タイミングベルト等からなる駆動用ベルト65に連結されている。駆動用ベルト65は、ロール幅方向の一方の端に配置されている駆動プーリー66と、他方の端に配置されている従動プーリー67の間においてスライドレールと平行となるように架け渡されている。
【0031】
駆動プーリー66は、駆動源であるACサーボモータ68の出力軸に固定されており、このモータ68を駆動すると、スライドテーブル64は駆動ベルト65によってスライドレール62、63に沿って直線移動する。モータ68を逆転すれば、反対方向にスライドテーブル64を移動させることができる。ドクターブレード4の移動範囲L(4)は、ロール2の面長L(2)(ロール幅、ロール回転軸線2bの方向の長さ)を包含するようにドクターブレード4の刃先3が移動できるように設定されており、例えば、リミットスイッチによりかかる移動範囲を規定し、リミットスイッチの出力に基づきモータ68を駆動制御すればよい。
【0032】
次に、直動機構6を支持しているドクターバック7は、その両端に支軸71、72を備え、これらの支軸71、72が固定フレーム73、74に取り付けられた軸受けによって回転可能な状態で支持されている。
【0033】
このように構成した本例のドクター装置1では、一対のエアーチューブ57、58の膨張、収縮量を制御することにより、ドクターブレード4のフェルト製の刃先部分3を適切な圧接力で回転しているロール2の外周面2aに押し付ける。この結果、フェルト製の刃先部分3によってテフロンコーティングが施されているロール外周面2aのドクタリングが行われる。また、直動機構6によって、ドクターブレード4は一定の速度で連続的に、あるいは間欠的に、ロール回転軸線2bの方向に移動しながら、ロール外周面の全体に渡ってドクタリングを行う。さらに、本例ではノズル8aからフェルト製の刃先部分3に対して連続的に、あるいは間欠的に散水が行われる。
【0034】
なお、本例のドクター装置は移動式のものであるが、本発明は、ドクターブレード幅を、ドクタリング対象のロール全幅を包含する寸法にした一般的なドクター装置にも同様に適用可能である。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、ドクターブレードとして刃先部分がフェルト製のものを使用して、表面の汚れが取れにくい塗料等の薬剤を塗布された後の円筒状ドライヤーや、ロール表面に傷が付き易い樹脂コーティングロールのロール外周面をドクタリングすることにより、人手に頼ることなく、しかも、ロール外周面を傷付けることなく、ロール外周面から異物を掻き落とすことができる。また、表面に付着して取れにくい異物の掻き落としも確実に行なうことができる。
【0036】
また、本発明においては、給水しながら、刃先部分がフェルト製のドクターブレードによりロール外周面をドクタリングすることが好ましい。このようにすることにより、フェルト内に溜まった異物を容易に外部に排出でき、フェルト製の刃先部分のドクタリング性能を良好な状態に保持できる。また、ドライヤーロールのように高温のロールに使用する場合には、給水により発熱防止効果も期待できる。
【0037】
更に、本発明においては、ドクターブレードを当該ロールの回転軸線に沿って、往復移動させながらドクタリングさせることが好ましい。このようにすることにより、ブレードとロール表面との接触の良くない部分があった場合でも、部分的に汚れの掻き落としが不充分な部分が生ずることがなく、ロール外周面の汚れを均一に除去することができる。
【0038】
更にまた、本発明においては、エアチューブ式のブレード保持装置を備えることが好ましく、ドクターブレードのロール面に対する圧接力をエアチューブ内の空気圧により調整することにより、微調整が可能となり、特に樹脂コーティングロールのように傷の付き易いロールに対して効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したドクター装置の概略構成図である。
【図2】図1のドクター装置の側面図である。
【図3】図1のドクター装置におけるドクターブレードの構成部品を示す図であり、(a)はブレード芯材の平面図、(b)はフェルト材を平面に広げた状態の平面図、(c)はフェルト押さえ板の平面図である。
【符号の説明】
1 ドクター装置
2 ロール
2a テフロンコーティングが施されたロール外周面
2b ロール回転軸線
3 テフロン製の刃先部分
4 ドクターブレード
4a ドクターブレードの後端部分
5 ブレードホルダ(ブレード保持装置)
6 直動機構
7 ドクターバック
8 散水用パイプ(給水手段)
8a 散水ノズル
11 ブレード芯材
11a ブレード芯材の先端縁
12 フェルト材
12a フェルト材の折曲げ部分
13 ビス
14 ナット
15、16 フェルト押さえ板
18、19 板ばね

Claims (6)

  1. ドクターブレード、ブレードホルダおよびドクターバックを有し、ロール外周面の汚れを掻き取るために用いるドクター装置において、
    前記ロール外周面は、塗料等の薬剤が塗布された紙を接触させて乾燥させる円筒状ドライヤー、または表面に樹脂コーティングが施されている樹脂コーティングロールのロール外周面であり、
    前記ロール外周面に圧接される前記ドクターブレードの刃先部分が、フェルト製であり、
    前記ブレードホルダはエアチューブ式のものであり、前記ドクターブレードの前記ロール外周面に対する圧接力が空気を印加されたエアチューブの膨張、収縮により調整可能であり、
    前記フェルトは、以下の(1)〜(4)の素材から選ばれたものであることを特徴とするドクター装置。
    (1)羊毛その他の獣毛を主原料として湿気、熱および圧力を加えて縮繊したもの、
    (2)ナイロン、アクリル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン、ビニロン、レーヨンの合成繊維をニードルパンチにより高密度に交絡させた不織布である所謂ニードルフェルト、
    (3)獣毛を主原料とした織物、
    (4)獣毛ではないが天然繊維あるいは合成繊維を主原料とした織物
  2. 請求項1において、
    前記ドクターブレードは、ほぼ長方形のブレード芯材と、このブレード芯材の先端部分において当該ブレード芯材の表面部分から先端縁を経て裏面部分を覆うように当該ブレード芯材に取り付けたフェルト材とを備えており、当該フェルト材の折り曲げ部分が前記ドクターブレードの刃先部分であることを特徴とするドクター装置。
  3. 請求項1または2において、
    フェルト製の前記ドクターブレードの刃先部分に水を供給する給水手段を有していることを特徴とするドクター装置。
  4. 請求項1ないし3のうちのいずれかの項において、
    前記ドクターブレードを、前記ロール外周面に沿って当該ロール回転軸線に平行に往復移動させるブレード移動手段を有していることを特徴とするドクター装置。
  5. 請求項1ないし4のうちのいずれかの項に記載のドクター装置に用いるドクターブレードであって、当該ドクターブレードの刃先部分がフェルト製であることを特徴とするドクターブレード。
  6. ドクター装置を用いてロール外周面の汚れを掻き取るドクタリング方法において、
    前記ロール外周面は、塗料等の薬剤が塗布された紙を接触させて乾燥させる円筒状ドライヤー、または、表面に樹脂コーティングが施されている樹脂コーティングロールのロール外周面であり、
    当該ロール外周面に圧接される刃先部分がフェルト製であるドクターブレードを、当該ドクターブレードの前記ロール外周面に対する圧接力が空気を印加されたエアチューブの膨張、収縮により調整できるように、エアチューブ式のブレードホルダによって保持し、
    この状態の前記ドクターブレードを前記ロール外周面に沿ってロール回転軸線に平行に移動させながら、これと共に、当該ドクターブレードの前記刃先部分に水を供給しながら掻き取りを実施し、
    前記フェルトとして、以下の(1)〜(4)の素材から選ばれたものを用いることを特徴とするドクタリング方法。
    (1)羊毛その他の獣毛を主原料として湿気、熱および圧力を加えて縮繊したもの、
    (2)ナイロン、アクリル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン、ビニロン、レーヨンの合成繊維をニードルパンチにより高密度に交絡させた不織布である所謂ニードルフェルト、
    (3)獣毛を主原料とした織物、
    (4)獣毛ではないが天然繊維あるいは合成繊維を主原料とした織物
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