JP4394197B2 - 内視鏡対物変倍光学系 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は、内視鏡に使用する対物変倍光学系に関し、特に2焦点タイプの内視鏡対物変倍光学系に関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】
近年、内視鏡において拡大観察のニーズが増加傾向にあるが、内視鏡では先端部の構成の大型化や操作性の悪化は許されないという制約があり、一般カメラ用のズームレンズのように、ズーミング(変倍)とフォーカシング(合焦)をそれぞれ別々のレンズ(群)で行うという構成にするのは困難である。すなわち、そのような構成にすると、可動のレンズ群枚数が増加し、メカニカルな移動機構が複雑となるため、対物光学系の大型化を招く。そこで、従来は、例えば、特開昭51−44937号公報や、特開平1−279219号公報に記載の対物変倍光学系のように、1つのレンズ群を移動させることで、視野角120゜程度の通常観察の状態(短焦点距離)と、近接拡大観察の状態(長焦点距離)の2つの焦点距離で切換使用できる構成(2焦点タイプ)としていた。
【0003】
しかしながら、従来のこのような内視鏡は、変倍時に物点が移動する(物像間距離が変化する)ため、変倍と同時にフォーカシング(体内挿入部先端の移動)が必要となり、操作性の点で問題があり、改善が望まれていた。また、生体部位によっては、拡大観察時に接近できないこともあり、物像間距離が一定の対物変倍光学系が望まれていた。
【0004】
【発明の目的】
本発明は、変倍時に移動するレンズ群が1群のみという簡素な構成でありながら、変倍時に物像間距離が変化しない、小型で高性能な2焦点タイプの対物変倍光学系を得ることを目的とする。
【0005】
【発明の概要】
本発明の内視鏡対物変倍光学系は、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、明るさ絞りと、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群とから構成され、変倍に際し、第1レンズ群と第3レンズ群は不動であり、第2レンズ群が物像間距離を変化させない光軸上の異なる2点に移動し、次の条件式(1)及び(2)を満足することを特徴としている。
(1)0.5<Y/f2<0.8
(2)0.05<|Y/f3|<0.2
但し、
Y:最大像高、
fi:第iレンズ群の焦点距離(i=1,2,3)、
である。
【0007】
第1レンズ群は負の単レンズから構成し、次の条件式(3)を満足させることが好ましい。
(3)0.5<|Y/f1|<0.8
である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の内視鏡対物変倍光学系は、図10の簡易移動図に示すように、物体側から順に、負の第1レンズ群10と、明るさ絞りSと、正の第2レンズ群20と、負の第3レンズ群30とからなっている。この対物変倍光学系は、変倍に際し、第1レンズ群10と第3レンズ群30は不動であり、第2レンズ群20が、物像間距離を変化させない光軸上の2点に移動する。
【0009】
本発明の内視鏡対物光学系は、上述のように3群構成とし、負の第1レンズ群を不動とし、正の第2レンズ群だけを移動させることで2焦点タイプの変倍作用を持たせている。像面を固定し第2レンズ群だけを移動させると、物点が移動することが避けられない。物点を移動させずに物像間距離を一定にすることは、例えば負の第3レンズ群を、第2レンズ群による物点移動を補償するように移動させることにより可能である。しかし、可動レンズ群の増加はレンズ系全体の大型化を招くため、内視鏡には好ましくない。そこで、第3レンズ群を固定し、第2レンズ群のみを移動させることによって、変倍によって物像間距離が変化しない2焦点タイプの対物変倍光学系を得ている。
【0010】
具体的に説明する。変倍に際し、第3レンズ群30が可動であると仮定し、物像間距離が一定になるように移動させると、図11に示すように、第3レンズ群30の移動軌跡は放物線状となる。そのため、第3レンズ群30は、2つの異なる焦点距離(f1とf2)で光軸方向の位置が同一となる。この位置に第3レンズ群30を固定し、第2レンズ群20を移動させて変倍すると、2つの焦点距離f1、f2で物像間距離を等しくすることができる。すなわち、第3レンズ群30が可動であると仮定したときの物像間距離を一定にするための移動軌跡から、第3レンズ群30の光軸方向の位置が同一になる2つの焦点距離を選択して固定することにより、1つのレンズ群(第2レンズ群20)のみを移動させることで2つの焦点距離においては物像間距離が変化しない2焦点タイプの対物変倍光学系が得られる。
【0011】
2つの焦点距離のみで使用する対物変倍光学系は、物体側から順に、負レンズ群、正レンズ群の2群構成でも得ることができる。それに対して、本発明の3群構成では、変倍作用を受け持つ第2レンズ群の像側に負のレンズ群(第3レンズ群)があるため、正の第2レンズ群の屈折力を大きくすることができる。それにより必要な拡大倍率を得るための第2レンズ群の移動量を小さくすることができるために、2群構成に比べてメカニカルな負担を軽減でき、光学系全体の小型化を図ることができる。
【0012】
条件式(1)は、第2レンズ群の屈折力に関するものである。
条件式(1)の下限を越えて、第2レンズ群の正の屈折力が弱くなると、必要な倍率を得るために第2レンズ群の移動量が大きくなり、光学系の大型化を招く。また、長焦点距離端でのFナンバーが大きくなる。条件式(1)の下限を越えて第2レンズ群の屈折力が強くなると、短焦点距離端から長焦点距離端までの諸収差をバランスよく補正することが困難となる。特に、長焦点距離端での像面湾曲がアンダーとなる。
【0013】
条件式(2)は、第3レンズ群の屈折力に関するものである。
条件式(2)の下限を越えて、第3レンズ群の負の屈折力が弱くなりすぎると、第2レンズ群の正の屈折力を大きくすることができなくなり、光学系の大型化を招く。条件式(2)の上限を越えて第3レンズ群の屈折力が強くなると、短焦点距離端において射出瞳位置を十分に像面から遠ざけることができず、良好なテレセントリック性が得られないため、カラー撮像素子を用いる電子内視鏡に適用すると、色ムラなどの問題が発生する。
【0014】
条件式(3)は第1レンズ群の屈折力に関するものである。
条件式(3)の下限を越えると、短焦点距離端で広い視野角とフィルター類を配置するために必要なバックフォーカスが得られなくなる。条件式(3)の上限を越えると、バックフォーカスが長くなりすぎて全長(第1レンズ群の最も物体側のレンズの物体側の面から像面までの距離)が長くなる。そのため、スコープ先端部の湾曲操作性が低下する。
【0015】
次に具体的な実施例を示す。諸収差図中、球面収差で表される色収差図及び倍率色収差図中のd線、g線、C線はそれぞれの波長に対する収差であり、Sはサジタル、Mはメリディオナルである。また、表中のFNOはFナンバー、fは全系の焦点距離、Wは半画角(゜)、fBはバックフォーカス(最も像側の面から像面までの空気換換算距離)、Mは横倍率、u-1は物体距離、rは曲率半径、dはレンズ厚またはレンズ間隔、Nd はd線の屈折率、νはアッベ数を示す。d欄の数値で幅のある数値は、表示されている数値のいずれかをとる2焦点位置に切換前後の位置である。
【0016】
[実施例1]
図1ないし図3は、本発明の内視鏡対物変倍光学系の実施例1を示す。図1はレンズ構成図であり、第1レンズ群10は、負の単レンズで構成され、第2レンズ群20は、物体側から順に、正レンズ、正レンズと負レンズの接合レンズで構成され、第3レンズ群30は負の単レンズで構成されている。r10〜r11は撮像素子の撮像面の前に置かれたフィルター類Gである。明るさ絞りSは第2レンズ群と一体に移動する。図2、図3はそれぞれ、この内視鏡対物変倍光学系の短焦点距離位置、長焦点距離位置における諸収差図、表1はその数値データである。
【0017】
【表1】
【0018】
[実施例2]
図4ないし図6は、本発明の内視鏡対物変倍光学系の実施例2を示す。図4はレンズ構成図であり、図5、図6はそれぞれ、この内視鏡対物変倍光学系の短焦点距離位置、長焦点距離位置における諸収差図、表2はその数値データである。基本的なレンズ構成は実施例1と同様である。
【0019】
【表2】
【0020】
[実施例3]
図7ないし図9は、本発明の内視鏡対物変倍光学系の実施例3を示す。図7はレンズ構成図であり、第1レンズ群10は、負の単レンズで構成され、第2レンズ群20は、物体側から順に、正レンズ、正レンズと負レンズの接合レンズで構成され、第3レンズ群30は負レンズと正レンズの接合レンズで構成されている。r11〜r12はフィルター類Gである。図8、図9はそれぞれ、この内視鏡対物変倍光学系の短焦点距離位置、長焦点距離位置における諸収差図、表3はその数値データである。
【0021】
【表3】
【0022】
各実施例の各条件式に対する値を表4に示す。
【表4】
各実施例は各条件式を満足しており、諸収差も比較的よく補正されている。また、いずれの実施例も第2レンズ群の移動の前後(2焦点位置)での物像間距離(u-1)は一定(10mm)である。すなわち、第1レンズ群は固定であり、第1レンズ群の物体側の面から像面までの距離が一定であるから、物像間距離も一定である。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、変倍時に物像間距離が変化しない、小型で高性能な2焦点タイプの内視鏡対物変倍光学系を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による対物光学系の実施例1のレンズ構成図である。
【図2】図1のレンズ構成の短焦点距離位置における諸収差図である。
【図3】図1のレンズ構成の長焦点距離位置における諸収差図である。
【図4】本発明による対物光学系の実施例2のレンズ構成図である。
【図5】図4のレンズ構成の短焦点距離位置における諸収差図である。
【図6】図4のレンズ構成の長焦点距離位置における諸収差図である。
【図7】本発明による対物光学系の実施例3のレンズ構成図である。
【図8】図7のレンズ構成の短焦点距離位置における諸収差図である。
【図9】図7のレンズ構成の長焦点距離位置における諸収差図である。
【図10】本発明の内視鏡対物変倍光学系の簡易移動図である。
【図11】第3レンズ群が可動であると仮定したときの物像間距離を一定にするための移動軌跡を示す図である。
Claims (2)
- 物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、明るさ絞りと、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群とから構成され、
変倍に際し、第1レンズ群と第3レンズ群は不動であり、第2レンズ群が物像間距離を変化させない光軸上の異なる2点に移動し、次の条件式(1)及び(2)を満足することを特徴とする内視鏡対物変倍光学系。
(1)0.5<Y/f2<0.8
(2)0.05<|Y/f3|<0.2
但し、
Y:最大像高、
fi:第iレンズ群の焦点距離(i=1,2,3)。 - 請求項1記載の内視鏡物変倍光学系において、上記第1レンズ群は負の単レンズからなり、次の条件式(3)を満足する内視鏡対物変倍光学系。
(3)0.5<|Y/f1|<0.8
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JP14003299A JP4394197B2 (ja) | 1999-05-20 | 1999-05-20 | 内視鏡対物変倍光学系 |
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