しかしながら、この特許文献1に記載された発明では、付与された画像特徴情報と検証時に抽出した画像特徴情報とを機械が比較するため、改ざんされているか否か機械を使用しなければ判断できないという問題がある。
他にも、改ざんされているか否か判断する必要がある状況において、必ず機械を使用することができるとは限らない。例えば契約書に署名を行う際に、相手が身内であるため機械を使用するのがためらわれる場合などがある。また、文書を検証するため常に機械を持ち運ばなければならないという問題もある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、文書の閲覧時に利用者が視覚により改ざんされているか否か判断することが可能な視認署名情報生成装置、視認署名付文書表示装置、視認署名情報生成方法、視認署名付文書表示方法、視認署名情報生成プログラム、視認署名付文書表示プログラムおよびコンピュータに読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、処理対象の電子文書を取得する電子文書取得手段と、前記電子文書取得手段により取得された前記電子文書において、改ざんを検出する対象となる保護対象情報の指定を受け付ける保護対象指定受付手段と、前記保護対象指定受付手段により指定を受け付けた前記保護対象情報を、予め定められた規則に従って変換し、利用者が機械を用いずに前記保護対象情報から導出可能な値とした変換保護対象情報を生成する変換情報生成手段と、前記変換情報生成手段により生成された前記変換保護対象情報を、前記利用者が機械を用いずに視覚的に認識可能な標記で、且つ所定の配置状態に従い配置する視認署名背景を生成する背景生成手段と、前記背景生成手段により生成された前記視認署名背景と、前記電子文書と、を分割した構造で保存する保存手段と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、前記保存手段は、前記視認署名背景を含むレイヤーと、前記電子文書を含むレイヤーに分けて保持する、前記電子文書の内容及び前記標記が含まれる視認署名付文書を保存することを特徴とする。
また、請求項3にかかる発明は、請求項2にかかる発明において、前記保存手段により保存された前記視認署名付文書の前記視認署名背景を含むレイヤーと、前記電子文書を含むレイヤーと、をレイヤー毎に表示するか否かを変更する変更手段を、さらに備えたことを特徴とする。
また、請求項4にかかる発明は、請求項3にかかる発明において、可視状態を変更する権限を有する利用者であるか否か認証する変更者認証手段をさらに備え、前記変更手段は、前記変更者認証手段により利用者が認証された場合に、前記保存手段により保存された前記視認署名付文書が保持する、前記視認署名背景を含むレイヤーと、前記電子文書を含むレイヤーと、レイヤー毎に可視状態を変更することを特徴とする。
また、請求項5にかかる発明は、請求項2〜4のいずれか一つにかかる発明において、前記視認署名付文書の、前記視認署名背景を含むレイヤー及び前記電子文書を含むレイヤーが描画された状態で印刷する印刷手段を、さらに備えたことを特徴とする。
また、請求項6にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、前記保存手段は、前記視認署名背景を、前記電子文書とは異なるファイルとして保存することを特徴とする。
また、請求項7にかかる発明は、請求項6にかかる発明において、前記保存手段は、前記視認署名背景に、前記電子文書との対応関係を示す対応情報を付加して保存することを特徴とする。
また、請求項8にかかる発明は、請求項6又は7にかかる発明において、前記保存手段によりファイルとして保存された前記視認署名背景と、前記電子文書と、を重畳して、前記電子文書の内容及び前記標記が含まれる視認署名付文書を生成する重畳手段と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項9にかかる発明は、請求項8にかかる発明において、前記重畳手段による重畳で生成された前記視認署名付文書を印刷する印刷手段を備えたことを特徴とする。
また、請求項10にかかる発明は、請求項1〜9のいずれか一つにかかる発明において、前記背景生成手段は、前記変換情報生成手段により生成された前記変換保護対象情報を、視覚認識可能な前記標記で、且つ前記所定の配置状態に従い、前記電子文書に重畳した場合において所定サイズ以上の白地領域に配置することを特徴とする。
また、請求項11にかかる発明は、請求項1〜10のいずれか一つにかかる発明において、前記背景生成手段は、前記変換保護対象情報及び前記変換保護対象情報と異なる情報を示す偽保護対象情報を、視覚認識可能な標記で、且つ前記所定の配置状態に従い配置した前記視認署名背景を生成することを特徴とする。
また、請求項12にかかる発明は、請求項11にかかる発明において、前記背景生成手段は、前記変換保護対象情報及び前記偽保護対象情報を、視覚認識可能な前記標記で、且つ格子状、同心円状又はランダムに配置した前記視認署名背景を生成することを特徴とする。
また、請求項13にかかる発明は、請求項1〜12のいずれか一つにかかる発明において、前記背景生成手段は、前記変換情報生成手段により生成された前記変換保護対象情報を示す数字、文字、標識及び模様のうちいずれか一つ以上で、且つ前記所定の配置状態に従い配置した前記視認署名背景を生成することを特徴とする。
また、請求項14にかかる発明は、請求項13にかかる発明において、前記背景生成手段は、前記変換情報生成手段により生成された前記変換保護対象情報を数字または文字により配置する場合に、数字または文字のサイズ、フォントの種類及び字体の一つ以上を異ならせ、且つ前記所定の配置状態に従い配置した前記視認署名背景を生成することを特徴とする。
また、請求項15にかかる発明は、請求項1〜14のいずれか一つにかかる発明において、前記電子文書及び前記背景生成手段により生成された視認署名背景画像のどちらか一方以上を表示する表示処理手段を、さらに備えたことを特徴とする。
また、請求項16にかかる発明は、請求項15にかかる発明において、前記背景生成手段は、前記変換情報生成手段により生成された前記変換保護対象情報を、視覚認識可能な前記標記で、且つ前記表示処理手段により表示された前記視認署名付文書に重畳された視認署名背景の前記配置状態と異なる前記所定の配置状態に従い配置した前記視認署名背景を生成することを特徴とする。
また、請求項17にかかる発明は、請求項1〜16のいずれか一つにかかる発明において、前記視認署名背景を生成する権限を有する利用者であるか否か認証する利用者認証手段をさらに備え、前記保存手段は、前記利用者認証手段により認証された場合、前記背景生成手段により生成された前記視認署名背景と、前記電子文書と、を分割した構造で保存することを特徴とする。
また、請求項18にかかる発明は、電子文書に含まれる改ざんを検出する対象となる保護対象情報が、予め定められた規則に従って変換され、利用者が機械を用いずに前記保護対象情報から導出可能な値とされた変換保護対象情報を、前記利用者が機械を用いずに視覚的に認識可能な標記で、且つ所定の配置状態に従い配置する視認署名背景を含むレイヤーと、前記電子文書を含むレイヤーに分けて保持する視認署名付文書を取得する視認署名付文書取得手段と、前記視認署名付文書取得手段により取得した前記視認署名付文書で保持される視認署名背景を含むレイヤーと、電子文書を含むレイヤーのいずれか一つ以上を表示するか否かを変更する変更手段と、前記変更手段による変更に伴い、前記視認署名付文書の視認署名背景を含むレイヤーと、電子文書を含むレイヤーのいずれか一つ以上を表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項19にかかる発明は、請求項18にかかる発明において、レイヤーの表示を変更する権限を有している利用者であるか否か認証する変更者認証手段と、前記変更手段は、前記変更者認証手段により権限を有している利用者である場合に、前記視認署名付文書取得手段により取得した前記視認署名付文書で保持される視認署名背景を含むレイヤーと、電子文書を含むレイヤーのいずれか一つ以上を表示するか否か変更することを特徴とする。
また、請求項20にかかる発明は、処理対象の電子文書を取得する電子文書取得ステップと、前記電子文書取得ステップにより取得された前記電子文書において、改ざんを検出する対象となる保護対象情報の指定を受け付ける保護対象指定受付ステップと、前記保護対象指定受付ステップにより指定を受け付けた前記保護対象情報を、予め定められた規則に従って変換し、利用者が機械を用いずに前記保護対象情報から導出可能な値とした変換保護対象情報を生成する変換情報生成ステップと、前記変換情報生成ステップにより生成された前記変換保護対象情報を、前記利用者が機械を用いずに視覚的に認識可能な標記で、且つ所定の配置状態に従い配置する視認署名背景を生成する背景生成ステップと、前記背景生成ステップにより生成された前記視認署名背景と、前記電子文書と、を分割した構造で保存する保存ステップと、を備えたことを特徴とする。
また、請求項21にかかる発明は、請求項20にかかる発明において、前記保存ステップは、前記視認署名背景を含むレイヤーと、前記電子文書を含むレイヤーに分けて保持する、前記電子文書の内容及び前記標記が含まれる視認署名付文書を保存することを特徴とする。
また、請求項22にかかる発明は、請求項21にかかる発明において、前記保存ステップにより保存された前記視認署名付文書の前記視認署名背景を含むレイヤーと、前記電子文書を含むレイヤーと、をレイヤー毎に表示するか否かを変更する変更ステップを、さらに備えたことを特徴とする。
また、請求項23にかかる発明は、請求項22にかかる発明において、可視状態を変更する権限を有する利用者であるか否か認証する変更者認証ステップをさらに備え、前記変更ステップは、前記変更者認証ステップにより利用者が認証された場合に、前記保存ステップにより保存された前記視認署名付文書が保持する、前記視認署名背景を含むレイヤーと、前記電子文書を含むレイヤーと、レイヤー毎に可視状態を変更することを特徴とする。
また、請求項24にかかる発明は、請求項21〜23のいずれか一つにかかる発明において、前記視認署名付文書の、前記視認署名背景を含むレイヤー及び前記電子文書を含むレイヤーが描画された状態で印刷する印刷ステップを、さらに備えたことを特徴とする。
また、請求項25にかかる発明は、請求項20にかかる発明において、前記保存ステップは、前記視認署名背景を、前記電子文書とは異なるファイルとして保存することを特徴とする。
また、請求項26にかかる発明は、請求項25にかかる発明において、前記保存ステップは、前記視認署名背景に、前記電子文書との対応関係を示す対応情報を付加して保存することを特徴とする。
また、請求項27にかかる発明は、請求項25又は26にかかる発明において、前記保存ステップによりファイルとして保存された前記視認署名背景と、前記電子文書と、を重畳して、前記電子文書の内容及び前記標記が含まれる視認署名付文書を生成する重畳ステップと、を備えたことを特徴とする。
また、請求項28にかかる発明は、請求項27にかかる発明において、前記重畳ステップによる重畳で生成された前記視認署名付文書を印刷する印刷ステップを備えたことを特徴とする。
また、請求項29にかかる発明は、請求項20〜28のいずれか一つにかかる発明において、前記背景生成ステップは、前記変換情報生成ステップにより生成された前記変換保護対象情報を、視覚認識可能な前記標記で、且つ前記所定の配置状態に従い、前記電子文書に重畳した場合において所定サイズ以上の白地領域に配置することを特徴とする。
また、請求項30にかかる発明は、請求項20〜29のいずれか一つにかかる発明において、前記背景生成ステップは、前記変換保護対象情報及び前記変換保護対象情報と異なる情報を示す偽保護対象情報を、視覚認識可能な標記で、且つ前記所定の配置状態に従い配置した前記視認署名背景を生成することを特徴とする。
また、請求項31にかかる発明は、請求項30にかかる発明において、前記背景生成ステップは、前記変換保護対象情報及び前記偽保護対象情報を、視覚認識可能な前記標記で、且つ格子状、同心円状又はランダムに配置した前記視認署名背景を生成することを特徴とする。
また、請求項32にかかる発明は、請求項20〜31のいずれか一つにかかる発明において、前記背景生成ステップは、前記変換情報生成ステップにより生成された前記変換保護対象情報を示す数字、文字、標識及び模様のうちいずれか一つ以上で、且つ前記所定の配置状態に従い配置した前記視認署名背景を生成することを特徴とする。
また、請求項33にかかる発明は、請求項32にかかる発明において、前記背景生成ステップは、前記変換情報生成ステップにより生成された前記変換保護対象情報を数字または文字により配置する場合に、数字または文字のサイズ、フォントの種類及び字体の一つ以上を異ならせ、且つ前記所定の配置状態に従い配置した前記視認署名背景を生成することを特徴とする。
また、請求項34にかかる発明は、請求項20〜33のいずれか一つにかかる発明において、前記電子文書及び前記背景生成ステップにより生成された視認署名背景画像のどちらか一方以上を表示する表示処理ステップを、さらに備えたことを特徴とする。
また、請求項35にかかる発明は、請求項34にかかる発明において、前記背景生成ステップは、前記変換情報生成ステップにより生成された前記変換保護対象情報を、視覚認識可能な前記標記で、且つ前記表示処理ステップにより表示された前記視認署名付文書に重畳された視認署名背景の前記配置状態と異なる前記所定の配置状態に従い配置した前記視認署名背景を生成することを特徴とする。
また、請求項36にかかる発明は、請求項20〜35のいずれか一つにかかる発明において、前記視認署名背景を生成する権限を有する利用者であるか否か認証する利用者認証ステップをさらに備え、前記保存ステップは、前記利用者認証ステップにより認証された場合、前記背景生成ステップにより生成された前記視認署名背景と、前記電子文書と、を分けた構成で保存することを特徴とする。
また、請求項37にかかる発明は、電子文書に含まれる改ざんを検出する対象となる保護対象情報が、予め定められた規則に従って変換され、利用者が機械を用いずに前記保護対象情報から導出可能な値とされた変換保護対象情報を、前記利用者が機械を用いずに視覚的に認識可能な標記で、且つ所定の配置状態に従い配置する視認署名背景を含むレイヤーと、前記電子文書を含むレイヤーに分けて保持する視認署名付文書を取得する視認署名付文書取得ステップと、前記視認署名付文書取得ステップにより取得した前記視認署名付文書で保持される視認署名背景を含むレイヤーと、電子文書を含むレイヤーのいずれか一つ以上を表示するか否かを変更する変更ステップと、前記変更ステップによる変更に従い、前記視認署名付文書の視認署名背景を含むレイヤーと、電子文書を含むレイヤーのいずれか一つ以上を表示する表示ステップと、を備えたことを特徴とする。
また、請求項38にかかる発明は、請求項37にかかる発明において、レイヤーの表示を変更する権限を有している利用者であるか否か認証する変更者認証ステップと、前記変更ステップは、前記変更者認証ステップにより権限を有している利用者である場合に、前記視認署名付文書取得ステップにより取得した前記視認署名付文書で保持される視認署名背景を含むレイヤーと、電子文書を含むレイヤーのいずれか一つ以上を表示するか否か変更することを特徴とする。
また、請求項39にかかる発明は、請求項20〜36のいずれか1つに記載された方法をコンピュータで実行させることを特徴とする。
また、請求項40にかかる発明は、請求項37又は38に記載された方法をコンピュータで実行させることを特徴とする。
また、請求項41にかかる発明は、請求項39に記載された視認署名情報生成プログラム又は請求項40に記載された視認署名付文書表示プログラムを格納したコンピュータに読み取り可能な記録媒体とする。
請求項1にかかる発明によれば、分けて構成された電子文書及び視認署名背景の閲覧時に、認証する利用者が電子文書内の保護対象情報から予め定められた規則に従って変換保護対象情報を導出し、視認署名背景に配置された標記が導出した変換保護対象情報を示す標記と一致するか否か認証を行うことで、保護対象情報が改ざんされているか否か判断することが可能という効果を奏する。
また、請求項2にかかる発明によれば、視認署名付文書が電子文書を含むレイヤーと視認署名背景を含むレイヤーに分けて保持することで、利便性が向上するという効果を奏する。
また、請求項3にかかる発明によれば、レイヤー毎に表示するか否か変更できるため、利用者の要求に従って表示状態を変更できるため、視認性が向上するという効果を奏する。
また、請求項4にかかる発明によれば、変更する権限を有する利用者の場合にレイヤーを表示するか否か変更することを可能としたため、権限を有さない者による偽造を防止することで、信頼性が向上するという効果を奏する。
また、請求項5にかかる発明によれば、各レイヤーが描画された状態で視認署名付文書を印刷することで、紙媒体による視認署名付文書の閲覧時に、保護対象情報が改ざんされているか否か利用者が視覚により判断することが可能という効果を奏する。
また、請求項6にかかる発明によれば、電子文書と視認署名背景を異なるファイルとして保存することで、電子文書及び視認署名背景の取り扱いが容易となるという効果を奏する。
また、請求項7にかかる発明によれば、視認署名背景に、電子文書との対応関係を示す対応情報を付加して保存することで、視認署名背景及び電子文書で対応関係を特定することが可能となり、利用者が特定する手間を省略することができ、利用者の利便性が向上するという効果を奏する。
また、請求項8にかかる発明によれば、別ファイルとして保持された電子文書及び視認署名背景を重畳して視認署名付文書を生成することで、生成された視認署名付文書により保護対象情報が改ざんされているか否か判断することが可能という効果を奏する。
また、請求項9にかかる発明によれば、生成された視認署名付文書を印刷することで、紙媒体による視認署名付文書の閲覧時に、保護対象情報が改ざんされているか否か利用者が視覚により判断することが可能という効果を奏する。
また、請求項10にかかる発明によれば、変換保護対象情報及び偽保護対象情報を、視覚認識可能な標記で、所定の配置状態に従い配置することで、生成された視認署名背景画像及び電子文書の閲覧時に、認証する利用者は電子文書の保護対象情報から予め定められた規則に従って変換保護対象情報を導出し、且つ認証する利用者が記憶している変換保護対象情報の標記の配置場所から、電子文書内の変換保護対象情報を示す標記の配置場所を特定し、特定された配置場所の標記が導出した変換保護対象情報を示す標記と一致するか否か認証を行うことで、保護対象情報が改ざんされているか否か判断することが可能という効果を奏する。
また、請求項11にかかる発明によれば、変換保護対象情報及び偽保護対象情報を、視覚認識可能な標記で、且つ格子状、同心円状又はランダムに配置した視認署名背景画像を生成することで、電子文書に適した視認署名背景の生成が可能となり、視認性が向上するという効果を奏する。
また、請求項12にかかる発明によれば、変換保護対象情報を、数字、文字、標識及び模様のうちいずれか一つ以上で視認署名背景の生成を可能としたことで、電子文書に適した視認署名背景の生成が可能となり、視認性が向上するという効果を奏する。
また、請求項13にかかる発明によれば、変換保護対象情報を数字または文字により配置する場合に、数字または文字のサイズ、フォント及び字体の一つ以上を異ならせて視認署名背景を生成することで、電子文書に適した視認署名背景の生成が可能となり、視認性が向上するという効果を奏する。
また、請求項14にかかる発明によれば、変換保護対象情報を、認証する利用者が視覚により認識することが可能な標記で、所定の配置状態に従い、所定サイズ以上の白地領域に配置することで、電子文書の文字との重複を防止することが可能となり、視認性が向上するという効果を奏する。
また、請求項15にかかる発明によれば、電子文書及び背景生成手段により生成された視認署名背景画像のどちらか一方以上を表示することで、電子文書または生成された視認署名背景画像を利用者が視覚により確認することが可能という効果を奏する。
また、請求項16にかかる発明によれば、生成された視認署名背景の配置状態と異なる配置状態で視認署名背景を再度生成することで、作成者が所望する視認署名背景を生成することが可能という効果を奏する。
また、請求項17にかかる発明によれば、権限を有する利用者に限り背景生成手段により生成された視認署名背景と、電子文書と、を分けた構成で保存することを可能としたため、第三者による偽造を防止することが可能という効果を奏する。
また、請求項18にかかる発明によれば、取得した視認署名付文書を表示する際に、レイヤー毎に表示するか否か変更できるため、視認性が向上するという効果を奏する。
また、請求項19にかかる発明によれば、権限を有している利用者のみ、レイヤー毎に表示するか否かを変更できるので、権限無き第三者による改ざんを防止するという効果を奏する。
また、請求項20にかかる発明によれば、分けて構成された電子文書及び視認署名背景の閲覧時に、認証する利用者が電子文書内の保護対象情報から予め定められた規則に従って変換保護対象情報を導出し、視認署名背景に配置された標記が導出した変換保護対象情報を示す標記と一致するか否か認証を行うことで、保護対象情報が改ざんされているか否か判断することが可能という効果を奏する。
また、請求項21にかかる発明によれば、視認署名付文書が電子文書を含むレイヤーと視認署名背景を含むレイヤーに分けて保持することで、利便性が向上するという効果を奏する。
また、請求項22にかかる発明によれば、レイヤー毎に表示するか否か変更できるため、利用者の要求に従って表示状態を変更できるため、視認性が向上するという効果を奏する。
また、請求項23にかかる発明によれば、変更する権限を有する利用者の場合にレイヤーの表示するか否か変更することを可能としたため、権限を有さない者による偽造を防止することで、信頼性が向上するという効果を奏する。
また、請求項24にかかる発明によれば、各レイヤーが描画された状態で視認署名付文書を印刷することで、紙媒体による視認署名付文書の閲覧時に、保護対象情報が改ざんされているか否か利用者が視覚により判断することが可能という効果を奏する。
また、請求項25にかかる発明によれば、電子文書と視認署名背景を異なるファイルとして保存することで、電子文書及び視認署名背景の取り扱いが容易となるという効果を奏する。
また、請求項26にかかる発明によれば、視認署名背景に、電子文書との対応関係を示す対応情報を付加して保存することで、視認署名背景及び電子文書で対応関係を特定することが可能となり、利用者が特定する手間を省略することができ、利用者の利便性が向上するという効果を奏する。
また、請求項27にかかる発明によれば、別ファイルとして保持された電子文書及び視認署名背景を重畳して視認署名付文書を生成することで、生成された視認署名付文書により保護対象情報が改ざんされているか否か判断することが可能という効果を奏する。
また、請求項28にかかる発明によれば、生成された視認署名付文書を印刷することで、紙媒体による視認署名付文書の閲覧時に、保護対象情報が改ざんされているか否か利用者が視覚により判断することが可能という効果を奏する。
また、請求項29にかかる発明によれば、変換保護対象情報及び偽保護対象情報を、視覚認識可能な標記で、所定の配置状態に従い配置することで、生成された視認署名背景画像及び電子文書の閲覧時に、認証する利用者は電子文書の保護対象情報から予め定められた規則に従って変換保護対象情報を導出し、且つ認証する利用者が記憶している変換保護対象情報の標記の配置場所から、電子文書内の変換保護対象情報を示す標記の配置場所を特定し、特定された配置場所の標記が導出した変換保護対象情報を示す標記と一致するか否か認証を行うことで、保護対象情報が改ざんされているか否か判断することが可能という効果を奏する。
また、請求項30にかかる発明によれば、変換保護対象情報及び偽保護対象情報を、視覚認識可能な標記で、且つ格子状、同心円状又はランダムに配置した視認署名背景画像を生成することで、電子文書に適した視認署名背景の生成が可能となり、視認性が向上するという効果を奏する。
また、請求項31にかかる発明によれば、変換保護対象情報を、数字、文字、標識及び模様のうちいずれか一つ以上で視認署名背景の生成を可能としたことで、電子文書に適した視認署名背景の生成が可能となり、視認性が向上するという効果を奏する。
また、請求項32にかかる発明によれば、変換保護対象情報を数字または文字により配置する場合に、数字または文字のサイズ、フォント及び字体の一つ以上を異ならせて視認署名背景を生成することで、電子文書に適した視認署名背景の生成が可能となり、視認性が向上するという効果を奏する。
また、請求項33にかかる発明によれば、変換保護対象情報を、認証する利用者が視覚により認識することが可能な標記で、所定の配置状態に従い、所定サイズ以上の白地領域に配置することで、電子文書の文字との重複を防止することが可能となり、視認性が向上するという効果を奏する。
また、請求項34にかかる発明によれば、電子文書及び背景生成手段により生成された視認署名背景画像のどちらか一方以上を表示することで、電子文書または生成された視認署名背景画像を利用者が視覚により確認することが可能という効果を奏する。
また、請求項35にかかる発明によれば、生成された視認署名背景の配置状態と異なる配置状態で視認署名背景を再度生成することで、作成者が所望する視認署名背景を生成することが可能という効果を奏する。
また、請求項36にかかる発明によれば、権限を有する利用者に限り背景生成手段により生成された視認署名背景と、電子文書と、を分けた構成で保存することを可能としたため、第三者による偽造を防止することが可能という効果を奏する。
請求項37にかかる発明によれば、取得した視認署名付文書を表示する際に、レイヤー毎に表示するか否か変更できるため、視認性が向上するという効果を奏する。
請求項38にかかる発明によれば、権限を有している利用者のみ、レイヤー毎に表示するか否かを変更できるので、権限無き第三者による改ざんを防止するという効果を奏する。
また、請求項39にかかる発明によれば、コンピュータに読み取らせて実行することによって、請求項20から36のいずれか一つに記載された視認署名情報生成方法をコンピュータの利用で実現することができ、これら各視認署名情報生成方法と同様の効果を奏する。
また、請求項40にかかる発明によれば、コンピュータに読み取らせて実行することによって、請求項37又は38に記載された視認署名付文書表示方法をコンピュータの利用で実現することができ、これら各視認署名付文書表示方法と同様の効果を奏する。
また、請求項41に係る発明によれば、請求項39に記載された視認署名情報生成プログラム又は請求項40に記載された視認署名付文書表示プログラムを格納した記録媒体であり、この記録媒体をコンピュータに読み込ませることで、視認署名情報生成プログラムを実行することが可能という効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる視認署名情報生成装置、視認署名付文書表示装置、視認署名情報生成方法、視認署名付文書表示方法、視認署名情報生成プログラム、視認署名付文書表示プログラムおよびコンピュータに読み取り可能な記録媒体の最良な実施の形態を詳細に説明する。
視認署名情報とは、文書中の保護対象となる情報が改ざんされているか否かを、利用者が予め記憶した事物に基づいて、視覚を通じて検証するために用いる情報をいう。視認署名情報としては、例えば後述した実施の形態においては視認署名背景画像、又は視認署名付文書等が該当する。
視認署名背景画像とは、保護対象となる電子文書に利用者が改ざんされたか否か認証を行うために用いられる画像をいい、電子文書中の保護対象情報に基づいて生成された画像をいう。
また、視認署名付文書とは、この文書中の保護対象となる情報が改ざんされているか否かを、利用者が予め記憶した事物に基づいて、視覚を通じて検証することが可能な文書をいう。なお、視認署名付文書は紙媒体あるいは電子データに制限するものではなく、利用者が視認できるものであればよい。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる視認署名付文書生成装置の構成を示すブロック図である。本図に示すように視認署名付文書生成装置100の内部は、入力処理部101と、電子文書取得部102と、保護対象指定受付部103と、変換情報生成部104と、背景生成部105と、保存部106と、印刷処理部107と、記憶部108と、表示処理部109と、認証部110と、変更部111を備え、取得した電子文書に利用者が改ざんされたか否か認証を行うために用いられる視認署名背景画像を生成して、電子文書と視認署名背景画像を別レイヤーとして保持する視認署名付文書を保存することを可能とする。また、保存された視認署名付文書を印刷することも可能とする。
また、本実施の形態において、視認署名付文書は、レイヤー構造を保持する。そして、この視認署名付文書は、少なくとも電子文書を含むレイヤー(以下、電子文書レイヤーという)、視認署名背景画像を含むレイヤー(以下、視認署名背景レイヤーという)を備える。さらに、視認署名付文書は、レイヤー毎に表示するか否か設定することを可能とする。
記憶部108は、認証テーブル、電子文書及び視認署名付文書を記憶する。認証テーブルは、視認署名付文書を生成する権限を有する利用者(以下、生成者という)または視認署名付文書の各レイヤーの可視状態を変更することができる者(以下、変更者という)についての利用者IDとパスワードと各権限を有しているか否かを示すフラグを対応付けて記憶する。
図2は、本実施の形態にかかる視認署名付文書生成装置100で利用者の認証に用いられる認証テーブルの構造を示した図である。本図で示すように、認証テーブルは、利用者IDと、パスワード、変更権限及び生成権限を示すフラグを対応付けて保持する。変更権限とは、視認署名付文書の各レイヤーの可視状態を変更することが出来る権限とする。また、生成権限とは、視認署名付文書を生成することが出来る権限とする。これらの権限のうち‘1’であれば権限を有していることとし、‘0’であれば権限を有していないこととする。
入力処理部101は、キーボード10、ポインティングデバイス11等の入力装置を介して生成者により入力された情報を処理する。具体的には、入力処理部101は、生成者が入力装置を介してなされた、視認署名付文書を生成する元となる電子文書の選択、電子文書中の改ざんを防止する文字列つまり保護対象情報の指定、保護対象情報から生成される変換保護対象情報に必要な暗号化鍵の入力、電子文書中の保護対象情報が改ざんされているか否か判断するために必要な背景画像を示す視認署名背景画像のシンボルの配置状態の選択等の処理を行う。
シンボルとは、本発明の変換保護対象情報の視認可能な標記に相当し、変換保護対象情報であることを、認証する利用者が認識可能な表示形態をいう。シンボルの例として、電子文書中の文字列と区別できるように表示される変換保護対象情報を示す数字、文字、マーク又は模様などが考えられる。
さらに入力処理部101は、表示可能なシンボル系列の設定や、表示されるシンボル毎のサイズ、書体等の変更等の処理を行う。また、シンボル系列とは、視認署名背景画像に表示可能なシンボルの種類をいう。シンボル系列の例として、数字、漢数字、個数をマークで示したもの、または数字と対応関係を有するマーク等が考えられる。
また、認証する利用者毎にマークを異ならせることも考えられる。つまり、認証する者毎にマークが異なるため、認証する利用者以外の者は変換保護対象情報とマークの対応関係を知らないため、他の者による改ざんを防止することが可能となる。
認証部110は、本発明の変更者認証手段及び利用者認証手段に相当し、入力処理部101で入力処理された利用者ID及びパスワードが、認証テーブルが保持する利用者ID及びパスワードと一致するか否かにより視認署名付文書を生成する権限あるいはレイヤー毎の可視状態を変更できる権限を有するか否か認証を行う。認証した結果、権限を有すると判定された場合に限り、後述した処理により視認署名付文書を生成またはレイヤー毎の可視状態を変更することが可能となる。
また、本実施の形態に係る認証部110は、視認署名付文書生成装置100にログインする際に認証を行うこととする。そしてどちらか一方以上の権限を有している場合に、ログインすることが可能とする。そして、権限に対応したメニューが表示されることで、生成権限を有していれば新たに視認署名付文書を生成することを可能とし、変更権限を有していれば既に生成された視認署名付文書のレイヤー毎の可視状態を変更することを可能とする。これにより視認署名付文書を生成または設定を変更することができる者が一定の権限を有する者に限られるため、権限を有さない者による偽造を防止することで、信頼性が向上する。
電子文書取得部102は、改ざんの防止を防ぐ必要がある保護対象を有する電子文書を取得する。電子文書の取得先について特に制限するものではなく、例えばスキャナ40により読み込まれた電子文書、記憶部108に記憶されていた電子文書、ネットワーク60を介して送信された電子文書、又は利用者により作成された電子文書等が考えられる。また、電子文書のフォーマットを制限するものではなく、例えばPC(Personal Computer)50上で起動するワープロソフトにより作成された電子文書や、スキャナ40等により読み込まれた原稿の画像データであっても良い。
保護対象指定受付部103は、生成者にキーボード10等の入力装置を用いて入力され、この入力が保護対象を指定しているものとして入力処理部101により入力処理された保護対象情報を受け付ける。また、保護対象情報とは、保護対象指定受付部103により指定が受け付けられた情報であり、電子文書内で改ざんされたか否か検証を行う対象となる情報をいう。そして視認署名付文書生成装置100により視認署名付文書が生成された場合、認証する利用者は保護対象情報が改ざんされているか否か検証することが可能となる。
図3は、電子文書取得部102により取得された電子文書、及び改ざんを防止する必要のある保護対象情報の一例を示した図である。本図で示すように、生成者がポインティングデバイス11等の入力装置で指定された請求額の最高桁数を、入力処理部101が入力処理した後、保護対象指定受付部103が保護対象情報として受け取る。そして、後述した処理により生成された視認署名付文書では改ざんを検知することが可能となる。
図1に戻り、表示処理部109は、視認署名付文書を生成するために必要な画面、電子文書及び視認署名付文書等を表示する。また、表示処理部109が表示する視認署名付文書を生成するために必要な画面とは、暗号化鍵入力画面や、配置状態選択画面、シンボル系列選択画面や、表示シンボル詳細設定画面等が考えられる。これらの画面の詳細な説明については後述する。これらの画面を表示することで、生成者が所望する視認署名付文書を生成することが可能となる。
また、表示処理部109は、記憶部108に記憶された視認署名付文書を表示することを可能とする。これにより利用者は印刷せずとも記憶部108に記憶されている視認署名付文書を参照することができるため、認証する利用者が記憶している事物に基づいて改ざんされているか否か判断できることとなる。
変換情報生成部104は、保護対象指定受付部103により指定を受け付けた保護対象情報から、変換保護対象情報を生成する。変換保護対象情報とは、保護対象情報から予め定められた規則により生成された情報であり、利用者が保護対象情報の改ざんを視覚により検出するために必要な情報をいう。本実施の形態においては、後述した処理により変換保護対象情報を生成する。
また、本実施の形態において、変換情報生成部104が保護対象情報から予め定められた規則に従って変換保護対象情報を生成するために、暗号化鍵を用いることとする。そして、この暗号化鍵を、認証する利用者が記憶することで、利用者が視認署名付文書を参照した際に、文書中の保護対象情報から予め定められた規則に従って変換保護対象情報を導出することが可能となる。
具体的には、変換情報生成部104は、予め定められた規則として、保護対象指定受付部103により指定を受け付けた保護対象情報である数値に、暗号化鍵である数値を加算し、この加算した値に対して予め定められた値で除した余りを、変換保護対象情報とする。この除するために用いられる予め定められた値はどの様な値でも良いが、利用者が暗算するのが容易な数値であるのが望ましい。また、本実施の形態においては、予め定められた値を‘10’とする。
具体的な演算の例としては、保護対象情報‘3’で暗号化鍵が‘5’の場合、加算して‘8’を得る。そして‘8’に対して予め定められた値‘10’で除し、余り‘8’を変換保護対象情報とする。
本実施の形態において、偽保護対象情報は、変換情報生成部104において除算を行った結果、余りとなりうる数字から変換保護対象情報‘8’を除いた数字、つまり0,1,2,3,……,7,9とする。そして背景画像のセルに配置する際に、これらから配置に必要な数だけ選択される。また、セルとは、所定の配置状態に従って設定されるシンボル又はダミーシンボルを配置する領域をいう。なお、所定の配置状態については後述する。
また、暗号化鍵は生成者が入力処理部101を介して入力する必要がある。図4は、表示処理部109により表示される暗号化鍵の入力画面の一例を示した図である。表示処理部109が本図で示したような画面を表示することで、生成者が容易に暗号化鍵を入力することが可能となる。
なお、本発明は、予め定められた規則を、上記の処理で示したような暗号化鍵を用いて保護対象情報から変換保護対象情報を生成することに制限するものではなく、視認する利用者及び変換情報生成部104が保護対象情報から変換保護対象情報を生成することが可能な規則であれば良い。例えば保護対象情報‘3’をそのまま変換保護対象情報としてもよい。
図1に戻り、背景生成部105は、変換保護対象情報から、電子文書と対応付けられ、視覚認証を行うために用いられる視認署名背景画像を生成する。具体的には背景生成部105は、背景となる画像に、生成者により選択された所定の配置状態に従いセルの配置を決定する。そして背景生成部105は、決定された配置場所から、生成者により選択されたシンボル系列を用いて、生成者により選択された有効鍵セルの場所に変換保護対象情報を示すシンボルを配置する。
所定の配置状態とは、例えば格子状、同心円状又はランダム等が考えられ、認証を行う際に利用者が記憶した配置場所に基づいて、背景画像内に存在する有効鍵セルの位置を特定することができるようにシンボルを配置する方法をいう。また、本実施の形態において格子状には、三角格子状と四角格子状の二種類を有することとする。
有効鍵セルとは、変換保護対象情報を示すシンボルの配置場所をいう。認証する利用者は予め有効鍵セルの配置場所を記憶しておき、視認署名付文書を提示された場合に予め記憶していた有効鍵セルの配置場所により変換保護対象情報を示すシンボルを特定することが可能となる。
シンボルが配置された有効鍵セル以外のセルには、生成者により選択されたシンボル系列を用いて、偽保護対象情報の標記を示すダミーシンボルを配置する。ダミーシンボルとは、本発明の偽保護対象情報の視認可能な標記に相当し、認証する権限を有していない利用者が、シンボルの特定を困難にするために配置される標記をいう。
これらダミーシンボルをシンボルと共に所定の配置状態で視認署名背景画像に配置することで、認証する利用者以外の者がシンボルの特定が困難になる。なお、偽保護対象情報は、第三者が保護対象情報を特定することを防止できる情報であれば良い。
また、生成者は、視認署名背景画像を生成する前にシンボル系列を選択する必要がある。図5は、表示処理部109によりディスプレイ30に表示されるシンボル系列選択画面の一例を示した図である。本図に示すように、視認署名背景画像として選択可能なシンボル系列が表示され、生成者が入力装置を介して選択し、選択されたシンボル系列を入力処理部101が入力処理して、視認署名背景画像に用いるために背景生成部105に出力することで、背景生成部105は生成者が選択されたシンボル系列を用いて視認署名背景画像を生成することとなる。これにより生成者は、所望のシンボル系列を用いて視認署名背景画像を生成することが可能となるため、電子文書と重畳するために適したシンボル系列を選択することが可能となり、視認性が向上する。
また、生成者がシンボル系列として数字や漢数字を選択した場合、フォントサイズ等を選択することが可能となる。図6は、図5でシンボル系列として数字や漢数字を選択した場合に表示される表示シンボル詳細設定画面の一例を示した図である。本図に示したように、生成者は入力装置を介してシンボルとして表示される数字又は漢数字のフォントの種類や、スタイル、サイズ、色を選択し、選択されたフォントの種類等を入力処理部101が処理することで、視認署名背景画像のフォントの種類等を設定することができる。設定された情報は、入力処理部101が処理して、背景生成部105に出力する。これにより電子文書に適した視認署名背景画像を生成することが可能となり、視認性が向上する。なお、本実施の形態とは異なるが、シンボル系列がマークの場合であっても、マークのサイズ又は色等の設定を可能にしても良い。
そしてシンボル系列等が設定された後、生成者が入力装置を介して配置状態を選択し、選択された配置状態を示す情報を入力処理部101が入力処理を行う。図7は、表示処理部109によりディスプレイ30に表示された配置状態の入力画面の一例を示した図である。この表示処理部109が本図で示したような画面をディスプレイ30に表示させることで、生成者が容易に配置状態を選択することが可能となる。また配置状態以外に、有効鍵セルの配置場所等も選択することが可能となる。そして生成者が配置状態を選択すると、上記の処理の後、表示処理部109がディスプレイ30に選択された配置状態で視認署名背景画像を表示させる。この配置状態の選択は、生成者が‘OK’ボタンを押下するまでの間、何度でも可能である。これにより生成者は満足するまで配置状態を選択することが可能となり、所望の配置状態による視認署名背景画像を生成することが可能となる。
なお、本図で示したプレビューは配置状態として‘ランダム’を選択した場合を示したものである。‘ランダム’ではシンボル及びダミーシンボルが適当に配置される。そして生成者は、認証を行う他の利用者が記憶する配置状態に沿うように、各シンボルの配置を‘位置移動’により設定する必要がある。これにより‘ランダム’とした場合でも認証を行う他の利用者は、保護対象情報が改ざんされているか否か認証することが可能となる。
また、図7において、‘位置移動’により各セルの配置場所を変更することが可能となる。例えば配置状態でランダムを選択した場合に、シンボル及びダミーシンボルがランダムに配置されるが、生成者がポインティングデバイス11等の入力装置よりシンボル及びダミーシンボルの配置場所を入力し、入力された配置場所を示す情報を入力処理部101が入力処理することで、生成者の所望の配置場所にシンボル及びダミーシンボルを配置することが可能となる。また、例えば配置状態で格子上を選択した場合でも、格子内であればシンボル及びダミーシンボルを任意の場所に設定することを可能とする。また、本図で示した画面において、生成者は‘有効鍵選択’を選択し、ポインティングデバイス11等の入力装置により有効鍵セルの配置場所の選択も行う。
また、図7においては、プレビューに表示されたシンボル毎にフォントの種類等を変更することが可能である。また‘セル選択’により表示を変更したいシンボルを選択して、‘文字装飾変更’ボタンを押下すると、図6で示したような画面が表示される。この画面等にフォントのサイズ等を変更して‘OK’ボタンを押下すると、変更された内容を反映した図7で示した画面が表示される。これによりシンボル毎にフォントの種類、やスタイル、サイズ、色を設定することが可能となる。
また、図7においては、プレビューに重畳して表示される電子文書及び視認署名背景画像は、レイヤーとして保持されている。これにより利用者が入力装置を介して各レイヤーの表示/非表示を選択し、この表示/非表示の選択を入力処理部101が入力処理を行うことで、表示処理部109が電子文書または視認署名背景画像について表示/非表示にする処理を行う。また、本図は、電子文書及び視認署名背景画像ともに表示している状態とする。
また、本実施の形態とは異なるが、背景生成部が、視認署名背景画像にシンボル及びダミーシンボルを配置する際に、重畳する電子文書の文字等が記載されていない白地領域の面積を算出し、この面積がシンボル及びダミーシンボルを配置するに十分な場合に、この白地領域にシンボル等を配置する方法が考えられる。この場合、配置状態はランダムの場合に限らず、格子状等の配置状態でも良い。例えば、配置状態が格子状の場合に、各格子領域の範囲内において白地領域の面積を算出し、シンボル等を配置するのに十分な場合に、この白地領域シンボル等を配置すればよい。また、シンボルを所定サイズ以上の白地領域に配置することで、電子文書中の文字との重複を防止することが可能となり、視認署名付文書の視認性が向上する。
そして本実施の形態に戻り、図8は、背景生成部105により生成された視認署名背景画像の一例を示した図である。本図は、生成者が配置状態として四角格子状を選択し、また有効鍵セルとして中央下のセルを選択した場合の例である。本図に示すように、有効鍵セルとして選択された中央下のセルに変換保護対象情報‘8’が配置される。つまり認証する他の利用者は中央下が有効鍵セルということ、及び暗号化鍵‘5’を記憶することで、保護対象情報‘3’から変換保護対象情報‘8’を導出することが可能となる。
保存部106は、取得した電子文書を電子文書レイヤーと、及び生成した視認署名背景画像を視認署名背景レイヤーとし、これらのレイヤーを保持する視認署名付文書を生成して保存する。この際、電子文書レイヤーの保護対象情報に網掛け等の処理を行い、認証する他の利用者が保護対象情報を特定できるようにしても良い。また、保存部106による保存先としては、記憶部108、またはネットワークを介して接続されたPC等とする。
また、本実施の形態において保存部106は、電子文書から電子文書レイヤーを生成する際、電子文書を画像に変換する。電子文書を画像にするための手法はどのような手法を用いても良く、例えばラスタライズ等が考えられる。
図9は、保存部106が生成した視認署名付文書が保持するレイヤー構造を示した概念図である。本図に示すように、視認署名付文書は、電子文書の内容を保持する電子文書レイヤー、及び視認署名背景画像の内容を保持する視認署名背景レイヤーを重ねた構造とする。また、後述する変更部111により視認署名付文書に対して、これらのレイヤー毎に表示/非表示を設定できる。
図10は、保存部106により生成された視認署名付文書の一例を示した図である。また本図で示した視認署名付文書は、電子文書レイヤー及び視認署名背景レイヤーともに表示されている状態で示したものである。
これにより、利用者は、認証する際に予め記憶していた暗号化鍵及び有効鍵セルの配置場所により、視認署名付文書の電子文書レイヤー中の保護対象情報から変換保護対象情報を導出し、電子文書中の有効鍵セルの配置場所にあるシンボルと導出された変換保護対象情報を示すシンボルが一致するか否か確認することで改ざんされているか否か判断することが可能となる。
図10で示した視認署名付文書について認証する利用者が改ざんされているか否か判断するまでの手順を説明する。まず、利用者は予め有効鍵セルの配置場所‘中央下’と暗号化鍵‘5’を記憶している必要がある。そして利用者は、視認署名付文書の保護対象情報を特定する。具体的には、利用者はこの視認署名付文書では請求額の最高桁数‘3’が保護対象情報と特定する。そして保護対象情報‘3’に予め記憶していた暗号化鍵‘5’を加算して、変換保護対象情報‘8’を導出する。次に利用者は、予め記憶していた有効鍵セルの配置場所に配置されているシンボルを確認する。具体的には利用者は、四角格子においては有効鍵セルの配置場所は‘中央下’と記憶しているため、中央下のシンボルを確認する。中央下のシンボルは‘8’であり、導出した変換保護対象情報‘8’と一致するため、改ざんされていないと判断する。異なる場合は、シンボルあるいは保護対象情報が改ざんされていると判断する。
つまり本実施の形態においては、利用者が暗号化鍵及び有効鍵セルの配置場所を記憶しておくことで、保護対象情報が改ざんされているか否か判断することが可能となる。なお、暗号化鍵及び有効鍵セルの配置場所を記憶するために、視認署名付文書の生成者が認証する他の利用者に対して予め伝えておく等が考えられる。これにより生成者及び認証する利用者以外の者による改ざんを防止する。
変更部111は、保存部106により保存された視認署名付文書を読み込んで、変更者が入力装置を介して各レイヤーの表示/非表示を選択し、選択された表示/非表示を入力処理部101が入力処理した後、各レイヤーの表示/非表示の設定を変更する。この変更は、上述した認証部110で認証された変更する権限を有した利用者のみ行うことができる。この各レイヤーの設定の変更は、記憶部108に記憶された視認署名付文書を、表示処理部109によりディスプレイ30に表示された後に可能となる。
図11は、表示処理部109によりディスプレイ30に表示された視認署名付文書のレイヤー毎の表示/非表示の選択画面の一例を示した図である。本図に示すように、プレビューにレイヤーの表示/非表示を反映した視認署名付文書を表示する。また、電子文書レイヤー及び視認署名背景レイヤーの表示/非表示は、利用者が入力装置を介した‘ON’と‘OFF’を切り替えより達成される。そして利用者が入力装置を介して‘OK’ボタンを押下することで、変更部111は、変更された設定で視認署名付文書を更新する。このように表示/非表示を設定することを可能としたことで、利用者の要求に合わせて電子文書レイヤー及び視認署名背景レイヤーのどちらか一方以上を表示することを可能としたため、視認性が向上する。
印刷処理部107は、保存部106により保存された視認署名付文書をプリンタ20に印刷させる。印刷された紙媒体においても利用者が視覚を通じて認証できるため、パソコン等の認証する装置を用いずとも、改竄されているか否か確認することが可能となる。また、印刷処理部107は、変更部111に電子文書レイヤー及び視認署名背景レイヤーが非表示の状態であっても表示した状態でプリンタ20に印刷させる。これにより印刷された電子文書の内容のみ印刷されたことによる、保護対象情報の改ざんを防止することが可能となる。
また、視認署名付文書生成装置100で生成された視認署名付文書を他の装置で参照することを可能とする。その際、視認署名付文書はレイヤー構造を備えているため、権限のある利用者に限りレイヤーの表示/非表示を可能とすることで、利用者の利便性が向上すると共に、第三者の改ざんを防止することが可能となる。
図12は、生成した視認署名付文書を表示するために用いられる、第1の実施の形態にかかる視認署名付文書表示装置の構成を示すブロック図である。本図に示すように視認署名付文書表示装置1100の内部は、入力処理部1101と、視認署名付文書取得部1102と、変更者認証部1103と、変更部1104と、表示処理部1105と、記憶部1106を備え、取得した視認署名付文書を表示し、変更する権限を有する利用者に限りレイヤー毎に表示/非表示を変更することを可能とする。
記憶部1106は、認証テーブル及び視認署名付文書を記憶する。認証テーブルは、視認署名付文書の各レイヤーの可視状態を変更することができる者(以下、変更者という)についての利用者IDとパスワードとを対応付けて記憶している。
入力処理部1101は、キーボード12、ポインティングデバイス13等の入力装置を介して利用者により入力された情報を処理する。具体的には、入力処理部1101は、利用者が入力装置を介してなされた、表示する視認署名付文書の選択、利用者がレイヤーの表示/非表示を行う権限を有しているか否かの認証、変更者による視認署名付文書のレイヤー毎に表示/非表示の変更等の処理を行う。
視認署名付文書取得部1102は、入力処理部1101により入力処理された、表示するための視認署名付文書を取得する。
表示処理部1106は、視認署名付文書取得部1102で取得した視認署名付文書をディスプレイ31に表示する処理を行う。また、後述する変更部1104により視認署名付文書のレイヤー毎の表示/非表示が変更された場合、変更に従って視認署名付文書を表示する処理を行う。
変更者認証部1103は、入力処理部1101で入力処理された利用者ID及びパスワードが、認証テーブルが保持する利用者ID及びパスワードと一致するか否かにより視認署名付文書のレイヤー毎の可視状態を変更できる権限を有するか否か認証を行う。認証した結果、権限を有すると判定された場合に限り、後述する変更部によりレイヤー毎の可視状態を変更することが可能となる。
また、変更者認証部1103は、表示された視認署名付文書のレイヤーの表示/非表示を変更しようとした場合に、認証を行うためのウィンドウが開かれ、認証を行うこととする。変更権限を有していれば既に表示された視認署名付文書をレイヤー毎に可視状態の変更が可能とする。これにより視認署名付文書の表示形態を変更することができる者が一定の権限を有する者に限られるため、権限を有さない者による偽造を防止することで、信頼性が向上する。
変更部1104は、表示処理部1106に表示された視認署名付文書について、変更者が入力装置を介して各レイヤーの表示/非表示を選択し、選択された表示/非表示を入力処理部101が入力処理した後、各レイヤーの表示/非表示の設定を変更する。
また、利用者がレイヤー毎に可視状態を変更するために、利用者の認証が行われた後で、表示処理部1105によりディスプレイ31に図11で示した画面等を表示する。このように表示/非表示を設定することを可能としたことで、利用者の要求に合わせて電子文書レイヤー及び視認署名背景レイヤーのどちらか一方以上を表示することを可能としたため、視認性が向上する。
視認署名付文書表示装置1100は、上述した構成を備えることで、利用者に対して視認署名付文書を表示することができるため、表示された視認署名付文書により保護対象情報が改ざんされているか否か認証することが可能となる。
次に、以上のように構成された本実施の形態にかかる視認署名付文書生成装置100における電子文書を取得してから視認署名付文書を保存するまでの処理について説明する。図13は、本実施の形態にかかる視認署名付文書生成装置100における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
まずは、電子文書取得部102は、生成者にキーボード10等の入力装置を用いて選択され、この選択を入力処理部101が入力処理して電子文書を取得する(ステップS1201)。次に保護対象指定受付部103は、電子文書中から生成者が保護対象を入力し、この入力を保護対象の指定として入力処理部101により入力処理された保護対象情報を受け付ける(ステップS1202)。
保護対象情報が受け付けられた後、表示処理部109により表示される暗号化鍵の入力画面に、生成者がキーボード10等から暗号化鍵を入力し、入力された暗号化鍵の情報を入力処理部101が処理する(ステップS1203)。
次に、変換情報生成部104が、保護対象指定受付部103により指定が受け付けられた保護対象情報、及び入力処理部101により処理された暗号化鍵から、変換保護対象情報を生成する(ステップS1204)。
次に、表示処理部109により表示されるシンボル系列選択画面に、生成者が入力装置を介してシンボル系列を選択し、選択されたシンボル系列の情報を入力処理部101が処理する(ステップS1205)。
そして、生成者がシンボル系列として数字や漢数字を選択した場合に限り、表示処理部109がディスプレイ30に表示させる表示シンボル詳細設定画面から、生成者が入力装置を介してフォント種類等を選択し、選択されたフォント種類等の設定を示す情報を入力処理部101が入力処理を行う(ステップS1206)。なお、シンボル系列として数字や漢数字以外のマークを選択した場合は、表示シンボル詳細設定画面を表示せず、ステップS1206において特に処理は行わないことにする。
次に、表示処理部109により表示される配置状態の入力画面に、生成者がポインティングデバイス11等の入力装置を介して配置状態を選択し、選択された配置状態を示す情報を入力処理部101が処理する(ステップS1207)。
次に、背景生成部105が、入力処理部101により処理されたシンボル系列及び配置状態により視認署名背景画像を生成する(ステップS1208)。また、その際、生成者は入力装置を介して有効セルの配置場所を入力し、入力された有効セルの配置場所を示す情報を入力処理部101が処理する必要がある。例えば配置状態を選択した際に、初期設定として任意の場所に有効鍵セルが配置されることとし、この配置された場所以外に有効鍵セルを設定したい場合に、生成者が入力装置から入力し、この入力を入力処理部101が処理して配置されることとする等が考えられる。また、背景生成部105により背景画像を生成する時に、表示されている配置状態の入力画面から、生成者がシンボル毎にフォントの種類等の設定を変更することが可能とする。
そして表示処理部109が、生成された視認署名背景画像及び電子文書を表示する(ステップS1209)。本実施の形態においては、図7で示した配置状態の入力画面のプレビューに視認署名背景画像と電子文書を重畳して表示される。そして生成者がプレビューに表示された視認署名背景画像と電子文書を参照し、これで良いか否かポインティングデバイス11等から入力する。
次に、入力処理部101は、生成者からの入力を処理して得られた情報から、表示された画像で良いか否か判断する(ステップS1210)。具体的には生成者がポインティングデバイス11等で‘OK’ボタンを押下されたことが入力処理された場合に、表示された文書で良いと判断する。表示された文書では問題あると判断された場合(ステップS1210:No)、ステップS1205のシンボル系列の選択またはステップS1207の配置状態の選択から再び開始される。具体的には生成者が図7で示した画面において‘シンボル系列変更’ボタンを押下した場合にステップS1205から再開され、配置状態を再度選択した場合にステップS1207から再開される。
入力処理部101が表示された画像で良いと判断した場合(ステップS1210:Yes)、保存部106が電子文書を電子文書レイヤーとし、視認署名背景画像を視認署名背景レイヤーとした構造を備えた視認署名付文書を記憶部108等に保存する(ステップS1211)。
上述した処理手順により、視認署名付文書生成装置100は、電子文書と視認署名背景画像を分割した構造で保持する視認署名付文書を生成し、記憶部108等に保存することが可能となる。また、保存した視認署名付文書に対して、印刷処理部107よりプリンタ20で印刷、又は変更部111より各レイヤーの表示/非表示を選択することができる。
なお、上述した処理手順は、本実施の形態による電子文書の取得から、電子文書と視認署名背景画像とを分けた構成で保存する処理手順の例を示したものであり、本発明を上述した処理手順を制限するものではない。
図14は、視認署名付文書生成装置100の機能を実現するためのプログラムを実行したPCのハードウェア構成を示した図である。本実施の形態のPC1300は、CPU(Central Processing Unit)1301などの制御装置と、ROM(Read Only Memory)1302やRAM(Random Access Memory)1303などの記憶装置と、HDD(Hard Disk Drive)、CDドライブ装置などの外部記憶装置1304と、ディスプレイ装置などの表示装置1307と、キーボードやマウスなどの入力装置1306と、他の装置と通信可能にする通信I/F1305を備えており、バス1308を介して接続された通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。また、視認署名付文書表示装置1100の機能を実現するためのプログラムを実行したPCのハードウェア構成も上述した構成と同様の構成を備えている。
本実施形態の視認署名付文書生成装置100で実行される視認署名付文書生成プログラム又は視認署名付文書表示装置1100で実行される視認署名付文書表示プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
また、本実施形態の視認署名付文書生成プログラム又は視認署名付文書表示プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の視認署名付文書生成プログラム又は視認署名付文書表示プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
また、本実施形態の視認署名付文書生成プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
本実施の形態の視認署名付文書生成装置100で実行される視認署名付文書生成プログラムは、上述した各部(入力処理部、電子文書取得部、保護対象指定受付部、変換情報生成部、背景生成部、保存部、印刷処理部、表示処理部、認証部、変更部)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPUが上記記憶媒体から視認署名付文書生成プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、入力処理部、電子文書取得部、保護対象指定受付部、変換情報生成部、背景生成部、保存部、印刷処理部、表示処理部、認証部、変更部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
また、本実施の形態の視認署名付文書表示装置1100で実行される視認署名付文書表示プログラムは、上述した各部(入力処理部、視認署名付文書取得部、変更者認証部、変更部、表示処理部)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPUが上記記憶媒体から視認署名付文書生成プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、入力処理部、視認署名付文書取得部、変更者認証部、変更部、表示処理部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
なお、視認署名付文書生成装置100又は視認署名付文書表示装置1100の機能を実現する装置は、PCに制限するものではなく、例えばMFP(Multi Function Peripheral)等の画像を形成する装置で機能を実現しても良い。
上述した本実施の形態にかかる視認署名付文書生成装置100で生成された視認署名背景画像において、シンボルの配置された有効鍵セルが1つの場合について示したが、視認署名背景画像に配置される有効鍵セルの数を1つに制限するものではない。つまり有効鍵セルは複数存在しても良い。視認署名付文書生成装置100で有効鍵セルを複数設定し、認証する利用者が複数の有効鍵セルの配置場所を記憶することで、認証作業が複雑になり、改ざんすることがさらに困難になる。
また、複数の有効鍵セルを設定した場合、全て同じ暗号化鍵で同一のシンボルを生成する必要はない。つまり、複数の有効鍵セルのうちセル毎に異なる暗号化鍵により変換保護対象情報を生成しても良いし、複数の有効鍵セルでセル毎に暗号化鍵を用いた加算と減算を異ならせて、同一の保護対象情報からセル毎に異なる変換保護対象情報を算出することにしても良い。また、他にも複数の有効鍵セルに配置された標記のうち予め定められた数のみシンボルを配置(例えば、利用者が3箇所の有効鍵セルの配置場所、そして3箇所のうち2箇所にシンボルが配置されると記憶しておき、背景生成部がそのように視認署名背景画像にシンボルを配置する等)しても良い。
また、視認署名付文書生成装置100により電子文書中の保護対象情報から導出される変換保護対象情報を示すシンボルを備える視認署名背景画像を、電子文書と分割した構造で保存される。つまり、視認署名背景画像と電子文書が重畳されていても、例えば電子文書の内容のみ表示等が可能となり、利便性が向上する。そして保存された電子文書の内容と、視認署名背景画像の内容に基づいて認証を行うことで、認証する利用者は改ざんされているか否か判断することが可能となる。また、視認署名付文書が電子文書の内容を含む電子文書レイヤーと視認署名背景画像の内容を含む視認署名背景レイヤーとして保持することで、電子文書と視認署名背景画像の対応関係を保持したまま保存することが可能となる。これにより電子文書と視認署名背景画像が分かれた構成であるにもかかわらず、管理が容易となる。
また、視認署名付文書生成装置100において変更部111により電子文書レイヤー及び視認署名背景レイヤーの表示/非表示が選択できる。これにより電子文書の内容のみ、又は視認署名背景画像の内容のみ、またはそれらを重畳した内容のいずれか選択することができるため、利用者が内容を確認する際の視認性が向上する。また、これらレイヤーの表示/非表示の選択は変更者としての権限を有する者に限られる。これにより一定の権限を備えていない者は自由に表示/非表示を選択することができないため、改ざん等の防止し、信頼性が向上する。
また、変換保護対象情報を示すシンボルの他、偽保護対象情報の標記を示すダミーシンボルも配置することで、有効鍵セルの配置場所を記憶している認証する利用者のみが視認署名付文書内の変換保護対象情報を示すシンボルの配置場所を特定できるので、改ざんされているか否か判断できる。また認証する権限のない他の者が、変換保護対象情報を示すシンボルを特定できないためシンボルを含めた改ざんを防止することが可能となる。
また、視認署名付文書生成装置100により生成された視認署名付文書は、認証する利用者が記憶した暗号化鍵から変換保護対象情報を導出できるため、この利用者のみが保護対象情報が改ざんされているか否か認証することが可能となる。
また、視認署名付文書生成装置100では配置状態、シンボル系列、及びシンボル毎の設定を選択できるため、重畳する電子文書に適した視認署名背景画像を生成することが可能となり、視認性が向上する。
また、プレビュー画面で確認した後、再度配置状態の変更、シンボル系列の選択、及びシンボル毎の設定を行い、視認署名背景画像を生成できるため、生成者が所望する視認署名背景画像、及び視認署名背景画像の内容を含む視認署名付文書を得ることができ、さらに利便性が向上する。
また、利用者が記憶している事物のみで改ざんされているか否か判断できるので、改ざんされているか否か判断するための機材を必要とせず、容易な認証が可能となる。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態の視認署名付文書生成装置では、電子文書と視認署名背景画像を分割した構造として、別々のレイヤーで保持する視認署名付文書を生成した。しかしながら電子文書と視認署名背景画像の分割した構造を、別々のレイヤーに制限するものではない。そこで第2の実施の形態にかかる視認署名付文書生成装置は、電子文書と視認署名背景画像を別ファイルで保存する。
図15は、本発明の第2の実施の形態にかかる視認署名付文書生成装置1400の構成を示すブロック図である。上述した第1の実施の形態にかかる視認署名付文書生成装置100とは、変更部111が削除されていること、入力処理部101とは処理が異なる入力処理部1401に変更され、保存部106とは処理が異なる保存部1402に変更され、印刷処理部107とは処理が異なる印刷処理部1404に変更され、表示処理部109とは処理が異なる表示処理部1405に変更され、記憶部108とは保持している情報が異なる記憶部1406に変更され、重畳部1403が追加された構成を有している点で異なる。以下の説明では、上述した実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略している。
記憶部1406は、第1の実施の形態の記憶部108と同様に、認証テーブル、電子文書を記憶し、本実施の形態においては視認署名付文書の代わりに視認署名背景画像を記憶する。
入力処理部1401は、第1の実施の形態の入力処理部と同様の処理を行うほか、生成者が入力装置を介して入力した、電子文書と電子文書に対応する視認署名背景ファイルの表示または印刷する要求を入力処理する。
表示処理部1405は、背景生成部105により視認署名背景画像を生成する際に、配置状態等を入力する画面を表示する。第1の実施の形態にかかる表示処理部109では、図7で示した画面で配置状態等を入力することとしたが、本実施の形態の表示処理部1405では異なる画面を表示する。図16は、表示処理部1405によりディスプレイ30に表示された配置状態の入力画面の一例を示した図である。本図に示したように、表示処理部1405では、背景生成部105により生成された視認署名背景画像と、電子文書と重畳せずに並列に表示する。この表示処理部1405が本図で示したような画面をディスプレイ30に表示させることで、生成者が容易に配置状態を選択することが可能となる。また配置状態以外に、有効鍵セルの配置場所等も選択することが可能となる。
なお、表示処理部1405では、別ファイルとして保存するため、重畳せずに並列して表示することとしたが、印刷する際には電子文書及び視認署名背景画像が重畳されるため、第1の実施の形態と同様に重畳した状態で表示しても良い。
また、表示処理部1405は、保存部1402により視認署名背景画像がファイルに保存された後、利用者により入力装置を用いて生成されたファイルの表示する要求を入力処理部1401が入力処理した場合、電子文書、及び電子文書に対応付けられた視認署名背景画像を後述する重畳部1403による重畳で生成された視認署名付文書を表示する。これにより電子文書と視認署名背景画像を別ファイルで保存しても、重畳した状態で表示することが可能となる。そして表示処理部1405が重畳した状態で表示することで、認証する利用者が電子文書中の保護対象情報が改ざんされているか否か認証することが可能となる。
また、表示処理部1405により表示される他の画面等は第1の実施の形態にかかる表示処理部109と同様とする。
保存部1402は、背景生成部105により生成された視認署名背景画像を、電子文書と別ファイルに保存する(この保存された視認署名背景画像のファイルを視認署名背景ファイルという)。また、保存部1402は、視認署名背景画像を保存する際に、電子文書との対応情報を付加する。具体的には保存部1402は、視認署名背景ファイルに、視認署名背景画像の他に、ファイルのヘッダに対応情報として電子文書のファイル名を付加する。これにより視認署名背景ファイルのヘッダを読み込むことで対応付けられた電子文書を特定することが可能となる。また、保存部1402による保存先としては、記憶部1406、またはネットワークを介して接続されたPC等とする。
また、保存部1402は、視認署名背景画像を保存する際に、電子文書に対して、認証する他の利用者が保護対象情報を特定できるように、保護対象情報に網掛け等の処理を行って保存しても良い。また保存部1402は、電子文書に対して視認署名背景ファイルを特定するための特定情報を付加してから保存しても良い。この特定情報としては例えば視認署名背景ファイルを示すファイル名等が考えられる。また、視認署名付文書生成装置において電子文書と視認署名背景ファイルの対応関係を保持したテーブルを備えても良い。
重畳部1403は、記憶部1406に記憶されていた電子文書及び視認署名背景画像を重畳して、視認署名付文書を生成する。具体的には重畳部1403は、まず電子文書を読み込み、さらに記憶部1406に記憶された視認署名背景ファイルのヘッダを読み込み、ヘッダに付加された電子文書のファイル名が先に読み込まれた電子文書のファイル名と一致するか否かにより、電子文書に対応する視認署名背景ファイルを特定する。そして、電子文書と視認署名背景ファイルの対応関係を特定できることで、利用者が特定する手間を省略することができ、利用者の利便性が向上する。そして、重畳部1403は、読み込まれた電子文書と、特定された視認署名背景ファイルによる視認署名背景画像を重畳して、視認署名付文書を生成する。また、重畳部1403による重畳処理はどの様な手法を用いても良く、例えば電子文書を画像に変換した後、電子文書の画像と視認署名背景画像で論理和を求めること等が考えられる。
また、電子文書と視認署名背景画像の対応関係を保持するためには視認署名背景画像が電子文書のファイル名を保持することに制限するものではない。電子文書から視認署名背景画像を特定する他の例として、保存部1402が電子文書に視認署名背景画像を特定するための特定情報(例えば、視認署名背景画像のファイル名)を付加することも考えられる。この場合、重畳部1403は、電子文書を読み込んだ段階で対応付けられた視認署名背景画像を特定できる。
また、重畳部1403により行われる重畳処理は、本実施の形態では後述する印刷処理部1404により印刷又は表示部1405により表示される前とするが、これらの場合に制限するものではない。
印刷処理部1404は、重畳部1403による重畳で生成された視認署名付文書をプリンタ20に印刷させる。印刷された紙媒体においても利用者が視覚を通じて認証できるため、パソコン等の認証する装置を用いずとも、改竄されているか否か確認することが可能となる。
次に、以上のように構成された本実施の形態にかかる視認署名付文書生成装置1400における電子文書を取得してから視認署名背景ファイルを保存するまでの処理について説明する。図17は、本実施の形態にかかる視認署名付文書生成装置1400における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
まず、第1の実施の形態の図13のステップS1201〜1208と同様にして電子文書を取得してから視認署名背景画像の生成を行う(ステップS1601〜ステップS1608)。
そして、表示処理部1405が、生成された視認署名背景画像及び電子文書を表示する(ステップS1609)。本実施の形態においては、図15で示した配置状態等の入力画面のプレビューに視認署名背景画像と電子文書を並列して表示される。そして、生成者がプレビューに表示された視認署名背景画像と電子文書を参照し、これで良いか否かポインティングデバイス11等から入力する。
次に、入力処理部1401は、生成者からの入力を処理して得られた情報から、表示された視認署名背景画像で良いか否か判断する(ステップS1610)。具体的には生成者がポインティングデバイス11等で‘OK’ボタンを押下されたことが入力処理された場合に、表示された視認署名背景画像で良いと判断する。表示された視認署名背景画像では問題あると判断された場合(ステップS1610:No)、ステップS1605のシンボル系列の選択またはステップS1607の配置状態の選択から再び開始される。具体的には生成者が図15で示した画面において‘シンボル系列変更’ボタンを押下した場合にステップS1605から再開され、配置状態を再度選択した場合にステップS1607から再開される。
入力処理部1401が表示された視認署名背景画像で良いと判断した場合(ステップS1610:Yes)、保存部1402が電子文書と別ファイルである、視認署名背景画像を視認署名背景ファイルとして記憶部1406等に保存する(ステップS1611)。
上述した処理手順により、視認署名付文書生成装置1400は、電子文書から、電子文書に対応する視認署名背景ファイルを生成し、記憶部1406等に保存することが可能となる。なお、上述した処理手順は、本実施の形態による電子文書の取得から、電子文書から電子文書に対応する視認署名背景ファイルを生成するまでの処理手順の例を示したものであり、本発明を上述した処理手順を制限するものではない。
次に、以上のように構成された本実施の形態にかかる視認署名付文書生成装置1400において保存された電子文書及び視認署名背景ファイルを重畳して印刷するまでの処理について説明する。図18は、本実施の形態にかかる視認署名付文書生成装置1400における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
まず、生成者が入力装置を介して電子文書を選択し、選択された電子文書に対応した視認署名背景画像と重畳して印刷する旨の要求を入力した場合、この入力された要求を入力処理部1401が入力処理する(ステップS1701)。
次に、重畳部1403は、入力処理部1401により入力処理された情報から、選択された電子文書を読み込む(ステップS1702)。
そして、重畳部1403は、記憶部1406に記憶された視認署名背景ファイルを読み込み、視認署名背景ファイルのヘッダを参照し、先ほど読み込まれた電子文書と対応付けられているか否か確認を行う。これにより重畳部1403は、読み込まれた電子文書に対応付けられた視認署名背景ファイルを特定することができる(ステップS1703)。具体的には視認署名背景ファイルのヘッダに記載された電子文書のファイル名より特定する。
そして、重畳部1403は、読み込まれた電子文書と、特定された視認署名背景ファイルの視認署名背景画像を重畳する(ステップS1704)。
次に、印刷処理部1404は、重畳された電子文書及び視認署名背景画像をプリンタ20に印刷させる(ステップS1705)。
上述した処理手順により、視認署名付文書生成装置1400は、保存された電子文書及び視認署名背景ファイルを重畳して印刷することが可能となる。また、重畳した電子文書及び視認署名背景画像を表示する要求があった場合、上述した処理手順の最後の処理が印刷処理部1404による印刷を、表示処理部1405による表示に変更するだけで可能となる。なお、上述した処理手順は、本実施の形態にかかる利用者による印刷の要求から、電子文書及び視認署名背景画像を重畳して印刷するまでの処理手順の例を示したものであり、本発明を上述した処理手順を制限するものではない。
また、本実施の形態の保存部1402で視認署名背景画像のヘッダに関連情報として電子文書のファイル名を付加することとしたが、関連情報は電子文書を特定できれば良く、ファイル名に制限するものではない。また、関連情報の付加先は視認署名背景画像を特定できるように付加すればよく、ヘッダに制限するものではない。
また、本実施の形態の視認署名付文書生成装置1400は、第1の実施の形態に係る視認署名付文書生成装置100と同様に、電子文書の改ざんの防止による信頼性が向上する。また、本実施の形態では、電子文書と視認署名背景画像を別ファイルとして保存することで、電子文書及び視認署名背景画像の取り扱いが容易となる。また、別ファイルで保存しても対応関係をファイルに付加しているので、対応したファイルの特定が可能となり、電子文書と視認署名背景画像を重畳して印刷または表示が可能となる。
(変形例)
また、上述した各実施の形態に限定されるものではなく、以下に例示するような種々の変形が可能である。
(変形例1)
上述した第1の実施の形態及び第2の実施の形態においては、電子文書と視認署名背景画像を分割した構造とした。しかしながら、電子文書と視認署名背景画像の内容を別々に表示したいだけならば必ずしも分割した構造を取る必要はない。そこで本変形例の視認署名付文書生成装置では、電子文書と電子文書から生成された視認署名背景画像を重畳して一つのデータとして保存し、このデータに対してマスキング等を行うことで電子文書及び視認署名背景画像のうちどちらか一方の内容を表示する。本変形例に係る視認署名付文書生成装置により重畳した一つのデータでも、電子文書及び視認署名背景画像のどちらか一方の内容を抽出することが可能となる。
(変形例2)
上述した実施の形態において、有効鍵セルの他に複数のセルを用意して、権限のない利用者には変換保護対象情報を示すシンボルを特定できないようにした。しかしながら本発明は記憶した事物により視覚を通じて改ざんされているか否か検証することを可能にした点に特徴がある。つまり複数のセルを用意せずに変換保護対象情報を示すシンボルのみで視認署名背景画像を生成し、生成した視認署名背景画像を電子文書と重畳しても良い。また、暗号化鍵を用いる等の所定の処理を行わず、保護対象情報をそのまま変換保護対象情報として用いても良い。
本変形例は、保護対象情報に対して特に処理を行わず、保護対象情報をそのまま変換保護対象情報として用い、シンボルとして視認可能な模様で視認署名背景画像を生成し、この生成した視認署名背景画像を用いて視認署名付文書を生成した場合の例を示したものである。
本変形例の視認署名付文書生成装置において、図3で示すような電子文書が読み込まれ、請求額の最高桁数を保護対象情報とした場合、保護対象情報が‘3’となり暗号化鍵を用いないので生成された変換保護対象情報も‘3’となる。また、所定の配置状態とは、本変形例では電子文書の下の白地領域に配置することをいう。
図19は、本変形例で用いる変換保護対象情報と、シンボル系列である模様の対応関係を示した図である。本図で示したような対応関係を利用者が記憶することで、模様が重畳された視認署名付文書を参照した際に、改ざんされているか否か判断することが可能となる。
そして、背景生成部が、図19で示したシンボル系列を用いて変換保護対象情報と対応付けられた模様を選択して視認署名背景画像を生成する。そして、視認署名付文書生成部が視認署名背景画像と電子文書を重畳して、視認署名付文書を生成する。
図20は、本変形例の視認署名付文書生成装置により生成された視認署名付文書の一例を示した図である。本図で示すように、利用者が図19で示した対応関係を記憶していれば、電子文書に重畳された模様から保護対象情報を導出することが可能であり、保護対象情報が改ざんされているか否か認証することが可能となる。
本変形例で生成された視認署名付文書においても上述した実施の形態と同様に、利用者が変換保護対象情報と模様との対応関係の記憶に基づいて、保護対象情報が改ざんされたか否か検証することが可能である。また、このような対応関係を認識していない者は、保護対象情報に対応する模様を認識することができないため、改ざんすることは困難となる。
また、本変形例で示したように、有効鍵セルの配置場所及び暗号化鍵は本発明に必ずしも必要なものとは限らず、認証する利用者が記憶した事物に基づいて視覚により電子文書の保護対象情報が改ざんされているか否か検出可能な標記が電子文書に重畳されていればよい。