しかしながら、この特許文献1に記載された発明では、付与された画像特徴情報と検証時に抽出した画像特徴情報とを機械が比較するため、改ざんされているか否か機械を使用しなければ判断できないという問題がある。
他にも、改ざんされているか否か判断する必要がある状況において、必ず機械を使用することができるとは限らない。例えば契約書に署名を行う際に、相手が身内であるため機械を使用するのがためらわれる場合などがある。また、文書を検証するため常に機械を持ち運ばなければならないという問題もある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、文書の閲覧時に利用者が視覚により改ざんされているか否か判断することが可能な視認署名付文書生成装置、視認署名付文書生成方法、視認署名付文書生成プログラム、およびコンピュータに読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、処理対象となる電子文書を取得する電子文書取得手段と、前記電子文書取得手段により取得された前記電子文書に含まれている改ざんを検出する対象となる保護対象情報の指定を受け付ける保護対象指定受付手段と、前記保護対象指定受付手段により指定を受け付けた前記保護対象情報を、予め定められた規則に従って変換し、利用者が機械を用いずに前記保護対象情報から導出可能な値とした変換保護対象情報を生成する変換情報生成手段と、前記電子文書を、視認署名付文書として重畳される対象となる文書画像に変換する文書変換手段と、前記変換情報生成手段により生成された前記変換保護対象情報を、前記利用者が機械を用いずに視覚的に認識可能な標記で、且つ所定の配置状態に従い配置する視認署名背景画像を生成する背景画像生成手段と、前記背景画像生成手段により生成された前記視認署名背景画像と、前記文書変換手段により変換された前記文書画像とを予め定められた演算により重畳し、前記文書画像に含まれる文書の内容及び前記標記が含まれている視認署名付文書画像を生成する視認署名付文書画像生成手段と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項2にかかる発明は、視認署名付文書として重畳される対象となる紙媒体の文書を読み込んで、文書画像に変換する文書変換手段と、前記文書変換手段より変換された前記文書画像より抽出された文書情報に含まれている改ざんを検出する対象となる保護対象情報の指定を受け付ける保護対象指定受付手段と、前記保護対象指定受付手段により指定を受け付けた前記保護対象情報を、予め定められた規則に従って変換し、利用者が機械を用いずに前記保護対象情報から導出可能な値とした変換保護対象情報を生成する変換情報生成手段と、前記変換情報生成手段により生成された前記変換保護対象情報を、前記利用者が機械を用いずに視覚的に認識可能な標記で、且つ所定の配置状態に従い配置する視認署名背景画像を生成する背景画像生成手段と、前記背景画像生成手段により生成された前記視認署名背景画像と、前記文書変換手段により変換された前記文書画像とを予め定められた演算により重畳し、前記文書画像に含まれる文書の内容及び前記標記が含まれている視認署名付文書画像を生成する視認署名付文書画像生成手段と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項3にかかる発明は、請求項1または2にかかる発明において、前記背景画像生成手段は、前記変換保護対象情報の視認可能な標記及び前記変換保護対象情報の該標記と異なる標記を、前記所定の配置状態に従い配置した前記視認署名背景画像を生成することを特徴とする。
また、請求項4にかかる発明は、請求項1〜3のいずれか一つにかかる発明において、前記視認署名付文書画像生成手段は、前記背景画像生成手段により生成された前記視認署名背景画像と、前記文書変換手段により変換された前記文書画像とを論理和を求めることで重畳し、前記文書の内容及び前記標記が表示されている前記視認署名付文書画像を生成することを特徴とする。
また、請求項5にかかる発明は、請求項1〜3のいずれか一つにかかる発明において、前記視認署名付文書画像生成手段は、前記背景画像生成手段により生成された前記視認署名背景画像と、前記文書変換手段により変換された前記文書画像とを排他的論理和を求めることで重畳し、前記文書の内容及び前記標記が表示されている前記視認署名付文書画像を生成することを特徴とする。
また、請求項6にかかる発明は、請求項1〜3のいずれか一つにかかる発明において、前記視認署名付文書画像生成手段は、前記文書変換手段により変換された前記文書画像と前記背景画像生成手段により生成された前記視認署名背景画像を重畳する際、前記文書画像内の各画素の画素値が所定の値を取る領域では前記視認署名背景画像の画素値を用い、他の領域では前記文書画像の画素値を用いて、前記文書の内容及び前記標記が表示されている前記視認署名付文書画像を生成することを特徴とする。
また、請求項7にかかる発明は、請求項1〜3のいずれか一つにかかる発明において、前記背景画像生成手段により生成された前記視認署名背景画像の各画素の輝度値と、前記文書変換手段により変換された前記文書画像の各画素の輝度値の和を、重畳された各画素の輝度値として前記視認署名付文書画像を生成することを特徴とする。
また、請求項8にかかる発明は、請求項1〜7のいずれか一つにかかる発明において、各画素の色が2値のうちいずれか一つの値からなる前記文書画像に変換することを特徴とする。
また、請求項9にかかる発明は、請求項1〜7のいずれか一つにかかる発明において、前記文書変換手段は、各画素の色が白から黒の間の中間色からなる前記文書画像に変換することを特徴とする。
また、請求項10にかかる発明は、請求項1〜7のいずれか一つにかかる発明において、前記文書変換手段は、複数の色が含まれた前記文書画像に変換することを特徴とする。
また、請求項11にかかる発明は、請求項1〜10のいずれか一つにかかる発明において、前記背景画像生成手段は、前記変換情報生成手段により生成された前記変換保護対象情報を、所定のサイズのドットから構成された視覚認識可能な前記標記で、且つ所定の配置状態に従い配置する前記視認署名背景画像を生成することを特徴とする。
また、請求項12にかかる発明は、請求項1〜11のいずれか一つにかかる発明において、前記背景画像生成手段は、前記変換情報生成手段により生成された前記変換保護対象情報を、視覚認識可能であり且つ色の濃度が多階調で表現された前記標記で、且つ所定の配置状態に従い配置する前記視認署名背景画像を生成することを特徴とする。
また、請求項13にかかる発明は、請求項1〜12のいずれか一つにかかる発明において、前記視認署名付文書画像生成手段により生成された前記視認署名付文書画像を印刷する印刷手段を、さらに備えたことを特徴とする。
また、請求項14にかかる発明は、処理対象となる電子文書を取得する電子文書取得ステップと、前記電子文書取得ステップにより取得された前記電子文書に含まれている改ざんを検出する対象となる保護対象情報の指定を受け付ける保護対象指定受付ステップと、前記保護対象指定受付ステップにより指定を受け付けた前記保護対象情報を、予め定められた規則に従って変換し、利用者が機械を用いずに前記保護対象情報から導出可能な値とした変換保護対象情報を生成する変換情報生成ステップと、前記電子文書を、視認署名付文書として重畳される対象となる文書画像に変換する文書変換ステップと、前記変換情報生成ステップにより生成された前記変換保護対象情報を、前記利用者が機械を用いずに視覚的に認識可能な標記で、且つ所定の配置状態に従い配置する視認署名背景画像を生成する背景画像生成ステップと、前記背景画像生成ステップにより生成された前記視認署名背景画像と、前記文書変換ステップにより変換された前記文書画像とを予め定められた演算により重畳し、前記文書画像に含まれる文書の内容及び前記標記が含まれている視認署名付文書画像を生成する視認署名付文書画像生成ステップと、を備えたことを特徴とする。
また、請求項15にかかる発明は、視認署名付文書として重畳される対象となる紙媒体の文書を読み込んで、文書画像に変換する文書変換ステップと、前記文書変換ステップより変換された前記文書画像より抽出された文書情報に含まれている改ざんを検出する対象となる保護対象情報の指定を受け付ける保護対象指定受付ステップと、前記保護対象指定受付ステップにより指定を受け付けた前記保護対象情報を、予め定められた規則に従って変換し、利用者が機械を用いずに前記保護対象情報から導出可能な値とした変換保護対象情報を生成する変換情報生成ステップと、前記変換情報生成ステップにより生成された前記変換保護対象情報を、前記利用者が機械を用いずに視覚的に認識可能な標記で、且つ所定の配置状態に従い配置する視認署名背景画像を生成する背景画像生成ステップと、前記背景画像生成ステップにより生成された前記視認署名背景画像と、前記文書変換ステップにより変換された前記文書画像とを予め定められた演算により重畳し、前記文書画像に含まれる文書の内容及び前記標記が含まれている視認署名付文書画像を生成する視認署名付文書画像生成ステップと、を備えたことを特徴とする。
また、請求項16にかかる発明は、請求項14又は15にかかる発明において、前記背景画像生成ステップは、前記変換保護対象情報の視認可能な標記及び前記変換保護対象情報の該標記と異なる標記を、前記所定の配置状態に従い配置した前記視認署名背景画像を生成することを特徴とする。
また、請求項17にかかる発明は、請求項14〜16のいずれか一つにかかる発明において、前記視認署名付文書画像生成ステップは、前記背景画像生成ステップにより生成された前記視認署名背景画像と、前記文書変換ステップにより変換された前記文書画像とを論理和を求めることで重畳し、前記文書の内容及び前記標記が表示されている前記視認署名付文書画像を生成することを特徴とする。
また、請求項18にかかる発明は、請求項14〜16のいずれか一つにかかる発明において、前記視認署名付文書画像生成ステップは、前記背景画像生成ステップにより生成された前記視認署名背景画像と、前記文書変換ステップにより変換された前記文書画像とを排他的論理和を求めることで重畳し、前記文書の内容及び前記標記が表示されている前記視認署名付文書画像を生成することを特徴とする。
また、請求項19にかかる発明は、請求項14〜16のいずれか一つにかかる発明において、前記視認署名付文書画像生成ステップは、前記文書変換ステップにより変換された前記文書画像と前記背景画像生成ステップにより生成された前記視認署名背景画像を重畳する際、前記文書画像内の各画素の画素値が所定の値を取る領域では前記視認署名背景画像の画素値を用い、他の領域では前記文書画像の画素値を用いて、前記文書の内容及び前記標記が表示されている前記視認署名付文書画像を生成することを特徴とする。
また、請求項20にかかる発明は、請求項14〜16のいずれか一つにかかる発明において、前記背景画像生成ステップにより生成された前記視認署名背景画像の各画素の輝度値と、前記文書変換ステップにより変換された前記文書画像の各画素の輝度値の和を、重畳された各画素の輝度値として前記視認署名付文書画像を生成することを特徴とする。
また、請求項21にかかる発明は、請求項14〜20のいずれか一つにかかる発明において、前記文書変換ステップは、各画素の色が2値のうちいずれか一つの値からなる前記文書画像に変換することを特徴とする。
また、請求項22にかかる発明は、請求項14〜20のいずれか一つにかかる発明において、前記文書変換ステップは、各画素の色が白から黒の間の中間色からなる前記文書画像に変換することを特徴とする。
また、請求項23にかかる発明は、請求項14〜20のいずれか一つにかかる発明において、前記文書変換ステップは、複数の色が含まれた前記文書画像に変換することを特徴とする。
また、請求項24にかかる発明は、請求項14〜23のいずれか一つにかかる発明において、前記背景画像生成ステップは、前記変換情報生成ステップにより生成された前記変換保護対象情報を、所定のサイズのドットから構成された視覚認識可能な前記標記で、且つ所定の配置状態に従い配置する前記視認署名背景画像を生成することを特徴とする。
また、請求項25にかかる発明は、請求項14〜24のいずれか一つにかかる発明において、前記背景画像生成ステップは、前記変換情報生成ステップにより生成された前記変換保護対象情報を、視覚認識可能であり且つ色の濃度が多階調で表現された前記標記で、且つ所定の配置状態に従い配置する前記視認署名背景画像を生成することを特徴とする。
また、請求項26にかかる発明は、請求項14〜25のいずれか一つにかかる発明において、前記視認署名付文書画像生成ステップにより生成された前記視認署名付文書画像を印刷する印刷ステップを、さらに備えたことを特徴とする。
また、請求項27にかかる発明は、請求項14〜26のいずれか一つに記載された方法をコンピュータで実行させることを特徴とする。
また、請求項28にかかる発明は、請求項27に記載された視認署名付文書生成プログラムを格納したコンピュータに読み取り可能な記録媒体とする。
請求項1にかかる発明によれば、視認署名付文書生成装置により生成された視認署名付文書画像の閲覧時に、認証する利用者が視認署名付文書画像内の保護対象情報から予め定められた規則に従って変換保護対象情報を導出し、この導出した変換保護対象情報を示す標記と、視認署名付文書画像に重畳された標記と一致するか否かにより、保護対象情報が改ざんされているか否か判断できるという効果を奏する。
また、請求項2にかかる発明によれば、視認署名付文書生成装置により生成された視認署名付文書画像の閲覧時に、認証する利用者が視認署名付文書画像内の保護対象情報から予め定められた規則に従って変換保護対象情報を導出し、この導出した変換保護対象情報を示す標記と、視認署名付文書画像に重畳された標記と一致するか否かにより、保護対象情報が改ざんされているか否か判断できるという効果を奏する。
また、請求項3にかかる発明によれば、変換保護対象情報を視覚認識可能な標記及び変換保護対象情報の標記と異なる標記を、所定の配置状態に従い配置して視認署名付文書画像を生成することで、認証する利用者による閲覧時に、視認署名付文書画像内の保護対象情報から予め定められた規則に従って変換保護対象情報を導出する一方、予め利用者が記憶していた変換保護対象情報の標記の配置場所から、視認署名付文書画像内の変換保護対象情報を示す標記の配置場所を特定し、この特定した配置場所の標記が、導出した変換保護対象情報を示す標記と一致するか否かにより、保護対象情報が改ざんされているか否か判断することで、変換保護対象情報の標記の配置場所を記憶していない者による改ざんは困難になるという効果を奏する。
また、請求項4にかかる発明によれば、視認署名背景画像と文書画像について論理和をとって、視認署名付文書画像を生成するため、重畳処理が容易になるという効果を奏する。
また、請求項5にかかる発明によれば、視認署名背景画像と文書画像について排他的論理和をとって、視認署名付文書画像を生成するため、重畳処理が容易になるという効果を奏する。
また、請求項6にかかる発明によれば、文書画像内の各画素の画素値が所定の値を取る領域では視認署名背景画像の画素の画素値を用いて、他の領域では文書画像の画素の画素値を用いて視認署名付文書を生成するため、重畳処理が容易になるという効果を奏する。
また、請求項7にかかる発明によれば、視認署名背景画像と文書画像について輝度値の和をとって、視認署名付文書画像を生成するため、重畳処理が容易になるという効果を奏する。
また、請求項8にかかる発明によれば、各画素の色が2値のうちいずれか一つの値からなる文書画像に変換することで、視認署名付文書画像を生成する際に行われる重畳処理が容易になるという効果を奏する。
また、請求項9にかかる発明によれば、各画素の色が白から黒の間の中間色からなる文書画像に変換することで、文書が白から黒の間の多階調で視認署名付文書画像を生成することが可能となり、文書の色の濃度が多階調により表示されるため視認性が向上するという効果を奏する。
また、請求項10にかかる発明によれば、複数の色が含まれた文書画像に変換することで、多色の視認署名付文書画像を生成することが可能となり、文書がカラー表示されるため視認性が向上するという効果を奏する。
また、請求項11にかかる発明によれば、変換情報生成手段により生成された変換保護対象情報を、所定のサイズのドットから構成された視覚認識可能な標記で視認署名背景画像を生成するので、視認署名背景画像と文書画像を重畳して生成視認署名付文書画像を生成した場合でも、文書画像内の文書と標記の境界を認識できるので、文書の内容と標記を利用者が把握することができるという効果を奏する。
また、請求項12にかかる発明によれば、変換情報生成手段により生成された変換保護対象情報を、色の濃度が多階調で表現された標記で視認署名背景画像を生成するので、視認署名背景画像と文書画像を重畳して生成視認署名付文書画像を生成した場合でも、文書画像内の文書と標記の境界を認識できるので、文書の内容と標記を利用者が把握することができるという効果を奏する。
また、請求項13にかかる発明によれば、生成された視認署名付文書画像を印刷することで、紙媒体による視認署名付文書画像の閲覧時に、閲覧または認証用の装置を用いることなく、保護対象情報が改ざんされているか否か利用者が視覚により判断することができるという効果を奏する。
また、請求項14にかかる発明によれば、視認署名付文書生成装置により生成された視認署名付文書画像の閲覧時に、認証する利用者が視認署名付文書画像内の保護対象情報から予め定められた規則に従って変換保護対象情報を導出し、この導出した変換保護対象情報を示す標記と、視認署名付文書画像に重畳された標記と一致するか否かにより、保護対象情報が改ざんされているか否か判断できるという効果を奏する。
また、請求項15にかかる発明によれば、視認署名付文書生成装置により生成された視認署名付文書画像の閲覧時に、認証する利用者が視認署名付文書画像内の保護対象情報から予め定められた規則に従って変換保護対象情報を導出し、この導出した変換保護対象情報を示す標記と、視認署名付文書画像に重畳された標記と一致するか否かにより、保護対象情報が改ざんされているか否か判断できるという効果を奏する。
また、請求項16にかかる発明によれば、変換保護対象情報を視覚認識可能な標記及び変換保護対象情報の標記と異なる標記を、所定の配置状態に従い配置して視認署名付文書画像を生成することで、認証する利用者による閲覧時に、視認署名付文書画像内の保護対象情報から予め定められた規則に従って変換保護対象情報を導出する一方、予め利用者が記憶していた変換保護対象情報の標記の配置場所から、視認署名付文書画像内の変換保護対象情報を示す標記の配置場所を特定し、この特定した配置場所の標記が、導出した変換保護対象情報を示す標記と一致するか否かにより、保護対象情報が改ざんされているか否か判断することで、変換保護対象情報の標記の配置場所を記憶していない者による改ざんは困難になるという効果を奏する。
また、請求項17にかかる発明によれば、視認署名背景画像と文書画像について論理和をとって、視認署名付文書画像を生成するため、重畳処理が容易になるという効果を奏する。
また、請求項18にかかる発明によれば、視認署名背景画像と文書画像について排他的論理和をとって、視認署名付文書画像を生成するため、重畳処理が容易になるという効果を奏する。
また、請求項19にかかる発明によれば、文書画像内の各画素の画素値が所定の値を取る領域では視認署名背景画像の画素の画素値を用いて、他の領域では文書画像の画素の画素値を用いて視認署名付文書を生成するため、重畳処理が容易になるという効果を奏する。
また、請求項20にかかる発明によれば、視認署名背景画像と文書画像について輝度値の和をとって、視認署名付文書画像を生成するため、重畳処理が容易になるという効果を奏する。
また、請求項21にかかる発明によれば、各画素の色が2値のうちいずれか一つの値からなる文書画像に変換することで、視認署名付文書画像を生成する際に行われる重畳処理が容易になるという効果を奏する。
また、請求項22にかかる発明によれば、各画素の色が白から黒の間の中間色からなる文書画像に変換することで、文書が白から黒の間の多階調で視認署名付文書画像を生成することが可能となり、文書の色の濃度が多階調により表示されるため視認性が向上するという効果を奏する。
また、請求項23にかかる発明によれば、複数の色が含まれた文書画像に変換することで、多色の視認署名付文書画像を生成することが可能となり、文書がカラー表示されるため視認性が向上するという効果を奏する。
また、請求項24にかかる発明によれば、変換情報生成手段により生成された変換保護対象情報を、所定のサイズのドットから構成された視覚認識可能な標記で視認署名背景画像を生成するので、視認署名背景画像と文書画像を重畳して生成視認署名付文書画像を生成した場合でも、文書画像内の文書と標記の境界を認識できるので、文書の内容と標記を利用者が把握することができるという効果を奏する。
また、請求項25にかかる発明によれば、変換情報生成手段により生成された変換保護対象情報を、色の濃度が多階調で表現された標記で視認署名背景画像を生成するので、視認署名背景画像と文書画像を重畳して生成視認署名付文書画像を生成した場合でも、文書画像内の文書と標記の境界を認識できるので、文書の内容と標記を利用者が把握することができるという効果を奏する。
また、請求項26にかかる発明によれば、生成された視認署名付文書画像を印刷することで、紙媒体による視認署名付文書画像の閲覧時に、閲覧または認証用の装置を用いることなく、保護対象情報が改ざんされているか否か利用者が視覚により判断することができるという効果を奏する。
また、請求項27にかかる発明によれば、コンピュータに読み取らせて実行することによって、請求項14から26のいずれか一つに記載された視認署名付文書生成方法をコンピュータの利用で実現することができ、これら各視認署名付文書生成方法と同様の効果を奏する。
また、請求項28に係る発明によれば、請求項21に記載された視認署名付文書生成プログラムを格納した記録媒体であり、この記録媒体をコンピュータに読み込ませることで、視認署名付文書生成プログラムを実行することができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる視認署名付文書生成装置、視認署名付文書生成方法、視認署名付文書生成プログラム、およびコンピュータに読み取り可能な記録媒体の最良な実施の形態を詳細に説明する。
また、視認署名付文書画像とは、文書の内容を表示する画像中において保護対象として表示される情報が改ざんされているか否かを、利用者が予め記憶した事物に基づいて、視覚を通じて検証することが可能な文書を示した画像データをいう。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる視認署名付文書生成装置100の構成を示すブロック図である。本図に示すように視認署名付文書生成装置100の内部は、入力処理部101と、文書取得部102と、保護対象指定受付部103と、文書変換部104と、変換情報生成部105と、背景画像生成部106と、視認署名付文書画像生成部107と、印刷処理部108と、記憶部109と、表示処理部110を備え、取得した電子文書を画像に変換してから、利用者が改ざんされたか否か認証を行うために用いられる視認署名背景画像を重畳し、これらの画像を重畳した視認署名付文書画像を生成し、印刷することを可能とする。また、本実施の形態の特徴として、電子文書を変換した画像と、視認署名背景画像とを重畳する際に、ビット毎に論理和を取って重畳することとする。
記憶部109は、電子文書及び視認署名付文書画像を記憶する。また、電子文書のフォーマットを制限するものではなく、例えばPC(Personal Computer)上で起動するワープロソフトにより作成された電子文書などが考えられる。
入力処理部101は、キーボード10、ポインティングデバイス11等の入力装置を介して視認署名付文書画像を生成する利用者(以下、生成者という)により入力された情報を処理する。具体的には、入力処理部101は、生成者が入力装置を介してなされた、視認署名付文書画像を生成する元となる電子文書の選択、電子文書中の改ざんを防止する文字列つまり保護対象情報の指定、保護対象情報から生成される変換保護対象情報に必要な暗号化鍵の入力、電子文書中の保護対象情報が改ざんされているか否か判断するために必要な背景画像を示す視認署名背景画像のシンボルの配置状態の選択等の処理を行う。
文書取得部102は、改ざんの防止を防ぐ必要がある保護対象を有する電子文書を取得する。電子文書の取得先について特に制限するものではなく、例えばスキャナ40により読み込まれた電子文書、記憶部109に記憶されていた電子文書、ネットワーク60を介して送信された電子文書、又は生成者等により作成された電子文書等が考えられる。
保護対象指定受付部103は、生成者にキーボード10等の入力装置を用いて入力され、この入力を指定された保護対象として入力処理部101により入力処理された、保護対象情報を受け付ける。また、保護対象情報とは、保護対象指定受付部103により生成者が指定した保護対象として受け付けられた情報であり、電子文書内で改ざんされたか否か検証を行う対象となる情報をいう。そして視認署名付文書生成装置100により視認署名付文書画像が生成された場合、認証する利用者は、保護対象情報が改ざんされているか否か検証することが可能となる。なお、本実施の形態では、電子文書内から保護対象情報の指定を受け付けることとしたが、電子文書を変換した文書画像から保護対象情報の指定を受け付けることとしても良い。
図2は、文書取得部102により取得された電子文書、及び改ざんを防止する必要のある保護対象情報の一例を示した図である。本図で示すように、生成者がポインティングデバイス11等の入力装置で指定された請求額の最高桁数を、保護対象指定受付部103が保護対象情報として受け取り、後述した処理により生成された視認署名付文書画像では改ざんを検知することが可能となる。
図1に戻り、表示処理部110は、視認署名付文書画像を生成するために必要な画面、電子文書及び視認署名付文書画像等を表示する。また、表示処理部110が表示する視認署名付文書画像を生成するために必要な画面とは、暗号化鍵入力画面や、配置状態選択画面等が考えられる。これらの画面の詳細な説明については後述する。これらの画面を表示することで、生成者が所望する視認署名付文書画像を生成することが可能となる。
また、表示処理部110は、記憶部109に記憶された視認署名付文書画像を表示することを可能とする。これにより利用者は印刷せずとも記憶部109に記憶されている視認署名付文書画像を参照することができるため、認証する利用者が記憶している事物に基づいて改ざんされているか否か判断できることとなる。
文書変換部104は、文書取得部102により取得された電子文書を、画像データに変換する。この取得した電子文書から変換された、電子文書の内容が表示される画像を文書画像という。この変換するための処理はどの様な手法を用いても良く、例えばラスタライズなどが考えられる。そして、後述する処理により文書画像に対して視認署名背景画像を重畳して視認署名付文書画像を生成する。なお、画像のフォーマットについて特に制限を設けるものではなく、参照あるいは印刷可能な形式であればどのような画像フォーマットを用いても良い。そして、画像データに変換することで、他の画像と重畳することが困難な文書フォーマットでも、視認署名背景画像と重畳することが可能となる。なお、画像データに変換する文書を電子文書に制限するものではなく、例えば紙媒体の文書をスキャナ40より読み込んだ後、画像データに変換しても良い。
また電子文書を変換する際、画像データの色数について特に制限を設けるものではなく、変換された文書画像の色数を2値、各画素の色が白から黒の間の複数の中間色、あるいはカラーのいずれかでよいこととする。また、文書画像を2値の他に、各画素の色が白から黒の間の複数の中間色、あるいはカラーによる表示を可能としたことで、視認性が向上する。
変換情報生成部105は、保護対象指定受付部103により受け付けられた保護対象情報から、変換保護対象情報を生成する。変換保護対象情報とは、保護対象情報から予め定められた規則により生成された情報であり、利用者が保護対象情報の改ざんを視覚により検出するために必要な情報をいう。本実施の形態においては、後述した処理により変換保護対象情報を生成する。
本実施の形態において、変換情報生成部105が保護対象情報から予め定められた規則に従って変換保護対象情報を生成するために、暗号化鍵を用いることとする。また、この暗号化鍵を、認証する利用者が予め記憶しておくことで、利用者が視認署名付文書画像を参照した際に、文書中の保護対象情報から予め定められた規則に従って変換保護対象情報を導出することが可能となる。
具体的には、変換情報生成部105は、予め定められた規則として、保護対象指定受付部103により指定を受け付けた保護対象情報である数値に、暗号化鍵である数値を加算し、この加算した値に対して予め定められた値で除した余りを、変換保護対象情報とする。この除するために用いられる予め定められた値はどの様な値でも良いが、利用者が暗算するのが容易な数値であるのが望ましい。また、本実施の形態においては、予め定められた値を‘10’とする。
具体的な演算の例としては、保護対象情報‘3’で暗号化鍵が‘5’の場合、加算して‘8’を得る。そして‘8’に対して予め定められた値‘10’で除し、余り‘8’を変換保護対象情報とする。
また、余りとなりうる数字から変換保護対象情報‘8’を除いた数字、つまり0,1,2,3,……,7,9を偽保護対象情報とする。そして背景画像のセルに配置する際に、これらから配置に必要な数だけ選択される。また、セルとは、配置状態に従って設定されるシンボル又はダミーシンボルを配置する領域をいう。
また、暗号化鍵は生成者が入力処理部101を介して入力する必要がある。図3は、表示処理部110により表示される暗号化鍵の入力画面の一例を示した図である。表示処理部110が本図で示したような画面を表示することで、生成者が容易に暗号化鍵を入力することが可能となる。
なお、本発明は、予め定められた規則を、上記の処理で示したような暗号化鍵を用いて保護対象情報から変換保護対象情報を生成することに制限するものではなく、視認する利用者及び変換情報生成部が保護対象情報から変換保護対象情報を生成することが可能な規則であれば良い。例えば保護対象情報‘3’をそのまま変換保護対象情報としてもよい。
図1に戻り、背景画像生成部106は、変換保護対象情報から、電子文書と重畳するために用いられる視認署名背景画像を生成する。具体的には背景画像生成部106は、背景となる画像に、生成者により選択された所定の配置状態に従いセルの配置を決定する。そして背景画像生成部106は、決定された配置場所から、生成者により選択された有効鍵セルの場所に変換保護対象情報を示すシンボルを配置する。
所定の配置状態とは、例えば格子状、同心円状又はランダム等が考えられ、認証を行う際に利用者が記憶した配置場所に基づいて、背景画像内に存在する有効鍵セルの位置を特定することができるようにシンボルを配置する方法をいう。また、本実施の形態において格子状には、三角格子状と四角格子状の二種類を有することとする。
シンボルとは、本発明の変換保護対象情報の視認可能な標記に相当し、変換保護対象情報であることを、認証する利用者が認識可能な表示形態をいう。シンボルの例として、電子文書中の文字列と区別できるように表示される変換保護対象情報を示す数字、文字、マーク又は模様などが考えられる。
有効鍵セルとは、変換保護対象情報を示すシンボルの配置場所をいう。認証する利用者は予め有効鍵セルの配置場所を記憶しておき、視認署名付文書画像を提示された場合に予め記憶していた有効鍵セルの配置場所により変換保護対象情報を示すシンボルを特定することが可能となる。
シンボルが配置された有効鍵セル以外のセルには、偽保護対象情報の標記によるダミーシンボルを配置する。ダミーシンボルとは、本発明の変換保護対象情報の標記と異なる標記に相当し、認証する権限を有していない利用者が、シンボルの特定を困難にするために配置される標記をいう。
これらダミーシンボルをシンボルと共に所定の配置状態で視認署名背景画像に配置することで、認証する利用者以外の者がシンボルの特定が困難になる。なお、偽保護対象情報は、第三者が保護対象情報を特定することを防止できる情報であれば良い。
また、所定の配置状態は、本実施の形態では生成者がキーボード10等の入力装置を用いて入力し、入力された所定の配置状態を示す情報を入力処理部101が入力処理する。図4は、表示処理部110がディスプレイ30に表示させた配置状態の入力画面の一例を示した図である。この表示処理部110が本図で示したような画面をディスプレイ30に表示させることで、生成者が容易に配置状態を入力することが可能となる。そして生成者が配置状態を選択すると、表示処理部110が選択された配置状態で視認署名背景画像を表示する。この配置状態の選択は、生成者が‘OK’ボタンを押下するまでの間、何度でも可能である。これにより生成者は満足するまで配置状態を選択することが可能となり、所望の配置状態による視認署名背景画像を生成することが可能となる。
なお、本図で示したプレビューは配置状態として‘ランダム’を選択した場合を示したものである。‘ランダム’ではシンボル及びダミーシンボルが適当に配置される。そして生成者は、認証を行う他の利用者が記憶する配置状態に沿うように、各シンボルの配置を‘位置移動’により設定する必要がある。これにより‘ランダム’とした場合でも認証を行う他の利用者は、保護対象情報が改ざんされているか否か認証することが可能となる。
また、図4において、‘位置移動’により各セルの配置場所を変更することが可能となる。例えば配置状態で‘ランダム’を選択した場合に、シンボル及びダミーシンボルがランダムに配置されるが、生成者がポインティングデバイス11等の入力装置よりシンボル及びダミーシンボルの配置場所を入力し、入力された配置場所を示す情報を入力処理部101が入力処理することで、生成者の所望の配置場所にシンボル及びダミーシンボルを配置することが可能となる。また、例えば配置状態で格子状を選択した場合でも、格子内であればシンボル及びダミーシンボルを任意の場所に設定することが可能とする。また、本図で示した画面において、生成者は‘有効鍵選択’を選択し、ポインティングデバイス11等の入力装置により有効鍵セルの配置場所の選択も行う。
そして、図5は、背景画像生成部106により生成された視認署名背景画像の一例を示した図である。本図は、生成者が配置状態として四角格子状を選択し、また有効鍵セルとして中央下のセルを選択した場合の例である。本図に示すように、有効鍵セルとして選択された中央下のセルに変換保護対象情報‘8’を示すシンボルが配置される。つまり認証する他の利用者は中央下が有効鍵セルということ、及び暗号化鍵‘5’を記憶することで、保護対象情報‘3’から変換保護対象情報‘8’を導出することが可能となる。
図1に戻り、視認署名付文書画像生成部107は、文書変換部104により変換された文書画像と、背景画像生成部106により生成された視認署名背景画像を重畳して視認署名付文書画像を生成する。この際、文書画像の保護対象情報を示す領域に網掛け等の処理を行い、認証する他の利用者が保護対象情報を特定できるようにしても良い。また、本実施の形態の視認署名付文書画像生成部107は、重畳する際の予め定められた演算として、論理和を求める。なお、文書画像と視認署名背景画像の詳細な重畳の手順は後述する。
また、視認署名付文書画像生成部107は、生成した視認署名付文書画像を、記憶部109に記憶することも可能とする。視認署名付文書画像生成部107が、視認署名付文書画像を記憶部109に記憶することで、利用者は必要に応じて生成された視認署名付文書画像の表示又は印刷が可能となる。
図6は、視認署名付文書画像生成部107により生成された視認署名付文書画像の一例を示した図である。本図に示すように、視認署名付文書画像生成部107により保護対象情報となる領域を有する文書画像と視認署名背景画像が重畳される。
そして、認証を行う利用者は、予め記憶していた暗号化鍵及び有効鍵セルの配置場所より、視認署名付文書画像中の保護対象情報から変換保護対象情報を導出し、視認署名付文書画像中の有効鍵セルの配置場所にあるシンボルと、導出した変換保護対象情報を示すシンボルが一致するか否か確認する。この一致するか否か確認することで保護対象情報が改ざんされているか否か判断することが可能となる。
次に、視認署名付文書画像生成部107により行われる重畳の処理について説明する。また、文書画像及び視認署名付文書画像が2値の画像データの場合とする。図7は、文書画像及び視認署名付文書画像が2値の画像データの場合、画素毎に論理和をとることで設定される値の対応表を示した図である。本図において、‘0’が白を示し、‘1’が黒を示すこととする。そして本図に示すように、重畳する対象となるそれぞれの画素のうち、文書画像及び視認署名付文書画像のどちらか一方以上が‘1’の場合、視認署名付文書画像として表示される画素の色は‘1’つまり黒となる。2値の論理和による処理にしたことで、視認署名付文書画像を生成する際に行われる重畳処理が容易になる。
図8は、文書画像及び視認署名付文書画像の画素毎に論理和を取り、視認署名付文書画像が生成されるまでを説明する説明図である。本図に示すように、請求書の内容を保持する文書画像は2値で構成され、白地に黒の文字で記載されたものとする。そして保護対象情報より視認署名背景画像が背景画像生成部106により生成されているものとする。この視認署名背景画像は、セル毎に記載されたシンボル及びダミーシンボルが所定のサイズの黒色のドットで構成されていることとする。また、本実施の形態において所定のサイズのドットとは、印刷した際に印字可能な最小のサイズのドットとし、視認署名背景画像の一部の拡大図で示したように肉眼では認識することが困難な程度のサイズとする。なお、所定のサイズのドットを、印字可能な最小のサイズに制限するものではなく、シンボルまたはダミーシンボルを構成し、利用者がシンボルを認識できるサイズであれば良い。また、2値で濃淡を表現するために、ディザや誤差拡散などの技法を用いても良い。このような技法を用いることで2値でも所望の濃度で表示することが可能となり、シンボル等と文書画像内の文字を容易に識別することが可能となる。
そして図8に示すように、文書画像及び視認署名付文書画像を構成する画素毎に論理和をとる。そして論理和により算出された値を視認署名背景画像の画素の値とする。そして全ての画素に対して行うことで視認署名付文書画像が生成される。また、視認署名付文書画像の拡大図で示されるように、文書画像及び視認署名付文書画像の画素のうちどちらか一方以上の画素が黒色の場合、視認署名付文書画像の画素が黒色として設定される。
また、視認署名背景画像を所定のサイズのドットにより構成されることとしたため、視認署名背景画像と文書画像を重畳した場合でも、文書画像内の文字とシンボルの境界を認識できるので、認証する利用者が文書の内容とシンボルを容易に把握することができる。
また、文書画像及び視認署名付文書画像のそれぞれが2値で構成されている場合について説明したが、当然ながら各々の画像が2値の場合のみ重畳することに限定するものではない。例えば文書画像の各画素の色が白から黒の間の複数の中間色で構成され、視認署名付文書画像が2値で構成される場合もありうる。そこで次に文書画像が8ビットグレースケールで視認署名背景画像が2値(白または黒)の場合について説明する。この場合において、8ビットと1ビット(2値)では、サイズが異なるため単純に論理和を取ることはできない。そこで1ビットを8ビットに拡張する。
図9は、8ビットグレースケールの文書画像及び2値の視認署名背景画像について、任意の画素で論理和をとるまでの処理を示した説明図である。本図で示すように、まずは視認署名背景画像の1ビットを8ビットへ拡張する。具体的には、1ビットの値で8ビットの全ての値を設定することとする。例えば値が‘1’だった場合には、‘11111111’に拡張され、‘0’だった場合には、‘00000000’に拡張されることとする。そして拡張された視認署名背景画像の画素(8ビット)と、文書画像の画素(8ビット)を、各ビット毎に論理和(OR演算)をとる。これを全てのビットに対して行うことで、視認署名付文書画像の画素(8ビット)が決定される。これにより文書画像と、視認署名付文書画像の画素毎の色を示すビット数が異なる場合でも重畳することを可能となる。またビット同士の論理和により算出されるため、処理が容易となる。
また、図10は、視認署名付文書生成装置100が保持する白及び黒と1ビット(2値)と8ビットの数値の対応表を示す図である。本図で示した色の定義の場合に、図9で示した処理により1ビットを8ビットに拡張した上で、論理和を取ることが可能となる。つまり色の定義が本図で示したものと異なる場合には、図9で示した処理と異なる処理を行うこととなる。
図11は、本実施の形態とは異なる実施の形態における視認署名付文書生成装置が保持する白及び黒の1ビット(2値)と8ビットの数値の対応表を示す図である。本図に示した色定義の場合には、1ビットを8ビットに拡張した後、‘1’と‘0’とを反転する必要がある。具体的には値が‘1’の場合には‘00000000’となり、値が‘0’の場合には‘11111111’となる。後は図9で示したのと同様の処理を行うことで重畳することが可能となる。
また、上記において文書画像が各画素の色が白から黒の間の複数の中間色で構成され、視認署名背景画像が2値で構成される場合について説明したが、文書画像が2値で構成され、視認署名背景画像が多階調で濃淡を表現した内の間の階調で構成された(多値)場合もある。この場合についても上述した処理と同様の処理により重畳することが可能となる。つまり、上述した拡張手段により文書画像の2値を多値に拡張した上で、多値の視認署名背景画像と重畳する。これにより、視認署名背景画像のシンボルを中間の階調の色で表現されるので、視認署名背景画像と文書画像を重畳して視認署名付文書画像を生成した場合でも、文書画像内の文書とシンボルの境界を認識できることとなり、認証する利用者が文書の内容とシンボルを容易に把握することができる。
また、文書画像がカラー画像で、視認署名背景画像が2値の場合もあり得る。そこで、次に文書画像が24ビットカラーで視認署名背景画像が2値の場合について説明する。この場合において、24ビットカラーと1ビット(2値)では、サイズが異なるため単純に論理和を取ることはできない。そこで1ビットを色毎に8ビットと拡張する。
図12は、24ビットカラーの文書画像と、2値の視認署名背景画像について、任意の画素で論理和をとるまでの処理を示した説明図である。本図で示すように、まずは視認署名背景画像の1ビットを赤、緑、青毎に8ビットへ拡張する。具体的には、1ビットの値で各色8ビットの全ての値を設定することとする。例えば値が‘1’だった場合には、赤、緑、青の全てが‘11111111’に拡張され、‘0’だった場合には同様に全てが‘00000000’に拡張される。そして拡張された視認署名背景画像の画素(24ビットカラー)と、文書画像の画素(24ビットカラー)を、各色のビット毎に論理和(OR演算)をとる。そして全ての色の全てのビットに対して論理和をとることで、視認署名付文書画像の画素(24ビットカラー)が決定される。これにより文書画像がカラーであり、視認署名付文書画像が2値と異なる場合でも、画素毎に重畳することを可能とする。
また、上記において文書画像がカラーで視認署名背景画像が2値の場合について説明したが、文書画像が2値で視認署名背景画像がカラーの場合についても同様の処理により重畳することが可能となる。具体的には上述した拡張手段により文書画像の2値をカラーに拡張した上で、カラーの視認署名背景画像と重畳する。
また、文書画像がカラー画像で、視認署名背景画像が多階調で濃淡を表現した内の間の階調で構成された(多値)場合もあり得る。そこで、次に文書画像が24ビットカラーで視認署名背景画像が8ビットグレースケールの場合について説明する。この場合において、24ビットカラーと8ビットクレースケールでは、サイズが異なるため単純に論理和を取ることはできない。そこで8ビットグレースケールを色毎の8ビットへと拡張する。
図13は、24ビットカラーの文書画像と、8ビットグレースケールの視認署名背景画像について、任意の画素で論理和をとるまでの処理を示した説明図である。本図で示すように、まずは視認署名背景画像の8ビットグレースケールと同様の値で構成される8ビットを赤、緑、青毎に備えることとする。これにより24ビットカラーに拡張されたこととなる。例えば8ビットグレースケールの値が‘10100111’だった場合には、赤、緑、青の各8ビットが‘10100111’となる。そして拡張された視認署名背景画像の画素(24ビットカラー)と、文書画像の画素(24ビットカラー)を、各色のビット毎に論理和(OR演算)をとる。そして全ての色の全てのビットに対して論理和をとることで、視認署名付文書画像の画素(24ビットカラー)が決定される。これにより文書画像がカラーであり、視認署名付文書画像が多値と異なる場合でも、画素毎に重畳することを可能とする。また、視認署名背景画像のシンボルを中間の階調の色で表現することで、視認署名背景画像と文書画像を重畳して視認署名付文書画像を生成した場合でも、文書画像内の文書とシンボルの境界を認識できるので、文書の内容とシンボルを認証する利用者が把握することができる。
また、上記において文書画像がカラーで視認署名背景画像が多値の場合について説明したが、文書画像が白から黒の間の中間色で視認署名背景画像がカラーの場合についても同様の処理により重畳することが可能となる。具体的には上述した拡張手段により文書画像の白から黒の間の中間色をカラーに拡張した上で、カラーの視認署名背景画像と重畳する。
上述したように、文書画像と視認署名背景画像について色を示すビット数が異なる場合でも、いずれか一方を拡張することで重畳することが可能となる。なお、本発明を拡張して重畳することに制限するものではなく、いずれか一方について減色等を行った後で重畳しても良い。
次に、視認署名付文書画像生成部107により生成された視認署名付文書画像について認証する利用者が改ざんされているか否か判断するまでの手順を説明する。まず、利用者は視認署名付文書画像の保護対象情報を特定する。具体的には、利用者はこの視認署名付文書画像では請求額の最高桁数‘3’が保護対象情報と特定する。そして保護対象情報‘3’に予め記憶していた暗号化鍵‘5’を加算して、変換保護対象情報‘8’を導出する。次に利用者は、予め記憶していた有効鍵セルの配置場所に配置されているシンボルを確認する。具体的には利用者は、四角格子においては有効鍵セルの配置場所は‘中央下’と記憶しているため、中央下のシンボルを確認する。中央下のシンボルは‘8’であり、導出した変換保護対象情報‘8’と一致するため、改ざんされていないと判断する。
つまり本実施の形態においては、利用者が暗号化鍵及び有効鍵セルの配置場所を記憶しておくことで、保護対象情報が改ざんされているか否か判断することが可能となる。なお、認証を行う利用者が暗号化鍵及び有効鍵セルの配置場所を記憶するために、生成者が認証する他の利用者に対して予め伝えておく等が考えられる。これにより生成者及び認証する利用者以外の者による改ざんを防止する。
図1に戻り、印刷処理部108は、視認署名付文書画像生成部107により生成された視認署名付文書画像をプリンタ20に印刷させる。印刷された紙媒体においても利用者が視覚を通じて認証できるため、パソコン等の認証する装置を用いずとも、改竄されているか否か確認することが可能となる。
次に、以上のように構成された本実施の形態にかかる視認署名付文書生成装置100における電子文書を取得してから視認署名付文書画像を印刷するまでの処理について説明する。図14は、本実施の形態にかかる視認署名付文書生成装置100における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
まずは、文書取得部102は、生成者にキーボード10等の入力装置を用いて選択され、この選択を入力処理部101が入力処理して電子文書を取得する(ステップS1401)。次に保護対象指定受付部103は、生成者が保護対象を入力し、この入力を保護対象の指定として入力処理部101により入力処理された電子文書中の保護対象情報を、受け付ける(ステップS1402)。
文書変換部104が、取得した電子文書を、画像データである文書画像に変換する(ステップS1403)。
保護対象情報が受け付けられた後、表示処理部110により表示される暗号化鍵の入力画面に、生成者がキーボード10等から暗号化鍵を入力し、入力された暗号化鍵の情報を入力処理部101が処理する(ステップS1404)。
次に、変換情報生成部105が、保護対象指定受付部103により指定が受け付けられた保護対象情報、及び入力処理部101により処理された暗号化鍵から、変換保護対象情報を生成する(ステップS1405)。
次に、表示処理部110により表示される配置状態の入力画面に、生成者がポインティングデバイス11等から配置状態を選択し、選択された配置状態の情報を入力処理部101が処理する(ステップS1406)。
次に、背景画像生成部106が、入力処理部101により処理された配置状態により視認署名背景画像を生成する(ステップS1407)。また、その際、生成者がキーボード10等の入力装置を介して配置場所を入力し、入力された有効鍵セルの配置場所を示す情報を入力処理部101が入力処理を行う必要がある。例えば配置状態を選択した際に、初期設定として任意の場所に有効鍵セルが配置されることとし、この配置された場所以外に有効鍵セルを設定したい場合に、生成者が入力装置から入力し、この入力を入力処理部101が処理して配置される等が考えられる。
次に、視認署名付文書画像生成部107が、文書変換部104により変換された文書画像と、背景画像生成部106により生成された視認署名背景画像を重畳して、視認署名付文書画像を生成する(ステップS1408)。
そして表示処理部110が、生成された視認署名付文書画像を表示する(ステップS1409)。本実施の形態においては、図4で示した配置状態の入力画面のプレビューに表示される。そして生成者がプレビューに表示された視認署名付文書画像を参照し、これで良いか否かポインティングデバイス11等から入力する。
次に、入力処理部101は、生成者からの入力を処理して得られた情報から、表示された視認署名付文書画像で良いか否か判断する(ステップS1410)。具体的には生成者がポインティングデバイス11等で‘OK’ボタンを押下されたことが入力処理された場合に、表示された視認署名付文書画像で良いと判断する。表示された文書では問題あると判断された場合(ステップS1410:No)、ステップS1406の配置状態の選択から再び開始される。
入力処理部101が表示された視認署名付文書画像で良いと判断した場合(ステップS1410:Yes)、印刷処理部108が生成された視認署名付文書画像をプリンタ20に印刷させる(ステップS1411)。また印刷前に、視認署名付文書画像生成部107が生成した視認署名付文書画像を記憶部109に保存する。
上述した処理手順により、電子文書から視認署名付文書画像を生成し、生成した視認署名付文書画像を印刷することが可能となる。なお、上述した処理手順は、本実施の形態による電子文書の取得から視認署名付文書画像の印刷までの処理手順の例を示したものであり、本発明をこの処理手順に制限するものではない。
図15は、視認署名付文書生成装置100の機能を実現するためのプログラムを実行したPCのハードウェア構成を示した図である。本実施の形態のPC1500は、CPU(Central Processing Unit)1501などの制御装置と、ROM(Read Only Memory)1502やRAM(Random Access Memory)1503などの記憶装置と、HDD(Hard Disk Drive)、CDドライブ装置などの外部記憶装置1504と、ディスプレイ装置などの表示装置1507と、キーボードやマウスなどの入力装置1506と、他の装置と通信可能にする通信I/F1505を備えており、バス1508を介して接続された通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
本実施形態の視認署名付文書生成装置100で実行される視認署名付文書生成プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
また、本実施形態の視認署名付文書生成装置100で実行される視認署名付文書生成プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の視認署名付文書生成装置100で実行される視認署名付文書生成プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
また、本実施形態の視認署名付文書生成プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
本実施の形態の視認署名付文書生成装置100で実行される視認署名付文書生成プログラムは、上述した各部(入力処理部、文書取得部、保護対象指定受付部、文書変換部、変換情報生成部、背景画像生成部、視認署名付文書画像生成部、印刷処理部、表示処理部)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPUが上記記憶媒体から視認署名付文書生成プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、入力処理部、文書取得部、保護対象指定受付部、文書変換部、変換情報生成部、背景画像生成部、視認署名付文書画像生成部、印刷処理部、表示処理部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
なお、視認署名付文書生成装置100の機能を実現する装置は、PCに制限するものではなく、例えばMFP(Multi Function Peripheral)等の画像を形成する装置で機能を実現しても良い。
上述した本実施の形態にかかる視認署名付文書生成装置100で生成された視認署名背景画像において、シンボルの配置された有効鍵セルが1つの場合について示したが、視認署名背景画像に配置される有効鍵セルの数を1つに制限するものではない。つまり有効鍵セルは複数存在しても良い。視認署名付文書生成装置100で有効鍵セルを複数設定し、認証する利用者が複数の有効鍵セルの配置場所を記憶することで、認証作業が複雑になり、改ざんすることがさらに困難になる。
また、複数の有効鍵セルを設定した場合、全て同じ暗号化鍵で同一のシンボルを生成する必要はない。つまり、複数の有効鍵セルのうちセル毎に異なる暗号化鍵により変換保護対象情報を生成しても良いし、複数の有効鍵セルでセル毎に暗号化鍵を用いた加算と減算を異ならせて、同一の保護対象情報からセル毎に異なる変換保護対象情報を算出することにしても良い。また、他にも複数の有効鍵セルに配置された標記のうち予め定められた数のみシンボルを配置(例えば、利用者が3箇所の有効鍵セルの配置場所、そして3箇所のうち2箇所にシンボルが配置されると記憶しておき、背景生成部がそのように視認署名背景画像にシンボルを配置する等)しても良い。
また、白と黒の間の中間色として8ビットグレースケールの場合について説明し、多色(カラー)として24ビットカラーの場合について説明したが、当然ながら、これらのビット数に制限するものではない。また、本実施の形態において論理和を求める際に全ビットに対して処理を行ったが、例えば最上位ビットのみ論理和を取るなどの処理を行うことにしても良い。
上述した視認署名付文書生成装置100により文書中の保護対象情報から導出される変換保護対象情報を示すシンボルが、文書画像に重畳される。これにより認証する利用者は、重畳されたシンボル及び保護対象情報に基づいて改ざんされているか否か判断することが可能となる。また、シンボルの他、変換保護対象情報の標記と異なる標記であるダミーシンボルを配置することで、配置場所を記憶している認証する利用者のみが視認署名付文書内のシンボルの配置場所を特定できる。これにより利用者が改ざんされているか否か判断できる。また認証する権限のない他の者は、シンボルを特定できないため保護対象情報の改ざんを防止できる。
また、視認署名付文書生成装置100により生成された視認署名付文書画像について、認証する利用者が記憶した暗号化鍵から変換保護対象情報を導出できる。これにより保護対象情報が改ざんされているか否か、暗号鍵を記憶した利用者が認証することを可能とする。
また、電子文書を画像データである文書画像に変換してから、生成された視認署名背景画像と重畳するので、電子文書の形式にかかわらず容易に視認署名付文書画像を生成することが可能となる。つまり電子文書には複数の専用ソフトウェアあるいは複数のフォーマットがあり、画像データ(視認署名背景画像)と重畳できるか否かは電子文書を編集するためのソフトウェアやフォーマット等に依存する。あるいは重畳という編集を行うために他のプログラムを起動しなければならないことも考えられる。このように容易に重畳できない場合が考えられる。そこで、本実施の形態の視認署名付文書生成装置100は、電子文書を画像データである文書画像に変換した。つまり画像データ同士であれば容易に重畳することが可能なため、容易に視認署名付文書画像を生成することが可能となる。
また、視認署名付文書生成装置100は、重畳する際に論理和による演算を行うことで、文書画像及び視認署名付文書画像の重畳処理が容易になる。
また利用者が記憶している事物のみで改ざんされているか否か判断できるので、改ざんされているか否か判断するための機材を必要とせず、容易な認証が可能となる。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態にかかる視認署名付文書生成装置100は、文書画像と視認署名背景画像とを重畳する際に論理和により演算を行ったが、他の演算により重畳を行っても良い。そこで第2の実施の形態の視認署名付文書生成装置は、排他的論理和により演算を行うものとする。
図16は、第2の実施の形態にかかる視認署名付文書生成装置1600の構成を示すブロック図である。上述した第1の実施の形態にかかる視認署名付文書生成装置1600とは、視認署名付文書画像生成部107とは処理が異なる視認署名付文書画像生成部1601に変更された構成を有している点で異なる。以下の説明では、上述した実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略している。
視認署名付文書画像生成部1601は、文書変換部104により変換された文書画像と、背景画像生成部106により生成された視認署名背景画像を重畳して視認署名付文書画像を生成する。この際、文書画像の保護対象情報を示す領域に網掛け等の処理を行い、認証する他の利用者が保護対象情報を特定できるようにしても良い。また、第1の実施の形態の視認署名付文書画像生成部107では重畳する際の演算として論理和を用いたが、本実施の形態の視認署名付文書画像生成部1601は、重畳する際の予め定められた演算として、排他的論理和を用いる。
また、視認署名付文書画像生成部1601は、演算として排他的論理和を用いる以外は、第1の実施の形態の視認署名付文書画像生成部107と同様の処理を行うこととする。
図17は、視認署名付文書画像生成部1601により生成された視認署名付文書画像の一例を示した図である。本図に示すように、視認署名付文書画像生成部1601により保護対象情報となる領域を有する文書画像と視認署名背景画像が重畳される。また、文書画像の黒色部分と視認署名背景画像の黒色部分が重なった場合、白色で表示するため、重なっている部分を認識することができる。
次に、視認署名付文書画像生成部1601により行われる重畳の処理について説明する。まずは文書画像及び視認署名付文書画像が2値の画像データの場合とする。図18は、文書画像及び視認署名付文書画像が2値の画像データの場合に、任意の画素で排他的論理和をとることで設定される値の対応表を示した図である。本図において、‘0’が白を示し、‘1’が黒を示すこととする。そして本図に示すように、重畳する対象となるそれぞれの画素のうち、文書画像及び視認署名付文書画像のどちらか一方が‘1’の場合、視認署名付文書画像として表示される画素の色は‘1’つまり黒となる。そして両方が同じ値の場合、視認署名付文書画像として表示される画素の色は‘0’つまり白となる。
図19は、文書画像及び視認署名付文書画像の排他的論理和を取って重畳することで、視認署名付文書画像を生成するまでを説明する説明図である。本図に示すように、請求書の内容を保持する文書画像は2値で構成され、白地に黒の文字で記載されたものとする。そして視認署名背景画像は、セル毎に記載されたシンボル及びダミーシンボルが所定のサイズの黒色のドットで構成されていることとする。また、本実施の形態において所定のサイズのドットとは、印刷した際に印字可能な最小のサイズのドットとし、視認署名背景画像の一部の拡大図で示したように肉眼では認識できない程度のサイズとする。なお、所定のサイズのドットを、印字可能な最小のサイズに制限するものではなく、文書の内容やシンボル等を構成できるサイズであれば良い。また、2値で濃淡を表現するために、ディザや誤差拡散などの技法を用いても良い。このような技法を用いることで2値でも所望の濃度で表示することが可能となり、シンボル等と文書画像内の文字を容易に識別することが可能となる。
そして図19に示すように、文書画像及び視認署名付文書画像を構成する画素毎に排他的論理和をとる。そして排他的論理和により算出された値を視認署名背景画像の画素の値とする。そして全ての画素に対して行うことで視認署名付文書画像が生成される。また、視認署名付文書画像の拡大図で示されるように、文書画像及び視認署名付文書画像の画素のうちどちらか一方の画素が黒色の場合、視認署名付文書画像の画素は黒色として設定される。また、文書画像及び視認署名付文書画像の画素のうち両方の画素が黒色または白色の場合、視認署名付文書画像の画素は白色として設定される。
また、図19では、文書画像及び視認署名付文書画像がそれぞれ2値の画像データの場合についてのみ説明したが、第1の実施の形態と同様に、文書画像及び視認署名付文書画像のそれぞれが多値あるいはカラーであってもよい。この場合の重畳方法としては、第1の実施の形態と同様に片方の画像データのビット数を拡張し、ビット毎に排他的論理和を取ることで視認署名付文書画像の画素の値が設定されることとする。
また、以上のように構成された本実施の形態にかかる視認署名付文書生成装置1600が行う電子文書を取得してから視認署名付文書画像を印刷するまでの処理手順は、第1の実施の形態の図14のステップS1408で論理和の代わりに排他的論理和を用いて重畳することに変更された点を除けば、第1の実施の形態で示した処理手順と同様であるため説明を省略する。
上述した視認署名付文書生成装置1600により第1の実施の形態で示した視認署名付文書生成装置100と同様の効果が得られる。さらに、文書画像と視認署名背景画像を重畳する際に、画素毎の演算で排他的論理和を用いたことで、文書画像と視認署名背景画像の重なった部分が認識できるため、さらに視認性が向上する。
(変形例)
また、上述した各実施の形態に限定されるものではなく、以下に例示するような種々の変形が可能である。
(変形例1)
上述した実施の形態では、取得した電子文書から保護対象情報を指定した後、電子文書を文書画像に変換していた。しかしながら、この方法に制限するものではなく、紙媒体の文書をスキャナ等で読み込んで変換された文書画像に対して、予め定められた演算により視認署名背景画像を重畳しても良い。なお、予め定められた演算は上述した実施の形態などどの様な演算を用いても良い。
本変形例の視認署名付文書生成装置は、紙媒体の文書を文書画像に変換するため、スキャナで紙媒体の文書を読み込み、文書変換部が文書画像に変換する。
次に、文書変換部で変換された文書画像から保護対象情報を指定する必要がある。このため、保護対象指定受付部は、文書画像からOCRを用いて文字を識別し、文書情報を抽出する。その後、抽出された文書情報を表示処理部がディスプレイに表示させる。そして、利用者はディスプレイに表示された文書情報から、入力装置を介して保護対象情報を入力する。次に、入力処理部が入力された保護対象情報を処理する。そして保護対象指定受付部が、入力処理部で処理された保護対象情報を指定されたものとして受け付ける。なお、保護対象情報の指定を受け付けた後の処理は、上述した実施の形態と同様となるため省略する。
本変形例のような処理手順を用いることで、上述した実施の形態が有する効果に加えて、さらに紙媒体の文書から、視認署名付文書を容易に生成することが可能となる。
(変形例2)
上述した実施の形態において、画素毎の演算に論理和又は排他的論理和を用いたが、これらに制限するものではなく、予め定めた演算により文書画像と、視認署名背景画像を重畳するものであればよい。本変形例では、予め定めた演算として、視認署名背景画像に対して文書画像の所定の色の領域でマスキングを行う。
本変形例では、文書画像の白以外の色で表示された領域に対してマスキングを行う。具体的には、視認署名背景画像と文書画像で画素毎に重畳する際に、重畳される文書画像の画素の色が白(24ビットカラーの場合、各色が‘00000000’)の場合、視認署名背景画像の画素の色(画素値)を用い、画素の色が白以外の場合、文書画像の画素の色(画素値)を用いる。これにより重畳された視認署名付文書は、重畳された文書画像の画素の色が白以外の領域では、文書画像の画素の色が優先して表示され、文書画像の画素値が白の領域では視認背景画像の画素の色で表示される。つまり視認背景画像が、文書画像の白以外の領域でマスキングが行われて表示されたことになる。
また、マスキングを文書画像が白以外の色で表示された領域に制限するものではなく、文書画像の記載内容と、視認署名背景画像のシンボルが視認することができるように所定の画素値の領域でマスキングするものであればよい。このような重畳方法を用いることで、文書画像が所定の画素値をとる領域では、文書画像の画像が優先して表示されることとなり、重畳された場合でも、利用者の文書画像の視認が容易となる。
(変形例3)
また、変形例1では重畳する際にマスキングを行うこととしたが、予め定められた演算としては他にもいくつか考えられる。そこで本変形例では、重畳する際、予め定められた演算として、文書画像と視認署名背景画像の輝度値を加算する。具体的には本変形例では、文書画像及び視認署名背景画像がグレースケールで表示され、輝度値が0〜255の値を取ることとする。この場合、文書画像と視認署名背景画像の輝度値の和を求めて視認署名付文書画像の輝度値を決定する。また輝度値の和を求めた結果、255を超えた場合には、輝度値を255とする。またカラー画像の場合であっても同様の処理手順により輝度値を求めても良い。
(変形例4)
また、輝度だけではなくカラー画像である文書画像と視認署名背景画像を重畳する場合、色毎の値について和を求めてもよい。具体的には各画素がRGB出力で、色毎に0〜255の値を取る場合、文書画像及び視認背景画像の画素の色毎に和を求めて視認署名付文書の色の値を決定する。また、255を超えた場合には各色の値を‘255’とする。
これら変形例2〜4で示した重畳処理を行うことで、容易に文書画像と視認署名背景画像を重畳できると共に、利用者が文書画像の内容を及び視認署名背景画像のシンボルを認識することが容易な視認署名付文書画像を生成することが可能となる。