JP4321401B2 - 印刷制御装置、方法及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は印刷制御装置、方法及びプログラムに係り、特に、印刷対象文書の文書情報に対して所定の処理を行うことで、プリンタによる印刷対象文書の印刷に用いられる印刷画像データを生成する印刷制御装置、該印刷制御装置に適用可能な印刷制御方法、及び、コンピュータを前記印刷制御装置として機能させるための印刷制御プログラムに関する。
近年、複写機やプリンタの性能向上に伴い、有価証券や旅券、各種の権利書、住民票、出生証明書、保険証書、保証書、機密文書等の重要文書を複写機やプリンタで複写した複写印刷物、或いは重要文書をスキャナ等で読み取り内容の一部を改竄して印刷した改竄印刷物が悪用される事例が増加してきている。このため、用紙に印刷された各種文書の真正性(真物であり改竄されていないこと)を高精度かつ容易に確認できる技術の確立が待望されている。
文書の真偽判定を可能とする技術として、特許文献1には、Y(イエロー)、M(マゼンダ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色成分のインクのうち、Kのインクのみが赤外光吸収性色素を含んでいることを利用し、用紙に印刷された各種の文書の真偽を識別可能な画像として、m×m画素(mは2以上の整数)から成る第1領域と、n×n画素(mは1以上のm未満の整数)から成る第2領域が設けられ、互いに独立する複数の第1領域が単一の第2領域の周囲に隙間なく配置されると共に、互いに独立する複数の第2領域が単一の第1領域の外周に沿って略等間隔に配置されて成り、Y,M,Cのインクで印刷すべき被埋込画像を第1領域に網点で配置し、Kのインクで印刷すべき埋込画像を第2領域に網点で配置した識別画像を文書に合成して印刷する技術が提案されている。
上記技術によれば、正規の印刷方法では、識別画像に埋め込まれている埋込画像が赤外光吸収性色素を含むKのインクのみを用いて印刷されるので、識別画像に赤外光を照射して観察すれば埋込画像の存在を確認することができる。一方、正規の印刷方法で印刷された識別画像を複写(スキャナで読み取ってプリンタで印刷)した場合、スキャナではY,M,Cのインクで形成された「黒」(被埋込画像上の「黒」)とKのインクの「黒」(埋込画像上の「黒」)を識別できないため、被埋込画像と埋込画像を分離することができない。従って、複写された文書の識別画像上で埋込画像が再現されない(赤外光を照射して観察しても埋込画像の存在を確認できない)ので偽物と判断することができる。このように、上記技術は特殊なインクも不要であり、文書の真偽判定を低コストで実現することができる。
また、文書の複写を牽制する技術として、特許文献2には、背景画像の解像度を出力解像度へ変換した後、階調補正処理を経て出力線数よりも粗い線数で網点処理を行い、出力解像度へ変換したマスク画像(特徴画像)に従い、画像中の各領域について網点処理後の背景画像又は網点処理を行わない背景画像を選択することで複写牽制画像を生成し、この複写牽制画像を文書に合成して印刷する技術が提案されている。この技術では、文書の複写を行うと、文書に合成した複写牽制画像のうち背景画像領域は再現されず、特徴画像に相当する特徴画像領域のみが再現されるので、例えば特徴画像として「コピー禁止」等の文字を表す画像を用いれば、複写文書上に「コピー禁止」等の文字が明確に表れることになり、文書の複写を牽制できると共に複写された文書を容易に検知できる。
更に、文書の改竄検知に利用可能な技術として、特許文献3には、各々複数画素から成り個々の画素値が互いに異なる2種類のパターン画像を発生させ、埋め込むべき情報(埋込情報)に応じて2種類のパターン画像を適宜選択・集成した被重畳画像に重畳することで、埋込情報を埋め込んだ情報埋込画像を生成する技術が開示されている。上記技術によれば、例えば改竄検知を行うべき文書のIDや文書の内容を表す情報等を埋込情報として用いて情報埋込画像を生成し、生成した情報埋込画像を前記文書に合成して印刷しておくことにより、文書中の情報埋込画像を読み取って埋込情報を再現し、再現した埋込情報に基づいて文書の改竄の有無を検知することができる。
特開2003−136828号公報 特開2001−197297号公報 特開2004−140764号公報
ところで、上述の識別画像、情報埋込画像及び複写牽制画像(以下、これらを特殊画像と総称する)は、それぞれ異なる観点から文書の真正性を確認可能な画像であるので、これらの特殊画像を組み合わせ、単一の文書に上述の各特殊画像を全て合成して印刷するようにすれば、各特殊画像の相乗効果により文書の真正性確認の精度が大幅に向上するものと期待される。しかしながら、各特殊画像は、印刷条件(印刷時に印刷対象文書の情報に対して行われる処理の内容)によっては適正に(真正性の確認に利用可能に)印刷されない可能性がある。
例えば、印刷対象文書の情報に基づきY,M,C,Kのトナーを用いてプリンタにより前記文書を印刷する場合、処理速度やメモリ等の資源の有効利用等を目的として、印刷対象文書の情報が、途中で例えばR,G,BやL*a*b*等のようにY,M,C,K以外の色空間の画像データへ一旦変換されて各種の画像処理が行われた後に、Y,M,C,Kの印刷画像データへ再変換されて印刷されることが多い。これに対し、識別画像の情報が付加されている印刷対象文書の情報が、上記のようにY,M,C,K以外の色空間の画像データへ一旦変換されてしまうと、識別画像の情報中の埋込画像の情報と被埋込画像の情報が変換後の画像データ上で混合されてしまうため、元の識別画像の情報が表す識別画像を正確に印刷できず、印刷した識別画像に基づく文書の真偽を判定が困難になるという問題が生ずる。
そして、各特殊画像はそれぞれ異なる原理に基づいて画像又は情報が埋め込まれている画像であるので、各特殊画像を適正に印刷させるための印刷条件は互いに相違しており、単一の文書に各特殊画像を全て合成して印刷する際に各特殊画像を適正に印刷できる最適な印刷条件は確立されていない。このため、各特殊画像を全て合成した文書を印刷する場合、ユーザは印刷条件を変更しながら前記文書の印刷を繰り返し、文書に合成した各特殊画像が適正に印刷される印刷条件を試行錯誤的に求める必要があり、ユーザに多大な負担がかかることが予想される。
また、印刷対象文書に対して各特殊画像を全て合成したとすると、印刷に要する時間が通常の文書印刷の処理時間に対して増加する等の問題が生ずる。このため、例えば重要度が非常に高い文書については各特殊画像を全て合成して印刷し、重要度が比較的低い文書については各特殊画像の中から1個又は2個の特殊画像を選択して合成して印刷する等、文書の内容や重要度、用途等に応じて特殊画像を選択的に合成して印刷させる利用法が考えられるが、文書に合成する特殊画像の種類等が不定の場合にも、上記と同様に、文書に合成した各特殊画像が適正に印刷される印刷条件をユーザが試行錯誤的に求める必要がある。
本発明は上記事実を考慮して成されたもので、文書の真正性確認に利用可能な複数種の特殊画像のうちの任意の特殊画像を文書に合成して印刷する際に、合成する特殊画像を適正に印刷させることをユーザに負担をかけることなく実現できる印刷制御装置、印刷制御方法及び印刷制御プログラムを得ることが目的である。
本願発明者等は、識別画像、情報埋込画像及び複写牽制画像の各特殊画像について適正に(文書の真正性確認に利用可能に)印刷できる印刷条件を各々検討し、各特殊画像を、各特殊画像の印刷における適正な印刷条件とは異なる印刷条件(他の特殊画像の印刷における適正な印刷条件)で印刷した場合にどのように印刷されるかを検証した。その結果、識別画像については、適正な印刷条件と異なる印刷条件で印刷すると、印刷した識別画像を文書の真正性確認に利用することが困難となり、情報埋込画像については、適正な印刷条件と異なる印刷条件で印刷すると印刷した識別画像を文書の真正性確認に利用することが困難となるものの、情報埋込画像の適正な印刷条件は識別画像の適正な印刷条件に含まれており(識別画像を適正に印刷できる印刷条件で印刷すれば、情報埋込画像を適正に印刷できる印刷条件も同時に満たされる)、複写牽制画像については、適正な印刷条件と異なる印刷条件で印刷しても、殆どの場合、印刷した複写牽制画像を文書の真正性確認に利用可能であることが確認された。そして、文書の真正性確認に利用可能に印刷できる印刷条件の許容範囲は特殊画像の種類によって相違しており、識別画像を適正に印刷できる印刷条件で印刷した場合には、情報埋込画像及び複写牽制画像も同時に適正に印刷することができ、情報埋込画像を適正に印刷できる印刷条件で印刷した場合には、複写牽制画像も同時に適正に印刷することができることが明らかとなった。
上記に基づき請求項1記載の発明に係る印刷制御装置は、印刷対象文書の文書情報から、複数の色成分の印刷剤を用いて印刷を行うプリンタによる前記印刷対象文書の印刷に用いられ、前記印刷対象文書を前記複数の色成分に分解して表す特定色空間の印刷画像データを生成すると共に、前記印刷対象文書の文書情報から印刷画像データを生成する処理で情報の圧縮を行うか否か、及び、前記処理で色空間変換を行うか否かを各々選択可能で、かつ前記印刷画像データの解像度を選択可能な印刷制御装置であって、前記複数の色成分のうちの特定色成分のみから成る埋込画像と前記複数の色成分のうちの前記特定色成分と異なる色成分から成る被埋込画像が重ね合わされて成り、印刷された状態で可視光による前記埋込画像の視認が困難なように前記被埋込画像が予め加工された識別画像と、各々複数画素から成り個々の画素値が互いに異なる複数種のパターン画像が埋込情報に応じて選択され被重畳画像に重畳されて成る情報埋込画像と、画像中の特徴画像領域の線数が特徴画像領域以外の背景画像領域よりも粗くされた複写牽制画像と、のうち、印刷対象文書に合成して印刷すべき特殊像を判断する判断手段と、前記印刷対象文書に合成して印刷すべき特殊画像の中に前記識別画像が含まれている場合には、前記処理で前記特殊画像のデータが合成された情報の圧縮が行われず、かつ前記特殊画像のデータのうち前記識別画像を表し前記特定色空間のデータとして与えられる識別画像データに対して別の色空間のデータへ一旦変換する色空間変換も前記処理で行われず、前記識別画像が合成された印刷対象文書を前記複写牽制画像のみ合成された印刷対象文書よりも高い解像度で印刷させる印刷画像データを生成させ、前記印刷対象文書に合成して印刷すべき特殊画像の中に前記識別画像が含まれておらず前記情報埋込画像が含まれている場合には、前記処理で前記特殊画像のデータが合成された情報の圧縮が行われることなく、前記識別画像が合成されず前記情報埋込画像が合成された印刷対象文書を、前記複写牽制画像のみ合成された印刷対象文書よりも高い解像度で印刷させる印刷画像データを生成させ、前記印刷対象文書に合成して印刷すべき特殊画像前記複写牽制画像のみである場合には、前記複写牽制画像のみ合成された印刷対象文書を、前記識別画像及び前記情報埋込画像の少なくとも一方が合成された印刷対象文書よりも低い解像度で印刷させる印刷画像データを生成させる制御手段と、を含んで構成されている。
請求項1記載の発明に係る印刷制御装置は、印刷対象文書の文書情報から、複数の色成分の印刷剤を用いて印刷を行うプリンタによる印刷対象文書の印刷に用いられ、前記印刷対象文書を前記複数の色成分に分解して表す特定色空間の印刷画像データを生成すると共に、印刷対象文書の文書情報から印刷画像データを生成する処理で情報の圧縮を行うか否か、及び、前記処理で色空間変換を行うか否かを各々選択可能で、かつ印刷画像データの解像度を選択可能とされているなお、印刷対象文書の文書情報から印刷画像データを生成する処理は、例えば印刷対象文書の文書情報をページ記述言語で記述した中間印刷データへ変換した後に、中間印刷データを印刷画像データへ展開する処理を行うことで実現できる。ここで、請求項1記載の発明では、前記複数の色成分のうちの特定色成分のみから成る埋込画像と前記複数の色成分のうちの特定色成分と異なる色成分から成る被埋込画像が重ね合わされて成り、印刷された状態で可視光による埋込画像の視認が困難なように被埋込画像が予め加工された識別画像と、各々複数画素から成り個々の画素値が互いに異なる複数種のパターン画像が埋込情報に応じて選択され被重畳画像に重畳されて成る情報埋込画像と、画像中の特徴画像領域の線数が特徴画像領域以外の背景画像領域よりも粗くされた複写牽制画像と、のうち、印刷対象文書に合成して印刷すべき特殊像が判断手段によって判断される。なお、この判断は印刷対象文書の属性に基づいて行ってもよいし、別途入力される指示情報に基づいて行ってもよい。
そして請求項1記載の発明に係る制御手段は、印刷対象文書に合成して印刷すべき特殊画像の中に識別画像が含まれている場合には、印刷対象文書の文書情報から印刷画像データを生成する処理で特殊画像のデータが合成された情報の圧縮が行われず、かつ特殊画像のデータのうち識別画像を表し特定色空間のデータとして与えられる識別画像データに対して別の色空間のデータへ一旦変換する色空間変換も前記処理で行われず、識別画像が合成された印刷対象文書を複写牽制画像のみ合成された印刷対象文書よりも高い解像度で印刷させる印刷画像データを生成させ、印刷対象文書に合成して印刷すべき特殊画像の中に識別画像が含まれておら情報埋込画像が含まれている場合には、前記処理で特殊画像のデータが合成された情報の圧縮が行われることなく、識別画像が合成されず情報埋込画像が合成された印刷対象文書を、複写牽制画像のみ合成された印刷対象文書よりも高い解像度で印刷させる印刷画像データを生成させ、印刷対象文書に合成して印刷すべき特殊画像複写牽制画像のみである場合には、複写牽制画像のみ合成された印刷対象文書を、識別画像及び情報埋込画像の少なくとも一方が合成された印刷対象文書よりも低い解像度で印刷させる印刷画像データを生成させる。
このように、請求項1記載の発明では、印刷対象文書に合成して印刷すべき特殊画像の中に識別画像が含まれている場合には、印刷対象文書の文書情報から印刷画像データを生成する処理で特殊画像のデータが合成された情報の圧縮が行われず、かつ特殊画像のデータのうち識別画像を表し特定色空間のデータとして与えられる識別画像データに対して別の色空間のデータへ一旦変換する色空間変換も前記処理で行われず、識別画像が合成された印刷対象文書を複写牽制画像のみ合成された印刷対象文書よりも高い解像度で印刷させる印刷画像データを生成させるが、印刷対象文書の文書情報から印刷画像データを生成する処理における上記の条件は、印刷対象文書に合成された識別画像が適正に印刷される印刷画像データを得るための条件であり、上記の条件に従って印刷対象文書の文書情報から印刷画像データを生成し、生成した印刷画像データをプリンタによる印刷対象文書の印刷に用いることで、印刷対象画像に合成された識別画像を、文書の真正性確認(詳しくは文書の真偽判定)に利用可能なように印刷させることができる。
また、上記の条件は、印刷対象文書に合成された情報埋込画像や複写牽制画像が適正に印刷される印刷画像データを得るための条件に含まれているので、印刷対象文書に合成して印刷すべき特殊画像の中に情報埋込画像及び複写牽制画像の少なくとも一方が含まれている場合にも、上記の条件に従って印刷対象文書の文書情報から印刷画像データを生成し、生成した印刷画像データをプリンタによる印刷対象文書の印刷に用いることで、印刷対象画像に合成された情報埋込画像や複写牽制画像も文書の真正性確認に利用可能なように印刷させることができる。
また、請求項1記載の発明では、印刷対象文書に合成して印刷すべき特殊画像の中に識別画像が含まれておらず情報埋込画像が含まれている場合には、印刷対象文書の文書情報から印刷画像データを生成する処理で特殊画像のデータが合成された情報の圧縮が行われることなく、識別画像が合成されず情報埋込画像が合成された印刷対象文書を、複写牽制画像のみ合成された印刷対象文書よりも高い解像度で印刷させる印刷画像データを生成させるが、印刷対象文書の文書情報から印刷画像データを生成する処理における上記の条件は、印刷対象文書に合成された情報埋込画像が適正に印刷される印刷画像データを得るための条件であり、上記の条件に従って印刷対象文書の文書情報から印刷画像データを生成し、生成した印刷画像データをプリンタによる印刷対象文書の印刷に用いることで、印刷対象画像に合成された情報埋込画像を、文書の真正性確認(詳しくは文書の改竄の有無の検知)に利用可能なように印刷させることができる。
また、上記の条件は、印刷対象文書に合成された複写牽制画像が適正に印刷される印刷画像データを得るための条件に含まれているので、印刷対象文書に合成して印刷すべき特殊画像の中に複写牽制画像が含まれている場合にも、上記の条件に従って印刷対象文書の文書情報から印刷画像データを生成し、生成した印刷画像データをプリンタによる印刷対象文書の印刷に用いることで、印刷対象画像に合成された複写牽制画像も文書の真正性確認に利用可能なように印刷させることができる。
更に、請求項1記載の発明では、印刷対象文書に合成して印刷すべき特殊画像複写牽制画像のみである場合には、複写牽制画像のみ合成された印刷対象文書を、識別画像及び情報埋込画像の少なくとも一方が合成された印刷対象文書よりも低い解像度で印刷させる印刷画像データを生成させるので、上記の条件に従って印刷対象文書の文書情報から印刷画像データを生成し、生成した印刷画像データをプリンタによる印刷対象文書の印刷に用いることで、印刷対象画像に合成された複写牽制画像を、文書の真正性確認(文書が偽物でないことの確認)に利用可能なように印刷させることができる。また、上記のように、複写牽制画像のみ合成された印刷対象文書を、識別画像及び情報埋込画像の少なくとも一方が合成された印刷対象文書よりも低い解像度で印刷させる印刷画像データを生成させることで、印刷画像データのデータ量が小さくなり印刷対象文書の文書情報から印刷画像データを生成する処理の処理時間が短縮されるので、特殊画像として複写牽制画像のみを合成した印刷対象文書を高速で印刷させることができるという効果も得られる。なお、印刷対象文書に合成して印刷すべき特殊画像が存在していない場合、制御手段は、所定の処理として予め定められた処理が行われるように制御してもよいし、ユーザが設定した印刷条件に応じた処理が行われるように制御してもよい。
このように、請求項1記載の発明によれば、印刷対象文書に合成して印刷すべき特殊像が判断され、印刷対象文書に合成して印刷すべき特殊画像の中に識別画像が含まれている場合は、印刷対象文書の文書情報から印刷画像データを生成する処理の条件を、識別画像が適正に印刷される印刷画像データを得るための条件とし、印刷対象文書に合成して印刷すべき特殊画像の中に識別画像が含まれておらず情報埋込画像が含まれている場合には、前記処理の条件を、情報埋込画像が適正に印刷される印刷画像データを得るための条件とし、印刷対象文書に合成して印刷すべき特殊画像が複写牽制画像のみである場合は、前記処理の条件を、複写牽制画像が適正に印刷される印刷画像データを得るための条件としているので、文書の真正性確認に利用可能な複数種の特殊画像のうちの任意の特殊画像を文書に合成して印刷する際に、合成する特殊画像を適正に印刷させることができ、合成する特殊画像を適正に印刷させるためにユーザが印刷条件の設定等を行う必要もなくなるので、ユーザに負担がかかることも防止することができる。
なお、請求項1記載の発明は、印刷対象文書に合成して印刷すべき特殊画像が印刷対象文書の文書情報に事前にデータとして付加される態様に適用してもよいが、印刷対象文書に合成して印刷すべき特殊画像が指定される態様に適用することも可能である。この場合、例えば請求項2に記載したように、判断手段は、識別画像、情報埋込画像及び複写牽制画像の各々について、印刷対象文書に合成して印刷すべき特殊画像として指定されたか否かを判定することで、印刷対象文書に合成して印刷すべき特殊画像の判断を行い、制御手段は、印刷対象文書に合成して印刷すべき特殊画像として、識別画像、情報埋込画像及び複写牽制画像の少なくとも1つが指定された場合に、印刷対象文書の文書情報、該文書情報から生成される中間印刷データ、及び、該中間印刷データから生成される印刷画像データの何れかに、指定された画像のデータを付加又は合成するように構成することができる。
請求項記載の発明に係る印刷制御方法は、印刷対象文書の文書情報から、複数の色成分の印刷剤を用いて印刷を行うプリンタによる前記印刷対象文書の印刷に用いられ、前記印刷対象文書を前記複数の色成分に分解して表す特定色空間の印刷画像データを生成すると共に、前記印刷対象文書の文書情報から印刷画像データを生成する処理で情報の圧縮を行うか否か、及び、前記処理で色空間変換を行うか否かを各々選択し、かつ前記印刷画像データの解像度を選択するにあたり、前記複数の色成分のうちの特定色成分のみから成る埋込画像と前記複数の色成分のうちの前記特定色成分と異なる色成分から成る被埋込画像が重ね合わされて成り、印刷された状態で可視光による前記埋込画像の視認が困難なように前記被埋込画像が予め加工された識別画像と、各々複数画素から成り個々の画素値が互いに異なる複数種のパターン画像が埋込情報に応じて選択され被重畳画像に重畳されて成る情報埋込画像と、画像中の特徴画像領域の線数が特徴画像領域以外の背景画像領域よりも粗くされた複写牽制画像と、のうち、印刷対象文書に合成して印刷すべき特殊像を判断し、前記印刷対象文書に合成して印刷すべき特殊画像の中に前記識別画像が含まれている場合には、前記処理で前記特殊画像のデータが合成された情報の圧縮が行われず、かつ前記特殊画像のデータのうち前記識別画像を表し前記特定色空間のデータとして与えられる識別画像データに対して別の色空間のデータへ一旦変換する色空間変換も前記処理で行われず、前記識別画像が合成された印刷対象文書を前記複写牽制画像のみ合成された印刷対象文書よりも高い解像度で印刷させる印刷画像データを生成し、前記印刷対象文書に合成して印刷すべき特殊画像の中に前記識別画像が含まれておらず前記情報埋込画像が含まれている場合には、前記処理で前記特殊画像のデータが合成された情報の圧縮が行われることなく、前記識別画像が合成されず前記情報埋込画像が合成された印刷対象文書を、前記複写牽制画像のみ合成された印刷対象文書よりも高い解像度で印刷させる印刷画像データを生成し、前記印刷対象文書に合成して印刷すべき特殊画像前記複写牽制画像のみである場合には、前記複写牽制画像のみ合成された印刷対象文書を、前記識別画像及び前記情報埋込画像の少なくとも一方が合成された印刷対象文書よりも低い解像度で印刷させる印刷画像データを生成するので、請求項1記載の発明と同様に、文書の真正性確認に利用可能な複数種の特殊画像のうちの任意の特殊画像を文書に合成して印刷する際に、合成する特殊画像を適正に印刷させることをユーザに負担をかけることなく実現することができる。
請求項記載の発明に係る印刷制御プログラムは、コンピュータを、印刷対象文書の文書情報から、複数の色成分の印刷剤を用いて印刷を行うプリンタによる前記印刷対象文書の印刷に用いられ、前記印刷対象文書を前記複数の色成分に分解して表す特定色空間の印刷画像データを生成すると共に、前記印刷対象文書の文書情報から印刷画像データを生成する処理で情報の圧縮を行うか否か、及び、前記処理で色空間変換を行うか否かを各々選択可能で、かつ前記印刷画像データの解像度を選択可能な印刷制御装置として機能させる印刷制御プログラムであって、前記コンピュータを、前記複数の色成分のうちの特定色成分のみから成る埋込画像と前記複数の色成分のうちの前記特定色成分と異なる色成分から成る被埋込画像が重ね合わされて成り、印刷された状態で可視光による前記埋込画像の視認が困難なように前記被埋込画像が予め加工された識別画像と、各々複数画素から成り個々の画素値が互いに異なる複数種のパターン画像が埋込情報に応じて選択され被重畳画像に重畳されて成る情報埋込画像と、画像中の特徴画像領域の線数が特徴画像領域以外の背景画像領域よりも粗くされた複写牽制画像と、のうち、印刷対象文書に合成して印刷すべき特殊像を判断する判断手段、及び、前記印刷対象文書に合成して印刷すべき特殊画像の中に前記識別画像が含まれている場合には、前記処理で前記特殊画像のデータが合成された情報の圧縮が行われず、かつ前記特殊画像のデータのうち前記識別画像を表し前記特定色空間のデータとして与えられる識別画像データに対して別の色空間のデータへ一旦変換する色空間変換も前記処理で行われず、前記識別画像が合成された印刷対象文書を前記複写牽制画像のみ合成された印刷対象文書よりも高い解像度で印刷させる印刷画像データを生成させ、前記印刷対象文書に合成して印刷すべき特殊画像の中に前記識別画像が含まれておらず前記情報埋込画像が含まれている場合には、前記処理で前記特殊画像のデータが合成された情報の圧縮が行われることなく、前記識別画像が合成されず前記情報埋込画像が合成された印刷対象文書を、前記複写牽制画像のみ合成された印刷対象文書よりも高い解像度で印刷させる印刷画像データを生成させ、前記印刷対象文書に合成して印刷すべき特殊画像前記複写牽制画像のみである場合には、前記複写牽制画像のみ合成された印刷対象文書を、前記識別画像及び前記情報埋込画像の少なくとも一方が合成された印刷対象文書よりも低い解像度で印刷させる印刷画像データを生成させる制御手段として機能させることを特徴としている。
請求項記載の発明に係る印刷制御プログラムは、コンピュータを、上記の判断手段及び制御手段として機能させるためのプログラムであるので、コンピュータが請求項記載の発明に係る印刷制御プログラムを実行することにより、コンピュータが請求項1に記載の印刷制御装置として機能することになり、請求項1記載の発明と同様に、文書の真正性確認に利用可能な複数種の特殊画像のうちの任意の特殊画像を文書に合成して印刷する際に、合成する特殊画像を適正に印刷させることをユーザに負担をかけることなくすることが実現できる。
以上説明したように本発明は、識別画像、情報埋込画像及び複写牽制画像のうち印刷対象文書に合成して印刷すべき特殊像を判断し、印刷対象文書に合成して印刷すべき特殊画像の中に少なくとも識別画像が含まれている場合は、印刷対象文書の文書情報から印刷画像データを生成する所定の処理が識別画像の印刷に適した処理となるように制御し、印刷対象文書に合成して印刷すべき特殊画像の中に識別画像が含まれておらず少なくとも情報埋込画像が含まれている場合は、所定の処理が情報埋込画像の印刷に適した処理となるように制御し、印刷対象文書に合成して印刷すべき特殊画像の中に識別画像及び情報埋込画像が含まれておらず複写牽制画像のみが含まれている場合は、所定の処理が複写牽制画像の印刷に適した処理となるように制御するので、文書の真正性確認に利用可能な複数種の特殊画像のうちの任意の画像を文書に合成して印刷する際に、合成する画像を適正に印刷させることをユーザに負担をかけることなく実現できる、という優れた効果を有する。
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1には本実施形態に係る印刷システム10が示されている。印刷システム10はコンピュータ12とプリンタ14がLAN等の通信回線16を介して接続されて構成されている。なお、印刷システム10は単一のコンピュータ12が設けられた構成に限られるものではなく、複数台のコンピュータ12が設けられていてもよい。また、コンピュータ12としては、例えばパーソナル・コンピュータ(PC)が好適であるが、これに限られるものではなく、ワークステーション等の他のコンピュータであってもよく、クライアントとして機能する複数台のPCと、サーバとして機能するワークステーションが各々設けられていてもよい。
コンピュータ12はCPU12A、ROM12B、RAM12C及び入出力ポート12Dが、データバス、制御バス、アドレスバス等から成るバス10Eを介して互いに接続されて構成されている。また、入出力ポート12Dには、各種の入出力機器として、通信回線16に接続されたネットワーク・インタフェース20、CRT又はLCDから成るディスプレイ22、キーボード24、マウス26、ハードディスクドライブ(HDD)28、CD−ROM30からの情報の読み出しを行うCD−ROMドライブ32が各々接続されている。また、コンピュータ12のHDD28には、プリンタ14で印刷する文書(印刷対象文書)を作成したり作成済みの印刷対象文書を更新(編集)するための文書取扱アプリケーションのプログラム、印刷対象文書をプリンタ14で印刷させるための複数種のプリンタドライバのプログラム、及びスプーラ(後述)のプログラムが各々インストールされている。
なお、本第1実施形態及び後述する第2実施形態では、図1に破線で示すように、コンピュータ12のHDD28に特殊画像付き文書印刷制御プログラムもインストールされており、更に、印刷する文書の真正性の確認に利用可能な各特殊画像(識別画像、情報埋込画像及び複写牽制画像)のデータ(特殊画像データと称する)も予め記憶されている。特殊画像付き文書印刷制御プログラムは請求項記載の印刷制御プログラムに対応している。特殊画像付き文書印刷制御プログラムをコンピュータ12にインストール(移入)するには幾つかの方法があるが、例えば特殊画像付き文書印刷制御プログラムをセットアッププログラムと共にCD−ROM30に記録しておき、該CD−ROM30をCD−ROMドライブ32にセットし、CPU12Aに対して前記セットアッププログラムの実行を指示すれば、CD−ROM30から特殊画像付き文書印刷制御プログラムが順に読み出され、読み出された特殊画像付き文書印刷制御プログラムがHDD28に順に書き込まれることで、特殊画像付き文書印刷制御プログラムのインストールが行われる。本第1実施形態及び後述する第2実施形態では、CPU12Aが特殊画像付き文書印刷制御プログラムを実行することで、コンピュータ12が本発明に係る印刷制御装置の制御手段として機能する。
一方、プリンタ14は、通信回線16に接続されたネットワーク・インタフェース36を備えており、ネットワーク・インタフェース36には、マイクロコンピュータを含んで構成されプリンタ14各部の動作を制御すると共に各種処理(例えば後述する印刷用画像データを生成するデコンポーズ処理)を行うプリンタ制御部38が接続されている。また、プリンタ制御部38には、HDDやフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶手段とRAM等の揮発性の記憶手段を含んで構成された記憶部40と、LCDパネル等から成る表示手段とテンキー等から成る操作手段を含んで構成された表示/操作部42と、プリンタ制御部38から入力された印刷用画像データ(印刷対象文書をY,M,C,Kに分解して表すY,M,C,K色空間のビットマップデータ)に基づきY,M,C,K各色成分のトナーを用いて電子写真方式によりカラー画像を形成し、形成したカラー画像を記録用紙に転写・定着させることで記録用紙に印刷対象文書を印刷する画像形成部44が各々接続されている。
記憶部40の不揮発性の記憶手段には、プリンタ制御部38がデコンポーズ処理を行うデコンポーザのプログラムと、プリンタ側スプーラ(後述)のプログラムが予めインストールされている。また、後述する第3実施形態では、図1に破線で示すように、記憶部40の不揮発性の記憶手段に特殊画像付き文書印刷制御プログラムもインストールされており、更に特殊画像データも予め記憶されている。プリンタ14の記憶部40への特殊画像付き文書印刷制御プログラムのインストール(移入)は、例えばプリンタ14の製造時に予め行っておくようにしてもよいし、コンピュータ12のCPU12Aに所定のセットアッププログラムを実行させることでコンピュータ12によって行わせることも可能である。第3実施形態における特殊画像付き文書印刷制御プログラムも請求項記載の印刷制御プログラムに対応しており、この態様ではプリンタ14のプリンタ制御部38が特殊画像付き文書印刷制御プログラムを実行することで、プリンタ14が本発明に係る印刷制御装置の制御手段として機能することになる。
次に本第1実施形態の作用として、本実施形態に係る特殊画像の1つである識別画像について説明する。前述のように、画像形成部44は複数の色成分の印刷剤、すなわちY,M,C,Kのトナーを用いてカラー画像を形成するが、上記各色成分のトナーのうちKのトナーのみは赤外光吸収性色素(カーボン)を含有しており、Y,M,Cのトナーを用いて形成・印刷した画像に赤外光を照射しても、トナーによる赤外光の吸収が殆ど生じないために印刷した画像を視認できないが、Kのトナーのみを用いて形成・印刷された画像に赤外光を照射すると、照射した赤外光の一部がKのトナーによって吸収されることで印刷した画像を視認できる。
識別画像は、文書の真偽判定を可能とするために上記現象を利用して作成された画像であり、例として図2にも示すように、Y,M,C,Kの各色成分のうちのKのみから成る埋込画像と、K以外のY,M,Cから成る被埋込画像が重ね合わされて構成されている。なお、図2では埋込画像として所定の図形(三角形)の外形を表す線画画像を、被埋込画像として全面が一定の色かつ濃度のベタ画像を用いた例を示しているが、これに限られるものではなく、それぞれ多階調の画像(例えば自然画像)であってもよく、特に被埋込画像としては多数種の色から成るフルカラー画像を適用可能である。
また、識別画像は、m×m画素(mは2以上の整数)から成る第1領域と、n×n画素(mは1以上のm未満の整数)から成る第2領域が設けられ、互いに独立する複数の第1領域が単一の第2領域の周囲に隙間なく配置されると共に、互いに独立する複数の第2領域が単一の第1領域の外周に沿って略等間隔に配置されて成り、被埋込画像は第1領域に網点で配置され、埋込画像は第2領域に網点で配置されている。更に、被埋込画像は、埋込画像と重ね合わされて印刷された状態で可視光による埋込画像の視認が困難となるように、埋込画像の線画と重なる部分が、埋込画像の線画の濃度分だけ低濃度となるように(埋込画像と重ね合わされた状態で、埋込画像の線画の濃度によって上記部分の濃度が元の濃度と同じ濃度に見えるように)加工されている。
これにより、識別画像データ(本実施形態では、識別画像データが、識別画像をY,M,C,Kの各色成分に分解して表すY,M,C,K色空間のビットマップデータとして与えられる)に基づき、Y,M,C,Kのトナーを用いて識別画像を形成し記録用紙へ印刷すると、埋込画像がKのトナーのみを用いて印刷され、被埋込画像がY,M,Cのトナーを用いて印刷されていることで、記録用紙上の識別画像は、可視光を照射して観察したときには被埋込画像のみが視認され(埋込画像が視認されず)、赤外光を照射して観察したときにのみ埋込画像が視認される(埋込画像の存在を確認できる)画像となる。
一方、記録用紙に印刷された識別画像をスキャナで読み取り、読み取りによって得られた画像データに基づき任意のプリンタで別の記録用紙に印刷することで、識別画像を別の記録用紙に複写したとすると、スキャナは読取対象画像をR,G,Bの各色成分に分解して読み取る構成であり、読取対象画像中のY,M,Cのトナーで形成された「黒」(被埋込画像上の「黒」)とKのトナーの「黒」(埋込画像上の「黒」)を識別できないため、スキャナからは、被埋込画像と埋込画像とが分離されていない(渾然一体となっている)状態の画像データが出力される。このため、スキャナから出力された画像データに基づき任意のプリンタで別の記録用紙に印刷(複写)された識別画像に赤外光を照射して観察したとしても、埋込画像の存在は確認されない。
従って、複写物が悪用される恐れがある文書の印刷に際し、識別画像データを用いて識別画像を同一の記録用紙に併せて印刷しておけば、文書に印刷されている識別画像に赤外光を照射して観察し埋込画像が視認できるか否かを確認することで、文書の真偽判定(識別画像データを用いて印刷された正規の文書とその複写物の弁別)を容易に行うことができる。本実施形態では識別画像を表す識別画像データがY,M,C,K色空間のビットマップデータとして与えられ、前述の特殊画像データには上記の識別画像データが含まれている。
次に、本実施形態に係る他の特殊画像である情報埋込画像について説明する。情報埋込画像は、所定の埋込情報(例えば情報埋込画像を合成する印刷対象文書のIDや印刷対象文書の内容を表す情報等)が所定の被重畳画像に埋め込まれた画像であり、所定の埋込情報の埋め込みには、例として図3(B)に示すような2種類のパターン画像、詳しくは、対応するビットの値が"1"であることを表すパターン画像と、対応するビットの値が"0"であることを表すパターン画像が用いられる。2種類のパターン画像は図3(A)に示す2種類の基本パターンから生成される。この2種類の基本パターンは各々n×m画素から成り、
・2種類の基本パターンの対応する画素同士を加算すると全ての要素が0になる。
・各基本パターン中の全画素を加算すると0になる。
・各基本パターンには、各基本パターンの中心を通り、互いに異なる方向(例えば水平方向と垂直方向)に沿って延びる2本以上のエッジが設けられている。
という特徴を有している。
図3(B)に示すパターン画像は、図3(A)に示す個々の基本パターンの全要素に、例えば以下の(1)式又は(2)式
×Cexp(−α(|x|+|y|)) …(1)
×Cexp(−α(x2+y2)) …(2)
を乗ずることによって生成される(但し、Cは予め設定された埋め込み強度、αは予め設定されたパターン減衰率、x,yは基本パターンの中心を原点とする各画素のxy座標値である)。なお、図3(B)ではパターン画像中の各画素の濃度の相違をハッチングの密度によって表現している。
情報埋込画像は図3(D)に示す処理ブロックによって生成される。すなわち、上記の2種類のパターン画像はパターンデータ記憶部に記憶されており、埋込情報は埋込情報符号化部によって符号化(所定フォーマットへの変換や誤り訂正符号等の各種情報の付加を含む)が行われ、パターン選択部は、パターンデータ記憶部に記憶されている2種類のパターン画像のうち、符号化後の埋込情報の各ビットの値に対応するパターン画像を順次出力する。パターン選択部から出力されたパターン画像は、情報埋込画像上に図3(C)に示すように配置される。パターン重畳部はパターン選択部からパターン画像が入力される毎に、パターン画像を重畳すべき被重畳画像データから、入力されたパターン画像が配置される領域に対応する画像データを抽出し、抽出した画像データに入力されたパターン画像を重畳(合成)して出力する。これにより、埋込情報が被重畳画像に埋め込まれた情報埋込画像が得られる。
情報埋込画像に埋め込まれている埋込情報の抽出は、印刷物に印刷されている情報埋込画像を読み取り、情報埋込画像に埋め込まれている個々のパターン画像が、ビット値"1"に対応するパターン画像かビット値"0"に対応するパターン画像かを順次判定していくことによって行うことができる。本実施形態では情報埋込画像を表す情報埋込画像データがR,G,B色空間のビットマップデータとして与えられる。本実施形態では、情報埋込画像に埋め込む埋込情報が個々の情報埋込画像毎に相違しているので、前述の特殊画像データには情報埋込画像を生成するためのデータ(パターン画像を表すパターン画像データ等)が含まれている。
続いて、本実施形態に係る他の特殊画像である複写牽制画像について説明する。複写牽制画像は、図4に示すように、複写を牽制するための文字パターン(図4の例では「COPY」)が全面に描画された特徴画像(例えば2値画像)が、背景画像(例えば階調レベル0〜255の8ビットグレイスケール画像)に埋め込まれた画像であり、複写牽制画像の生成に際しては特徴画像を表す特徴画像データと背景画像を表す背景画像データが用意される。なお、図4では背景画像として全面が一定濃度のベタ画像を示しているが、例えば階調レベルが16〜48程度の範囲内で変化するグラデーションパターンを表す画像であってもよいし、階調レベルが0又は0に近い値の細線より波線(カモフラージュ模様)が描画されていてもよい。
複写牽制画像は以下のようにして生成される。すなわち、網点処理部は組織的ディザ法等により出力線数よりも粗い線数の網点処理を背景画像に施すことで、図4に示す網点画像を生成する。この網点画像としては、例えば階調レベルが0又は255、網点線数50線の網点画像を用いることができる。また、画像選択部は、特徴画像を選択信号として用い、特徴画像上の注目画素の値が1(黒)であれば、注目画素の画素値として網点画像上の対応する画素の画素値を選択し複写牽制画像のデータとして出力し、特徴画像上の注目画素の値が0(白)であれば、注目画素の画素値として背景画像上の対応する画素の画素値を選択し複写牽制画像のデータとして出力する。これにより、画像選択部から出力されるデータが表す複写牽制画像は、図4にも示すように、特徴画像上に描画されている文字パターンに対応する領域(特徴画像領域)については網点画像が選択され、それ以外の領域(背景画像領域)については多値の背景画像が選択された画像、すなわち特徴画像中の文字パターンが網点処理されたドットとして背景画像中に埋め込まれた画像となる。
後述するように、複写牽制画像は印刷対象文書の全面に合成され、出力線数でのスクリーン処理を経て(例えば出力線数が200線であれば200線の万線スクリーンが形成されて)印刷されるが、複写牽制画像が全面に合成されて印刷された文書の印刷物が複写機で複写された場合、背景画像領域は複写機では解像されず濃度レベルも低いために複写物上で再現されない一方、特徴画像領域(文字パターンに対応する領域)は複写機で十分に解像されるため、「COPY」等の文字パターンが複写物上に明示される。これにより、複写牽制画像が合成された文書の複写を牽制できると共に、前記文書が複写された場合に複写物を容易に検知することができる。本実施形態では複写牽制画像を表す複写牽制画像データがY,M,C,K色空間のビットマップデータとして与えられ、前述の特殊画像データには上記の複写牽制画像データも含まれている。
次に本第1実施形態における印刷対象文書の印刷について、図5を参照して説明する。本第1実施形態では特殊画像付き文書印刷制御プログラムがコンピュータ12のHDD28にインストールされており、HDD28には前述の特殊画像データも予め記憶されている。ユーザは、コンピュータ12上で文書取扱アプリケーションを起動させ、起動された文書取扱アプリケーションを利用しキーボード24やマウス26等を操作して印刷対象文書の作成、或いは他のコンピュータで作成されて保存されていた印刷対象文書の更新(編集)を行った後に、使用するプリンタドライバを選択すると共に適用する印刷モードを選択し、作成又は更新した印刷対象文書の印刷を文書取扱アプリケーションを介して指示する。通常の文書印刷では、上記の印刷指示を契機として、ユーザによって選択されたプリンタドライバがコンピュータ12上で起動され(プリンタドライバのプログラムがCPU12Aによって実行され)、ユーザによって選択された印刷モードに従って印刷対象文書の文書データがページ記述言語で記述した中間印刷データへ変換され、コンピュータ12から通信回線16を介してプリンタ14へ中間印刷データが転送され、プリンタ制御部38によってデコンポーズ処理が行われることで中間印刷データがY,M,C,Kの印刷画像データへ展開された後に、印刷画像データが画像形成部44へ転送されることによって印刷対象文書が印刷される。。
これに対して本第1実施形態では、印刷する文書の真正性の確認に利用可能な特殊画像として、識別画像、情報埋込画像及び複写牽制画像が用意されており、或る文書を印刷させるにあたり、まずユーザは、前記文書を印刷することで得られる印刷物に対して真正性の確認を行う可能性があるか否かを判断し、真正性の確認を行う可能性があると判断した場合には、印刷対象文書の内容や重要度、用途等に基づいて、印刷対象文書に合成すべき特殊画像の数及び種類を決定し、決定した特殊画像を印刷対象文書に合成するよう指示した後に印刷対象文書の印刷を指示する。なお、印刷対象文書に合成すべき特殊画像は、例えば印刷対象文書が、重要度が非常に高く複写物が悪用された場合に影響が大きい文書である等の場合には、識別画像、情報埋込画像及び複写牽制画像が全て合成されるように定めることができ、例えば内容が改竄された印刷物が悪用された場合に影響が大きい文書である等の場合には、少なくとも情報埋込画像が合成されるように定めることができ、例えば重要度は低いものの複写されることは望ましくない文書である等の場合には、複写牽制画像のみが合成されるように定めることができる。
また、本第1実施形態では、印刷対象文書の印刷が指示されると、まずコンピュータ12上で特殊画像付き文書印刷制御プログラムが起動され(特殊画像付き文書印刷制御プログラムがCPU12Aによって実行され)、図5に示すように、特殊画像が合成されていない状態の印刷対象文書の文書データが文書取扱アプリケーションから特殊画像付き文書印刷制御プログラムへ引き渡される。また、特殊画像の合成が指示された場合には、文書印刷制御プログラムへ引き渡される印刷対象文書の文書データに、合成対象として指示された特殊画像の数及び種類を表す合成指示情報が付加される。なお、文書取扱アプリケーションを介して印刷対象文書の印刷が指示された場合に特殊画像付き文書印刷制御プログラムを起動させることは、例えばコンピュータ12のHDD28にインストールされているオペレーティング・システム又は文書取扱アプリケーションのメーカが提供しているSDK(Software Development Kit)を利用し、上記の印刷指示をフックして特殊画像付き文書印刷制御プログラムを起動させる制御プログラムを開発・インストールしておくことで実現できる。
特殊画像付き文書印刷制御プログラムは、文書取扱アプリケーションから印刷対象文書の文書データが引き渡されると、引き渡された印刷対象文書の文書データに合成指示情報が付加されているか否かに基づいて、印刷対象文書への特殊画像の合成が指示されているか否か判定する。印刷対象文書の文書データに合成指示情報が付加されていない場合、特殊画像付き文書印刷制御プログラムは、ユーザによって選択されたプリントドライバをコンピュータ12上で起動し、ユーザによって選択された印刷モードをプリンタドライバへ通知すると共に、印刷対象文書の文書データをプリンタドライバへ引き渡す。この場合、印刷対象文書は特殊画像が合成されることなく印刷される。
一方、印刷対象文書の文書データに合成指示情報が付加されていた場合、特殊画像付き文書印刷制御プログラムは、合成指示情報を参照することで、印刷対象文書への合成が指示された特殊画像の数及び種類を認識し、合成が指示された特殊画像のデータをHDD28から読み出して印刷対象文書の文書データに付加する。なお、合成が指示された特殊画像の中に情報埋込画像が含まれている場合には、特殊画像データに含まれる情報埋込画像を生成するためのデータに基づき、印刷対象文書に合成すべき情報埋込画像を表す情報埋込画像データを生成した後に、生成した情報埋込画像データを印刷対象文書の文書データに付加する。そして特殊画像付き文書印刷制御プログラムは、印刷対象文書の文書データへ付加した特殊画像データの数及び種類に基づいて、起動すべきプリンタドライバ及び印刷モードを選択し、選択したプリンタドライバを起動し、選択した印刷モードをプリンタドライバへ通知すると共に、特殊画像データを付加した印刷対象文書の文書データをプリンタドライバへ引き渡す(なお図5には、特殊画像として識別画像、情報埋込画像及び複写牽制画像が各々合成された印刷対象文書を例示している)。このように、本第1実施形態は請求項1記載の発明(詳しくは請求項2に記載の「文書情報に指定された画像のデータを合成する」態様)に対応している。
プリンタドライバ及び印刷モードの選択は以下のようにして行うことができる。すなわち、本実施形態では、プリンタ14で印刷対象文書を印刷させるためのプリンタドライバとして、複数種のプリンタドライバのプログラムがHDD28にインストールされており(例えばポストスクリプト(R)ドライバとPLW(Printer Language for Windows(登録商標))ドライバ等)、この複数種のプリンタドライバには、印刷対象文書の情報に含まれるY,M,C,K色空間の画像データを別の色空間の画像データへ変換させることなく印刷させることが可能な第1のプリンタドライバ(例えばポストスクリプト(R)ドライバ)と、印刷対象文書の情報に含まれるY,M,C,K色空間の画像データが印刷モードに拘らず別の色空間(例えばR,G,B色空間)の画像データへ必ず変換され、所定の処理が行われた後にY,M,C,K色空間の画像データへ再変換される処理を経て印刷に用いられる第2のプリンタドライバ(例えばPLWドライバ)が含まれている。
また、個々のプリンタドライバには複数種の印刷モード(高精細モードと高速印刷モード)が設けられており、第1のプリンタドライバの高精細モードでは、印刷対象文書の情報に対してプリンタドライバ又はデコンポーザで圧縮処理が行われることはなく、印刷対象文書の情報に含まれるY,M,C,K色空間の画像データが別の色空間の画像データへ変換させることなく印刷に用いられ、印刷対象文書が所定値以上の解像度で印刷される。一方、第2のプリンタドライバの高速印刷モードでは、印刷対象文書の情報に対してプリンタドライバ又はデコンポーザで圧縮処理が行われるので印刷速度が高速であり、印刷対象のY,M,C,K色空間の画像データは別の色空間(例えばR,G,B色空間)の画像データへ必ず変換され、所定の処理が行われた後にY,M,C,K色空間の画像データへ再変換される処理を経て印刷に用いられると共に、印刷対象文書は所定値未満の比較的低い解像度の印刷用画像データとして生成され印刷される。
識別画像を合成した文書を印刷する場合、Y,M,C,K色空間の画像データである識別画像データが別の色空間の画像データへ変換されてしまうと、色空間変換後の識別画像データ上で被埋込画像上の黒と埋込画像上の黒が混合されてしまう(渾然一体となってしまう)ため、識別画像を正確に(赤外光を照射して観察すれば埋込画像が視認できるように)印刷できないという問題が生ずる。また、識別画像データに対して圧縮処理が行われたり印刷時の解像度が低いと埋込画像が正確に印刷されず、識別画像に基づく文書の真偽判定が困難になるという問題も生ずる。このため、印刷対象文書への合成が指示された特殊画像の中に識別画像が含まれている場合、特殊画像付き文書印刷制御プログラムは、印刷対象文書に合成したY,M,C,K色空間の識別画像データが、別の色空間の画像データへ変換されたり圧縮されることなく識別画像として所定値以上の解像度で印刷されるように、プリンタドライバとして第1のプリンタドライバを選択すると共に、印刷モードとして高精細モードを選択する。
また、情報埋込画像を合成した文書を印刷する場合、情報埋込画像データに対して色空間変換が行われても問題は生じないものの、情報埋込画像データに対して圧縮処理が行われたり印刷時の解像度が低いと情報埋込画像が正確に印刷されないために埋込情報の判別が困難となり、情報埋込画像に基づく文書の改竄検知が困難になるという問題が生ずる。このため、印刷対象文書への合成が指示された特殊画像の中に情報埋込画像が含まれている場合にも、特殊画像付き文書印刷制御プログラムは、印刷対象文書に合成した情報埋込画像データが、圧縮されることなく情報埋込画像として所定値以上の解像度で印刷されるように、プリンタドライバとして第1のプリンタドライバを選択すると共に、印刷モードとして高精細モードを選択する。
また、複写牽制画像を合成した文書を印刷する場合には、複写牽制画像データに対して色変換や圧縮が行われても問題は生じず、印刷時の解像度が低くても機能する(複写時に「COPY」等の文字パターンが複写物上に明示される)一方、印刷時の解像度が高いと印刷に長い時間を要するという問題が生ずる。このため、印刷対象文書への合成が指示された特殊画像が複写牽制画像のみであった場合、特殊画像付き文書印刷制御プログラムは、複写牽制画像を合成した印刷対象文書を所定値未満の解像度で印刷する印刷用画像データが生成されるように、プリンタドライバとして第2のプリンタドライバを選択すると共に、印刷モードとして高速印刷モードを選択する。
特殊画像付き文書印刷制御プログラムによって選択されて起動されたプリンタドライバは、特殊画像付き文書印刷制御プログラムから通知された印刷モードに従い、特殊画像付き文書印刷制御プログラムから引き渡された印刷対象文書の文書データを、所定のページ記述言語で印刷対象文書を記述した中間印刷データへ変換する処理を行う。
具体的には、中間印刷データは、図5に示すようにヘッダとデータ本体から構成されており、中間印刷データのデータ本体には、印刷対象文書を表す各データ(印刷対象文書に表記されるテキストを表すテキストデータや、印刷対象文書に付加される画像(この画像には合成が指示された特殊画像も含まれる)を表す画像データ等)が記述されるが、データ本体に記述される各データには、プリンタ14で実行されるデコンポーズ処理において何れの色空間で処理を行うべきデータかを指定するパラメータが付加される(図5では例としてY,M,C,K色空間で処理を行うべきデータであることを指定するパラメータを"YMCKwrite(…)"と表記し、R,G,B色空間で処理を行うべきデータであることを指定するパラメータを"RGBwrite(…)"と表記し、白黒の2値データとして処理を行うべきデータであることを指定するパラメータを"BWwrite(…)"と表記して示している)。プリンタドライバは、通知された印刷モードが高精細モードの場合(印刷対象文書への合成が指示された特殊画像の中に少なくとも識別画像又は情報埋込画像が含まれている場合)は、中間印刷データのデータ本体に記述する各データに、Y,M,C,K色空間で処理を行うべきデータであることを指定するパラメータを各々付加し、通知された印刷モードが高速印刷モードの場合(印刷対象文書への合成が指示された特殊画像が複写牽制画像のみである場合)には、中間印刷データのデータ本体に記述する各データに、R,G,B色空間で処理を行うべきデータであることを指定するパラメータと複写牽制画像を処理するためのパラメータ(BWwrite(…))を各々付加する(図5参照)。
また、中間印刷データのヘッダには印刷対象文書の属性情報が設定され、この属性情報の中にはデコンポーズ処理における印刷モードを指定するモード指定情報も含まれているが、このモード指定情報による印刷モードの指定は中間印刷データのデータ本体に記述されている各データのパラメータの指定よりも優先され、例えばモード指定情報として高速印刷モードを指定する情報がヘッダに設定されていた場合、Y,M,C,K色空間で処理すべきデータであることを指定するパラメータが付加されて中間印刷データのデータ本体に記述されているデータについても、後述するデコンポーズ処理でR,G,B色空間のデータへ一旦変換されて所定の処理が行われた後に、Y,M,C,K色空間のデータへ再変換される。このため、プリンタドライバは、通知された印刷モードが高精細モードの場合には、デコンポーズ処理における印刷モードとして高精細モードを指定する情報を設定し、通知された印刷モードが高速印刷モードの場合には、デコンポーズ処理における印刷モードとして高速印刷モードを指定する情報を設定する(図5参照、図5では例として高精細モードを指定する情報を"mode:高精細"と表記し、高速印刷モードを指定する情報を"mode:高速印刷"と表記している)。
上記のようにして印刷対象文書の中間印刷データを生成すると、プリンタドライバはCPU12Aによってスプーラのプログラムを実行させることでスプーラを起動し(図5参照)、生成した印刷対象文書の中間印刷データをスプーラへ引き渡す。スプーラはプリンタドライバによって生成された中間印刷データをHDD28へ順に蓄積記憶させると共に、ネットワーク・インタフェース20を介してプリンタ14と通信を行い、蓄積記憶させた中間印刷データをHDD28から順に読み出してプリンタ14へ転送する。
プリンタ14では、コンピュータ12から転送された中間印刷データを受信する際に、プリンタ制御部38によってプリンタ側スプーラのプログラムが実行されることでプリンタ側スプーラ(図5参照)が起動される。プリンタ側スプーラは、コンピュータ12から受信した中間印刷データを記憶部40の不揮発性の記憶手段へ順に蓄積記憶させると共に、プリンタ制御部38によってデコンポーザのプログラムを実行させることでデコンポーザを起動し、蓄積記憶させた中間印刷データを記憶手段から順に読み出してデコンポーザへ順に引き渡す。
デコンポーザでは、プリンタ側スプーラから引き渡された中間印刷データのヘッダを参照することで指定された印刷モードを判断し、中間印刷データのデータ本体に記述されている各データに対し、判断した印刷モードと各データに付加されているパラメータに基づき何れの色空間で処理を行うべきデータかを各々判定し、判定結果に基づき必要に応じて色空間変換処理を行った後に所定の処理(例えば色補正処理や濃度補正処理等)を行った後に、処理後の各データをY,M,C,Kのビットマップデータとして描画することで、印刷対象文書を表すY,M,C,K色空間の印刷用画像データを生成するデコンポーズ処理を行う。そしてデコンポーザは、生成した印刷用画像データを画像形成部44へ転送することで、生成した印刷用画像データが表す印刷対象文書を画像形成部44によって記録用紙へ印刷させる。これにより、指定された特殊画像が合成された印刷対象文書が印刷されることになる。
このように、本第1実施形態では、印刷対象文書への合成が指示された特殊画像の中に少なくとも識別画像又は情報埋込画像が含まれている場合に、プリンタドライバとして第1のプリンタドライバを選択すると共に、印刷モードとして高精細モードを選択しているので、印刷対象文書の文書データに合成した識別画像データや情報埋込画像データは、別の色空間の画像データへ変換されたり圧縮されることなく、所定値以上の解像度で識別画像又は情報埋込画像として適正に印刷されることになる。また、印刷対象文書への合成が指示された特殊画像の中に複写牽制画像も含まれている場合、プリンタドライバとして第1のプリンタドライバが、印刷モードとして高精細モードが選択されることで、印刷に時間を要することにはなるものの、複写牽制画像も適正に印刷される。従って、印刷された文書に合成されている特殊画像を文書の真偽判定や改竄検知、複写された文書の検知に利用することができ、文書の真正性の確認を確実に行うことができる。
また、印刷対象文書への合成が指示された特殊画像が複写牽制画像のみの場合には、プリンタドライバとして第2のプリンタドライバを選択すると共に、印刷モードとして高速印刷モードを選択しているので、合成が指示された複写牽制画像が適正に印刷されると共に、印刷に要する時間を短縮することができる。また、本第1実施形態では、特殊画像を合成した印刷対象文書の印刷に際し、適正なプリンタドライバや印刷モードが自動的に選択されるので、特殊画像を正確に印刷させるためにユーザがプリンタドライバや印刷モードを選択する必要も無く、特殊画像を合成した印刷対象文書を印刷する際のユーザの負担も軽減することができる。
〔第2実施形態〕
次に本発明の第2実施形態について説明する。なお、本第2実施形態は第1実施形態と同一の構成であるので、各部分に同一の符号を付して構成の説明を省略し、以下、本第2実施形態の作用を説明する。
図6に示すように、本第2実施形態では、本発明に係る特殊画像付き文書印刷制御プログラムが、文書取扱アプリケーションを介して印刷対象文書の印刷が指示された場合に起動される第1プログラムと、スプーラからプリンタ14へ中間印刷データが転送される際に起動される第2プログラムで構成されている。なお、スプーラがプリンタ14へ中間印刷データを転送する際には所定のプログラム(一般にプリンタプロセッサと称するプログラム)が起動されるが、上記の第2プログラムは、前記所定のプログラムに代えて起動されるように構成することができる。
本第2実施形態では、文書取扱アプリケーションを介して印刷対象文書の印刷が指示されると、まずコンピュータ12上で特殊画像付き文書印刷制御プログラムの第1プログラムが起動され、印刷対象文書の文書データが文書取扱アプリケーションから引き渡される。起動された第1プログラムは、文書取扱アプリケーションから印刷対象文書の文書データが引き渡されると、引き渡された印刷対象文書の文書データに合成指示情報が付加されているか否かに基づいて、印刷対象文書への特殊画像の合成が指示されているか否か判定し、文書データに合成指示情報が付加されている場合には、付加されている合成指示情報を参照することで、印刷対象文書への合成が指示された特殊画像の数及び種類を認識し、認識結果を特殊画像合成指示として第2プログラムへ出力する。そして第1プログラムは、印刷指示時にユーザによって指定されたプリンタドライバを起動し、起動したプリンタドライバへ印刷対象文書の文書データを引き渡すと共に、印刷指示時にユーザによって指定された印刷モードを起動したプリンタドライバへ通知することで、引き渡した文書データから中間印刷データを生成する処理を指定された印刷モードで行わせる。
本第2実施形態では、印刷対象文書の文書データからの中間印刷データの生成が、ユーザが指定したプリンタドライバにより、ユーザが指定した印刷モードで行われるので、上記処理によって生成される中間印刷データは、印刷対象文書の情報に含まれる画像データに対して圧縮や色空間変換が行われることなく印刷されることが保証できないデータとなる。図6では一例として、上記の中間印刷データを、デコンポーズ処理における印刷モードとして高速印刷モードを指定する情報がヘッダに設定され、データ本体に記述される各データに、デコンポーズ処理における処理をR,G,B色空間で行うことを指定するパラメータが付加された情報として示している。
本第2実施形態において、印刷対象文書が特殊画像の合成が指示されていない文書である場合、第1プログラムから第2プログラムへ特殊画像合成指示が出力されないので、スプーラからプリンタ14へ中間印刷データが転送される際に起動される第2プログラムでは、転送対象の印刷対象文書の中間印刷データに対し、特殊画像データの付加等の処理を行うことなく単にプリンタ14への転送のみを行う。この場合、デコンポーザにより、印刷対象文書の中間印刷データのヘッダに設定されているモード指定情報と中間印刷データのデータ本体に記述されている各データに付加されたパラメータに従って印刷用画像データが生成される。そして、印刷対象文書は特殊画像が合成されることなく通常通り印刷される。
一方、印刷対象文書が特殊画像の合成が指示された文書である場合、第1プログラムから第2プログラムへ特殊画像合成指示が出力されることで、第2プログラムでは、特殊画像合成指示によって合成が指示されている特殊画像のデータをHDD28から読み出し(合成が指示されている特殊画像の中に情報埋込画像が含まれている場合には、HDD28から読み出した情報埋込画像を生成するためのデータに基づいて情報埋込画像データの生成も行い)、読み出した特殊画像データに色空間を指定するパラメータや印刷対象文書上での特殊画像の合成位置を指定するパラメータ(このパラメータによって指定される合成位置は、中間印刷データがデコンポーザによって印刷用画像データ(ビットマップデータ)へ展開される際に、識別画像の展開位置の判断に用いられる)を付加した後に、印刷対象文書の中間印刷データのデータ部に追加する。なお、識別画像の合成が指示されている場合には、HDD28から読み出した識別画像データに対し、上記の色空間を指定するパラーメータとして、Y,M,C,K色空間で処理を行うべきデータであることを指定するパラメータが付加される。
また第2プログラムは、印刷対象文書への合成が指示されている特殊画像の中に識別画像又は情報埋込画像が含まれている場合には、印刷対象文書の中間印刷データのヘッダに設定されているモード指定情報を、デコンポーズ処理における印刷モードとして高精細モードを指定する情報で上書きし、印刷対象文書への合成が指示されている特殊画像が複写牽制画像のみである場合には、印刷対象文書の中間印刷データのヘッダに設定されているモード指定情報を、デコンポーズ処理における印刷モードとして高速印刷モードを指定する情報で上書きする。そして印刷対象文書の中間印刷データをプリンタ14へ転送する。このように、本第2実施形態も請求項1記載の発明(詳しくは請求項2に記載の「中間印刷データに指定された画像のデータを合成する」態様)に対応している。
本第2実施形態では、印刷対象文書への合成が指示された特殊画像の中に少なくとも識別画像又は情報埋込画像が含まれている場合には、印刷モードとして高精細モードが設定されるので、印刷対象文書の中間印刷データに合成した識別画像データや情報埋込画像データは、別の色空間の画像データへ変換されたり圧縮されることなく、所定値以上の解像度で識別画像又は情報埋込画像として適正に印刷されることになる。また、印刷対象文書への合成が指示された特殊画像の中に複写牽制画像も含まれている場合、該複写牽制画像も適正に印刷される。従って、印刷された文書に合成されている特殊画像を文書の真偽判定や改竄検知、複写された文書の検知に利用することができ、文書の真正性の確認を確実に行うことができる。また、印刷対象文書への合成が指示された特殊画像が複写牽制画像のみの場合には、印刷モードとして高速印刷モードが設定されることで、合成が指示された複写牽制画像が適正に印刷されると共に、印刷に要する時間を短縮することができる。
〔第3実施形態〕
次に本発明の第3実施形態について説明する。なお、本第3実施形態も第1実施形態と同一の構成であるので、各部分に同一の符号を付して構成の説明を省略し、以下、本第3実施形態の作用を説明する。
本第3実施形態では、特殊画像付き文書印刷制御プログラムがプリンタ14の記憶部40の不揮発性の記憶手段にインストールされており、この記憶手段には特殊画像データも記憶されている。図7に示すように、本第3実施形態では、デコンポーザによる印刷用画像データの生成が完了すると、特殊画像付き文書印刷制御プログラムがプリンタ制御部38によって実行されることで特殊画像付き文書印刷制御プログラムが起動される。特殊画像付き文書印刷制御プログラムは、印刷対象文書への特殊画像の合成が指示されているか否か判定し、特殊画像の合成が指示されていると判断した場合には、合成が指示されている特殊画像の数及び種類を判定する。なお、この判定は、例えば印刷対象文書への特殊画像の合成が指示された場合に印刷対象文書の文書データに付加される合成指示情報が、印刷対象文書の中間印刷データと共にコンピュータ12からプリンタ14へ転送されるように構成することで実現することができる。
特殊画像付き文書印刷制御プログラムは、印刷対象文書への特殊画像の合成が指示されていない場合には、印刷用画像データに対して何ら処理を行うことなく画像形成部44へ転送するが、印刷対象文書への特殊画像の合成が指示されている場合には、合成が指示されている特殊画像のデータを不揮発性の記憶手段から読み出し(合成が指示されている特殊画像の中に情報埋込画像が含まれている場合には、記憶手段から読み出した情報埋込画像を生成するためのデータに基づいて情報埋込画像データの生成も行い)、読み出した特殊画像データを生成された印刷用画像データ(印刷対象文書を表すY,M,C,K色空間のビットマップデータ)に合成する。そして、特殊画像データを合成した印刷用画像データを画像形成部44へ転送することで、特殊画像を合成した印刷対象文書を画像形成部44によって印刷させる。このように、本第3実施形態も請求項1記載の発明(詳しくは請求項2に記載の「印刷画像データに指定された画像のデータを合成する」態様)に対応している。
上記処理により、印刷対象文書への合成が指示された特殊画像の中に少なくとも識別画像又は情報埋込画像が含まれている場合にも、識別画像データや情報埋込画像データが、別の色空間の画像データへ変換されたり圧縮されることなく、所定値以上の解像度で識別画像又は情報埋込画像として適正に印刷されることになる。また、印刷対象文書への合成が指示された特殊画像の中に複写牽制画像が含まれている場合にも、該複写牽制画像も適正に印刷される。従って、印刷された文書に合成されている特殊画像を文書の真偽判定や改竄検知、複写された文書の検知に利用することができ、文書の真正性の確認を確実に行うことができる。
また、本第3実施形態では、印刷対象文書への合成が指示された特殊画像の中に識別画像や情報埋込画像が含まれている場合に、第2のプリンタドライバを用いたり、印刷モードとして高速印刷モードを適用したとしても識別画像や情報埋込画像を正確に印刷させることができるので、上記のようなプリンタドライバや印刷モードを選択することで、識別画像や情報埋込画像を合成した印刷対象文書を比較的高速に印刷することも可能となる。
なお、第1実施形態及び第2実施形態では、印刷モードとして高精細モードを選択する(印刷対象の文書データに特殊画像データを付加する場合には、プリンタドライバとして第1のプリンタドライバの選択も行う)ことで、識別画像の印刷に適した印刷条件(識別画像データに対して圧縮及び別の色空間への変換が行われず所定値以上の解像度で印刷される印刷条件)と情報埋込画像の印刷に適した印刷条件(情報埋込画像データに対して圧縮が行われず所定値以上の解像度で印刷される印刷条件)が同時に満たされるために、印刷対象文書に合成すべき特殊画像の中に少なくとも識別画像又は情報埋込画像が含まれている場合には、印刷モードとして高精細モードを選択する例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば情報埋込画像の印刷に適した印刷条件を満たす別の印刷モード(例えば画像データに対する色空間変換は行われる印刷モード)が存在している場合には、印刷対象文書に合成すべき特殊画像の中に識別画像が含まれておらず情報埋込画像が含まれているときに上記の別の印刷モードを選択するようにしてもよい。
また、第1実施形態及び第2実施形態では、印刷対象文書の文書データには当初は特殊画像データが付加されておらず、ユーザから特殊画像の合成が指示された場合に合成が指示された特殊画像のデータを文書データ又は中間印刷データに付加する例を説明したが、これに限定されるものではなく、特殊画像を合成して印刷すべき文書に、当初より特殊画像データ(正規のデータではなく仮のデータでもよい)が付加されていてもよい。この場合、印刷対象文書の文書データに特殊画像データが付加されているか否かを判断することで、印刷対象文書が特殊画像の合成が指示された文書か否かを判断することができ、付加されている特殊画像データを正規の特殊画像データで上書きすることにより、特殊画像を正確に印刷させることができる。
本実施形態に係る印刷システムの概略構成を示すブロック図である。 識別画像の概略を説明するためのイメージ図である。 (A)〜(C)は情報埋込画像の概略を説明するためのイメージ図、(D)は情報埋込画像生成処理の概略を説明するためのブロック図である。 複写牽制画像の概略を説明するためのイメージ図である。 第1実施形態における文書印刷処理を示す概念図である。 第2実施形態における文書印刷処理を示す概念図である。 第3実施形態における文書印刷処理を示す概念図である。
符号の説明
10 印刷システム
12 コンピュータ
14 プリンタ
28 HDD
38 プリンタ制御部
40 記憶部

Claims (4)

  1. 印刷対象文書の文書情報から、複数の色成分の印刷剤を用いて印刷を行うプリンタによる前記印刷対象文書の印刷に用いられ、前記印刷対象文書を前記複数の色成分に分解して表す特定色空間の印刷画像データを生成すると共に、前記印刷対象文書の文書情報から印刷画像データを生成する処理で情報の圧縮を行うか否か、及び、前記処理で色空間変換を行うか否かを各々選択可能で、かつ前記印刷画像データの解像度を選択可能な印刷制御装置であって、
    前記複数の色成分のうちの特定色成分のみから成る埋込画像と前記複数の色成分のうちの前記特定色成分と異なる色成分から成る被埋込画像が重ね合わされて成り、印刷された状態で可視光による前記埋込画像の視認が困難なように前記被埋込画像が予め加工された識別画像と、各々複数画素から成り個々の画素値が互いに異なる複数種のパターン画像が埋込情報に応じて選択され被重畳画像に重畳されて成る情報埋込画像と、画像中の特徴画像領域の線数が特徴画像領域以外の背景画像領域よりも粗くされた複写牽制画像と、のうち、印刷対象文書に合成して印刷すべき特殊像を判断する判断手段と、
    前記印刷対象文書に合成して印刷すべき特殊画像の中に前記識別画像が含まれている場合には、前記処理で前記特殊画像のデータが合成された情報の圧縮が行われず、かつ前記特殊画像のデータのうち前記識別画像を表し前記特定色空間のデータとして与えられる識別画像データに対して別の色空間のデータへ一旦変換する色空間変換も前記処理で行われず、前記識別画像が合成された印刷対象文書を前記複写牽制画像のみ合成された印刷対象文書よりも高い解像度で印刷させる印刷画像データを生成させ、前記印刷対象文書に合成して印刷すべき特殊画像の中に前記識別画像が含まれておらず前記情報埋込画像が含まれている場合には、前記処理で前記特殊画像のデータが合成された情報の圧縮が行われることなく、前記識別画像が合成されず前記情報埋込画像が合成された印刷対象文書を、前記複写牽制画像のみ合成された印刷対象文書よりも高い解像度で印刷させる印刷画像データを生成させ、前記印刷対象文書に合成して印刷すべき特殊画像前記複写牽制画像のみである場合には、前記複写牽制画像のみ合成された印刷対象文書を、前記識別画像及び前記情報埋込画像の少なくとも一方が合成された印刷対象文書よりも低い解像度で印刷させる印刷画像データを生成させる制御手段と、
    を含む印刷制御装置。
  2. 前記判断手段は、前記識別画像、前記情報埋込画像及び前記複写牽制画像の各々について、前記印刷対象文書に合成して印刷すべき特殊画像として指定されたか否かを判定することで前記判断を行い、
    前記制御手段は、前記印刷対象文書に合成して印刷すべき特殊画像として、前記識別画像、前記情報埋込画像及び前記複写牽制画像の少なくとも1つが指定された場合に、前記印刷対象文書の文書情報、該文書情報から生成される中間印刷データ、及び、該中間印刷データから生成される前記印刷画像データの何れかに、前記指定された特殊画像のデータを付加又は合成することを特徴とする請求項1記載の印刷制御装置。
  3. 印刷対象文書の文書情報から、複数の色成分の印刷剤を用いて印刷を行うプリンタによる前記印刷対象文書の印刷に用いられ、前記印刷対象文書を前記複数の色成分に分解して表す特定色空間の印刷画像データを生成すると共に、前記印刷対象文書の文書情報から印刷画像データを生成する処理で情報の圧縮を行うか否か、及び、前記処理で色空間変換を行うか否かを各々選択し、かつ前記印刷画像データの解像度を選択するにあたり、
    前記複数の色成分のうちの特定色成分のみから成る埋込画像と前記複数の色成分のうちの前記特定色成分と異なる色成分から成る被埋込画像が重ね合わされて成り、印刷された状態で可視光による前記埋込画像の視認が困難なように前記被埋込画像が予め加工された識別画像と、各々複数画素から成り個々の画素値が互いに異なる複数種のパターン画像が埋込情報に応じて選択され被重畳画像に重畳されて成る情報埋込画像と、画像中の特徴画像領域の線数が特徴画像領域以外の背景画像領域よりも粗くされた複写牽制画像と、のうち、印刷対象文書に合成して印刷すべき特殊像を判断し、
    前記印刷対象文書に合成して印刷すべき特殊画像の中に前記識別画像が含まれている場合には、前記処理で前記特殊画像のデータが合成された情報の圧縮が行われず、かつ前記特殊画像のデータのうち前記識別画像を表し前記特定色空間のデータとして与えられる識別画像データに対して別の色空間のデータへ一旦変換する色空間変換も前記処理で行われず、前記識別画像が合成された印刷対象文書を前記複写牽制画像のみ合成された印刷対象文書よりも高い解像度で印刷させる印刷画像データを生成し、前記印刷対象文書に合成して印刷すべき特殊画像の中に前記識別画像が含まれておらず前記情報埋込画像が含まれている場合には、前記処理で前記特殊画像のデータが合成された情報の圧縮が行われることなく、前記識別画像が合成されず前記情報埋込画像が合成された印刷対象文書を、前記複写牽制画像のみ合成された印刷対象文書よりも高い解像度で印刷させる印刷画像データを生成し、前記印刷対象文書に合成して印刷すべき特殊画像前記複写牽制画像のみである場合には、前記複写牽制画像のみ合成された印刷対象文書を、前記識別画像及び前記情報埋込画像の少なくとも一方が合成された印刷対象文書よりも低い解像度で印刷させる印刷画像データを生成する印刷制御方法。
  4. コンピュータを、印刷対象文書の文書情報から、複数の色成分の印刷剤を用いて印刷を行うプリンタによる前記印刷対象文書の印刷に用いられ、前記印刷対象文書を前記複数の色成分に分解して表す特定色空間の印刷画像データを生成すると共に、前記印刷対象文書の文書情報から印刷画像データを生成する処理で情報の圧縮を行うか否か、及び、前記処理で色空間変換を行うか否かを各々選択可能で、かつ前記印刷画像データの解像度を選択可能な印刷制御装置として機能させる印刷制御プログラムであって、
    前記コンピュータを、
    前記複数の色成分のうちの特定色成分のみから成る埋込画像と前記複数の色成分のうちの前記特定色成分と異なる色成分から成る被埋込画像が重ね合わされて成り、印刷された状態で可視光による前記埋込画像の視認が困難なように前記被埋込画像が予め加工された識別画像と、各々複数画素から成り個々の画素値が互いに異なる複数種のパターン画像が埋込情報に応じて選択され被重畳画像に重畳されて成る情報埋込画像と、画像中の特徴画像領域の線数が特徴画像領域以外の背景画像領域よりも粗くされた複写牽制画像と、のうち、印刷対象文書に合成して印刷すべき特殊像を判断する判断手段、
    及び、前記印刷対象文書に合成して印刷すべき特殊画像の中に前記識別画像が含まれている場合には、前記処理で前記特殊画像のデータが合成された情報の圧縮が行われず、かつ前記特殊画像のデータのうち前記識別画像を表し前記特定色空間のデータとして与えられる識別画像データに対して別の色空間のデータへ一旦変換する色空間変換も前記処理で行われず、前記識別画像が合成された印刷対象文書を前記複写牽制画像のみ合成された印刷対象文書よりも高い解像度で印刷させる印刷画像データを生成させ、前記印刷対象文書に合成して印刷すべき特殊画像の中に前記識別画像が含まれておらず前記情報埋込画像が含まれている場合には、前記処理で前記特殊画像のデータが合成された情報の圧縮が行われることなく、前記識別画像が合成されず前記情報埋込画像が合成された印刷対象文書を、前記複写牽制画像のみ合成された印刷対象文書よりも高い解像度で印刷させる印刷画像データを生成させ、前記印刷対象文書に合成して印刷すべき特殊画像前記複写牽制画像のみである場合には、前記複写牽制画像のみ合成された印刷対象文書を、前記識別画像及び前記情報埋込画像の少なくとも一方が合成された印刷対象文書よりも低い解像度で印刷させる印刷画像データを生成させる制御手段
    として機能させることを特徴とする印刷制御プログラム。
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