以下に添付図面を参照して、この発明にかかる視認署名付情報生成装置、画像形成装置、プリンタドライバプログラム、視認署名付文書生成機能拡張プログラム、視認署名付情報生成方法及び画像形成方法の最良な実施の形態を詳細に説明する。
視認署名とは、電子文書又は印刷用中間データに重畳される署名であり、電子文書又は印刷用のフォーマット形式で形成された印刷用中間データ(例えばPDLデータ)による印刷物中の保護対象となる情報が改ざんされているか否かを、利用者が予め記憶した事物に基づいて、視覚を通じて検証するために用いる署名をいう。この視認署名は後述する実施の形態において電子文書等の背景として重畳される。そして、電子文書に重畳される視認署名を含む背景画像を視認署名背景画像とする。また、保護対象となる情報を有し、且つ視認署名背景画像が重畳された電子文書又は印刷物を、視認署名付文書という。
(第1の実施の形態)
本発明に係る画像情報処理装置及び画像形成装置を適用したプリンタの最良な実施の形態を詳細に説明する。本実施の形態においてプリンタ100は、LANを介してPC150と接続され、PC150から送信されたPDLデータを印刷するための処理を行う。なお、PDL(Page Description Language)データは、本発明の印刷用中間データに相当し、ページ記述言語で記載されたデータをいう。なお、ページ記述言語とは、印刷する際のページイメージを作成するためのプリンタ制御コード(言語)とする。
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかるプリンタ100及びネットワーク30を介して接続されたPC150の構成を示す機能ブロック図である。まずは電子文書から変換したPDLデータを送信するPC150を先に説明する。
また、PC150は、アプリケーション151と、表示処理部152と、入力処理部153と、利用者認証部154と、送信部155と、プリンタドライバ156と、記憶部157とを備え、アプリケーション151で生成した電子文書を、プリンタドライバ156でPDLデータに変換して送信する。その際、視認署名付文書を生成するために必要な設定を行うことを可能とする。そして、このような構成を備えることにより、視認署名付文書を生成する権限を有する利用者(以下、生成者とする)が、PC150からプリンタ100で視認署名付文書を生成することが可能となる。
記憶部157は、認証テーブル及び電子文書を記憶する。認証テーブルは視認署名付文書を生成する権限を有している者を示す利用者ID及びパスワードを対応付けて保持する。また電子文書は後述するアプリケーション151で生成されたものとする。
入力処理部153は、キーボード12、ポインティングデバイス11等の入力装置を介して生成者により入力された情報を処理する。具体的には、入力処理部153は、生成者が入力装置を介してなされた、後述するアプリケーション151による電子文書の生成や、電子文書に視認署名背景画像を重畳した視認署名付文書をプリンタ100で印刷する際の、電子文書中の改ざんを防止する文字列つまり保護対象情報の指定、保護対象情報から生成される変換保護対象情報に必要な暗号化鍵の入力、視認署名背景画像に設けられるシンボルの配置状態の選択等の処理を行う。なお、シンボルとは電子文書中の保護対象が改ざんされているか否かを、視覚で認証する際に用いられる標記をいい、詳細な説明は後述する。
また、この暗号化鍵とは、保護対象情報から、後述するプリンタ100で重畳する視認署名背景画像を生成するために用いられる情報をいう。なお、暗号化鍵を用いて保護対象情報から、視認署名背景画像となる視認署名背景データを生成するまでの説明は後述する。
シンボルの配置状態は、視認署名背景画像にシンボルを配置した状態を示すものである。この配置状態は、本実施の形態では複数の所定の配置状態の中から選択される。所定の配置状態とは、例えば格子状、同心円状又はランダム等が考えられ、認証を行う際に利用者が記憶した配置場所に基づいて、背景画像内に存在する有効鍵セルの位置を特定することができるようにシンボルを配置する方法をいう。また、本実施の形態において格子状には、三角格子状と四角格子状の二種類を有することとする。このシンボルの配置状態に従って生成される視認署名背景画像については後述する。
有効鍵セルとは、シンボルの配置場所をいう。認証する利用者は予め有効鍵セルの配置場所を記憶しておき、視認署名付文書を提示された場合に予め記憶していた有効鍵セルの配置場所により変換保護対象情報を示すシンボルを特定することが可能となる。
アプリケーション151は、生成者により入力装置を介して入力された情報を、入力処理部153が入力処理した情報に基づいて、電子文書の生成を行う。
表示処理部152は、生成者により生成された電子文書や、この電子文書に視認署名背景画像を重畳してプリンタ100で印刷する際に、保護対象情報の指定や暗号鍵の入力あるいはシンボルの配置の選択等を行う画面を、ディスプレイ20に表示する処理を行う。
利用者認証部154は、入力処理部153で入力処理された利用者ID及びパスワードが、認証テーブルが保持する利用者ID及びパスワードと一致するか否かにより視認署名付文書を印刷できる権限を有するか否か認証を行う。認証した結果、権限を有すると判定された場合に限り、印刷する電子文書のPDLデータと共にプリンタ100に対して視認署名を重畳する要求が可能となる。本実施の形態において利用者の認証は、電子文書を印刷する時であり、かつ入力処理部153が視認署名を重畳する旨の入力を処理した場合、表示処理部152が認証用ウィンドウを表示する。そして生成者が認証用ウィンドウに対して利用者IDとパスワードを入力し、入力処理部が入力処理した利用者ID及びパスワードより、利用者認証部154が認証を行い、認証された場合にはプリンタドライバ156から視認署名を重畳する要求をプリンタ100に対して行う。
プリンタドライバ156は、保護対象設定部158と、背景設定部159を保持する。プリンタドライバ156は、印刷要求のあった電子文書をPDLデータに変換し、送信部155に出力する。また印刷する際に視認署名を重畳する要求があり、利用者認証部154で認証された場合、保護対象設定部158と、背景設定部159で視認署名を重畳するために必要な情報を設定して、送信部155に出力する。なお、必要な情報とは、上述した保護対象情報、暗号化鍵、選択された所定の配置状態及び有効鍵セルの配置場所をいう。なお、本実施の形態における電子文書に視認署名の重畳の要求は、実際の処理としてはPDLデータに視認署名背景画像を示すPostScript形式のデータである視認署名背景データの付加の要求を意味する。
保護対象設定部158は、視認署名を重畳して印刷する電子文書の保護すべき保護対象情報を、入力処理部153から入力処理された情報に基づいて設定し、送信部155に出力する。これによりPC150からプリンタ100で印刷する電子文書について保護対象情報の設定が可能となる。電子文書中の保護対象を設定したページを、視認署名背景画像と重畳するよう設定する。
図2は、本実施の形態にかかる視認署名付文書として印刷される対象となる電子文書、及び改ざんを防止する必要のある保護対象情報の一例を示した図である。本図で示すように、生成者がポインティングデバイス11等の入力装置で指定された請求額の最高桁数を、入力処理部153が入力処理した後、保護対象設定部158が保護対象情報として設定して、送信部155に出力する。
背景設定部159は、視認署名を重畳して印刷する際に用いられる視認署名背景データを生成するために必要な暗号化鍵、配置状態及び有効鍵セルの配置場所を、入力処理部153から入力処理された情報に基づいて設定し、送信部155に出力する。これによりPC150からプリンタ100で視認署名背景データを生成するために必要な情報を設定することが可能となる。
また、暗号化鍵は生成者が入力装置から入力する必要がある。図3は、表示処理部152により表示される暗号化鍵の入力画面の一例を示した図である。表示処理部152が本図で示したような画面をディスプレイ20に表示する処理を行うことで、生成者が容易に暗号化鍵を入力することが可能となる。そして利用者が入力装置を介して入力した暗号化鍵を、入力処理部153が入力処理を行い、背景設定部159が暗号化鍵として設定する。
さらに、配置状態及び有効鍵セルの配置場所を、生成者が入力装置から入力する必要がある。図4は、表示処理部152によりディスプレイ20に表示された配置状態及び有効鍵セルの配置場所の入力画面の一例を示した図である。この表示処理部152が本図で示したような画面をディスプレイ20に表示させることで、生成者が容易に配置状態を選択することが可能となる。保護対象情報から生成された標記をシンボルであり、シンボルと異なる標記であり且つ視認背景画像中に配置された標記をダミーシンボルという。
つまり、ダミーシンボルとは、本発明の変換保護対象情報の視認可能の標記と異なる標記に相当し、認証する権限を有さない者がシンボルの特定を困難にするために印字された標記をいう。なお、セルとは、配置状態に従って設定されるシンボル又はダミーシンボルを配置する領域をいう。
また、本図に示した、サンプル画面は電子文書と任意の数字により生成された画像とし、プリンタ100で生成される視認署名付文書とは数字等の配置が異なる画像となる。また配置状態以外に、有効鍵セルの配置場所等も選択する。そして、生成者が配置状態を選択すると、上記の処理の後、表示処理部152がディスプレイ20に選択された配置状態で視認署名付文書のサンプル画像をする処理を行う。この配置状態の選択は、生成者が‘OK’ボタンを押下するまでの間、何度でも可能とする。‘OK’ボタンを押下された場合、この時に選択されていた配置状態及び有効鍵セルの配置場所を背景設定部159が設定する。
なお、本図で示したサンプル画面は配置状態として‘ランダム’を選択した場合を示したものである。‘ランダム’ではシンボル等が適当に配置される。そして生成者は、認証を行う他の利用者が記憶する配置状態に沿うように、各シンボルの配置を‘位置移動’により設定する必要がある。これにより‘ランダム’とした場合でも認証を行う他の利用者は、保護対象情報が改ざんされているか否か認証することが可能となる。
また、図4において、‘位置移動’により各セルの配置場所を変更することが可能となる。例えば配置状態でランダムを選択した場合に、シンボル及びダミーシンボルがランダムに配置されるが、生成者がポインティングデバイス11等の入力装置よりシンボル及びダミーシンボルの配置場所を入力し、入力された配置場所を示す情報を入力処理部153が入力処理することで、生成者の所望の配置場所にシンボル及びダミーシンボルを配置することが可能となる。また、例えば配置状態で格子上を選択した場合でも、格子内であればシンボル及びダミーシンボルを任意の場所に設定することが可能とする。また、本図で示した画面において、生成者は‘有効鍵選択’を選択し、ポインティングデバイス11等の入力装置により有効鍵セルの配置場所の選択も行う。
図1に戻り、送信部155は、プリンタ100に対して、プリンタドライバ156から出力されたPDLデータを送信する。また、視認署名付文書を生成する旨の要求があった場合、保護対象設定部158と、背景設定部159で設定された視認署名を重畳するために必要な情報もPDLデータと共にプリンタ100に送信する。
図1に示すようにプリンタ100の内部は、プリンタコントローラ110と、プリンタエンジン101と、操作パネル102を備え、受信したPDLデータに、視認署名背景データを付加して生成した視認署名付PDLデータの印刷処理を行う。この視認署名背景データは、PDLデータ又はPDLデータの元となる電子文書中から、生成者により指定された保護対象情報に基づいて生成されるデータであり、印刷される際に視認署名背景画像となるPostScript形式のテキスト情報とする。
操作パネル102は、利用者が印刷する際の設定等の入力に用いられる。図5は、プリンタ100の操作パネル102の一例を示した図である。本図に示したように、かかる操作パネル102は、初期設定キー601、コピーキー602、コピーサーバーキー603、プリンタキー604、視認署名重畳キー605、テンキー607、クリア/ストップキー608、スタートキー611、予熱キー609、リセットキー610および液晶タッチパネル606を有する。
初期設定キー601をタッチすると、液晶タッチパネル606に初期設定用のメニューが表示され、かかるメニューにおいては、収納される用紙サイズなどを設定することができる。また、コピーをしたい場合にはコピーキー602を、コピー結果をプリンタ100に蓄積したい場合にはコピーサーバーキー606を、プリンタに係る操作をおこないたい場合には、プリンタキー604を、受信したPDLデータに視認署名を重畳して印刷したい場合には視認署名重畳キー605を、それぞれタッチすると、液晶タッチパネル606に対応したメニューが表示される。視認署名重畳キー605をタッチすると、受信したPDLデータに対して視認署名を重畳するための設定を行う。つまり、PC150からPDLデータのみ受信した場合でも、視認署名を重畳した視認署名付文書を印刷することを可能とする。
次に受信したPDLデータに対して、操作パネル102を用いて視認署名を重畳する操作について説明する。この操作が行われることで実際にはPDLデータに視認署名背景データが付加されることとなる。まずは液晶タッチパネル606に受信したPDLデータの一覧を表示し、重畳するPDLデータを選択してから、視認署名重畳キー605をタッチする。
本図の液晶タッチパネル606に表示されたメニューは視認署名重畳キー605をタッチされた後に表示される画面を示している。本図で示した画面が表示された後に、生成権限キー625で視認署名付文書を生成する権限を有しているか否か認証を行う。具体的には、表示されたユーザから選択し、選択したユーザに対応するパスワードを入力することで権限を有しているか否か認証する。
そして、保護対象設定キー621をタッチすることで、図2で示すような画像が表示され、この表示された画像から保護する対象となる文字列をタッチして、保護対象情報を選択する。なお、保護対象情報を選択した際の電子文書のページ情報を保持することで、どのページに視認署名を重畳するのが特定できる。次に、保護対象情報から視認署名背景データを生成するための設定を行う。
まず、暗号化鍵キー623では、暗号化鍵をテンキー607より入力する。配置状態キー624では、表示されたリストとして表示された配置状態から、生成者が所望する配置状態を選択する。そして、有効鍵選択キー626では、選択された配置状態で各セルの配置場所が選択されるため、所望する有効鍵セルの配置場所をタッチする。その後、プリンタコントローラ110が操作パネル102から入力された設定に従い印刷に用いる描画データを生成する。
プリンタコントローラ110は、受信部111と、エンジンI/F112と、ページ制御部113と、記憶部114と、画像生成部115と、利用者認証部116と、パネル制御部117と、保護対象指定受付部118と、変換情報生成部119と、背景生成部120と、を備える。このような構成を備えることで、プリンタコントローラ110は、PDLデータから視認署名を重畳した描画データを生成する。
記憶部114は、ページ制御部113より入力されたページ毎のPDLデータ及び認証に用いる認証テーブルを記憶する。認証テーブルや利用者の利用者IDとパスワードを対応付けて保持する。
パネル制御部117は、操作パネル102の液晶タッチパネル606に表示する画面の制御や、テンキー607等のキーの押下または液晶タッチパネル606をタッチして入力される情報を処理する。
利用者認証部116は、受信したPDLデータに対して、操作パネル102を介して視認署名を重畳して印刷する要求をパネル制御部117が処理した場合に、操作パネル102を使用している利用者に対して、視認署名付文書を生成する権限を有しているか否か認証を行う。パネル制御部117が処理した利用者ID及びパスワードを、記憶部114の認証テーブルが保持している利用者ID及びパスワードと一致するか否かにより認証を行う。認証された場合、PDLデータに基づいて視認署名付文書を印刷する処理を継続して行うこととするが、認証に失敗した場合、この処理を中断することとする。
受信部111は、重畳受信部111Aと、PDLデータ受信部111Bと、を備え、PC150から送信されたPDLデータ、さらに必要に応じて視認署名背景データの生成に用いられる保護対象情報等のデータを受信する。
PDLデータ受信部111Bはネットワーク30を介して送信されたPDLデータを受信する。また重畳受信部111Aは、PDLデータと共に送信された視認署名背景データの生成に用いられる保護対象情報等のデータを受信する。なお、重畳受信部111Aが視認署名背景データを生成するために必要な保護対象情報等のデータを受信しない場合でも、プリンタ100の後述する操作パネル102から設定することで受信したPDLデータに基づいて視認署名付文書を生成することができる。また重畳受信部111Aで視認署名背景データを生成するために必要な保護対象情報等を受信せず、且つ操作パネル102から視認署名付文書を生成するための設定が行われなかった場合、プリンタエンジン101で通常通りPDLデータに基づく文書が印刷される。
そして、PDLデータ受信部111Bは、PC150からPDLデータを受信する。この受信したPDLデータに視認署名背景データを付加することとなる。そして、重畳受信部111Aは、PC150からPDLデータ受信部111Bで受信したPDLデータの文書情報に含まれていた改ざんを検出する対象となる保護対象情報、暗号化鍵、配置状態及び有効化鍵セルの配置場所を受信する。これらの情報を受信することで、プリンタ100側でこれらの設定をする必要がなくなり、遠隔地のPC150からプリンタ100でPDLデータに視認署名背景データを付加した視認署名付PDLデータを生成することが可能となる。
なお、文書情報とは、このPDLデータが印刷される際に印字される文書であり、またPC150側でPDLデータに変換される前に電子文書が有していた文書情報をいう。
ページ制御部113は、PDLデータ受信部が受信したPDLデータを1ページ毎に区切り、記憶部114に保存する。
保護対象指定受付部118は、重畳受信部111Aが受信した保護対象情報、又は生成者が操作パネル102より入力し、パネル制御部117が入力処理した保護対象情報を受け付ける。なお、保護対象情報とは、電子文書内で改ざんされたか否か検証を行う対象となる情報をいう。そして、プリンタ100により視認署名付文書が印刷された際に、認証する利用者がこの保護対象情報を改ざんされているか否か検証することを可能とする。本実施の形態に係る図2で示した例では、最高桁数の‘3’が保護対象情報となる。
変換情報生成部119は、保護対象指定受付部118により指定を受け付けた保護対象情報から、変換保護対象情報を生成する。変換保護対象情報とは、保護対象情報から予め定められた規則により生成された情報であり、利用者が保護対象情報の改ざんを視覚により検出するために必要な情報をいう。本実施の形態においては、後述した処理により変換保護対象情報を生成する。
また、本実施の形態において、変換情報生成部119が保護対象情報から予め定められた規則に従って変換保護対象情報を生成するために、暗号化鍵を用いることとする。この生成するために用いられる暗号化鍵は、重畳受信部111Aが受信した暗号化鍵、又は生成者が操作パネル102より入力し、パネル制御部117が入力処理した暗号化鍵とする。そして、この暗号化鍵を、認証する利用者が記憶することで、利用者が視認署名付文書を参照した際に、文書中の保護対象情報から予め定められた規則に従って変換保護対象情報を導出することが可能となる。
具体的には、変換情報生成部119は、予め定められた規則として、保護対象指定受付部118により指定を受け付けた保護対象情報である数値に、暗号化鍵である数値を加算し、この加算した値に対して予め定められた値で除した余りを、変換保護対象情報とする。この除するために用いられる予め定められた値はどの様な値でも良いが、利用者が暗算するのが容易な数値であるのが望ましい。また、本実施の形態においては、予め定められた値を‘10’とする。
具体的な演算の例としては、保護対象情報‘3’で暗号化鍵が‘5’の場合、加算して‘8’を得る。そして‘8’に対して予め定められた値‘10’で除し、余り‘8’を変換保護対象情報とする。
本実施の形態において、偽保護対象情報は、変換情報生成部119において除算を行った結果、余りとなりうる数字から変換保護対象情報‘8’を除いた数字、つまり0,1,2,3,……,7,9とする。そして背景画像のセルに配置する際に、これらから配置に必要な数だけ選択される。
なお、本発明は、予め定められた規則を、上記の処理で示したような暗号化鍵を用いて保護対象情報から変換保護対象情報を生成することに制限するものではなく、視認する利用者及び変換情報生成部119が保護対象情報から変換保護対象情報を生成することが可能な規則であれば良い。例えば保護対象情報‘3’をそのまま変換保護対象情報としてもよい。
背景生成部120は、変換保護対象情報から、プリンタ100で印刷された後の視覚認証に用いられる視認署名背景画像となる視認署名背景データを生成する。この視認署名背景データは、PostScript形式のテキスト情報であり、PDLデータに付加するために用いられる。なお、視認署名背景データは、PostScript形式に制限するものではなく、印刷に用いられる中間データ(本実施の形態ではPDLデータ)に付加することが可能な形式であればよい。
具体的には背景生成部120は、重畳受信部111Aが受信した配置状態及び有効鍵セルの配置場所、又は生成者が操作パネル102より入力し、パネル制御部117が入力処理した配置状態及び有効鍵セルの配置場所に基づいて、変換保護対象情報を示すシンボルを配置して、視認署名背景データを生成する。シンボルが配置された有効鍵セル以外のセルには、ダミーシンボルを配置する。なお、所定の配置状態、シンボルについて詳細に説明する。
所定の配置状態とは、例えば格子状、同心円状又はランダム等が考えられ、認証を行う際に利用者が記憶した配置場所に基づいて、背景画像内に存在する有効鍵セルの位置を特定することができるようにシンボルを配置する方法をいう。また、本実施の形態において格子状には、三角格子状と四角格子状の二種類を有することとする。
シンボルとは、本発明の変換保護対象情報の視認可能な標記に相当し、変換保護対象情報であることを、認証する利用者が認識可能な標記をいう。シンボルの例として、電子文書中の文字列と区別できるように表示される変換保護対象情報を示す数字、文字、マーク又は模様などが考えられる。
これらダミーシンボルをシンボルと共に所定の配置状態で視認署名付文書の背景画像に配置することで、認証する利用者以外の者がシンボルの特定が困難になる。なお、偽保護対象情報は、第三者が保護対象情報を特定することを防止できる情報であれば良い。
そして、図6は、背景生成部120により生成された視認署名背景データより印刷する際に描画される視認署名背景画像の一例を示した図である。本図は、生成者が配置状態として四角格子状を選択し、また有効鍵セルとして中央下のセルを選択した場合の例である。本図に示すように、有効鍵セルとして選択された中央下のセルに変換保護対象情報‘8’を示すシンボルが配置される。つまり認証する他の利用者は中央下が有効鍵セルということ、及び暗号化鍵‘5’を記憶することで、保護対象情報‘3’から変換保護対象情報‘8’を導出することが可能となる。
画像生成部115は、本発明の視認署名付情報生成手段に相当し、記憶部114に記憶されたページ毎にPDLデータから描画データに変換してエンジンI/F112を介してプリンタエンジン101に出力し、また保護対象情報を有しているページのPDLデータの場合、このPDLデータデータに視認署名背景データを付加した視認署名付PDLデータを生成し、この視認署名付PDLデータを視認署名付描画データに変換して、プリンタエンジン101に出力する。
図7は、画像生成部115により生成された視認署名付PDLデータを変換した視認署名付描画データの一例を示した図である。本図で示すように、一つの紙媒体に、電子文書内の保護対象情報と視認署名を認識できるため、認証する利用者は保護対象が改ざんされているか否か視認署名に基づいて判断することができる。
より詳細には、認証する利用者は、認証する際に予め記憶していた暗号化鍵及び有効鍵セルの配置場所により、電子文書中の保護対象情報から変換保護対象情報を導出し、電子文書中の有効鍵セルの配置場所にあるシンボルと導出された変換保護対象情報を示すシンボルが一致するか否か確認することで改ざんされているか否か判断することが可能となる。
本図で示した視認署名付文書について認証する利用者が改ざんされているか否か判断するまでの手順を説明する。まず、利用者は視認署名付文書の保護対象情報を特定する。具体的には、利用者はこの視認署名付文書では請求額の最高桁数‘3’が保護対象情報と特定する。そして保護対象情報‘3’に予め記憶していた暗号化鍵‘5’を加算して、変換保護対象情報‘8’を導出する。次に利用者は、予め記憶していた有効鍵セルの配置場所に配置されているシンボルを確認する。具体的には利用者は、四角格子においては有効鍵セルの配置場所は‘中央下’と記憶しているため、中央下のシンボルを確認する。中央下のシンボルは‘8’であり、導出した変換保護対象情報‘8’と一致するため、改ざんされていないと判断する。
つまり本実施の形態においては、利用者が暗号化鍵及び有効鍵セルの配置場所を記憶しておくことで、保護対象情報が改ざんされているか否か判断することが可能となる。なお、暗号化鍵及び有効鍵セルの配置場所を記憶するために、視認署名付文書の生成者が認証する他の利用者に対して予め伝えておく等が考えられる。これにより生成者及び認証する利用者以外の者による改ざんを防止する。
プリンタエンジン101は、本発明の印刷処理手段に相当し、入力された画像データを印刷する処理を行う。そして、印刷された視認署名付文書について利用者が視覚を通じて認証できるため、認証するための装置を用いずとも、改竄されているか否か確認することが可能となる。
次に、以上のように構成された本実施の形態にかかるプリンタ100におけるPDLデータを受信してからPDLデータより生成された視認署名付文書を印刷するまでの処理について説明する。図8は、本実施の形態にかかるプリンタ100における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
まず、PDLデータ受信部111Bが、PC150からのPDLデータを受信する(ステップS801)。次に重畳受信部111Aが、PDLデータと共に保護対象情報等が送信されてきたか否か確認する(ステップS802)。
そして、PC150から保護対象情報等が送信されてきた場合(ステップS802:Yes)、重畳受信部111Aは保護対象情報等を受信する(ステップS803)。また、PC105から保護対象情報等が送信されてこなかった場合(ステップS802:No)、生成者が操作パネル102を介して入力した保護対象情報等を、パネル制御部117が入力処理する(ステップS804)。
そして、ページ制御部113が、PDLデータをページ毎に記憶部114に保存する(ステップS805)。
次に、保護対象指定受付部118は、重畳受信部111Aが受信した保護対象情報又はパネル制御部117が入力処理した保護対象情報を、受け付ける(ステップS806)。
次に、変換情報生成部119は、保護対象指定受付部118により指定が受け付けられた保護対象情報、及び重畳受信部111Aが受信した暗号化鍵又はパネル制御部117が入力処理した暗号化鍵から、変換保護対象情報を生成する(ステップS807)。
次に、背景生成部120が、ステップS807で生成された変換保護対象情報と共に、重畳受信部111Aが受信した配置状態及び有効鍵セルの配置場所又はパネル制御部117が入力処理した配置状態及び有効鍵セルの配置場所により視認署名背景データを生成する(ステップS808)。
そして、画像生成部115はPDLデータに、生成された視認署名背景データを付加し、視認署名付PDLデータを生成する(ステップS809)。その後、画像生成部115は、生成した視認署名付PDLデータによる描画データをエンジンI/F112を介してプリンタエンジン101に出力する(ステップS810)。
そして、プリンタエンジン101は、入力された視認署名付描画データの印刷処理を行う(ステップS811)。
上述した処理手順により、受信したPDLデータに、視認署名背景データを付加して、視認署名付PDLデータを生成して印刷することが可能となる。なお、上述した処理手順は、本実施の形態によるPDLデータを受信してから視認署名付文書を印刷するまでの処理手順の例を示したものであり、本発明をこの処理手順に制限するものではない。
図9は、かかるプリンタ100のハードウェア構成を示すブロック図である。本図に示すように、このプリンタ100は、コントローラ910とエンジン部(Engine)960とをPCI(Peripheral Component Interconnect)バスで接続した構成となる。コントローラ910は、プリンタ100全体の制御と描画、通信、図示しない操作部からの入力を制御するコントローラである。エンジン部960は、PCIバスに接続可能なプリンタエンジンなどであり、たとえば白黒プロッタ、1ドラムカラープロッタ、4ドラムカラープロッタ、スキャナまたはファックスユニットなどである。なお、このエンジン部960には、プロッタなどのいわゆるエンジン部分に加えて、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれる。
コントローラ910は、CPU911と、ノースブリッジ(NB)913と、システムメモリ(MEM−P)912と、サウスブリッジ(SB)914と、ローカルメモリ(MEM−C)917と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)916と、ハードディスクドライブ(HDD)918とを有し、ノースブリッジ(NB)913とASIC916との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス915で接続した構成となる。また、MEM−P912は、ROM(Read Only Memory)912aと、RAM(Random Access Memory)912bとをさらに有する。
CPU911は、プリンタ100の全体制御をおこなうものであり、NB913、MEM−P912およびSB914からなるチップセットを有し、このチップセットを介して他の機器と接続される。
NB913は、CPU911とMEM−P912、SB914、AGP915とを接続するためのブリッジであり、MEM−P912に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCIマスタおよびAGPターゲットとを有する。
MEM−P912は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いるシステムメモリであり、ROM912aとRAM912bとからなる。ROM912aは、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAM912bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いる書き込みおよび読み出し可能なメモリである。
SB914は、NB913とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。このSB914は、PCIバスを介してNB913と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインターフェース(I/F)部なども接続される。
ASIC916は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGP915、PCIバス、HDD918およびMEM−C917をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC916は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC916の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM−C917を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などをおこなう複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、エンジン部960との間でPCIバスを介したデータ転送をおこなうPCIユニットとからなる。このASIC916には、PCIバスを介してFCU(Fax Control Unit)930、USB(Universal Serial Bus)940、IEEE1394(the Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)インターフェース950が接続される。
MEM−C917は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、HDD(Hard Disk Drive)918は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。
AGP915は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェースであり、MEM−P912に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードを高速にするものである。
上述した本実施の形態にかかるプリンタ100で生成された視認署名背景データによる視認署名背景画像において、シンボルの配置された有効鍵セルが1つの場合を示したが、視認署名背景画像に配置される有効鍵セルの数を1つに制限するものではない。つまり有効鍵セルは複数存在しても良い。プリンタ100で有効鍵セルを複数設定し、認証する利用者が複数の有効鍵セルの配置場所を記憶することで、認証作業が複雑になり、改ざんすることがさらに困難になる。
また複数の有効鍵セルを設定した場合、全て同じ暗号化鍵により生成する必要はなく、複数の有効鍵セルに配置された標記のうち所定の数のみ変換保護対象情報を示す標記と一致していることにしても良い。また、複数の有効鍵セルのうちセル毎に異なる暗号化鍵により変換保護対象情報を生成しても良いし、また複数の有効鍵セルにおいてセル毎に加算と減算を異ならせて、同一の保護対象情報及び暗号化鍵からセル毎に異なる変換保護対象情報を算出することにしても良い。
上述したプリンタ100によりPDLデータに、文書中の保護対象情報から導出される変換保護対象情報を示すシンボルの情報を保持する視認背景データを付加することが可能となる。これにより認証する利用者は、重畳されたシンボル及び保護対象情報に基づいて改ざんされているか否か判断することが可能となる。また、シンボルの他、変換保護対象情報の標記と異なる標記であるダミーシンボルを配置することで、配置場所を記憶している認証する利用者のみが視認署名付文書内のシンボルの配置場所を特定できる。これにより利用者が改ざんされているか否か判断できる。また認証する権限のない他の者は、シンボルを特定できないため保護対象情報の改ざんを防止できる。
また、PC150側で、保護対象情報など視認署名背景を生成するための設定が可能となるため、利用者はプリンタ100まで設定しに行く必要が無くなり、利便性が向上する。
また、PDLデータに視認背景データを付加する処理をプリンタ100で印刷時に行うこととしたため、PC150側で予め電子文書に視認署名背景画像を重畳したイメージを生成する必要が無くなり、PC側の演算処理の負荷が低減し、パフォーマンスが向上する。
また、暗号化鍵を用いて変換保護対象情報を導出したため、視認署名付文書を視認する際、暗号化鍵を記憶している利用者のみ変換保護対象情報を導出できる。これにより保護対象情報が改ざんされているか否か、暗号鍵を記憶した利用者のみ認証することを可能とし、信頼性が向上する。
また利用者が記憶している事物のみで改ざんされているか否か判断できるので、改ざんされているか否か判断するための機材を必要とせず、容易な認証が可能となる。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、プリンタ100で電子文書と、電子文書から生成された視認署名背景画像を重畳することとしたが、プリンタ100以外で重畳することにしても良い。そこで第2の実施の形態においては、プリンタドライバで電子文書と、電子文書から生成された視認署名背景画像を重畳するものとする。
図10は、第2の実施の形態にかかるプリンタドライバを備えたPC1000の構成を示す機能ブロック図である。PC1000は、アプリケーション1001と、プリンタドライバ1010と、通信I/F部1002と、入力処理部1003と、記憶部1004と、表示処理部1005と、を備え、アプリケーション1001で生成された電子文書を、プリンタドライバ1010で視認署名背景画像を重畳したPDLデータを生成して、通信I/F部1002を介してプリンタ40に出力している。また、PC1000とプリンタ40はネットワーク31を介して接続されている。
記憶部1004は、認証テーブルを記憶する。認証テーブルは、視認署名付文書を印刷することが出来る利用者の利用者ID及びパスワードを対応付けて保持する。
入力処理部1003は、キーボード14、ポインティングデバイス13等の入力装置を介して生成者により入力された情報を処理する。具体的には、入力処理部1003は、生成者が入力装置を介してなされた、後述するアプリケーション1001による電子文書の生成や、電子文書から生成された視認署名付文書を印刷する際にプリンタドライバ1010に対して行う保護対象情報の指定、暗号化鍵の入力、視認署名背景画像のシンボルの配置状態の選択等の処理を行う。
表示処理部1005は、生成者により生成された電子文書や、この電子文書に視認署名背景画像を重畳してプリンタ41で印刷する際に、プリンタドライバ1010からの要求に応じて保護対象情報の指定や暗号鍵の入力あるいはシンボルの配置の選択等を行う画面を、ディスプレイ21に表示する処理を行う。保護対象情報の指定や暗号鍵の入力あるいはシンボルの配置の選択等の画面は、第1の実施の形態にかかるPC150と同様の画面で可能であるため省略する。
アプリケーション1001は、利用者が入力装置を介して入力し、入力処理部1003が処理した情報より、電子文書を生成する。そして生成された電子文書に対して、印刷する要求があった場合、プリンタドライバ1010に出力する。
プリンタドライバ1010は、電子文書受信部1011と、印刷条件解析処理部1012、ページ制御部1013と、ページ編集部1014と、PDLデータ生成部1015と、背景生成部1016と、変換情報生成部1017と、保護対象指定受付部1018と、データ送信部1019と、入力インターフェース部1020と、利用者認証部1021を備え、印刷要求と共に受信した電子文書に視認署名背景画像を重畳したPDLデータを生成し、通信I/F部1002を介してプリンタ40に送信する。また入力インターフェース部1020は、入力処理部1003で入力処理された情報をプリンタドライバ1010内部に入力する際に用いられる。また、利用者は、プリンタドライバ1010に対して、電子文書に視認署名を重畳するか否か設定することを可能とする。
電子文書受信部1011は、アプリケーション1001からの印刷要求と共に電子文書を受信する。
印刷条件解析処理部1012は、印刷部数、部番号を付加するか否か、部番号初期値等といった印刷条件を解析して、ページ制御部1013及びページ編集部1014に出力する。
ページ制御部1013は、印刷条件解析処理部1012により解析された印刷条件に基づいて、受信した電子文書をページ毎に区切り、ページ編集部1014に出力する。
ページ編集部1014は、入力されたページ毎の電子文書に対して、印刷条件解析処理部1012で解析された印刷条件に基づいてページ毎の電子文書の編集を行う。例えば、ページ編集部1014は、電子文書のページ毎のヘッダに部番号を付加する等の処理を行う。
保護対象指定受付部1018は、生成者が視認署名を重畳するようにプリンタドライバ1010は設定した場合、生成者がキーボード14等の入力装置を用いて入力し、入力処理部1003により入力処理された保護対象情報を受け付ける。また、生成者に保護対象の入力を促すため、図2で示したような電子文書の表示画面を表示するようにプリンタドライバ1010が表示処理部1005に対して要求する。そして、本実施の形態では、生成者がポインティングデバイス13等の入力装置で指定された請求額の最高桁数を、保護対象指定受付部1018が保護対象情報として受け付ける。なお、入力処理部1003で入力処理された保護対象情報は、入力インターフェース部1020を介する。
変換情報生成部1017は、保護対象指定受付部1018により受け付けられた保護対象情報、及び入力インターフェース部1020を介して入力された暗号化鍵から、変換保護対象情報を生成する。保護対象情報から変換保護対象の生成方法は、第1の実施の形態にかかる変換情報生成部119で行われる生成方法と同様の処理手順で行うこととし、この説明を省略する。なお、暗号化鍵は、表示処理部1005によりディスプレイ21に表示された図3の画面に対して、生成者が入力装置を介して入力し、入力処理部1003が入力処理した値とする。そして、入力処理部1003が入力処理した値は、入力インターフェース部1020を介して変換情報生成部1017が取得する。
背景生成部1016は、変換保護対象情報から、電子文書と重畳するために用いられる視認署名背景画像を生成する。背景生成部1016は、第1の実施の形態にかかる背景生成部120と同様の処理手順で視認署名背景画像を生成する。また、この際に設定する必要がある所定の配置状態及び有効鍵セルの配置場所は、表示処理部1005によりディスプレイ21に表示された図4の画面に対して、生成者が入力装置を介して入力し、入力処理部1003が入力処理した情報とする。
PDLデータ生成部1015は、ページ編集部1014で編集された電子文書からPDLデータを生成する。またPDLデータ生成部1015は、保護対象情報を保持しているページに対して、背景生成部1016で生成された視認署名背景画像を重畳してPDLデータを生成する。
データ送信部1019は、PDLデータ生成部1015で生成されたPDLデータを、プリンタ40に送信する。
利用者認証部1021は、記憶部1004が記憶する認証テーブルを用いて、利用者の認証を行う。なお、この認証はプリンタドライバ1010を用いて視認署名を重畳する場合に行われ、認証された者に限りアプリケーション1001から受信した電子文書に視認署名を重畳したPDLデータを生成してプリンタ40に出力する。
次に、以上のように構成された本実施の形態にかかるプリンタドライバ1010おいて電子文書の印刷要求を受信してから視認署名背景画像を重畳したPDLデータを送信するまでの処理について説明する。図11は、本実施の形態にかかるプリンタドライバ1010における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
電子文書受信部1011は、アプリケーション1001から印刷要求のあった電子文書を受信する(ステップS1101)。そして入力処理部1003は、利用者が入力装置を介して入力した保護対象情報、暗号化鍵、配置状態及び有効鍵セルの配置場所を、入力処理する(ステップS1102)。この入力処理された保護対象情報等は、入力インターフェース部1020を介してプリンタドライバ1010内部に出力される。
次に、ページ制御部1013が、印刷条件解析処理部1012により解析された印刷条件に基づいて、受信した電子文書をページ毎に区切り、ページ編集部1014に出力する(ステップS1103)。そして、ページ編集部1014は、印刷条件解析処理部1012で解析された印刷条件に基づいて、ページ毎に編集する(ステップS1104)。
次に、保護対象指定受付部1018は、入力処理部1003により入力処理された、保護対象情報を受け付ける(ステップS1105)。次に、変換情報生成部1017は、保護対象指定受付部1018により受け付けられた保護対象情報及び入力インターフェース部1020を介して入力された暗号化鍵から、変換保護対象情報を生成する(ステップS1106)。
次に、背景生成部1016は、生成された変換保護対象情報、及び入力インターフェース部1020を介して入力された配置状態及び有効化鍵セルの配置場所から視認署名背景画像を生成する(ステップS1107)。
PDLデータ生成部1015は、ページ編集部1014で編集された電子文書と、背景生成部1016で生成された視認署名背景画像を重畳してPDLデータを生成する(ステップS1108)。そして、データ送信部1019は、生成されたPDLデータを、通信I/F部1002を介してプリンタ40に出力する(ステップS1109)。
上述した処理手順により、印刷要求のあった電子文書に、視認署名背景画像を重畳して、生成されたPDLデータをプリンタ40に出力する。これにより視認署名が重畳された電子文書である視認署名付文書を印刷することが可能となる。なお、上述した処理手順は、本実施の形態による電子文書を受信してから視認署名背景画像を重畳したPDLデータを出力するまでの処理手順の例を示したものであり、本発明をこの処理手順に制限するものではない。
図12は、プリンタドライバ1010等が組み込まれたPC1000のハードウェア構成を示した図である。本実施の形態のPC1000は、CPU(Central Processing Unit)1401などの制御装置と、ROM(Read Only Memory)1402やRAM(Random Access Memory)1403などの記憶装置と、HDD(Hard Disk Drive)、CDドライブ装置などの外部記憶装置1404と、ディスプレイ装置などの表示装置1407と、キーボードやマウスなどの入力装置1406と、他の装置と通信可能にする通信I/F1405を備えており、バス1408を介して接続された通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
本実施形態のプリンタドライバプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
また、本実施形態のPC1000で実行されるプリンタドライバプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のPC1000で実行されるプリンタドライバプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
また、本実施形態のプリンタドライバプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
本実施の形態のPC1000で実行されるプリンタドライバプログラムは、上述した各部(電子文書受信部、印刷条件解析部、ページ制御部、ページ編集部、PDLデータ生成部、保護対象指定受付部、変換情報生成部、背景生成部、データ送信部、入力インターフェース部、利用者認証部)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPUが上記記憶媒体からプリンタドライバプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、電子文書受信部、印刷条件解析部、ページ制御部、ページ編集部、PDLデータ生成部、保護対象指定受付部、変換情報生成部、背景生成部、データ送信部、入力インターフェース部、利用者認証部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
上述したプリンタドライバ1010をPC1000に組み込むことで、電子文書を生成するアプリケーションの種別等にかかわらず、視認署名付文書を印刷することが可能となる。これにより視認署名付文書を生成するために利用者は新たなアプリケーションを導入する必要が無くなる。また、開発者も視認署名付文書を生成するための新たなアプリケーションを開発する必要が無くなる。つまり視認署名付文書を、容易に生成することができる。
(第3の実施の形態)
第2の実施の形態では、プリンタドライバ上で、視認署名を重畳したPDLデータを生成することとした。しかしながら、従来のアプリケーションで生成された電子文書に視認署名を重畳する方法としては、プリンタドライバ上で重畳するほかに、拡張可能なインターフェースを備えているアプリケーションにプラグイン等を組み込んで、アプリケーションで生成された電子文書に対してプラグインが視認署名背景画像を重畳することも考えられる。そこで、第3の実施の形態では、アプリケーションに組み込まれた視認署名付文書生成プラグインが、電子文書に視認署名背景画像を重畳するものとする。
図13は、第3の実施の形態にかかるアプリケーションに組み込む視認署名付文書生成プラグインを備えたPC1200の構成を示す機能ブロック図である。PC1200は、アプリケーション1201と、プリンタドライバ1202と、通信I/F部1002と、入力処理部1203と、記憶部1004と、表示処理部1204を備え、基本アプリケーション部1210の電子文書生成部1211で生成された電子文書を、視認署名付文書生成プラグイン1220で視認署名背景画像を重畳し、プリンタドライバで視認署名背景画像を重畳された電子文書からPDLデータを生成して、通信I/F部1002を介してプリンタ40に出力している。なお、通信I/F部1002は、PC1200をネットワーク32に接続するために用いられる。この通信I/F部1002を介してプリンタ41と情報の送受信が可能となる。以下の説明では、上述した第2の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略している。
入力処理部1203は、キーボード16、ポインティングデバイス15等の入力装置を介して生成者により入力された情報を処理する。具体的には、入力処理部1203は、生成者が入力装置を介してなされた、後述するアプリケーション1001による電子文書の生成や、視認署名付文書生成プラグイン1220が電子文書に視認署名背景画像を重畳して視認署名付文書を生成する際の保護対象情報の指定、暗号化鍵の入力、視認署名背景画像のシンボルの配置状態の選択等の処理を行う。
表示処理部1204は、生成者により生成された電子文書や、この電子文書に視認署名背景画像を重畳してプリンタ41で印刷する際に、アプリケーション1201からの要求に応じて、保護対象情報の指定や暗号鍵の入力あるいはシンボルの配置の選択等を行う画面を、ディスプレイ22に表示する処理を行う。保護対象情報の指定や暗号鍵の入力あるいはシンボルの配置の選択等の画面は、第1の実施の形態にかかるPC150と同様の画面で可能であるため省略する。
アプリケーション1201は、基本アプリケーション部1210と、視認署名付文書生成プラグイン1220から構成される。そして、基本アプリケーション部1210で生成された電子文書に、視認署名付文書生成プラグイン1220が視認署名背景画像を重畳することで、視認署名付文書を生成することが可能となる。
基本アプリケーション部1210は、電子文書生成部1211と文書出力部1212から構成される。そして、電子文書生成部1211は、生成者が入力装置を介して入力し、この入力を入力処理部1203が入力処理した情報に基づいて電子文書を生成する。
そして、文書出力部1212は、生成された電子文書又は視認署名付文書生成プラグイン1220で生成された視認署名付文書を、印刷する要求と供にプリンタドライバ1202に出力する。これにより、視認署名付文書を印刷することが可能となる。
視認署名付文書生成プラグイン1220は、電子文書取得部1221と、保護対象指定受付部1222と、変換情報生成部1223と、背景生成部1224と、視認署名付文書生成部1225と、利用者認証部1226から構成される。このような構成を備えることで、基本アプリケーション部1210で生成された電子文書に、視認署名背景画像を重畳して視認署名付文書を生成する。
電子文書取得部1221は、電子文書生成部1211で生成された電子文書であり、かつ視認署名背景画像と重畳する電子文書を取得する。
保護対象指定受付部1222は、第2の実施の形態に係る保護対象指定受付部1018と同様に、生成者にキーボード14等の入力装置を用いて入力された後、入力処理部1003により入力処理された保護対象情報を受け付ける。また、保護対象指定受付部1222は、図2で示したような電子文書の表示画面を表示するよう表示処理部1204に要求する。
変換情報生成部1223は、第2の実施の形態に係る変換情報生成部1017と同様に、保護対象指定受付部1222により受け付けられた保護対象情報、及び入力処理部1003が入力処理した暗号化鍵から、変換保護対象情報を生成する。また、暗号化鍵は、表示処理部1204によりディスプレイ22に表示された図3の画面に対して、生成者が入力装置を介して入力し、入力処理部1203が入力処理した値とする。
背景生成部1224は、第2の実施の形態に係る背景生成部1016と同様に、変換保護対象情報から、電子文書と重畳するために用いられる視認署名背景画像を生成する。また、この際に設定する必要がある所定の配置状態及び有効鍵セルの配置場所は、表示処理部1204によりディスプレイ22に表示された図4の画面に対して、生成者が入力装置を介して入力し、入力処理部1203が入力処理した情報を用いることとする。
視認署名付文書生成部1225は、背景生成部1224で生成された視認署名背景画像を、電子文書取得部1221で取得した電子文書と重畳して視認署名付文書を生成する。また、視認署名付文書生成部1225は、この視認署名背景画像は、電子文書の保護対象情報を含むページに重畳する。なお、電子文書と視認署名背景画像を重畳する方法はどのような手法を用いても良い。
利用者認証部1226は、記憶部1004が記憶する認証テーブルを用いて、利用者の認証を行う。なお、この認証は入力処理部1203で入力処理された生成者からの視認署名を重畳する要求をアプリケーション1201が受け取った場合に、行われる。そして認証された者に限りアプリケーション1201で視認署名背景画像を重畳した視認署名付文書を生成してプリンタドライバ1202に出力する。
プリンタドライバ1202は、アプリケーション1201から印刷要求のあった電子文書又は視認署名付文書からPDLデータを生成して、通信I/F部1002を介して、プリンタ41に出力する。
このような構成を備える視認署名付文書生成プラグイン1220を、アプリケーション1201に組み込むことで、視認署名付文書を生成する機能を備えていなかったアプリケーションであっても視認署名付文書を生成することが可能となる。
次に、以上のように構成された本実施の形態にかかるアプリケーション1201で電子文書を生成してから視認署名付文書をプリンタ41に出力するまでの処理について説明する。図14は、本実施の形態にかかるアプリケーション1201における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
電子文書生成部1211は、入力処理部1203が入力処理した情報に基づいて電子文書を生成する(ステップS1301)。そして、視認署名付文書生成プラグイン1220の電子文書取得部1221が、生成された電子文書を取得する(ステップS1302)。
次に、保護対象指定受付部1222は、生成者が保護対象を入力し、この入力を保護対象の指定として入力処理部1203により入力処理された電子文書中の保護対象情報を受け付ける(ステップS1303)。
保護対象情報が受け付けられた後、表示処理部1204により表示される暗号化鍵の入力画面に、生成者がキーボード12等から暗号化鍵を入力し、入力された暗号化鍵の情報を入力処理部1203が処理する(ステップS1304)。
次に、変換情報生成部1223が、保護対象指定受付部1222により指定が受け付けられた保護対象情報、及び入力処理部1203により処理された暗号化鍵から、変換保護対象情報を生成する(ステップS1305)。
次に、表示処理部1204により表示される配置状態の入力画面に、生成者がポインティングデバイス11等から配置状態を選択し、選択された配置状態の情報を入力処理部1203が処理する(ステップS1306)。
次に、背景生成部1224が、入力処理部1203により処理された配置状態により視認署名背景画像を生成する(ステップS1307)。また、その際、生成者がキーボード12等の入力装置を介して配置場所を入力し、入力された有効鍵セルの配置場所を示す情報を入力処理部1203が入力処理を行う必要がある。
次に、視認署名付文書生成部1225が、電子文書取得部1221により取得された電子文書と、背景生成部1224により生成された視認署名背景画像を重畳して、視認署名付文書を生成する(ステップS1308)。
そして、表示処理部1204が、生成された視認署名付文書を表示する(ステップS1309)。本実施の形態においては、図4で示した配置状態の入力画面のプレビューに表示される。そして生成者がプレビューに表示された視認署名付文書を参照し、これで良いか否かポインティングデバイス11等から入力する。
次に、入力処理部1203は、生成者からの入力を処理して得られた情報から、表示された文書で良いか否か判断する(ステップS1310)。具体的には生成者がポインティングデバイス11等で‘OK’ボタンを押下されたことが入力処理された場合に、表示された文書で良いと判断する。表示された文書では問題あると判断された場合(ステップS1310:No)、ステップS1306の配置状態の選択から再び開始される。
入力処理部1203が表示された文書で良いと判断した場合(ステップS1310:Yes)、文書出力部1212が、生成された視認署名付文書をプリンタドライバ1202に出力する(ステップS1311)。また、文書出力部1212は、生成された視認署名付文書を記憶部1004に保存することもできる。
上述した処理手順により、アプリケーション1201に組み込まれた視認署名付文書生成プラグイン1220で電子文書から視認署名付文書を生成することが可能となり、さらに生成した視認署名付文書をプリンタ41に出力し、印刷することが可能となる。なお、上述した処理手順は、本実施の形態による電子文書の取得から視認署名付文書をプリンタドライバ1202に出力するまでの処理手順の例を示したものであり、本発明をこの処理手順に制限するものではない。
本実施の形態にかかる視認署名付文書生成プラグインが組み込まれたPC1200は、第2の実施の形態の図12で示したハードウェア構成と同様の構成を備える。そして、視認署名付文書生成プラグインは、第2の実施の形態にかかるプリンタドライバプログラムと同様の手法により提供又は配布を行うことを可能とする。
また、本発明の本実施の形態にかかる視認署名付文書生成機能拡張プログラムをプラグイン形式に制限するものではなく、画像を生成するアプリケーションに組み込み可能な形式であればどのような形式でも良い。なお、具体的な例としては、アドイン形式が考えられる。
また、本実施の形態にかかる視認署名付文書生成プラグインのような構成を備えることで、従来のアプリケーション1201に視認署名付文書生成プラグイン1220を組み込むことで、視認署名付文書の生成を可能にする。このため、新たなアプリケーションを開発者が開発する必要なく又は利用者が新たなアプリケーションを導入する必要なく、視認署名付文書を生成することができる。つまり容易に視認署名付文書を生成することが可能となる。
(変形例)
また、上述した各実施の形態に限定されるものではなく、以下に例示するような種々の変形が可能である。
上述した実施の形態において、有効鍵セルの他に複数のセルを用意して、権限のない利用者には変換保護対象情報を示すシンボルを特定できないようにした。しかしながら、本発明は記憶した事物により視覚を通じて改ざんされているか否か検証することを可能にした点に特徴がある。つまり、複数のセルを用意せずに変換保護対象情報を示すシンボルのみで視認署名背景画像を生成し、生成した視認署名背景画像を電子文書と重畳しても良い。また、暗号化鍵を用いる等の所定の処理を行わず、保護対象情報をそのまま変換保護対象情報として用いても良い。
本変形例は、保護対象情報に対して特に処理を行わず、保護対象情報をそのまま変換保護対象情報として用い、シンボルとして視認可能な模様で視認署名背景画像を生成し、この生成した視認署名背景画像を用いて視認署名付文書を生成した場合の例を示したものである。
本変形例の画像形成装置、プリンタドライバ又は視認署名付文書生成プラグインにおいて、図2で示すような電子文書を受け取り、請求額の最高桁数を保護対象情報とした場合、保護対象情報が‘3’となる。そして、暗号化鍵を用いないので生成された変換保護対象情報も‘3’となる。また、所定の配置状態とは、本変形例では電子文書の下の白地領域に配置した状態をいう。
図15は、本変形例で用いる変換保護対象情報と、シンボル系列である模様の対応関係を示した図である。本図で示したような対応関係を利用者が記憶することで、模様が重畳された視認署名付文書を参照した際に、改ざんされているか否か判断することが可能となる。
そして、背景生成部が、図15で示したシンボル系列を用いて変換保護対象情報と対応付けられた模様を選択して視認署名背景画像を生成する。そして、視認署名付文書生成部が視認署名背景画像と電子文書を重畳して、視認署名付文書を生成する。
図16は、本変形例のプリンタドライバ又は視認署名付文書生成プラグインにより生成された視認署名付文書の一例を示した図である。本図で示すように、利用者が図15で示した対応関係を記憶していれば、電子文書に重畳された模様から保護対象情報を導出することが可能であり、保護対象情報が改ざんされているか否か認証することが可能となる。
本変形例で生成された視認署名付文書においても上述した実施の形態と同様に、利用者が変換保護対象情報と模様との対応関係の記憶に基づいて、保護対象情報が改ざんされたか否か検証することが可能である。また、このような対応関係を認識していない者は、保護対象情報に対応する模様を認識することができないため、改ざんすることは困難となる。
また、本変形例で示したように、有効鍵セルの配置場所及び暗号化鍵は本発明に必ずしも必要なものとは限らず、認証する利用者が記憶した事物に基づいて視覚により電子文書の保護対象情報が改ざんされているか否か検出可能な標記が電子文書に重畳されていればよい。