JP4393622B2 - 舗装の路面情報化方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、舗装の路面情報化システムに関し、詳しくは、路面形状に基づいて、切削や舗装の各施工を行うための情報を得ると共に、有効活用し得る各施工後の情報(切削後の路面形状、舗装後の路面形状等)を得る舗装の路面情報化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、路面性状測定車を用いて、舗装の路面評価を行うシステムが知られている。
【0003】
かかるシステムによる路面評価は、例えば平坦性、わだち掘れ、ひび割れ等であり、個々の評価は維持管理指数の総合的な評価を行うようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来では、以上のような舗装の路面評価を行うシステムはあるものの、路面形状に基づいて、切削や舗装の各施工を行うための情報を得ると共に、各施工後の情報(切削後の路面形状、舗装後の路面形状)を有効活用するべく、一連の情報取得を行うような方法はなかった。
【0005】
本発明は、以上のような従来の実情に鑑みてなされたもので、路面の情報、切削や舗装の各施工後の情報(切削後の路面形状、舗装後の路面形状)を有効活用するべく、一連の情報取得を行い得る舗装の路面情報化方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1に係る発明の舗装の路面情報化方法は、
舗装すべき路面の形状を測定してそのデータを記憶する第1の工程と、
前記第1の工程により記憶された路面の形状データと予めこの高さで修繕したいと計画しているフォーメーションのデータに基づいて路面に切削を施した後、路面の形状を測定してそのデータを記憶する第2の工程と、
前記第1の工程により記憶された路面の形状データと前記第2の工程により記憶された路面の形状データに基づいて路面に余盛りを含んだ舗装を施した後、路面の形状を測定してそのデータを記憶する第3の工程と、
舗装路面の出来形を測定してそのデータを、前記第1の工程により記憶された路面の形状データ、前記第2の工程により記憶された路面の形状データ及び前記第3の工程により記憶された路面の形状データと関連付けたデータを管理データとして記憶する第4の工程と、
を含むことを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明は、
前記第1の工程は、路面の所定位置の幅員の両側部の基準点間の所定間隔毎の複数のポイントの路面高さを、前記基準点と共に路面の形状として測定してそのデータを記憶し、
前記第2の工程は、前記複数のポイントのうち両側部のポイント間の切削深さを、前記基準点と共に路面に切削を施した後の路面の形状として測定してそのデータを記憶し、
前記第3の工程は、前記複数のポイントのうち両側部のポイント間の舗装厚さを、前記基準点と共に路面に舗装を施した後の路面の形状として測定してそのデータを記憶し、
前記第4の工程は、前記複数のポイントのうち両側部のポイント間の路面高さを、前記基準点と共に舗装路面の出来形として測定してそのデータを前記路面高さ、切削深さ及び舗装厚さと関連付けたデータを管理データとして記憶することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図において、本発明の舗装の路面情報化方法は、舗装すべき路面の形状を測定してそのデータ(1)を記憶する第1の工程Aと、路面の形状データ(1)と基準高となるフォーメーションのデータ、つまり、予めこの高さで修繕したいと計画しているフォーメーションのデータに基づいて路面に切削を施した後、路面の形状を測定してそのデータ(2)を記憶する第2の工程Bと、前記路面の形状データ(1)並びに切削を施した後の路面の形状データ(2)とに基づいて路面に舗装を施した後、路面の形状を測定してそのデータ(3)を記憶する第3の工程Cと、舗装路面の出来形を測定してそのデータを、前記路面の形状データ(1)、切削を施した後の路面の形状データ(2)及び舗装を施した後の路面の形状データ(3)と関連付けたデータを管理データ(4)として記憶する第4の工程Dと、からなる。
【0009】
この場合、例えば第1の工程Aは、路面の所定位置の幅員の両側部の基準点間の所定間隔毎の複数のポイントの路面高さを、前記基準点と共に路面の形状として測定してそのデータを記憶する。
【0010】
前記第2の工程Bは、前記複数のポイントのうち両側部のポイント間の切削深さを、前記基準点と共に路面に切削を施した後の路面の形状として測定してそのデータを記憶する。
【0011】
この場合、第1の工程Aで測定したデータと予めこの高さで修繕したいと計画しているフォーメーションのデータに基づいて、切削深さ等を決定して切削を施す。
【0012】
前記第3の工程Cは、前記複数のポイントのうち両側部のポイント間の舗装厚さを、前記基準点と共に路面に舗装を施した後の路面の形状として測定してそのデータを記憶する。
【0013】
前記第4の工程Dは、前記複数のポイントのうち両側部のポイント間の路面高さを、前記基準点と共に舗装路面の出来形として測定してそのデータを前記路面高さ、切削深さ及び舗装厚さと関連付けたデータを管理データとして記憶する。
【0014】
これを図2〜図10に基づいて具体的に説明すると、図2は路面の平面を示しており、例えば、路面の延びる方向に沿って所定間隔L毎の地点a〜f(前記所定位置)において、この地点a〜fでの幅員の両側部の基準点X,Y間に所定間隔毎の複数のポイント(×印)が設定される。
【0015】
図3は、路面の延びる方向に沿った線に基づいて路面を縦方向に断面にした図であり、前記基準点X,Yが所定間隔L毎に設定されている。
図4は、前記両側の基準点X,Y間を延びる線に基づいて路面を縦方向に断面にした図であり、基準点X,Y間に所定間隔毎の複数のポイント(×印)が設定されている。
【0016】
前記第1の工程では、上記の複数のポイントの路面高さを、前記基準点X,Yと共に路面の形状として測定してそのデータを記憶する。
路面高さの測定には、路面高さ測定装置が用いられる。
【0017】
かかる路面高さ測定装置2は、図5に示すように、路面性状測定車1に装備され、その車幅方向に複数個の高さセンサ2Aを、車線幅方向の両側基準点の高さが測定できるように配置して構成される。
【0018】
高さセンサ2Aとしては、超音波を利用するもの、赤外線を利用するもの等があるが、レーザを利用した方式が本発明では好ましい。
図5(B)に示すように、高さセンサ2Aの取付位置が車線両端部の基準点5の上方まで延長しなくとも、高さの計測が可能である。
【0019】
尚、かかる路面高さ測定装置2を装備した路面性状測定車1は、走行しながら高さを測定してそのデータを記憶することができる。
このような路面性状測定車1を、本発明の各工程での測定に使用する場合には、その走行を制御し、各基準点位置での路面高さ測定装置2の平面位置が同位置である必要がある。
【0020】
この場合、
▲1▼第1の方法は、車線の両側に走行制御用のガイドを設け、これに沿って路面性状測定車1を走行させる。又、路面性状測定車1には、電気信号を出力できる走行距離計を設ける。
【0021】
走行開始位置を測定区間の手前に設定し、設定開始位置からの走行距離が所定の長さとなる瞬間毎に高さを測定する。
▲2▼かかる第1の方法では、オペレータの熟練が必要があるが、第2の方法では、オペレータは概ね車線に沿った運転を行えば良い。
【0022】
即ち、高さセンサ取付フレームの両端に、例えば、該取付フレームの両先端にガイド検出センサを設けると共に、取付フレームを車幅方向にスライドさせる構造とし、スライドさせるアクチュエータを路面性状測定車1の車体に取り付ける。取付フレーム片側のガイド検出センサが反応しなくなったら、そちらの方向に取付フレームが移動するようにアクチュエータを制御する。
【0023】
▲3▼路面性状測定車1を自動走行できれぱ、更にオペレータの負担を軽減できる。
即ち、第3の方法は、上記取付フレームを車体に固定する構造とし、取付フレーム両端にGPS(Global Positioning System :衛星航法システム)アンテナを取り付ける。
【0024】
路面性状測定車1の車体には、走行輪の角度センサとハンドルの回転角度センサ及び走行距離センサを設置する。
又、ハンドルを回転させるアクチュエータを設ける。GPSにより車体位置を測定し、最初に走行した平面軌跡、若しくは、計画走行軌跡を路面性状測定車1がトレースするように、前記の各センサを併用してハンドルの回転を制御する。
【0025】
▲4▼切削機、転圧機に高さ測定センサを搭載する場合も、▲1▼〜▲3▼での方法で測定位置を合致させることができる。
尚、切削機の走行装置がクローラである場合は、左右のクローラに夫々前後進、停止を作用させる制御装置を搭載する。
【0026】
前記第2の工程では、上記のように、切削を施すが、この場合、図6に示す路面切削機3が用いられる。
路面切削機3の施工方向を制御するには、施工方向の基準点を設定するべく、やはり、施工方向の基準点を検出するガイドセンサを用いるか、GPSから提供される位置評定信号を用いる等する。
【0027】
図7は、前記両側の基準点X,Y間を延びる線に基づいて路面を縦方向に断面にした図であり、複数のポイント(×印)のうち両側部のポイント間が所定深さに切削される。
【0028】
前記第3の工程では、図8に示すフィニッシャ4が用いられ、切削深さよりも厚盛りされた厚さの舗装(余盛りを含んだ舗装)が施される。
フィニッシャ4の施工方向を制御するには、施工方向の基準点を設定するべく、やはり、施工方向の基準点を検出するガイドセンサを用いるか、GPSから提供される位置評定信号を用いる等する。
【0029】
図9は、前記両側の基準点X,Y間を延びる線に基づいて路面を縦方向に断面にした図であり、複数のポイント(×印)のうち両側部のポイント間の切削された部分に舗装が施される。
【0030】
図10は、前記両側の基準点X,Y間を延びる線に基づいて路面を縦方向に断面にした図であり、前記第4の工程にて、複数のポイント(×印)のうち両側部のポイント間の舗装が施された部分の路面高さが、上述した路面性状測定車1に装備された路面高さ測定装置2によって、前記基準点X,Yと共に舗装路面の出来形として測定され、そのデータは前記路面高さ、切削深さ及び舗装厚さと関連付けたデータを管理データとして記憶される。
【0031】
尚、この管理データは、例えば道路管理者用への情報提供資料として用いられる。
かかる舗装の路面情報化方法によれば、路面形状に基づいて、路面切削機3やフィニッシャ4による切削や舗装の各施工を行うための情報を得ることができると共に、各施工後の情報(切削後の路面形状、舗装後の路面形状、舗装路面の出来形)を有効活用することができる。
【0032】
即ち、舗装すべき路面の形状を計測し、このデータに基づいて、切削並びに舗装を行って、更にこれらの切削深さ、舗装厚さデータを次々と取得し、かつ、舗装路面の出来形データを取得することにより、一連の路面情報取得を容易に行うことができ、路面の修復等が容易に行えると共に、路面情報をその後の路面管理等に有効利用することができる。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、舗装すべき路面の形状測定し、このデータに基づいて、切削並びに舗装を行って、更にこれらのデータを次々と取得し、かつ、舗装路面の出来形データを取得することにより、一連の路面情報取得を容易に行うことができ、路面の修復等が容易に行えると共に、路面情報をその後の路面管理等に有効利用することができる。
【0034】
請求項2に係る発明によれば、路面高さに基づいて、切削や舗装の各施工を行うための情報を順次得ることができると共に、切削後の路面形状、舗装後の路面形状、舗装路面の出来形を有効活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の舗装の路面情報化方法の一実施形態を示すブロック図
【図2】 路面の平面を示す図
【図3】 路面の延びる方向に沿った線に基づいて路面を縦方向に断面にした図
【図4】 両側の基準点X,Y間を延びる線(図1中A−A)に基づいて路面を縦方向に断面にした図で、基準点X,Y間に所定間隔毎の複数のポイント(×印)が設定されているのを示す図
【図5】 路面性状測定車を示す図で、(A)は車体側面図、(B)は路面高さ測定装置の正面図、(C)はその拡大図
【図6】 路面切削機を示す図
【図7】 両側の基準点X,Y間を延びる線(図1中A−A)に基づいて路面を縦方向に断面にした図で、複数のポイント(×印)のうち両側部のポイント間が所定深さに切削されているのを示す図
【図8】 フィニッシャを示す図
【図9】 両側の基準点X,Y間を延びる線(図1中A−A)に基づいて路面を縦方向に断面にした図であり、複数のポイント(×印)のうち両側部のポイント間の切削された部分に舗装が施されているのを示す図
【図10】 両側の基準点X,Y間を延びる線(図1中A−A)に基づいて路面を縦方向に断面にした図で、複数のポイント(×印)のうち両側部のポイント間の舗装が施された部分の出来形を示す図
【符号の説明】
X,Y 基準点
1 路面性状測定車
2 路面高さ測定装置
2A 高さセンサ
3 路面切削機
4 フィニッシャ

Claims (2)

  1. 舗装すべき路面の形状を測定してそのデータを記憶する第1の工程と、
    前記第1の工程により記憶された路面の形状データと予めこの高さで修繕したいと計画しているフォーメーションのデータに基づいて路面に切削を施した後、路面の形状を測定してそのデータを記憶する第2の工程と、
    前記第1の工程により記憶された路面の形状データと前記第2の工程により記憶された路面の形状データに基づいて路面に余盛りを含んだ舗装を施した後、路面の形状を測定してそのデータを記憶する第3の工程と、
    舗装路面の出来形を測定してそのデータを、前記第1の工程により記憶された路面の形状データ、前記第2の工程により記憶された路面の形状データ及び前記第3の工程により記憶された路面の形状データと関連付けたデータを管理データとして記憶する第4の工程と、
    を含むことを特徴とする舗装の路面情報化方法。
  2. 前記第1の工程は、路面の所定位置の幅員の両側部の基準点間の所定間隔毎の複数のポイントの路面高さを、前記基準点と共に路面の形状として測定してそのデータを記憶し、
    前記第2の工程は、前記複数のポイントのうち両側部のポイント間の切削深さを、前記基準点と共に路面に切削を施した後の路面の形状として測定してそのデータを記憶し、
    前記第3の工程は、前記複数のポイントのうち両側部のポイント間の舗装厚さを、前記基準点と共に路面に舗装を施した後の路面の形状として測定してそのデータを記憶し、
    前記第4の工程は、前記複数のポイントのうち両側部のポイント間の路面高さを、前記基準点と共に舗装路面の出来形として測定してそのデータを前記路面高さ、切削深さ及び舗装厚さと関連付けたデータを管理データとして記憶することを特徴とする請求項1記載の舗装の路面情報化方法。
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