JP4393066B2 - 例えば自動車用の、噴射ノズルの噴射量の測定方法、コンピュータプログラムおよび装置 - Google Patents

例えば自動車用の、噴射ノズルの噴射量の測定方法、コンピュータプログラムおよび装置 Download PDF

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Description

【0001】
従来の技術
本発明はまず、例えば自動車用でかつ例えば製造検査において噴射システムの噴射量を測定するための方法であって、検査流体を噴射システムから測定室に噴射しかつ該噴射によって生じる、測定室を少なくとも領域的に形成するピストンの動きを検出装置によって検出し、該検出装置が測定信号を供給するという形式の方法に関する。
【0002】
この種の方法は市場において公知である。方法の適用は、EMI(Einspritzmengenindikator)(噴射量インジケータ)と称される装置を使用して行われる。これは、ピストンがガイドされているケーシングから成っている。ケーシングの内室およびピストンが測定室を形成している。これは開口を有していて、そこに噴射システム、例えばインジェクタの噴射ノズルが気密に装着されるようになっている。噴射システムが燃料を測定室に噴射すると、測定室に存在している流体が押し出される。これによりピストンが動き、このことが行程センサによって検出される。ピストンの行程から、測定室ないしそこに保持されている流体のボリューム変化、これにより噴射された燃料流を推定することができる。
【0003】
ピストンの動きを測定するために、公知の噴射量インジケータの場合、測定ロッドと誘導的な行程測定システムとから成る装置によって測定される。測定ロッドは触子として実現されておりまたはピストンと固定的に連結されている。すなわちピストンが動くと、測定ロッドも動き、かつ最終的には測定ロッドの動きが検出されかつ相応の信号が評価ユニットに送出される。
【0004】
この公知の方法は、測定ロッドの検出された動きを考慮して既に非常に高い精度で動作する。しかしこの動きから計算される、噴射された検査流体の質量並びに同様にそこから計算される、噴射された燃料のボリュームは精度を考慮すると行程測定より多少劣っている。この問題は、ピストンの動きが僅かであればある程、すなわち噴射される検査流体量が少なければ少ない程、ますます大きくなる。しかしこのような僅かな量の検査流体こそ、今日および将来の噴射ノズルによって確実に噴射できなければならない。
【0005】
従って本発明の課題は、冒頭に述べた形式の方法を、該方法によって、噴射された検査流体質量および噴射された検査流体ボリュームを一層正確に突き止めることができるように改良することである。
【0006】
この課題は、測定室における検査流体の圧力を検出しかつ測定信号を該検出された圧力を考慮して処理することによって解決される。
【0007】
発明の利点
この構成によって、検査流体の噴射の際に、実際に噴射された流体質量を一層高い精度で突き止めることができるようになる。本発明によれば、突き止められたボリュームの質量はこのボリューム内に生じている密度に依存していることが認識された。しかしボリューム内の密度はボリュームに生じている圧力にも依存している。
【0008】
本発明により、測定室に存在している検査流体中に生じている圧力を検出することによって、測定室における検査流体の特性を正確に突き止め、これにより相応する噴射質量も測定されたボリュームから正確に計算することができる。測定室に実際に生じている圧力を考慮することによって、更に、所定の圧力において測定された噴射されたボリュームを所定の参照値(例えば1bar)に基づいて換算することができる。このようにして、種々異なった噴射ないし種々異なっている噴射システムを相互に比較することが非常に申し分なく可能である。というのは、このように測定された噴射量は同じ周囲条件に基づいているからである。
【0009】
従って本発明の方法により、測定室に噴射された検査流体の質量の特定が一層正確に行われかつ更にそこから、所定の周囲条件に関連付けられたボリュームの計算が可能になり、これにより次には種々異なっている噴射システムの一層良好な比較が可能になる。
【0010】
本発明の有利な実施形態は従属請求項に記載されている。
【0011】
第1の本発明の実施形態において、測定室における検査流体の温度を検出しかつ測定信号を検査流体の温度を考慮して処理することが提案される。この実施形態により、測定室に存在している検査流体の特性が圧力のみならず、測定室において検査流体が有している温度にも依存していることが考慮される。これにより精度および検査量の比較能力は一段と改善される。
【0012】
更に、測定された圧力および場合により測定された温度を考慮して、測定室における検査流体の密度を求めかつそこから参照圧力が所定でかつ場合により参照温度が所定の場合の参照ボリュームを突き止めることが提案される。このことは、種々異なっている噴射システムの品質を正確に比較することができるパラメータを求める簡単にしてかつ非常に正確な方法である。
【0013】
本発明の方法の別の実施形態において、噴射の期間の圧力の経過を検出しかつ測定信号を検出された圧力の経過を考慮して処理することが記載されている。これにより、噴射期間中測定室における圧力は場合によっては変化するという事実を考慮することができる。
【0014】
更に本発明によれば、測定室における検査流体の圧力が限界範囲外にあるとき、エラー通報を行うことが提案される。正確な測定のためには、測定室における検査流体の圧力が所定の値領域内にあることが比較的に重要である。測定室における圧力が高すぎると、低すぎる圧力と同様に、測定結果に歪みが生じることになる。このことはこの実施形態によって考慮される。
【0015】
その際特別有利には、測定室における検査流体の圧力が限界範囲を上回っているとき、安全装置を作動させ、該安全装置が測定室における検査流体の圧力を下げるようにする。すなわち例えば、ピストンの動きがロックされていることが起こり得る。この場合、噴射の際に測定室における圧力が測定装置に対してクリチカルであるレベルに上昇する可能性がある。このことは圧力測定によって識別することができかつ相応の対抗措置をとることができる。
【0016】
本発明は、本発明の方法がコンピュータにおいて実現されているとき、それを実施するのに適しているコンピュータプログラムにも関する。その際コンピュータプログラムがメモリ、殊にフラッシュメモリに記憶されていると特別有利である。
【0017】
本発明は更に、例えば自動車用でかつ例えば製造検査において噴射システムの噴射量を測定するための装置であって、噴射システムから検査流体を噴射することができる測定室を備え、少なくとも領域的に測定室を形成しているピストンを備え、ピストンの動きを検出しかつ相応の測定信号を送出する検出装置を備えている形式のものに関する。
【0018】
噴射された流体質量を突き止める際の精度を高めかつ更に種々異なった噴射の際に測定される噴射量および噴射ボリュームの改良された比較を可能にするために、本発明によれば、該装置が、測定室における検査流体の圧力に対する検出装置を有しており並びに制御および処理装置を含んでおり、該制御および処理装置において前記測定信号は該検出された圧力を考慮して処理されることが提案される。
【0019】
その際、制御および処理装置が請求項7または8のいずれかに記載のコンピュータプログラムを備えているようにすれば特別有利である。
【0020】
図面
次に本発明の実施例を添付図面を参照して詳細に説明する。図面にはその際:
図1は噴射ノズルの噴射量を測定するための装置の実施例の断面を示し、
図2は図1の装置を作動するための方法のフローチャートを示している。
【0021】
実施例の説明
図1において噴射システムの噴射量を測定するための装置全体が10で示されている。この装置は中央に配置されている基体12を有している。これはケース14上に保持されている。このケースは基板16の上に立てられている。装置10の固定は基板16において行われる。
【0022】
中央の基体12には実質的に同心の段付き孔部18が形成されている。この孔部の最上部分にはシリンダ形状のはめ込み物20が挿入されている。これは鍔部22が中央基体12の上側に支持されている。はめ込み物20にはヘッド部24が気密に装着されている。ヘッド部にも段付き孔部26が形成されている。この段付き孔は図1に示されている組み立てられている状態において段付き孔部18と同軸的に延在している。段付き孔部26には上からアダプター28が挿入されておりかつ段付き孔部26に対してOリング30によってシールされている。アダプター28には噴射ノズル33を備えたインジェクタ32を持っている噴射システムが挿入されている。インジェクタ32の方は高圧検査流体供給部(図示されていない)に接続されている。ヘッド部24の段付き孔26の下側の領域に噴射緩衝体34が挿入されている。
【0023】
はめ込み物20にも孔部38が存在している。この孔部は図1に示されている組み込み位置において段付き孔部18ないし段付き孔26と同軸的に延在している。この孔部38にはピストン40が滑動するようにガイドされている。ピストン40はコイルばね42によって上方に押し上げられる。コイルばね42は測定発生器収容部44に支持される。測定室45はピストン40の上面、噴射緩衝体34のねじのない領域および段付き孔部26の下側の領域によって形成される。ピストン40は閉鎖された中空体として実現されている。
【0024】
ピストン40とヘッド部24との間に形成されている測定室45には検査流体(参照番号なし)が充填される。測定室45におけるこの検査流体の圧力は圧力センサ50によって測定される。圧力センサは図1の断面レベルの外側に配置されており、それ故に図1には象徴的にしか示されていない。圧力センサ50は斜め方向の貫通孔(図示されていない)を通して測定室45に導入されている。測定室45における検査流体の温度は温度センサ46によって検出される。圧力センサ50および温度センサ46は制御および処理装置52に接続されている。制御および処理装置の出力側は磁気的な排出弁53に接続されている。この排出弁によって測定室45から検査流体を導出することができる。中央の基体12の左側に更に、均圧弁54が図示されている。この弁はピストン40下のガス圧力が種々異なっていても、電磁的に操作可能な排出弁53が開放されているとき、ピストン40下のガス圧に殆ど無関係な排出速度が測定室45に生じるようにするものである。
【0025】
測定発生器収容部44にも段付き孔部が存在している。これは図1に図示の組み込み位置において同様にその他の段付き孔部18,26および38と同軸である。測定発生器収容部44の下面に、シリンダ形状の突出部60を備えているばね保持体58がマウントされている。突出部60は段付き孔部56に係合している。ばね保持体58ないしその突出部60も中央の段付き孔部62を有している。これは下方に向かって開いている。
【0026】
ばね保持体58における段付き孔部62の突出部に、コイルばね64が支持されている。このばねはセンサ保持体66を上方に向かって、半径方向に内側を向いている、測定発生器収容部44の鍔部に対してばね負荷する。センサ保持体66は全体が管ないしスリーブ形状でありかつその上側の領域において渦流センサ68が、その上側の端部がピストン40の下側の端部の下に僅かな間隔を置いて位置しているようにねじ込まれている。渦流センサ68の接続線路は管形状のセンサ保持体66およびばね保持体58を通って外にガイドされておりかつ制御および処理装置52に接続されている。
【0027】
ピストン40が例えば2回の噴射ないし2回の噴射サイクル間で測定室45の排出が少なすぎるという障害時に極端に下方に下がったとすると、その下面が渦流センサ68の上面に当接することになる。コイルばね64によるセンサ保持体66の支持に基づいて、ピストン40は渦流センサ68およびセンサ保持体66と一緒にこの場合コイルばね64のばねバイアス力に抗して更に下方に移動することができる。ピストン40は、検査流体がはめ込み物20の段付き孔部38の円周ナット(参照番号なし)を通って測定室45から外に流出することができるところまで低下しても構わない。このようにして障害発生時の装置10の損傷が妨げられる。
【0028】
図1に図示の、噴射ノズル28の噴射量を測定するための装置10は次の方法に従って動作する(図2参照)。
【0029】
高圧検査流体供給部を介して噴射システム32およびその噴射ノズル33に検査流体(図示されていない)が供給されかつ噴射緩衝体34を介して同様に検査流体が充填される測定室45に噴射される。噴射緩衝体34によって、噴射ビームがピストン40の上面に直接当たるのが妨げられる。噴射ビームがピストン40に直接当たると、ピストンが噴射の実際の経過に対応していない振動をし始める可能性がある。測定室45に検査流体を噴射することによって、測定室45における検査流体のボリュームは高められる。測定室45に付加的に達するボリュームはピストン40を下方にコイルばね64の力およびピストン40下のガス圧力に抗して動かす。これによりピストン40の下面と渦流センサ68との間の間隔は変化する。
【0030】
渦流センサ68とピストン40の下面との間の間隔が変化することで結果的に、渦流センサ68の巻線の入口側において複素入力インピーダンスが変化することになる。この変化は制御および処理装置52において測定技術的に評価されかつそこから、ピストン40が移動した距離が突き止められる(図2のブロック72)。
【0031】
測定された距離smから−ブロック71における計算のスタート後−ブロック74においてボリュームVmが求められる。これは、ピストン40の移動に基づいて測定室45が拡大した分のボリュームに相応している。このボリュームは測定された距離smおよびピストン40の横断面積とから計算される。この横断面積はブロック76において用意されかつメモリ78から呼び出される。
【0032】
ブロック80において、「押しのけボリューム」とも称されるこのボリュームVmから、検査流体の噴射質量miが計算される。このことは、押しのけボリュームVmと検査流体の密度ρとの乗算によって行われる。しかし測定室45に存在している検査流体の密度ρは一方において温度T(ブロック82)および他方において測定室45における検査流体に生じている圧力p(ブロック84)に依存している。これらは圧力センサ50ないし温度センサ46によって検出され、かつ検出された値からブロック60においてまず、検出された圧力pないし検出された温度Tにおいて測定室45の検査流体に生じている密度ρが突き止められかつ引き続いてそこから噴射質量miが突き止められる。
【0033】
測定室45に噴射された検査流体の実際に噴射された質量miから次いで、ブロック86において所定の圧力pnormおよび所定の温度tnormに関連付けられた参照ないし基準ボリュームが計算される。この参照ないし基準ボリュームは種々様々な噴射と比較するのにないし種々異なっている噴射システム32と比較するのに特に申し分なく適している。図2に図示の方法はブロック92において終了する。
【0034】
従って図1に図示の装置ないし図2に説明されている方法によって、定められている基準条件(基準温度および基準圧力)において測定室45に噴射されたボリュームの計算の際の精度および実際に噴射された検査流体の計算を著しく改善することができる。小さな噴射量の測定の場合にはまさに、精度のこの向上は特別大きな効果を発揮する。
【0035】
図示されていない実施例において、圧力センサによって検出される、測定室45における検査流体に生じている圧力は装置のエラーないし安全性監視のためにも使用される。測定室における検査流体の圧力が規定の限界領域の外側にあると、システムにエラーがあるものと出発することができ、その場合エラー通報が行われる。すなわち、ピストンがひっかかってロックしている場合測定室の圧力は非常に迅速に高くなる可能性がある。この圧力のために装置が損傷を受けることがある。この場合測定室における検査流体の圧力が限界領域を上回ると、制御および処理装置によって磁気的な排出弁が制御され、その結果これは開放されかつ検査流体は測定室から排出されかつ測定室における圧力は低下する。これにより、例えばピストンがロックすることに基づく装置の損傷は確実に妨げられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 噴射ノズルの噴射量を測定するための装置の実施例の断面略図である。
【図2】 図1の装置を作動するための方法のフローチャートである。

Claims (12)

  1. 射システム(32,33)により、燃料を測定室(45)に噴射し、該測定室の可動の壁がピストンによって形成されており、
    第1のセンサ(68)により、前記噴射によって生じる、前記測定室ピストン(40)の動き検出し、該第1のセンサが測定信号(sm)を供給する形式の
    自動車用の製造検査において噴射システムの噴射量を測定するための方法において、
    第2のセンサ(50)により、前記測定室おける前記燃料の圧力(p)を検出し、
    制御および処理装置(52)により、前記第1のセンサが供給した測定信号(sm)から前記燃料のボリューム(Vm)を求め、また、前記第2のセンサが検出した圧力から前記測定室における前記燃料の密度(ρ)を求め、
    前記燃料のボリュームと前記燃料の密度とを乗算して前記燃料の噴射質量(mi)を計算する
    ことを特徴とする自動車用の製造検査において噴射システムの噴射量を測定するための方法
  2. さらに、第3のセンサ(46)により、前記測定室における前記燃料の温度(T)を検出し、前記制御および処理装置(52)により、該検出された温度および前記検出された圧力から前記測定室における燃料の密度を求める、請求項1記載の方法
  3. 前記制御および処理装置(52)により、圧力が所定でありかつ温度が所定である場合(Tnorm,Pnorm)の参照ボリューム(Vnorm)を求め、前記求められたボリュームと比較する、請求項2記載の方法
  4. 噴射の期間中の圧力の経過を検出する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. 前記測定室おける燃料の圧力限界範囲外にあるとき、エラー通報を行う、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  6. 前記測定室おける燃料の圧力限界範囲を上回っているとき、安全装置(53)を作動させて前記測定室おける前記燃料の圧力下げる、請求項記載の方法。
  7. 請求項1から6までに記載の方法がコンピュータにおいて実現されているとき、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法をコンピュータに実施させるのに適していることを特徴とするコンピュータプログラム。
  8. ラッシュメモリに記憶されている、請求項7記載のコンピュータプログラム。
  9. 測定室の可動の壁がピストンによって形成されており、
    燃料を前記測定室(45)に噴射する噴射システム(32,33)と、
    前記噴射によって生じる、前記測定室のピストン(40)の動きを検出して測定信号(sm)を供給する第1のセンサ(68)とが設けられている形式の
    自動車用の製造検査において噴射システムの噴射量を測定するための装置において、
    さらに、前記ピストンによって形成される前記測定室における前記燃料の圧力(p)を検出する第2のセンサ(50)と、
    前記第1のセンサが供給した測定信号(sm)から前記燃料のボリューム(Vm)を求め、また、前記第2のセンサが検出した圧力から前記測定室における前記燃料の密度(ρ)を求め、前記燃料のボリュームと前記燃料の密度とを乗算して前記燃料の噴射質量(mi)を計算する制御および処理装置(52)とが
    が設けられている
    ことを特徴とする自動車用の製造検査において噴射システムの噴射量を測定するための装置
  10. さらに、前記測定室における前記燃料の温度(T)を検出する第3のセンサ(46)が設けられており、前記制御および処理装置(52)により、該検出された温度および前記検出された圧力から前記測定室における燃料の密度を求める、請求項9記載の装置
  11. 前記制御および処理装置(52)により、圧力が所定でありかつ温度が所定である場合(Tnorm,Pnorm)の参照ボリューム(Vnorm)が求められ、前記求められたボリュームと比較される、請求項10記載の装置
  12. 前記制御および処理装置(52)は請求項7または8に記載のコンピュータプログラムを備えている、請求項9から11までのいずれか1項記載の装置。
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