以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図2は本発明の第1の実施の形態における車両用ナビゲーション装置の構成を示す図、図3は本発明の第1の実施の形態における車両用ナビゲーション装置の機能の観点からみた構成を示す図である。
図2において、15は乗用車、トラック、バス、オートバイ等の車両に搭載されたナビゲーション装置としての車両用ナビゲーション装置であり、一種のコンピュータである。前記車両用ナビゲーション装置15は、現在位置を検出する現在位置検出処理部18、道路データ、探索データ等が記録された記憶媒体としてのデータ記録部16、入力された情報に基づいて、ナビゲーション処理等の各種の演算処理を行うナビゲーション処理部17、入力部34、表示部35、音声入力部36、音声出力部37及び通信部38を有し、前記ナビゲーション処理部17に車速センサ41が接続される。
そして、前記現在位置検出処理部18は、GPS(Global Positioning System)センサ21、地磁気センサ22、距離センサ23、ステアリングセンサ24、ビーコンセンサ25、ジャイロセンサ26、図示されない高度計等から成る。なお、前記GPSセンサ21、地磁気センサ22、距離センサ23、ステアリングセンサ24、ビーコンセンサ25、ジャイロセンサ26、高度計等の中のいくつかは、製造コスト等の観点から、適宜省略することもできる。
そして、前記GPSセンサ21は、人工衛星(GPS衛星)から送信された電波を受信することによって地球上における現在位置を検出し、前記地磁気センサ22は、地磁気を測定することによって車両が向いている方位を検出し、前記距離センサ23は、道路上の所定の位置間の距離等を検出する。前記距離センサ23としては、例えば、図示されない車輪の回転数を測定し、該回転数に基づいて距離を検出するもの、加速度を測定し、該加速度を二回積分して距離を検出するもの等を使用することができる。
また、前記ステアリングセンサ24は、舵(だ)角を検出し、前記ステアリングセンサ24としては、例えば、図示されないステアリングホイールの回転部に取り付けられた光学的な回転センサ、回転抵抗センサ、車輪に取り付けられた角度センサ等が使用される。
そして、前記ビーコンセンサ25は、道路に沿って配設されたビーコンからの位置情報を受信して現在位置を検出する。前記ジャイロセンサ26は、車両の回転角速度、すなわち、旋回角を検出し、前記ジャイロセンサ26としては、例えば、ガスレートジャイロ、振動ジャイロ等が使用される。そして、前記ジャイロセンサ26によって検出された旋回角を積分することによって、車両が向いている方位を検出することができる。
なお、前記GPSセンサ21及びビーコンセンサ25は、それぞれ、単独で現在位置を検出することができる。そして、距離センサ23によって検出された距離と、地磁気センサ22及びジャイロセンサ26によって検出された方位とを組み合わせることによって現在位置を検出することもできる。また、距離センサ23によって検出された距離と、ステアリングセンサ24によって検出された舵角とを組み合わせることによって現在位置を検出することもできる。
そして、前記データ記録部16は、各種のデータファイルから成るデータベースを備え、経路を探索するための探索データの他、前記表示部35の画面に、探索された経路に沿って案内図を表示したり、交差点又は経路における特徴的な写真、コマ図等を表示したり、次の交差点までの距離、次の交差点における進行方向等を表示したり、他の案内情報を表示したりするために、地図データ、施設データ等の各種のデータを記録する。なお、前記データ記録部16には、所定の情報を音声出力部37によって音声出力するための各種のデータも記録される。
ここで、前記探索データには、交差点データ、ノードデータ、道路データ、交通規制データ及び経路表示データが含まれる。そして、前記交差点データには、データが格納されている交差点の数に加え、それぞれの交差点に関するデータが交差点データとして、識別するための番号が付与されて格納されている。さらに、それぞれの前記交差点データには、該当する交差点に接続する道路、すなわち、接続道路の数に加え、それぞれの接続道路を識別するための番号が付与されて格納されている。なお、前記交差点データには、交差点の種類、すなわち、交通信号灯器の設置されている交差点であるか又は交通信号灯器の設置されていない交差点であるかの区別が含まれていてもよい。また、前記ノードデータは、前記地図データファイルに記録された地図データにおける少なくとも道路の位置及び形状を構成するものであり、実際の道路の分岐点(交差点、T字路等を含む)、ノード、及び、各ノード間を連結するリンクを示すデータから成る。さらに、前記ノードは、少なくとも道路の屈曲点の位置を示す。
また、前記道路データには、データが格納されている道路の数に加え、それぞれの道路に関するデータが道路データとして、識別するための番号が付与されて格納されている。そして、それぞれの前記道路データには、道路種別、それぞれの道路の長さとしての距離、それぞれの道路を走行するのに要する時間としての旅行時間等が格納されている。さらに、前記道路種別には、国道、県道、主要地方道、一般道、高速道路等の行政道路属性が含まれる。
なお、前記道路データには、道路自体について、幅員、勾(こう)配、カント、高度、バンク、路面の状態、中央分離帯があるか否か、道路の車線数、該車線数の減少する地点、幅員の狭くなる地点等のデータが含まれることが望ましい。そして、高速道路や幹線道路の場合、対向方向の車線のそれぞれが別個の道路データとして格納され、二条化道路として処理される。例えば、片側二車線以上の幹線道路の場合、二条化道路として処理され、上り方向の車線と下り方向の車線は、それぞれ、独立した道路として道路データに格納される。さらに、コーナについては、曲率半径、交差点、T字路、コーナの入口等のデータが含まれることが望ましい。また、踏切、高速道路出入口ランプウェイ、高速道路の料金所、降坂路、登坂路等の道路属性が含まれていてもよい。
また、前記ナビゲーション処理部17は、車両用ナビゲーション装置15の全体の制御を行うCPU、MPU等の演算手段としてのプロセッサ31、該プロセッサ31が各種の演算処理を行うに当たりワーキングメモリとして使用されるRAM(Random Access Memory)32、及び、制御プログラムの他、目的地までの経路の探索、経路中の走行案内、特定区間の決定、地点、施設等の検索等を行うための各種のプログラムが記録された記憶媒体としてのROM(Read Only Memory)33から成る。そして、前記ナビゲーション処理部17には、前記入力部34、表示部35、音声入力部36、音声出力部37及び通信部38が接続される。そして、経路の探索、経路中の走行案内、特定区間の決定、地点、施設等の検索等の各種処理を実行する。なお、前記音声入力部36、音声出力部37等は、製造コスト等の観点から、適宜省略することもできる。
また、前記プログラムや、探索データ、道路データ等を記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、半導体メモリだけでなく、磁気テープ、磁気ディスク、磁気ドラム、CD−R/W、MD、DVD−RAM、DVD−R/W、光ディスク、MO、ICカード、光カード、メモリカード等、あらゆる形態の記憶媒体を含むものである。
なお、前記データ記録部16及びROM33は、図示されない磁気コア、半導体メモリ等によって構成される。また、前記データ記録部16及びROM33として、磁気テープ、磁気ディスク、磁気ドラム、CD−R/W、MD、DVD−RAM、DVD−R/W、光ディスク、MO、ICカード、光カード、メモリカード等の各種の記憶媒体を使用することもできる。該記憶媒体は、車両用ナビゲーション装置15にあらかじめ据え付けられたものであってもよく、ユーザによって適宜交換可能なものであってもよい。
本実施の形態においては、前記ROM33に各種のプログラムが記憶され、前記データ記録部16に各種のデータが記録されるようになっているが、プログラム及びデータを同じように外部記憶媒体に記録することもできる。この場合、例えば、前記ナビゲーション処理部17に図示されないフラッシュメモリ等の記憶媒体を配設し、前記外部記憶媒体から前記プログラム及びデータを読み出して前記記憶媒体に書き込むこともできる。したがって、外部記憶媒体を交換することによって前記プログラム及びデータを更新することができる。このように、各種の記憶媒体に記憶されたプログラムを起動し、データに基づいて各種の処理を行うことができる。なお、前記外部記憶媒体は、磁気テープ、磁気ディスク、磁気ドラム、CD−R/W、MD、DVD−RAM、DVD−R/W、光ディスク、MO、ICカード、光カード、メモリカード等いかなる種類のものであってもよい。
さらに、前記通信部38は、FM送信装置、電話回線網、インターネット、携帯電話回線網、無線LAN(Local Area Network)等との間で各種のデータの送受信を行うためのものであり、例えば、図示されない情報センサ等によって受信した渋滞等の道路情報、交通事故情報、GPSセンサ21の検出誤差を検出するD−GPS情報等の各種のデータを受信する。また、本発明の機能を実現するためのプログラム、車両用ナビゲーション装置15を作動させるためのその他のプログラム、データ等を、情報センタ(インターネットサーバ、ナビゲーション用サーバ等)から複数の基地局(インターネットのプロバイダ端末、前記通信部38と電話回線網、通信回線網等を介して接続された通信局等)に送信し、さらに各基地局から通信部38に送信することもできる。このようなシステムを使用する場合、各基地局から送信された前記プログラム及びデータの少なくとも一部が受信されると、前記プロセッサ31は、読み書き可能なメモリ、例えば、RAM32、フラッシュメモリ、ハードディスク等の記憶媒体にダウンロードし、前記プログラムを起動し、データに基づいて各種の処理を行うことができる。
この場合、例えば、プログラム及びデータを異なる記憶媒体に記憶したり、同じ記憶媒体に記憶したりすることもできる。
また、家庭用のパーソナルコンピュータを使用し、前記情報センタから送信されたプログラム、データ等をパーソナルコンピュータに対して取り外し可能なメモリカード、CD−R等の記憶媒体にダウンロードし、前記プログラムを起動し、データに基づいて各種の処理を行うこともできる。
そして、前記入力部34は、走行開始時の位置を修正したり、目的地を入力したりするためのものであり、前記車両用ナビゲーション装置15の本体に配設された操作キー、押しボタン、ジョグダイヤル、十字キー等から成るものであるが、リモートコントローラであってもよい。なお、表示部35がタッチパネルである場合には、前記表示部35の画面に表示された操作キー、操作メニュー等の操作スイッチから成るものであることが望ましい。この場合、通常のタッチパネルのように前記操作スイッチを押す、すなわち、タッチすることによって、入力を行うことができる。
そして、前記表示部35の画面には、操作案内、操作メニュー、操作キーの案内、現在位置から目的地までの経路、該経路に沿った案内情報等が表示される。前記表示部35としては、CRT、液晶ディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイ、プラズマディスプレイ、フロントガラスにホログラムを投影するホログラム装置等を使用することができる。
また、音声入力部36は、図示されない音声認識用のマイクロホン、音声認識装置等を備え、音声によって必要な情報を入力することができる。これにより、操作者は、入力部34の操作スイッチ等を操作することなく、音声によって目的地等を入力したり、経路探索等を行わせることができる。さらに、音声出力部37は、図示されない音声合成装置及びスピーカを備え、音声情報、例えば、音声合成装置によって合成された音声から成る案内情報、変速情報等をスピーカから出力し、操作者に知らせる。なお、音声合成装置によって合成された音声の他に、各種の音、あらかじめテープ、メモリ等に録音された各種の案内情報をスピーカから出力することもできる。
本実施の形態において、図3に示されるように、車両用ナビゲーション装置15は、機能の観点から、入力された出発地から目的地までの経路を探索する経路探索部42、過去の経路を出発地及び目的地とともに記憶経路として格納する経路記憶部43、探索された経路と前記記憶経路とを比較する経路比較部44、該経路比較部44の比較結果に基づいて案内経路を設定する案内経路設定部45、及び、所望の地点を登録地点として登録する地点登録部46を有する。
ここで、前記経路探索部42は、通常のナビゲーション装置と同様に、出発地から目的地までの経路を探索する。なお、出発地は、通常、車両の現在位置が自動的に入力されるが、操作者が任意の地点を出発地として入力することもできる。そして、前記経路探索部42は、データ記録部16に格納されたデータベースにアクセスして、出発地から目的地までの距離が最短となるように経路を探索したり、所要時間が最短となるように経路を探索するが、VICS(R)(道路交通情報通信システム:Vehicle Information & Communication System)等の道路交通情報を参照して経路を探索してもよい。なお、該経路が案内の対象としての経路、すなわち、案内経路として設定されると、前記表示部35の画面に前記案内経路や該案内経路に沿った案内情報が表示されたり、音声出力部37から案内情報が音声出力されることによって、経路案内が行われる。
また、前記経路記憶部43は、経路案内に従って車両が走行した出発地から目的地までの経路であり、車両が目的地に到着した後に、操作者が記憶すべきものとして選択した経路を、各ノードの通過時刻、出発地及び目的地とともに記憶経路としてルートバンクに格納する。ここで、該ルートバンクは、データ記録部16、RAM32等の記憶手段内に設定された記憶経路を格納するための記憶領域である。なお、前記経路記憶部43は、経路案内が行われた経路以外の経路を記憶経路とすることもできる。例えば、通勤経路、通学経路等のように日常的に走行する経路を、車両の走行軌跡に基づいて、記憶経路とすることができる。この場合、自宅、勤務地、学校等をあらかじめ登録地点として操作者が選択して地点登録部46に登録しておくことによって、前記登録地点を結ぶ車両の走行軌跡を日常的に走行する経路と判断することができる。また、例えば、一週間に一度以上等のように所定以上の頻度で走行する経路を、車両の走行軌跡に基づいて、記憶経路とすることができる。この場合、記憶されている過去の車両の走行軌跡の中で重複する頻度が所定以上のものを、所定以上の頻度で走行する経路と判断することができる。
さらに、前記経路比較部44は、探索された経路と出発地又は目的地と一致する記憶経路があるか否かを判断し、ある場合には、前記探索された経路と前記記憶経路とが同一のノードを含んでいるか否かを判断する。すなわち、前記経路比較部44は、前記経路探索部42によって探索された経路と前記ルートバンクに格納されている記憶経路とを比較し、探索された経路と出発地又は目的地が一致する記憶経路があるか否かを判断する。そして、出発地又は目的地のいずれかが一致する記憶経路がある場合、前記経路比較部44は、両方の経路が同一のノードを含んでいるか否か、すなわち、両方の経路が交差する箇所があるか否かを判断する。そして、両方の経路が同一のノードを含んでいる場合、すなわち、両方の経路が交差する箇所がある場合、前記経路比較部44は、さらに、出発地又は目的地のいずれが一致するのかを判断する。
さらに、前記案内経路設定部45は、経路比較部44の比較によって、探索された経路と記憶経路との出発地又は目的地が一致し、かつ、前記探索された経路と前記記憶経路とが同一のノードを含んでいる場合、前記探索された経路における前記同一のノードの通過予想時刻と前記記憶経路における前記同一のノードの通過時刻とに基づいて、前記出発地又は目的地から前記同一のノードまでの記憶経路を案内経路とするか否かを判断する。
例えば、探索された経路における同一のノードの通過予想時刻と記憶経路における同一のノードの通過時刻との差が所定値未満、例えば、60分未満である場合には、出発地又は目的地から前記同一のノードまでの記憶経路を案内経路として設定する。また、探索された経路における同一のノードの通過予想時刻と記憶経路における同一のノードの通過時刻との差が前記所定値以上である場合には、出発地又は目的地から前記同一のノードまでの記憶経路を案内経路として設定する否かを操作者に選択させ、該操作者が設定する旨を選択したときには記憶経路を案内経路として設定し、前記操作者が設定しない旨を選択したときには探索された経路を案内経路として設定する。なお、前記探索された経路における同一のノードの通過予想時刻は、出発地又は目的地から前記同一のノードまでの距離とデータ記録部16に記録されている各道路種別に対応する車速とによって算出してもよいし、通信部38が受信した渋滞等の道路情報を使用して算出することもできる。
これにより、出発地周辺のエリアにおいては、出発地からの案内経路として、探索された経路よりも操作者にとって、より適切な経路である記憶経路を設定することができる。また、目的地周辺のエリアにおいては、目的地までの案内経路として、探索された経路よりも操作者にとって、より適切な経路である記憶経路を設定することができる。なお、通過予想時刻と記憶経路を通過する時刻とが離れている場合には、記憶経路を設定するか否かを操作者が選択することができるようになっている。そのため、前記記憶経路が、例えば、朝の通勤時間帯であるからこそ選択された経路であったり、夜間の時間帯であるからこそ選択された経路であったりする場合のように、通過時刻との関連で選択された経路である場合でも、操作者にとってより適切な経路を設定することができる。
なお、探索された経路と出発地及び目的地がともに一致する記憶経路がある場合、前記案内経路設定部45は、記憶経路を案内経路として設定する。
次に、前記構成の車両用ナビゲーション装置15の動作について説明する。まず、経路を記憶経路としてルートバンクに格納する動作について説明する。
図4は本発明の第1の実施の形態における車両用ナビゲーション装置の記憶経路を示す図、図5は本発明の第1の実施の形態における車両用ナビゲーション装置の経路を記憶経路としてルートバンクに格納する動作を示すフローチャートである。
まず、車両の運転者等の操作者は、入力部34を操作して、図4に示されるような目的地52を設定し、該目的地52までの経路53aを記憶するように入力する。なお、図4は表示部35の表示画面に表示された状態を示している。すると、経路記憶部43は、現在位置検出処理部18が検出した車両の現在位置を出発地51とし、該出発地51と前記目的地52とを記録する。この場合、前記出発地51及び目的地52の位置座標が記録される。そして、車両が走行を開始すると、前記経路記憶部43は、所要時間の測定、各ノードを通過した時刻の測定及び走行した経路53aの記録を開始する。ここで、該経路53aは、車両の走行軌跡に基づいて記録されるので、実際の走行経路が記録される。
そして、車両が目的地52に到着すると、前記経路記憶部43は、所要時間の測定、各ノードを通過した時刻の測定及び走行した経路53aの記録を終了し、今回走行した経路53aを記憶経路としてルートバンクに格納するか否かを操作者に選択させる。この場合、表示部35の表示画面上に、今回走行した経路53aを記憶するか否かの質問と、「記憶する」及び「記憶しない」を選択するための選択手段が表示される。この場合、操作者の選択を容易にするために、表示部35の表示画面上に、図4に示されるように、走行した経路53aを表示してもよい。さらに、測定された所要時間等を表示することもできる。そして、操作者は、入力部34の操作キー等を操作して「記憶する」又は「記憶しない」を選択する。
ここで、操作者が「記憶する」を選択した場合、前記経路記憶部43は、出発地51、目的地52、所要時間とともに、今回走行した経路53aを記憶経路53としてルートバンクに格納する。また、操作者が「記憶しない」を選択した場合、前記経路記憶部43は、出発地51、目的地52、所要時間、各ノードを通過する時刻及び今回走行した経路53aの記録を消去する。
なお、前記経路記憶部43は、経路探索部42が探索した経路を記憶経路53としてルートバンクに格納することができる。さらに、車両が日常的に走行する経路や所定以上の頻度で走行する経路を記憶経路53としてルートバンクに格納することもできる。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 目的地52を設定する。
ステップS2 出発地51と目的地52とを記録する。
ステップS3 経路記憶部43は、所要時間の測定、各ノードを通過した時刻の測定及び経路53aの記録を開始する。
ステップS4 車両が目的地52に到着したか否かを判断する。車両が目的地52に到着した場合はステップS5に進み、車両が目的地52に到着しない場合は待機する。
ステップS5 経路記憶部43は、所要時間の測定、各ノードを通過した時刻の測定及び経路53aの記録を終了する。
ステップS6 今回走行した経路53aを記憶するか否かを判断する。今回走行した経路53aを記憶する場合はステップS7に進み、今回走行した経路53aを記憶しない場合はステップS8に進む。
ステップS7 出発地51、目的地52、所要時間、各ノードを通過した時刻及び今回走行した経路53aを記憶経路53としてルートバンクに記憶し、処理を終了する。
ステップS8 出発地51、目的地52、所要時間、各ノードを通過した時刻及び今回走行した経路53aの記録を消去し、処理を終了する。
次に、出発地又は目的地が、記憶経路の出発地又は目的地と一致している場合に、案内経路として記憶経路を設定する場合の動作について説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態における車両用ナビゲーション装置の目的地までの記憶経路を案内経路として設定する動作を示す図、図6は本発明の第1の実施の形態における車両用ナビゲーション装置が探索した経路を示す図、図7は本発明の第1の実施の形態における車両用ナビゲーション装置の目的地までの記憶経路を案内経路として設定する動作を示すフローチャートである。
まず、車両の運転者等の操作者は、入力部34を操作して、図6に示されるように、目的地55を設定し、該目的地55までの経路56を探索するように入力する。なお、図6は表示部35の表示画面に表示された状態を示している。すると、経路探索部42は、現在位置検出処理部18が検出した車両の現在位置を出発地54とし、該出発地54から設定された目的地55までの経路56を探索する。
続いて、経路比較部44は、前記経路探索部42によって探索された経路56とルートバンクに格納されている記憶経路53とを比較し、前記探索された経路56の出発地54又は目的地55と出発地51又は目的地52とが一致する記憶経路53があるか否かを判断する。ここで、前記経路比較部44が探索された経路56の出発地54及び目的地55のいずれもが出発地51及び目的地52と一致する記憶経路53があると判断した場合、案内経路設定部45は、前記記憶経路53を後述される図1(b)に示されるような案内経路58として設定する。これにより、探索された経路56よりも操作者にとって、より適切な経路である記憶経路53が出発地51、54から目的地52、55までの案内経路58として設定される。そして、該案内経路58が表示部35の表示画面に表示され、経路案内が行われる。
また、前記経路比較部44が、探索された経路56の出発地54又は目的地55のいずれかでも出発地51及び目的地52と一致する記憶経路53がないと判断した場合、案内経路設定部45は前記探索された経路56を案内経路58として設定する。そして、該案内経路58が表示部35の表示画面に表示され、経路案内が行われる。
そして、探索された経路56の出発地54又は目的地55のいずれかが出発地51又は目的地52と一致する記憶経路53があると判断した場合、前記経路比較部44は、さらに、前記記憶経路53と前記探索された経路56とが、後述される図1(a)に示されるノード57のような同一のノード57を含んでいるか否か、すなわち、前記記憶経路53と前記探索された経路56とが交差する箇所があるか否かを判断する。ここで、前記経路比較部44が前記記憶経路53と前記探索された経路56とが同一のノード57を含んでおらず、交差する箇所がないと判断した場合、案内経路設定部45は前記探索された経路56を案内経路58として設定する。そして、該案内経路58が表示部35の表示画面に表示され、経路案内が行われる。
また、前記記憶経路53と前記探索された経路56とが同一のノード57を含んでいて、交差する箇所があると判断した場合、前記経路比較部44は、さらに、出発地51、54が一致するのか、又は、目的地52、55が一致するのかを判断する。そして、図1(a)に示されるように、前記経路比較部44が記憶経路53の目的地52と、探索された経路56の目的地55とが一致すると判断した場合、案内経路設定部45は、前記探索された経路56に沿って走行したときに前記同一のノード57を通過する通過予想時刻と、前記記憶経路53とともに記憶された前記同一のノード57を通過した時刻とを比較して、両者の差が所定値未満、例えば、60分未満であるか否かを判断する。そして、所定値未満である場合、案内経路設定部45は、図1(b)に示されるように、同一のノード57から目的地52、55までは記憶経路53を案内経路58として設定し、出発地54から前記同一のノード57までは探索された経路56を案内経路58として設定する。
一方、前記同一のノード57を通過する通過予想時刻と前記同一のノード57を通過した時刻との差が所定値以上である場合、案内経路設定部45は、図1(c)に示されるような画面を表示部35の表示画面に表示させ、操作者に記憶経路53を案内経路58として設定するか否かを選択させる。この場合、前記表示画面には、記憶経路53を案内経路58として設定する選択手段としての記憶経路選択ボタン71、及び、探索された経路56を案内経路58として設定する選択手段としての推奨経路選択ボタン72が表示される。そして、操作者が記憶経路選択ボタン71を選択した場合、案内経路設定部45は、図1(b)に示されるように、同一のノード57から目的地52、55までは記憶経路53を案内経路58として設定し、出発地54から前記同一のノード57までは探索された経路56を案内経路58として設定する。また、操作者が推奨経路選択ボタン72を選択した場合、案内経路設定部45は、出発地54から目的地52、55まで、探索された経路56を案内経路58として設定する。これにより、出発地54から目的地52、55まで、操作者にとって適切な経路が表示部35の表示画面に表示されて経路案内が行われる。
なお、同一のノード57が複数存在する場合、例えば、図1(a)に示されるように、ノード57の他にノード57−2も同一のノードである場合、案内経路設定部45は、出発地54から記憶経路53に沿って探索された経路における同一のノードの通過予想時刻と前記記憶経路における同一のノードの通過時刻との差が最も小さいノード57を選択し、該ノード57から目的地52、55までは記憶経路53を案内経路58として設定する。
一方、前記経路比較部44が出発地51、54が一致すると判断した場合も、前記目的地52と目的地55とが一致した場合と同様である。すなわち、案内経路設定部45は、前記探索された経路56に沿って走行したときに前記同一のノード57を通過する通過予想時刻と、前記記憶経路53とともに記憶された前記同一のノード57を通過した時刻とを比較して、両者の差が所定値未満であるか否かを判断する。そして、所定値未満である場合、案内経路設定部45は、出発地51、54から同一のノード57までは記憶経路53を案内経路58として設定し、前記ノード57から目的地55までは探索された経路56を案内経路58として設定する。
また、前記同一のノード57を通過する通過予想時刻と前記同一のノード57を通過した時刻との差が所定値以上である場合、案内経路設定部45は操作者に記憶経路53を案内経路58として設定するか否かを選択させる。この場合、表示部35の表示画面には記憶経路選択ボタン71及び推奨経路選択ボタン72が表示される。そして、操作者が記憶経路選択ボタン71を選択した場合、案内経路設定部45は、出発地51、54から同一のノード57までは記憶経路53を案内経路58として設定し、前記同一のノード57から目的地55までは探索された経路56を案内経路58として設定する。また、操作者が推奨経路選択ボタン72を選択した場合、案内経路設定部45は、出発地51、54から目的地55まで、探索された経路56を案内経路58として設定する。これにより、出発地51、54から目的地55まで、操作者にとって適切な経路が表示部35の表示画面に表示されて経路案内が行われる。
なお、同一のノード57が複数存在する場合、案内経路設定部45は、同一の出発地51、54から記憶経路53に沿って探索された経路における同一のノードの通過予想時刻と前記記憶経路における同一のノードの通過時刻との差が最も小さいノード57を選択し、出発地51、54から選択された前記ノード57までは記憶経路53を案内経路58として設定する。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS11 目的地55を設定する。
ステップS12 目的地55までの経路56を探索する。
ステップS13 探索された経路56の出発地54又は目的地55と出発地51又は目的地52とが一致する記憶経路53があるか否かを判断する。探索された経路56の出発地54又は目的地55のいずれかが出発地51又は目的地52と一致する記憶経路53があると判断した場合はステップS14に進み、探索された経路56の出発地54又は目的地55のいずれかでも出発地51又は目的地52と一致する記憶経路53がないと判断した場合はステップS17に進み、探索された経路56の出発地54及び目的地55のいずれもが出発地51及び目的地52と一致する記憶経路53があると判断した場合はステップS18に進む。
ステップS14 記憶経路53と探索された経路56とが交差するノード57があるか否かを判断する。記憶経路53と探索された経路56とが交差するノード57がある場合はステップS15に進み、記憶経路53と探索された経路56とが交差するノード57がない場合はステップS17に進む。
ステップS15 出発地51、54が一致するのか、又は、目的地52、55が一致するのかを判断する。出発地51、54が一致する場合はステップS19に進み、目的地52、55が一致する場合はステップS16に進む。
ステップS16 ノード57を通過する通過予想時刻と前記ノード57を通過した時刻との差が所定値未満である場合、又は、所定値以上であっても操作者が選択した場合、交差するノード57から目的地52、55までは記憶経路53を使用する。
ステップS17 案内経路58を表示し、処理を終了する。
ステップS18 記憶経路53を使用する。
ステップS19 ノード57を通過する通過予想時刻と前記ノード57を通過した時刻との差が所定値未満である場合、又は、所定値以上であっても操作者が記憶経路53を使用することを選択した場合、出発地51、54から交差するノード57までは記憶された経路56を使用する。
このように、本実施の形態においては、経路比較部44が探索された経路56の出発地54又は目的地55のいずれかが出発地51及び目的地52と一致する記憶経路53があると判断し、かつ、記憶経路53と探索された経路56が同一のノード57を含んでいると判断した場合、案内経路設定部45は、前記探索された経路56における前記同一のノード57の通過予想時刻と、前記記憶経路53における前記同一のノード57の通過時刻とを比較して、両者の差が所定値未満であるか否かを判断する。なお、通過時刻と通過予想時刻とを比較する同一のノードは、記憶経路53及び探索された経路56上のいずれのノードであってもよく、一致する出発地51、54又は目的地52、55であってもよい。
そして、前記差が所定値未満である場合、又は、所定値以上であっても操作者が記憶経路53を使用することを選択した場合、案内経路設定部45は、一致する出発地51、54から同一のノード57まで、又は、同一のノード57から一致する目的地52、55までは、記憶経路53を案内経路58として設定するようになっている。そのため、操作者にとって、より適切な経路を案内経路58として設定することができる。
これにより、例えば、遠隔地から自宅に帰宅する経路を探索した場合、目的地としての自宅周辺のエリアにおいて、所要時間が最短となる経路や操作者の好みに合致する経路、すなわち、操作者にとって適切な経路としてあらかじめ選択されてルートバンクに格納された記憶経路53を通るように経路案内が行われる。また、例えば、自宅から遠隔地に出向く経路を探索した場合、出発地としての自宅周辺のエリアにおいて、所要時間が最短となる経路や操作者の好みに合致する経路、すなわち、操作者にとって適切な経路としてあらかじめ選択されてルートバンクに格納された記憶経路53を通るように経路案内が行われる。
なお、通過予想時刻と記憶経路を通過する時刻とが離れている場合には、記憶経路53を設定するか否かを操作者が選択することができるようになっている。そのため、前記記憶経路53が、例えば、朝の通勤時間帯であるからこそ選択された経路であったり、夜間の時間帯であるからこそ選択された経路であったりする場合のように、通過時刻との関連で選択された経路である場合でも、操作者にとってより適切な経路を設定することができる。
したがって、実際の交通量、信号待ちの時間、道幅、見通しの善し悪し、歩行者の多少、走り易さ等の状況に時刻に応じた変化を操作者が熟知しているエリアにおいて、操作者に適した経路を通るように案内経路58が設定されるので、操作者は、車両用ナビゲーション装置15の経路案内を信頼し、車両用ナビゲーション装置15を十分活用することができる。
このように、経路比較部44の比較によって探索された経路56と記憶経路53との出発地51、54又は目的地52、54が一致し、かつ、前記探索された経路56と前記記憶経路53とが同一のノード57を含んでいる場合、前記探索された経路56における前記同一のノード57の通過予想時刻と前記記憶経路53における前記同一のノード56の通過時刻とに基づいて、前記出発地51、54又は目的地52、55から前記同一のノード57までの記憶経路53を案内経路58とするか否かを判断するので、記憶された経路を走行する時間帯を考慮して、案内経路を設定することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、前記第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
図8は本発明の第2の実施の形態における車両用ナビゲーション装置の記憶経路を示す図、図9は本発明の第2の実施の形態における車両用ナビゲーション装置が探索した経路を示す図、図10は本発明の第2の実施の形態における車両用ナビゲーション装置の目的地までの記憶経路を案内経路として設定する動作を示す図、図11は本発明の第2の実施の形態における車両用ナビゲーション装置の目的地までの記憶経路を案内経路として設定する動作を示すフローチャートである。
本実施の形態において、経路比較部44は、前記探索された経路と出発地又は目的地と一致する記憶経路とがあるか否かを判断し、ある場合には、前記探索された経路と記憶経路とが互いに近接するノードを含んでいるか否かを判断する。そして、案内経路設定部45は、前記探索された経路における前記隣接するノードの通過予想時刻と前記記憶経路における前記隣接するノードの通過時刻とに基づいて、前記出発地又は目的地から前記隣接するノードまでの記憶経路を案内経路とするか否かを判断する。すなわち、本実施の形態においては、探索された経路の出発地又は目的地のいずれかと出発地又は目的地のいずれかとが一致する記憶経路がある場合、探索された経路と記憶経路とが同一のノードを含んでいなくても、互いに隣接するノードを含んでいるのであれば、前記探索された経路56における隣接するノードの通過予想時刻と、前記記憶経路における隣接するノードの通過時刻との差が所定値未満であるとき、又は、所定値以上であっても操作者が記憶経路を選択したとき、記憶経路の一部を案内経路として設定するようになっている。なお、図8に示されるような出発地61から目的地62までの記憶経路63が、あらかじめルートバンクに格納されているものとする。図8は表示部35の表示画面に表示された状態を示している。
まず、車両の運転者等の操作者は、入力部34を操作して、図9に示されるように、目的地65を設定し、該目的地65までの経路66を探索するように入力する。なお、図9は表示部35の表示画面に表示された状態を示している。すると、経路探索部42は、現在位置検出処理部18が検出した車両の現在位置を出発地64とし、該出発地64から設定された目的地65までの経路66を探索する。
続いて、経路比較部44は、前記経路探索部42によって探索された経路66とルートバンクに格納されている記憶経路63とを比較し、前記探索された経路66の出発地64又は目的地65と出発地61又は目的地62とが一致する記憶経路63があるか否かを判断する。ここで、前記経路比較部44が探索された経路66の出発地64及び目的地65のいずれもが出発地61及び目的地62と一致する記憶経路63があると判断した場合、案内経路設定部45は、前記記憶経路63を後述される図10(b)に示されるような案内経路68として設定する。これにより、探索された経路66よりも操作者にとって、より適切な経路である記憶経路63が出発地61、64から目的地62、65までの案内経路68として設定される。そして、該案内経路68が表示部35の表示画面に表示され、経路案内が行われる。
また、前記経路比較部44が、探索された経路66の出発地64又は目的地65のいずれかでも出発地61及び目的地62と一致する記憶経路63がないと判断した場合、案内経路設定部45は前記探索された経路66を案内経路68として設定する。そして、該案内経路68が表示部35の表示画面に表示され、経路案内が行われる。
そして、探索された経路66の出発地64又は目的地65のいずれかが出発地61又は目的地62と一致する記憶経路63があると判断した場合、前記経路比較部44は、さらに、前記記憶経路63と前記探索された経路66とが、後述される図10(a)に示されるような互いに隣接するノード67a及びノード67bを、それぞれ、含んでいるか否か、すなわち、前記記憶経路63と前記探索された経路66とが隣接する箇所があるか否かを判断する。
ここで、互いに隣接するノードとは、一つのリンクの両端に、それぞれ、存在するリンクである。そして、ノードは、少なくとも道路上の交差点や分岐点に対応する位置に設定され、交差点や分岐点に対応するノードには交差点に接続される道路の数に対応する数のリンクが接続されている。例えば、交差点が十字路であれば、交差点に接続される道路と同様に四本のリンクが接続されている。そのため、探索された経路66に交差点や分岐点が存在する場合、該交差点や分岐点に対応するノードには、前記経路66に含まれるリンク以外のリンクが接続されている。
そこで、前記経路比較部44は、探索された経路66に含まれるすべてのノードについて、前記経路66に含まれるリンク以外のリンクが接続されているか否かを判断し、存在する場合には該リンクの他端のノードが記憶経路63に存在するか否かを判断する。そして、存在する場合には前記探索された経路66と前記記憶経路63とが、互いに隣接するノード67a及びノード67bを、それぞれ、含んでいるものとする。
ここで、前記経路比較部44が前記記憶経路63と前記探索された経路66とが互いに隣接するノード67a及びノード67bを含んでおらず、隣接する箇所がないと判断した場合、案内経路設定部45は前記探索された経路66を案内経路68として設定する。そして、該案内経路68が表示部35の表示画面に表示され、経路案内が行われる。
また、前記記憶経路63と前記探索された経路66とが互いに隣接するノード67a及びノード67bを、それぞれ、含んでいて、近接する箇所があると判断した場合、前記経路比較部44は、さらに、出発地61、64が一致するのか、又は、目的地62、65が一致するのかを判断する。そして、図10(a)に示されるように、前記経路比較部44が目的地62、65が一致すると判断した場合、案内経路設定部45は、前記探索された経路66に沿って走行したときに前記隣接するノード67aを通過する通過予想時刻と、前記記憶経路63とともに記憶された前記隣接するノード67bを通過した時刻とを比較して、両者の差が所定値未満、例えば、60分未満であるか否かを判断する。そして、所定値未満である場合、案内経路設定部45は、図10(b)に示されるように、ノード67bから目的地62、65までは記憶経路63を案内経路68として設定し、ノード67aからノード67bまではノード67aとノード67bとを結ぶリンク69に対応する道路を案内経路68として設定し、出発地64からノード67aまでは探索された経路66を案内経路68として設定する。
一方、前記隣接するノード67aを通過する通過予想時刻と前記隣接するノード67bを通過した時刻との差が所定値以上である場合、案内経路設定部45は、図10(c)に示されるような画面を表示部35の表示画面に表示させ、操作者に記憶経路63を案内経路68として設定するか否かを選択させる。この場合、前記表示画面には、記憶経路63を案内経路68として設定する選択手段としての記憶経路選択ボタン71、及び、探索された経路66を案内経路68として設定する選択手段としての推奨経路選択ボタン72が表示される。そして、操作者が記憶経路選択ボタン71を選択した場合、案内経路設定部45は、図10(b)に示されるように、隣接するノード67bから目的地62、65までは記憶経路63を案内経路68として設定し、出発地64から隣接するノード67aまでは探索された経路66を案内経路68として設定する。なお、前記ノード67aからノード67bまではノード67aとノード67bとを結ぶリンク69を案内経路68として設定する。また、操作者が推奨経路選択ボタン72を選択した場合、案内経路設定部45は、出発地64から目的地62、65まで、探索された経路66を案内経路68として設定する。これにより、出発地64から目的地62、65まで、操作者にとって適切な経路が表示部35の表示画面に表示されて経路案内が行われる。
なお、互いに隣接するノード67a及びノード67bが複数組存在する場合、案内経路設定部45は、同一の目的地62、65から記憶経路63に沿って探索された経路における隣接するノードの通過予想時刻と前記記憶経路における隣接するノードの通過時刻との差が最も小さいノード67bを含む組を選択し、該ノード67bから目的地62、65までは記憶経路63を案内経路68として設定する。
一方、前記経路比較部44が出発地61、64が一致すると判断した場合も、前記目的地62と目的地65とが一致した場合と同様である。すなわち、案内経路設定部45は、前記探索された経路66に沿って走行したときに前記隣接するノード67aを通過する通過予想時刻と、前記記憶経路63とともに記憶された前記隣接するノード67bを通過した時刻とを比較して、両者の差が所定値未満であるか否かを判断する。そして、所定値未満である場合、案内経路設定部45は、出発地61、64から同一のノード67bまでは記憶経路63を案内経路68として設定し、前記隣接するノード67aから目的地65までは探索された経路66を案内経路68として設定する。なお、前記ノード67aからノード67bまではノード67aとノード67bとを結ぶリンク69を案内経路68として設定する。
また、前記隣接するノード67aを通過する通過予想時刻と前記隣接するノード67bを通過した時刻との差が所定値以上である場合、案内経路設定部45は操作者に記憶経路63を案内経路68として設定するか否かを選択させる。この場合、表示部35の表示画面には記憶経路選択ボタン71及び推奨経路選択ボタン72が表示される。そして、操作者が記憶経路選択ボタン71を選択した場合、案内経路設定部45は、出発地61、64から隣接するノード67bまでは記憶経路63を案内経路68として設定し、隣接するノード67aから目的地65までは探索された経路66を案内経路68として設定する。なお、前記ノード67aからノード67bまではノード67aとノード67bとを結ぶリンク69を案内経路68として設定する。また、操作者が推奨経路選択ボタン72を選択した場合、案内経路設定部45は、出発地61、64から目的地65まで、探索された経路66を案内経路68として設定する。これにより、出発地61、64から目的地65まで、操作者にとって適切な経路が表示部35の表示画面に表示されて経路案内が行われる。
なお、互いに隣接するノード67a及びノード67bが複数組存在する場合、案内経路設定部45は、同一の出発地61、64から記憶経路63に沿って探索された経路における隣接するノードの通過予想時刻と前記記憶経路における隣接するノードの通過時刻との差が最も小さいノード67bを選択し、出発地61、64からノード67bまでは記憶経路63を案内経路68として設定する。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS21 目的地65を設定する。
ステップS22 目的地65までの経路66を探索する。
ステップS23 探索された経路66の出発地64又は目的地65と出発地61又は目的地62とが一致する記憶経路63があるか否かを判断する。探索された経路66の出発地64又は目的地65のいずれかが出発地61又は目的地62と一致する記憶経路63があると判断した場合はステップS24に進み、探索された経路66の出発地64又は目的地65のいずれかでも出発地61又は目的地62と一致する記憶経路63がないと判断した場合はステップS27に進み、探索された経路66の出発地64及び目的地65のいずれもが出発地61及び目的地62と一致する記憶経路63があると判断した場合はステップS28に進む。
ステップS24 記憶経路63と探索された経路66とが互いに隣接するノード67a及び67bを、それぞれ、含んでいるか否かを判断する。記憶経路63と探索された経路66とが互いに隣接するノード67a及び67bを、それぞれ、含んでいる場合はステップS25に進み、記憶経路63と探索された経路66とが互いに隣接するノード67a及び67bを、それぞれ、含んでいない場合はステップS27に進む。
ステップS25 出発地61、64が一致するのか、又は、目的地62、65が一致するのかを判断する。出発地61、64が一致する場合はステップS29に進み、目的地62、65が一致する場合はステップS26に進む。
ステップS26 ノード67aを通過する通過予想時刻とノード67bを通過した時刻との差が所定値未満である場合、又は、所定値以上であっても操作者が選択した場合、出発地64からノード67aまでは探索された経路66、ノード67aからノード67bまではリンク69、ノード67bから目的地62、65までは記憶経路63を使用する。
ステップS27 案内経路68を表示し、処理を終了する。
ステップS28 記憶経路63を使用する。
ステップS29 ノード67aを通過する通過予想時刻とノード67bを通過した時刻との差が所定値未満である場合、又は、所定値以上であっても操作者が選択した場合、出発地61、64からノード67aまでは記憶経路63、ノード67aからノード67bまではリンク69、ノード67bから目的地65までは探索された経路66を使用する。
このように、本実施の形態においては、経路比較部44が探索された経路66の出発地64又は目的地65のいずれかが出発地61及び目的地62と一致する記憶経路63があると判断し、かつ、前記記憶経路63と前記探索された経路66とが互いに隣接するノード67a及びノード67bを、それぞれ、含んでいると判断した場合、案内経路設定部45は、前記探索された経路66における隣接するノード67aの通過予想時刻と、前記記憶経路63における隣接するノード67bの通過時刻とを比較して、両者の差が所定値未満であるか否かを判断する。なお、通過時刻と通過予想時刻とを比較する同一のノードは、記憶経路53及び探索された経路56上のいずれのノードであってもよく、一致する出発地51、54又は目的地52、55であってもよい。
そして、前記差が所定値未満である場合、又は、所定値以上であっても操作者が記憶経路63を使用することを選択した場合、案内経路設定部45は、一致する出発地61、64からノード67bまで、又は、ノード67bから一致する目的地62、65までは、記憶経路63を案内経路68として設定するようになっている。すなわち、探索された経路66の出発地64又は目的地65のいずれかが、記憶経路63の出発地61又は目的地62と一致している場合には、一致している出発地61、64又は目的地62、65を含む記憶経路63の少なくとも一部を利用して案内経路68を設定するようになっている。そのため、操作者にとって、より適切な経路を案内経路68として設定することができる。
この場合、前記第1の実施の形態のように、記憶経路63と探索された経路66とが交差していなくても、近接する箇所が存在する場合には、一致している出発地61、64又は目的地62、65を含む記憶経路63の少なくとも一部を利用して案内経路68を設定することができる。したがって、操作者にとって適切な経路としてあらかじめ選択されてルートバンクに格納された記憶経路63を通るように経路案内が行われる可能性が高くなり、操作者は、車両用ナビゲーション装置15の経路案内をより信頼し、車両用ナビゲーション装置15をより多く活用することができる。このように、経路比較部44の比較によって探索された経路66と記憶経路63との出発地61、64又は目的地62、65が一致し、かつ、前記探索された経路66と前記記憶経路63とが互いに隣接するノード67a及び67bを含んでいる場合、前記探索された経路66における前記隣接するノード67a及び67bの通過予想時刻と前記記憶経路63における前記隣接するノード67a及び67bの通過時刻とに基づいて、前記出発地61、64又は目的地62、64から前記隣接するノード67a及び67bまでの記憶経路63を案内経路68とするか否かを判断するので、記憶された経路を走行する時間帯を考慮して、案内経路68を設定することができる。
なお、本発明の第1及び第2の実施の形態においては、車両用ナビゲーション装置15がデータ記録部16にデータベースを格納し、該データベースにアクセスして、案内経路58、68を設定する場合について説明したが、情報センタ等に配設されたサーバにデータベースを格納し、無線通信等の通信を行うことによって、車両用ナビゲーション装置15が前記サーバにアクセスして、該サーバが設定した案内経路58、68を取得するようにしてもよい。また、経路の探索だけを前記サーバに行わせ、探索された経路56、66を前記サーバから取得し、データ記録部16に格納されている記憶経路53、63と比較して、車両用ナビゲーション装置15が案内経路58、68を設定するようにしてもよい。
また、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。