JP4392205B2 - インクジェットプリンターヘッドの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェットプリンターヘッドの製造方法に関するものである。
従来のインクジェットプリンターヘッドの構成は、主に下記特許文献1に示されているように、図8(a)(b)のような、インクを溜めて圧力を印加する圧力室54をいくつも並べた圧力室基板51とインクを吐出させるためのノズル55をそれぞれの圧力室に設けるためのノズル板52とそれぞれの圧力室に圧力を印加するための、圧電体などからなる圧力印加板53で構成されている。圧力室基板の製造方法としては、前記特許文献1に示されているように、セラミックスの射出成形法や、下記特許文献2に示されているように、樹脂の射出成形法(インサート成形)を用いた方法や、下記特許文献3〜4に示されているようにSi基板をエッチングする方法が提案されている。また、ガラス基板に孔あけ加工を施す方法としては、回転砥石、ドリル、超音波加工、ブラスト加工などの機械加工法や、化学的処理によるエッチング加工法や、バーナーなどで焼き切る熱加工法(下記特許文献5〜6)や、イオンビーム、レーザー、電子ビームなどによるエネルギービーム加工法(下記特許文献7)や、加熱軟化したガラスを金型によってプレス成形する方法(下記特許文献8)などがある。
特開平5−8394号公報 特開平8−39799号公報 特開平10−181010号公報 特開2000−79689号公報 特開2000−16815号公報 特開2000−53435号公報 特開2000−61667号公報 特開2000−319026号公報
しかし、より高精細なインクジェットプリンターヘッドを製造する場合、圧力室間隔は非常に小さくなり、従来のセラミックスや樹脂の射出成形による圧力室の製造方法では、成形後の熱収縮により成形品の間隔精度が悪く、圧力印加板やノズル板との位置合わせができなくなると言う問題があった。また、セラミックスや樹脂はインクとの濡れ性が悪く、気泡が入ったりする問題もある。従来のガラス基板の精密孔あけ方法を用いて圧力室を製造した場合も、機械加工法、エッチング加工法、熱加工法は、サブミクロンオーダーの高精度な孔あけ加工が困難であり、特に微細な孔あけを必要とする場合には、これらの工法では困難である。エネルギービーム加工法は一般に装置が高価であり、加工速度も遅く、量産性がない。前記特許文献7に提案されている方法では、YAGレーザーの吸収率の高い成分をガラス材料に含ませることで、YAGレーザーの吸収率を上げて、加工効率を上げているが、ガラス材料に吸収率の良い成分を予め含ませる必要がある。
本発明のインクジェットプリンターヘッドの製造方法は、インクを収納するための圧力室を有する圧力室基板と、前記圧力室からインクを吐出するノズル用貫通孔と、前記圧力室に振動を与える圧力印加板とを含むインクジェットプリンターヘッドの製造方法であって、
平面金型上に離型剤を形成したガラスからなる成形用素材を載せ、全体を加熱し、圧力室に相当する突起形状を有する圧力室成形用金型により、完全に貫通させず裏面が残るようになるまでプレス成形する工程と、
前記成形用素材に前記圧力室成形用金型の突起形状を転写する工程と、
冷却せず前記圧力室成形用金型のみ離型する工程と、
冷却後、前記離型剤を除去し、成形された前記成形用素材の裏面より、研磨することで圧力室となる貫通孔を形成する工程と、
前記貫通孔が形成された前記成形用素材を圧力室基板としてそれぞれ前記圧力室に対応した前記ノズル用貫通孔を形成したノズル板を貼付し、それぞれ前記圧力室に対応した圧力印加板を付加する工程とを備えることを特徴とする。
本発明の別のインクジェットプリンターヘッドの製造方法は、インクを収納するための圧力室を有する圧力室基板と、前記圧力室からインクを吐出するノズル用貫通孔と、前記圧力室に振動を与える圧力印加板とを含むインクジェットプリンターヘッドの製造方法であって、
平面金型上にガラスからなる成形用素材を載せ、全体を加熱し、離型膜を形成した圧力室に相当する突起形状を有する圧力室成形用金型により、完全に貫通させず裏面が残るようになるまでプレス成形する工程と、
前記成形用素材に前記圧力室成形用金型の突起形状を転写する工程と、
冷却せずに前記圧力室成形用金型のみ離型する工程と、
冷却後、成形された前記成形用素材の裏面より、研磨することで圧力室となる貫通孔を形成する工程と、
前記貫通孔が形成された前記成形用素材を圧力室基板にとしてそれぞれ前記圧力室に対応した前記ノズル用貫通孔を形成したノズル板を貼付し、それぞれ前記圧力室に対応した圧力印加板を付加する工程とを備えることを特徴とする。
本発明のインクジェットプリンターヘッドの製造方法によれば、成形により高精度に圧力室となる窪みをガラス基板に形成し、裏面より平面研磨する事で、バリの発生が無く、高精度な圧力室となる貫通孔を、非常に低コストで形成できるようになり、ノズル板と圧力印加板を形成することで高精度で低コストなインクジェットプリンターヘッドが製造できる。更に、本発明のインクジェットプリンターヘッド圧力室はガラス製であり、インクとの濡れ性も良く気泡が入りにくい圧力室ができる。
本発明は、第1に、平面金型上に離型剤を形成したガラスからなる成形用素材を載せ、全体を加熱し、圧力室に相当する突起形状を有する圧力室成形用金型により、完全に貫通させず、わずかに裏面が残るようになるまでプレス成形し、成形用素材に圧力室成形用金型の突起形状を完全に転写した後、冷却せず圧力室成形用金型のみに離型し、冷却後、離型剤を除去し、成形された成形用素材の裏面より、研磨することで圧力室となる貫通孔を形成した圧力基板に、レーザ加工またはプレス成形によりノズル用貫通孔を形成したノズル板を貼付し、圧力室上に圧力印加板を形成するというインクジェットプリンターヘッドの製造方法を提供し、容易に高精度なインクジェットプリンタヘッドの製造を可能としたものである。前記において「わずかに裏面が残る」とは、厚さが0.1mm以上をいう(以下においても同じ。)。
第2に、平面金型上にガラスからなる成形用素材を載せ、全体を加熱し、ガラスとの濡れ性が悪く、高温時に容易に離型できる離型膜を形成した圧力室に相当する突起形状を有する圧力室成形用金型により、完全に貫通させず、わずかに裏面が残るようになるまでプレス成形し、成形用素材に圧力室成形用金型の突起形状を完全に転写した後、冷却せずに圧力室成形用金型のみ離型し、冷却後、成形された成形用素材の裏面より、研磨することで圧力室となる貫通孔を形成した圧力基板に、レーザ加工またはプレス成形によりノズル用貫通孔を形成したノズル板を貼付し、圧力室上に圧力印加板を形成するというインクジェットプリンターヘッドの製造方法を提供し、容易に高精度なインクジェットプリンターヘッドの製造を可能としたものである。
また、平面金型上にガラスからなる成形用素材を載せ、全体を加熱し、離型剤あるいは離型膜を形成することで、圧力室に相当する突起形状を有する圧力室成形用金型により、完全に貫通させず、わずかに裏面が残るようになるまでプレス成形し、成形用素材に圧力室成形用金型の突起形状を完全に転写した後、冷却せずに圧力室成形用金型のみ離型し、冷却後、成形された成形用素材の裏面より、研磨することで圧力室となる貫通孔を形成したインクジェットプリンターヘッド圧力室はガラス製であり、インクとの濡れ性も良く気泡が入りにくい圧力室ができる。
以下、本発明の各実施例について図面を参照しながら説明する。
本発明の実施例1のインクジェットプリンターヘッドの製造方法を図1、〜図6を用いて説明する。
図1(a)〜(d)は本発明の概略工程図を示し、図2(a)〜(b)は本発明の1実施例に用いた成形装置の概略図を示し、図3(a)〜図6(d)は本発明の1実施例の各成形工程での状態図を示したものである。
図1(a)〜(d)に示したように、本発明の概略工程は、平面金型13上に離型剤14を形成した成形用素材12を載せ、全体を加熱することで、圧力室に相当する突起形状を有する成形用金型11により、完全に貫通させず、少しだけ裏面が残るようになるまでプレス成形し(図1(a))、成形用素材12に成形用金型11の突起形状を完全に転写する(図1(b))。次に、冷却せずに離型し(図1(c))、冷却後、離型剤14を除去し、成形された成形用素材12の裏面15を研磨する(図1(d))。これにより、圧力室16を形成した基板を製造する。
具体的な実施例を図2を用いて説明する。
用いた成形装置は図2((a)は正面から見た図、(b)は側面から見た図)に示したように、成形機内の雰囲気を非酸化雰囲気(窒素雰囲気など)に保つために全体を密閉できるチャンバー211、平面金型22に成形用素材23を載せたものを成形機内に投入するための入り口シャッター29、ヒーターを内蔵した予熱ステージ25、同じくヒーターを内蔵したプレスステージ26、冷却ステージ27、圧力室成形用金型21を固定し、ヒーターを内蔵し、上下に稼動し圧力を加えることができるプレスシリンダー28、成形完了した成形用素材23を平面金型22に載せたまま外部に取り出すための出口シャッター210、平面金型22と成形用素材23を成形機内の各ステージに順次搬送し、圧力室成形用金型21との位置あわせを行い、プレス終了時に強制的にプレスシリンダー28を上方に引き上げたとき、成形用素材23が圧力室成形用金型21にくっついてしまうことを防止するために平面金型22のストッパーとなるガイド24、そして、酸化防止用のガスを送り込むためのガス導入口212から構成されている。
まず、40mm×40mm、厚さ10mmのWCを主成分とする超硬合金(熱膨張係数;50×10-7/K)素材を放電加工法により、中心部分に高さ200μm、巾130μm、長さ1.3mm、テーパ角度約10度の突起をピッチ340μmで50個一列に並べた形状に加工し、表面にスパッタリング法により、Ir−W合金薄膜を1μm形成することで圧力室成形用金型21を作製し、プレスシリンダー28に固定した。続いて、40mm×40mm、厚さ10mmのWCを主成分とする超硬合金素材を平面研磨した後、表面にスパッタリング法により、Ir−W合金薄膜を1μm形成することで平面金型22を作製した。平面金型22を下金型とし、平面金型22上に、圧力室成形用金型21と接する面にBN粉の離型剤を塗布した、25mm×25mm、厚さ1mmのガラス(PBK40;ホウ珪酸ガラス)からなる成形用素材23(熱膨張係数;73×10-7/K)をのせ、その状態で、窒素をガス導入口212より送り込み非酸化雰囲気となっている成形機中に入り口シャッター29を開けて投入した(図3(a))。
そして、金型全体をガイド24に沿って、予熱ステージ25に搬送し、予備加熱を行い500℃まで加熱した(図3(b))。
続いて、550℃以上の温度に保持したプレスステージ26へそのまま搬送し(図4(a))、全体が550℃以上の温度になるまで加熱し、プレスシリンダー28を下方に降ろし、圧力室成形用金型21が成形用素材23に接するところで、さらに、成形用素材23の表面が550℃以上の温度になるまで加熱した(図4(b))。
そして、成形用素材23がプレス圧力により変形可能な温度(550℃以上;粘度1010.35ポアズ以下)に達したところで、平面金型22側まで貫通させず、0.2mmだけ成形用素材23であるガラスの厚みが残るように、圧力室成形用金型21の形状を完全に転写するまで、圧力室成形用金型21の上方より、2000Nの圧力を加え、プレス成形した(図5(a))。
そして、そのままの状態で冷却せずに圧力を解放し、圧力室成形用金型21を上方に引き上げた。圧力室成形用金型21と成形用素材23であるガラスの面には離型剤が塗布してあり、圧力室成形用金型21と成形用素材23であるガラスは容易に離型し、さらに、圧力室成形用金型21と成形用素材23であるガラスが真空吸着により、上方へ持ち上がるのを防ぐためにガイド24に平面金型22が引っかかって、成形用素材23と平面金型22との間には離型剤を塗布していないので、くっついたまま、そのままの状態でプレスステージ26に残る(図5(b))。
その後、平面金型22と成形したガラス23を冷却ステージ27に移動させて300℃まで冷却すると、成形したガラス23は平面金型22より、熱収縮差により発生する応力により離型した(図6(a))。
そして、出口シャッター210を開けて、平面金型22に成形したガラス23を載せたまま外部に取り出し、室温まで冷却して成形したガラス23を平面金型22から引き離し成形工程は完了した(図6(b))。
続いて、図1に示したように、成形転写性の良好な成形物の表面に残った離型剤を洗浄及び研磨により除去し、表面を樹脂接着剤で覆い、平面基板に張り付けた後、成形物の裏面15より、酸化セリウム及びダイヤモンド砥粒を用いて、平面研磨して、50個の圧力室に相当する貫通孔16を得た。貫通孔の深さは全て0.18mmとした。作製した圧力室ガラス基板の圧力室部分の断面顕微鏡写真(倍率100)を図7に示した。圧力室となる貫通孔42が高精度に形成された圧力室ガラス基板41が得られていることが解った。このようにして製造した圧力室の加工にかかる製造コストは、従来の機械加工による孔あけ加工を施した圧力室に比べて、約1/3程度であった。また、各圧力室の間隔の位置精度は、0.2%の誤差範囲内であり、セラミックスあるいは樹脂の成形法を用いた圧力室の位置精度数%に比べて10倍以上の高精度にできていることがわかった。
また、成形温度(ガラスの粘度)と転写性及び離型性との関係を調べたところ、560℃以下の温度では成形転写性が得られず、未転写部分、特に圧力室との間の転写が甘くなり、610℃以上の温度ではガラスが付着して離型しなかった。
以上のように、本実施例によれば、成形工程と平面研磨工程のみで、低コストで、高精度に整列させたインクジェットプリンターヘッド圧力室の製造が可能となった。
このようにして製造した圧力室基板に、レーザ加工またはプレス成形によりノズル用貫通孔(直径φ50μm、厚さ0.1mm)を形成したノズル板を研磨面側に紫外線(UV)硬化樹脂で貼付し、さらに圧力室上に圧電体などからなる圧力印加板を形成してインクジェットプリンターヘッドを完成させた。その構成は図8と同様になる。
本発明の実施例2のインクジェットプリンターヘッドの製造方法を図3〜図6を用いて説明する。
まず、40mm×40mm、厚さ10mmのWCを主成分とする超硬合金(熱膨張係数;50×10-7/K)素材を放電加工法により、中心部分に高さ200μm、巾130μm、長さ1.3mm、テーパ角度約10度の突起をピッチ340μmで50個一列に並べた形状に加工し、表面にスパッタリング法により、Pt−Ta合金薄膜を1μm形成し、さらに、高温時にガラスとの濡れ性を悪くするために炭素(C)膜をスパッタリング法により、約0.2μm形成することで圧力室成形用金型21を作製し、プレスシリンダー28に固定した。続いて、40mm×40mm、厚さ10mmのWCを主成分とする超硬合金素材を平面研磨した後、表面にスパッタリング法により、Pt−Ta合金薄膜を1μm形成することで平面金型22を作製した。平面金型22を下金型とし、平面金型22上に、25mm×25mm、厚さ1mmのガラス(SF8;重フリントガラス)からなる成形用素材23(熱膨張係数;90×10-7/K)をのせ、その状態で、窒素をガス導入口212より送り込み非酸化雰囲気となっている成形機中に入り口シャッター29を開けて投入した(図3(a))。
そして、金型全体をガイド24に沿って、予熱ステージ25に搬送し、予備加熱を行い400℃まで加熱した(図3(b))。
続いて、460℃以上の温度に保持したプレスステージ26へそのまま搬送し(図4(a))、全体が460℃以上の温度になるまで加熱し、プレスシリンダー28を下方に降ろし、圧力室成形用金型21が成形用素材23に接するところで、さらに、成形用素材23の表面が460℃以上の温度になるまで加熱した(図4(b))。
そして、成形用素材23がプレス圧力により変形可能な温度(460℃以上;粘度1010.35ポアズ以下)に達したところで、平面金型22側まで貫通させず、0.2mmだけ成形用素材23であるガラスの厚みが残るように、圧力室成形用金型21の形状を完全に転写するまで、圧力室成形用金型21の上方より、2000Nの圧力を加え、プレス成形した(図5(a))。
そして、そのままの状態で冷却せずに圧力を解放し、圧力室成形用金型21を上方に引き上げた。圧力室成形用金型21と成形用素材23であるガラスの面には離型膜が形成してあり、圧力室成形用金型21と成形用素材23であるガラスは容易に離型し、さらに、圧力室成形用金型21と成形用素材23であるガラスが真空吸着により、上方へ持ち上がるのを防ぐためにガイド24に平面金型22が引っかかって、成形用素材23と平面金型22は離型膜を形成していないので、くっついたまま、そのままの状態でプレスステージ26に残る(図5(b))。
その後、平面金型22と成形したガラス23を冷却ステージ27に移動させて300℃まで冷却すると、成形したガラス23は平面金型22より、熱収縮差により発生する応力により離型した(図6(a))。
そして、出口シャッター210を開けて、平面金型22に成形したガラス23を載せたまま外部に取り出し、室温まで冷却して成形したガラス23を平面金型22から引き離し成形工程は完了した(図6(b))。
続いて、図1に示したように、成形転写性の良好な成形物の表面を樹脂接着剤で覆い、平面基板に張り付けた後、成形物の裏面15より、酸化セリウム及びダイヤモンド砥粒を用いて、平面研磨して、50個の圧力室に相当する貫通孔16を得た。貫通孔の深さは全て0.18mmとした。作製した圧力室ガラス基板の圧力室部分の断面を顕微鏡観察したところ、図7と全く同じ圧力室基板ができていることが解った。このようにして製造した圧力室の加工にかかる製造コストは、従来の機械加工による孔あけ加工を施した圧力室に比べて、約1/3程度であった。また、各圧力室の間隔の位置精度は、0.2%の誤差範囲内であり、セラミックスあるいは樹脂の成形法を用いた圧力室の位置精度数%に比べて10倍以上の高精度にできていることがわかった。
また、成形温度(ガラスの粘度)と転写性及び離型性との関係を調べたところ、470℃以下の温度では成形転写性が得られず、未転写部分、特に圧力室との間の転写が甘くなり、530℃以上の温度ではガラスが付着して離型しなかった。
このようにして製造した圧力室基板に、レーザ加工またはプレス成形によりノズル用貫通孔(直径φ50μm、厚さ0.1mm)を形成したノズル板を研磨面側に紫外線(UV)硬化樹脂で貼付し、さらに圧力室上に圧電体などからなる圧力印加板を形成してインクジェットプリンターヘッドを完成させた。その構成は図8と同様になる。
以上のように、本発明によれば、ガラスの成形工程と平面研磨工程のみで、低コストで、高精度に整列させたガラス製インクジェットプリンターヘッド圧力室の製造が可能となった。
以上の実施例に示したように、ガラスの種類を変えてもほぼ同じ様な成形結果が得られた。すなわち、本実施例の方法では、ガラスの粘度が107.65ポアズ以上1010.35ポアズ以下の温度領域で成形することが望ましい。
本発明の一実施例におけるインクジェットプリンタヘッド圧力室の製造方法を示す概略工程図。 本発明の一実施例におけるインクジェットプリンタヘッド圧力室の製造方法に用いた成形機の概略図((a)正面図、(b)側面図)。 (a)〜(b)は、本発明の一実施例におけるインクジェットプリンタヘッド圧力室の製造方法を示す工程図。 (a)〜(b)は、本発明の一実施例におけるインクジェットプリンタヘッド圧力室の製造方法を示す工程図。 (a)〜(b)は、本発明の一実施例におけるインクジェットプリンタヘッド圧力室の製造方法を示す工程図。 (a)〜(b)は、本発明の一実施例におけるインクジェットプリンタヘッド圧力室の製造方法を示す工程図。 本発明の一実施例において製造したインクジェットプリンタヘッド圧力室の断面顕微鏡写真(倍率100)。 従来のインクジェットプリンタヘッドの構成図((a)正面図、(b)側面図)。
符号の説明
11,21 圧力室成形金型
12,23 成形用素材
13,22 平面金型
14 離型剤
15 研磨する面
16 形成された圧力室
24 ガイド
25 予熱ステージ
26 プレスステージ
27 冷却ステージ
28 プレスシリンダー
29 入り口シャッター
210 出口シャッター
211 チャンバー
212 ガス導入口
41 製造した圧力室基板
42 圧力室となる貫通孔
51 圧力室基板
52 ノズル板
53 圧力印加板
54 圧力室
55 ノズル

Claims (2)

  1. インクを収納するための圧力室を有する圧力室基板と、前記圧力室からインクを吐出するノズル用貫通孔と、前記圧力室に振動を与える圧力印加板とを含むインクジェットプリンターヘッドの製造方法であって、
    平面金型上に離型剤を形成したガラスからなる成形用素材を載せ、全体を加熱し、圧力室に相当する突起形状を有する圧力室成形用金型により、完全に貫通させず裏面が残るようになるまでプレス成形する工程と、
    前記成形用素材に前記圧力室成形用金型の突起形状を転写する工程と、
    冷却せず前記圧力室成形用金型のみ離型する工程と、
    冷却後、前記離型剤を除去し、成形された前記成形用素材の裏面より、研磨することで圧力室となる貫通孔を形成する工程と、
    前記貫通孔が形成された前記成形用素材を圧力室基板としてそれぞれ前記圧力室に対応した前記ノズル用貫通孔を形成したノズル板を貼付し、それぞれ前記圧力室に対応した圧力印加板を付加する工程とを備えることを特徴とするインクジェットプリンターヘッドの製造方法。
  2. インクを収納するための圧力室を有する圧力室基板と、前記圧力室からインクを吐出するノズル用貫通孔と、前記圧力室に振動を与える圧力印加板とを含むインクジェットプリンターヘッドの製造方法であって、
    平面金型上にガラスからなる成形用素材を載せ、全体を加熱し、離型膜を形成した圧力室に相当する突起形状を有する圧力室成形用金型により、完全に貫通させず裏面が残るようになるまでプレス成形する工程と、
    前記成形用素材に前記圧力室成形用金型の突起形状を転写する工程と、
    冷却せずに前記圧力室成形用金型のみ離型する工程と、
    冷却後、成形された前記成形用素材の裏面より、研磨することで圧力室となる貫通孔を形成する工程と、
    前記貫通孔が形成された前記成形用素材を圧力室基板にとしてそれぞれ前記圧力室に対応した前記ノズル用貫通孔を形成したノズル板を貼付し、それぞれ前記圧力室に対応した圧力印加板を付加する工程とを備えることを特徴とするインクジェットプリンターヘッドの製造方法。
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