JP4391432B2 - 給送装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、給送トレイ上の記録媒体を給送する給送部のほかに、プリンタエンジンを通過した後の記録媒体を再度該プリンタエンジンに向けて給送する再給送部を備えた給送装置及びその給送装置を備えた画像形成装置に関する。
近年、複写機、プリンタ等の画像形成装置においては、装置本体の側面に、片面又は両面にトナー画像が形成された記録媒体を表裏反転させるための用紙反転機構部(再給送部)と、記録媒体を手差し給紙するための手差し機構部(給送部)とを備えた給紙装置(給送装置)を取り付けたものが普及している。このような給紙装置は、一般に、用紙反転機構部が上方に位置付けられ、その下側に手差し機構部が位置付けられている(例えば特許文献1)。
図9は、画像形成装置本体の側面に取り付けられた従来の給紙装置208の一例を示す概略構成図である。
用紙反転機構部6は、搬送された記録媒体が送り込まれる反転路23、正逆回転可能に設けられて反転路23への記録媒体の送り込みと反転路23からの記録媒体の送り出しとを行う反転ローラ対25、反転路23から送り出された記録媒体が装置本体5内に設けられているプリンタエンジン2に向けて再給紙される再給紙路(再給送路)24、再給紙路24の給送方向下流端に対して給送方向上流側に近接して設けられた第1給送ローラ対28等を備えている。プリンタエンジン2により片面にトナー画像が形成された記録媒体が反転路23に送り込まれると、記録媒体の一端(送り込み方向後端)が反転ローラ対25に挟持された位置で記録媒体の搬送が一旦停止され、その後、反転ローラ対25が逆回転することにより記録媒体が反転路23から送り出される向きに搬送される。このようにして送り出された記録媒体は、再給紙路24を経由して再びプリンタエンジン2に送り込まれることにより、記録媒体の他面に対してもトナー画像が形成される。また、トナー画像が形成された記録媒体が用紙反転機構部6を経由して他面に画像形成を行わないようにしてプリンタエンジンを通過させ、図示しない排紙トレイ上に排紙すれば、記録媒体は表裏反転された状態で排紙される。
手差し機構部7は、記録媒体が載置される手差し給紙トレイ32、手差し給紙トレイ32上に載置された記録媒体が装置本体5内のプリンタエンジン2に向けて搬送される手差し給紙搬送路(給送路)33、手差し給紙トレイ32上に載置された記録媒体を手差し給紙搬送路33を経由してプリンタエンジン2側に送り込むように回転駆動される給紙ローラ対(第2給送ローラ対)36等を備えている。
特開2000−309451公報
近年、画像形成装置の装置本体5は小型化される傾向にあり、それに伴い、用紙反転機構部6と手差し機構部7とを備えて装置本体5の側面に取り付けられる給紙装置208も小型化が望まれている。給紙装置208を小型化するに当たっては、用紙反転機構部6と手差し機構部7とをなるべく近接させるのがよい。しかし、各機構部6,7にそれぞれ第1給送ローラ対28及び給紙ローラ対36が存在する関係で、これらのローラ対28,36が抵触しない範囲までしか、これらの機構部6,7を近接させることができない。そのため、各機構部6,7を互いに近接させるにも限界があり、上記特許文献1に記載されている給紙装置208よりも更に小型化することは困難であるという問題があった。
この問題を解消する方法としては、例えば、各機構部6,7に設けられる第1給送ローラ対28及び給紙ローラ対36のいずれか一方を省略するという第1の方法が考えられる。しかし、この第1の方法では、省略されたローラ対が設けられていた機構部6,7側において、記録媒体の搬送性が低下し、記録媒体を安定してプリンタエンジンへ給送することが困難になるという不具合が生じる。また、省略されたローラ対が設けられていた機構部6,7側において、給送可能な記録媒体サイズが制限されてしまうという不具合も生じる。すなわち、用紙反転機構部6の第1給送ローラ対28を省略する場合を例に挙げると、この省略により、その記録媒体搬送方向上流側に隣接配置されている搬送ローラ対27から次の搬送ローラ対(レジストローラ対)11までの間隔が広くなってしまう。その結果、この間隔よりも短い長さの記録媒体については搬送することができなくなり、上記不具合が発生する。
また、上記問題を解消する別の方法としては、例えば、図10に示すように、各機構部6,7に設けられる第1給送ローラ対28及び給紙ローラ対36として共通のローラ対328を用いるという第2の方法が考えられる。この第2の方法によれば、上記第1の方法で生じる不具合は発生しない。一方で、この第2の方法では、図示のように、上記共通のローラ対328に対して、再給紙路24からの記録媒体が進入する方向と、手差し給紙搬送路33からの記録媒体が進入する方向とが、互いに大きく異なることになる。本来であれば、再給紙路24及び手差し給紙搬送路33ごとに、記録媒体の進入方向に応じて上記共通のローラ対328のニップ方向を適切に設定するのが、安定搬送の点で望ましい。しかし、上記第2の方法では、再給紙路24に合わせて上記ニップ方向を設定すると、当該ニップ方向が手差し給紙搬送路33からの記録媒体の進入方向に対する適切な方向から大きく外れてしまい、手差し給紙搬送路33からの記録媒体について安定した搬送ができなくなるという不具合が生じる。逆に、手差し給紙搬送路33に合わせて上記ニップ方向を設定すると、当該ニップ方向が再給紙路24からの記録媒体の進入方向に対する適切な方向から大きく外れてしまい、再給紙路24からの記録媒体について安定した搬送ができなくなるという不具合が生じる。なお、再給紙路24からの記録媒体の進入方向と手差し給紙搬送路33からの記録媒体の進入方向とがなるべく一致するように構成することも可能であるが、安定搬送の観点から再給紙路24や手差し給紙搬送路33を大きく曲げることができない関係で、給紙装置が大型化してしまうというという不具合が生じる。
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、上述した不具合を発生させることなく、上記用紙反転機構部等の再給送部と上記手差し機構部等の給送部とを備えた給送装置の小型化を図ることが可能な給送装置及びその給送装置を備えた画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、プリンタエンジンを通過した後の記録媒体を再度該プリンタエンジンに向けて給送するための再給送路と、該再給送路の給送方向下流端に対して給送方向上流側に近接して設けられた第1給送ローラ対とを有する再給送部と、給送トレイ上の記録媒体を送り出すためのピックアップローラと、該ピックアップローラが送り出した記録媒体の一つだけを分離されて搬送する分離ローラ対と、分離ローラ対により搬送された記録媒体を上記プリンタエンジンに向けて搬送するための給送路と、該給送路の給送方向下流端に対して給送方向上流側に近接して設けられた第2給送ローラ対とを有する給送部とを備えた給送装置において、上記再給送路の給送方向下流端と上記給送路の給送方向下流端とを近接して配置し、上記第1給送ローラ対を構成する一方のローラと上記第2給送ローラ対を構成する一方のローラとを共通のローラで構成するとともに、該共通のローラ、上記ピックアップローラ及び上記分離ローラ対を正逆回転駆動可能な単一の駆動源からの駆動力によって駆動する駆動手段を設け、上記駆動手段は、上記ピックアップローラ及び上記分離ローラ対に対し、記録媒体が上記給送路中を搬送される正転駆動時には上記単一の駆動源からの駆動力を伝達し、記録媒体が上記再給送路中を搬送される逆転駆動時には該単一の駆動源からの駆動力を伝達しない一方向伝達手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の給送装置において、プリンタエンジンを通過した後の記録媒体を一時的に収容する反転路と、記録媒体を該反転路の出入口から該反転路内へ送り込むとともに、該反転路内に収容された記録媒体を該出入口から上記再給送路へ送り出すための反転ローラ対とを備えており、該反転路の出入口から離れた側の反転路部分は、上記給送路に連通していることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の給送装置において、上記反転路の出入口から離れた側の反転路部分は、上記給送路と交差していることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1、2又は3の給送装置において、上記一方向伝達手段は、電磁クラッチであることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、内部にプリンタエンジンが収納され、該プリンタエンジンへ記録媒体を搬送するための搬送路を有する装置本体と、該搬送路へ記録媒体を給送する給送手段とを備えた画像形成装置において、上記給送手段として、請求項1、2、3又は4の給送装置を用い、上記再給送路の給送方向下流端と上記給送路の給送方向下流端とを上記装置本体内の上記搬送路に連通させたことを特徴とするものである
本発明においては、再給送部の第1給送ローラ対を構成する一方のローラか、給送部の第2給送ローラ対を構成する一方のローラのいずれか一方を省略することができるので、再給送部と給送部とを従来よりも近接して配置することが可能になる。
また、本発明において、再給送部の再給送路中の記録媒体は、上記第1給送ローラ対を構成する他方のローラと上記共通のローラとからなるローラ対によって給送される。また、給送部の給送路中の記録媒体は、上記第2給送ローラ対を構成する他方のローラと上記共通のローラとからなるローラ対によって給送される。すなわち、本発明においては、上述した第1の方法のように再給送部と給送部のいずれかの給送ローラ対をなくすというわけではない。したがって、上記第1の方法では生じ得る、記録媒体の搬送性が低下して給送が困難となるという不具合及び給送可能な記録媒体サイズが制限されるという不具合は、本発明では発生しない。
また、本発明において、上記第1給送ローラ対に対する再給送路からの記録媒体の進入方向と上記第2給送ローラ対に対する給送路からの記録媒体の進入方向とを互いに独立して設定することができる。したがって、給送装置を大型化させることなく、再給送路及び給送路の双方について記録媒体の安定した搬送を実現することができる。
以上、本発明によれば、上述した第1の方法や第2の方法では生じ得る不具合を発生させることなく、再給紙部と給紙部とを備えた給紙装置の小型化を図ることができるという優れた効果が奏される。
以下、本発明の実施の形態を図1ないし図3に基づいて説明する。
図1は本実施の形態の電子写真方式の画像形成装置である複写機の内部構造の概略を示す縦断正面図、図2は手差し機構部を拡大して示す縦断正面図、図3は手差し機構部の一部を示す分解斜視図である。
本実施の形態の複写機1は、プリンタエンジン(画像形成部)2、他の給送装置を構成する複数の給紙カセット3、定着部4等が装置本体5内に設けられ、装置本体5の側面部には再給送部としての用紙反転機構部6と給送部としての手差し機構部7とを具備する給送装置である給紙装置8が取り付けられている。
装置本体5内には、給紙カセット3から給紙された記録媒体Sが図示しない排紙トレイに向けて搬送される搬送路9が形成され、この搬送路9に沿って搬送ローラ対10、レジストローラ対11、プリンタエンジン2、定着部4等が配置されている。
プリンタエンジン2は、ドラム状の感光体12、感光体12の周囲に配置された帯電器13、露光器14、現像器15、転写器16、クリーニング器17等により構成されている。
この複写機1での画像形成時には、感光体12の表面が帯電器13により一様に帯電され、図示しないスキャナにより読み取られた画像データに応じた光(例えば、レーザー光)が露光器14から出射され、この光が感光体12の表面を露光することにより感光体12の表面に静電潜像が形成される。この静電潜像に対して現像器15から供給されたトナーが付着し、静電潜像がトナー画像として顕像化される。顕像化されたトナー画像は、転写器16の転写作用により搬送路9を搬送される記録媒体Sに転写される。トナー画像が転写された記録媒体Sは搬送路9上を搬送されて定着部4に送り込まれ、定着部4で加熱、加圧されることによりトナー画像が記録媒体Sに定着される。トナー画像が定着された記録媒体は図示しない排紙トレイ上に排紙される。トナー画像が転写された後の感光体12上に残留しているトナーは、クリーニング器17によりクリーニングされる。
搬送路9の途中には、記録媒体Sの搬送方向に沿った定着部4の下流側に位置して反転用排紙路18が分岐され、この分岐部分には記録媒体Sの搬送方向を排紙トレイ側又は反転用排紙路18側のいずれかに切り替えるための切替爪19が設けられている。また、搬送路9の途中であって記録媒体Sの搬送方向に沿ったプリンタエンジン2の上流側には、反転された記録媒体S又は手差しされた記録媒体Sが送り込まれる共通給紙路20が形成されている。
つぎに、上記給紙装置8について説明する。
給紙装置8は、装置本体5の側面に取り付けられたケース21、ケース21に設けられた用紙反転機構部6、手差し機構部7を備えている。ケース21は、上部ケース21aと、上部ケース21aの下側に連結された下部ケース21bとにより形成されている。
用紙反転機構部6は、ケース21内に形成された入口路22、反転路23、再給送路である再給紙路24を備えている。反転路23は、上部ケース21a内に形成された上部反転路23aと、下部ケース21b内に形成された下部反転路23bとにより形成されている。入口路22の一端は上記反転用排紙路18に連通され、入口路22の他端が上部反転路23aに接続されている。再給紙路24の一端は入口路22に接続され、再給紙路24の他端は共通給紙路20に連通されている。入口路22と上部反転路23aとの接続部分には正逆回転可能な反転ローラ対25が設けられている。反転ローラ対25が正転方向(時計回り方向)に回転することにより、反転用排紙路18から入口路22に送り込まれた記録媒体Sが反転路23に送り込まれる。反転ローラ対25は、記録媒体Sの送り込み方向後端部が反転ローラ対25により挟持される位置まで記録媒体Sを反転路23に送り込んだ後、逆方向(反時計回り方向)に回転する。この逆方向への回転により、一旦反転路23に送り込まれた記録媒体Sが反転路23から送り出される。このとき、切替爪26が仮想線で示す位置に切り替えられるため、反転路23から送り出された記録媒体Sは再給紙路24に送り込まれる。再給紙路24の途中には搬送ローラ対27が設けられ、再給紙路24の給紙方向下流端に対して給送方向上流側に近接した位置には第1給送ローラ対28が設けられている。
手差し機構部7は、図2に示すように、ハウジング29と第1ガイド板30と第2ガイド板31とを連結して形成された下部ケース21b、給送トレイである手差し給紙トレイ32、給送路である手差し給紙搬送路33、ピックアップローラ34a、フィードローラとリバースローラとからなる分離ローラ対34b、パッド35、第2給送ローラ対36、下部反転路23b等を備えている。ピックアップローラ34aはパッド35に対して接離可能に構成されている。手差し給紙トレイ32は、支点37を中心として、図1の実線で示した開放位置と図1の仮想線で示した閉止位置とに回動可能に設けられている。手差し給紙トレイ32上には手差しされる記録媒体Sが載置され、手差し給紙トレイ32上に記録媒体Sが載置された後にピックアップローラ34aが回転駆動されることにより、手差し給紙トレイ32上の記録媒体Sが分離ローラ対34bへ受け渡される。その後、分離ローラ対34bにおいて一枚ずつ分離されて手差し給紙搬送路33上を搬送され、共通給紙路20から搬送路9上に送り込まれる。
第1ガイド板30はハウジング29にネジ止めされ、このネジ止めは、第1ガイド板30に形成された丸穴38に挿通したネジ(図示せず)をハウジング29に形成されたネジ穴39に螺合させることにより行われている。第2ガイド板31はハウジング29にネジ止めされ、このネジ止めは、ハウジング29に形成された丸穴40に挿通したネジ(図示せず)を第2ガイド板31に形成されたネジ孔41に螺合させることにより行われている。ハウジング29には、分離ローラ対34bと第2給送ローラ対36における駆動側のローラAとが回転自在に保持され、第2ガイド板31には第2給送ローラ対36における従動側のローラBが回転自在に保持されている。
ハウジング29とハウジング29にネジ止めされた第1ガイド板30との間には手差し給紙搬送路33と交差する向きに下部反転路23bが形成され、この下部反転路23bと上部反転路23aとが連通されることにより反転路23が形成されている。下部反転路23bと上部反転路23aとの幅寸法(紙面と直交する方向の幅寸法)は同じ寸法に形成され、上部反転路23aに送り込まれた記録媒体Sはその送り込み方向先端を下部反転路23b内に入り込ませることが可能とされている。上部反転路23aと下部反転路23bとを連通させることにより形成された反転路23と手差し給紙搬送路33とが逆T字形に交差している。また、反転路23の下端側(下部反転路23bの部分)は、手差し給紙搬送路33における記録媒体Sの搬送方向に沿った分離ローラ対34bの下流側に位置付けられている。なお、ハウジング29における下部反転路23bに対向する部分には、下部反転路23bの幅方向(紙面と直交する方向)に沿って複数のリブ42が形成されている。
第1ガイド板30にはリブ42の配列方向と同じ方向に配列された複数のリブ43が形成され、これらのリブ43が再給紙路24の他端側先端部の内周面の一部を形成している。第1給送ローラ対28はリブ43が形成されている部分の近傍に位置付けられ、この第1給送ローラ対28は駆動側のローラAと従動側のローラCとにより形成され、駆動側のローラAは第2給送ローラ対36の駆動側のローラAとして共用されている。第1給送ローラ対28における従動側のローラCは上部ケース21aに回転自在に保持されている。ローラAには、正逆回転切替自在な駆動モータが連結されている。手差し給紙トレイ32から記録媒体Sを給紙する場合には、ローラAは正転方向(時計回り方向)に回転駆動され、記録媒体Sを再給紙路24から再給紙する場合には、ローラAは逆転方向(反時計回り方向)に回転駆動される。
再給紙路24の先端部(給送方向下流端部)と手差し給紙搬送路33の先端部(給送方向下流端部)とは互いに近接して開口され、ともに装置本体5内に形成された共通給紙路20に接続されている。
装置本体5の側面部であって給紙装置8の下側部分には、図1に示すように、装置本体5内に設けられた給紙カセット3からプリンタエンジン2に向けて搬送される記録媒体Sが搬送路9でジャムを生じた場合、そのジャムを処理するために搬送路9を開放する開閉カバー44が支軸45を支点として開閉可能に取り付けられている。
次に、本発明の特徴部分である、第1給送ローラ対28、第2給送ローラ対36及び分離ローラ対34bの構成及び動作について説明する。
図4(a)は第1給送ローラ対28、第2給送ローラ対36及び分離ローラ対34bの配置関係を示す説明図、図4(b)はこれらのローラ対28,36,34bに駆動力を伝達するためのギヤ配置を示す説明図、図4(c)はそのギヤ配置を示す斜視図である。
本実施の形態においては、各ローラ対28,36,34bを構成する駆動ローラA,D,E及びピックアップローラ34aは、図示しない同一の駆動源からの回転駆動力によって駆動する。この駆動源は、図示しない制御部からの制御信号に応じ、正逆回転駆動が可能な構成となっており、回転方向が異なる回転駆動力を発生させることができる。
図4(b)に示すように、駆動源からの駆動力により、まず、第1アイドラギヤ101が回転駆動し、その回転駆動力が第1アイドラギヤ101と噛み合っている第2アイドラギヤ102に伝達される。この第2アイドラギヤ102は、フィードクラッチギヤ103と駆動ローラギヤ104とも噛み合っている。
フィードクラッチギヤ103は、分離ローラ対34bを構成するフィードローラDのフィード軸105に接続された電磁クラッチ106を構成している。電磁クラッチ106は、図示しない制御部からの制御信号に応じて、フィードクラッチギヤ103とフィード軸105との間の駆動力伝達を可能にしたり遮断したりする。したがって、フィードクラッチギヤ103とフィード軸105との間が接続された状態では、第2アイドラギヤ102からフィードクラッチギヤ103に伝達された回転駆動力がフィード軸105に伝達され、フィードローラDが回転駆動する。
また、駆動ローラギヤ104は、第1給送ローラ対28及び第2給送ローラ対36を構成する共通のローラ(駆動ローラ)Aの駆動ローラ軸107に接続されている。第2アイドラギヤ102から駆動ローラギヤ104に伝達された回転駆動力は、駆動ローラ軸107に伝達され、これにより駆動ローラAが回転駆動する。
また、上記フィードクラッチギヤ103は、リバース入力ギヤ108とも噛み合っている。このリバース入力ギヤ108は、その軸受部にワンウェイクラッチ108aを備えており、ワンウェイクラッチ108aを介してリバース駆動軸109に接続されている。このワンウェイクラッチ108aにより、フィードクラッチギヤ103からリバース入力ギヤ108に正方向の回転駆動力が伝達されたときにはその回転駆動力がリバース駆動軸109に伝達され、逆方向の回転駆動力が伝達されたときにはその回転駆動力がリバース駆動軸109に伝達されない。このとき、逆方向の回転駆動力が伝達されたリバース入力ギヤ108は空回転するだけである。リバース駆動軸109に伝達された回転駆動力は、これに固定されたリバース駆動ギヤ110からリバース従動ギヤ111に伝達され、リバース従動ギヤ111が固定されたリバース従動軸112を介してリバースローラEが回転駆動する。
図5(a)は、手差し給紙トレイ32から搬送路9へ記録媒体Sを給紙する場合の各ローラ対28,36,34bの駆動例を示す説明図、図5(b)は、再給紙路24から搬送路9へ記録媒体Sを給紙する場合の各ローラ対28,36,34bの駆動例を示す説明図である。
〔手差し給紙時の動作〕
手差し給紙トレイ32から搬送路9へ記録媒体Sを給紙する場合、駆動源は上記正方向の回転駆動力を発生させ、これにより図5(a)に示すように第1アイドラギヤ101が図示の方向に回転駆動する。また、この場合、電磁クラッチ106はONになっている。駆動源からの回転駆動力は、フィードローラ軸105を介してピックアップローラ34aにも伝達される。
まず、手差し給紙トレイ32上に載置された記録媒体Sの上面にピックアップローラ34aが当接して回転駆動すると、記録媒体Sの一番上の1枚又は複数枚が分離ローラ対34bへ受け渡される。分離ローラ対34bを構成するフィードローラDは、第1アイドラギヤ101からの回転駆動力を、第2アイドラギヤ102、フィードクラッチギヤ103、電磁クラッチ106、フィード軸105を介して受け、記録媒体Sを給紙方向に送り出す向き(図中矢印の向き)に回転駆動する。一方、分離ローラ対34bを構成するリバースローラEは、第1アイドラギヤ101の回転駆動力を、第2アイドラギヤ102、フィードクラッチギヤ103、リバース入力ギヤ108、リバース駆動軸109、リバース駆動ギヤ110、リバース従動ギヤ111を介して伝達され、記録媒体Sを給紙方向とは逆方向に戻す向き(図中矢印の向き)に回転駆動する。これにより、ピックアップローラ34aから分離ローラ対34bへ複数枚の記録媒体Sが送られてきても、一番上の記録媒体S以外の記録媒体については、手差し給紙トレイ32側へ戻される。そして、分離ローラ対34bに挟まれる記録媒体Sが1枚だけになると、リバースローラEに加わる負荷が極端に増大する。この増大した負荷をリバースローラEが受けると、リバース従動軸112に設けられた図示しないトルクリミッタにより、リバースローラEはフィードローラDに連れ回り回転を始める。このような構成によって、記録媒体Sは1枚ずつ第2給送ローラ対36へ送られる。
第2給送ローラ対36を構成する駆動ローラAは、第1アイドラギヤ101からの回転駆動力を、第2アイドラギヤ102、駆動ローラギヤ104、駆動ローラ軸107を介して受け、記録媒体Sを給紙方向に送り出す向き(図中矢印の向き)に回転駆動する。また、第2給送ローラ対36を構成する従動ローラBは、この駆動ローラAの回転に連れ回り回転する。上記分離ローラ対34bから送られてきた記録媒体Sは、この第2給送ローラ対36により更に共通給紙路20及び搬送路9へと送られる。そして、プリンタエンジン2の部分で記録媒体Sの片面にトナー画像が転写され、そのトナー画像が定着部4で定着される。以後、その記録媒体Sはそのまま排紙トレイに排紙されるか、後述するように他面にも画像を形成する場合又は他面には画像を形成せずに裏返して排紙トレイに排紙する場合には用紙反転機構部6へ送られるかする。
なお、手差し給紙トレイ32から搬送路9へ記録媒体Sを給紙する場合、第1給送ローラ対28を構成する従動ローラCは、駆動ローラAに連れ回り回転することになる。
〔再給紙時の動作〕
上記用紙反転機構部6から搬送路9へ記録媒体Sを給紙する場合、駆動源は上記逆方向の回転駆動力を発生させ、これにより図5(b)に示すように第1アイドラギヤ101が図示の方向に回転駆動する。この場合、電磁クラッチ106はOFFになっている。よって、第1アイドラギヤ101からの回転駆動力は、第2アイドラギヤ102を介してフィードクラッチギヤ103までは伝達されるが、電磁クラッチ106によりフィード軸105までは伝達されない。したがって、ピックアップローラ34a及びフィードローラDは回転駆動しない。一方、第1アイドラギヤ101の回転駆動力は、第2アイドラギヤ102、フィードクラッチギヤ103を介してリバース入力ギヤ108までは伝達されるが、ワンウェイクラッチ108aによりリバース駆動軸109までは伝達されない。したがって、リバースローラEも回転駆動しない。その結果、用紙反転機構部6から搬送路9へ記録媒体Sを給紙する場合には、手差し給紙トレイ32上の記録媒体Sが給紙されることはない。
なお、仮に、リバース入力ギヤ108の軸受部に、ワンウェイクラッチ108aを設けず、トルクリミッタのみを設けた場合には、手差し給紙トレイ32上の記録媒体Sが給紙されてしまうおそれがある。すなわち、ワンウェイクラッチ108aがないと、駆動源が発生させた上記逆方向の回転駆動力がリバース駆動軸109まで伝達され、リバースローラEが記録媒体Sを給紙方向に送り出す向きに回転駆動してしまう。このとき、フィードローラDは、電磁クラッチ106がOFFになっていることから、回転自在な状態であり、リバースローラEの回転に連れ回り回転することになる。その結果、手差し給紙トレイ32上の記録媒体Sが分離ローラ対34bによって誤って給紙されるおそれがある。この場合、上記用紙反転機構部6から給紙される記録媒体と手差し給紙トレイ32から給紙される記録媒体とが共通給紙路20や搬送路9あるいはプリンタエンジン2の部分などでジャムが発生してしまう。本実施形態では、この問題を解決するために、上述したワンウェイクラッチ108aを用いている。
一方、第1給送ローラ対28を構成する駆動ローラAは、第1アイドラギヤ101の回転駆動力を、第2アイドラギヤ102、駆動ローラギヤ104、駆動ローラ軸107を介して受け、再給紙路24内の記録媒体Sを給紙方向へ送り出す向き(図中矢印の向き)に回転駆動する。これにより、記録媒体Sは共通給紙路20及び搬送路9へと送られる。そして、その記録媒体Sはプリンタエンジン2の部分でトナー画像が転写されてそのトナー画像が定着部4で定着されるか、プリンタエンジン2の部分でトナー画像が転写されずにそのまま通過するかする。以後、その記録媒体Sは排紙トレイに排紙される。
なお、本実施の形態では、第1給送ローラ対28及び第2給送ローラ対36を構成する共通のローラAが駆動ローラである場合について説明したが、従動ローラであってもよい。この場合、第2給送ローラ対36を構成する他のローラB及び第1給送ローラ対28を構成する他のローラCの少なくとも一方を駆動ローラとする。
両方とも駆動ローラとする場合には、例えば、各駆動ローラを上述した電磁クラッチのような駆動力伝達を遮断し得る機構を介して駆動源に接続し、手差し機構部7からの手差し給紙の際にはローラBを回転駆動するとともにローラCを従動回転できるようにし、用紙反転機構部6からの再給紙の際にはローラCを回転駆動するとともにローラBを従動回転できるようにすればよい。
いずれか一方だけを駆動ローラとする場合には、その駆動ローラを直接的に駆動源に接続するようにしてもよい。そして、ローラBを駆動ローラとする場合を例に挙げれば、手差し機構部7からの手差し給紙の際には、ローラBを手差し給紙搬送路33内の記録媒体が給紙方向へ送り出す向きに回転駆動させる。一方、用紙反転機構部6からの再給紙の際には、ローラBを逆向きに回転駆動させる。これにより、ローラAはローラBに連れ回り回転し、再給紙路24内の記録媒体が給紙方向へ送り出す向きに回転し、ローラCはローラAに連れ回り回転する。これにより、再給紙路24内の記録媒体を搬送路9へ給紙することができる。ローラCを駆動ローラとする場合も同様である。
また、本実施の形態では、用紙反転機構部6とともに給紙装置8に設けられる給送部が手差し機構部7である場合について説明したが、これに限らず、給紙カセット内の記録媒体を給紙するような給紙部であってもよい。
このような構成において、この複写機1により記録媒体Sの両面に画像を形成する場合について詳しく説明する。
給紙カセット3又は手差し給紙トレイ32から給紙された記録媒体Sが搬送路9を搬送され、プリンタエンジン2の部分で記録媒体Sの片面にトナー画像が転写され、そのトナー画像が定着部4で定着される。定着部4での定着処理が行われることにより片面にトナー画像が形成された記録媒体Sは、図1中実線で示す位置に切り替えられている切替爪19により反転用排紙路18側に送られ、反転用排紙路18と入口路22とを経由して反転路23に送り込まれる。反転路23に送り込まれた記録媒体Sの送り込み方向後端部が反転ローラ対25に挟持されたタイミングで反転ローラ対25の回転が停止され、ついで、反転ローラ対25が逆回転される。この逆回転により、反転路23に送り込まれた記録媒体Sは反転路23から送り出される。このとき、切替爪26は、反転路23から送り出された記録媒体Sを再給紙路24に送り込む位置(図1中仮想線で示す位置)に切替えられており、記録媒体Sは再給紙路24に送り込まれる。
再給紙路24に送り込まれた記録媒体Sは、搬送ローラ対27、第1給送ローラ対28により搬送され、共通給紙路20から搬送路9に表裏反転された状態で送り込まれる。そして搬送路9を搬送された後に再度プリンタエンジン2の部分で記録媒体Sの他方の面にトナー画像が転写される。記録媒体Sへの二度目のトナー画像の転写が行われるときには、切替爪19は図1中仮想線で示す位置に切り替えられており、二度目のトナー画像の転写が行われた記録媒体Sは定着部4で定着処理された後に排紙トレイ側へ送られ、排紙トレイ上に排紙される。
また、本実施の形態の給紙装置8によれば、上部反転路23aと下部反転路23bとからなる反転路23は、手差し給紙搬送路33と逆T字形に交差する位置まで延出されており、反転路23と手差し給紙搬送路33との間を仕切る部材が不用となり、給紙装置8の小型化を図ることができ、特に、給紙装置8の上下方向の長さ寸法を小さくすることができる。しかも、上部反転路23aと下部反転路23bとからなる反転路23は、手差し給紙搬送路33と逆T字形に交差する位置まで延出されているので、給紙装置8が小型化されて上下方向の寸法が小さくなった場合でも、反転路23の長さ寸法を長く確保することができる。これにより、複写機1や給紙装置8が小型化された場合でも長いサイズの記録媒体Sを反転路23で反転させることができ、当該長いサイズの記録媒体Sに対する両面への画像形成を良好に行える。
また、反転路23の下端側の部分(下部反転路23bの部分)は、手差し給紙搬送路33における記録媒体Sの搬送方向に沿った分離ローラ対34bの下流側に位置付けられているので、反転路23を分離ローラ対34bによる制約を受けることなく形成することができる。しかも、反転路23内に送り込んだ記録媒体Sを手差し給紙トレイ32上に載置されている記録媒体Sによる制約を受けることなく下部反転路23bの下端部まで送り込むことができ、反転路23の全長を記録媒体Sの反転のために有効に利用することができる。
さらに、この給紙装置8によれば、再給紙路24の先端部と手差し給紙搬送路33の先端部とが近接して開口され、装置本体5に形成された共通給紙路20に接続されているので、再給紙路24の先端部と手差し給紙搬送路33の先端部との間隔が小さくなり、給紙装置8の小型化をより一層効果的に実現することができる。また、再給紙路24の先端部に設けられた第1給送ローラ対28と手差し給紙搬送路33の先端部に設けられた第2給送ローラ対36とは、1つのローラAを共有しているので給紙装置8の小型化と部品点数の削減とを図ることができる。しかも、共有されているローラAが駆動側のローラであるので、駆動系統の部品点数を削減でき、給紙装置8のさらなる小型化に寄与することができる。
そして、給紙装置8の小型化を図ることにより、装置本体5への給紙装置8の取り付け位置を上方へ移動させることができる。これにより、開閉カバー44のサイズを大きくすることができ、装置本体5内の搬送路9の下方位置で発生したジャムの処理を容易に行うことができる。
また、給紙装置8の小型化に伴って装置本体5への給紙装置8の取り付け位置が上方に移動した場合には、手差し機構部7から手差しされた記録媒体Sを装置本体5内の搬送ローラ対10で搬送できないという事態が発生する。しかし、手差しされた記録媒体Sを第2給送ローラ対36によって搬送路9に送り込めるので、長さ寸法の短いサイズの記録媒体Sであっても搬送路9内を搬送するための搬送力を確保することができ、スムーズに手差し給紙することができる。
〔構成例1〕
次に、上記実施の形態の他の構成例(以下、本構成例を「構成例1」という。)について図6に基づいて説明する。なお、図1ないし図3において説明した部分と同じ部分は同じ符号で示し、説明も省略する(以下の構成例でも同じ)。
本構成例1の基本的構造は上記実施の形態と同じであり、本構成例1と上記実施の形態との異なる点は、本構成例の反転路23Aが上記実施の形態の反転路23より長く形成され、より長い記録媒体Sについても反転させることが可能とされている点である。
本構成例1の反転路23Aは、上部ケース21a内に形成された上部反転路23aと、下部ケース21b内に形成された下部反転路23cとにより形成されている。下部反転路23cは、ハウジング29とハウジング29にネジ止めされた第1ガイド板30との間に設けられた隙間部分aと、さらに、その隙間部分aの下方に位置して第2ガイド板31に形成された開口bとにより形成されている。この下部反転路23cと上部反転路23aとにより反転路23Aが形成され、反転路23Aと手差し給紙搬送路33とが十字形に交差している。下部反転路23cと上部反転路23aとの幅寸法(紙面と直交する方向の幅寸法)は同じ寸法に形成され、上部反転路23aに送り込まれた記録媒体Sはその送り込み方向先端を下部反転路23c内に入り込ませることが可能とされている。また、下部反転路23cは、その下端部が開放されている。
このような構成において、反転路23Aに送り込まれた記録媒体Sの長さ寸法が長い場合には、その記録媒体Sの下端部を反転路23Aの下端部(開口bの部分)から延出させることができ、長さ寸法が長い各種の記録媒体Sに対して反転路23Aを用いた反転処理を行うことができる。
〔構成例2〕
次に、上記実施の形態の更に他の構成例(以下、本構成例を「構成例2」という。)について図7及び図8に基づいて説明する。本構成例2の基本的構造は上記実施の形態と同じであり、本構成例2と上記実施の形態との異なる点は、本構成例2における装置本体5の下部であって給紙装置8の下方側に設けられている開閉カバー46の構造と、この開閉カバー46に給紙装置8が連結されている点である。開閉カバー46は、装置本体5内の搬送路9の下方部分で発生したジャムを処理するために搬送路9を開放可能に取り付けられている。この開閉カバー46は、水平方向向きの支点45を中心として上端が下向きとなるように回動して搬送路9を開放するように装置本体5に取り付けられている。
このような構成において、搬送路9の下方部分で発生したジャムを処理するために開閉カバー46を開放した場合、図8に示すように給紙装置8も一体に回動する。このとき、本構成例2では、給紙装置8が小型化されて上下方向の寸法が小さくなっているため、開閉カバー46に連結されている給紙装置8を上方位置に位置付けることができ、開閉カバー46を給紙装置8と共に開放位置に回動させたときに給紙装置8が床面等に接触しにくくなり、開閉カバー46の開放角度"θ"を大きくとることができる。これにより、装置本体5内の搬送路9の下方部分で発生したジャムの処理を容易に行うことができる。
以上、本実施の形態の画像形成装置である複写機は、内部にプリンタエンジン2が収納され、該プリンタエンジン2へ記録媒体Sを搬送するための搬送路9を有する装置本体5と、該搬送路9へ記録媒体Sを給送する給送手段とを備えている。そして、この給送手段として給紙装置8を用い、かつ、上記再給紙路24の給送方向下流端と上記手差し給紙搬送路33の給送方向下流端とを上記装置本体5内の上記搬送路9に連通させている。この給紙装置8は、プリンタエンジン2を通過した後の記録媒体Sを再度該プリンタエンジン2に向けて給送するための再給送路である再給紙路24と、該再給紙路24の給送方向下流端に対して給送方向上流側に近接して設けられた第1給送ローラ対28とを有する再給送部としての用紙反転機構部6と、給送トレイである手差し給紙トレイ32上の記録媒体Sを上記プリンタエンジン2に向けて搬送するための給送路としての手差し給紙搬送路33と、該手差し給紙搬送路33の給送方向下流端に対して給送方向上流側に近接して設けられた第2給送ローラ対36とを有する手差し機構部7とを備えている。そして、上記再給紙路24の給送方向下流端と上記手差し給紙搬送路33の給送方向下流端とを近接して配置し、上記第1給送ローラ対28を構成する一方のローラと上記第2給送ローラ対36を構成する一方のローラとを共通のローラAで構成している。これにより、上述したように、用紙反転機構部6と手差し機構部7とを従来よりも近接して配置することが可能になる。また、上述した第1の方法で生じ得る、記録媒体の搬送性が低下して給送が困難となるという不具合及び給送可能な記録媒体サイズが制限されるという不具合が発生しない。更に、上記共通のローラAの給紙方向上流側で記録媒体の先端が開口部分に引っ掛かるという事態が発生せず、用紙反転機構部6及び手差し機構部7のいずれにおいても安定した記録媒体Sの給送が可能となる。
また、本実施の形態では、上記共通のローラAが駆動源からの駆動力によって回転駆動する駆動ローラであるので、用紙反転機構部6及び手差し機構部7のいずれにおいてもより安定した記録媒体Sの給送が可能となる。特に、本実施の形態では、上記共通のローラA以外の2つのローラB,Cが、上記共通のローラAに従動回転する従動ローラであるので、駆動系統の部品点数を削減でき、給紙装置8のさらなる小型化に寄与することができる。
また、本実施の形態では、上記給送トレイ32が手差し給紙トレイであるので、手差し機構部7を装置本体5に対してより上方に配置できるようになる。その結果、搬送路9の給送方向上流側でジャムした給紙カセット3からの記録媒体Sを取り出すための機構を、手差し機構部7に邪魔されることなく容易に配置することができる。その結果、ジャム処理の容易化を図ることが可能となる。
また、本実施の形態では、手差し給紙トレイ32上の記録媒体Sを上記プリンタエンジン2に向けて搬送するための手差し給紙搬送路33を有する上記給紙装置8以外に、給紙カセット3を有する他の給送装置であるカセット給紙装置が備わっている。そして、カセット給紙装置の給送路の給送方向下流端が、上記搬送路9のうち、上記再給紙路24の給送方向下流端及び上記手差し給紙搬送路33の給送方向下流端が連通した第1位置よりも記録媒体搬送方向下流側である第2位置で連通しており、上記搬送路9のうち該第1位置よりも記録媒体搬送方向下流側における部分を装置本体5の外部に開放可能な開閉カバー44を有している。本実施の形態では、上述したように、手差し機構部7を装置本体5に対してより上方に配置できるようになる結果、この部分に開閉カバー44を設けることが可能となる。そして、この開閉カバー44を開くことにより、上記部分でジャムしたカセット給紙装置からの記録媒体Sのジャム処理が容易になる。
また、上記構成例2で説明したように、手差し給紙トレイ32上の記録媒体Sを上記プリンタエンジン2に向けて搬送するための手差し給紙搬送路33を有する上記給紙装置8以外に、給紙カセット3を有する他の給送装置であるカセット給紙装置が備わっている。そして、カセット給紙装置の給送路の給送方向下流端が、上記搬送路9のうち、上記再給紙路24の給送方向下流端及び上記手差し給紙搬送路33の給送方向下流端が連通した第1位置よりも記録媒体搬送方向下流側である第2位置で連通しており、上記搬送路9のうち少なくとも該第1位置及び該第2位置を含む部分を装置本体5の外部に開放可能であって、上記給紙装置8と一体構成された開閉カバー46を有している。これにより、上述したように、開閉カバー46を給紙装置8と共に開けたときに給紙装置8が床面等に接触しにくくなり、開閉カバー46の開放角度"θ"を大きくとることが可能になる。これにより、装置本体5内の搬送路9の下方部分で発生したジャムの処理を容易に行うことができるようになる。
本発明の実施の形態の複写機の内部構造の概略を示す縦断正面図である。 同複写機に設けられる給紙装置の手差し機構部を拡大して示す縦断正面図である。 同手差し機構部の一部を示す分解斜視図である。 (a)は、同給紙装置に設けられる第1給送ローラ対、第2給送ローラ対及び分離ローラ対の配置関係を示す説明図。(b)は、これらのローラ対に駆動力を伝達するためのギヤ配置を示す説明図。(c)は、そのギヤ配置を示す斜視図。 (a)は、同手差し機構部の手差し給紙トレイから記録媒体を給紙する場合の各ローラ対の駆動例を示す説明図。(b)は、用紙反転機構部の再給紙路から記録媒体を給紙する場合の各ローラ対の駆動例を示す説明図。 本発明の第2の実施の形態の複写機の内部構造の概略を示す縦断正面図である。 本発明の第3の実施の形態の複写機の内部構造の概略を示す縦断正面図である。 開閉カバーと給紙装置とを開放位置へ回動させた状態の複写機の内部構造の概略を示す縦断正面図である。 画像形成装置本体の側面に取り付けられた従来の給紙装置の一例を示す概略構成図。 従来の問題を解消できる方法を実現した給紙装置の一例を示す概略構成図。
符号の説明
2 プリンタエンジン
3 給紙カセット
5 装置本体
6 用紙反転機構部
7 手差し機構部
8,208,308 給紙装置
9 搬送路
20 共通給紙路
23 反転路
24 再給紙路
28 第1給送ローラ対
32 手差し給紙トレイ
33 手差し給紙搬送路
34b 分離ローラ対
36 第2給送ローラ対
44,46 開閉カバー
A 共通のローラ(駆動ローラ)
B,C 従動ローラ

Claims (5)

  1. プリンタエンジンを通過した後の記録媒体を再度該プリンタエンジンに向けて給送するための再給送路と、該再給送路の給送方向下流端に対して給送方向上流側に近接して設けられた第1給送ローラ対とを有する再給送部と、
    給送トレイ上の記録媒体を送り出すためのピックアップローラと、該ピックアップローラが送り出した記録媒体の一つだけを分離されて搬送する分離ローラ対と、分離ローラ対により搬送された記録媒体を上記プリンタエンジンに向けて搬送するための給送路と、該給送路の給送方向下流端に対して給送方向上流側に近接して設けられた第2給送ローラ対とを有する給送部とを備えた給送装置において、
    上記再給送路の給送方向下流端と上記給送路の給送方向下流端とを近接して配置し、
    上記第1給送ローラ対を構成する一方のローラと上記第2給送ローラ対を構成する一方のローラとを共通のローラで構成するとともに、該共通のローラ、上記ピックアップローラ及び上記分離ローラ対を正逆回転駆動可能な単一の駆動源からの駆動力によって駆動する駆動手段を設け、
    上記駆動手段は、上記ピックアップローラ及び上記分離ローラ対に対し、記録媒体が上記給送路中を搬送される正転駆動時には上記単一の駆動源からの駆動力を伝達し、記録媒体が上記再給送路中を搬送される逆転駆動時には該単一の駆動源からの駆動力を伝達しない一方向伝達手段を有することを特徴とする給送装置。
  2. 請求項1の給送装置において、
    プリンタエンジンを通過した後の記録媒体を一時的に収容する反転路と、記録媒体を該反転路の出入口から該反転路内へ送り込むとともに、該反転路内に収容された記録媒体を該出入口から上記再給送路へ送り出すための反転ローラ対とを備えており、
    該反転路の出入口から離れた側の反転路部分は、上記給送路に連通していることを特徴とする給送装置。
  3. 請求項2の給送装置において、
    上記反転路の出入口から離れた側の反転路部分は、上記給送路と交差していることを特徴とする給送装置。
  4. 請求項1、2又は3の給送装置において、
    上記一方向伝達手段は、電磁クラッチであることを特徴とする給送装置。
  5. 内部にプリンタエンジンが収納され、該プリンタエンジンへ記録媒体を搬送するための搬送路を有する装置本体と、該搬送路へ記録媒体を給送する給送手段とを備えた画像形成装置において、
    上記給送手段として、請求項1、2、3又は4の給送装置を用い、
    上記再給送路の給送方向下流端と上記給送路の給送方向下流端とを上記装置本体内の上記搬送路に連通させたことを特徴とする画像形成装置
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