JP4390751B2 - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4390751B2
JP4390751B2 JP2005211404A JP2005211404A JP4390751B2 JP 4390751 B2 JP4390751 B2 JP 4390751B2 JP 2005211404 A JP2005211404 A JP 2005211404A JP 2005211404 A JP2005211404 A JP 2005211404A JP 4390751 B2 JP4390751 B2 JP 4390751B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel
air
fuel ratio
internal combustion
combustion engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005211404A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007024002A (ja
Inventor
誠治 広渡
正彦 寺岡
俊孝 藤木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Yamaha Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp, Yamaha Motor Co Ltd filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2005211404A priority Critical patent/JP4390751B2/ja
Publication of JP2007024002A publication Critical patent/JP2007024002A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4390751B2 publication Critical patent/JP4390751B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

本発明は、内燃機関の空燃比制御装置に関し、特に、筒内に燃料を直接噴射する内燃機関における空燃比制御装置に関する。
内燃機関の燃焼室内に燃料を噴射するための筒内噴射用インジェクタを具備した内燃機関が公知である。このような内燃機関に於いては、アイドル時などのように内燃機関が低負荷にある時には圧縮行程時に燃料を気筒内に噴射して弱成層燃焼を実行し、高負荷時には吸気行程時に燃料を気筒内に噴射することにより均質燃焼を実行し、このことにより低燃費と高出力とを両立させている
一般的に内燃機関の排気系には、排気ガス中の有害成分を浄化するための触媒コンバータが設けられている。この触媒コンバータとして、三元触媒コンバータが広く使用されており、これは排気ガス中の三成分である一酸化炭素(CO)および未燃焼の炭化水素(HC)を酸化するとともに酸化窒素(NOx)を還元して、二酸化炭素(CO2)、水蒸気(H2O)、および窒素(N2)に変換させるものである。
この三元触媒コンバータによる浄化特性は、燃焼室内に形成される混合気の空燃比に依存し、それが理論空燃比近傍である時に三元触媒コンバータは最も有効に機能する。これは、空燃比がリーンであり排気ガス中の酸素量が多いと、酸化作用が活発となるが還元作用が不活発となり、また空燃比がリッチであり排気ガス中の酸素量が少ないと、逆に還元作用が活発となるが酸化作用が不活発となり、前述の有害三成分を全て良好に浄化させることができないためである。したがって、三元触媒コンバータを有する内燃機関には、その排気通路に出力リニア型酸素センサが設けられ、それにより測定される酸素濃度を使用して燃焼室内の混合気の空燃比を理論空燃比(ストイキオメトリック・エア・フューエル・レシオ:以下、ストイキと記載する場合がある)にするように、空燃比フィードバック制御されている。
一方、燃料噴射時間を決定する際、内燃機関の回転数および負荷率等に基づいて、基本燃料噴射時間が算出され、これに上記した空燃比フィードバック制御による補正係数を始めとする各種補正量が重畳されて要求噴射時間が算出される。この際、軽負荷時等においては、算出された要求噴射時間が非常に小さい値になる場合がある。しかるに、実際に燃料を噴射する燃料噴射弁(インジェクタ)は、噴射できる燃料の最小値が決まっており(この噴射できる燃料の最小量を最小噴射時間という)、この最小噴射時間以下の噴射が行なえないようにしている。よって、算出された要求噴射時間が最小噴射時間をよりも小さい場合には、要求噴射時間を最小噴射時間に固定して燃料を噴射している。
このような最小噴射時間以下では燃料を噴射できないので、この状態は要求噴射時間に対して過剰な噴射が行なわれている状態であり、空燃比はリッチな状態になっている。したがって、この状態で空燃比フィードバック制御を継続して実行すると、その補正係数は下限値まで低下してしまう。このような軽負荷状態から定常運転状態に移行すると、空燃比フィードバック制御による補正係数が適正値に戻るまでの間、オーバリーンになり排気エミッションおよびドライバビリティが悪化する現象が生じる。
特開平4−362246号公報(特許文献1)は、このような問題を解決する内燃機関の空燃比制御装置を開示する。この内燃機関の空燃比制御装置は、内燃機関の機関状態により定まる要求噴射時間がインジェクタの最小開弁時間より定まる最小噴射時間より小さいフィードバック制御の中止条件が成立する際、空燃比フィードバック制御手段の実行を中止する構成とされた内燃機関の空燃比制御装置であって、フィードバック制御の中止条件が成立している期間を計測する期間計測手段と、期間計測手段が計測する期間が所定期間以内の場合には、空燃比フィードバック制御手段の実行中止を禁止する禁止手段とを備える。
この内燃機関の空燃比制御装置によると、フィードバック制御の中止条件が成立しても、成立している時間が所定時間以内である場合には、空燃比フィードバック制御は中止されることなく実行状態が維持される。したがって、加速のための変速処理後における空燃比制御性を向上させてドライバビリティの悪化を防止できる。
特開平4−362246号公報
しかしながら、特許文献1に開示された内燃機関の空燃比制御装置においては、一定の条件が成立すると(軽負荷運転状態等であって、要求噴射時間が最小噴射時間よりも小さいという中止条件が所定期間を越えると)、空燃比フィードバック制御を中止してしまう。このため、そのときには、空燃比フィードバック制御が行なわれないので、空燃比が制御されず、排気エミッションの悪化やドライバビリティが悪化する。
その一方、軽負荷運転状態等であって、要求噴射時間が最小噴射時間よりも小さいときに、その短い要求噴射時間で燃料を筒内噴射用インジェクタから噴射しても、噴射時間と噴射量との間にリニアリティが成立しない領域であるので、極端な例では、リッチ側に補正している制御が行なわれている場合であっても、要求噴射時間では要求噴射量より少ない燃料しか噴射できないことになり、リーン側に補正していることになる。このような状態の元では、フィードバック制御の積分項がさらにリッチ側に補正するように積算されて、空燃比制御における目標値との偏差が小さくならなくなったり、積分項が適正に算出されないので、目標値と空燃比がハンチングしたりする。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、要求噴射時間が最小噴射時間よりも小さい領域においても、良好な空燃比制御性を実現して、排気エミッションやドライバビリティの悪化を防止することができる、内燃機関の空燃比制御装置を提供することである。
第1の発明に係る内燃機関の空燃比制御装置は、筒内に燃料を噴射するための燃料噴射手段を備えた内燃機関の空燃比を制御する。この空燃比制御装置は、内燃機関に要求される条件に基づいて、燃料を噴射するように、燃料噴射手段を制御するための制御手段と、内燃機関の排気系に設けられ、排気の空燃比を検知するための手段と、検知された空燃比に基づいて、空燃比が目標空燃比になるようにフィードバック制御するための空燃比制御手段とを含む。この空燃比制御手段は、燃料噴射手段における燃料噴射時間と燃料噴射量との関係に基づいて、フィードバックゲインを調整するための調整手段を含む。
第1の発明によると、たとえば、軽負荷時においては燃料噴射量が少ないので、燃料噴射手段に供給される燃料の圧力が高いほど燃料噴射時間が短くなる。燃料噴射時間が短くなると、燃料噴射手段における燃料噴射時間と燃料噴射量との間の関係に線形な特性(リニアリティ特性)が成立しなくなる。このような場合、燃料噴射手段からは、制御手段から指令された燃料量とは異なる量の燃料が噴射されることが発生する。このため、このようなときには、空燃比フィードバック制御が正常に実行されにくい。このため、このような場合には空燃比フィードバック制御におけるフィードバックゲイン(特に積分ゲイン)を小さくなるように補正する。その結果、要求噴射時間が最小噴射時間よりも小さい領域(リニアリティ特性が成立しない領域)においても、良好な空燃比フィードバック制御特性を実現して、排気エミッションやドライバビリティの悪化を防止することができる、内燃機関の空燃比制御装置を提供することができる。
第2の発明に係る空燃比制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、制御手段は、内燃機関に要求される条件に基づいて算出された燃料量を噴射するように燃料噴射手段から燃料が噴射される燃料噴射時間を制御するための手段を含む。調整手段は、燃料噴射時間と燃料噴射量との線形な関係が成立しない領域および成立しない可能性がある領域のいずれかであると、フィードバックゲインを調整するための手段を含む。
第2の発明によると、調整手段により、燃料噴射時間と燃料噴射量との線形な関係が成立しない領域(リニアリティ特性が成立しない領域)および成立しない可能性がある領域(リニアリティ特性が成立しない可能性がある領域)のいずれかであると、フィードバックゲインを小さく調整する。このため、良好な空燃比フィードバック制御特性を実現して、排気エミッションやドライバビリティの悪化を防止することができる。
第3の発明に係る空燃比制御装置においては、第2の発明の構成に加えて、調整手段は、フィードバックゲインが小さくなるように調整するための手段を含む。
第3の発明によると、フィードバックゲインが小さくなるように調整して、空燃比フィードバック制御が乱れて、空燃比がハンチングすることを回避できる。
第4の発明に係る空燃比制御装置においては、第2の発明の構成に加えて、調整手段は、フィードバック制御の積分ゲインが小さくなるように調整するための手段を含む。
第4の発明によると、フィードバック制御の積分ゲインが小さくなるように調整して、空燃比フィードバック制御が乱れて、空燃比がハンチングすることを回避できる。
第5の発明に係る空燃比制御装置においては、第1〜4のいずれかの発明の構成に加えて、制御手段は、内燃機関の冷間時において、燃料噴射手段に供給される燃料の圧力が高い状態で燃料を噴射するように、燃料噴射手段を制御するための手段を含む。
第5の発明によると、冷間時においては、燃料噴射手段から噴射された燃料が霧化しにくいので、燃料噴射手段に供給される燃料の燃圧を上昇させて高圧の状態で筒内に噴射する。このようにすると、噴射された燃料が霧化しやすくなり、混合気の均質性を向上できる。しかしながら、このように燃圧を上昇させると、燃料噴射手段における燃料噴射時間と燃料噴射量との線形な関係が成立しにくくなり、空燃比フィードバック制御が乱れ、空燃比がハンチングする可能性がある。そのため、フィードバックゲインを調整(積分ゲインを小さく調整)して、空燃比フィードバック制御が乱れないようにして、空燃比がハンチングすることを回避することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
<第1の実施の形態>
図1に、本実施の形態に係る空燃比制御装置で制御される直噴エンジンの全体構成図を示す。
エンジン本体10は、シリンダブロック100の上方にシリンダヘッド110が覆着されてなり、シリンダブロック100に形成されたシリンダ100A内にピストン120が摺動自在に保持されている。シリンダ100A内におけるピストン120の上下往復動がクランク軸130の回転運動に変換され、トランスミッション等へと伝達されるようになっている。クランク軸130は、エンジン始動時にはフライホイール140を介してスタータ30と接続される。
ピストン120の上方にはシリンダブロック100、シリンダヘッド110を室壁として燃焼室1000が形成され、燃焼室1000において燃料と空気との混合気の燃焼が行なわれ、その爆発力によりピストン120を上下往復動せしめる。混合気への点火はシリンダヘッド110を貫通し燃焼室1000内に突出して設けられた点火プラグ150により行なわれる。
混合気を構成する空気の供給は、シリンダヘッド110およびこれと接続された吸気管内部に形成された吸気通路1010により行なわれる。また、燃焼室1000からの排気は排気通路1020により行なわれる。シリンダヘッド110には、吸気通路1010と燃焼室1000との間の連通と遮断とを切り換える吸気バルブ160、排気通路1020と燃焼室1000との間の連通と遮断とを切り換える排気バルブ170が取り付けられている。
吸気管内にはフラップ状のスロットルバルブ190が設けられ、その開度に応じて吸気通路1010内の空気流を調整する。
混合気を構成する燃料の供給は、電磁式の筒内噴射用インジェクタ210により行なわれる。筒内噴射用インジェクタ210はシリンダヘッド110を貫通して設けられ、先端ノズル部から燃焼室1000内に燃料を噴射するようになっている。
筒内噴射用インジェクタ210への燃料供給は、燃料タンク250から吸い上げた燃料を低圧ポンプ240および高圧ポンプ230により2段階に昇圧して供給される。高圧ポンプ230はエンジン本体10のクランク軸130からベルト等を介して伝達される動力で駆動される。一方、低圧ポンプ240は電動で駆動される。
また、点火プラグ150、スロットルバルブ190、筒内噴射用インジェクタ210等のエンジン各部を制御するエンジンコントロールコンピュータ(以下、エンジンECU(Electronic Control Unit)と記載する)60が設けられている。エンジンECU60は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等からなる一般的な構成のもので、各種センサからの検知信号等に基づいて、点火プラグ150を作動せしめ、スロットルバルブ190に制御信号を出力してスロットルバルブ190の開度(スロットル開度)を調整し、筒内噴射用インジェクタ210に、制御信号により通電し所定のタイミングで所定時間、筒内噴射用インジェクタ210のノズルを開く。
エンジンECU60に信号を入力するセンサには、吸気通路1010内を流通する空気流量を測定するマスフローメータ510、クランク角センサ520、A/Fセンサ530、エンジン温度を代表するエンジン冷却水温を検出する冷却水温センサ等がある。また、エンジンECU60には、始動時に運転者がキーを操作すると、そのイグニッション(IG)オン信号およびスタータオン信号が入力され、運転者がアクセルペダル420を踏み込むと、その踏み込み量が入力されるようになっている。
エンジンECU60は、マスフローメータ510等によって検知された吸入空気量に基づいて燃焼噴射量を制御する。このとき、エンジンECU60は、各センサからの信号に基づいて、最適な燃焼状態になるように、エンジン回転数およびエンジン負荷に応じた噴射量と噴射時期とを制御する。このエンジン本体10においては、燃料を筒内に直接噴射するため、噴射時期制御と噴射量制御とを同時に行なう。また、エンジンECU60は、クランク角センサ520やカムポジションセンサ等によって検知された信号(ノッキングセンサ等も含む)に基づいて、最適な点火時期になるように点火時期制御が行なわれる。このような制御により、エンジン本体10の高出力化および低エミッション化の両立を実現している。なお、エンジンECU60により、このエンジンは、通常運転領域の全域においてストイキ状態で運転される。
また、エンジンECU60は、排気の空燃比が目標空燃比になるように、A/Fセンサ530により検知された空燃比と目標空燃比との偏差をなくするように空燃比フィードバック制御を行なっている。この空燃比フィードバック制御としてPI(またはPID)制御が用いられる。P成分(比例項、比例ゲイン)は、応答性に影響を与え、D成分(積分項、積分ゲイン)は、定常偏差に影響を与える。
さらに、エンジンECU60は、高圧ポンプ230を制御して、筒内噴射用インジェクタ210へ供給される燃料の圧力を制御する。このとき、たとえば、以下のようにして高圧ポンプ230が制御されて燃料の圧力が制御される。
高圧ポンプ230は、カムの回転によりシリンダ内で往復移動するポンププランジャーと、シリンダとポンププランジャーとにより構成される加圧室とを備えている。この加圧室には、燃料タンクから燃料を送り出すフィードポンプと連通するポンプ供給パイプ、加圧室から燃料を流出させて燃料タンクに戻すリターンパイプおよび加圧室内の燃料を筒内噴射用インジェクタ210に向けて圧送する高圧デリバリパイプがそれぞれ接続されている。また、高圧ポンプ230には、ポンプ供給パイプおよび高圧デリバリパイプと加圧室との間を開閉する電磁スピル弁が設けられている。
電磁スピル弁が開いた状態にあって、加圧室の容積が大きくなる方向にポンププランジャーが移動するとき、すなわち高圧ポンプ230が吸入行程にあるとき、ポンプ供給パイプから加圧室内に燃料が吸入される。また、加圧室の容積が小さくなる方向にポンププランジャーが移動するとき、すなわち高圧ポンプ230が圧送行程にあるときに電磁スピル弁を閉じると、ポンプ供給パイプおよびリターンパイプと加圧室との間が遮断され、加圧室内の燃料が高圧デリバリパイプを介して筒内噴射用インジェクタ210に圧送される。
このような高圧ポンプ230においては、圧送行程中における電磁スピル弁の閉弁期間中のみ筒内噴射用インジェクタ210に向けて燃料が圧送されるため、電磁スピル弁の閉弁開始時期を制御することで(電磁スピル弁の閉弁期間を調整することで)燃料圧送量が調整されるようになる。すなわち、電磁スピル弁の閉弁開始時期を早めて閉弁期間を長くすることで燃料圧送量が多くなり、電磁スピル弁の閉弁開始時期を遅らせて閉弁期間を短くすることで燃料圧送量が少なくなる。燃料圧送量が多くなると高圧デリバリパイプ内の燃料の圧力が上昇して、燃料圧送量が少なくなると高圧デリバリパイプ内の燃料の圧力が低下する。
このように、フィードポンプから送り出された燃料を高圧ポンプ230で加圧し、この加圧後の燃料を適切な燃料圧力で筒内噴射用インジェクタ210に向けて圧送することで、燃焼室に直接燃料を噴射供給する内燃機関にあっても、その燃料噴射を的確に行なうことができる。
高圧ポンプ230により燃料の圧力を高くすると、燃焼室内に直接噴射された燃料の霧化が促進され均一な混合気を形成することができる。特に、エンジンが冷間時において、このような効果が顕著である。しかしながら、燃料の圧力が高いほど、同じ要求燃料量であっても、燃料噴射時間が短くなり、噴射時間と噴射量との間にリニアリティがなくなる最小噴射時間を下回ることがある。このようなときに、空燃比フィードバック制御において、積分項が燃料噴射量の誤差を含んで積算されるので、精度高く算出できない。本実施の形態に係る空燃比制御装置においては、このような場合に積分項の影響を小さくして、空燃比フィードバック制御の制御特性を向上させる。
図2を参照して、本実施の形態に係るエンジンECU60に記憶される目標燃圧に対する空燃比フィードバックPI制御の積分項の補正係数を示す。目標燃圧が高くなるほど、燃料噴射時間が短くなるので、空燃比フィードバック制御の積分項の影響が少なくなるように、補正係数が小さくなるように定められている。たとえば、4PMaでは、補正係数が1.0であるのに対して、13PMaでは、補正係数が0.3である。
さらに、目標燃圧ではなく実燃圧であってもよい。ただし、この実燃圧を使用する場合には、なまし処理を施した燃圧を用いるようにする。
図3を参照して、本実施の形態に係るエンジンECU60で実行されるプログラムの制御構造について説明する。なお、このプログラムは、空燃比制御についてのプログラムである。
ステップ(以下、ステップをSと略す)100にて、エンジンECU60は、エンジン目標回転数を検知する。S110にて、エンジンECU60は、エンジンの吸気負荷率を検知する。S120にて、エンジンECU60は、エンジンの目標回転数と吸気負荷率とに基づいて、これらの2次元マップを用いて、目標燃圧を算出する。
S130にて、エンジンECU60は、算出した目標燃圧から、図2に示す1次元マップを用いて、積分ゲインの補正係数を算出する。
S140にて、エンジンECU60は、空燃比フィードバック制御の積分ゲインに、S130にて算出された補正係数を乗算して、空燃比フィードバック制御の補正された積分ゲインを算出する。
この積分ゲインや、比例ゲインを用いて、目標空燃比と実際の空燃比との偏差をなくするような空燃比フィードバック制御の操作量(燃料噴射量)が算出される。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係るエンジンECU60で制御されるエンジンの空燃比制御を実行している場合の動作について説明する。
エンジンが始動され、軽負荷運転時においては、要求噴射量が少ない状態である。この状態において燃圧が高いときには、最小噴射時間を下回るような噴射時間が算出され、噴射時間と噴射量との間にリニアリティが成立しなくなる。
エンジン目標回転数が検知され(S100)、エンジン吸気負荷率が検知され(S110)、エンジンの目標回転数と吸気負荷率とに基づいて、目標燃圧が算出される(S120)。
目標燃圧に基づいて補正係数が算出され(S130)、この補正係数が積分ゲインに乗算されて空燃比フィードバック制御の積分ゲインが補正される。このとき、図2に示すように、燃圧が高いほど、積分ゲインに乗算される補正係数がより小さく設定されているので、積分ゲインがより小さく算出される(S140)。
以上のようにして、軽負荷時において、筒内噴射用インジェクタに供給される燃料の圧力が高いほど、燃料噴射時間が短くなり、噴射時間と噴射量との間の関係にリニアリティ特性が成立しなくなる。このような場合、筒内噴射用インジェクタからエンジンECUから指令された量の燃料とは異なる量の燃料が噴射されることが発生する。このため、このようなときには、空燃比制御が正常に実行されにくい。このため、燃圧が高くなるほど、空燃比フィードバック制御における積分ゲインを小さくなるように補正する。その結果、燃料噴射量が小さい、噴射時間と噴射量との間にリニアリティ特性が成立しなくなっても、大きく空燃比フィードバック制御の制御特性が悪化することを回避でき、排気エミッションやドライバビリティの悪化を防止することができる。
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、ハードウェア構成は、前述の第1の実施の形態と同じであるため、ここでの詳細な説明は繰り返さない。本実施の形態においては、エンジンECU60において、前述の実施の形態におけるプログラムとは異なるプログラムを実行する。
そのプログラムを実行するために、エンジンECU60は、図4および図5に示すマップを記憶している。
図4に、低温高燃圧制御を実行している時の空燃比フィードバック制御の積分ゲインの補正係数を、図5に、低温通常燃圧制御を実行している時の空燃比フィードバック制御の積分ゲインの補正係数を、それぞれ示す。なお、空燃比フィードバック制御の積分ゲインの補正係数ではなく、空燃比フィードバック制御の積分ゲイン自体であってもよい。
図4および図5を参照すると、エンジン冷間時において筒内噴射用インジェクタ210から噴射された燃料の霧化を良好にするために燃圧が高い低温高燃圧制御を実行している時の空燃比フィードバック制御の積分ゲインの補正係数は、低温通常燃圧制御を実行している時の空燃比フィードバック制御の積分ゲインの補正係数よりも小さく、積分ゲインが小さくなるように設定されている。これも、前述の第1の実施の形態と同じように、燃圧が高くなるほど、燃料噴射時間が短くなるので、冷間時に高燃圧で燃料を噴射している低温高燃圧制御を実行しているときは、通常燃圧制御を実行しているときに比べて、空燃比フィードバック制御の積分項の影響が少なくなるように、補正係数が小さくなるように定められ、結果的に積分ゲインが小さくなる。
図6を参照して、本実施の形態に係るエンジンECU60で実行されるプログラムの制御構造について説明する。なお、このフローチャートにおいて、前述の図3のフローチャートと同じ処理については同じステップ番号を付してある。それらの処理の内容も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
S200にて、エンジンECU60は、エンジン冷却水温THWを検知する。
S210にて、エンジンECU60は、エンジン冷却水温THWが冷間しきい値以下であるか否かを判断する。この冷間しきい値よりも低い場合に、冷間時に高燃圧で燃料を噴射している低温高燃圧制御が実行される場合がある。エンジン冷却水温THWが冷間しきい値以下であると(S210にてYES)、処理はS220へ移される。もしそうでないと(S210にてNO)、この処理は終了する。
S220にて、エンジンECU60は、高燃圧制御を実行中であるか否かを判断する。このとき、高い燃圧を維持することにより、筒内噴射用インジェクタ210から燃料を噴射して低温であっても燃料の霧化を促進することができる。高燃圧制御を実行中であると(S220にてYES)、処理はS230へ移される。もしそうでないと(S220にてNO)、処理はS240へ移される。
S230にて、エンジンECU60は、エンジンの目標回転数と吸気負荷率とから、図4に示すマップ(A)を用いて、空燃比フィードバック制御の積分ゲインの補正係数を算出する。
S240にて、エンジンECU60は、エンジンの目標回転数と吸気負荷率とから、図5に示すマップ(B)を用いて、空燃比フィードバック制御の積分ゲインの補正係数を算出する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係るエンジンECU60で制御されるエンジンの空燃比制御を実行している場合の動作について説明する。
冷間時においてエンジンが始動されると、高い燃圧で筒内噴射用インジェクタ210に燃料が供給される。このような状態で要求噴射量が少ない状態であるときには、最小噴射時間を下回るような噴射時間が算出され、噴射時間と噴射量との間にリニアリティが成立しなくなる。
エンジン目標回転数が検知され(S100)、エンジン吸気負荷率が検知される(S110)。エンジン冷却水温THWが冷間しきい値以下であるときであって(S210にてYES)、燃料霧化の促進のため、高燃圧制御が実行されているときには(S220にてYES)、エンジンの目標回転数と吸気負荷率とから、図4に示すマップ(A)を用いて、空燃比フィードバック制御の積分ゲインの補正係数が小さく算出される。この補正係数が積分ゲインに乗算されて空燃比フィードバック制御の積分ゲインが小さくなるように補正される。このとき、図4に示すマップ(A)を用いて高燃圧制御が実行されているときには、図5に示すマップ(B)を用いて通常燃圧制御されているときよりも、積分ゲインに乗算される補正係数がより小さく設定されているので、積分ゲインがより小さく算出される。なお、上述したように、このS230における処理において、積分ゲインの補正係数ではなく積分ゲイン自体を小さく算出するようにしてもよい。
以上のようにして、エンジン冷間時において、筒内噴射用インジェクタに供給される燃料の圧力が高く維持されて(たとえば13MPa)、燃料の霧化が促進される。このときには、燃料噴射時間が短くなり、噴射時間と噴射量との間の関係にリニアリティ特性が成立しなくなる。このような場合、筒内噴射用インジェクタからエンジンECUから指令された量の燃料とは異なる量の燃料が噴射されることが発生する。このため、このようなときには、空燃比制御が正常に実行されにくい。このため、冷間時の高燃圧制御が実行されているときには、空燃比フィードバック制御における積分ゲインを小さくなるように補正する。その結果、冷間時の高燃圧制御が実行されて、噴射時間と噴射量との間にリニアリティ特性が成立しなくなっても、大きく空燃比フィードバック制御の制御特性が悪化することを回避でき、排気エミッションやドライバビリティの悪化を防止することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の第1の実施の形態に係るエンジン制御装置で制御されるエンジンの全体構成図である。 本発明の第1の実施の形態に係るエンジン制御装置であるエンジンECUに記憶されるマップを示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係るエンジン制御装置であるエンジンECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係るエンジン制御装置であるエンジンECUに記憶されるマップ(A)を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係るエンジン制御装置であるエンジンECUに記憶されるマップ(B)を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係るエンジン制御装置であるエンジンECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
符号の説明
10 エンジン本体、30 スタータ、60 エンジンECU、150 点火プラグ、160 吸気バルブ、170 排気バルブ、190 スロットルバルブ、210 インジェクタ、520 クランク角センサ、1000 燃焼室、1010 吸気通路、1020 排気通路。

Claims (4)

  1. 筒内に燃料を噴射するための燃料噴射手段を備えた内燃機関の空燃比制御装置であって、
    前記内燃機関に要求される条件に基づいて、燃料を噴射するように、前記燃料噴射手段を制御するための制御手段と、
    前記内燃機関の排気系に設けられ、排気の空燃比を検知するための手段と、
    前記検知された空燃比に基づいて、空燃比が目標空燃比になるようにフィードバック制御するための空燃比制御手段とを含み、
    前記空燃比制御手段は、前記燃料噴射手段における燃料噴射時間と燃料噴射量との関係に基づいて、フィードバックゲインを調整するための調整手段を含
    前記制御手段は、前記内燃機関に要求される条件に基づいて算出された燃料量を噴射するように前記燃料噴射手段から燃料が噴射される燃料噴射時間を制御するための手段を含み、
    前記調整手段は、燃料噴射時間と燃料噴射量との線形な関係が成立しない領域および成立しない可能性がある領域のいずれかであると、前記燃料噴射手段へ供給される燃料の圧力に応じて、前記フィードバックゲインを調整するための手段を含む、内燃機関の空燃比制御装置。
  2. 前記調整手段は、前記燃料の圧力が高くなるほど前記フィードバックゲインが小さくなるように調整するための手段を含む、請求項に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  3. 前記調整手段は、前記燃料の圧力が高くなるほど前記フィードバック制御の積分ゲインが小さくなるように調整するための手段を含む、請求項に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  4. 前記制御手段は、前記内燃機関の冷間時において、前記燃料噴射手段に供給される燃料の圧力が高い状態で燃料を噴射するように、前記燃料噴射手段を制御するための手段を含む、請求項1〜のいずれかに記載の内燃機関の空燃比制御装置。
JP2005211404A 2005-07-21 2005-07-21 内燃機関の空燃比制御装置 Expired - Fee Related JP4390751B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005211404A JP4390751B2 (ja) 2005-07-21 2005-07-21 内燃機関の空燃比制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005211404A JP4390751B2 (ja) 2005-07-21 2005-07-21 内燃機関の空燃比制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007024002A JP2007024002A (ja) 2007-02-01
JP4390751B2 true JP4390751B2 (ja) 2009-12-24

Family

ID=37785068

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005211404A Expired - Fee Related JP4390751B2 (ja) 2005-07-21 2005-07-21 内燃機関の空燃比制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4390751B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007024002A (ja) 2007-02-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7055503B2 (en) Fuel injection controller for engine
US7992539B2 (en) Fuel injection control device of an internal combustion engine
JP2008309036A (ja) 燃料推定装置
US7853398B2 (en) Fuel pressure control apparatus for an internal combustion engine
US6102003A (en) Apparatus for detecting concentration of fuel vapor in lean-burn internal combustion engine, and applied apparatus thereof
JP4609221B2 (ja) 内燃機関の制御装置
KR19990014156A (ko) 성층 연소를 행하는 내연 기관의 제어 장치
JP2013024197A (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP4120625B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2007032328A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2009121364A (ja) 燃料噴射制御装置
JP4806987B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2007032353A (ja) 内燃機関の制御装置
JP4227924B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
US6302091B1 (en) Air-fuel ratio feedback control for engines having feedback delay time compensation
JP2010133358A (ja) 内燃機関の制御装置
JP4390751B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JP4968206B2 (ja) 内燃機関及び内燃機関の燃料噴射制御装置
JP4586662B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2007032322A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2007032330A (ja) 内燃機関の制御装置
JP6961308B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2021131032A (ja) 内燃機関の制御装置
JP4382717B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP7023129B2 (ja) 内燃機関の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070830

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090611

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090630

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090831

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090929

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091006

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121016

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121016

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121016

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131016

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees