JP4390650B2 - 半導体ウェーハのエッチング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シリコンウェーハ等の半導体ウェーハを化学的に湿式エッチングする装置に関する。
シリコンデバイス用の基板として用いられるシリコンウェーハ等の半導体ウェーハは、シリコン等からなる単結晶インゴットを棒軸方向に直角にスライシングして、このスライシングしたインゴットに対してラッピング等の機械加工処理を施した後、エッチング処理が施される。このエッチング処理は、所定のエッチング液内で半導体ウェーハを回転させながら、半導体ウェーハとエッチング液との化学反応により半導体ウェーハ表面に対して化学的研磨を行うものであり、シリコンウェーハ等の半導体ウェーハから前記した前処理である機械加工処理における損傷を除去する目的で行われる。
一方、エッチング処理の後工程としては研磨処理等が行われるが、この後工程のためにも、エッチングがなされた半導体ウェーハは、表面の外観、平坦性及び表面粗さ等に所定の特性を満足する必要があった。従って、半導体ウェーハにエッチングを行うエッチング装置については、これらの特性を具備するような構成とすべく、従来から検討が進められていた。
従来の半導体ウェーハのエッチング装置としては、例えば、半導体ウェーハを支持する係合溝を軸方向に複数形成した数本のガイドバーや押さえ部材等を、ドラム枠状のウェーハマガジン内に互いに平行かつ回転自在に配するとともに、この複数本のガイドバーを回転駆動する駆動機構を設けて構成されているものが一般的である(例えば、特許文献1または特許文献2)。
そして、このエッチング装置のガイドバーと、当該ガイドバーに形成された各係合溝に対して1枚の半導体ウェーハを係合させてこれを垂直に支持させるとともに、このウェーハマガジンに多数の半導体ウェーハを適当な間隔をあけて長さ方向に支持するようにして、マガジンを半導体ウェーハとともに槽内のエッチング液中に浸漬させる。この際に、駆動機構によってメインローラを回転駆動させるようにすれば、ガイドバーの押さえ部材により支持される半導体ウェーハがエッチング液内で回転し、各半導体ウェーハの表面がエッチングされることになる。
このような従来の半導体ウェーハのエッチング装置の構成について、図面を用いて説明する。図13は、従来のエッチング装置500を示した概略図である。このエッチング装置500を用いて、半導体ウェーハWをエッチングする場合にあっては、複数枚の半導体ウェーハWを、表面同士が平行になる縦列状態でウェーハマガジン600に並べ、このウェーハマガジン600を、エッチング液を循環供給させた状態となっているエッチング槽501中に浸漬させる。ここで、ウェーハマガジン600の内部においては、複数枚の半導体ウェーハWが、ウェーハマガジン600の側面部601a,601bを連結するメインローラ700に設けられている接触支持部材701により接触支持されているものである。
そして、エッチング装置に配設された駆動部800により所定の速度で回転させると、各種ギヤを介してメインローラも回転し、それにより、メインローラ700に設けられている接触支持部材701により支持されている複数の半導体ウェーハWも連動して回転することとなる。このようにして、ウェーハマガジン600内で形成されている内部空間内で、複数枚の半導体ウェーハWがそれぞれの中心軸周りに同一方向に回転して、半導体ウェーハWのエッチング処理が施されることになる。
特開平4−151837号公報 特開2000−68246号公報
しかしながら、前記した構成のような従来のエッチング装置は、各半導体ウェーハの回転方向が同じである一方、円盤形状の半導体ウェーハは半径方向の任意の位置同士において周速が微妙にずれてしまうことや、また、エッチング液の流れについて、隣接する半導体ウェーハ間の狭い空間で、エッチング槽内に供給されるエッチング液の流れが停滞しやすくなっていた。特に、半導体ウェーハの中心部分にあっては、エッチング液がほとんど流れなくなってしまっており、その結果、ウェーハマガジンに収納された半導体ウェーハの平坦度が悪くなるという問題が生じていた。加えて、多数のシリコンウェーハにおける1バッチ内での平坦度も均一ではなくなってしまっていた。そして、このような問題は、半導体ウェーハの径が大きくなるにつれて顕著であった。
一方、このような半導体ウェーハの平坦度悪化に対する改善としては、ウェーハマガジン内における半導体ウェーハ同士の間隔を広くしたり、半導体ウェーハを回転させる回転速度を遅くするといった手段がとられていたが、前者にあっては、一度にエッチングできる枚数に制限がでてしまい、後者にあっては、エッチング処理に必要とされる作業時間が長くなってしまうため、ともにコスト高につながってしまい好ましい手段とはいえなかった。
更には、従来のエッチング装置による半導体ウェーハのエッチングにあっては、各半導体ウェーハの全面におけるエッチング量にバラツキが生じるため、いわゆるナノトポグラフィー(Nanotopography:ナノトポロジー特性)が低下してしまっていた。このナノトポグラフィーとは、半導体ウェーハ裏面のうねりが、鏡面研磨された半導体ウェーハ表面にも転写されてしまう現象であるが、このナノトポグラフィーの低下により、半導体ウェーハの露光解析度が低下してしまうため、デバイスの歩留まりが悪くなるという問題が生じており、改善が強く求められていた。
従って、本発明の目的は、半導体ウェーハに対して、平坦度に優れており、しかも1バッチ内でのウェーハ同士の平坦度の均一化を図ることができることに加え、各半導体ウェーハの面全体におけるエッチング量のバラツキを抑制することができ、いわゆるナノトポグラフィーが向上するエッチング処理を実施することができる半導体ウェーハのエッチング装置を提供するものである。
本発明の請求項1の半導体ウェーハのエッチング装置は、エッチング液を貯留するエッチング槽と、当該エッチング槽に対して出し入れされ、複数枚の半導体ウェーハを並べて収納するウェーハマガジンと、当該ウェーハマガジンの内部に収納された半導体ウェーハを回転手段により回転させてエッチングを行う半導体ウェーハのエッチング装置において、前記回転手段が、前記ウェーハマガジンの内部で回転される複数枚の半導体ウェーハのうち1枚おきの半導体ウェーハをその中心軸回りに正転回転させる正転部と、正転回転されない半導体ウェーハをその中心軸回りに反転回転させる反転部を備え、前記正転部または反転部の回転運動が、もう一方の回転運動が直接伝達されることにより行われ、前記ウェーハマガジン内部にて、整流板が前記半導体ウェーハの前後に配置され、下半分を覆うことを特徴とする。
また、本発明の請求項2の半導体ウェーハのエッチング装置は、エッチング液を貯留するエッチング槽と、当該エッチング槽に対して出し入れされ、複数枚の半導体ウェーハを並べて収納するウェーハマガジンと、当該ウェーハマガジンの内部に収納された半導体ウェーハを回転手段により回転させてエッチングを行う半導体ウェーハのエッチング装置において、前記回転手段が、前記ウェーハマガジンの内部で回転される複数枚の半導体ウェーハのうち1枚おきの半導体ウェーハをその中心軸回りに正転回転させる正転部と、正転回転されない半導体ウェーハをその中心軸回りに反転回転させる反転部を備え、前記正転部または反転部の回転運動が、もう一方の回転運動が直接伝達されることにより行われ、前記ウェーハマガジン内部にて、整流板が前記半導体ウェーハの略直下に配置され、下半分を囲むことを特徴とする半導体ウェーハのエッチング装置。
本発明の請求項の半導体ウェーハのエッチング装置は、前記請求項1に記載の半導体ウェーハのエッチング装置において、前記整流板とエッチングする半導体ウェーハとの被さる部分の幅が0より大きく10mm以下であることを特徴とする。
本発明の請求項に記載の半導体ウェーハのエッチング装置は、前記請求項2に記載の半導体ウェーハのエッチング装置において、前記整流板とエッチングする半導体ウェーハとの間隔が0.1〜3.0mmであることを特徴とする。
本発明の請求項の半導体ウェーハのエッチング装置は、前記請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の半導体ウェーハのエッチング装置において、前記した正転部に対して、半導体ウェーハを接触支持し回転運動を伝達する回転連動部及び環状部が交互に連続して形成されており、前記反転部に対して、回転連動部及び環状部が、前記正転部に対して千鳥足状になるように、交互に連続して形成されており、前記回転連動部における半導体ウェーハを接触支持する部分の外径が、環状部の対応する部分の外径より大きいことを特徴とする。
本発明の請求項6の半導体ウェーハのエッチング装置は、前記請求項1ないし請求項5の何れかに記載の半導体ウェーハのエッチング装置において、前記整流板の厚さが、エッチングする半導体ウェーハと略同じ厚さであることを特徴とする。
本発明の請求項1の半導体ウェーハのエッチング装置によれば、エッチング装置を構成するウェーハマガジン内において収納される複数枚の半導体ウェーハが、1枚おきに互いに異なる回転方向で回転されることになるので、正転方向に回転する半導体ウェーハの回転運動に伴うエッチング液(エッチャント)の流れと、反転方向に回転する半導体ウェーハの回転運動に伴うエッチング液の流れとが相殺され、エッチング液が、反対方向に回転する半導体ウェーハの中心部にまで進行することとなる。よって、半導体ウェーハの中心部も含めて、ウェーハの全域に亘ってまんべんなくエッチングを行うことができることとなり、その結果、半導体ウェーハの径の大小に関わらず、隣接する半導体ウェーハについてのエッチングのバラツキがなくなる。更には、ウェーハマガジン全体の各半導体ウェーハの平坦度の均一化を図ることも可能となる。
また、請求項1のエッチング装置は、各半導体ウェーハの面全体に対するエッチング量のバラツキを抑制することができるため、半導体ウェーハのナノトポグラフィー(Nanotopography)の向上を図ることができる。
そして、請求項1のエッチング装置は、正転部または反転部の回転運動が、もう一方の回転運動が直接伝達されることにより行われるので、部材点数を少なくすることができ、エッチング装置の軽量化や低コスト化を図ることができる。
なお、このエッチング装置を用いてエッチングを行うに際しては、ウェーハマガジン内における半導体ウェーハ同士の間隔を狭くし、また、半導体ウェーハを回転させる回転速度を速くすることができるため、半導体ウェーハのエッチングを低コストで実施することが可能となり、生産性が向上する。また、本発明の請求項1の半導体ウェーハのエッチング装置は、ウェーハマガジン内部に、半導体ウェーハの前後に位置するように整流板を配設しているので、請求項1に記載の発明を実施するにあたり、ウェーハマガジン内部で回転する半導体ウェーハの間で発生する3次元乱流を抑制することができ、半導体ウェーハの外周部の平坦度を良好なものにすることができる。
本発明の請求項2の半導体ウェーハのエッチング装置は、整流板が、半導体ウェーハの略直下に位置するように配設されているので、前記した請求項1の発明と同様に、請求項2に記載の発明を実施するにあたり、ウェーハマガジン内部で回転する半導体ウェーハの間で発生する3次元乱流を抑制することができ、半導体ウェーハの外周部の平坦度を更に良好なものにすることができる。
本発明の請求項の半導体ウェーハのエッチング装置は、整流板とエッチングする半導体ウェーハとの被さる部分の幅が0より大きく10mm以下となるようにしているので、半導体ウェーハにより起こる回転流をバランスよく調整することができ、3次元乱流の発生をより一層好適に抑制することができる。
本発明の請求項の半導体ウェーハのエッチング装置は、整流板とエッチングする半導体ウェーハとの間隔が0.1〜3.0mmとなるようにしているので、前記した請求項の発明と同様に、半導体ウェーハにより起こる回転流をバランスよく調整することができ、3次元乱流の発生をより一層好適に抑制することができる。
本発明の請求項の半導体ウェーハのエッチング装置によれば、正転部に対して、半導体ウェーハを接触支持し回転運動を伝達する回転連動部及び環状部が交互に連続して形成されており、また、反転部に対して、回転連動部及び環状部が、前記正転部に対して千鳥足状になるように、交互に連続して形成されており、回転連動部における半導体ウェーハを接触支持する部分の外径が、環状部の対応部の外径より大きいので、隣接する半導体ウェーハを、1枚おきに正転方向と回転方向に回転させてエッチング処理した場合であっても、正転方向に回転する半導体ウェーハの周縁部が反転バーの環状部に接触することや、反転方向に回転する半導体ウェーハの周縁部が正転バーの環状部に接触することを防止することができる。
本発明の請求項6の半導体ウェーハのエッチング装置によれば、整流板の厚さが、エッチングする半導体ウェーハと略同じ厚さであるので、半導体ウェーハ同士の相対回転流速を適度に緩衝することができ、3次元乱流の発生を好適に抑制することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1は、本実施形態の半導体ウェーハのエッチング装置1(以下、「エッチング装置1」を示した概略図である。このエッチング装置1は、エッチング液(エッチャントともいう)が入ったエッチング槽2に対して、ウェーハマガジン10に収納された複数枚の半導体ウェーハWを浸漬させ、このウェーハマガジン10内部の半導体ウェーハWを、それぞれの半導体ウェーハWの中心軸周りに回転させてエッチングを行う装置である。
この半導体ウェーハWは、前記した円筒形状の枠型をしたウェーハマガジン10の内部空間に、それぞれの表面同士が平行になるように並べられて収納されている。
ここで、本発明のエッチング装置1において、エッチングの対象とされる半導体ウェーハWとしては、例えば、シリコンウェーハ、ガリウム・砒素ウェーハ等が挙げられる。
また、これらの半導体ウェーハWのサイズとしては、4.0〜12.0インチ程度のものが使用される。
また、エッチングに使用されるエッチング液(エッチャント)としては、公知のエッチング液を使用することができ、例えば、フッ化水素(HF)、硝酸(HNO)、酢酸(CHCOOH)、過酸化水素(H)、各種リン酸等の混酸液からなる酸エッチング液や、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、アンモニア(NH)等のアルカリエッチング液等が挙げられる。
本実施形態のエッチング装置1を用いたエッチングに際して、半導体ウェーハWの回転方向は、隣り合っている半導体ウェーハWが互いに異なる回転方向であれば、その方向(正転方向あるい反転方向)は特には限定されない。
また、半導体ウェーハWの回転速度は、正転方向、反転方向に限らず、30〜50rpm程度としておけばよい。
なお、本実施形態及び後記する第2実施形態においては、正転方向を反時計回り方向、反転方向を時計回り方向として説明している。
図2は、エッチング装置1を構成するウェーハマガジン10の斜視図であり、図3は正面図である。なお、これら図2及び図3は、ウェーハマガジン10に半導体ウェーハWを収納した状態を示している。
前記した図1、並びにこの図2及び図3に示すように、本実施形態におけるウェーハマガジン10は、半導体ウェーハWを収納するために離間配置された2枚の側面板101a,101bを備えている。また、これらの側面板101a,101bは、半導体ウェーハWの上部に配置される回転部である上部バー110と、当該上部バー110の略真下に配置される回転部である下部バー120と、当該下部バー120の左右に配置される回転部である左下部バー130及び右下部バー140の4種類のバーにより連結保持されているものである。このうち、上部バー110と左下部バー130、及び右下部バーは、回転軸102を中心として、それぞれ略120度ずつ回動して配置されている(なお、図1ないし図3にあっては、下部バー120及び右下部バー140については図示されていない)。
なお、図2及び図3は、側面板101a.10bに対して、更に補強支持材として、3本の連接パイプ160が配設されている。
これらの4種類のバーは、何れも、正転部である正転用のバー(正転バーX)と、反転部である反転用のバー(反転バーY)から構成されており、この正転バーX及び反転バーYは、それぞれのバーの軸方向に沿って、回転連動部mと環状部nが交互に配設されている。また、この回転連動部mと環状部nは、一組の正転バーXと反転バーYにおける回転連動部mと環状部nが互いに隣り合わないように、それぞれが交互に千鳥足状に形成されている。この回転連動部mと環状部nは、正転バーX及び反転バーYに対して一体成形するようにして形成してもよく、また、それぞれを別個に形成した後、一体化するようにしてもよい。
各側面板101a,101bの外面の中心位置には、ウェーハマガジン10の回転中心とされる回転軸102が、ベアリング等を介して回転自在に配設されている。そして、各回転軸102の先端は、側面板101a,101bから(側面板101aにあっては、更に大径ギヤ40及び駆動ギヤ30の中心から)外部方向に突出されている。
本実施形態のエッチング装置1では、この側面板101a,101bに対して、大径ギヤ40の周回に沿って開口溝103が設けられており、この開口溝103の内部に対して上部バー110の端部が位置するような構成をとることにより、上部バー110は、当該開口溝103の形状に沿って昇降移動させることができる。また、この移動により、ウェーハマガジン10に対する半導体ウェーハWの出し入れを、ウェーハマガジン10の上部から行うことができるようになっている。
図4はウェーハマガジンの右側面図を示している。図4に示されるように、側面板101aに設けられた開口溝103により、上部バー110の正転バーXと反転バーYは一組で、図中の矢印方向に自在に動かすことが可能となる。
従って、ウェーハマガジン10の内部にエッチング対象の半導体ウェーハWを収納するには、上部バー110が図4中のA地点にある状態から、上部バー100を大径ギヤ40に沿って下降させてB地点に移動させて、ウェーハマガジン10の上部を開放状態とさせた後、複数枚の半導体ウェーハWをウェーハマガジン10の内部に収納させてから、再び上部バー110を大径ギヤ40に沿って上昇させて、もとのA地点に戻すようにすればよい。
なお、本実施形態のエッチング装置1にあっては、エッチング槽2に対するウェーハマガジン10の昇降は、ウェーハマガジン10の両側面板101a,101bそれぞれに対して、昇降部104a,104bの先端部分が固着された図示しないウェーハマガジン昇降装置によって行われる。
そして、本発明のエッチング装置1は、半導体ウェーハWをウェーハマガジン10の内部で回転させることにより、半導体ウェーハのW表面が一様にエッチングされることになり、本実施形態のエッチング装置1は、半導体ウェーハWを回転させる回転手段として、ウェーハマガジン10の内部の半導体ウェーハのうち1枚おきの半導体ウェーハをその中心軸回りに正転回転させる正転部である正転バーXと、正転回転されない半導体ウェーハWをその中心軸回りに反転回転させる反転部である反転バーYを備えている。
前記した図1に示すように、本実施形態のエッチング装置1において半導体ウェーハWを回転させるための駆動源としては、図示しないマガジン昇降装置の昇降部104a,104bに、側面板101aに対して固定されており、前記した各バー110,120,130を回転させるためのモータ105を備えている。このモータ105は、本実施形態にあっては、下向きの出力軸105が形成されているとともに、モータ105の出力が伝達される当該出力軸105aの下端部に対しては、下向きカップ型の出力ギヤ106が連接されている。
一方、昇降部104aの外面には、昇降部104aの長さ方向に沿って、3つの小径ギヤ107が噛み合わされた状態で配列されている。この小径ギヤのうち、上段の小径ギヤ107aには、前記した出力ギヤ106が噛合されており、中段の小径ギヤ107bを介して、下段の小径ギヤ107cには、ウェーハマガジン10を構成し、回転軸102の先端に配設されている駆動ギヤ30が噛合されている。従って、駆動源であるモータ105の回転運動により、出力軸105aに連接される出力ギヤ106が回転するとともに、この回転が3つの小径ギヤ107を介して、ウェーハマガジン10の駆動ギヤ30に対して伝達されていくことになる。
エッチング装置1を構成するウェーハマガジン10では、この駆動ギヤ30と同じ回転軸102に、大径ギヤ40が配設されているため、駆動ギヤ30が回転するのに従い、この大径ギヤ40も回転する。また、この大径ギヤ40は、上部バー110、下部バー120、左下部バー130及び右下部バー140を構成する正転バーXの先端に設けられている正転ギヤxと噛合されており、当該大径ギヤ40の回転運動が、当該正転ギヤxに対して伝達されていくことになる。
また、この正転ギヤxは、上部バー110、下部バー120、左下部バー130及び右下部バー140に対して、正転バーXと同様に配設されている反転バーYの先端に設けられている反転ギヤyと噛合されることになる。各バーにおける正転ギヤxと反転ギヤyは、ウェーハマガジン10の側面板101a,101bの回転軸102に対して同一円周上に配置されている一方、正転ギヤxは反転ギヤyより各バーの軸方向に長い形状であるため、大径ギヤ40と反転ギヤyの両方と噛合されて構成をとることができる。従って、正転ギヤxは、駆動ギヤ30とともに回転する大径ギヤ40と噛合して正転方向に回転するとともに、反転ギヤyとも噛合して、反転ギヤyに対して回転運動を伝達して、反転ギヤyを正転ギヤxと反対の回転方向(反転方向)に回転させることができる。
本実施形態のエッチング装置1を構成するウェーハマガジン10における大径ギヤ40、正転ギヤx及び反転ギヤyはこのような構成となっているので、駆動ギヤ30の回転に伴い大径ギヤ40が回転すると、当該大径ギヤ40と噛合する正転ギヤxが正転方向に回転して、正転バーXが正転方向に回転するとともに、当該正転ギヤxと噛合する反転ギヤyが正転ギヤxの回転する方向と反対方向(反転方向)に回転し、それに従って反転バーYが反転方向に回転することになる。
また、前記したように、正転ギヤxの回転により正転方向に回転する正転バーX、及び反転ギヤyの回転により反転方向に回転する反転バーYに対しては、ウェーハマガジン10の内部(半導体ウェーハWをエッチングする部分)にあっては、それぞれのバーの軸方向に沿って、回転連動部mと環状部nが交互に配設されている構成をとっている。このうち、回転連動部mは、半導体ウェーハWに対して正転バーXあるいは反転バーYの回転運動を伝達して、半導体ウェーハWを回転させるものである。
また、回転連動部mと環状部nは、上部バー等各位置の正転バーXと反転バーYにおける回転連動部mと環状部nが隣り合わないように、それぞれが交互に形成されている。
図5は、正転バーと反転バーにおける回転連動部mと環状部nの配置状態を表した模式図である。このように、正転バーXと反転バーYの個々にあっては、回転連動部mと環状部nが交互に配設されており、かつ、一組の正転バーXと反転バーYとにあっては、回転連動部mと環状部nが隣り合わないように、これらが交互になるように千鳥足状に形成されている。
また、図5に示すように、回転連動部における半導体ウェーハWを接触支持する部分(接触支持部m)の外径rと環状部にそれに対応する部分(対応部n)の外径rは、rが大きくなるように形成するようにしている。従って、各バーがウェーハマガジン10の内部で縦列状態で並べられた当該半導体ウェーハWを支持する場合にあっては、半導体ウェーハWは回転連動部mのみと接触し、環状部nとは接触しないこととなる。
以上より、正転バーX及び反転バーYが回転した場合にあっては、当該バーの回転運動は、回転連動部mが接触する半導体ウェーハWのみに伝達される。また、前記したように、回転連動部mは、正転バーXと反転バーYでそれぞれ交互に配設されており、かつ、正転バーXと反転バーYは反対方向に回転するから、隣り合う半導体ウェーハWのそれぞれが反対方向に回転することになる。
そして、回転連動部mの接触支持部mの外径rより、環状部nの対応部nの外径rが小さいため、回転する半導体ウェーハが環状部に接触することもなく、半導体ウェーハの回転が好適に行われることになる。ここで、回転連動部mの接触支持部mの外径rmと、環状部nの対応部nの外径rとの差r−rは、2〜5mm程度としておけばよい。
また、図6は、エッチング時におけるウェーハマガジン10内部の半導体ウェーハwの回転運動状態を示した模式図である。図6に示すように、時計回り(反転方向)に回転する大径ギヤ40の回転運動が、大径ギヤ40と噛合される正転ギヤxに伝達されると、正転ギヤxは大径ギヤ40の回転方向と反対方向(反時計回り:正転方向)に回転する。これにより、正転ギヤxと連接される正転バーXも正転方向に回転するとともに、その端部を正転バーXの回転連動部mと接する半導体ウェーハW(図6中のW)を正転方向に回転させる。
同時に、正転ギヤxの回転運動は、正転ギヤxと噛合する反転ギヤyに伝達され、反転ギヤyは正転ギヤxと反対方向(反転方向)に回転し、反転ギヤyと連接される反転バーYも反転方向に回転する。そして、その端部を反転バーYの回転連動部mと接する半導体ウェーハW(図6中のW)が、正転バーXの回転連動部mと接する前記した半導体ウェーハWとは反対方向(反転方向)に回転することになる。
このように、本発明のエッチング装置1にあっては、ウェーハマガジン10内部に縦列状態で並べられた半導体ウェーハWが、1枚おきに正転方向と反対方向に交互に回転することになるので、正転方向に回転する半導体ウェーハWの回転運動に伴うエッチング液の流れと、反転方向に回転する半導体ウェーハWの回転運動に伴うエッチング液(エッチャント)の流れとが相殺され、エッチング液が半導体ウェーハWの中心部にまで進行する。
従って、半導体ウェーハWのエッチングに際して、従来ではエッチングのムラが生じていた半導体ウェーハWの中心部も含めて、半導体ウェーハWの全域に亘ってまんべんなくエッチングを行うことができるため、隣接する半導体ウェーハWについてのエッチングのバラツキもなく、ウェーハマガジン10全体の各半導体ウェーハWの平坦度の均一化を図ることも可能となる。しかも、各半導体ウェーハWの面全体に対するエッチング量も均一となり、ナノトポグラフィー(Nanotopography)も格段に向上する。
次に、この第1実施形態のエッチング装置1を用いた半導体ウェーハWのエッチング方法の一例について説明する。
図1に示すように、エッチングを行う際には、図示しないエッチング液供給装置からエッチング液をエッチング槽2の中に循環供給した状態として、エッチング対象となる複数枚の半導体ウェーハWを縦列状態で収納したウェーハマガジン10を、エッチング槽中2に浸漬させる。ここで、ウェーハマガジン10の内部においては、複数枚の半導体ウェーハWが、ウェーハマガジン10の側面板101a,101bを連結する正転バーX及び反転バーYに形成されている回転連動部mにより接触支持されている。
次に、回転運動の駆動源であるモータ105を稼働状態とすると、モータ105の回転運動により出力ギヤ106が回転し、その回転力は3つの小径ギヤ107を介して駆動ギヤ30へと伝達され、これにより、ウェーハマガジン10において駆動ギヤと同じ回転軸102にある大径ギヤ40も連動して回転することになる。
大径ギヤ40が回転することにより、この大径ギヤ40と噛合される正転ギヤxが正転方向に回転され、これにより正転ギヤxと連接される正転バーXも正転方向に回転されることになる。また、正転ギヤxは反転ギヤyとも噛合されているので、これにより、反転ギヤyが反転方向に回転され、それに伴い、反転ギヤyに連接される反転バーYも反転方向に回転されることになる。
正転バーXが正転方向に回転することにより、正転バーXに形成された回転連動部mと環状部nがともに正転方向に回転し、一方、反転バーYにあっても、同様に反転バーYに形成された回転連動部mと環状部nがともに反転方向に回転する。また、正転バーXと反転バーYは、側面板101aから見て、まず、正転バーXでは、環状部n、回転連動部m、環状部n、回転連動部m、……、の順で配列されており、一方、反転バーYでは、これとは逆に、回転連動部m、環状部n、回転連動部m、環状部n、……、の順で配列されている。
従って、図6に示されるように、半導体ウェーハWは、エッチング装置1のウェーハマガジン10の内部空間においては、側面板101aから見て、2枚目、4枚目、……、の半導体ウェーハWが、正転バーXの回転に伴い正転方向に回転し、一方、側面板101aから見て、1枚目、3枚目、……、の半導体ウェーハWが、反転バーYの回転に伴い反転方向に回転することになる。このようにして、隣接する半導体ウェーハW,Wは、正転方向と回転方向といった互いに異なる方向へ回転することになるのである。
前記した本実施形態の半導体ウェーハのエッチング装置1によれば、次の効果を奏することができる。
(1)エッチング装置1を構成するウェーハマガジン10内において縦列状態で並んで収納される複数枚の半導体ウェーハWが、1枚おきに互いに異なる回転方向で回転されるため、エッチング液が、隣り合う面が反対方向に回転する半導体ウェーハWの中心部にまで進行することとなり、半導体ウェーハWの全域に亘ってまんべんなくエッチングを行うことができる。従って、半導体ウェーハWの径の大小に関わらず、隣接する半導体ウェーハWについてのエッチングのバラツキがなくなり、更には、ウェーハマガジン10全体の各半導体ウェーハWの平坦度の均一化を図ることができる。
また、このエッチング装置1によりエッチングを行うことにより、各半導体ウェーハWの面全体に対するエッチング量のバラツキを抑制することができ、半導体ウェーハWのナノトポグラフィー(Nanotopography)の向上を図ることができる。
更には、このエッチング装置1は、反転部である反転バーYの回転運動が、正転部である正転バーXの回転運動が直接伝達されることにより行われるので、回転運動が効率よく実施されるため、エッチング装置の部品点数を少なくすることができ、エッチング装置1の軽量化や低コスト化を図ることができる。
そして、このエッチング装置1を用いてエッチングを行えば、ウェーハマガジン10内における半導体ウェーハW同士の間隔を狭くしたり、半導体ウェーハWを回転させる回転速度を速くすることができるため、半導体ウェーハWのエッチングを低コストで実施することができることとなり、生産性を格段に向上させることが可能となる。
(2)正転部である正転バーXに対して、半導体ウェーハWを接触支持し回転運動を伝達する回転連動部m及び環状部nが交互に連続して形成されており、また、反転部である反転バーYに対して、回転連動部m及び環状部nが、前記正転バーXに対して千鳥足状になるように交互に連続して形成されており、かつ、回転連動部mにおける半導体ウェーハWの接触支持部mの外径rが、環状部nの対応部の外径rより大きいので、隣接する半導体ウェーハWを、1枚おきに正転方向と回転方向に回転させてエッチング処理した場合であっても、正転バーXにより正転方向に回転する半導体ウェーハWの周縁部が反転バーYの環状部nに接触することや、反転バーYにより反転方向に回転する半導体ウェーハWの周縁部が正転バーXの環状部nに接触することを防止することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の半導体ウェーハのエッチング装置1の第2実施形態について、図面を用いて説明する。
なお、以下の説明では、既に第1実施形態で説明した部分又は部材と同様な部材等については、同一符号を付して、その説明を省略している。
図7は、本発明の第2実施形態のエッチング装置1を構成するウェーハマガジン10aの構成を示した斜視図であり、図8は、当該ウェーハマガジン10aの正面図、図9は図8のIX−IX断面図である。
なお、これらのうち、図7及び図8は、ウェーハマガジン10aに半導体ウェーハWを収納した状態を示している。
本実施形態のエッチング装置は、前記した第1実施形態のエッチング装置1において、エッチング装置1を構成するウェーハマガジン10aの内部に対して、ウェーハマガジン内の半導体ウェーハWの付近である半導体ウェーハWの前後に対して整流部材5を配設した点で相違する。
従来のエッチング装置は、半導体ウェーハWのそれぞれにより起こる回転流が半導体ウェーハWの間でぶつかりあい、また、半導体ウェーハW同士の相対回転流速もかなり速いものとなるため、半導体ウェーハWの外周付近にあっては、3次元乱流が起きてしまい、その結果、半導体ウェーハの外周部の平坦度を悪化させてしまうこととなっていた。これに対して、本実施形態のエッチング装置1のように、ウェーハマガジン10a内の半導体ウェーハWの前後に対して整流部材5を配設することにすれば、かかる3次元乱流を抑制することができるので、半導体ウェーハWの外周部の平坦度を良好なものにすることができる。
本実施形態におけるエッチング装置1を構成する整流部材5としては、半導体ウェーハWの下半分を覆う略半月形状からなる板状の整流板を採用しており、ウェーハマガジン10a内部において、縦列状態に配列される複数枚の半導体ウェーハWの前後を挟むようにして配設されている。この整流部材5は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン等の材料で構成することができ、特に、ポリ塩化ビニルとすることが好ましい。
また、この整流部材5は、側面板101a,101b同士を連接する2本の連接パイプ160に対して、ボルト止めより固定保持されている。
整流部材5である整流板の厚さは、エッチング対象となる半導体ウェーハWの厚さに応じて適宜決定することができ、かかる半導体ウェーハWの厚さと略同じ厚さとすることが好ましい。このように、整流部材5の厚さと半導体ウェーハWの厚さを略同等(例えば、半導体ウェーハWの直径が200mmの場合、厚さが720〜750μm程度)とすることにより、半導体ウェーハW同士の相対回転流速を適度に緩衝することができ、3次元乱流の発生を好適に抑制することができる。
また、整流部材5の配設位置としては、図9に示すように、エッチングされる半導体ウェーハWと被さる部分の幅pが0よりも大きく10mm以下となるように配設することが好ましい。整流部材5とエッチングされる半導体ウェーハWとの被さる部分の幅pをかかる範囲とすることにより、半導体ウェーハWにより起こる回転流をバランスよく調整することができ、3次元乱流の発生をより一層好適に抑制することができる。
この第2実施形態の半導体ウェーハのエッチング装置1によれば、前記した(1)及び(2)の効果に加えて、以下の効果を好適に奏することができる。
(3)ウェーハマガジン10aの内部に対して、半導体ウェーハWの前後に位置するように板状の整流部材5を配設するようにしたので、エッチング時において半導体ウェーハWの外周部に発生する3次元乱流を抑制することができ、外周部も含めた半導体ウェーハWの平坦度を向上させることができる。
(4)整流部材5の厚さをエッチング対象の半導体ウェーハWと略同じ厚さとすることにより、半導体ウェーハW同士の相対回転流速を適度に緩衝することができるため、前記した(3)の効果をより好適に奏することができる。
(5)整流部材5とエッチング対象の半導体ウェーハWとの被さる部分の幅pを0よりも大きく10mm以下とすることにより、半導体ウェーハWにより起こる回転流をバランスよく調整することができるため、前記した(3)及び(4)の効果をより一層好適に奏することができる。
なお、以上説明した態様は、本発明の一態様を示したものであって、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的及び効果を達成できる範囲内での変形や改良が、本発明の内容に含まれるものであることはいうまでもない。また、本発明を実施する際における具体的な構造及び形状等は、本発明の目的及び効果を達成できる範囲内において、他の構造や形状等としても問題はない。
例えば、前記した第2実施形態では、エッチング装置において、エッチング装置1を構成するウェーハマガジン10の内部に対して、ウェーハマガジン10a内の半導体ウェーハWの前後に整流部材5を配設した態様を示したが、図10に示すように、整流部材5は、半導体ウェーハW付近である半導体ウェーハWの略直下に位置するように配設するようにしてもよい。
なお、以下の説明では、既に第1実施形態及び第2実施形態で説明した部分又は部材と同様な部材等については、同一符号を付して、その説明を省略している。
図10は、本発明のエッチング装置1を構成するウェーハマガジン10bの構成を示した断面図である。
図10に示すように、本実施形態におけるエッチング装置1においては、ウェーハマガジン10b内において整流部材5が半導体ウェーハWの略直下に配設されているが、当該整流部材5の配設位置としては、エッチングされる半導体ウェーハWとの間隔qを0.1〜3.0mmとなるように配設することが好ましい。整流部材5とエッチングされる半導体ウェーハWとの間隔qをかかる範囲とすることにより、第2実施形態の整流部材5と同様に、半導体ウェーハWにより起こる回転流をバランスよく調整することができ、3次元乱流の発生をより一層好適に抑制することができる。
また、前記した実施形態では、ウェーハマガジン10,10a,10b内の半導体ウェーハWを正転方向に回転させる正転バーXと、反転方向に回転させる反転バーYを、ウェーハマガジン10の上部バー110、下部バー120、及び当該下部バー120の左右に形成される左下部バー130、右下部バー140の4種類について配設する態様を示したが、これには限定されず、例えば、駆動部であるモータ105からの回転運動を上部バー110に対して伝達しないようにして、当該上部バー110を他の3種類のバーにより行われる回転に従属するような構成としてもよい。すなわち、4種類のバーの全てに対して、駆動部であるモータ105の回転運動を伝達するようにしなくてもよい。
前記した第2実施形態では、ウェーハマガジン10a内の半導体ウェーハWの前後に配設される整流部材5の形状は、図9に示されるような、半導体ウェーハWの下半分を囲むような略半月形状の整流板とした態様を示したが、これには限定されず、整流部材5は、例えば、半導体ウェーハWの全周を囲むようにしてもよい。
前記した実施形態では、正転方向を反時計回り方向、反転方向を時計回り方向として説明したが、これには限定されず、両者を逆としてもよい。
また、前記した実施形態では、大径ギヤ40の回転が噛合される正転ギヤxに伝達され、当該正転ギヤxの回転が、当該正転ギヤxと噛合される反転ギヤyに伝達され、正転ギヤxの回転により反転ギヤyが連動して正転ギヤxと反対方向に回転する態様を示したが、これには限定されず、大径ギヤ40と反転ギヤyが噛合される構成として、大径ギヤ40の回転がまず反転ギヤyに伝達され、当該反転ギヤyの回転が正転ギヤxに伝達され、正転ギヤxと反転ギヤyが反対方向に回転するような機構としてもよい。
また、本発明の半導体のエッチング装置1は、ウェーハマガジン10,10a,10b内部における半導体ウェーハWの下方に対して、バブリング用のガスを吹き出す図示しないバブラー管を設けてもよく、これにより、エッチング槽2内のエッチング液(エッチャント)の流れが半導体ウェーハWの全面に対して平均化されることとなり、エッチングされる半導体ウェーハWの平坦度をより一層向上させることができる。また、このバブラー管は、揺動させながらバブリング用のガスを吹き出すようにしてもよく、これにより、前記の効果がより高められる。
その他、本発明の実施における具体的な構造及び形状等は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等としてもよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例等の内容に何ら限定されるものではない。
[試験例1]
図1に示した本発明の半導体エッチング装置1(実施例1)及び図13に示した従来のエッチング装置500(比較例1)を用いて、サイズがφ200mmのシリコンウェーハ
を所定の枚数(例えば、15〜40枚)として、下記の条件を用いでエッチング処理を行った。
( エッチング条件 )
エッチング液: 混酸
回転数:3 0〜50rpm
エッチレート: 0.1〜0.13μm/分
エッチング時間:120〜180分間
そして、実施例1及び比較例1のエッチング装置によりエッチングされたシリコンウェーハについて、測定機器としてウェーハ表面測定器(ADE9300:米ADE社製)を用いて、表面の平坦度を3次元測定して比較・評価した。
なお、ウェーハ表面測定機による測定は、測定対象のシリコンウェーハを25mm角のセルに区切り、セルそれぞれの平坦度を算出して、3次元化することにより行った。
実施例1のエッチング装置によりエッチングされたシリコンウェーハの模式図を図11に、比較例1のエッチング装置によりエッチングされたシリコンウェーハW’の模式図を図12にそれぞれ示す。図11及び図12を比較すると、実施例1のエッチング装置を用いてエッチングを行った図11のシリコンウェーハWは、比較例1のエッチング装置でエッチングを行った図12の半導体ウェーハW’と比べて平坦度が良好であり、シリコンウェーハの中心部に対しても平坦にエッチングすることができた。
また、実施例1のエッチング装置でエッチングされたシリコンウェーハWは、比較例1のそれと比べて、ウェーハマガジン1バッチ内におけるシリコンウェーハ同士の平坦度も均一なものであった。それに加えて、各シリコンウェーハの面全体におけるエッチング量も均一化されていたので、いわゆるナノトポグラフィーも良好であった。
本発明の半導体ウェーハのエッチング装置は、例えば、シリコンウェーハ等の半導体ウェーハのエッチング装置として広く利用することができる。
本発明のエッチング装置の一実施形態を示す概略図である。 図1のエッチング装置を構成するウェーハマガジンの構成を示した斜視図である。 図2のウェーハマガジンの平面図である。 ウェーハマガジンの右側面図である。 ウェーハマガジンを構成する正転バー及び反転バーの関係を示した概略図である。 エッチング時のウェーハマガジンの回転運動状態を示した模式図である。 本発明のエッチング装置を構成するウェーハマガジンの他の実施形態を示す斜視図である。 図7のウェーハマガジンの平面図である。 図7のIX−IX断面図である。 本発明のエッチング装置のもう一つの実施形態を示す断面図である。 実施例1のエッチング装置を用いてエッチングを行ったシリコンウェーハを示した模式図である。 比較例1のエッチング装置を用いてエッチングを行ったシリコンウェーハを示した模式図である。 従来のエッチング装置の一態様を示す概略図である。
符号の説明
1 …半導体ウェーハのエッチング装置
2 …エッチング槽
5 …整流部材
10,10a,10b… ウェーハマガジン
m …回転連動部
…接触支持部
n …環状部
…対応部
…接触支持部の外径
…対応部の外径
W,W,W …半導体ウェーハ
X …正転バー(正転部)
x …正転ギヤ
Y …反転バー(反転部)
y …反転ギヤ

Claims (6)

  1. エッチング液を貯留するエッチング槽と、
    当該エッチング槽に対して出し入れされ、複数枚の半導体ウェーハを並べて収納するウェーハマガジンと、
    当該ウェーハマガジンの内部に収納された半導体ウェーハを回転手段により回転させてエッチングを行う半導体ウェーハのエッチング装置において、
    前記回転手段が、前記ウェーハマガジンの内部で回転される複数枚の半導体ウェーハのうち1枚おきの半導体ウェーハをその中心軸回りに正転回転させる正転部と、
    正転回転されない半導体ウェーハをその中心軸回りに反転回転させる反転部を備え、
    前記正転部または反転部の回転運動が、もう一方の回転運動が直接伝達されることにより行われ、
    前記ウェーハマガジン内部にて、整流板が前記半導体ウェーハの前後に配置され、下半分を覆うことを特徴とする半導体ウェーハのエッチング装置。
  2. エッチング液を貯留するエッチング槽と、
    当該エッチング槽に対して出し入れされ、複数枚の半導体ウェーハを並べて収納するウェーハマガジンと、
    当該ウェーハマガジンの内部に収納された半導体ウェーハを回転手段により回転させてエッチングを行う半導体ウェーハのエッチング装置において、
    前記回転手段が、前記ウェーハマガジンの内部で回転される複数枚の半導体ウェーハのうち1枚おきの半導体ウェーハをその中心軸回りに正転回転させる正転部と、
    正転回転されない半導体ウェーハをその中心軸回りに反転回転させる反転部を備え、
    前記正転部または反転部の回転運動が、もう一方の回転運動が直接伝達されることにより行われ、
    前記ウェーハマガジン内部にて、整流板が前記半導体ウェーハの略直下に配置され、下半分を囲むことを特徴とする半導体ウェーハのエッチング装置。
  3. 請求項1に記載の半導体ウェーハのエッチング装置において、
    前記整流板とエッチングする半導体ウェーハとの被さる部分の幅が0よりも大きく10mm以下であることを特徴とする半導体ウェーハのエッチング装置。
  4. 請求項2に記載の半導体ウェーハのエッチング装置において、
    前記整流板とエッチングする半導体ウェーハとの間隔が0.1〜3.0mmであることを特徴とする半導体ウェーハのエッチング装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の半導体ウェーハのエッチング装置において、
    前記正転部に対して、半導体ウェーハを接触支持し回転運動を伝達する回転連動部及び環状部が交互に連続して形成されており、
    前記反転部に対して、回転連動部及び環状部が、前記正転部に対して千鳥足状になるように、交互に連続して形成されており、
    前記回転連動部における半導体ウェーハを接触支持する部分の外径が、環状部の対応する部分の外径より大きいことを特徴とする半導体ウェーハのエッチング装置。
  6. 請求項1ないし請求項5の何れかに記載の半導体ウェーハのエッチング装置において、
    前記整流板の厚さが、エッチングする半導体ウェーハと略同じ厚さであることを特徴とする半導体ウェーハのエッチング装置。
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