JP4390371B2 - メニュー選択装置およびその方法、ならびにメニュー選択プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体 - Google Patents
メニュー選択装置およびその方法、ならびにメニュー選択プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、メニュー選択装置に関し、特に、狭い画面上であっても操作性よくメニューアイテムの選択が可能なメニュー選択装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のコンピュータシステムでは、GUI(Graphical User Interface)をユーザに提供し、ユーザからの指示を受付けるものが数多くある。GUIでは、何らかのポインティングデバイスを用いてメニューの選択を行なう操作が必要とされる。このため、効率良く作業を行なうためには、メニュー選択を効率よく行なうことができるGUIが必要とされている。
【0003】
特表平11−507455号公報には、メニューの選択作業を高速化するためのメニュー選択システムが開示されている。
【0004】
図19を参照して、このメニュー選択システムでは、角度マーキングメニューと直線メニューとを組合わせて、メニューの選択作業の効率化を実現している。
【0005】
角度マーキングメニューとは、所定のポイント23を中心とした円周上に表示されたメニューアイテムを指す。
【0006】
直線メニューとは、通常のパーソナルコンピュータで用いられているGUIのプルダウンメニューと同じように、直線的(例えば、上から下に)に表示されたメニューアイテムを指す。
【0007】
次に、このメニュー選択システムによるメニューアイテムの選択方法の一例を説明する。
【0008】
ユーザは、マウスに代表されるポインティングデバイスを操作し、画面上に表示されたカーソル24を所定のポイント23に移動させる。ユーザは、その位置で、マウスのボタンを押したままにすると、カーソル24を取囲むようにして角度マーキングメニューアイテム15〜18が表示される。
【0009】
ユーザは、カーソル24を中心として、放射状に最大8分割(図19では4分割)された角度マーキングメニューの領域20いずれかにカーソルを24移動させ、マウスボタンを離すことにより、角度マーキングメニューアイテム15〜18のいずれかを選択することができる。
【0010】
角度マーキングメニューアイテム15〜18の表示個数は、角度を正確に描く人間の能力の限界に応じ、一般的に8個までに制限されている。このため、9個以上のメニューアイテムを表示するためには、角度マーキングメニューの表示と同時に、直線メニュー19の表示がなされる。
【0011】
ユーザは、直線メニュー19に含まれるメニューアイテム上にカーソル24を移動させ、マウスボタンを離すことにより、メニューアイテム41〜43のいずれかを選択することができる。
【0012】
このようにして、効率良くメニューの選択が行なわれる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このメニュー選択システムでは、カーソル24を中心として放射状に角度マーキングメニューアイテム15〜18が表示される。このため、ポイント23の配置位置に制限が課せられる。例えば、画面の四隅にポイント23を配置した場合には、角度マーキングメニューアイテム15〜18の一部が表示されなくなってしまうという問題がある。
【0014】
特に近年普及しているPDA(Personal Data Assistant)に代表される小型デバイスでは、表示画面が小さため、画面の四隅にポイント23を配置することができないとなると、画面の中央付近にポイント23を配置しなければならない。このため、誤ってポイント23を押してしまったり、ポイント23の位置が画面上に表示されていなければ、ポイント23を探すのに時間がかかったりして操作性が悪いという問題がある。
【0015】
また、このメニュー選択システムでは、一度に表示可能な角度マーキングメニューアイテムの個数が最大8個までと制限されている。このため、9個以上のメニューアイテムを表示させるためには、直線メニューを表示させたり、メニューアイテムを階層構造化して表示させたりする必要がある。このため、メニュー選択操作において、ユーザの混乱を招く恐れがある。
【0016】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、狭い画面上でも操作性よくメニューアイテムの選択が可能なメニュー選択方法を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明のある局面に従うメニュー選択装置は、情報を表示する画面を有する表示部と、前記画面上の指定された位置を検出するための位置検出手段と、前記位置検出手段に接続され、前記画面上の予め定められた位置に設けられたメニュー生成ポイントの指定を検知するためのメニュー生成ポイント指定検知手段と、前記メニュー生成ポイント検知手段および前記位置検出手段に接続され、前記メニュー生成ポイントが指定された場合に、前記メニュー生成ポイントから現在指定されている前記画面上の位置までの距離を算出するための距離算出手段と、前記距離算出手段に接続され、それぞれ異なる所定の距離が対応付けられている複数のメニューアイテムの中から、前記距離算出手段の出力に基づき定められるメニューアイテムを選択し、前記画面上に表示するためのメニュー表示手段と、前記画面上に表示されたメニューアイテムの選択を受付けるためのメニュー選択受付手段とを含む。
【0018】
メニュー生成ポイントからの距離に応じてメニューアイテムが定められている。このため、ユーザは、メニュー生成ポイントを指定した後、メニュー生成ポイントを始点とした直線を画面上で描くことによりメニューアイテムを表示させ、メニューアイテムを選択することができるようになる。よって、画面が小さい小型デバイスであっても、画面上で直線を引く領域さえ確保できれば、メニューアイテムを選択することができる。また、簡単な操作でメニューアイテムを選択することができるため、操作に不慣れなユーザであっても、操作性よくメニューアイテムを選択することができる。
【0019】
好ましくは、前記複数のメニューアイテムの各々は、前記メニュー生成ポイントを中心とした円周上の位置にそれぞれ対応付けられている複数の属性値を有する。メニュー選択装置は、さらに、前記メニュー選択受付手段および前記位置検出手段に接続され、メニューアイテムが選択された場合に、現在指定されている前記画面上の位置と選択されたメニューアイテムの属性値に対応付けられた位置とに基づいて定められる属性値を前記画面上に表示するための属性値表示手段と、前記画面上に表示された属性値の選択を受付けるための属性値選択受付手段とを含む。
【0020】
メニューアイテムの属性値は、メニュー生成ポイントを中心とした円周上の位置に対応付けられている。このため、メニュー生成ポイントより直線を引くことによりメニューアイテムを選択した後、メニュー生成ポイントを中心とした円周を描くことによりメニューアイテムの属性値を選択することができる。よって、操作に不慣れなユーザであっても、操作性よくメニューアイテムの属性値を選択することができる。
【0021】
さらに好ましくは、前記メニュー表示手段は、前記距離算出手段に接続され、前記距離算出手段の出力に基づき定められるメニューアイテムを選択し、前記画面上に表示するための手段と、前記位置検出手段に接続され、前記メニュー生成ポイントと現在指定されている前記画面上の位置とを結ぶ直線を表示するための直線表示手段とを含む。
【0022】
さらに好ましくは、前記直線表示手段は、前記直線のうち、前記メニューアイテムが対応付けられている部分は実線で表示し、それ以外の部分は破線で表示する。
【0023】
直線を長く引きすぎてしまった場合には、長すぎる部分の直線が破線で表示される。このため、ユーザは、メニューアイテムを選択することができない状態になっていることを一目で知ることができる。
【0024】
本発明の他の局面に従うメニュー選択方法は、情報を表示する画面を有する表示部と、前記画面上の指定された位置を検出するための位置検出手段とを含むメニュー選択装置で用いられる。メニュー選択方法は、前記画面上の予め定められた位置に設けられたメニュー生成ポイントの指定を検知するステップと、前記メニュー生成ポイントが指定された場合に、前記メニュー生成ポイントから現在指定されている前記画面上の位置までの距離を算出するステップと、それぞれ異なる所定の距離が対応付けられている複数のメニューアイテムの中から、前記距離に基づき定められるメニューアイテムを選択し、前記画面上に表示するステップと、前記画面上に表示されたメニューアイテムの選択を受付けるステップとを含む。
【0025】
メニュー生成ポイントからの距離に応じてメニューアイテムが定められている。このため、ユーザは、メニュー生成ポイントを指定した後、メニュー生成ポイントを始点とした直線を画面上で描くことによりメニューアイテムを表示させ、メニューアイテムを選択することができるようになる。よって、画面が小さい小型デバイスであっても、画面上で直線を引く領域さえ確保できれば、メニューアイテムを選択することができる。また、簡単な操作でメニューアイテムを選択することができるため、操作に不慣れなユーザであっても、操作性よくメニューアイテムを選択することができる。
【0026】
本発明のさらに他の局面に従うコンピュータ読取可能な記録媒体は、コンピュータの画面上の予め定められた位置に設けられたメニュー生成ポイントの指定を検知するステップと、前記メニュー生成ポイントが指定された場合に、前記メニュー生成ポイントから現在指定されている前記画面上の位置までの距離を算出するステップと、それぞれ異なる所定の距離が対応付けられている複数のメニューアイテムの中から、前記距離に基づき定められるメニューアイテムを選択し、前記画面上に表示するステップと、前記画面上に表示されたメニューアイテムの選択を受付けるステップとをコンピュータに実行させるメニュー選択プログラムを記録している。
【0027】
メニュー生成ポイントからの距離に応じてメニューアイテムが定められている。このため、ユーザは、メニュー生成ポイントを指定した後、メニュー生成ポイントを始点とした直線を画面上で描くことによりメニューアイテムを表示させ、メニューアイテムを選択することができるようになる。よって、簡単な操作でメニューアイテムを選択することができるため、操作に不慣れなユーザであっても、操作性よくメニューアイテムを選択することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
図1および図2を参照して、この発明の実施の形態によると、メニュー選択システムは、PDA25で用いられる。PDA25は、メニューを表示する、液晶ディスプレイに代表されるタッチパネル付の表示部27と、メニュー選択処理のプログラムやその他のデータが格納された外部記憶装置28と、表示部27の表示を制御するための表示制御部30と、メニュー選択処理のプログラムを実行し、PDA25全体の制御を行なうCPU(Central Processing Unit)29と、外部記憶装置28よりロードされたプログラムを記憶するプログラム用メモリ31と、各種データを記憶するためのデータ用メモリ32と、外部記憶装置28、CPU29、表示制御部30、プログラム用メモリ31およびデータ用メモリ32を相互に接続するためのバス38とを含む。
【0029】
メニュー選択処理のプログラムは、外部記憶装置28からロードする他に、ネットワークを介して接続された外部データベース(図示せず)よりダウンロードするようにしてもよい。
【0030】
ユーザは、ペン6などのポインティングデバイスを操作し、表示部27に圧力を加える。圧力が加えられた位置の座標が表示制御部30により読取られ、CPU29に与えられる。
【0031】
なお、ポインティングデバイスは、ペン6に限定されるものではなく、マウス、指、視線など、表示部27上の表示位置を指定可能なものであれば、それ以外のものであってもよい。
【0032】
以下、具体例を挙げつつメニュー選択処理の詳細について説明する。
以下の説明では、PDAをテレビのリモートコントロール装置として使用する場合について説明する。ユーザが選択可能なメニューアイテムとして、「チャンネル」、「ボリューム」、「明るさ」および「画質」の4つのメニューアイテムが用意されているものとする。
【0033】
メニューアイテム「チャンネル」には、属性値が付されており、その属性値は、「1」から「12」までの範囲の整数値をとる。各属性値がテレビのチャンネル番号に対応している。
【0034】
メニューアイテム「ボリューム」は、「0」から「9」までの範囲の整数値を属性値として持つ。属性値が「0」のとき最小音量(消音)であることを示し、属性値が「9」のとき最大音量であることを示している。
【0035】
メニューアイテム「画質」および「明るさ」は、「−11」から「12」までの範囲の整数値を属性値として持つ。
【0036】
CPU29は、図3〜図5に示されるメニュー選択処理のプログラムを実行することにより、ユーザからの指示を受付け、リモートコントロール装置としての機能を果たす。
【0037】
図3を参照して、CPU29は、ペン6により表示部27に表示された画面上のメニュー生成ポイントが押されているか否かを調べる(S01)。図6を参照して、たとえば、メニュー生成ポイント7は、表示部27の画面の左下に設けられている。
【0038】
メニュー生成ポイント7が押されていなければ(S01でNO)、メニュー生成ポイント7が押されるまで待機する。メニュー生成ポイント7が押された場合には(S01でYES)、メニュー生成ポイント7が一定期間押されているか否か調べられる(S02)。
【0039】
メニュー生成ポイント7が一定期間押される前に、ペン6が離された場合には(S02でNO)、S01に戻る。図7を参照して、メニュー生成ポイント7が一定期間押された場合には(S02でYES)、後述のメニューアイテム選択モードに遷移する。メニューアイテム選択モードでは、ユーザは、メニューアイテムの選択が可能になる。
【0040】
図6および図8〜図10を参照して、メニューアイテム選択モードでは、ペン6を画面5に押さえ付けたままの状態で画面5上の任意の方向に直線移動させると、「チャンネル」(図6)、「ボリューム」(図8)、「明るさ」(図9)および「画質」(図10)というメニューアイテムがペンの直線移動距離に応じて順番に表示される。この直線移動の際に、メニュー生成ポイント7とペン6の現在位置とを結ぶ直線(軌跡9)が画面5上に表示される。なお、ペン6の直線移動距離が、最後に表示されるメニューアイテム「画質」の表示位置を越えてしまった場合には、図11に示すように軌跡9が破線で表示され、メニューアイテムの表示は行なわれない。軌跡9を破線で表示する変わりに、直線の表示色を変えるようにしてもよい。
【0041】
図4を参照して、メニューアイテム選択モードでの処理について説明する。
CPU29は、ペン6により画面5上のいずれかの点が押されているか調べる(S04)。ペン6が画面から離されている場合には(S04でNO)、S01に戻る。ペン6がいずれかの点を押している場合には(S04でYES)、ペン6が圧力を加えている画面5上の位置が調べられる(S05)。
【0042】
メニュー生成ポイント7からのペン6の直線移動距離がメニューアイテムに対応付けられた距離に一致するか否かが調べられる(S06)。ペン6の直線移動距離がメニューアイテムを表示させるための距離に一致していなければ(S06でNO)、S04に戻る。
【0043】
ペン6の直線移動距離がメニューアイテムを表示させるための距離に一致していれば(S06でYES)、その直線移動距離に応じたメニューアイテムが画面5上に表示され(S07)、メニューアイテムの選択が行われる。
【0044】
その状態で、ペン6により画面5上の同じ位置が押され続けているか否かが調べられる(S08)。ペン6が移動した場合には(S08でNO)、S04に戻る。ペン6が同じ位置を押し続けている場合には(S08でYES)、後述のメニュー属性選択モードに移行する。メニュー属性選択モードでは、選択されたメニューアイテムの属性を選択するための処理が行なわれる。
【0045】
図5を参照して、メニュー属性選択モードに移行すると、図12に示すように、軌跡9の他に、属性選択用軌跡12が表示される。属性選択用軌跡12は、メニュー生成ポイント7を中心とした円弧であり、属性を選択するためにユーザが走査すべきガイドとなる。CPU29は、ペン6が画面5と接触しているか否かを調べる(S11)。
【0046】
ペン6が画面5と接触していれば(S11でYES)、接触位置に対応する属性値が画面5上に表示される(S12)。現在、メニューアイテムとして「ボリューム」が選択されているものとする。上述のように、メニューアイテム「ボリューム」は、属性値として「0」から「9」までの範囲の整数値を有する。このため、図13に示すように、メニュー生成ポイント7を原点とし、画面のX軸36に最小属性値「0」が、画面のY軸37に最大属性値「9」がそれぞれ割当てられる。また、X軸36およびY軸37のなす角が10度ずつの等間隔に刻まれ、それぞれの角度に属性値「2」〜「8」が割当てられる。図14を参照して、たとえば、ペン6の接触位置およびメニュー生成ポイント7を結ぶ直線とY軸36とのなす角が25度の場合には、その位置に属性値として「2」が割当てられる。このため、画面5上には、その属性値14が表示される。
【0047】
次に、CPU29は、ペン6の接触位置を調べる(S13)。図15を参照して、S06の処理でペン6が静止していると判断されたポイント10と、ペン6の接触ポイント11との間の距離が、予め定められた距離よりも短いか否か調べられる(S14)。予め定められた距離以上の場合には(S14でNO)、S11に戻る。予め定められた距離よりも短い場合には(S14でYES)、ペン6が静止したポイント10とペン6の現在の接触ポイント11とを結ぶ直線13と、メニュー生成ポイント7とポイント10とを結ぶ軌跡9とのなす角度が60度以上、かつ120度以下であるか否か調べられる(S15)。S15の条件を満たさない場合、すなわち、図15の破線で囲まれた領域の範囲外にペン6が移動させられた場合には(S15でNO)、S04から始まるメニューアイテム選択モードに戻る。
【0048】
S15の条件を満たす場合には(S15でYES)、メニュー生成ポイント7およびポイント10を結ぶ軌跡9と、メニュー生成ポイント7およびペン6の現在の接触ポイント11とを結ぶ直線(図示せず)とのなす角に応じて属性値の表示を行なう(S18)。
【0049】
ペン6が画面5から離された場合には(S11でNO)、その時点で画面5に属性値が表示されているか否かが調べられる(S17)。属性値が表示されていなければ(S17でNO)、S01に戻る。
【0050】
属性値が表示されていれば(S17でYES)、表示されている属性値が選択され(S18)、S01に戻る。
【0051】
図5に示したメニュー選択モードにおけるユーザの操作例を具体例を挙げつつより詳細に説明する。ここでは、テレビのボリューム変更について説明する。
【0052】
図8を参照して、ユーザは、メニューアイテム選択モードにおいて、メニューアイテム「ボリューム」が表示される場所までペン6を直線移動させた後、一旦静止させる。
【0053】
この時、図4のステップS08でペン6が静止したかどうかの判断が行われ、ペン6が静止していると判断された場合(S08でYES)、図12に示すような属性選択用軌跡12が表示される。その後、図14に示すような属性値14が表示される。
【0054】
その後、ペン6の接触位置が常に監視され(S13)、図15を参照し、一旦停止したポイント10から次のメニューアイテムが表示される位置までの距離よりも短い距離の範囲内にある現在の接触ポイント11へ、ペン6が移動したとする(図15)。 この時、図5のステップS15で、メニューアイテム選択モードヘ戻るかどうかの判断が行われる。
【0055】
ユーザがメニュー属性選択モードを終了させ、メニューアイテム選択モードに戻りたいと思った場合には、図15で示した破線の範囲外、すなわち、ペン6が静止したポイント10とペン6の現在の接触ポイント11とを結ぶ直線13と、メニュー生成ポイント7とポイント10とを結ぶ軌跡9とのなす角度が60度未満になるようにまたは120度を越えるようにペン6を移動させる。すると、メニューアイテム選択モードに戻ることが可能になる(S15でNO)。なお、ここで規定する角度は、これらに限られるものではない。
【0056】
図14に示すように、現在選択されている属性値が「2」である場合に、属性値を大きくしたい場合には、ユーザは、ペン6を反時計周りに回転させる。すると、メニューアイテム「ボリューム」の属性値が徐々に増加し、X軸36からの角度に応じて「ボリューム」の属性値14が更新される。
【0057】
図16を参照して、好みの大きさになったところでペン6を画面から離すと(S11でNO、S17でYES)、その「ボリューム」が選択され、テレビの「ボリューム」が変更される(S18)。ここでは、ボリューム「6」が選択される。
【0058】
このとき、ペン6を画面5から離した時点で属性値を更新するのではなく、ペン6の接触位置と連動させながら、テレビのボリュームを随時変更するようにしてもよい。
【0059】
なお、上述の例では、X軸36およびY軸37の間を10度ずつ均等に分割したが、以下に説明するような分割の仕方であってもよい。図17を参照して、メニュー属性モードに移行した時点(S11の時点)でのメニューアイテム「ボリューム」の属性値が「3」であったとする。また、この時の軌跡9とX軸36とがなす角が25度であったとする。
【0060】
軌跡9とX軸36とがなす角度を均等に3分割し、2つの分割線およびX軸36に属性値「2」、「1」および「0」を割振る。同様に、軌跡9とY軸37とがなす角を均等に6分割し、5つの分割線およびY軸37に属性値「4」、「5」、「6」、「7」、「8」および「9」を割振る。
【0061】
軌跡9とX軸36とがなす角は25度であるので、X軸36側の角はそれぞれ8.3度に分割される。一方、Y軸37側の角はそれぞれ10.8度に分割され、属性値が割振られる。
【0062】
ペン6を反時計周りに10.8度動かせば、メニューアイテム「ボリューム」の属性値として「4」が設定され、時計周りに8.3度回転させれば、メニューアイテム「ボリューム」の属性値として「2」が設定される。
【0063】
このようにユーザが望む属性値が表示されるまでペン6を回転移動させ、その位置でペン6を画面5から離すと属性値を確定させることができるが、ペン6を画面5から離す前に接触位置を元の位置まで戻し、図5のS15における判定が偽になるようにペン6を移動させることにより、メニュー属性選択モードを抜け、メニューアイテム選択モードに戻ることができる。
【0064】
なお、図12に示した円弧形状の属性選択用軌跡12の変わりに、図18に示すようにメニュー属性選択モードに入る時にペン6が静止したポイント10を中心とする円を属性選択用軌跡12としてもよい。
【0065】
上述の説明では、ペン6の回転移動により、メニューアイテム「ボリューム」の属性値の選択を行なっているが、ペン6の移動方向はこれに限られるものではない。また、回転角度と属性値との間の関係も上述のものに限られるものではない。
【0066】
さらに、メニュー生成ポイント7を画面5の左下隅に配置しているが、メニュー生成ポイント7の配置位置はこれに限定されるものではない。
【0067】
以上説明したように、ユーザは、メニュー生成ポイントを始点とした直線を画面上で描くことによりメニューアイテムを表示させ、メニューアイテムを選択することができるようになる。画面が小さい小型デバイスであっても、画面上で直線を引く領域さえ確保できれば、メニューアイテムを選択することができる。また、簡単な操作でメニューアイテムを選択することができるため、操作に不慣れなユーザであっても、操作性よくメニューアイテムを選択することができる。
【0068】
この直線を長く引きすぎてしまった場合には、長すぎる部分の直線が破線で表示される。このため、ユーザは、メニューを選択することができない状態になっていることを一目で知ることができる。
【0069】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0070】
【発明の効果】
画面が小さい小型デバイスであっても、操作性よくメニューアイテムを選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態によるPDAの外観図である。
【図2】 PDAのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】 メニュー選択処理のフローチャートである。
【図4】 メニュー選択処理のメニューアイテム選択モードのフローチャートである。
【図5】 メニュー選択処理のメニュー属性選択モードのフローチャートである。
【図6】 ペンを移動させ、1番目のメニューアイテムを表示させた状態の図である。
【図7】 ポインティングデバイスによりメニュー生成ポイントを押した状態の図である。
【図8】 ペンを移動させ、2番目のメニューアイテムを表示させた状態の図である。
【図9】 ペンを移動させ、3番目のメニューアイテムを表示させた状態の図である。
【図10】 ペンを移動させ、4番目のメニューアイテムを表示させた状態の図である。
【図11】 表示すべきメニューアイテムがない位置までペンを移動させた状態の図である。
【図12】 メニュー属性選択モードに遷移した状態の図である。
【図13】 属性値の割当方を説明するための図である。
【図14】 属性値が表示された状態の図である。
【図15】 メニュー属性選択モードからメニューアイテム選択モードヘの遷移のさせ方を説明するための図である。
【図16】 ペンの回転移動により属性値が選択された状態の図である。
【図17】 属性値の割当方を説明するための図である。
【図18】 メニュー属性選択モードに遷移した状態の図である。
【図19】 特表平11−507455号公報に開示されたメニュー選択方法を説明するための図である。
【符号の説明】
5 画面、6 ペン、7 メニュー生成ポイント、9 軌跡、10,23 ポイント、11 接触ポイント、12 属性選択用軌跡、13 直線、14 属性値、15〜18 角度マーキングメニューアイテム、19 直線メニュー、20領域、24 カーソル、27 表示部、28 外部記憶装置、30 表示制御部、31 プログラム用メモリ、32 データ用メモリ、36 X軸、37 Y軸、38 バス、41 メニューアイテム。
Claims (13)
- 情報を表示する画面を有する表示部と、
前記画面上の指定された位置を検出するための位置検出手段と、
前記位置検出手段に接続され、前記画面上の予め定められた位置に設けられたメニュー生成ポイントの指定を検知するためのメニュー生成ポイント指定検知手段と、
前記メニュー生成ポイント検知手段および前記位置検出手段に接続され、前記メニュー生成ポイントが指定された場合に、前記メニュー生成ポイントから現在指定されている前記画面上の位置までの距離を算出するための距離算出手段と、
前記距離算出手段に接続され、それぞれ異なる所定の距離が対応付けられている複数のメニューアイテムの中から、前記距離算出手段の出力に基づき定められるメニューアイテムを選択し、前記画面上に表示するためのメニュー表示手段と、
前記画面上に表示されたメニューアイテムの選択を受付けるためのメニュー選択受付手段とを含む、メニュー選択装置。 - 前記複数のメニューアイテムの各々は、前記メニュー生成ポイントを中心とした円周上の位置にそれぞれ対応付けられている複数の属性値を有し、
さらに、前記メニュー選択受付手段および前記位置検出手段に接続され、メニューアイテムが選択された場合に、現在指定されている前記画面上の位置と選択されたメニューアイテムの属性値に対応付けられた位置とに基づいて定められる属性値を前記画面上に表示するための属性値表示手段と、
前記画面上に表示された属性値の選択を受付けるための属性値選択受付手段とを含む、請求項1に記載のメニュー選択装置。 - 前記複数のメニューアイテムの各々は、メニューアイテムが選択された前記画面上の位置を中心とした円周上の位置にそれぞれ対応付けられている複数の属性値を有し、
さらに、前記メニュー選択受付手段および前記位置検出手段に接続され、メニューアイテムが選択された場合に、現在指定されている前記画面上の位置と選択されたメニューアイテムの属性値に対応付けられた位置とに基づいて定められる属性値を前記画面上に表示するための属性値表示手段と、
前記画面上に表示された属性値の選択を受付けるための属性値選択受付手段とを含む、請求項1に記載のメニュー選択装置。 - 前記メニュー表示手段は、
前記距離算出手段に接続され、前記距離算出手段の出力に基づき定められるメニューアイテムを選択し、前記画面上に表示するための手段と、
前記位置検出手段に接続され、前記メニュー生成ポイントと現在指定されている前記画面上の位置とを結ぶ直線を表示するための直線表示手段とを含む、請求項1〜3のいずれかに記載のメニュー選択装置。 - 前記直線表示手段は、前記直線のうち、前記メニューアイテムが対応付けられている部分は実線で表示し、それ以外の部分は破線で表示する、請求項4に記載のメニュー選択装置。
- 前記直線表示手段は、前記直線のうち、前記メニューアイテムが対応付けられている部分とそれ以外の部分とを異なる色で表示する、請求項4に記載のメニュー選択装置。
- 情報を表示する画面を有する表示部と、前記画面上の指定された位置を検出するための位置検出手段とを含むメニュー選択装置で用いられるメニュー選択方法であって、
前記画面上の予め定められた位置に設けられたメニュー生成ポイントの指定を検知するステップと、
前記メニュー生成ポイントが指定された場合に、前記メニュー生成ポイントから現在指定されている前記画面上の位置までの距離を算出するステップと、
それぞれ異なる所定の距離が対応付けられている複数のメニューアイテムの中から、前記距離に基づき定められるメニューアイテムを選択し、前記画面上に表示するステップと、
前記画面上に表示されたメニューアイテムの選択を受付けるステップとを含む、メニュー選択方法。 - 前記複数のメニューアイテムの各々は、前記メニュー生成ポイントを中心とした円周上の位置にそれぞれ対応付けられている複数の属性値を有し、
さらに、メニューアイテムが選択された場合に、現在指定されている前記画面上の位置と選択されたメニューアイテムの属性値に対応付けられた位置とに基づいて定められる属性値を前記画面上に表示するステップと、
前記画面上に表示された属性値の選択を受付けるステップとを含む、請求項7に記載のメニュー選択方法。 - 前記複数のメニューアイテムの各々は、メニューアイテムが選択された前記画面上の位置を中心とした円周上の位置にそれぞれ対応付けられている複数の属性値を有し、
さらに、メニューアイテムが選択された場合に、現在指定されている前記画面上の位置と選択されたメニューアイテムの属性値に対応付けられた位置とに基づいて定められる属性値を前記画面上に表示するステップと、
前記画面上に表示された属性値の選択を受付けるステップとを含む、請求項7に記載のメニュー選択方法。 - メニューアイテムを選択し、前記画面上に表示する前記ステップは、
前記距離に基づき定められるメニューアイテムを選択し、前記画面上に表示するステップと、
前記メニュー生成ポイントと現在指定されている前記画面上の位置とを結ぶ直線を表示するステップとを含む、請求項7〜9のいずれかに記載のメニュー選択方法。 - 直線を表示する前記ステップは、
前記直線のうち、前記メニューアイテムが対応付けられている部分は実線で表示するステップと、
それ以外の部分は破線で表示するステップとを含む、請求項10に記載のメニュー選択方法。 - 直線を表示する前記ステップは、
前記直線のうち、前記メニューアイテムが対応付けられている部分は予め定められた第1の色で表示するステップと、
それ以外の部分は前記第1の色とは異なる予め定められた第2の色で表示するステップとを含む、請求項10に記載のメニュー選択方法。 - コンピュータの画面上の予め定められた位置に設けられたメニュー生成ポイントの指定を検知するステップと、
前記メニュー生成ポイントが指定された場合に、前記メニュー生成ポイントから現在指定されている前記画面上の位置までの距離を算出するステップと、
それぞれ異なる所定の距離が対応付けられている複数のメニューアイテムの中から、前記距離に基づき定められるメニューアイテムを選択し、前記画面上に表示するステップと、
前記画面上に表示されたメニューアイテムの選択を受付けるステップとをコンピュータに実行させるメニュー選択プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
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