JP4390008B2 - プラズマ式点火装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の点火に用いられるプラズマ式点火装置における電磁波ノイズの漏れ防止対策に関するものである。
近年、環境保護の見地から、燃焼排気中のエミッション低減や燃費向上のために、内燃機関において希薄混合燃焼や、過給混合燃焼などが要求され、着火条件が厳しくなってきている。そのため、難着火性の内燃機関においても安定した着火の得られる点火装置が望まれている。
内燃機関の点火において、図12(a)に示すような通常のスパークプラグ10zを用いた点火装置は、バッテリ31zとイグニッションスイッチ32zと点火コイル33zと電子制御装置(ECU)35zと点火コイル駆動回路(トランジスタ)34zと整流素子21zとスパークプラグ10zとで構成されている。
図12(b)に示すように、イグニッションスイッチ32zが投入され、ECU35zからの点火信号により、バッテリ31zから低電圧の一次電圧が点火コイル33zの一次コイル331zに印加され、次いで、点火コイル駆動回路34zのスイッチングによって一次電圧が遮断されると点火コイル33z内の磁界が変化し、点火コイル33zの二次コイル332zに−10〜−30kVの二次電圧が発生し、中心電極110zと接地電極131zとで放電が起こり、高温域が狭い範囲で発生する。通常のスパークプラグ10zによる点火では、この高温域が点火源となって圧縮混合気の着火爆発が励起される。
この時、二次コイル332zには、ダイオード21zで整流された電流が2ms程度の比較的長い放電期間に35mA程度流れ、点火プラグ10zに約35mJのエネルギが放出される。
これに対して、図11(a)に示すようなプラズマ式点火装置1xによる点火では、図11(b)に示すように、イグニッションスイッチ31xを投入すると、放電用バッテリ30xから低電圧の一次電圧が点火コイル32xの一次コイル321に印加され、電子制御装置(ECU)34xによって制御された点火コイル駆動回路(トランジスタ)33xのスイッチングによって一次電圧が遮断され、点火コイル32x内の磁界が変化し、点火コイル32xの二次コイル322xに−10〜−30xVの二次電圧が発生し、この二次電圧が中心電極110xと接地電極130xとの間に形成された放電空間140x内で、放電ギャップ141xに比例する放電電圧に達すると放電空間140x内の絶縁が破壊され放電が開始される。
放電と同時に、放電用バッテリ30xとは別に設けたプラズマエネルギ供給用バッテリ40xからコンデンサ42xに蓄えられたエネルギ(例えば、−450V、120A)が放電空間140x内に一気に放出され、放電空間140x内の気体が高温高圧のプラズマ状態となり、放電空間140xの先端に設けられた開口部132xから噴射されるため、指向性に富む上に容積的に大きな範囲で数千から数万度の極めて高い温度域が発生する。
そこで、このようなプラズマ式点火装置は、希薄混合燃焼や、過給混合燃焼などの難着火性の内燃機関における点火装置への応用が期待されている。
また、このようなプラズマ式点火装置を、通常のスパークプラグに適用すると、高エネルギのプラズマがプラグの電極間に発生することから、着火性の向上が期待できる。
しかし、従来のプラズマ式点火装置1xにおいては、プラズマ発生用コンデンサ42x内に蓄えられたエネルギを瞬時にプラズマ式点火プラグ10xへ供給するので、図11(b)に示すように8μsec程度の極めて短い放電期間に120A程度の大電流が流れる。これがエンジンの回転に応じて周期的に繰り返されるので、高周波の電磁波ノイズが発生する。
このような電磁波ノイズは車両に搭載された電子制御装置の誤動作等を引起し、エンジンの失火に至る虞がある。
かかる電磁波ノイズの防止方法として、特許文献1には、プラズマ発生用電源とプラグとを繋ぐプラズマ発生用配線にシールド線を用い、プラグ全体を覆うように電磁波シールドを施し、さらに、放電用電源とプラグとを繋ぐ放電用配線に抵抗線を用いることにより電磁波ノイズを遮断する方法が開示されている。
実開昭55−172659号公報
ところが、通常、自動車用エンジン等の内燃機関は複数の気筒で構成されており、特許文献1に示されたような従来の方法では、極めて広範囲に渡って電磁波シールドを施す必要がある。
図10に示すような複数のプラズマ点火式プラグ10x(1)、10x(2)、10x(3)、10x(4)を、ディストリビュータ60xを介して点火コイル32xに接続したプラズマ式点火装置において、電磁波ノイズの発生を抑制すべく、各プラグに繋がるプラズマ発生用配線400xにシールド線を用い、プラグ全体を電磁波シールドで覆い、高電圧給用配線に抵抗線36xを用いた場合、各シールド線の長さが異なるので、各電磁波シールド部Sd(1〜6)の浮遊容量Cs(1〜6)は、一定とはならない。
このため、各電磁波シールド部の接地電位を同一の電位に保つことが困難となり、電磁波シールド間に電位差が発生する。
このような電位差は、新たな電磁波ノイズの発生源となり、また、各電磁波シールド部の接続部位においては、電界集中が起こり、電磁波ノイズを完全に遮断することが困難であった。
加えて、点火コイル32xと放電場としてのプラズマ式点火プラグ10xとによって発信回路が形成され、点火コイル32xから高電圧が印加され放電を開始する時に電磁波ノイズが発生し、中心電極端子部112xと上記プラズマ発生用コンデンサ42xとを繋ぐプラズマ発生用配線がアンテナとなって外部に漏れる虞もある。
通常のスパークプラグにおいては点火コイルとプラグとの間に抵抗素子を介装して、このような電磁波ノイズの発信を防止している。
しかしながら、上述した如くプラズマ発生用配線には大電流を流さなければならないので、プラズマ発生用配線上に抵抗素子を介装して放電開始時の電磁波ノイズを吸収することはできない。
そこで、本願発明は、かかる実情に鑑み、プラズマ式点火装置において、搭載が容易であるとともに、不可避的に発生する電磁波ノイズの外部への放出を防止する効果に優れたプラズマ式点火装置の提供を目的とするものである。
請求項1の発明では、内燃機関に装着される点火プラグと、放電用電源回路と、プラズマ発生用電源回路とを具備し、上記放電用電源回路からの高電圧の印加と、上記プラズマ発生用電源回路からの大電流の印加とによって、上記点火プラグの中心電極と接地電極との間に形成された放電空間内の気体を高温高圧のプラズマ状態として、上記内燃機関の点火を行うプラズマ式点火装置において、
上記放電用電源回路は、電源電圧を昇圧する昇圧手段と該昇圧手段から放電される放電電流を整流するとともに、上記プラズマ発生用電源回路からの逆流を阻止する放電電流整流素子とを含み、
上記放電電流整流素子と上記中心電極との間で、抵抗素子を該抵抗素子から上記中心電極までを繋ぐ上記抵抗素子の下流側の放電用電流配送線をできる限り短くするように上記中心電極の可及的近傍となる位置に介装し、
上記プラズマ発生用電源回路と上記中心電極との間で、該プラズマ発生用電源回路から放電されるプラズマ電流を整流するとともに、上記放電用電源回路からの逆流を阻止するプラズマ電流整流素子を該プラズマ電流整流素子から上記中心電極までを繋ぐ上記プラズマ電流整流素子の下流側の大電流配送線をできる限り短くするように上記中心電極の可及的近傍となる位置に介装し、
上記抵抗素子と上記プラズマ電流整流素子とを上記中心電極の周辺に設けた素子収納部内に載置する。
請求項1の発明によれば、上記放電用電源回路で発生し上記放電用電源回路から上記点火プラグまでの配電線を介して伝導する電磁波ノイズを上記放電電流整流素子と上記中心電極との間に介装した上記抵抗素子により熱に変換して吸収することができる。
また、上記抵抗素子によって上記放電用電源回路から流れる電流が抑えられ、電流変化が小さくなることから、電磁波ノイズの発生を抑えることができる。
さらに、放電は、瞬間的に発生する高周波現象であるので、放電時に発生する電流変化に伴い発生する電磁波ノイズを、上記放電電流整流素子と上記中心電極との間で放電部に近い位置に上記抵抗素子を載置することにより、いち早く吸収できるので電磁波ノイズ低減効果が高くなる。また、抵抗素子より電流の変化が小さくなり、磁場の変化も小さくなることから、電磁波ノイズ自体を小さくすることができる。
加えて、上記抵抗素子を上記放電電流整流素子と上記中心電極との間で上記中心電極の周囲に設けた素子収納部に載置することにより、上記放電電圧電源から上記中心電極に至るまでの電線と接地との間に形成される浮遊容量によって発生する電磁波ノイズを効率よく吸収することができる。浮遊容量分は瞬間的に流れ、電流の変化が大きいことから、電磁波ノイズの原因となる。抵抗を挿入すれば、この浮遊容量分による電流変化を抑え、電磁波ノイズ自体を小さくすることができる。
さらに、プラズマ電流放出時には、上記放電電流整流素子が逆バイアスされ、ノイズ吸収用のコンデンサとして機能するためさらに、電磁波ノイズを低減できる。
したがって、電磁波ノイズの外部への放出を防止する効果に優れたプラズマ式点火装置による難着火性の内燃機関の極めて安定した着火が実現可能となる。
請求項2の発明のように、上記抵抗素子の下端から上記中心電極の上端までの距離Lと上記整流素子の下端から上記中心電極の上端までの距離Lとの合計距離(L+L)を30cm以下に設定するのが望ましい。
請求項の発明によれば、さらに電磁波ノイズが低減されることが本発明者等の鋭意試験により判明した。したがって、難着火性の内燃機関において、プラズマ式点火装置による着火をさらに安定したものにできる。
請求項の発明では、上記抵抗素子と上記整流素子とを上記中心電極の上部に横に並べて配置する。
請求項の発明によれば、上記抵抗素子と上記中心電極ターミナル部までの幾何学的距離及び上記プラズマ電流を整流する整流素子と上記中心電極ターミナル部までの幾何学的距離を最も短くできるので、さらに電磁波ノイズの低減が期待できる。
請求項の発明では、上記素子収納部の一部又は全部を、上記内燃機関のエンジンブロックに設けたプラグホール内に載置する。
請求項の発明によれば、上記プラグホールが電磁シールドとして作用し、電磁波ノイズを吸収することができる。
請求項の発明では、上記素子収納部は、上記プラグホールの開口部を塞ぐように設ける。
請求項の発明によれば、電磁波ノイズが上記プラグホールから外部へ放射され難くな
り、より確実な電磁波ノイズの低減を図ることができる。
請求項の発明では、上記素子収納部は、金属材料又は、磁性材料からなる電波吸収部材を含む。
請求項の発明によれば、電磁シールドとしての効果が低い部材によって上記プラグホールが形成されていた場合であっても、上記素子収納部を金属材料で覆ったり、磁性材料を混ぜたりすることによって素子収納部自体が電磁シールドとして機能し、さらに電磁波ノイズ吸収することができる。
請求項の発明では、上記プラズマ発生用電源回路は、電源によって充電される複数のコンデンサを含み、該コンデンサの一部又は全部を上記素子収納部内に載置する。
請求項の発明によれば、放電電圧の減衰を伴うことなく、上記コンデンサの一部がノイズ吸収用コンデンサとして作用し、放電時に発生する高周波のノイズ電流のみを上記素子収納部をグランドとしてバイパスして、プラズマ電流放出時に発生する電磁波ノイズが上記素子収納部の外へ発信するのを防止できる。また、上記コンデンサと中心電極とを繋ぐ大電流供給線を極めて短くすることができるので、該大電流供給線がアンテナとならず、電磁波ノイズの外部への発信を防ぐことができる。
したがって、難着火性の内燃機関において、プラズマ式点火装置による安定した着火が実現可能となる。
加えて、上記放電電流整流素子と上記プラズマ電流整流素子と上記プラズマ発生用コンデンサとを上記素子収納部内に載置することにより、プラズマ式点火プラグの体格を余り大きくすることなく内燃機関への搭載が容易となる。
請求項の発明では、上記放電用電源回路は、上記昇圧手段として点火コイルと、該点火コイルを駆動する点火コイル駆動回路とを含み、上点火コイルを上記素子収納部内に載置する。
請求項の発明によれば、上記点火コイルと上記中心電極を繋ぐ放電用高電圧供給線を短くできるので、該放電用高電圧供給線がアンテナとならず、電磁波ノイズが素子収納部の外部から発信されるのを防ぐことができる。ノイズ発生源を包括的に一定範囲内に収納することにより、電磁波ノイズを素子収納部内に効率的に封じ込めることができる。上記点火コイルまで収納すれば、電磁波ノイズ源、及び、電磁波ノイズ源に繋がる部品が、一体的にコンパクトに収納できたことになり、電磁波ノイズの低減効果は大きい。またプラズマ式点火装置の体格を余り大きくすることなく内燃機関への搭載が容易となる。
請求項の発明では、上記抵抗素子の抵抗値は、3kΩ以上、より好ましくは5kΩ以上に設定する。
請求項の発明の範囲に上記抵抗素子の抵抗値を設定することにより、電磁波ノイズの発生をさらに、効果的に抑えることができることが判明した。
請求項10の発明では、上記点火コイルと上記放電電流整流素子とを抵抗線によって接続する。
請求項10の発明によれば、上記点火コイルと上記放電電流整流素子との間の電流値変化に伴い発生する電磁波ノイズを上記抵抗線によって吸収できる。
請求項11の発明では、上記抵抗線の抵抗値は、10〜20kΩ/mに設定する。
請求項11の発明の範囲に、上記抵抗線の抵抗値を設定することにより、さらに、電磁波ノイズの発生抑制効果を大きくすることができることが判明した。
請求項12の発明では、上記電源と上記コンデンサとを抵抗線によって接続するとともに、上記コンデンサと上記中心電極とを抵抗なし線によって接続する。
請求項12の発明によれば、放電時には、上記抵抗なし線を通って上記コンデンサから上記中心電極へ大電流が供給されるので、大電流の電流値を低下させることがなく、また、上記電源と上記コンデンサとの間で繰り返される充放電に伴う電磁波ノイズは、上記抵抗線によって吸収することができる。
請求項13の発明では、上記電源と上記コンデンサとを接続する上記抵抗線の全長に渡る抵抗値は、1kΩ以上の所定値に設定する。
請求項13の発明の範囲に上記抵抗線の抵抗値を設定すれば、さらに、効果的に電磁波ノイズの吸収が実現できる。
請求項14の発明では、上記抵抗線の抵抗値のバラツキを、±100Ω以内とする。
請求項14の発明によれば、さらに、効果的に電磁波ノイズの吸収が実現できる。また、本発明を複数気筒からなる内燃機関に適用した場合、上記抵抗線の固体差が小さくなることにより、グランド電位の差を少なくし、新たな電磁波ノイズの発生を防止できる。
図1を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態におけるプラズマ式点火装置1は、プラズマ式点火プラグ10と電源30、40と放電用電源回路300とプラズマ発生用電源回路400と素子収納部2と電子制御装置34とによって構成されている。
放電用電源回路300は、電源30に接続され、イグニションスイッチ31と点火コイル32と外部の電子制御装置ECU34からの点火指令によって火コイル32を駆動する点火コイル駆動回路33と放電電流を整流する整流素子35とによって構成され、プラズマ発生用電源回路400は、電源40に接続され、DC―DCコンバータ44、抵抗41、プラズマ発生用コンデンサ42、42aによって構成されている。
点火コイル駆動回路33は、外部に設けられた電子制御装置(ECU)34によって開閉制御されるトランジスタを含み、電源30からの電圧を点火コイル32によって、昇圧した高電圧のプラズマ式点火プラグ10への供給を制御している。
放電電流を整流する整流素子35は、点火コイル32からの高電圧を整流するとともにプラズマ発生用コンデンサ42からの大電流の逆流を阻止している。
点火コイル32と放電電流を整流する整流素子35とは高抵抗線36によって接続されており、抵抗素子37は、放電電流を整流する整流素子35と中心電極110との間で中心電極110の可及的近傍となる位置、即ち、抵抗素子37から中心電極ターミナル部111までの下流側放電用配送線370をできる限り短くするように載置されている。
プラズマ発生用コンデンサ42は、電源40によって充電され、放電時にはプラズマ式点火プラグ10に大電流を放出する。
プラズマ電流を整流する整流素子43は、中心電極ターミナル部111までの下流側大電流配送線430をできる限り短くするように載置され、プラズマ発生用コンデンサ42からの大電流を整流するとともに点火コイル32からの放電電圧の逆流を阻止している。
プラズマ式点火プラグ10は、導電性金属材料からなる柱状の中心電極110と中心電極110を絶縁保持する筒形の絶縁部材120と絶縁部材120を覆う筒状の金属からなる接地電極130とによって構成されている。
中心電極110の先端側は、例えばイリジウム、イリジウム合金等の導電性材料によって長軸状に形成され、内部には鉄鋼材料、銅等の良電導性で高熱伝導性の金属材料からなる中心電極中軸が形成され、基端側は中心電極ターミナル部111が形成されている。
接地電極130は、その下端には接地電極開口部131が形成され、その外周にはエンジンブロック51に螺結するためのネジ部132が形成され、基端側には、絶縁部材120を収納保持するハウジング部135が形成され、さらに、ハウジング135の外周には、ネジ部132をネジ締めするための六角部133が形成されている。
接地電極130を含むハウジング135は、ニッケル、鉄等の金属材料によって形成されている。
絶縁部材120の内側には、放電空間140が形成され、中心電極110と接地電極130との間で放電可能となっている。
絶縁部材120は、耐熱性、機械的強度、高温における絶縁耐力、熱伝導率などに優れた高純度のアルミナ等からなり、基端側は、絶縁部材頭部121が形成され、中心電極ターミナル部111とハウジング135との電気絶縁性を確保している。
プラズマ式点火プラグ10は、図略の内燃機関のエンジンブロック51とシリンダーブロック53とで形成される燃焼室5内に先端が露出するように、エンジンブロック51に設けられたプラグホール52内に装着されとともに、接地電極130がエンジンブロック51に電気的に接地された状態となっている。
本発明の要部である素子収納部2は、内部に素子として、抵抗素子37とプラズマ電流を整流する整流素子43とを収納し、抵抗素子37の上流側で放電用電源回路300と抵抗素子37とを繋ぐ上流側放電用配送線371の一部と、抵抗素子37の下流側で抵抗素子とコモン電極210とを繋ぐ下流側放電用配送線370と、プラズマ電流を整流する整流素子43の上流側でプラズマ発生用電源回路400とプラズマ電流を整流する整流素子とを繋ぐ上流側大電流配送線410、431と、プラズマ電流を整流する整流素子43の下流側でプラズマ電流を整流する整流素子43とコモン電極210とを繋ぐ下流側大電流配送線430と、コモン電極210と中心電極ターミナル部111とを繋ぐバネ電極211と、これらを覆うエポキシ樹脂等からなる絶縁樹脂モールド200、201、203と、プラズマ式点火プラグ10の絶縁部材頭部130に装着すべく、弾性部材により筒状に形成された絶縁部205とによって構成されている。
素子収納部2は、エンジンブロック51のプラグホール52内でプラグホール52の開口をほぼ塞ぐように収納されている。
下流側放電用配送線370、下流側大電流配送線430、コモン電極210、バネ端子211、は、抵抗素子37から中心電極ターミナル部111の上端面に至るまでにプラグホール52の周壁との間に形成される浮遊容量と、プラズマ電流を整流する整流素子43から中心電極ターミナル部111の上端面に至るまでにプラグホール52の周壁との間に形成される浮遊容量とをできる限り小さくするため、抵抗素子37の下端面から中心電極ターミナル部111に至る距離Lとプラズマ電流を整流する整流素子43の下端面から中心電極ターミナル部111に至る距離Lとをできる限り短く設定するのが望ましい。
図2は、本実施形態におけるプラズマ式点火装置1の電磁波ノイズ測定方法の概要を示す。図2に示すように、プラズマ点火装置1から、所定の距離を離してノイズ検出コイル(φ82mm、20T)を設け、オシロスコープによって、電波雑音を10回測定した最大幅P−Pmax(V)を測定した。
表1に示す条件で、抵抗素子37から中心電極ターミナル部111の上端面までの距離L及び、プラズマ電流を整流する整流素子43から中心電極ターミナル部111の上端面までの距離Lを変化させた実施例と抵抗素子37が介装されていない比較例とについて測定を行った。なお、本図中、破線SLDは、ほとんど全ての回路をプラグホール(PH)52内に載置した実施形態における電磁シールドを表している。
Figure 0004390008
図3に本発明の効果を比較例とともに示す。
実施例1は、図2に示すように、全ての回路をプラグホール52内に収納し、エンジンブロック51をシールド(SLD)として使用する本発明の最もノイズ低減効果の高い実施形態において、Lを固定(3mm)し、Lを変更した場合のノイズ低減効果を示す。なお、図3において、縦軸はノイズレベル、横軸はLとLの合計長さを示す。
実施例2は、抵抗素子37とプラズマ電流を整流する整流素子43とをプラグホール52外に収納し、Lを固定し、Lを変更した場合のノイズ低減効果を示す。
実施例3は、抵抗素子37とプラズマ電流を整流する整流素子43とをプラグホール52外に収納し、Lを固定し、Lを変更した場合のノイズ低減効果を示す。
比較例1は、抵抗素子37を具備せず、抵抗線によって放電用電源と中心電極とを接続した従来のプラズマ式点火装置における電磁波ノイズ状態を示す。
比較例2は、従来の抵抗素子を具備せず、抵抗線によって放電用電源と中心電極とを接続した従来のプラズマ式点火装置において、Lを固定し、Lを変化させた場合のノイズ低減効果を示す。抵抗素子37がない時のLの長さは、放電電流を整流する整流素子35と中心電極ターミナル部111までの距離とする。
比較例3は、抵抗素子37を具備せず、抵抗線によって放電用電源と中心電極とを接続した従来のプラズマ式点火装置において、回路全体をプラグホール52内に載置した場合のノイズ低減効果を示す。
図3に示すように、実施例2、実施例3の結果から、抵抗素子37とプラズマ電流を整流する整流素子43とを、中心電極ターミナル部111の周辺に載置した場合のノイズ低減効果は、どちらもほぼ等しく、L又はLのいずれか一方が長くなれば、電磁ノイズが増加することが判明した。さらに、LとLの合計距離を短くするほどノイズレベルを小さくできることが判明した。
また、放電電流を整流する整流素子35を中心電極ターミナル部111の周辺に載置した場合にも、放電電流を整流する整流素子35から中心電極ターミナル部111までの距離Lを短くするほど、ノイズ低減効果が増加することが判明した。
さらに、素子収納部2内に可能な限り素子の全てを収納し、プラグホール52内に載置することによって、最も効果的に電磁波ノイズを低減できることが判明した。
また、抵抗素子37とプラズマ電流を整流する整流素子43は、プラグホール52内で横に並べて設置すると、LとLの配線長さを短くでき、よりノイズ低減効果が高くなると期待される。
抵抗素子37とプラズマ電流を整流する整流素子43とを上下にずらして設置すると、幾何学的にLとLの合計長さは並べて配置するより長くなり、その結果、ノイズも大きくなる虞がある。
本試験により、望ましくは、抵抗素子37の下端と中心電極ターミナル部111の上端までの距離Lを30cm以下に設定し、プラズマ電流を整流する整流素子43と中心電極ターミナル部111の上端までの距離Lを30cm以下に設定することにより、より効果的に電磁波ノイズを低減できることが判明した。
、Lの長さが短くなるように素子収納部2内に素子を収納すれば、ノイズを低減できる。この時、前述したように、素子収納部2をプラグホール52に入れるとノイズ低減効果が高くなる。
プラグホール52を区画するエンジンヘッド51がシールド材料で構成されていれば、電磁シールドとしての効果が期待できる。
プラグホール52を区画するエンジンヘッド51がシールド材料で構成されていない時には、シールド機能を素子収納部2に付加すれば良い。
素子収納部2にシールド機能を付加する材料としては、放射ノイズを接地に流せる電導性のある金属(銅、鉄、Ni、Al等及びその合金)、あるいは、電波吸収体(磁性体、電磁材など)を用いるのが望ましい。
また、構造的には、これらシールド材料を素子収納部2の表面に膜として付けたり、塗装したり、シート状に形成したものを挟み込んだり、貼り付けたり、素子収納部を形成する樹脂・ゴム材等の材料に混ぜたりする、などが考えられる。
本発明の第2の実施形態におけるプラズマ式点火装置1eについて図4を参照して説明する。本実施形態においては、上記第1の実施形態と基本構成を同一とし、放電用電源回路300eとプラズマ発生用電源回路400eとの接続方法が僅かに異なる点が相違する。本実施形態においては、点火コイル32eの二次コイル322eをプラズマ発生用電源回路400eに接続し、プラズマ電流を整流する整流素子43を放電電流の整流に兼用する構成としている。このような構成としても、上記実施形態と同様に抵抗素子37と放電電流整流素子を兼ねたプラズマ電流整流素子43とを中心電極ターミナル部111までの距離(L 、L )をできる限り短くするように素子収納部2内に載置することによって電磁波ノイズを低減する効果が発揮できる。
本発明の第3の実施形態におけるプラズマ式点火装置1aについて、図5を参照して説明する。本実施形態におけるプラズマ式点火装置1aは、上記第1の実施形態と基本構成を同一とし、素子収納部2aをシールド部材204によって覆っている点が相違する。このような構成とすることにより、エンジンブロック51が電磁シールドとして機能し、電磁波ノイズがプラグホール52の外部へ放射されるのを効率よく抑制できる。
本発明の第4の実施形態におけるプラズマ式点火装置1bについて、図6を参照して説明する。なお、上記実施形態と共通する部分については、同じ符号を付したので説明を省略し、本実施形態におけるプラズマ式点火装置1bの特徴的な部分についてのみ説明する。本発明の要部である素子収納部2bは、点火コイル駆動回路33bと、点火コイル32bと、放電電流を整流する整流素子35と、抵抗素子37と、プラズマ発生用コンデンサ42bと、プラズマ電流を整流する整流素子43と、これらを覆うエポキシ樹脂等からなる絶縁樹脂モールド201bと、プラズマ式点火プラグ10の絶縁部材頭部130に装着すべく、弾性部材により筒状に形成された絶縁部205bと、中心電極ターミナル部111に接続される第1のターミナル210とによって構成され、全体が電磁波シールドを兼ねたケース200bによって覆われ、ケース200に設けられたケースネジ部220bによってエンジンブロック51のプラグホール52内に螺結されている。なお、ケース200bは、全体を金属で形成しても良いし、樹脂で形成し、表面の一部又は全部を金属メッキで覆って形成しても良い。
点火コイル駆動回路33bは、外部に設けられた電子制御装置(ECU)34によって開閉制御されるトランジスタを含み、電源40bからの電圧を点火コイル32bによって、昇圧した高電圧のプラズマ式点火プラグ10への供給を制御している。
プラズマ発生用コンデンサ42bは、電源40bによって充電され、放電時にはプラズマ式点火プラグ10に大電流を放出する。
本実施形態において、プラズマ発生用コンデンサ42bは、エンジンブロック51と接地状態となっており、放電時に発生する電磁波ノイズをエンジンブロック51へバイパスする電磁波ノイズ低減用コンデンサとしても機能している。
なお、電源40から、接点411までは抵抗線41によって接続され、接点411で、並列に接続される点火コイル32の一次側とプラズマ発生用コンデンサ42bとプラズマ電流を整流する整流素子43とは、抵抗なし線によって接続されている。
図7を参照して本発明の第4の実施形態におけるプラズマ式点火装置1bの回路構成並びに本発明の効果について詳述する。
プラズマ式点火装置1bは、点火プラグ10と、電源40b、イグニッションスイッチ31、点火コイル32b、トランジスタを含む点火コイル駆動回路33b、電子制御装置34、抵抗線36b、放電電流を整流する整流素子35、抵抗素子37、抵抗線41、プラズマ発生用コンデンサ42b、プラズマ電流を整流する整流素子43、素子収納部2bによって構成されている。
電源40bは、マイナス側が接地され、点火プラグ10の中心電極110が陽極となり、接地電極130が陰極となるように接続されている。また、電源40から、接点411までは抵抗線41によって接続され、接点411bで、並列に接続される点火コイル32bの一次側とプラズマ発生用コンデンサ42bとプラズマ電流を整流する整流素子43とは、抵抗なし線によって接続されている。
点火コイル32bの二次コイルと中心電極110との間に高抵抗線36bを介して放電電流を整流する整流素子35が直列に設けられ、さらに、整流素子35と中心電極110との間で、中心電極110の極近傍に抵抗素子37が介装されている。
プラズマ電流を整流する整流素子43は、プラズマ発生用コンデンサ42bと中心電極110との間で放電電流を整流する整流素子35と並列に介装されている。
放電電流を整流する整流素子35とプラズマ電流を整流する整流素子43とプラズマ発生用コンデンサ42bと点火コイル32と点火コイル駆動回路33bとをケース200bで覆い、プラズマ発生用コンデンサ42bの接地側とケース200とが接地されている。
放電電流を整流する整流素子35、プラズマ電流を整流する整流素子43にはダイオードが用いられている。
なお、本実施形態において、抵抗線36には、16kΩ/mの抵抗線が用いられ、抵抗線41には、電源40から接点411までの全長に渡る抵抗値が一定となる(例えば1kΩ)抵抗線が用いられ、抵抗素子37には、5kΩの固定抵抗素子が用いられ、プラズマ発生用コンデンサには2μFの容量のコンデンサが用いられている。
なお、抵抗素子37を15kΩ以上の高抵抗とすると電磁波ノイズは抑えられるが、放電が充分に行われなくなり着火性に影響を与えることが判明した。したがって、15kΩが、放電が充分に行われる限界値となる。
また、抵抗線41の配線長の一部分のみを抵抗線とし、その長さを各気筒への配線にて一定とし、その他の部分は抵抗なし電線として、各気筒における抵抗値を等しくするのが望ましい。この時、抵抗線を用いる位置は、ノイズ発生源であるプラグ10に近い側とするのが良い。
イグニッションスイッチ31が投入され、ECU34からの点火信号により、電源40bの一次電圧が点火コイル32の一次コイル321に印加され、点火コイル駆動回路33のスイッチングによって一次電圧が遮断されると、点火コイル33内の磁界が変化し、自己誘導作用により点火コイル33の二次コイル322に10〜30kVの正の二次電圧が誘起される。
一方、プラズマ発生用コンデンサ42bは、プラズマ式点火プラグ10と並列に接続されており、電源40bによりプラズマ発生用コンデンサ42bが充電される。
印加された二次電圧が中心電極110と接地電極130との放電電圧を超えると両電極間に放電が開始され、放電空間140内の気体が小領域でプラズマ状態となる。このプラズマ状態の気体は、導電性を有し、プラズマ発生用コンデンサ42bの両極間に蓄えられた電荷の放電を引起し、放電空間140内の気体の更なるプラズマ状態化を誘発、領域を拡大する。このプラズマ状態の気体は、高温・高圧となり、内燃機関内へ噴射される。
この時、電磁波ノイズが発生するが、放電電流を整流する整流素子35とプラズマ電流を整流する整流素子43とプラズマ発生用コンデンサ42bとを中心電極110の可及的近傍に載置することにより、点火コイル32bからの放電電圧の減衰を伴うことなく、プラズマ発生用コンデンサ42bによって、放電時に発生する高周波のノイズ電流のみを素子収納部2bをグランドとしてバイパスできる。
また、プラズマ発生用コンデンサ42bと中心電極110とを繋ぐ大電流配送線430を極めて短くすることができるので、大電流配送線430がアンテナとならず、電磁波ノイズが発生しても、素子収納部2bの外部へ発信されるのを防ぐことができる。
さらに、点火コイル32bと点火コイル駆動回路33bとが、素子収納部2b内に載置されており、点火コイル32bと中心電極110を繋ぐ放電用配送線(抵抗線)36bを短くできるので、放電用配送線36bがアンテナとならず、電磁波ノイズの外部への発信を防ぐことができる。
加えて、エンジンブロック51が電磁波シールドとして機能しており、プラグホール52内にノイズ発生源を包括的に収納することにより、プラグホール52から電磁波ノイズの漏れを防止できる。
なお、本実施形態において、電源40bの電圧を予め昇圧した昇圧電源を用いることにより、点火コイル32bを小型化し、さらに、搭載性を向上することも可能となる。
図8に本発明の第5の実施形態におけるプラズマ式点火プラグ10を複数の気筒からなる内燃機関500に複数装着したプラズマ式点火装置1cの構成を示す。なお、本発明の第5の実施形態と共通する部分につては図中に同じ符号を記したので、説明を省略する。
本実施形態においては、第5の実施形態に示した効果に加えて、複数の素子収納部2(1〜n)が一定形状のケース200によって形成されている
ので、浮遊容量が一定で、接地電位が一定となるので、素子収納部間での電位差による新たな電磁波ノイズが発生しない。
したがって、複数気筒からなる難着火性の内燃機関500においてプラズマ式点火装置1aによる安定した着火が実現可能となる。
なお、本実施形態において、抵抗線と抵抗なし線を用いて、抵抗線41(1〜n)の各抵抗値が一定となるように配線されている。
回路上、各気筒への配線長さが変わっても抵抗線の全長の各配線の抵抗値をほぼ等しくできる。よって、各気筒への配線の長さ当たりの抵抗値は異なることがありうる。なお、各配線長の一部分のみを抵抗線とし、その長さを各気筒への配線にて一定とし、その他の部分は抵抗なし電線として、各気筒における抵抗値を等しくしてもよい。この時の抵抗線の位置はノイズ発生源であるプラグに近い側に使うと良い。
図9に本発明の第6の実施形態におけるプラズマ式点火装置1dの概要を示す。本実施形態は、第4の実施形態と基本構成は同様であるが、点火コイル32dと点火コイル駆動回路33dを素子収納部2dの外部に配設し、点火コイル32dと素子収納部2dとの接続に第2のターミナル部230を設け、電源40と素子収納部2dとの接続に第3のターミナル240を設け、さらに、第2のターミナル230と第3のターミナル240とを互いに直交する位置に配設した点が相違する。
電磁波ノイズが収納部2dの外部に漏れないようにするためには、プラズマ発生用コンデンサ42と第3のターミナル部240との間に電磁波ノイズが乗らないように注意する必要がある。
そこで、本実施形態では、電磁波ノイズが発生する放電電流を整流する整流素子35とその配線36からプラズマ発生用コンデンサ42を離し、第2のターミナル部230と第3のターミナル部240とを離した構造としてある。
プラズマ発生用コンデンサ42を第3のターミナル240の近傍に設けることにより、さらに、電磁波ノイズの発生を低減できるとの知見を得た。
加えて、プラズマ発生用コンデンサ42の載置位置を第2のターミナル部230から離すことにより、第2のターミナル部230に印加される高圧の放電用電圧がプラズマ発生用コンデンサ42にリークするのを防止できる。
また、素子収納部2dの形状を簡易な形状にすることができるので、製造が容易で実用性が極めて高い。
本発明は、上記実施形態に限定するものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態においては、点火プラグとして、中心電極を覆う絶縁部材の内側に形成された放電空間内で中心電極と接地電極との放電を行うプラズマ式点火プラグ10を用いた場合について説明したが、本発明のプラズマ式点火装置は、点火プラグとして、中心電極と接地電極との間のエアギャップに放電するスパークプラグや絶縁体表面で放電を行う延面放電プラグにも適宜採用し得るものである。
本発明の第1の実施形態におけるプラズマ式点火装置の構成を示す要部断面図。 プラズマ式点火装置の評価方法を示す構成図。 本発明の第1の実施形態におけるプラズマ式点火装置の効果を比較例とともに示す特性図。 本発明の第2の実施形態におけるプラズマ式点火装置の構成を示す要部断面図。 本発明の第3の実施形態におけるプラズマ式点火装置の構成を示す要部断面図。 本発明の第4の実施形態におけるプラズマ式点火装置の構成を示す要部断面図。 本発明の第4の実施形態におけるプラズマ式点火装置の回路図。 本発明の第5の実施形態におけるプラズマ式点火装置の回路図。 本発明の第6の実施形態におけるプラズマ式点火装置の構成を示す要部断面図。 複数の気筒からなる内燃機関に設けられた従来のプラズマ式点火装置の構成並びに問題点を示す回路図。 (a)は、従来のプラズマ式点火装置の構成を示す回路図、(b)は、本図における動作波形を示す動作特性図。 (a)は、通常のスパークプラグの構成を示す回路図、(b)は、本図における動作波形を示す動作特性図。
符号の説明
1 プラズマ式点火装置
10 プラズマ式点火プラグ
110 中心電極
111 中心電極ターミナル部
120 絶縁部材
140 接地電極
140 放電空間
2 素子収納部
32 点火コイル
33 点火コイル駆動回路
34 電子制御装置(ECU)
35 放電電流整用整流素子
36、371 上流側放電用配送線
37 抵抗素子
370 下流側放電用配送線
30、40 電源
410、431 上流側大電流用配送線
42、42a コンデンサ
43 プラズマ電流整流用整流素子
430 下流側大電流用配送線
52 プラグホール(PH)
300 放電用電源回路
400 プラズマ発生用電源回路

Claims (14)

  1. 内燃機関に装着される点火プラグと、放電用電源回路と、プラズマ発生用電源回路とを具備し、上記放電用電源回路からの高電圧の印加と、上記プラズマ発生用電源回路からの大電流の印加とによって、上記点火プラグの中心電極と接地電極との間に形成された放電空間内の気体を高温高圧のプラズマ状態として、上記内燃機関の点火を行うプラズマ式点火装置において、
    上記放電用電源回路は、電源電圧を昇圧する昇圧手段と該昇圧手段から放電される放電電流を整流するとともに、上記プラズマ発生用電源回路からの逆流を阻止する放電電流整流素子とを含み、
    上記放電電流整流素子と上記中心電極との間で、抵抗素子を該抵抗素子から上記中心電極までを繋ぐ上記抵抗素子の下流側の放電用電流配送線をできる限り短くするように上記中心電極の可及的近傍となる位置に介装し、
    上記プラズマ発生用電源回路と上記中心電極との間で、該プラズマ発生用電源回路から放電されるプラズマ電流を整流するとともに、上記放電用電源回路からの逆流を阻止するプラズマ電流整流素子を該プラズマ電流整流素子から上記中心電極までを繋ぐ上記プラズマ電流整流素子の下流側の大電流配送線をできる限り短くするように上記中心電極の可及的近傍となる位置に介装し、
    上記抵抗素子と上記プラズマ電流整流素子とを上記中心電極の周辺に設けた素子収納部内に載置せしめたことを特徴とするプラズマ式点火装置。
  2. 上記抵抗素子の下端から上記中心電極の上端までの距離L と上記プラズマ電流整流素子の下端から上記中心電極の上端までの距離L との合計距離(L +L を30cm以下に設定したことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ式点火装置。
  3. 上記抵抗素子と上記プラズマ電流整流素子とを上記中心電極の上部に横に並べて配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載のプラズマ式点火装置。
  4. 上記素子収納部の一部又は全部を、上記内燃機関のエンジンブロックに設けたプラグホール内に載置したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のプラズマ式点火装置。
  5. 上記素子収納部は、上記プラグホールの開口部を塞ぐように設けたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のプラズマ式点火装置。
  6. 上記素子収納部は、金属材料又は、磁性材料からなる電波吸収部材を含んだことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のプラズマ式点火装置。
  7. 上記プラズマ発生用電源回路は、電源によって充電される複数のコンデンサを含み、該コンデンサの一部又は全部を上記素子収納部内に載置したことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のプラズマ式点火装置。
  8. 上記放電用電源回路は、上記昇圧手段として点火コイルと、該点火コイルを駆動する点火コイル駆動回路とを含み、上記点火コイルを上記素子収納部内に載置したことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載のプラズマ式点火装置。
  9. 上記抵抗素子の抵抗値は、3kΩ以上、より好ましくは5kΩ以上に設定したことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載のプラズマ式点火装置。
  10. 上記点火コイルと上記放電電流整流素子とを抵抗線によって接続したことを特徴とする請求項8又は9に記載のプラズマ式点火装置。
  11. 上記抵抗線の抵抗値は、10〜20kΩ/mに設定したことを特徴とする請求項10に記載のプラズマ式点火装置。
  12. 上記電源と上記コンデンサとを抵抗線によって接続するとともに、上記コンデンサと上記中心電極とを抵抗なし線によって接続したことを特徴とする請求項7ないし11のいずれか1項に記載のプラズマ式点火装置。
  13. 上記電源と上記コンデンサとを接続する上記抵抗線の全長に渡る抵抗値は、1kΩ以上の所定値に設定したことを特徴とする請求項12に記載のプラズマ式点火装置。
  14. 上記抵抗線の抵抗値のバラツキを、±100Ω以内としたことを特徴とする請求項10ないし13のいずれか1項に記載のプラズマ式点火装置。
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