JP4388737B2 - 加工装置及び加工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ツール取付部に固定されたツールを使用してワーク取付部に固定されたワークを加工する加工装置及び加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ツール取付部に固定されたツールを使用してワーク取付部に固定されたワークを加工する場合には、ワークが所定の目標形状に達したかどうかを次のようにして評価し、必要に応じて追加工を行って目標形状を実現していた。まず、ワーク取付部からそのワークを取り外し、測定装置を使用してワークの形状を測定する。次に、目標形状を表すデータと測定結果とを比較して、加工が不足する場合には追加工を要する量である追加工量を算出する。次に、そのワークをワーク取付部に再び取り付け、算出された追加工量に基づいてツールを使用して追加工を行う。
また、砥石を使用して工作物の円筒部をプランジ研削しながら、その径寸法を接触式のセンサ(接触子)を使用して測定することも提案されている。この場合には、径寸法が設定値に達すると、砥石の機械座標系を再設定することにより、砥石の機械座標と工作物の座標とのずれ量を補正している。その後に工作物を再研削することにより、目標寸法通りの形状を形成している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−278020号公報(第3頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の技術によれば、次のような問題がある。まず、取り外したワークの形状を測定する場合には、ワーク取付部からワークを取り外すという工程が必要になる。また、取り外し前と再取付後とにおいてワークの取り付け位置がずれるので、超精密加工を行う際にその位置ずれが加工精度の向上を阻害する。
また、接触子を使用して工作物、すなわちワークの径寸法や形状等を測定する場合には、ワークの材質や形状等によっては測定できないことがある。例えば、プラスチック製の光学部品のようにわずかな傷も許されないワークの場合、液晶表示装置に使用される導光板や導光板用の金型等のように極めて微細な溝が形成されるワークの場合、複雑な形状を有するワークの場合等には、接触子を使用して測定することができない。
更に、前述のいずれの場合においても、摩耗や破損によりツールを交換し、交換前後においてツールの取り付け位置の位置ずれが発生した場合には、加工のずれを生ずるので、そのワークを廃棄する原因になるおそれがある。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、ツールを使用してワークを加工する際に、微細な溝や複雑な形状等を有するワークについても、ワークを取り外すことなくその形状を測定して加工精度の向上を図るとともに、ツールを交換した場合でも加工のずれ、ひいてはワークの廃棄を生ずることなくワークを加工する、加工装置及び加工方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の技術的課題を解決するために、本発明に係る加工装置は、各々相対的に移動可能に設けられているツール取付部及びワーク取付部を有し、ツール取付部に固定されたツールを使用してワーク取付部に固定されたワークに対する加工を行う加工装置であって、ツール取付部又はツール取付部に対して一体的に設けられた部材に固定されワークの形状を測定して該形状を表すワーク形状信号を供給するセンサと、ツール取付部とワーク取付部との少なくとも一方を移動させることによりツール及びワークの相対的な位置関係を制御する制御部とを備えるとともに、制御部は、センサから受け取ったワーク形状信号に基づいて、ワークについて測定された形状と所定の目標値により表された目標形状とを比較して、測定された形状が目標形状に到達していない場合には該目標形状に到達するように更に一定の追加工量だけ追加工を行うための追加工信号を生成し、ワークに対する加工は複数個所における加工であって、複数個所のうちの1個所を加工しながら複数個所のうちの加工済の個所においてワークの形状を測定し、該測定の結果が目標形状に到達していない場合には1個所におけるワークに対する加工を中断して加工済の個所に対する追加工を行い、該追加工を終わった後に1個所におけるワークに対する加工を再開し、制御部は、追加工量を演算する演算手段と追加工量のデータが格納される記憶手段とを有することを特徴とする。
【0007】
これによれば、ツールとセンサとが同じツール取付部に固定され、又はツール取付部に対して一体的に設けられた部材にセンサが固定され、ワークについてそのセンサにより測定された形状と目標値により表された目標形状とが比較され、目標形状に到達していない場合には更に一定量だけ追加工を行うための追加工信号が生成される。したがって、ワークの取り外しを行うことなくその形状が非接触で測定されるので、ワークの取り外し前後の位置ずれに起因する加工精度の低下の防止と、微細な溝や複雑な形状等を有するワークの測定とが可能になる。加えて、ワークが引き続き加工されることになるので、ワークの廃棄が低減されるとともに、ワークが目標形状になるまで短時間で加工される。また、加工と同時に、言い換えれば加工しながら加工が完了した部分の形状が測定されるので、加工及び測定の効率が向上する。また、1個所においてワークに対する加工を中断して、追加工が行われる。したがって、全体の加工距離が極めて大きい場合においても、追加工量のデータを格納するために必要な記憶容量が低減される。
【0008】
【0009】
【0010】
また、本発明に係る加工装置は、上述した加工装置において、ワークに対する加工は複数本の溝加工であることを特徴とする。
【0011】
これによれば、1本の溝を切削した後に直ちに追加工が行われる。したがって、導光板のように全体の加工距離が極めて大きい場合においても、追加工量のデータを格納するために必要な記憶容量が低減される。
【0012】
また、本発明に係る加工装置は、上述した加工装置において、センサは非接触式のセンサであることを特徴とする。
【0013】
これによれば、わずかな傷も許されないワークの場合、極めて微細な溝が形成されるワークの場合、複雑な形状を有するワークの場合等についても、問題なく形状が測定される。
【0014】
上述の技術的課題を解決するために、本発明に係る加工方法は、各々相対的に移動可能に設けられているツール取付部及びワーク取付部とツール取付部に固定されたツールとを使用して、ワーク取付部に固定されたワークを加工する加工方法であって、ツールを使用してワークを加工する工程と、ツール取付部又はツール取付部に対して一体的に設けられた部材に固定されたセンサによりワークにおける加工済の個所の形状を測定して該形状を表すワーク形状信号を供給する工程と、ワーク形状信号に基づいて、加工済の個所について測定された形状と所定の目標値により表された目標形状とを比較して、測定された形状が目標形状に到達していない場合には該目標形状に到達するために必要な一定の追加工量を演算する工程と、追加工量のデータを記憶する工程と、追加工量だけワークを追加工する工程とを備えるとともに、ワークを加工する工程とワーク形状信号を供給する工程とを並行して行い、ワークを加工する工程ではワークの複数個所のうちの1個所を加工し、ワーク形状信号を供給する工程では複数個所のうちの加工済の個所においてワークの形状を測定し、加工済の個所において測定された形状が目標形状に到達していない場合には1個所におけるワークを加工する工程を中断して加工済の個所においてワークを追加工する工程を行い、加工済の個所においてワークを追加工する工程を終わった後に1個所におけるワークを加工する工程を再開することを特徴とする。
【0015】
これによれば、ワークについて、ツールと同じツール取付部に固定されたセンサ、又はツール取付部に対して一体的に設けられた部材に固定されたセンサを使用して測定した形状と、目標値により表された目標形状とを比較して、目標形状に到達していない場合には更に一定量だけ加工を行う追加工信号を生成する。したがって、ワークを取り外すことなくその形状を非接触で測定するので、ワークの取り外し前後の位置ずれに起因する加工精度の低下を防止することができ、微細な溝や複雑な形状等を有するワークを測定することができる。加えて、ワークを引き続き加工するので、ワークの廃棄を低減するとともに、ワークが目標形状になるまで短時間で加工することができる。また、加工と同時に、言い換えれば加工しながら加工が完了した部分の形状を測定するので、加工及び測定の効率を向上させることができる。また、ワークを加工する工程を中断して、追加工を行う。したがって、全体の加工距離が極めて大きい場合においても、追加工量のデータを格納するために必要な記憶容量を低減することができる。
【0016】
【0017】
【0018】
また、本発明に係る加工方法は、上述した加工方法において、ワークを加工する工程ではワークに対して複数本の溝加工を行うことを特徴とする。
【0019】
これによれば、1本の溝を切削した後に直ちに追加工を行う。したがって、導光板のように全体の加工距離が極めて大きい場合においても、追加工量のデータを格納するために必要な記憶容量を低減することができる。
【0020】
また、本発明に係る加工方法は、上述した加工方法において、ワーク形状信号を供給する工程においては非接触式のセンサを使用することを特徴とする。
【0021】
これによれば、わずかな傷も許されないワークの場合、極めて微細な溝が形成されるワークの場合、複雑な形状を有するワークの場合等についても、問題なく形状を測定することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る加工装置について、図1と図2とを参照して説明する。図1は、本実施形態に係る加工装置の概略を示す斜視図である。図2は、図1の加工装置の動作を示すフローチャートである。
【0023】
図1において、ワーク用ステージ1はZ方向に進退自在に設けられており、そのワーク用ステージ1にはワーク取付部2が固定されている。ワーク取付部2には、ワーク取付治具3を介して、例えば、液晶表示装置に使用されるアクリル製の導光板からなるワーク4が、被加工物として載置されている。ツール用ステージ5は、X方向及びY方向に進退自在に設けられ、更にB方向(回転方向)に回動自在に設けられている。ツール用ステージ5にはツール取付部6が固定され、ツール取付部6にはツール取付治具7が固定され、ツール取付治具7には切削加工用工具であるツール8が固定されている。更に、ツール取付部6には、レーザを使用して対象物までの変位を測定する非接触式のセンサ9が固定されている。このセンサ9には、対象物までの変位を表す測定信号をセンサ9から供給するためのケーブル10が接続されている。また、ワーク用ステージ1とツール用ステージ5とは、定盤(図示なし)の上に固定されている。
【0024】
制御部11は、ケーブル10によってセンサ9に接続されている。また、制御部は、図示されていない別のケーブルにより、ワーク用ステージ1とツール用ステージ5とを個別に移動させるとともにそれらの位置を表す信号を受け取るために、各ステージ1,5にそれぞれ接続されている。この制御部11は、例えば、センサ9とワーク用ステージ1とツール用ステージ5とから受け取った信号に基づいて、ワーク4の形状と各ステージ1,5の位置とについて所定の演算を行うパーソナルコンピュータ部と、ワーク用ステージ1とツール用ステージ5とを個別に移動させるNC制御部とから構成されている。
【0025】
本実施形態に係る加工装置の動作を、図1と図2とを参照して説明する。図2に示されているように、まず、ステップA1において、ツール8を使用してワーク4を切削する。具体的には、制御部11が図1のワーク用ステージ1とツール用ステージ5との少なくとも一方を移動させることによって、それらのステージを相対的に移動させる。そして、制御部11は、ツール8とワーク4とを接触させ、その状態でワーク用ステージ1とツール用ステージ5とを相対的に移動させて、ワーク4を切削する。例えば、ツール用ステージ5をX方向に移動させることにより、ワーク4には、ツール8の先端形状に応じた溝がX方向に沿って形成される。
【0026】
次に、ステップA2において、ワーク4に対する加工が完了すると、センサ9を使用してワーク4の形状を測定する。センサ9は、ワーク4の表面の変位を連続的に測定することにより、ワーク用ステージ1又はツール用ステージ5の位置に関連付けながらワーク4の形状を表すワーク形状信号を生成し、これをケーブル10を介して制御部11に供給する。
【0027】
次に、ステップA3において、制御部11は、センサ9から受け取ったワーク形状信号に基づいて、測定された形状と所定の目標値によって表される目標形状とを比較する。そして、制御部11は、ワーク4の形状が目標値、すなわち、目標形状に到達したか否かを判断して、その結果に応じて、次のように処理を進める。
【0028】
目標形状に到達していないと判断した場合には、制御部11は、ステップA4に処理を進めて、目標形状に到達するまでの追加工量を演算する。次に、ステップA5において、制御部11は、追加工量に基づいて、ワーク取付部2とツール取付部6との少なくとも一方を、すなわち、ワーク用ステージ1とツール用ステージ5との少なくとも一方を、一定量だけ移動させるための追加工信号を生成する。そして、ワーク用ステージ1とツール用ステージ5との少なくとも一方が一定量だけ移動した後に、制御部11は、ステップA1に処理を戻して、ツール8を使用してワーク4を更に切削して、それ以降の処理を行う。
一方、目標形状に到達したと判断した場合には、所定の形状を実現したことになるので、ワークの切削を終了する。
【0029】
ここで、本実施形態に係る加工装置及び加工方法の特徴は、第1に、ツール8とセンサ9とが、同じツール用ステージ5に、より詳しくいえば同じツール取付部6に、固定されていることである。これにより、ワーク4を取り外して測定する必要がないので、ワーク4の取り外し前後の位置ずれに起因する加工精度の低下を防止することができるとともに、ワークの廃棄が低減される。
第2に、非接触式のセンサ9を使用して、ワーク4を測定することである。これにより、ワーク4が、傷つきやすい材質からなる場合、プラスチック製の光学部品のようにわずかな傷も許されないワークの場合、液晶表示装置に使用される導光板や導光板用の金型等のように極めて微細な溝が形成されるワークの場合、複雑な形状を有するワークの場合等についても、問題なく形状を測定することができる。
第3に、ワーク用ステージ1又はツール用ステージ5の位置に対して関連付けながら、ワーク4を測定することである。これにより、複雑な形状を有するワークの場合等についても、問題なく形状を測定することができる。
【0030】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について、図3と図4とを参照して説明する。図3は、本実施形態に係る加工装置の概略を示す斜視図である。図4は、図3の加工装置の動作を示すフローチャートである。
【0031】
図3に示されているように、本実施形態に係る加工装置は、図1に示された加工装置におけるワーク取付部2に、ダミーワーク取付治具12を追加したものである。このダミーワーク取付治具12には、被加工物としてダミーワーク13が取り付けられている。ダミーワーク13とワーク4との上面は、同一面を形成するように取り付けられていることが好ましい。また、ダミーワーク13とワーク4とは、同一の被加工性を確保するために、同一の材質から構成されることが好ましい。ただし、ワーク4が難削材である場合には、ツール8の摩耗をできるだけ防止するために、ダミーワーク13を快削材によって構成してもよい。
【0032】
本実施形態に係る加工装置の動作を、図3と図4とを参照して説明する。図4に示されているように、ステップB1において、第1の実施形態のステップA2と同様にツール8を使用してワーク4を切削する。ここで、制御部11は、ワーク用ステージ1とツール用ステージ5とのうち、移動させるステージの位置情報を記憶する。
【0033】
次に、ステップB2において、制御部11は、ツール8が正常か否かについて判断する。具体的には、センサ(図示なし)が、加工中にツール8の破損等の異常が発生したか否かを検出する。この場合には、ワーク取付部2又はツール取付部6に異常検出用センサとしてCCDカメラを取り付けて、ワーク4又はツール8の状態を観察してもよい。そして、ツール8における異常の発生の有無に応じて、次のように処理を進める。
【0034】
まず、ステップB2においてツール8が正常であると判断した場合には、第1の実施形態におけるステップA2と同様に、処理をステップB3に進める。そして、ステップB3でワーク4の形状を測定する。ここで、制御部11は、ステージの位置情報に対応するワーク4の切削された個所についてのワーク形状信号、すなわち、ワーク4に対する加工についての位置情報を記憶する。
【0035】
次に、第1の実施形態におけるステップA3と同様に、ステップB4でワーク4の形状が目標値、すなわち、目標形状に到達したか否かを判断する。
目標形状に到達していないと判断した場合には、制御部11は、それぞれ第1の実施形態におけるステップA4と同様にステップB5で追加工量を演算し、ステップA5と同様にステップB6でワーク用ステージ1とツール用ステージ5との少なくとも一方を一定量だけ移動させる。その後に、制御部11は、ステップB1に処理を戻して、ツール8を使用してワーク4を更に切削して、それ以降の処理を行う。
目標形状に到達したと判断した場合には、所定の形状を実現したことになるので、ワークの切削を終了する。
【0036】
一方、ステップB2において制御部11がツール8に異常が発生したと判断した場合、例えば、センサ(図示なし)がツール8の破損等により発生する異常振動を検出して異常の発生を示す信号を制御部11に供給した場合には、制御部11は加工装置を非常停止させる。その後に、制御部11は、ステップB7に処理を進める。
【0037】
次に、ステップB7において、ツール8を良品に交換する。この交換は、手動で行ってもよく、交換機構によって自動で行ってもよい。
【0038】
次に、ステップB8において、新しいツール8を使用してダミーワーク13を切削する。ここで、制御部11は、ワーク用ステージ1とツール用ステージ5とについて、ダミーワーク13を切削する際に移動させる各ステージ1,5の位置情報を記憶する。
【0039】
次に、ステップB9において、ワーク4,ダミーワーク13の双方の形状を測定する。そして、制御部11は、それぞれ切削された個所についての形状を表すワーク形状信号及びダミーワーク形状信号をセンサ9から受け取り、これらを記憶する。また、制御部11は、それぞれ切削された個所に対応するワーク用ステージ1とツール用ステージ5との位置情報を受け取り、これらを記憶する。
【0040】
次に、ステップB10において、制御部11は、ステップB8で記憶した各ステージ1,5の位置情報と、ステップB9で記憶したワーク4,ダミーワーク13の切削個所に関する各形状信号及び各ステージ1,5の位置情報とに基づき、次のような計算を行う。まず、制御部11は、新しいツール8を使用した場合における、ツール8とワーク4との位置関係を演算する。そして、制御部11は、この位置関係に基づいて、新しいツール8とワーク4との位置関係をツール交換前と同様に保つための補正量を演算する。この補正量は、ワーク用ステージ1とツール用ステージ5との少なくとも一方を移動させる移動量である。
【0041】
次に、ステップB11において、制御部11は、演算された補正量に基づきワーク用ステージ1とツール用ステージ5との少なくとも一方を移動させた後に、ステップB1に処理を戻す。これにより、新しいツール8を使用して引き続きワーク4を加工する際に、ワーク4における旧ツールによって最後に加工された場所に正確に新しいツール8を位置合わせすることができる。
【0042】
ここで、本実施形態に係る加工装置及び加工方法の特徴は、新ツールによってダミーワーク13を加工し、旧ツールと新ツールとの間の位置ずれを補正するための補正量を演算し、その補正量に基づいてワーク4に対して新ツールを位置合わせすることである。これにより、ツール8を交換した場合においても、その交換前後にわたって、加工のずれを生ずることなくワーク4を正確に加工することができる。したがって、ツール8の交換に起因する加工精度の低下を防止することができるとともに、ワークの廃棄が低減される。
【0043】
なお、本実施形態は、1個のワーク4に対する加工が終了した度にツール8の摩耗の程度を測定し、所定の摩耗量に到達したと判断してツール8を新ツールに交換した場合においても、適用することができる。この場合には、図4のステップB1において1個のワーク4に対する加工を完了した後に、ステップB2においてツール8に関する異常の有無の判断に代えて摩耗量の測定を行い、その測定結果に基づいてステップB1又はステップB7へと処理を進めればよい。
【0044】
また、ワーク4に対する一定量の加工が終了した時点で、ツール8の異常の有無・摩耗の程度等を測定してもよい。例えば、液晶用の導光板を加工する場合には、面全体に多数の溝を形成することがあり、材料を複数回切削することによって溝の深さを徐々に深くする。この場合には、面全体においてツール8を1回通過させて溝を掘り下げた度に、ツール8について測定を行う。
【0045】
また、旧ツールによる加工の際にダミーワーク13を加工して、ワーク用ステージ1の位置情報及びダミーワーク13の位置情報を記憶しておいてもよい。この場合には、制御部11は、それらの位置情報と、交換後の新ツールによりダミーワーク13を加工した際におけるワーク用ステージ1及びダミーワーク13の位置情報とを比較して、補正量を演算することになる。
【0046】
なお、上述した各実施形態の説明では、ワークに対する切削を完了した後に、ワークの形状を測定した。これに限らず、ワークを切削しながら切削が完了した部分の形状を測定することもできる。これによれば、例えば、導光板の溝を形成する場合に、1本の溝を切削しながら切削が完了した部分の形状を測定することにより、加工及び測定の効率が向上する。また、1本の溝を切削した後に直ちに追加工が行われる。したがって、導光板のように全体の加工距離が極めて大きい場合においても、追加工量のデータを格納するために必要な記憶容量を低減することができる。
【0047】
また、レーザによって対象物までの変位を測定するセンサを使用することとした。これに限らず、赤外線や偏光ビーム等を使用した他の光学式センサ、静電容量式センサ、渦電流式センサ、AFM(Atomic Force Microscope )等の、他の非接触式センサを使用してもよい。
【0048】
また、ワークを、液晶表示装置に使用される導光板としたが、それ以外のワークについて本発明を適用してもよい。例えば、プラスチック製レンズ等の光学用部品を旋削加工する際や、鋼系材料からなる樹脂成形金型(特に、導光板用の樹脂成形金型)を切削加工する際に、本発明を適用することができる。
【0049】
また、上述した通常の切削加工に代えて、楕円振動加工等の超音波振動を伴う切削加工を使用してもよい。この場合には、ツール取付部6とは別の部材にセンサ9を取り付けることが好ましい。
【0050】
また、図2と図4とに示されたフローチャートに従ったプログラムを作成し、制御部11に設けられた記憶部にそのプログラムを格納しておいてもよい。この場合には、制御部11に設けられたCPU(中央演算処理装置)が、記憶部から読み出されたプログラムに従って、ワーク用ステージ1、ツール用ステージ5、センサ9等の各構成要素を制御し、かつ、追加工量と補正量とを演算する。
【0051】
また、ツール取付部6には、ツール8とともにセンサ9が常時固定されていることとした。これに限らず、測定を行う際にセンサ9をツール取り付け部6に固定してもよい。この場合には、次のようにすればよい。
第1の実施形態では、ワーク4に対する加工が完了した後に、ワーク4の形状を測定する。その後に、測定された形状と所定の目標値によって表される目標形状とを比較する。
第2の実施形態では、ツール8を交換してダミーワーク13を加工し、センサ9をツール取り付け部6に固定し、加工途中であるワーク4と所定の加工がなされたダミーワーク13とをそれぞれ測定する。そして、これらの測定値に基づいて、新しいツール8を、ワーク4における最後に加工された位置まで移動させればよい。このような測定は、センサ9がツール取り付け部6に常時固定されている場合にも、適用することができる。
【0052】
また、目的に応じて、センサ9を、ツール取付部6とは別の部材に取り付けてもよい。
【0053】
また、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、必要に応じて、任意にかつ適宜に変更・選択して採用できるものである。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、ワークの取り外しを行うことなく、そのワークの形状が非接触で測定される。したがって、ワークの取り外し前後で位置ずれが生じないので加工精度が向上するとともに、傷つきやすい材質、微細な溝や複雑な形状等を有するワークの測定が可能になる。また、ツールを交換した場合において、旧ツールにより加工されたワークに対して、新ツールが正確に位置合わせされる。したがって、ツールの交換前後にわたり、加工のずれを生じることなくワークが正確に加工されるとともに、ワークの廃棄が低減される。また、加工と同時に、加工が完了した部分の形状が測定される。したがって、加工及び測定の効率が向上する。
これらにより、本発明は、ツールを使用して、傷つきやすい材質、微細な溝や複雑な形状等を有するワークを加工する際に、ワークを取り外すことなくその形状を測定して加工精度の向上を図るとともに、ツールを交換した場合でも加工のずれを生ずることなくワークを加工する、加工装置及び加工方法を提供することができるという、優れた実用的な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係る加工装置の概略を示す斜視図である。
【図2】 図1の加工装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】 本発明の第2の実施形態に係る加工装置の概略を示す斜視図である。
【図4】 図3の加工装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 ワーク用ステージ
2 ワーク取付部
3 ワーク取付治具
4 ワーク
5 ツール用ステージ
6 ツール取付部
7 ツール取付治具
8 ツール
9 センサ
10 ケーブル
11 制御部
12 ダミーワーク取付治具
13 ダミーワーク
Claims (6)
- 各々相対的に移動可能に設けられているツール取付部及びワーク取付部を有し、前記ツール取付部に固定されたツールを使用して前記ワーク取付部に固定されたワークに対する加工を行う加工装置であって、
前記ツール取付部又は該ツール取付部に対して一体的に設けられた部材に固定され前記ワークの形状を測定して該形状を表すワーク形状信号を供給するセンサと、
前記ツール取付部と前記ワーク取付部との少なくとも一方を移動させることにより前記ツール及び前記ワークの相対的な位置関係を制御する制御部とを備えるとともに、
前記制御部は、前記センサから受け取ったワーク形状信号に基づいて、前記ワークについて測定された形状と所定の目標値により表された目標形状とを比較して、前記測定された形状が前記目標形状に到達していない場合には該目標形状に到達するように更に一定の追加工量だけ追加工を行うための追加工信号を生成し、
前記ワークに対する加工は複数個所における加工であって、前記複数個所のうちの1個所を加工しながら前記複数個所のうちの加工済の個所において前記ワークの形状を測定し、該測定の結果が前記目標形状に到達していない場合には前記1個所における前記ワークに対する加工を中断して前記加工済の個所に対する前記追加工を行い、該追加工を終わった後に前記1個所における前記ワークに対する加工を再開し、
前記制御部は、前記追加工量を演算する演算手段と前記追加工量のデータが格納される記憶手段とを有することを特徴とする加工装置。 - 請求項1記載の加工装置において、
前記ワークに対する加工は複数本の溝加工であることを特徴とする加工装置。 - 請求項1又は2記載の加工装置において、
前記センサは非接触式のセンサであることを特徴とする加工装置。 - 各々相対的に移動可能に設けられているツール取付部及びワーク取付部と前記ツール取付部に固定されたツールとを使用して、前記ワーク取付部に固定されたワークを加工する加工方法であって、
前記ツールを使用して前記ワークを加工する工程と、
前記ツール取付部又は該ツール取付部に対して一体的に設けられた部材に固定されたセンサにより前記ワークにおける加工済の個所の形状を測定して該形状を表すワーク形状信号を供給する工程と、
前記ワーク形状信号に基づいて、前記加工済の個所について測定された形状と所定の目標値により表された目標形状とを比較して、前記測定された形状が前記目標形状に到達していない場合には該目標形状に到達するために必要な一定の追加工量を演算する工程と、
前記追加工量のデータを記憶する工程と、
前記追加工量だけ前記ワークを追加工する工程とを備えるとともに、
前記ワークを加工する工程と前記ワーク形状信号を供給する工程とを並行して行い、
前記ワークを加工する工程では前記ワークの複数個所のうちの1個所を加工し、
前記ワーク形状信号を供給する工程では前記複数個所のうちの前記加工済の個所において前記ワークの形状を測定し、
前記加工済の個所において測定された形状が前記目標形状に到達していない場合には前記1個所における前記ワークを加工する工程を中断して前記加工済の個所において前記ワークを追加工する工程を行い、
前記加工済の個所において前記ワークを追加工する工程を終わった後に前記1個所における前記ワークを加工する工程を再開することを特徴とする加工方法。 - 請求項4記載の加工方法において、
前記ワークを加工する工程では前記ワークに対して複数本の溝加工を行うことを特徴とする加工方法。 - 請求項4又は5記載の加工方法において、
前記ワーク形状信号を供給する工程においては非接触式のセンサを使用することを特徴とする加工方法。
Priority Applications (1)
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