JP4388629B2 - エンジン油組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン油組成物に関し、さらに詳しくは、モリブデン系摩擦調整剤を含有する省燃費型エンジン油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジン油は、一般に鉱油又は合成油からなる基油に、金属系清浄剤、無灰分散剤、耐摩耗剤、酸化防止剤、粘度指数向上剤、及び消泡剤などの添加剤を配合した組成物である。
近年、省資源・省エネルギ−の観点から、省燃費型のエンジン油の必要性が叫ばれている。この省燃費化の目的を達成するため、摩擦損失の小さなエンジン油が種々検討されている。その結果、摩擦低減効果を有する「摩擦調整剤」が使用されるようになってきて、特に、摩擦低減効果が著しいモリブデン系摩擦調整剤が多く使用されている。
【0003】
しかし、このモリブデン系摩擦調整剤は、潤滑油が汚染されていない初期(新油)の段階では摩擦低減効果(摩擦係数を小さくする効果)は優れているが、潤滑油が長期間使用され、潤滑油が劣化し、また、混入物が含まれるようになって潤滑油が汚染されると摩擦低減効果は消失してしまう現象が生じていた。特に、ディ−ゼルエンジン油の場合は、排気ガス中のス−ツがエンジン油に混入すると摩擦低減効果が失われ、長期に安定な省燃費型ディ−ゼルエンジン油が得られない問題がある。
【0004】
そこで、エンジン油がス−ツの混入等により汚染されても、長期に摩擦低減効果を持続する省燃費型エンジン油の開発が重要な課題とされていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、モリブデン系摩擦調整剤を含有するエンジン油であって、エンジン油が劣化、汚染しても摩擦低減効果を長期間持続できる省燃費型エンジン油、特に、ス−ツの混入時にも摩擦低減効果を持続できる省燃費型ディ−ゼルエンジン油を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究した結果、モリブデン系摩擦調整剤を含有するエンジン油にエステル結合を有する摩擦調整補助剤を配合すると、ス−ツの混入等によりエンジン油が劣化、汚染してもモリブデン系摩擦調整剤の摩擦低減効果を持続できることを見いだし、かかる知見に基づいて、本発明を完成したものである。つまり、本発明の概要は以下の通りである。
【0007】
なお、本発明で「摩擦調整補助剤」とは、モリブデン系摩擦調整剤の摩擦低減効果を補強する摩擦調整補助剤を意味する。
〔1〕 鉱油からなる基油と、下記一般式(2)で示されるモリブデン系摩擦調整剤と、(A)脂肪酸モノエステル、(B)芳香族カルボン酸エステル、(C)多価アルコールカルボン酸エステル及び(D)多価カルボン酸エステルから選ばれた1種または2種以上の、全酸価0.1mgKOH/g以下のエステル結合を有する摩擦調整補助剤を配合したディーゼルエンジン用潤滑油組成物。
〔R3 2N−CS−S〕2 Mo2c d ・・・ (2)
(式中、R3 は炭素数1〜30のアルキル基、シクロアルキル基、アリ−ルアルキル基、アルキルアリ−ル基のいずれかを示し、c、dはc+d=4を満たす正の実数を示す)
〔2〕(C)多価アルコールエステルが、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、またはペンタエリスリトールと、炭素数3〜30の脂肪酸から構成されるエステルである上記1に記載のディーゼルエンジン用潤滑油組成物。
【0008】
〔3〕 粘度指数向上剤としてポリメタクリレートを含有する上記1または2に記載のディーゼルエンジン用潤滑油組成物。
〕 摩擦調整補助剤が、ディーゼルエンジン用潤滑油組成物中に1〜15重量%配合された上記1〜のいずれかに記載のディーゼルエンジン用潤滑油組成物。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
本発明は、モリブデン系摩擦調整剤を含有するエンジン油組成物に、エステル結合を有する摩擦調整補助剤を配合するものである。
〔モリブデン系摩擦調整剤〕
本発明に用いるモリブデン系摩擦調整剤は、モリブデンを含む摩擦調整剤をいい、種々のものが使用できるが、特に、ジチオリン酸モリブデン(以下「Mo−DTP」という)及び、ジチオカルバミン酸モリブデン(以下「Mo−DTC」という)が好適に用いれる。Mo−DTPは、例えば一般式(1)で表される化合物である。
【0010】
【化1】
Figure 0004388629
【0011】
(式中、R1 ,R2 は炭素数1〜30のアルキル基、シクロアルキル基、アリ−ルアルキル基、アルキルアリ−ル基のいずれかを示し,a,bはa+b=4を満たす正の実数を示す)
上記式(1)においてR1 ,R2 のアルキル基は直鎖又は分岐のアルキル基が好ましく、具体的には、ジ(イソプロピル)ジチオリン酸モリブデン、ジ(イソアミル)ジチオリン酸モリブデン、ジ(n−ヘキシル)ジチオリン酸モリブデン、ジ(2−エチルヘキシル)ジチオリン酸モリブデン、ジ(ドデシル)ジチオリン酸モリブデン、ジ(トリデシル)ジチオリン酸モリブデン、ジ(テトラデシル)ジチオリン酸モリブデンなどが挙げられる。
【0012】
また、Mo−DTCは、例えば一般式(2)で表される化合物である。
〔R3 2N−CS−S〕2 Mo2c d ・・・ (2)
(式中、R3 は炭素数1〜30のアルキル基、シクロアルキル基、アリ−ルアルキル基、アルキルアリ−ル基のいずれかを示し,c,dはc+d=4を満たす正の実数を示す)
上記式(2)においてR3 のアルキル基は直鎖又は分岐のアルキル基が好ましく、具体的には、ジ(イソプロピル)ジチオカルバミン酸モリブデン、ジ(イソアミル)ジチオカルバミン酸モリブデン、ジ(n−ヘキシル)ジチオカルバミン酸モリブデン、ジ(2−エチルヘキシル)ジチオカルバミン酸モリブデン、ジ(ドデシル)ジチオカルバミン酸モリブデン、ジ(トリデシル)ジチオカルバミン酸モリブデン、ジ(テトラデシル)ジチオカルバミン酸モリブデンなどが挙げられる。本発明のエンジン油組成物においては、これらのモリブデン系摩擦調整剤は、組成物中に、通常0.05〜5重量%,好ましくは0.1〜3重量%配合される。この配合量が量が0.05重量%未満では摩擦低減効果が不十分であり、5重量%を超えても摩擦低減効果の向上が期待できない。
〔エステル結合を有する摩擦調整補助剤〕
本発明のエンジン油組成物に使用するエステル結合を有する摩擦調整補助剤は、分子中にエステル結合を少なくとも1個有する有機化合物であって、好ましくは分子量が150〜5000,更に好ましくは200〜2000、特に好ましくは250〜1000の化合物である。分子量が150未満では、揮発消失して添加効果が損なわれ、5000を超えるとエンジン油中に溶解し難い場合があり効果を発現できない場合があるので好ましくない。
【0013】
また、これらのエステル結合を少なくとも1個有する化合物は、全酸価が0.1mgKOH/g以下、さらには0.05mgKOH/g以下、特に0.01mgKOH/g以下のものが好適である。全酸価が0.1mgKOH/gを超えるものを使用すると、摩擦低減を持続する効果が認められない場合がある。
次に、本発明で用いる特に好適なエステル結合を有する摩擦調整補助剤は、(A)脂肪酸モノエステル、(B)芳香族エステル、(C)多価アルコ−ルエステル、及び(D)多価カルボン酸エステルから選ばれた1種又は2種以上の混合物である。各エステルについて、以下に説明する。
【0014】
(A)脂肪酸モノエステル
本発明の摩擦調整補助剤に用いる脂肪酸モノエステルは、好ましくは炭素数13〜48、特に好ましくは、13〜36のモノエステルであり,例えば、一般式
RCOOR’
で表されるものである。上記式中において、Rは炭素数12〜24のアルキル基、R’は炭素数1〜24のアルキル基を示し、いずれのアルキル基も直鎖、分岐を問わず、また、飽和及び不飽和のアルキル基が含まれる。
具体的には、メチルラウレ−ト、ブチルラウレ−ト、オクチルラウレ−ト、ラウリルラウレ−ト、メチルステアレ−ト、ブチルステアレ−ト、オクチルステアレ−ト、メチルパルミネ−ト、ブチルパルミネ−ト、オクチルラパルミネ−トが挙げられる。
【0015】
(B)芳香族エステル
本発明の摩擦調整補助剤に用いる芳香族エステルは、芳香族カルボン酸と炭素数2〜80のアルコ−ルとのエステルである。このエステルは、例えば、一般式(3)
【0016】
【化2】
Figure 0004388629
【0017】
(式中、Arは多価芳香族核、R4 は有機基、gは0〜3の整数、fは0〜4の整数、eは1〜3の整数を示し、R4 が複数ある場合は、複数のR4 は同一であっても、異なっていてもよい。)で表される芳香族カルボン酸と炭素数2〜80のアルコ−ルとを反応させることにより得られるものを用いることができる。上記一般式(3)における、Arの多価芳香族核としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレンなどが挙げられる。また、R4 の有機酸は、特に制限はないが、炭化水素基が好ましく、アルキル基、アルケニル基が用いられる。特に好ましい炭化水素基は炭素数6〜22の直鎖又は分岐のアルキル基である。一方、炭素数2〜80のアルコ−ルとしては、脂肪族アルコ−ルとしては炭素数2〜24の直鎖又は分岐の脂肪族1価アルコ−ルが好ましく、芳香族アルコ−ルとしては、フェノ−ル、アルキルフェノ−ル、ナフト−ル、アルキルナフト−ルなどの1価アルコ−ル類、カテコ−ル、アルキルカテコ−ル、硫化アルキルフェノ−ル、メチレン架橋のアルキルフェノ−ルなどの2価アルコ−ル類などが挙げられる。このエステルのアルコ−ル成分としては、芳香族アルコ−ルが好ましく、特にアルキルフェノ−ル、アルキルカテコ−ルなどのアルキル置換芳香族アルコ−ルが好ましい。ここでアルキル基は炭素数1〜24好ましくは6〜20ものであって、直鎖、分岐のいずれでもよい。
【0018】
この芳香族エステルの具体例としては、ドデシルサリチル酸ドデシルフェノ−ル、ヘキサデシルサリチル酸ヘキサデシルフェノ−ル、ヘキサデシルサリチル酸ノニルフェノ−ル、ドデシル安息香酸ドデシルフェノ−ルなどが挙げられる。
(C)多価アルコ−ルエステル
本発明の摩擦調整補助剤に用いる多価アルコ−ルエステルは、好ましくは、多価アルコ−ルと1価のカルボン酸とのエステル、又は、多価アルコ−ルと1価のカルボン酸及び多価のカルボン酸との混合カルボン酸とによるコンプレックスエステルである。この多価アルコ−ルエステルは、上述の分子量範囲のものであれば使用できるが、特に分子量が800以下のものが好ましい。分子量が800を超える多価アルコ−ルエステルは、摩擦低減効果が充分でない場合がある。
【0019】
この多価アルコ−ルエステルを構成する多価アルコ−ルは、炭素数2〜15の脂肪族多価アルコ−ルが好適であり、具体的には、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ブチレングリコ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、トリメチロ−ルエタン、ジトリメチロ−ルエタン、トリメチロ−ルプロパン、ジトリメチロ−ルプロパン、グリセリン、ペンタエリスリト−ル、ジペンタエリスリト−ル、トリペンタエリスリト−ル、ソルビト−ルなどを挙げることができる。
【0020】
一方、多価アルコ−ルエステルを構成するカルボン酸としては、炭素数3〜30、好ましくは3〜20,特に好ましくは4〜12の脂肪酸が挙げられる。ここでいう脂肪酸は、直鎖、分岐を問わず、また、飽和及び不飽和のアルキル基が含まれる。
また、多価アルコ−ルエステルのコンプレックスエステルを構成する多価カルボン酸としては、脂肪族二塩基酸又は芳香族二塩基酸が好適であり、具体的には、コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸などがある。
好ましい多価アルコ−ルエステルの具体例は、ネオペンチルグリコ−ル、トリメチロ−ルプロパン、ペンタエリスリト−ルなどの多価アルコ−ルと炭素数5〜10の直鎖又は、分岐の脂肪酸,又はこれらの混合脂肪酸とのエステルが挙げられる。
【0021】
(D)多価カルボン酸エステル
本発明の摩擦調整補助剤に用いる多価カルボン酸エステルとしては、多価カルボン酸と1価のアルコ−ルとのエステル、又は、多価カルボン酸と1価のアルコ−ル及び多価アルコ−ルとの混合アルコ−ルからなるコンプレックスエステルが挙げられる。この多価カルボン酸エステルは、上述の分子量範囲のものが使用可能であるが、この場合も、上述の(C)多価アルコ−ルエステルの場合と同様、分子量が800以下のものが特に好ましい。
【0022】
この多価カルボン酸エステルを構成する多価カルボン酸は、炭素数4〜24の脂肪族、芳香族又は脂環式多価カルボン酸であり、具体的には、コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸の二塩基酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などの3価以上の酸などがある。
一方、アルコ−ルとしては、炭素数3〜30、好ましくは3〜20,特に好ましくは4〜16のアルコ−ルが挙げられる。ここアルコ−ルのアルキル基は、直鎖、分岐を問わず、また、飽和及び不飽和のアルキル基が含まれる。
【0023】
好ましいアルコ−ルの具体例は、ブチルアルコ−ル、アミルアルコ−ル、ヘキシルアルコ−ル、ヘプチルアルコ−ル、オクチルアルコ−ル、デシルアルコ−ルドデシルアルコ−ル、テトラデシルアルコールなどを挙げることができる。
また、アルコ−ルの代わりにポリアルキレングリコ−ルのモノアルコ−ル体も使用するとことができる。
【0024】
また、多価カルボン酸エステルのコンプレックスエステルを構成する多価アルコ−ルとしては、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ルなどがある。
好ましい多価カルボン酸エステルの具体例は、ジオクチルフタレ−ト、ジオクチルセバケ−ト、アジピン酸のC13アルコ−ルエステル、トリメリット酸のオクチルエステルなどが挙げられる。
【0025】
上記(A)〜(D)の摩擦調整補助剤は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
上記のエステル結合を有する摩擦調整補助剤の配合量は、エンジン油組成物を基準として、通常0.1〜30重量%,好ましくは0.5〜20重量%,特に好ましくは1〜15重量%配合させる。配合量が0.1重量%未満では効果が十分でない場合があり、30重量%を超えるとゴムを膨潤させる可能性があって、好ましくない。
【0026】
〔その他の配合剤〕
本発明のエンジン油組成物は上記の摩擦調整剤及び摩擦調整補助剤を含むが、エンジン油には一般に、基油、清浄剤分散剤、耐摩耗剤、粘度指数向上剤などが配合される。以下これらの、配合剤について説明する。
(a)基油
本発明のエンジン油組成物に用いる基油としては、通常、鉱油又は合成油が用いられる。この鉱油や合成油の種類については特に制限はないが、100℃における動粘度が通常2〜50mm2 /s,好ましくは3〜20mm2 /s,特に好ましくは4〜12mm2 /sのものである。動粘度が2mm2 /s未満であると、蒸発損失が多く好ましくない。一方50mm2 /sを超えると、粘性抵抗による動力損失が大きくなり燃費改善効果が得られないので好ましくない。また、基油としては、粘度指数が60以上、さらには70以上、特に80以上が好ましい。粘度指数が60未満の基油は温度の変化による粘度変化が大きいため好ましくない。ここでいう鉱油としては、例えばパラフィン基系原油,中間基系原油あるいはナフテン基系原油を常圧蒸留するか、あるいは常圧蒸留の残渣油を減圧蒸留して得られる留出油、またはこれを常法にしたがって精製することによって得られる精製油、例えば、溶剤精製油,水添精製油,脱蝋処理油,白土処理油などを挙げることができる。また、合成油としては、例えば、炭素数8〜14のα−オレフィンオリゴマ−であるポリ(α−オレフィン)、ポリブテン、ポリオ−ルエステル、アルキルベンゼンなどが挙げられる。本発明においては、基油として上記鉱油、合成油を1種用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0027】
(b)耐摩耗剤
次に、本発明のエンジン油組成物においては、耐摩耗剤として、通常ジアルキルジチオリン酸亜鉛が用いられる。ジアルキルジチオリン酸亜鉛のアルキル基は、炭素数3〜22の第一級又は第二級のアルキル基、炭素数3〜18アルキル基で置換されたアルキルアリ−ル基を有するジアルキルジチオリン酸亜鉛が使用される。本発明においては、これらいずれかのジアルキルジチオリン酸亜鉛を単独又は2種以上組み合わせて用いてもよいが、特に、第二級のアルキル基のジアルキルジチオリン酸亜鉛を含むものが、耐摩耗性を高めるため好ましい。本発明のエンジン油組成物においては、このジアルキルジチオリン酸亜鉛は、組成物中に通常0.05〜5重量%,好ましくは0.1〜3重量%配合される。この配合量が量が0.05重量%未満では耐摩耗性が不十分であり、5重量%を超えても耐摩耗性の向上が期待できない。
【0028】
なお、耐摩耗剤として、ジアルキルジチオリン酸亜鉛以外にイオウ系(スルフィド、スルフォキサイド、スルフォン、チオホスフィネ−ト等),ハロゲン系(塩素化炭化水素等)あるいは、その他の有機金属系極圧剤を配合してもよい。
(c)清浄分散剤
本発明のエンジン油組成物においては、清浄分散剤として各種金属(Ca,Ba,Mg等)のスルホネ−ト、フィネ−ト、サリチレ−トなどの清浄剤、酸アミド、コハク酸イミド、コハク酸エステル、ベンジルアミン及び、これらのホウ素誘導体など分散剤を配合する。本発明においては、この清浄剤及び分散剤を各々1種又は2種以上を配合する。これら清浄剤及び分散剤の配合量は、通常組成物中に1〜30重量%,好ましくは2〜20重量%配合される。
(d)粘度指数向上剤
本発明のエンジン油組成物においては、必要に応じて粘度指数向上剤を配合する。一般には、ポリメタクリレ−ト、エチレン−プロピレン共重合体やスチレン−ブタジエン共重合体などのオレフィン共重合体、ポリブテンなど、あるいはこれらに分散性を付与した分散型のものが使用される。本発明においては、ポリメタクリレ−トを用いるのが好ましい。ポリメタクリレ−トを配合すると、意外にも、粘度指数向上効果を示すと同時に、モリブデン系摩擦調整剤の存在下で、摩擦低減持続効果をさらに高める効果が認められる。特に好ましいポリメタクリレ−トの分子量は1万〜200万、特に10万〜50万のものである。ポリメタクリレ−ト等粘度指数向上剤は組成物中に通常0.5〜20重量%,好ましくは1〜10重量%配合される。
【0029】
上記の配合剤以外に、さらに、本発明のエンジン油組成物においては、フェノ−ル系、アミン系あるいはリン系の酸化防止剤や流動点降下剤、さらには防錆剤、腐食防止剤、消泡剤などを適宜添加すればよい。
【0030】
【実施例】
本発明について、更に、実施例を用いて詳細に説明する。
〔実施例1〜4及び比較例1〜2〕
下記の標準ディ−ゼルエンジン油に、表1に示す化合物(摩擦調整補助剤等)を5重量%添加した試料及び、それらの試料にス−ツ(カ−ボンブラック:三菱化成製MA100)を3重量%加えて均一に分散させたス−ツ混入油について、四球試験により摩擦係数を測定した。測定方法は下記の通りである。
【0031】
〔標準ディーゼルエンジン油〕
(重量%)
基油(100℃の動粘度4.6mm2 /sの鉱油) 83
Ca−サリチレ−ト(全塩基価170mgKOH/g) 4
Ca−スルホネ−ト(全塩基価280mgKOH/g) 1
Mo−DTC(C8,13混合アルキル基) 1.5
ポリブテニルコハク酸イミド(分子量2000) 4
ジアルキルジチオリン酸亜鉛 1.5
(第一級と第二級の混合)
ポリメタクリレ−ト(分子量 30万 ) 4
その他(酸化防止剤、消泡剤等) 1
〔摩擦係数測定方法〕
曾田式四球摩擦試験で下記の条件で実験し、全荷重領域での平均摩擦係数を求めた。
【0032】
回転数 : 50rpm
油温 : 80℃
荷重 : 0.5kg/mm2 〜1.5kg/mm2
(毎分0.2kg/mm2 昇圧)
【0033】
【表1】
Figure 0004388629
【0034】
【発明の効果】
本発明のモリブデン系摩擦調整剤を含有するエンジン油組成物において、エステル結合を有する摩擦調整補助剤を配合したエンジン油組成物は、ス−ツ混入により汚染されたエンジン油においても、摩擦低減を維持する効果が優れている。

Claims (4)

  1. 鉱油からなる基油と、下記一般式(2)で示されるモリブデン系摩擦調整剤と、(A)脂肪酸モノエステル、(B)芳香族エステル、(C)多価アルコールエステル及び(D)多価カルボン酸エステルから選ばれた1種または2種以上の、全酸価0.1mgKOH/g以下のエステル結合を有する摩擦調整補助剤を配合したディーゼルエンジン用潤滑油組成物。
    〔R3 2N−CS−S〕2 Mo2c d ・・・ (2)
    (式中、R3 は炭素数1〜30のアルキル基、シクロアルキル基、アリ−ルアルキル基、アルキルアリ−ル基のいずれかを示し,c,dはc+d=4を満たす正の実数を示す)
  2. (C)多価アルコールエステルが、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、またはペンタエリスリトールと、炭素数3〜30の脂肪酸から構成されるエステルである請求項1に記載のディーゼルエンジン用潤滑油組成物。
  3. 粘度指数向上剤としてポリメタクリレートを含有する請求項1又は2に記載のディーゼルエンジン用潤滑油組成物。
  4. 摩擦調整補助剤が、ディーゼルエンジン用潤滑油組成物中に1〜15重量%配合された請求項1〜のいずれかに記載のディーゼルエンジン用潤滑油組成物。
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