JP4387423B2 - 回動制御装置 - Google Patents
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Description
また、このような車両用空調装置のドアの開度制御技術において、カムリンクを一方向に回転させるものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
この技術は、駆動装置により回転されるカムリンクと、ドア軸との間に、カム機構が設けられており、このカム機構は、カムリンクが一回転すると、カムリンクの先端の摺動面が、ドア軸に連結されたドアリンクに形成されたカム面に沿って摺動し、ドアリンクが一往復するようにしたものである。
すなわち、回動部材の通常作動範囲を180度以上とした場合、回動部材をある位置から他のある位置へ回動させる際に、180度以上回動させる場合が生じるもので、この場合、回動部材の回動に時間を要し、制御応答性の悪化を招くおそれがある。
しかしながら、ドアを第1終端位置と第2終端位置の中間位置から他の中間位置へ回動させる場合、ドアをいったん第1終端位置および第2終端位置を通過させないとその位置へ移動させることができない場合があり、この場合、ドアを無駄に回動させる必要があり、特許文献1のものよりも制御応答性に劣る。
この場合、回動部材の実際の回動角度は、180度よりも小さな角度となり、角度検出範囲のみで回動させるのと比較して、短時間に回動させることができ、制御応答性を向上させることができる。
すなわち、通常作動範囲における現在位置と制御目標位置との角度が180+α度である場合、最短回動制御による回動角度は、180−α度になり、2×α度を回動する分の時間短縮が可能となる。
また、回動部材が非角度検出範囲から角度検出範囲に戻った時点で、ポテンショメータによる位置確認を再開するため、回動部材を制御目標位置に回動させることができる。
それに対し、回動部材を、最短回動制御時に、非角度検出範囲を回動させた場合、ドアを、この回動部材と一体的に回動させると、ドア回動範囲外の回動となり、回動させることはできない。
そこで、本発明では、ドアと回動部材との間にカム機構を介在させ、回動部材が通常作動範囲を回動した場合と、非角度検出範囲を回動した場合と、のいずれの場合でも、ドアがドア回動範囲を回動するようにした。
よって、被駆動部材が、360度未満のドア回動範囲を回動するドアであっても、上述の効果を奏する本発明の回動制御装置を適用することができる。
この実施の形態の車両用空調装置は、駆動装置(8)により正逆方向に360度回動可能に支持された回動部材(92)と、この回動部材(92)の回動により、作動される被駆動部材(7)と、前記回動部材(92)の回動角度を検出するポテンショメータ(80)と、このポテンショメータ(80)の出力に基づいて前記回動部材(92)の位置を確認しながら前記駆動装置(8)の駆動を制御する通常制御を実行する制御装置(10)と、を備え、前記回動部材(92)が、180度よりも大きく、360度未満の通常作動範囲(NL)を回動するよう設定され、前記ポテンショメータ(80)の角度検出可能な範囲である角度検出範囲(KH)が、前記通常作動範囲(NL)に重なり360度未満の範囲に設定された回動制御装置であって、前記制御装置(10)は、前記ポテンショメータ(80)で得られた回動部材(92)の現在位置(NP)と、これから回動部材(92)を回動させる制御目標位置(MP)と、の回動角度が前記通常作動範囲(NL)内で180度未満の場合は、前記通常制御により前記回動部材(92)を通常作動範囲(NL)で回動させるよう駆動装置(8)を駆動させ、一方、前記現在位置(NP)と制御目標位置(MP)との前記通常作動範囲(NL)内での角度が180度以上の場合には、前記角度検出範囲(KH)外である非角度検出範囲(NKH)を通って制御目標位置(MP)へ回動させる最短回動制御を実行することを特徴とする回動制御装置である。
このカム機構9は、ドアリンク91とカムリンク(回動部材)92とを備えている。
ドアリンク91は、ドア軸71に固定され、ドア軸71と一体的に回動するもので、このドアリンク91の内側には、略楕円形のカム穴93が穿設され、このカム穴93の内周にカム面94が形成されている。
ポテンショメータ80は、周知のもので、構造を簡単に説明すると、駆動軸81と同軸に内外二重に配置された第1抵抗体82、第2抵抗体83を備えており、第2抵抗体83の一端には基準電圧Vbが印加され、もう一方の端部が接地されている。一方、カムリンク92側に、両抵抗体82,83に接触する図示を省略した接点が設けられており、カムリンク92が回動するのに応じて、第1抵抗体82からの出力Vpが変化することでカムリンク92の位置を検出することが可能となっている。なお、これとは逆に、第1抵抗体82に基準電圧Vbを与え、第2抵抗体83から出力を得るようにしてもよい。
また、ポテンショメータ80は、ハンチング防止を目的として、第2抵抗体83がカムリンク92の通常作動範囲NLよりも僅かに外側の範囲まで設置されており、角度A°、B°まで回動角度の検出が可能となっており、この範囲が角度検出範囲KHであり、一方、第2抵抗体83が設置されておらず、出力Vpが接地電位となる範囲が非角度検出範囲NKHである。
この制御ユニット10は、車両用空調装置AUの作動を制御するもので、周知のように、車室の検出温度が乗員により設定された設定温度となるように吹出温度や吹出風量などを制御する。
通常制御は、カムリンク92を、通常作動範囲NL内においてせる制御であり、一方、最短回動制御は、カムリンク92を、最短回動範囲SLで回動させる制御である。
この通常制御と最短回動制御とは、カムリンク92の現在位置NPと制御目標位置MPとの通常作動範囲NLにおける角度である目標回動角度Mθに応じて実行され、目標回動角度Mθが180度未満の場合は、通常制御が実行されるが、目標回動角度Mθが180度以上の場合には、最短回動制御が実行される。
まず、最短回動制御の開始判定を行う最短作動開始処理について図4により説明する。
まず、ステップS1では、その時点で読み込まれている現在位置NPが通常作動範囲NL内であるか否か判定し、範囲内であればステップS2に進み、範囲外であればステップS9に進む。
さらに、ステップS8では、最短作動制御に設定し、その後、ステップS9において制御目標位置MPを最新のものに更新する。
まず、最短回動制御の最初の処理であるステップS11では、作動制御の設定状態が通常制御と最短作動制御のいずれであるかを判定し、通常制御の場合は1回の流れを終了し、最短作動制御の場合に、次のステップS12に進む。なお、この判定は、ノイズなどによる誤制御防止のために行っている。
なお、この角度検出範囲到達フラグは、後述するが、カムリンク92が、角度検出範囲KHから出たときにセットされ、その後、非角度検出範囲NKHから角度検出範囲KHに戻った際にリセットされるフラグである。
(カムリンク回動角度が180度未満時)
例えば、インテークドア7を、内気取入口全閉位置Dbから内外気を導入する中間位置に回動させたり、その逆に、外気取入口全閉位置Daから内外気を導入する中間位置に回動させたり、あるいは、中間位置において開度を変更させたりする場合のように、カムリンク92の回動角度が180未満の場合には、以下のように作動する。
カムリンク92の現在位置NPから制御目標位置MPへの目標回動角度Mθが180度を超える場合について説明する。
例えば、インテークドア7を内気取入口全閉位置Dbあるいはその近傍に配置し、外気導入状態としていて、図外の排気センサにより外気が劣悪環境にあることが検出された場合、制御ユニット10は、インテークドア7を外気取入口全閉位置Daに回動させるが、このような場合には、現在位置NPから制御目標位置MPへの目標回動角度Mθが180度を超える。
この場合、カムリンク92を現在位置(b°)から制御目標位置(a°)へ回動させるが、この回動を、通常作動範囲NLにおいて正転方向に回動させた場合、回動角度が300度程度と大きく回動に時間を要する。
一方、カムリンク92を、最短回動範囲SLを通過させて逆転方向に回動させた場合には、回動角度が僅かであり、短時間で回動させることができる。
この最短回動制御を実行するにあたり、この説明の例では、ステップS5→S7→S8の処理の流れとなって、カムリンク92を、第2終端位置ST2から逆転させる強制逆転作動に設定された後、最短作動制御に設定される。ここで、強制逆転作動に設定された場合、通常制御に復帰されるまで、ポテンショメータ80の出力Vpにかかわらず駆動装置8が強制的に駆動される。
また、この最短作動制御の設定時点の初期状態では、角度検出範囲到達フラグがリセット状態であり、カムリンク92が角度検出範囲KH内に配置されていることから、ステップS12→S18→終了の順で処理が繰り返される。
したがって、これ以降は、カムリンク92が非角度検出範囲NKHを回動する間、ステップS12→S13→終了の流れが繰り返される。
したがって、この例示の場合は、この時点で、カムリンク92が制御目標位置である第1終端位置ST1に配置されることになり、この位置で駆動装置8の駆動が停止される。
このため、カムリンク92を最短作動させた場合でも、インテークドア7が通常回動する範囲であるドア回動範囲DRの外へ回動されることが無く、車両用空調装置AUにおいて本発明を実施することが可能となった。
また、非駆動部材が実施例1で示したものと異なる場合、回動部材も、実施例1で示したようなカム機構9の一部を構成するカムリンク92に限定されるものではなく、他の駆動軸を中心に回動する回動部材であってもよい。
8 駆動装置
9 カム機構
10 制御ユニット(制御装置)
80 ポテンショメータ
92 カムリンク(回動部材)
A 回動制御装置
Da 外気取入口全閉位置(第1の位置)
Db 内気取入口全閉位置(第2の位置)
DR ドア回動範囲
KH 角度検出範囲
MP 制御目標位置
NKH 非角度検出範囲
NL 通常作動範囲
NP 現在位置
SL 最短回動範囲
ST1 第1終端位置
ST2 第2終端位置
Claims (2)
- 駆動装置により正逆方向に360度回動可能に支持された回動部材と、
この回動部材の回動により、作動される被駆動部材と、
前記回動部材の回動角度を検出するポテンショメータと、
このポテンショメータの出力に基づいて前記回動部材の位置を確認しながら前記駆動装置の駆動を制御する通常制御を実行する制御装置と、
を備え、
前記回動部材が、180度よりも大きく、360度未満の通常作動範囲を回動するよう設定され、
前記ポテンショメータの角度検出可能な範囲である角度検出範囲が、前記通常作動範囲に重なり360度未満の範囲に設定された回動制御装置であって、
前記制御装置は、前記ポテンショメータで得られた回動部材の現在位置と、これから回動部材を回動させる制御目標位置と、の回動角度が前記通常作動範囲内で180度未満の場合は、前記通常制御により前記回動部材を通常作動範囲で回動させるよう駆動装置を駆動させ、一方、前記現在位置と制御目標位置との前記通常作動範囲内での角度が180度以上の場合には、前記角度検出範囲外である非角度検出範囲を通って制御目標位置へ回動させる最短回動制御を実行し、かつ、前記最短回動制御において、前記回動部材が非角度検出範囲を回動している間、前記ポテンショメータによる位置確認を行うことなく前記駆動装置を駆動させる強制駆動を行い、前記回動部材が前記非角度検出範囲から角度検出範囲に入った時点で前記ポテンショメータによる位置確認を行う前記通常制御に復帰することを特徴とする回動制御装置。 - 前記被駆動部材が、空調ユニットにおいて、あらかじめ設定された360度未満の第1の位置と第2の位置との間に設定されたドア回動範囲内を回動可能に設けられたドアであり、
この回動部材とドアとの間に、前記回動部材が360度回動するのに連動して、前記ドアが前記ドア回動範囲を一往復するよう駆動伝達を行うカム機構が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の回動制御装置。
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