JP4387112B2 - 繊維状活性炭を用いた排液処理装置及び排液処理方法 - Google Patents

繊維状活性炭を用いた排液処理装置及び排液処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、繊維状活性炭を用いて、過酸化水素含有排水などの各種排液中の成分を分解する処理技術に関し、特に、シート状に形成された繊維状活性炭を用いて、優れた処理効率が得られる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体や液晶の製造工程から排出される過酸化水素含有排水などの各種排水の処理方法としては、酵素分解による方法、化学的中和による方法、触媒分解による方法などがある。酵素分解による方法は、一般に反応時間を要することから、大型の反応槽が必要となる。また、反応槽は、攪拌手段が必要であるため、水量に応じて反応装置自体が大掛かりな装置になる。
また、化学的中和による方法は、酵素分解のようなデメリットは小さいものの、中和のための酸あるいはアルカリの使用、中和物の生成という問題がある。排水処理にあたっては、これらの薬剤や生成物をできるだけ処理系外へ排出することを避けるべきである。したがって、追加の処理設備が必要となる。
【0003】
触媒による方法では、薬剤や生成物等の問題もなく、また、反応も比較的速やかであるので、連続的な排水処理には適しているとういことができる。しかしながら、触媒が粒状であると、比表面積が小さいため処理効率の向上が困難で装置が大型化しがちである。また、粒状のために分解時にガスが発生する場合においては、ガス排出のために上方を指向する流路構成を取らざるを得ず、その場合には、触媒が上方に展開するとともに、物理的に磨耗して微粉が発生しやすい。さらに下流側が粉体で汚染されるため、別途ろ過手段が必要となる。
一方、近年、繊維状活性炭などが供給されており、かかる繊維状活性炭をシート状に成形し、これをスパイラル状としてカートリッジ式の触媒として用いることも行われている(特許文献1)。かかる繊維状体を用いることにより、微粉の発生を抑制できるという効果がある。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−144189号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、シート状に形成された活性炭をスパイラル状に巻いて構成した触媒層を用いた場合、微粉の発生を抑制できるものの、液体の通過抵抗が大きく高速処理が困難であるという問題があった。また、繊維状活性炭が交絡した触媒層において、均一に被処理液体を接触させて反応させることは困難であることが多く、液体の導入側のみにおいて触媒の劣化が進行しやすかった。また、導入側においては、被処理液体中の微粒子により目詰まりを生じ易かった。さらに、触媒層の一部分で反応が進行すると、触媒層における反応でガスが発生する場合にはガスの排出がスムーズでなくなり結果として、効率的な処理を確保することができなかった。
そこで、本発明では、繊維状活性炭を用いた触媒モジュールを備える処理ユニットを提供することにより、効率的な排液処理が可能な装置および処理方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、特定形状に加工したシート状活性炭を用いた触媒モジュールを含む処理ユニット構成を検討したところ、触媒が反応する場の均一化を図ることのできるユニット形態を構築できた。具体的には、触媒モジュールを多数の排液導入路を備える集管状の構造体とし、当該構造体における管路を構成する隔壁を繊維状活性炭で形成することにより、触媒モジュールにおける均一な触媒反応の場を形成し効率的な処理が可能となることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明によれば、以下の手段が提供される。
(1)排液処理装置であって、
繊維状活性炭の隔壁で形成されている排液導入管路を集束状に多数個有する触媒部を有する触媒モジュールを1あるいは2以上収容し、前記触媒部から排出される処理液が貯留されるとともに所定液位において流出される処理槽を備え、
前記排液が前記触媒モジュールの下面から上向流に供給されるように構成されており
前記触媒モジュールは、前記触媒部の外周面に少なくとも液体が通過しない表層を有する、装置。
(2)前記排液導入管路は、断面が凹凸状に形成され、同心円状あるいはスパイラル状に配置される第1の繊維状活性炭層と当該第1の繊維状活性炭層の一方の面における多数の凸部において当接して前記第1の繊維状活性炭層に追従して配置されるシート状の第2の繊維状活性炭層との間において形成される、(1)記載の装置。
(3)前記触媒部は、断面凹凸状の第1のシート状活性炭の一方の面における多数の凸部において一体化されるシート状の第2のシート状活性炭とから形成されるシート状活性炭の積層体をスパイラル状に配置して形成される、(1)記載の装置。
)前記排液が通過し、前記触媒モジュールを収容して外接する中空部を有する配管内に前記触媒モジュールを備える、(1)〜()のいずれかに記載の装置。
)排液の処理方法であって、
繊維状活性炭の隔壁で形成されている排液導入管路を集束状に多数個有する触媒部と、この触媒部の外周面に少なくとも液体が通過しない表層とを有する触媒モジュールと、1あるいは2以上のこの触媒モジュールを収容し、前記触媒部から排出される処理液が貯留されるとともに所定液位において流出される処理槽に、前記排液導入管路に上向流として排液を供給する工程を備える、方法。
)(1)〜()のうちいずれか1項に記載の排液処理装置であって、
繊維状活性炭は、銀を含有する繊維状活性炭であることを特徴とする、排液処理装置。
)()に記載の排液の処理方法であって、
繊維状活性炭は、銀を含有する繊維状活性炭であることを特徴とする、排液の処理方法。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の排水処理装置は、繊維状活性炭の隔壁で形成されている排液導入管路を集束状に多数個有する触媒部を有する触媒モジュールを備えることを特徴とするものである。
本排水処理装置は、このような構成の触媒モジュールを備えることにより、処理すべき排液を排液導入管路に供給したとき、排液が当該導入管路を移動すると同時に、繊維状活性炭層からなる管路の隔壁を介して隣接する他の排液導入管路にも拡散する。隣接する管路においても同様に管路内における移動と隣接する管路への拡散が生じる。このように個々の排液導入管路内における排液の移動と隣接する排液導入管路への拡散により、排液の良好な移動性が確保されることにより触媒部全体において均一な排液の流通・分布が確保される。このため、触媒部において均一に触媒反応の場を形成することができる。したがって、部分的な触媒劣化が抑制される。
また、隣接する排液導入管路への拡散により、排液と活性炭との接触確率が向上されるため、触媒反応も効率化される。
さらに、このような処理流の創出によれば、触媒反応によりガスが発生する場合であっても、ガスは排液導入管路内を障害なく通過できるため、ガスの発生による処理速度の低下を抑制できる。
【0008】
なお、触媒部の外周面に少なくとも液体が通過しない表層を備えることにより、触媒部における排液の移動性をある程度制御することができる。また、当該表層が気体を通過させる場合には、触媒部において発生する気体を処理液と分離して排出することができるようになり、ガスの発生あるいは滞留による処理能力の低下を確実に抑制できる。
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図8に、それぞれ、触媒モジュール、処理ユニット、処理装置、及び処理方法等について例示しつつ、順次説明する。本発明の各種実施態様は、例示する図に示される構成に限定されるものではなく、本発明の触媒モジュール、処理ユニット、処理装置、及び処理方法並びにさらに他の形態には、以下に説明する本発明の各種形態の全ての組み合わせによって構成される様々な態様を包含する。
【0010】
(触媒モジュール)
本発明において用いるのに好ましい触媒モジュール2は、図1に示すように、全体として多数個の排液導入管路6が集束した形態の触媒部4を備えている。すなわち、触媒部4においては、排液導入管路6は、その管路方向が同一方向を指向する形態で集合されている。
排液導入管路6は、繊維状活性炭の層を隔壁として有する、貫通管路として形成されている。排液導入管路の断面形態は特に問わないで各種形状を採用することができる。
【0011】
例えば、排液導入管路6は、図1(a)及び(b)に示すように、断面凹凸状に形成され、同心円状あるいはスパイラル状に配置される繊維状活性炭層8とこれに沿って配置されるシート状の繊維状活性炭層10との間において形成することができる。この場合には、触媒部4は、断面凹凸状の繊維状活性炭層8とシート状繊維状活性炭層10とが全体として交互に配列された形態となる。この形態において、排液導入管路6は、繊維状活性炭層8の凹部8aとこの凹部8aを覆うようにして配置される繊維状活性炭層10とによって構成される。
図1に示す形態においては、好ましくは、図2に示すような断面形態の繊維状活性炭12を用いることが好ましい。この繊維状活性炭12は、断面凹凸状(より好ましくはコルゲート状)のシート状繊維状活性炭層14に扁平なシート状の繊維状活性炭層16が積層一体化された形態を備えている。繊維状活性炭層14、16を湾曲可能に可撓性を有するように構成することにより、この積層体12は、容易にスパイラル状あるいは同心円状に配置することができる。この形態の繊維状活性炭12は、例えば、シート状に成形された繊維状活性炭層14と同じくシート状に成形された繊維状活性炭層16とを接着あるいは融着一体化等して形成してもよい。このような最終形態を得られるように一挙に繊維状活性炭を成形することによって得ることもできる。
【0012】
また、図3(a)に示すように、各排液導入管路6をそれぞれ筒状の繊維状活性炭層18で構成し、これらを束ねることによって触媒部4を構築することもできる。この場合、隣接する繊維状活性炭層18間における空間も排液導入管路6として機能しうる。さらに、図3(b)に示すように、筒状の繊維状活性炭層20の中空部を多数の排液導入管路6に構築するように区画する隔壁20aを設けることもできる。
図3に示す各形態の触媒部4は、いずれも、シート状に予め成形された繊維状活性炭を用いて構成してもよいし、触媒部4の形態となるように繊維状活性炭を成形してもよい。
【0013】
触媒部4の構成に用いる繊維状活性炭層は、抄紙法により他のバインダー繊維、例えばポリエチレン繊維やポリプロピレン繊維と混合してシート状に作製する方法や,金属類を添着や練り込みなどにより含有させた活性炭繊維を芯鞘構造のポリエステル複合繊維と均一に混合して乾式法でシート状にすることにより得ることができる。
【0014】
なお、触媒部4を、シート状繊維状活性炭よらずに他の方法によって構築する場合、例えば、繊維状活性炭と,ポリエチレンイミン,ポリアクリル酸,ポリアクリルアミド, ポリエチレン繊維, ポリプロピレン繊維等の有機高分子をバインダーとして数%用いてスラリー状に水に分散させ,不織布をセットした筒状濾過器を用いてこれを吸引濾過して筒状や柱状のカートリッジに成型してもよい。
【0015】
なお、繊維状活性炭は,ピッチ系, アクリル系,フェノール系,セルロース系等のものを使用できるが,耐酸化性に優れるピッチ系のものが好ましい。
また,繊維状活性炭に含有させる金属としては,鉄,コバルト,ニッケル,マンガン及び銀が好ましく,これらの金属の酸化物や水酸化物等の化合物でもよい。金属などの含有量としては,繊維状活性炭に対し,金属として0.01〜5重量%であることが好ましい。含有量が0.01重量%未満では,金属による分解よりも活性炭繊維自体による分解反応が大きく,活性炭繊維の消耗が大きくなる傾向を示す。また,5重量%を超えると,微粒子として活性炭繊維上に含有させることが困難で,過酸化水素の分解効率が逆に低下する。さらに,5重量%を超える金属微粒子を含有する場合,特にコバルト,ニッケル及び銀などについては高価になる。
【0016】
金属類を活性炭繊維に含有させる方法は,公知の方法を採用することができる。例えば銀の場合,繊維状活性炭を硝酸銀の水溶液に浸漬し,次いで取り出して脱水した後,加熱して硝酸銀を分解し,銀を添着する方法や,銀鏡法による方法がある。練り込みによって含有させることもできる。また,マンガンの場合,塩化マンガンの水溶液にオゾンを吹き込んで酸化させ,生成したマンガン酸化物とマンガン酸イオンを繊維状活性炭に吸着させる方法や,電解二酸化マンガンの微粒子を繊維状活性炭のシートに混合する方法がある。
【0017】
触媒部4の外周面には、図4に示すように、表層30を備えることができる。表層30は、触媒部4の構成形態に応じて、触媒部4の最外周側に位置される排液導入管路6の外周面に備えられる。液体が通過しない表層30を備えることにより、触媒部4から外周側に排液が散逸するのを抑制して排液と活性炭との接触効率を向上させ、排液が処理されないままに排出されることを抑制する。
表層30は、液体が通過しないが気体が通過する選択透過性を有することもできる。かかる透過性を有することにより、触媒部4において発生したガス等を速やかに触媒部4から排出させることができるとともに、液体との分離排出が可能となる。
かかる表層30は、公知材料から所望の透過性あるいは遮断性を有するものとして選択された材料によって構成される。例えば、液体及び気体の通過しない表層30は、一般的な樹脂コーティングによって形成できる。また、選択透過性を有する表層30も、かかる選択透過性を有するものとして商業的に入手できる材料をコーティングしあるいは被覆することによって形成できる。
【0018】
(処理ユニット)
このような触媒モジュール2は、その排液導入管路6の一方の開口から排液が流入し他方から排液が排出されるような形態で処理ユニット内に備えられる。
排液の供給形態は、特に限定しないで、上向流、下向流、あるいは水平流等選択できる。触媒部4における均一な排液の拡散の観点からも、上向流として供給されることが好ましい。
典型的な処理ユニット40の形態を図5に示す。この処理ユニット40は、筒状のケーシング42内に触媒モジュール2が充てんされている。この処理ユニット40は、触媒部4において気体が発生しない使用形態において好ましい形態である。ケーシング42は、好ましくは、触媒モジュール2の外周面に外接するような内壁部を有していることが好ましい。かかる形態によれば、ケーシング42の内壁によって排液の流路規制を実現できる。触媒モジュール2は、通常、適当な蓋体等によりケーシング42内に固定されている。排液は、ケーシング42の一方の開口に装着された蓋体に設けた排液供給口等から供給されるようになっている。必要に応じて、触媒部4に供給される排液をろ過するフィルターケーシング42の内部あるいは外部に設けることができる。
【0019】
また、処理ユニットの別形態50を図6に示す。
この処理ユニット50は、触媒モジュール2を処理槽52内に収容保持しており、処理槽52内には、触媒部4の下方から排液導入管路6を介して排液が供給されるようになっている。また、処理槽52は、密閉されておらず、触媒モジュール2から排出された処理液を貯留できるとともに、所定液位において流出させるように構成されている。この処理ユニット50は、触媒部4において気体が発生する使用形態において好ましい。
この処理ユニット50において、触媒部4が表層30を備えている場合、触媒モジュール2の上面側からのみ処理液が処理槽52内へと排出されるが、表層30を備えない場合には、触媒部4の外周面から処理液が処理槽52内へと排出される。表層30を備えると、触媒部4内における均一反応や反応促進を図ることができる。一方、表層30を備えない場合には、処理槽52内の処理液に触媒部4が露出されているため、処理槽52内の処理液(排液)との間においても触媒反応が可能となっている。なお、表層30を備える、あるいは備えない触媒モジュール2を設置した場合、処理槽52内に、触媒モジュール2とは別個に、繊維状活性炭層を設けて、処理槽52内における追加の触媒反応を実現させることもできる。なお、別個に設けられる繊維状活性炭層の配置形態は特に限定しないが、触媒モジュール2の周囲にスパイラルあるいは同心円状に設けることもできるし、触媒モジュール2に対して分散状に点在させることもできる。なお、本処理ユニット50の形態にあっては、一つの処理槽52に2以上の触媒モジュール2を収容することができる。したがって、処理能力の向上を容易に図ることができる。
処理槽52は、おおよそ触媒モジュール2の全体の高さを収容可能な形態を備えていることが好ましい。また、貯留した処理液を流出させる液位は、触媒モジュール2の高さ位置の近傍とすることが好ましい。流出形態は特に限定しない。処理槽2の開口端縁の一部あるいは全体から流出させるようにすることもできるし、また、所定得液位において処理槽52の壁部に開孔部を設けることもできる。図6においては、処理槽52の開口端縁のおおよそ全体から処理液を流出させる形態とし、開口端縁に沿って処理液を受ける樋状の処理液導出部54が形成されている。
【0020】
処理ユニットは、処理装置において単一であってもよいが、2以上の処理ユニットを備えていることが好ましい。2以上の処理ユニットを備える場合、排液の供給経路に対して直列とすることもできるし並列とすることもできる。
並列形態とする場合、図7に示すように構成することができる。図5及び6に示す処理ユニット40、50のいずれであっても並列設置できる。触媒部4内で気体が発生しない使用形態であれば、好ましくは、図5に示す処理ユニット50を並列設置する。同様に気体を発生しない場合において、処理ユニット40においては、直列配置も好ましい。
触媒部4での気体の発生が予測される場合には、処理ユニット50を用いて、並列配置するか、あるいは処理ユニット50内に多数個の触媒モジュール2を収容するようにすることが好ましい。
【0021】
(処理装置)
次に、このような処理ユニットを備えた処理装置について説明する。
本発明の処理装置は、少なくとも上記した触媒モジュール2を備え、その排液導入管路6へ排液を導入するような形態を備えている。好ましくは、既に説明した処理ユニット40、50を備えている。さらに、本処理装置は、図8に例示するように、一般的にこのような処理装置が備える、排液貯留槽、排液pH調整槽、処理液貯留槽等の1あるいは2以上を備えることができる。
本発明の処理装置においては、pH処理槽を設けることが好ましい。pH処理槽は、処理ユニットの前段、好ましくは、直前に配置する。pH調整により、処理ユニットにおける触媒反応を効率化することができる。
【0022】
なお、処理ユニットには、必要に応じて槽内温度を触媒反応に適した温度に保持できる温度制御手段を備えていることが好ましい。特に、加温ないし冷却手段は、処理ユニットのケーシングや処理槽の外周側にジャケット式に設けることもできる。また、処理ユニットへの排液供給側において加温ないし冷却手段を備えるようにすることもできる。また、これらの双方において加温ないし冷却手段を設けることもできる。温度制御は、好ましくは処理液温度を検出する手段を配し、当該検出手段からの信号を検知し、必要に応じて加温ないし冷却手段を制御する制御装置により行う。
【0023】
(処理方法)
次に、本処理装置を用いた排液の処理方法について説明する。
本処理方法は、上記した処理装置を用いることにより、排水を処理する方法である。
以下、液晶製造工程等で発生する過酸化水素含有排水の排水処理工程について説明する。
過酸化水素含有排水は、製造工程から例えば、中継槽等を介し、当該中継槽からポンプなどの搬送手段により本処理工程まで搬送される。
(pH調整工程)
搬送された排水は、一旦貯留され、必要に応じてpH調整する。排水のpHはおおよそ1〜12.0程度である。繊維状活性炭による触媒反応は、このようなpH範囲において進行可能であるが、好ましくは、pHをアルカリ性に調整する。7.0未満であると分解速度は遅く、10.0を超えると中和剤使用量が多く必要だからである。より好ましくは、中和剤使用量が多く必要である。pH調整のための薬剤は特に限定しないが、汎用される無機系薬剤を使用することができる。
【0024】
(触媒反応による処理工程)
必要に応じてpH調整された排水は、処理工程へと供給される。処理工程は、処理ユニットを備えている。排水は、好ましくは触媒モジュールに対して上向流として供給される。触媒モジュールにおいては、排液の上向流及び外向流からなる処理流が発生する。
【0025】
なお、排液の温度は、好ましくは15℃以上60℃以下とすることが好ましい。15℃以下であると分解速度は遅くなり、60℃を越えると耐熱性の部材が必要だからである。また、より好ましくは30℃以上50℃以下である。
過酸化水素は、触媒モジュール2の触媒部4による分解で水と酸素とに分解される。酸素は、供給される排液の上向流により、モジュール2の触媒部10の上方側から排出される。触媒部4に液体を通過させず気体を通過させる表層30を備えている場合には、表層30からも気体が排出される。
【0026】
特に処理装置に処理ユニット50を備える場合、処理槽52内において予め設定された所定液位にまで処理液が到達すると、開口あるいは開孔部から処理液が流出される。処理槽52に滞留している間は、処理液と触媒部4の表層側での触媒反応が行われ得る(表層30を有していない場合)。処理槽52の容量は、排液中の被分解成分の濃度とモジュール2による処理能力とを考慮して、滞留時間内に所望とする濃度にまで被処理成分が分解されるように設定されている。
流出した処理液は、導出部54や配管等を通じて、処理液の貯留槽に搬送され、貯留される。
【0027】
本処理方法は、活性炭を用いた触媒反応を利用した排液処理に有用であり、特に排液の種類を問わない。好ましくは、半導体や液晶の製造工程における排水,食品の製造、加工工程における排水に対して用いることができる。また、触媒反応の基質としては、過酸化水素、硫過水(硫酸と過酸化水素水との混合液)、アンモニア過水(アンモニア水と過酸化水素水の混合液)、オゾン等を挙げることができる。
また、なお、同じ構成で活性炭による触媒反応も用いなくても、活性炭の吸着作用を利用した排液処理、浄水処理も用いることができる。
【0028】
以上説明したように、本処理方法によれば、比表面積の大きい繊維状活性炭を用い、かつ、効率的な接触状態が得られるようにモジュールと処理ユニットとを構成したため、高い処理効率を達成することができる。しかも、排液の供給速度を上げてもそれに対応できるように処理能力を容易に増大することができ、結果として、高い処理効率で処理量を容易に増大することができる。例えば、空間速度(SV)を50以上も容易に達成することができる。
また、運転立ち上げ時において、pH管理、温度の適切な管理が出来れば特別な前段工程などを要さず、だたちに、排液を供給し処理工程を開始できる。
例えば、本処理方法によれば、5000ppm程度の過酸化水素含有排液を処理した場合、99%以上の分解効率を達成することができることがわかっている。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、効率的な排液処理が可能な装置および処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】触媒モジュールの一例を示す一部破断図(a)と一部拡大図(b)とを示す図である。
【図2】触媒モジュール構築に適したコルゲート状の繊維状活性炭の積層体を示す図である。
【図3】触媒モジュールの他の例(a)及び(b)を示す図である。
【図4】表層を有する触媒モジュールを示す図である。
【図5】処理ユニットの一例を示す図である。
【図6】処理ユニットの他の例を示す図である。
【図7】処理ユニットの並列設置形態の一例を示す図である。
【図8】処理装置の全体の一例を示す図である。
【符号の説明】
2 触媒モジュール
4 触媒部
4 排液導入管路
8 断面凹凸状の繊維状活性炭層
10 繊維状活性炭層
12 繊維状活性炭(積層体)
14 コルゲート状のシート状繊維状活性炭層
16 シート状の繊維状活性炭層
18 筒状の繊維状活性炭層
20 筒状の繊維状活性炭層
20a 隔壁
30 表層
40、50 処理ユニット
42 ケーシング
52 処理槽
54 処理液導出部

Claims (7)

  1. 排液処理装置であって、
    繊維状活性炭の隔壁で形成されている排液導入管路を集束状に多数個有する触媒部を有する触媒モジュールを1あるいは2以上収容し、前記触媒部から排出される処理液が貯留されるとともに所定液位において流出される処理槽を備え、
    前記排液が前記触媒モジュールの下面から上向流に供給されるように構成されており
    前記触媒モジュールは、前記触媒部の外周面に少なくとも液体が通過しない表層を有する、装置。
  2. 前記排液導入管路は、断面が凹凸状に形成され、同心円状あるいはスパイラル状に配置される第1の繊維状活性炭層と当該第1の繊維状活性炭層の一方の面における多数の凸部において当接して前記第1の繊維状活性炭層に追従して配置されるシート状の第2の繊維状活性炭層との間において形成される、請求項1記載の装置。
  3. 前記触媒部は、断面凹凸状の第1のシート状活性炭の一方の面における多数の凸部において一体化されるシート状の第2のシート状活性炭とから形成されるシート状活性炭の積層体をスパイラル状に配置して形成される、請求項1記載の装置。
  4. 前記排液が通過し、前記触媒モジュールを収容して外接する中空部を有する配管内に前記触媒モジュールを備える、請求項1〜3のいずれかに記載の装置。
  5. 排液の処理方法であって、
    繊維状活性炭の隔壁で形成されている排液導入管路を集束状に多数個有する触媒部と、この触媒部の外周面に少なくとも液体が通過しない表層とを有する触媒モジュールと、1あるいは2以上のこの触媒モジュールを収容し、前記触媒部から排出される処理液が貯留されるとともに所定液位において流出される処理槽に、前記排液導入管路に上向流として排液を供給する工程を備える、方法。
  6. 請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載の排液処理装置であって、
    繊維状活性炭は、銀を含有する繊維状活性炭であることを特徴とする、排液処理装置。
  7. 請求項5に記載の排液の処理方法であって、
    繊維状活性炭は、銀を含有する繊維状活性炭であることを特徴とする、排液の処理方法。
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