JP2007075787A - 排水処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 浄水場の返送水や下水処理場の返流水などの排水に含まれる水質汚濁性有機化合物を、酸化剤を用いて酸化分解処理する実用的な排水処理装置を提供する。
【解決手段】 処理対象の排水に酸化剤を混入し、この酸化剤を分解させて活性な酸化成分を発生させ、この酸化成分により排水中の水質汚濁性有機化合物を酸化分解させる酸化反応器4を備えた排水処理装置において、前記酸化反応器4を前記酸化剤が混入された排水が通流される流路を備えて構成し、前記流路の互いに対向する壁面の間隔を1〜10mmとする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、排水中の水質汚濁性有機化合物の酸化、分解装置に関する。さらに詳しくは、酸化剤を用いる流通式のフェントン法および触媒酸化法に好適な排水中の水質汚濁性有機化合物の酸化、分解装置に関する。
排水中の水質汚濁性有機化合物を酸化、分解処理する従来の方法としては、たとえば特許文献1に記載のように、鉄塩と過酸化水素などの酸化剤を使用するフェントン法が知られている。ここでいう水質汚濁性有機化合物とは、油性物質、アルコール、腐植性のもの、着色成分などである。
フェントン反応を利用して水質汚濁性有機化合物の分解処理をする場合、2価の鉄イオンと過酸化水素との反応が急激に起こり、活性成分(活性酸素)が生成される。しかし、排水中の有機化合物含有量が低いため、有機化合物の酸化で消費されるよりも多くの活性成分が酸素ガスとなって放出されてしまう。このため、有機化合物の酸化当量に比べ、添加する鉄塩と過酸化水素の量が非常に多くなり、それに伴って処理後に回収されるスラッジ量も増大する。添加する鉄塩と過酸化水素の量を低減するため、従来は鉄塩を添加した排水原液を容器内に注入し、攪拌機で攪拌しながら過酸化水素水を少量づつ、長い時間をかけて滴下する、いわゆるバッチ式で処理していた。
一方、スラッジ等の副生成物が発生しない処理法として、特許文献2に記載されているように、酸素および触媒の共存下、排水中の水質汚濁性有機化合物を酸化分解する触媒湿式酸化法などが知られている。触媒湿式酸化法では、流通法が主流であり、流路中に破砕状、ペレット状、粒状、ハニカム状およびリング状などの触媒が設置されている。破砕状、ペレット状あるいは粒状の触媒が設置されている場合には、触媒層での圧損の増加や、流路閉塞などの問題が生じる。またハニカム状あるいはリング状の触媒が設置されている場合には、微細な流路間で偏流が生じ易く触媒全体を有効に活用できない可能性がある。
特開2003−245678号公報(第2、3頁) 特開2003−334571号公報(第3、4頁)
一般に、浄水場の排水処理系で発生する濃縮上澄み液及び脱水ろ液は、返送水として原水側に戻されている。また、下水処理場の汚泥処理工程で生じる濃縮分離液、消化脱離液、脱水ろ液は返流水として再度水処理施設に戻されている。これらの返送水及び返流水は、季節や汚泥の性状によって、質・量ともに変動して水処理に影響を及ぼすため、直接放流可能な程度まで処理することが望まれている。
しかし、上記特許文献1の従来技術では、下水処理場の汚泥処理工程で生じる濃縮分離液、消化脱離液、脱水ろ液などの返流水や、浄水場の排水処理系で発生する濃縮上澄み液及び脱水ろ液などの返送水を処理するには処理速度の点で実用的ではなかった。また、上記特許文献2の従来技術では、触媒に要求される微細な細孔の存在が前記返流水の清浄度の点で実用的ではなかった。
本発明の課題は、上記返送水や返流水などの排水に含まれる水質汚濁性有機化合物を、酸化剤を用いて酸化分解処理する実用的な排水処理装置を提供することにある。
上記課題は、処理対象の排水に酸化剤を混入し、この酸化剤を分解させて活性な酸化成分を発生させ、この酸化成分により排水中の水質汚濁性有機化合物を酸化分解させる排水処理装置において、前記酸化剤の分解及び酸化成分による水質汚濁性有機化合物の酸化分解を、互いに対向する壁面の間隔が1〜10mmである流路内を流過する排水中で行わせることにより、解決される。
上記構成によれば、酸化剤の分解で生成される酸素ガスなどの微細な気泡や水質汚濁性有機化合物の酸化分解で生成される炭酸ガスからなる微細な気泡により、前記流路中の排水の攪拌、混合が促進され、流路全体にわたって一様な反応が生じ、短時間で確実に有機化合物の分解反応が進行する。流路の互いに対向する壁面の間隔が10mm以下であるため、前記微細気泡による排水の攪拌・混合が充分行われるとともに、前記間隔が1mm以上であるため、流路の圧損抵抗の増加も少なく、流路閉塞の惧れも少ない。
酸化剤を分解させる手段としては、排水中に鉄塩を供給する、或いは酸化剤分解触媒を流路壁面に担持させるなどの方法がある。さらに、流路壁面に、有機化合物の酸化分解反応を促進する酸化触媒を担持させることが望ましい。
また、前記流路の酸化剤分解領域に超音波を照射する超音波照射手段を設けてもよい。流路の酸化剤分解領域に超音波振動を伝達することで、生成された酸素のガス化を抑制し、排水中の溶存酸素量を高めて効率のよい酸化分解反応を得ることが可能になる。
酸化剤としては過酸化水素が、鉄塩としては2価のイオン化合物が良好であり、たとえば鉄塩の硫酸第一鉄、あるいは塩化第一鉄水溶液などが用いられる。
前記流路としては、等価直径が1〜10mmの管、外管と内管とで形成されるアニュラス空間であって、その幅が1〜10mmであるもの、また、互いに1〜10mmの間隔で対向する二つの平面で挟まれた空間などが利用できる。
本発明によれば、返送水や返流水などの排水に含まれる水質汚濁性有機化合物を、酸化剤を用いて酸化分解処理する実用的な排水処理装置を提供することができる。
なお、本発明の装置は、排水中の水質汚濁有機化合物が高濃度でも流路閉塞を起こしにくい構造であることから高度排水処理の前処理装置としても使用可能である。
<第1の実施形態>
本発明に係る排水処理装置の第1の実施形態について図1および図2を参照しつつ説明する。図1は本発明の第1の実施形態に係る排水処理装置の要部構成を示し、等価直径が1mm以上、10mm以下の流路中にてフェントン法により排水中の水質汚濁性有機化合物を酸化、分解するものである。図2は、図1に示す排水処理装置の処理について、排水の前処理と後処理を含めて説明する概略フローを示す。
図1に示す排水処理装置は、筒状の流路を備え軸線を上下方向にした酸化反応器4と、酸化反応器4の下端の流路入り側に結合されたステンレス製の混合器3と、酸化反応器4の上端の流路出側に結合された同じくステンレス製の気液分配器5と、混合器3に接続された排水流入口1及び酸化剤注入口2と、気液分配器5に接続された排出口6及び排ガス口7と、を含んで構成されている。
本実施形態の酸化反応器4は内径6mm、長さ1200mmのPFA製チューブであるが、等価直径が1〜10mmの流路を備えたものであればよい。排水流入口1は軸線が酸化反応器4の軸線と一致するように取り付けられ、酸化剤注入口2はその軸線が酸化反応器4の軸線と直交するように取り付けられている。また、排ガス口7は軸線が酸化反応器4の軸線と一致するように取り付けられ、排出口6はその軸線が酸化反応器4の軸線と直交するように取り付けられている。
処理対象の排水(以下、処理原水という)には、前処理操作として図2に示すように、排水流入口1の前段に設けられた予混合器(図示せず)で鉄塩と酸が添加される。鉄塩と酸が添加された排水は排水流入口1から混合器3に導入され、同時に酸化剤が酸化剤注入口2から混合器3に導入される。混合器3に導入された排水と酸化剤は酸化反応器4を通過しつつ処理され、処理後の液は、排出口6から排出される。また、酸化反応器4で発生した気体は、排ガス口7から放出される。
排出口6から排出された処理後の液は、後処理操作として固液分離槽(図示せず)に入れられてアルカリが注入され、静置される。アルカリの注入により静置状態で液中から固体を析出させ、処理水とスラッジが分離回収される。
フェントン法の酸化剤としては、過酸化水素が用いられる。一方、鉄塩としては、2価のイオン化合物が好適であり、たとえば鉄塩の硫酸第一鉄、あるいは塩化第一鉄水溶液などが使用される。
前処理操作では、鉄塩として硫酸第一鉄あるいは塩化第一鉄が処理原水に添加され、濃硫酸あるいは塩酸でpH4以下の酸性に調整される。溶液を酸性にするのは、添加した硫酸第一鉄あるいは塩化第一鉄を2価の鉄イオンにして水溶液中に溶解し易くするためである。一方、酸化反応器4では、酸化剤注入口2から酸化剤として過酸化水素の水溶液が注入され、混合器3内で、鉄塩と酸が添加された排水に合流し、酸化反応器4の筒状の流路に流入する。
酸化反応器4の内部では、排水流入口1から流入した2価の鉄イオンが溶解した排水と、酸化剤注入口2から流入した過酸化水素との接触界面でフェントン反応により過酸化水素が分解する。この過酸化水素の分解過程において、酸化成分として強力な酸化力を有するヒドロキシラジカル(・OH)等が生成し、様々な水質汚濁性有機化合物を酸化して分解処理が行なわれる。
一般に過酸化水素は、処理する排水の量に対して0.1〜10質量%、硫酸第一鉄が排水量に対して0.01〜5質量%の添加が適量と言われており、排水中の水質汚濁性有機化合物の量に対してかなり過剰に添加される。このため、酸化反応器4内の液中では、有機化合物の酸化反応で生成した炭酸ガス、および過剰に添加された過酸化水素の分解で生じた酸素ガスから成る微細な気泡が生成する。
従来のタンク形のバッチ式反応器では、過酸化水素の注入された局所的な領域でのみ反応が起こるため、全体が一様に反応するには長時間を要することになる。これに対して、本実施形態の酸化反応器4では内径6mmの流路という狭い空間での反応となるため、反応生成物である炭酸ガスおよび過酸化水素の分解で生成した過剰酸素ガスの微細気泡が液の攪拌、混合を促進し、酸化反応器4内全体で反応が進行する。この結果、短時間で確実に有機化合物の分解反応が進む効果が得られる。本実施形態では内径6mmの流路を用いたが、発明者らの知見によれば、1〜10mmの等価直径を有する流路であれば、生成した微細気泡による液の攪拌、混合が充分に促進される。
酸化反応器4の材質としては、高温とならず、反応が低温で行われる場合には、耐酸性および耐アルカリ性に優れた材質自体で流路を構成してもよい。耐性に優れた材質としては、フッ素等が挙げられ、フッ素系樹脂であるPTFE(ポリテトラフルオロエチレン),PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体),FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体),ETFE(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体),PVDF(ポリビニルデンフルオライド),PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)などがあげられる。このほか、同様に耐性を有する材質を鋼材にコーティングして使用してもよい。
排出口6からの排出された液は、後処理操作として固液分離槽に入れられ、水酸化ナトリウムなどのアルカリ溶液が注入される。アルカリ溶液の注入でpH8程度のアルカリ性にすることで、溶存している鉄イオンが水酸化鉄などになって析出する。固液分離槽に入れられた液はアルカリ溶液注入後静置され、処理水とスラッジに分離回収される。
上記構成の装置により、次のような処理を実施した。模擬排水として、約500mg/Lのエタノール水溶液に1.2wt%の硫酸第一鉄を添加し濃硫酸でpH3にした模擬排水Aと、同様に約500mg/Lのエタノール水溶液に酸化当量の1.5倍モルの過酸化水素を酸化剤として添加した模擬排水Bの2種類を作成した。チューブポンプで排水流入口1から室温の模擬排水Aを、酸化剤注入口2から模擬排水Bを、それぞれ1ml/minで供給した。
排水流入口1から模擬排水Aを、酸化剤注入口2から酸化剤を含む模擬排水Bを、それぞれ同じ流量で供給するのは、酸化剤を処理対象の模擬排水によく混合するためである。必要量の酸化剤のみを酸化剤注入口2から供給した場合、酸化剤の量が少ないため、排水流入口1から供給される処理対象の模擬排水によく混合しない惧れがある。酸化剤である過酸化水素を、排水流入口1から供給される模擬排水Aと同じ量のエタノール水溶液に予め混合し、模擬排水Aと同じ流量で酸化剤注入口2から供給することにより、酸化剤を処理対象の模擬排水によく混合することができる。また、酸化剤である過酸化水素を処理対象の排水に予混合して酸化反応器4に供給することにより、ただの水に過酸化水素を予混合して酸化反応器4に供給する場合よりも、排水処理量を増やすことが可能になる。
排水流入口1から供給された模擬排水Aと、酸化剤注入口2から供給された模擬排水Bは酸化反応器4内で合流して混合され、模擬排水B中の過酸化水素は、模擬排水A中の硫酸第一鉄と接触してフェントン反応を生じ、分解されてヒドロキシラジカル等を生成する。模擬排水中の水質汚濁性有機化合物、すなわちエタノールは、酸化反応器4内を流れながら、前記生成されたヒドロキシラジカル等に酸化され、分解される。
酸化反応器4を通って排出口6から流出してきた液では水質汚濁性有機化合物が分解されており、この液を水酸化ナトリウム溶液で回収し、回収液をペーパーフィルタでろ過して処理水とスラッジに分離した。処理水中のエタノール濃度を測定した結果、供給時に約500mg/Lであったものが10mg/Lに低下していた。なお、排ガス口7から排出されるガスを回収して分析した結果、エタノールの酸化分解で生成する二酸化炭素が確認できた。つまり、従来技術では60%程度であった酸化分解率が、98%程度に向上した。
本実施形態によれば、フェントン反応による水質汚濁性有機化合物の酸化、分解反応が流路内でほぼ均一に起こるため、短時間に確実に水質汚濁性有機化合物の酸化、分解処理を行うことができ、かつ、流路の閉塞が生じる惧れも少ないという効果が得られる。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について図3および図4を用いて説明する。図3は本実施形態に係る排水処理装置の要部構成を示す断面図であり、図4は図3に示す排水処理装置の処理手順を示している。本実施形態が前記第1の実施形態と異なるのは、処理原水に鉄塩を添加せず、触媒と酸化剤の共存下で酸化剤の分解による酸化成分の生成と有機化合物の酸化分解を達成する点と、超音波振動子を用いて反応促進を図る点である。
図3に示す排水処理装置は、外管11と内管12で形成されるアニュラス空間13を備えて構成され軸線を上下方向にして配置された酸化反応器4と、外管11の下端部内に装着された超音波照射手段と、外管11の前記超音波照射手段の上端(後述する振動伝達棒15の上端)と内管12の下端の間に接続された排水流入口1と、外管11の上端に装着された排ガス口7と、外管11の上端部外周に接続された排出口6と、を含んで構成されている。
超音波照射手段は、外管11の下端部内に挿入して装着された振動伝達棒15と、振動伝達棒15の外管11外側端に固着された超音波振動子14とを含んで構成されている。
内管12の外周面には、酸化剤の分解反応を促進する分解触媒と有機化合物の酸化反応を促進する酸化触媒が塗布されている。触媒の担体としては、特に限定されないが、好ましくは、チタン、ジルコニア、ケイ素、アルミニウム、タングステン、鉄、マンガン、セリウム、プラセオジムよりなる群から選ばれる少なくとも1種類を含む酸化物である。これらの担体自体で内管12を形成してもよいが、安価な材料の表面に、触媒をコーティングしてもよい。担体に担持する酸化剤の分解触媒としては、Mn、Fe、貴金属など、また、有機化合物の酸化触媒としては、貴金属、Mn、Niなどが有効であり、これらの触媒から選定する。
本実施形態において、酸化剤の分解反応及び水質汚濁性有機化合物の酸化分解反応は外管11と内管12で形成されるアニュラス空間13で進行し、酸化反応部となるアニュラス空間13の幅は、流路の圧損抵抗の低減と流路閉塞防止のため1mm以上、かつ、触媒と被処理液の接触が気泡の攪拌作用により大きく低下しない10mm以下となるように、外管11の内径と内管12の外径の組合せで決定されている。なお、内管12の下端面は封止されている。
本実施形態では、外管11として内径10mm、長さ1200mmのPFA製チューブを用い、その内部上端側に、外径8mm、長さ1000mmのステンレス製内管を装着した。外管11の下側端の排水流入口部に超音波振動子14の振動伝達棒15を装着した。
内管外周面の接液面は、以下の手順で触媒をコーティングした。内管12の外周面にヤスリをかけて表面を粗(あら)した後、まず担体としてγアルミナのスラリを塗布し、500〜550℃の大気雰囲気で1時間の焼成をしてコーティングした。次に、コーティングした担体量に対して、白金の担持量が0.5wt%となるようにジニトロジアンミン白金(II)硝酸溶液を担体に含浸させ、500〜550℃の大気雰囲気で2時間の焼成を行なった。
処理対象の排水、すなわち処理原水は、図4に示す通り、酸化剤とともに図3に示されていない予混合器に注入され、予混合されたものが被処理水として排水流入口1から酸化反応器4内に供給される。酸化反応器4内に供給された被処理水は、水質汚濁性有機化合物が酸化分解された後、処理水として排出される。具体的には、処理原水に添加された酸化剤が、内管12外周面の酸化剤分解触媒との接触で分解され、酸化成分である活性酸素が生成される。この活性酸素により、排水中の水質汚濁性有機化合物が酸化分解されるが、この反応は、内管12外周面に担持された酸化触媒により促進される。
被処理水中の水質汚濁性有機化合物の酸化分解は、被処理水中の溶存酸素量に依存するため、溶存酸素量を高めることによってさらに処理の効率が高まる。本装置では、酸化反応器4の下側(すなわち上流側)に設けた超音波振動子14の振動を、振動伝達棒15を介して酸化剤の分解領域に伝えることにより、生成した活性酸素のガス化が抑制され、排水中の溶存酸素量を高めて効率のよい酸化分解反応を得ることができる。
また、図を省略するが、外管11にヒーターを取り付け、あるいは供給する排水を、80℃前後に加温することにより、酸化分解効率をさらに高めることができる。
上記構成の装置により、次のような処理を実施した。約500mg/Lのエタノール水溶液を模擬排水として、この模擬排水に過酸化水素を添加した模擬被処理水を作成し、チューブポンプで排水流入口1から酸化反応器4に供給した。供給流量を変え、処理装置内での滞留時間を変化させた時の室温でのエタノール酸化分解率は、9分で6%、28分で16%、77分で38%であり、滞留時間の増加に比例して酸化分解率が向上した。また、25kHz、70ワットと比較的低い出力の超音波を照射すると、前記滞留時間が28分の場合、酸化分解率が19%程度にまで上昇した。さらに、酸化反応器4の外管にヒーターを取付け,70℃程度に加温することによって、前記滞留時間が28分の場合、酸化分解率が超音波照射なしで28%にまで上昇した。
本実施形態によれば、前記第1の実施形態と同様に、水質汚濁性有機化合物の酸化、分解反応が流路内でほぼ均一に起こるため、短時間に確実に水質汚濁性有機化合物の酸化、分解処理を行うことができ、かつ、流路の閉塞が生じる惧れも少ないという効果に加え、鉄塩を使用せずに有機化合物を酸化、分解でき、反応後の後処理操作である、過剰に添加した金属の回収装置の負担を軽減できる。
上記第1及び第2の実施形態では、いずれも酸化反応器1本の例を説明したが、複数本化が容易であり排水の処理量に応じて簡便に増加対応可能である。また、環境にやさしい条件で、水質汚濁性有機化合物を短時間に効率よく分解処理できる。
本発明の第1の実施形態に係る排水処理装置を示す正面図である。 図1に示す第1の実施形態の排水処理手順を示すフロー図である。 本発明の第2の実施形態に係る排水処理装置を示す縦断面図である。 図3に示す第2の実施形態の排水処理手順を示すフロー図である。
符号の説明
1 排水流入口
2 酸化剤注入口
3 混合器
4 酸化反応器
5 気液分配器
6 排出口
7 排ガス口
11 外管
12 内管
13 アニュラス空間
14 超音波振動子
15 振動伝達棒

Claims (7)

  1. 処理対象の排水に酸化剤を混入し、この酸化剤を分解させて活性な酸化成分を発生させ、この酸化成分により排水中の水質汚濁性有機化合物を酸化分解させる排水処理装置であって、前記酸化剤が混入された排水が通流される流路を備え、前記流路の互いに対向する壁面の間隔が1〜10mmである排水処理装置。
  2. 請求項1記載の排水処理装置において、前記流路は、等価直径が1〜10mmの管路であることを特徴とする排水処理装置。
  3. 請求項1記載の排水処理装置において、前記流路は外管と内管とで形成されるアニュラス空間であることを特徴とする排水処理装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の排水処理装置において、前記排水に鉄塩を混入する手段が設けられていることを特徴とする排水処理装置。
  5. 請求項1乃至3のいずれかに記載の排水処理装置において、流路表面に酸化剤の分解触媒が担持されていることを特徴とする排水処理装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の排水処理装置において、流路表面に水質汚濁性有機化合物の酸化触媒が担持されていることを特徴とする排水処理装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の排水処理装置において、酸化剤の分解による酸化成分の発生領域に超音波を照射する超音波照射手段を設けたことを特徴とする排水処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010105864A (ja) * 2008-10-30 2010-05-13 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology 過酸化水素の連続分解方法
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JP2019537499A (ja) * 2016-09-20 2019-12-26 ナショナル・リサーチ・カウンシル・オブ・カナダNational Research Council Of Canada 標的金属分離のための鉄−キャビテーションプロセス

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