JP4386992B2 - ガードル - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウェスト部の着用感が良好なガードルに関する。
【０００２】
【従来の技術】
一般的なガードルは、それぞれ伸縮性編地を素材とする前身片と、後身片と、前身片或いは後身片と一体又は別体の脇腰片及び股当片とから成り、胴回りに密着させるために、そのウェスト部開口縁に沿って伸縮性テープをライニングしてある。
このような従来のガードルでは、伸縮性テープの伸びが身生地で抑えられることになり、このため、加齢に伴って胃部から下腹部にかけて脂肪が付いたり、座った際に腹部が膨張するよう変形すると、ガードルのウェスト部が線状に腹部に食い込んで圧迫され、非常に着用感が悪いという欠点があった。
【０００３】
また、線状の食い込みを防ぐために、ウェスト部に幅広の弾性バンドを装着したガードルが提案されているが、このものも、ウェスト部の伸度は主身生地部分の伸度よりも小さくされており、ウェスト部の圧迫感を十分に改善するものとはいえなかった。
特に、ハードタイプ或いはミディアムタイプのガードルでは、腹部の補整効果を高めるために、腹部中央のウェスト開口縁から下腹部にかけて、伸びの少ない腹押え片を装着してあるので、ウェスト部の伸縮性が抑制されていっそう圧迫感が助長されていた。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、ウェスト部が食い込むことがなく、着用感の良好なガードルを提供することを課題とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明のガードルは、腹部中央のウェスト部から下腹部にかけて、伸度が小さい腹押え片を装着し、前記ウェスト部の一部において、前記腹押え片の上端部両側に、身生地よりも伸度が大きく、且つ、上方に向かって幅を広くした伸縮性編地片を填め込んで、前記ウェスト部の他部よりも伸度が大きい高伸度部を設けて構成される。
高伸度部が局部的に大きく伸縮することにより、ウェスト部開口縁の周長が、姿勢の変化や体型の変化に追随して簡単に伸縮し、しかも、ウェスト部の密着性が失われない。
腹押え片の補正効果を保ったまま、腹押え片で抑えられたウェスト部の伸縮性を確保し、特に食い込みやすい腹部側の伸縮性を高める。
【０００６】
高伸度部の幅を上方に向かって広くした構成により、ウェスト部の周方向の伸張率が上端の開口縁に向かって次第に大きくなる。
【０００７】
【発明の実施の形態】
図１及び図２は、ショート丈のガードル１を示す。このガードル１は、従来のガードルと同様に、前身片２と、左右の後身片３，３’と、後身片３，３’の側方にそれぞれ連設される脇腰片４，４’と、前身片２の左右下端縁に装着される裾周り片５，５’と、後身片３，３’の下端にそれぞれ連接される股部片６，６’とから成る。
そして、左右の後身片３，３’及び股部片６，６’どうしを縫着すると共に、脇腰片４，４’の側縁を前身片２の左右側縁に縫着し、股部片６，６’の先端を前身片２の下端中央部に縫着し、さらに、前身片２の左右の裾口に沿って裾周り片５，５’を縫着してある。
【０００８】
また、股部片６，６’の裏面には股当布１１（図３）が重合され、前身片２、脇腰片４，４’及び後身片３，３’の上端縁が連続して構成されるウェスト部に沿って、伸縮性テープ７が裏打ちされている。
なお、股部片６，６’を、後身片３，３’ではなく前身片２と一体に形成するか、或いは、前身辺２及び後身片３と別体にすることもできる。また、ロング丈或いはスタンダード丈の場合は、裾周り片５，５’に代えて前身片２及び後身片３，３’と一体の脚部片を設ける。
【０００９】
後身片３，３’及び脇腰片４，４’は、ポリウレタン系弾性糸を編成したラッセル編地等の弾性経編地より成り、編地の経方向がガードル１の斜め方向と一致するようバイアス裁断されている。
また、後身片３，３’の下端縁から股部片６，６’の外側縁には、裾口に沿って伸縮性テープ７ａが裏打ちされている。
なお、ヒップアップ効果を高めるために、脇腰片４，４’から後身片３，３’の下端部にかけて、伸度の小さい生地をライニングすることもできる。
【００１０】
前身片２は、ポリウレタン系弾性糸を編成したラッセル編地等の弾性経編地によって形成され、編地の経方向がガードル１の横方向と一致するよう裁断されている。
また、図３に示すように、前身片２の裏面には、伸度の小さい腹押え片８が装着される。この腹押え片８は、前身片２の裏面全面に装着しても良いし、腹部中央のウェスト部から下腹部にかけて装着しても良い。
【００１１】
さらに、前身片２及び腹押え片８の上端部両側寄りに、上端が辺で下端が頂点の三角形の切欠１０を形成すると共に、この切欠１０に前身片２及び後身片３，３’の生地よりも伸度が大きい弾性ネット等の伸縮性編地片を填め込んで縫着し、これによりウェスト部の一部に高伸度部９を形成してある。
高伸度部９は、前身片２、後身片３，３’及び脇腰片４，４’の上端で構成されるウェスト部の他部よりも伸度が大きく、ミディアムタイプのガードルの場合には、上辺の長さ４cm，高さ５cm程度の三角形に形成されている。
【００１２】
なお、高伸度部９の形状は、その幅が上方に向かって広くなっていれば、半長円形等の三角形以外の形状としても良く、その大きさは、素材となる弾性ネットや身生地の伸張率によって適宜変更できる。
【００１３】
【発明の効果】
本発明によれば、高伸度部が局部的に大きく伸縮することにより、ウェスト部の周長が姿勢の変化や体型の変化に追随して伸縮するので、ウェスト部が食い込んで圧迫するのを防ぐことができ、このため、長時間座っていても苦痛を感じることはなく、しかも、ウェスト部の密着性が失われず、体型補整効果を損なうことがない。
また、脂肪が付きやすく、座った場合等に変形しやすい腹部側の伸縮性が増して、腹部への食い込みを防ぐことができ、腹押え片による腹部補整効果を保ったまま、ウェスト部の伸縮性を高めることが可能である。
さらに、ウェスト部の周方向の伸縮率が上端の開口縁に向かって次第に大きくなるので、ウェスト部開口縁の線状の食い込みを無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施形態に係るガードルの正面斜視図
【図２】同上の背面斜視図
【図３】同上の裏面図
【符号の説明】
１ ガードル
２ 前身片
３，３’ 後身片
４，４’ 脇腰片
５，５’ 裾周り片
６，６’ 股部片
７，７ａ 伸縮性テープ
８ 腹押え片
９ 高伸度部
１０ 切欠
１１ 股当布

Claims (1)

1. 腹部中央のウェスト部から下腹部にかけて、伸度が小さい腹押え片を装着し、前記ウェスト部の一部において、前記腹押え片の上端部両側に、身生地よりも伸度が大きく、且つ、上方に向かって幅を広くした伸縮性編地片を填め込んで、前記ウェスト部の他部よりも伸度が大きい高伸度部を設けたことを特徴とするガードル。

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