以下、本発明に係るデータ処理装置を画像形成装置の1つである複合機に適用した形態について、図面を利用して具体的に説明する。
図1は本実施の形態に係る複合機を用いて構築される画像形成システムの概略構成を示す模式図である。図中1は、用紙、OHPフィルム等のシートに画像形成を行うプリント機能、原稿の画像を読み取ってシート上に画像形成を行うコピー機能、原稿の画像を読み取って外部へファクシミリデータを送信するファクシミリ送信機能等を有する複合機であり、該複合機1には、ローカルエリアネットワークLNを介してパーソナルコンピュータ、ワークステーション等の情報処理装置2,2,…,2が接続されており、インターネット網INを介して外部の情報処理装置3及びファクシミリ装置4が接続されている。各情報処理装置2には、文書、グラフィックス等のデータを作成するためのアプリケーションプログラム、及びローカルエリアネットワークLNを介して複合機1を利用するためのドライバプログラム(プリンタドライバ)が予めインストールされており、任意のアプリケーションからプリンタドライバを呼出し、当該プリンタドライバにて生成されたプリントジョブを複合機1へ送信することにより、文書、グラフィックス等を印刷出力する構成となっている。また、インターネット網INを介すことにより、複合機1と外部の情報処理装置3と間で画像データ、電子メール等の送受信を可能にしてあり、複合機1とファクシミリ装置4との間でファクシミリデータ等の送受信を可能にしている。さらに、複合機1には公衆電話回線網PNを介して外部のファクシミリ装置5が接続されており、複合機1とファクシミリ装置5との間でファクシミリデータの送受信を行えるようにしている。
図2は複合機1の内部構成を示すブロック図である。複合機1はCPU11を備えており、該CPU11には、バス12を介してROM13、管理部14、操作パネル15、画像読取部16、画像形成部17、ファクシミリモデム18、通信IF19、画像メモリ20、HDD装置21等のハードウェアが接続されており、ROM13に予め格納された制御プログラムを読み込んで実行することにより、これらのハードウェアを制御し、前述した機能を有する装置として動作させる。管理部14は半導体メモリにより構成されており、その記憶領域の一部は、前述のハードウェアの状態を管理する機器構成管理テーブル、受付けたジョブを管理するジョブ管理テーブル、HDD装置21に記憶するデータを管理するデータ管理テーブル、及び操作パネル15を通じて入力された各種動作設定に関する情報を管理する動作設定管理テーブルとして利用されており、複合機1の動作中に読出処理と書込処理とが随時行われ、各種の処理において必要な情報を一時的に記憶しておくための記憶領域として利用される。
操作パネル15は、利用者の動作指示を受付ける操作部15aと利用者に対して通知すべき情報を表示する表示部15bとからなる。操作部15aは、利用者からの動作指示を受付けるための各種操作キーを備えており、プリント枚数、コピー濃度、ファクシミリデータの送信先等の各機能における設定値、各機能の切替操作、出力開始指示等の利用者の指示を受付ける。表示部15bは、液晶ディスプレイを備えており、複合機1の動作状況、操作部15aを通じて入力された各種の設定値、利用者に対して通知すべき情報等を表示する。また、表示部15bの一部は各種の選択操作を受付けるように構成したタッチパネル方式のソフトウェアキーを備えている。
画像読取部16は、読取り用の原稿に光を照射する光源、CCD(Charge Coupled Device)のようなイメージセンサ、AD変換器等を備えており(不図示)、所定の読取り位置にセットされた原稿の画像を当該イメージセンサに結像させてアナログ電気信号に変換し、得られたアナログ電気信号をAD変換器によりAD変換する。そして、AD変換して得られたデジタル信号に対して、原稿読取時の光源の配光特性、イメージセンサの感度ムラ等の補正を施すことによりデジタル形式の画像データを生成する。
画像形成部17は、例えば、感光体ドラムを所定の電位に帯電させる帯電器、外部から受付けた画像データに応じてレーザ光を発して感光体ドラム上に静電潜像を生成させるレーザ書込装置、感光体ドラム表面に形成された静電潜像にトナーを供給して顕像化する現像器、感光体ドラム表面に形成されたトナー像を用紙、OHPフィルム等のシート上に転写する転写器等(不図示)を備えており、電子写真方式にて利用者が所望する画像を用紙上に形成することができる。
なお、本実施の形態では、画像形成部17はレーザ書込装置を用いた電子写真方式により画像形成を行う構成としたが、インクジェット方式、熱転写方式、昇華方式により画像形成を行わせる構成であっても良いことは勿論である。
ファクシミリモデム18は、公衆電話回線網PNへ接続するための回線終端回路を備えており、公衆電話回線網PNを介して送信された複合機1宛てのファクシミリデータを受信する。ファクシミリモデム18は、受信したファクシミリデータを復号化するための復号化回路を備えており、復号化して得られる画像データを画像メモリ20経由で画像形成部17へ転送し、用紙上にファクシミリデータの印刷を行う。また、ファクシミリモデム18は、送信すべきファクシミリデータを符号化するための符号化回路を備えており、該符号化回路にて符号化したファクシミリデータを目的のファクシミリ装置5へ送信する。ファクシミリモデム18は、このようなファクシミリデータの送受信、及びファクシミリデータの符号化処理・復号化処理を実行する。
通信IF19は、ローカルエリアネットワークLNの通信規格に準拠したインタフェースを備えており、当該ローカルエリアネットワークLNに接続された情報処理装置2,2,…,2からのプリントジョブを受信するとともに、前記情報処理装置2,2,…,2へ通知すべき情報を送信する。また、複合機1が所謂ネットワークスキャナとして利用される場合、画像読取部16にて得られた原稿の画像データを通信IF19を通じて所望の情報処理装置2に送信する。通信IF19ではこのような各種データの送受信の制御を行う。
画像メモリ20は半導体メモリにより構成されており、画像読取部16により原稿の画像を読取って生成した画像データ、ファクシミリモデム18を通じて受信したファクシミリデータから展開される画像データ、及び通信IF19を通じて受信したプリントジョブから展開される画像データを一時的に記憶する。画像メモリ20に一時的に記憶された画像データは、CPU11の指示によりその利用目的に応じた転送先に転送される。すなわち、用紙上に画像形成を行う場合には画像形成部17に転送され、ファクシミリデータとして送信する場合にはファクシミリモデム18に転送され、スキャナデータとして情報処理装置2に送信する場合には通信IF19に転送され、画像データをドキュメントファイリング機能を利用して保存する場合にはHDD装置21に転送される。
HDD装置21はディスク状の磁気記録媒体を備えており、その記憶領域の一部は、外部から受付けたジョブを展開して得られる画像データを記憶するためのデータ記憶領域として利用されている。操作パネル15を通じて要求を受付けた場合、又は情報処理装置2,3からの要求を通信IF19を介して受信した場合、前記データ記憶領域に記憶された画像データを読出すようにしている。そのため、プリント処理の失敗又は出力部数の不足等のためにプリント処理を再度実行する必要がある場合には、データ記憶領域に記憶された画像データを任意に読出してプリント処理を実行させることができる。このデータ記憶領域は、作業領域21a、及びファイリング領域21bに分割されている。作業領域21aは主として作業中データを一時的に保持する領域として利用されており、作業領域21aの空き容量が少なくなった場合、作業領域21aに記憶してから一定時間が経過したデータを自動的にファイリング領域21bに記憶するようにしている。ファイリング領域21bは、データのファイル形式ごと、プリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能、ファクシミリ機能等の処理モードごと、又は利用者が作成したフォルダごと等に整理してデータを記憶する領域であり、消去等の操作指示が行われない限り保存された状態となる。
また、複合機1には、内部で取り扱うデータを保護するために保護機能を追加することができる。複合機1は、データを保護するための制御プログラムが格納されたROM(セキュリティキット22)を装着するためのROM装着部23を備えており、このROM装着部23にセキュリティキット22を装着することにより複合機1にデータの保護機能を追加することができる。図3は保護機能が追加された複合機1の内部構成を示すブロック図である。ROM装着部23にセキュリティキット22を装着して複合機1の電源を投入した場合、CPU11はROM装着部23と通信を行うことによりセキュリティキット22が装着されたことを検出し、セキュリティキット22に格納されている制御プログラムの読出要求を行う。そして、CPU11が前記制御プログラムをロードして実行することにより、複合機1の内部で取り扱うデータの保護を行う構成となっている。セキュリティキット22により追加されるデータの保護機能としては、ジョブ完了後のデータを消去する機能、及びHDD装置21に記憶させるデータを暗号化する機能であり、前記制御プログラムは、ジョブの完了後にデータの消去指示を与えると共に、HDD装置21に記憶するデータを暗号化すべくデータの流れを制御することを行う。
暗号化部22aは、暗号化処理を施すためのデータを入力する入力用バッファ、入力用バッファに設定されたデータに対して所定の暗号化アルゴリズムからなる演算処理を施す演算器、演算器による演算結果を保持する出力用バッファ等により構成される。暗号化アルゴリズムとしては、例えば、AES(Advanced Encryption Standard)を用いることができる。暗号化すべきデータは入力用バッファに入力され、入力用バッファに設定された入力データを取り出して演算器が演算処理を行い、演算処理が完了した段階でその演算結果を出力用バッファに書き込む。複合機1のCPU11は、演算が完了したデータを出力用バッファから取り出すことによって、暗号化部22aによって暗号化されたデータを取得する。
復号化部22bの構成は、基本的に暗号化部22aと同様であり、復号化処理を施すためのデータを入力する入力用バッファ、入力用バッファに設定されたデータに対して所定の復号化アルゴリズムからなる演算処理を施す演算器、演算器による演算結果を保持する出力用バッファ等に備える。復号化すべきデータは入力用バッファに入力され、入力用バッファに設定された入力データを取り出して演算器が演算処理を行い、演算処理が完了した段階でその演算結果を出力用バッファに書き込む。複合機1のCPU11は、演算が完了したデータを出力用バッファから取り出すことによって、復号化部22bによって復号化されたデータを取得する。
なお、本実施の形態では、セキュリティキット22をROM装着部23に装着することで複合機1にデータ保護機能を追加する構成としたが、データの保護機能を追加するための制御プログラムを装置内部の記憶部(例えば、ROM13)に予め格納しておき、管理者等の特定の利用者により所定の操作がなされた時点で初めて前記制御プログラムを起動させ、データの保護機能を追加する構成であっても良い。
複合機1のセキュリティに関する設定やドキュメントファイリング機能に関する設定は、操作パネル15を通じて行えるようにしている。図4は操作パネル15の外観を示す模式図である。前述したように操作パネル15は、各種ハードウェアキーを備える操作部15aと、タッチパネルを採用した液晶ディスプレイ装置を備える表示部15bとにより構成されている。操作部15aが備えるハードウェアキーは、各種の処理に関する利用者の設定を行うためのユーザ設定キー15cの他に、ドキュメントファイリング機能、送信機能、コピー機能、ジョブ状況の表示機能等の各機能を切替えるための機能切替キー、数値入力のためのテンキー、入力された各種設定値をクリアするためのクリアキー、入力された各種設定値を全解除するための全解除キー、コピー開始等を指示するスタートキー等により構成されている。また、表示部15bの一部はタッチパネル方式のソフトウェアキーを構成しており、操作部15aを通じて入力された設定値、利用者に対して報知すべき情報等を表示するとともに、各種設定内容についての選択操作をソフトウェアキーを通じて受付けるようにしている。
また、複合機1にセキュリティキット22が搭載されている場合には、その旨を利用者に対して報知するための識別アイコン15dが表示部15bの左下隅に表示される(図4(b)参照)。この識別アイコン15dはソフトウェアキーにより構成されており、利用者の手により押下操作された場合、搭載されているセキュリティキット22に関する情報が表示部15bに表示される。図5は識別アイコン15dが押下操作された場合に表示される画面の一例を示す模式図である。図5に示した例では、「AR−FR11」という名称のセキュリティキット22が搭載されており、そのバージョンが「@%.12s@」であることを示している。
以下、セキュリティに関する設定、及びドキュメントファイリング機能に関する設定を行う際に受付ける操作を、操作パネル15の表示部15bに表示される画面例を用いて説明する。なお、以下においては、セキュリティキット22が搭載されているものとして説明を行う。本実施の形態に係る複合機1では、キーオペレータと呼ばれる特定の利用者(以下、単に管理者と称する)のみがセキュリティに関する設定を行えるようにしている。図6及び図7はセキュリティ設定画面を呼び出すための操作を行う際に表示部15bに表示される画面の一例を示す模式図である。操作パネル15においてユーザ設定キー15cが押下操作された場合、図6(a)に示したようなユーザ設定画面110が操作パネル15の表示部15bに表示される。このユーザ設定画面110では、ソフトウェアキーとして配置された各種設定ボタンを操作することにより、複合機1がプリント出力した総枚数の表示、画面コントラストの設定、各種データリストのプリント出力の受付け、日付・時刻の設定、給紙トレイの設定、データを送信する際の相手先の登録等を行えるようにしている。
ユーザ設定画面110の下部領域に配置されたキーオペレータプログラムボタン111が押下操作された場合、図6(b)に示したように、キーオペレータコード(例えば、8桁の数値)の入力を受付けるコード受付画面120が操作パネル15の表示部15bに表示される。コード受付画面120には、コード入力欄121が配置されており、操作部15aが備えるテンキーを利用してコードが入力された場合、複合機1のCPU11は、入力されたコードと予め設定されているキーオペレータコードとが一致するか否かの判定を行う。コード入力欄121に入力されたコードと予め設定されているキーオペレータコードとが一致すると判定した場合、図6(c)に示したようなキーオペレータプログラム画面130が操作パネル15の表示部15bに表示される。キーオペレータプログラム画面130には各種の設定ボタンが配置されており、部門管理の設定、省エネルギーの設定、操作設定、デバイス設定、システム管理の設定、コピー機能使用時の設定等を行えるようにしている。
キーオペレータプログラム画面130において、デバイス設定ボタン131が押下操作された場合、図7に示したようなデバイス設定画面140が操作パネル15の表示部15bに表示される。デバイス設定画面140では、原稿検知装置の設定の他、両面機能の使用の可否、メールビンスタッカの使用の可否、原稿送り装置の使用の可否、給紙デスクの使用の可否を設定できるようにしている。デバイス設定画面140の下部領域にセキュリティ設定ボタン141が配置されており、前述の設定に加えてセキュリティに関する詳細設定を行えるようにしている。
図8及び図9はセキュリティ設定画面の一例を示す模式図である。デバイス設定画面140においてセキュリティ設定ボタン141が押下操作された場合、図8及び図9に示したような一連のセキュリティ設定画面150a〜150eが表示される。
図8(a)に示した第1のセキュリティ設定画面150aには、HDD装置21内の全データエリア(データ記憶領域)を消去するための全データエリア消去ボタン151a、HDD装置21内のファイリング領域21bに記憶されたデータを消去するためのファイリングデータ消去ボタン151b、及び完了したジョブに付随する情報を消去するためのジョブ状況完了エリア消去ボタン151cが画面の略中央に配置されており、また、前後のセキュリティ設定画面150e,150bに切替えるための画面切替ボタン151u,151dが画面の右端に配置されている。
第1のセキュリティ設定画面150aにおいて、全データエリア消去ボタン151aが押下操作された場合、全データエリアを消去する意志があるか否かを管理者に再確認した後に全データエリアの消去を行う。図10は全データエリアを消去する際に表示されるダイアログの一例を示す模式図である。図10(a)に示した確認ダイアログ160では、全データエリアを消去する旨の表示を行うと共に、下部領域に選択ボタン161,162を配置して、管理者に全データエリアを消去する意志があるか否かの再確認を行う。選択ボタン161が押下操作された場合、複合機1のCPU11は、消去する意志がないと判断して確認ダイアログ160を削除する。確認ダイアログ160は、第1のセキュリティ設定画面150a上に上書表示される構成であるため、確認ダイアログ160が削除された時点で第1のセキュリティ設定画面150aが再度現れる。また、選択ボタン162が押下操作された場合、複合機1のCPU11は、全データエリアの消去開始を指示すると共に、消去処理の進行状況を示す進行状況確認ダイアログ170を確認ダイアログ160に代えて表示する(図10(b)参照)。全データエリアの消去では、管理部14に格納されている各種管理テーブル、及びHDD装置21内の全記憶領域21a,21bに対してランダムデータを上書きすることにより消去を行う。本実施の形態では、消去回数についても設定できるようにしており、消去を複数回行う場合にはその都度ランダムデータを生成して上書きするようにしている。なお、HDD装置21の所定の記憶領域には、管理者又は利用者が作成したアドレス帳及び送信者リストのデータが格納されているが、このデータについては消去しないように構成されている。
図11は進行状況確認ダイアログ170の表示例を示す模式図である。進行状況確認ダイアログ170では、全データエリアを消去している旨を表示すると共に、その進行状況について数値表示及びレベル表示を行う。例えば、図11(a)に示した例では、消去回数が3回に設定されており、そのうち1回目の32.7%まで消去処理が進んでいることを示している。同様に図11(b)では、2回目の59.8%まで消去処理が進行しており、図11(c)では、3回目の91.2%まで消去処理が進行している様子を示している。このように、各回毎にレベル表示を行うようにしているため、消去処理が完了する時間を見積りやすく、必要に応じて消去処理を中断させることも可能である。
第1のセキュリティ設定画面150aにおいて、ファイリングデータ消去ボタン151bが押下操作された場合、消去すべきデータエリアの選択を受付け、選択されたデータエリア内のデータを消去する。図12は消去すべきデータエリアの選択を受付ける際に表示される画面の一例を示す模式図である。図12(a)に示したデータエリア選択画面180には、HDD装置21のファイリング領域21bに記憶されているデータ(ファイリングデータ)を消去の対象とするためのチェックボックス181aと、ドキュメントファイリング機能を利用して作業領域21aに記憶させたデータ(一時保存データ)を消去の対象とするためのチェックボックス181bとが配置され、管理者による選択を受付ける。2つのチェックボックス181a,181bのうち少なくとも一方が選択された場合、データエリア選択画面180は図12(b)に示したように遷移する。すなわち、画面の右端に消去実行ボタン181cが新たに配置される。
データエリア選択画面180において消去実行ボタン181cが押下操作された場合、チェックボックス181a,181bにより選択したデータエリアを消去する意志があるか否かを管理者に再確認した後、選択されたデータエリアの消去を行う。図13は選択されたデータエリアを消去する際に表示されるダイアログの一例を示す模式図である。図13(a)に示した確認ダイアログ190では、選択したデータエリアのファイリングデータを消去する旨の表示を行うと共に、下部領域に選択ボタン191,192を配置して、管理者に選択したデータエリア内のデータを消去する意志があるか否かの再確認を行う。選択ボタン191が押下操作された場合、複合機1のCPU11は、データを消去する意志がないと判断して確認ダイアログ190を削除する。また、選択ボタン192が押下操作された場合、複合機1のCPU11は、選択されたデータエリアの消去開始を指示すると共に、消去処理の進行状況を示す進行状況確認ダイアログ200を確認ダイアログ190に代えて表示する(図13(b)参照)。選択されたデータエリアの消去では、前記データエリアにランダムデータを上書きすることにより消去を行う。
第1のセキュリティ設定画面150aにおいて、ジョブ状況完了エリア消去ボタン151cが押下操作された場合、ジョブ状況完了エリア内のデータを消去する意志があるか否かを管理者に再確認した後にデータの消去を実行する。ジョブ状況完了エリアには、複合機1の利用者名、ファクシミリデータ及び画像データの宛先の情報、受信データの送信元の情報等が記憶されており、それらの情報の漏洩を防止するために、管理者により手動で消去できるようにしている。図14はジョブ状況完了エリアを消去する際に表示されるダイアログの一例を示す模式図である。図14(a)に示した確認ダイアログ210では、ジョブ状況完了エリアを消去する旨の表示を行うと共に、下部領域に選択ボタン211,212を配置して、管理者にジョブ状況完了エリアを消去する意志があるか否かの再確認を行う。選択ボタン211が押下操作された場合、複合機1のCPU11は、消去する意志がないと判断して確認ダイアログ210を削除する。また、選択ボタン212が押下操作された場合、複合機1のCPU11は、ジョブ状況完了エリアの消去開始を指示すると共に、消去処理の進行状況を示す進行状況確認ダイアログ220を確認ダイアログ210に代えて表示する。ジョブ状況完了エリアの消去では、前記エリア内のデータに対してランダムデータを上書きすることにより消去を行う。
図8(b)に示した第2のセキュリティ設定画面150bには、アドレス帳及びイメージ送信に関する登録データを消去するための登録データ消去ボタン152a、データエリアの消去回数を設定するための消去回数設定ボタン152b、及び電源投入時の自動消去に関する設定をするための自動消去設定ボタン152cが画面の略中央に配置されており、また、前後のセキュリティ設定画面150a,150cに切替えるための画面切替ボタン152u,152dが画面の右端に配置されている。
第2のセキュリティ設定画面150bにおいて、登録データ消去ボタン152aが押下操作された場合、消去すべき登録データの選択を受付けた後、選択された登録データの消去を行う。登録データには、ファクシミリデータの宛先リスト、ファクシミリのメモリボックス、送信者登録リスト、掲示板及び親展データのメモリボックス、発信元情報、受信拒否及び受信許可の設定情報等が含まれる。図15は消去すべき登録データの選択を受付ける際に表示される画面の一例を示す模式図である。図15(a)に示した登録データ消去画面230aには、ファクシミリデータの宛先リスト及びファクシミリのメモリボックスを消去対象とするためのチェックボックス231a、送信者登録リストを消去対象とするためのチェックボックス231b、掲示板及び親展データのメモリボックスを消去するためのチェックボックス231cが配置され、管理者による選択を受付ける。また、登録データ消去画面230aの右端に配置されている画面切替ボタン231dが押下操作された場合、図15(b)に示した登録データ消去画面230bが表示される。登録データ消去画面230bには、発信元情報を消去対象とするためのチェックボックス232a、受信拒否及び受信許可の設定情報を消去対象とするためのチェックボックス232bが配置され、管理者による選択を受付ける。なお、登録データ消去画面230bの右端に配置されている画面切替ボタン232uが押下操作された場合、前述の登録データ消去画面230aに画面が切替わる。
登録データ消去画面230aに配置されるチェックボックス231a〜231c、及び登録データ消去画面230bに配置されるチェックボックス232a,232bのうち1つが選択された場合、画面切替ボタン231d,232uの上側に消去実行ボタンが表示され、この消去実行ボタンが押下操作された場合、選択した登録データを消去する意志があるか否かを管理者に再確認した後、選択された登録データの消去を行う。図16は選択した登録データを消去する際に表示されるダイアログの一例を示す模式図である。図16(a)に示した確認ダイアログ240では、選択した登録データを記憶しているデータエリアを消去する旨の表示を行うと共に、ダイアログの下部領域に選択ボタン241,242を配置して、管理者に選択した登録データを消去する意志があるか否かの再確認を行う。選択ボタン241が押下操作された場合、複合機1のCPU11は、データを消去する意志がないと判断して確認ダイアログ240を削除する。また、選択ボタン242が押下操作された場合、複合機1のCPU11は、登録データの消去開始を指示すると共に、消去処理の進行状況を示す進行状況確認ダイアログ250を確認ダイアログ240に代えて表示する(図16(b)参照)。選択した登録データの消去では、当該登録データを記憶しているデータエリアにランダムデータを上書きすることにより消去を行う。
第2のセキュリティ設定画面150bにおいて、消去回数設定ボタン152bが押下操作された場合、データエリアの消去回数の設定を受付けるための画面が表示される。図17はデータエリアの消去回数の設定を受付ける際に表示される画面の一例を示す模式図である。図17に示した消去回数設定画面260には、消去回数をデクリメントするためのボタン261と、消去回数をインクリメントするためのボタン262とが配置されており、両ボタン261,262の操作により消去回数を1回から7回の間で設定できるようにしている。消去回数設定画面260にて設定された消去回数の情報は、管理部14内の動作設定管理テーブルに登録される。
第2のセキュリティ設定画面150bにおいて、自動消去設定ボタン152cが押下操作された場合、電源投入時に消去するデータエリアを設定するための画面が表示される。図18は電源投入時に消去するデータエリアを設定する際に表示される画面の一例を示す模式図である。図18(a)に示した自動消去設定画面270aには、全データエリアを電源投入時の消去対象とするためのチェックボックス271a、ファイリングデータを電源投入時の消去対象とするためのチェックボックス271b、一時保存データを電源投入時の消去対象とするためのチェックボックス271cが配置され、管理者による選択を受付ける。また、自動消去設定画面270aの右端に配置されている画面切替ボタン271dが押下操作された場合、図18(b)に示した自動消去設定画面270bが表示される。自動消去設定画面270bには、ジョブ状況完了エリアを電源投入時の消去するためのチェックボックス272aが配置され、管理者による選択を受付ける。なお、自動消去設定画面270bの右端に配置される画面切替ボタン272uが押下操作された場合、前述の自動消去設定画面270aに画面が切替わる。これらの自動消去設定画面270a,270bにて設定された情報は、管理部14内の動作設定管理テーブルに登録され、電源投入時に該当エリアのデータが消去される構成となっている。
図8(c)に示した第3のセキュリティ設定画面150cには、電源投入時の自動消去回数を設定するための自動消去回数設定ボタン153a、各ジョブ完了後の自動消去回数を設定するための自動消去回数設定ボタン153b、及びドキュメントファイリング機能に関する禁止設定を行うための禁止設定ボタン153cが画面の略中央に配置されており、また、前後のセキュリティ設定画面150b,150dに切替えるための画面切替ボタン153u,153dが画面の右側に配置されている。
第3のセキュリティ設定画面150cにおいて、自動消去回数設定ボタン153aが押下操作された場合、電源投入時の消去回数の設定を受付けるための画面が表示される。図19は電源投入時の消去回数の設定を受付ける際に表示される画面の一例を示す模式図である。図19に示した消去回数設定画面280には、消去回数をデクリメントするためのボタン281と、消去回数をインクリメントするためのボタン282とが配置されており、両ボタン281,282の操作により消去回数を1回から7回の間で設定できるようにしている。消去回数設定画面280にて設定された消去回数の情報は、管理部14内の動作設定管理テーブルに登録される。
第3のセキュリティ設定画面150cにおいて、自動消去回数設定ボタン153bが押下操作された場合、各ジョブ完了後の消去回数の設定を受付けるための画面が表示される。図20は各ジョブ完了後の消去回数の設定を受付ける際に表示される画面の一例を示す模式図である。図20に示した消去回数設定画面290には、消去回数をデクリメントするためのボタン291と、消去回数をインクリメントするためのボタン292とが配置されており、両ボタン291,292の操作により消去回数を1回から7回の間で設定できるようにしている。消去回数設定画面290にて設定された消去回数の情報は、管理部14内の動作設定管理テーブルに登録される。
第3のセキュリティ設定画面150cにおいて、禁止設定ボタン153cが押下操作された場合、ドキュメントファイリング機能に関する禁止設定を受付けるための画面が表示される。図21〜図23はドキュメントファイリング機能に関する禁止設定を受付ける際に表示される画面の一例を示す模式図である。図21に示したドキュメントファイリング禁止設定画面300a,300bには、一時保存モード、共有モード、及び親展モードの各モード毎、並びにコピー機能、プリンタ機能、スキャン保存機能、及びファクシミリ・イメージ送信機能の各機能毎に禁止設定を受付けるためのチェックボックス群301,302がそれぞれ配置されている。なお、図21(a)に示したドキュメントファイリング禁止設定画面300aと、図21(b)に示したドキュメントファイリング禁止設定画面300bとは、夫々に配置されている画面切替ボタン301d,302uによって互いに切替え可能な構成となっている。
一時保存モードは、各機能により取込んだデータを作業領域21a内に一時保存フォルダへ記憶させるモードであり、新たに取込んだデータが所定件数に達した場合、又は予め設定された容量を越えることになる場合、古いデータから順次的に消去される構成となっている。共有モードは、各機能においてパスワードが付されていないデータをファイリング領域21b内の共有フォルダに記憶させるモードである。共有モードにより記憶させたデータの読出時には利用者認証が不要となり、利用者は任意にデータを読み出すことができる。親展モードでは、各機能により取込んだデータをファイリング領域21b内の親展フォルダに記憶させるモードであり、パスワードを付して記憶させることも可能であり、パスワードを付さずに記憶させることも可能である。パスワードを付して記憶させたデータについてはデータの読出時にパスワードによる認証が必要となる。
本実施の形態に係る複合機1では、各モード毎、各機能毎にドキュメントファイリング機能の禁止設定を設けることで、利用者に対してドキュメントファイリング機能の様々な利用方法を提案する。例えば、図22(a)に示したように一時保存モードのみを禁止して、共有モード及び親展モードによる保存を許可する構成である場合には、各利用者がデータを管理できる状態にある場合にのみデータの保存を許可することができる。また、図22(b)に示したように、一時保存モードと共有モードとを禁止して、親展モードのみを許可する構成である場合には、利用者に対してセキュリティを意識した利用方法を提案する。すなわち、複合機1が備える操作パネル15の操作を受付けるまで出力が開始されない構成となるため、印刷物の取り忘れ等による情報の漏洩が防止される。なお、複合機1の初期状態では、親展フォルダへの保存を許可し、一時保存フォルダ及び共有フォルダへの保存を禁止するように設定されている。
共有モードの各項目のチェックボックスは、親展モードの各項目のチェックボックスに連動してチェックが入る構成となっている。すなわち、図22(a)に示した状態において親展モードの項目にチェックを入れた場合、自動的に共有モードの該当項目にチェックが入るようになっている(図23(c)参照)。また、親展モードによるデータの保存を禁止したまま、共有モードによるデータの保存を許可することも可能である(図23(d)参照)。この場合、パスワードを付してデータを保存することを禁止する構成であるため、HDD資源を私的に利用することが制限される。
図9(d)に示した第4のセキュリティ設定画面150dには、データリストのプリント出力に関する禁止設定を行うためのデータリストプリント禁止設定ボタン154a、ホールドプリント以外のプリントジョブを禁止するか否かの選択を受付けるチェックボックス154b、及び完了したジョブに付随する情報の表示に関する設定を行うための表示設定ボタン154cが画面の略中央に配置されており、また、前後のセキュリティ設定画面150c,150eに切替えるための画面切替ボタン154u,154dが画面の右端に配置されている。
第4のセキュリティ設定画面150dにおいて、データリストプリント禁止設定ボタン154aが押下操作された場合、図6(a)に示したユーザ設定画面110により可能なデータリストの出力を禁止するための設定画面が表示される。図24はデータリストの出力禁止設定をする際に表示される画面の一例を示す模式図である。図24に示したデータリストプリント禁止設定画面310には、全設定リスト、宛先登録リスト、送信者登録リスト、ドキュメントファイリング登録リストの各項目毎に印刷の禁止設定を受付けるべく、各項目に対応させたチェックボックスが設けられている。チェックボックスが選択された項目のデータリストのプリント出力は禁止される。
第4のセキュリティ設定画面150dにおいて、チェックボックス154bが選択された場合、ホールドプリント以外のプリントジョブが禁止される。この禁止設定がなされている場合、通信IF19を通じて受信したプリントジョブは全て複合機1の内部にて一旦保持され、当該プリントジョブを送信した利用者が操作パネル15を通じて利用者認証を行い、出力指示を与えた時点で印刷出力が開始されるようになる。そのため、出力済みの印刷物が排紙トレイ上に残らないようにすることができ、第三者による印刷物の持ち出し等による情報の漏洩が防止される。
第4のセキュリティ設定画面150dにおいて、表示設定ボタン154cが押下操作された場合、ジョブ状況完了エリアに記憶されている情報の表示の可否について各モード毎に設定するための画面が表示される。図25は完了ジョブリストの表示に関わる画面の一例を示す模式図である。図25(a)に示したジョブ状況完了エリア表示設定画面320には、プリントモード、E−MAIL/FTP送信モード、ファクシミリモード、インターネットFAX送信モードの各モード毎に表示設定を受付けるべく、各モードに対応させたチェックボックスを設けている。チェックボックスがチェックされたモードの完了ジョブリストは、操作パネル15の操作部15aが備えるジョブ状況表示キーを押下操作したときに表示されるようになり、チェックが外されたモードの完了ジョブリストの表示は禁止されるようになる。
図25(b)は操作パネル15にてジョブ状況表示キーを押下操作したときに表示部15bに表示されるジョブ状況表示画面330を示している。ジョブ状況表示画面330では、ユーザ名又はモード名、部数、及びジョブの進行状況を互いに関連付けて表示する。これらの情報は各モード毎に表示できるようにしており、また、画面の右端側に配置された表示切替ボタン331により、予約されているジョブ及び実行中のジョブの状況と、既に処理が完了したジョブの状況とを切替えて表示できるようにしている。また、ジョブ状況完了エリア表示設定画面320において何れかのチェックが外されている場合、完了ジョブリストは表示されないため、図25(c)に示したように表示切替ボタン331は配置されず、予約中のジョブ、及び実行中のジョブのみを表示するようにしている。
図9(e)に示した第5のセキュリティ設定画面150eには、ファクシミリ番号の直接入力を禁止するか否かの選択を受付けるチェックボックス155a、及び再送信キーの使用を禁止するか否かの選択を受付けるチェックボックス155bが画面の略中央に配置されており、また、前後のセキュリティ設定画面150d,150aに切替えるための画面切替ボタン155u,155dが画面の右端に配置されている。
第5のセキュリティ設定画面150eにおいて、チェックボックス155aが選択された場合、操作パネル15のテンキーを利用してファクシミリ番号が直接的に入力されることを禁止する。すなわち、管理者等によって予め設定されたファクシミリ番号以外を宛先として選択することができなくなり、想定外の場所へデータが漏洩することが防止される。
第5のセキュリティ設定画面150eにおいて、チェックボックス155bが選択された場合、ファクシミリデータの再送信キーの使用が禁止される。そのため、既に送信されたファクシミリデータの宛先の情報を第三者が不正に入手することを防止することができる。
以下、複合機1の動作をフローチャートを用いて説明する。図26は電源投入時における初期動作の実行手順を説明するフローチャートである。複合機1を構成するハードウェア各部に電力を供給すべく電源が投入された場合、複合機1のCPU11は、ハードウェア各部と通信を行い、搭載されているハードウェアの情報及びそれらの動作状況についての情報を取得し、システムチェックを行う(ステップS11)。システムチェックを行った結果、搭載されているハードウェアに異常があるか否か、すなわち、システムエラーを検出したか否かを判断する(ステップS12)。システムエラーを検出したと判断した場合(S12:YES)、異常を検出した旨のエラーメッセージを操作パネル15上の表示部15bに表示してエラー処理を行う(ステップS13)。
システムチェックの結果、システムエラーが検出されなかった場合(S12:NO)、画像形成部17等のウォームアップを開始する(ステップS14)。次いで、複合機1のCPU11は、管理部14内の動作設定管理テーブルを参照することにより、電源投入時の自動消去設定がなされているか否かを判断する(ステップS15)。電源投入時の自動消去設定がなされていると判断した場合(S15:YES)、図18に示した自動消去設定画面270a,270bにて設定された内容を参照して消去すべきデータエリアを確認し(ステップS16)、指定されたデータエリア内のデータを消去する(ステップS17)。このとき、図11に示したような消去処理の進行状況を示す画面を操作パネル15の表示部15bに表示する。次いで、複合機1のCPU11は、図19に示した消去回数設定画面280にて設定された設定回数を参照し、設定回数分の消去が完了したか否かを判断する(ステップS18)。設定回数分の消去が完了していないと判断した場合(S18:NO)、処理をステップS17へ戻し、設定回数分の消去が完了したと判断した場合(S18:YES)、ステップS14で開始したウォームアップが完了したか否かを判断する(ステップS19)。ウォームアップが完了していないと判断した場合(S19:NO)、ウォームアップが完了するまで待機し、ウォームアップが完了したと判断した場合(S19:YES)、各種ジョブの入力を待ち受ける待機状態にする(ステップS20)。
なお、ステップS15において、電源投入時の自動消去設定がなされていないと判断した場合(S15:NO)、ステップS19以降の処理を実行し、ウォームアップが完了した時点で(S19:YES)、各種ジョブの入力を待ち受ける待機状態にする(S20)。
図27はジョブを受付けた際に複合機1が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。前述の初期動作が完了し、待機状態にある複合機1のCPU11は、外部からのジョブを受付けたか否かを適宜判断する(ステップS21)。複合機1が受付けるジョブとしては、原稿のコピーを指示するジョブ、ファクシミリデータに基づいてプリント出力を指示するジョブ、通信IF19を通じて受信する情報処理装置2からのプリントジョブ、ドキュメントファイリング機能を利用をしたデータの保存を指示するジョブ等が挙げられ、操作パネル15にて入力される情報、ファクシミリモデム18又は通信IF19にて受信する情報を監視することによりジョブを受付けたか否かを判断することができる。
外部からのジョブを受付けていないと判断した場合(S21:NO)、ジョブを受付けるまで待機し、外部からのジョブを受付けたと判断した場合(S21:YES)、受付けたジョブを展開する(ステップS22)。複合機1はジョブを展開することにより、処理対象のデータ(例えば、印刷用の画像データ)と、当該データを処理する際の指示情報とを取得する。取得した処理対象のデータが画像データである場合には画像メモリ20にてその画像データを一時的に保持する。そして、複合機1のCPU11は、受付けたジョブがデータの保存を指示しているか否かを判断する(ステップS23)。データの保存を指示していないと判断した場合(S23:NO)、受付けたジョブが印刷処理を指示しているか否かを判断する(ステップS24)。印刷処理を指示していると判断した場合(S24:YES)、画像メモリ20に保持させてあるデータ(画像データ)を画像形成部17へ転送し、画像形成部17にて用紙上に印刷処理を実行する(ステップS25)。また、印刷処理を指示していないと判断した場合(S24:NO)、ファクシミリデータの送信、画像データの送信等の他の処理を実行して(ステップS26)、本ルーチンによる処理を終了する。
また、ステップS23において、受付けたジョブがデータの保存を指示していると判断した場合(S23:YES)、前記ジョブが指定している保存モードを確認する(ステップS27)。本実施の形態では、HDD装置21にデータを記憶させるときのモード(保存モード)として、一時保存モード、共有モード、及び親展モードを用意しており、操作パネル15を通じてなされた選択操作、又は情報処理装置2を通じてなされた選択操作により保存モードが選択されている。保存モードを確認した後、複合機1のCPU11は、ドキュメントファイリング禁止設定画面300a,300bを通じてなされた設定内容を確認する(ステップS28)。次いで、ジョブにより指定されている保存モードによりデータを保存することが可能であるか否かを判断し(ステップS29)、ドキュメントファイリング禁止設定画面300a,300bによりデータの保存が禁止されておらず、保存が可能であると判断した場合(S29:YES)、指定されたデータエリアにデータを保存する(ステップS30)。すなわち、一時保存モードが指定されている場合には、保存先のデータエリアとしてHDD装置21内の作業領域21aを指定してデータを保存し、供給モード又は親展モードが指定されている場合には、保存先のデータエリアとしてファイリング領域21b内の共有フォルダ又は個人フォルダを指定してデータを保存する。
次いで、ステップS21にて受付けたジョブが印刷処理を指示しているか否かを判断し(ステップS31)、印刷処理を指示していると判断した場合(S31:YES)、画像メモリ20に保持させてあるデータ(画像データ)を画像形成部17へ転送し、画像形成部17にて用紙上に印刷処理を実行させる(ステップS32)。また、前記ジョブが印刷処理を指示していないと判断した場合(S31:NO)、ファクシミリデータの送信、画像データの送信等の他の処理を実行する(ステップS33)。
なお、本実施の形態では、受付けたジョブがデータの保存及び印刷処理の双方を指示している場合、データの保存を行った後に印刷処理を実行する構成としたが、印刷処理を実行した後にデータの保存を行う構成であっても良く、また、受付けたジョブにより実行順序を指定している場合には、その順序に従って処理を行う構成であっても良い。
一方、ドキュメントファイリング禁止設定画面300a,300bによりデータの保存が禁止されており、保存が可能でないと判断した場合(S29:NO)、データの保存が禁止されている旨を通知する(ステップS34)。この通知は、操作パネル15の表示部15b又は情報処理装置2の表示部(不図示)に通知画面を表示させることにより行う。図28は通知画面の一例を示す模式図である。この通知画面340ではデータの保存が禁止されている旨の表示を行う共に、保存モードの変更意志の確認を行う(図28(a)参照)。通知画面340の下部領域には、保存モードを変更するか否かの選択を受付ける選択ボタン341,342が配置されており、選択ボタン342が押下操作された場合、保存モードを変更しない旨が複合機1に通知され、選択ボタン341が押下操作された場合、図28(b)に示したように、保存モードの選択画面350を操作パネル15の表示部15b又は情報処理装置2の表示部(不図示)に表示する。保存モードの選択画面350には、各保存モードに対応させた選択ボタン351〜353が配置されており、何れかの選択ボタン351(又は選択ボタン352,353)が選択された場合、変更後の保存モードの情報が複合機1に通知される。なお、ドキュメントファイリング禁止設定画面300a,300bにて保存が禁止されている保存モードについては、選択ボタン351〜353をグレーアウト表示して利用者の選択を受付けないようにしている。
複合機1のCPU11は、操作パネル15又は情報処理装置2から出力された通知に基づいて、保存モードの変更を受付けたか否かを判断する(ステップS35)。保存モードの変更を受付けた場合には(S35:YES)、処理をステップS29へ戻し、保存モードの変更を受付けていない場合には、(S35:NO)、ステップS31の処理を実行して印刷処理(S32)又はその他の処理を実行する(S33)。
なお、本実施の形態では、ドキュメントファイリング禁止設定画面300a,300bにおいて禁止されている保存モードによりデータを保存しようとする場合、保存モードの変更を受付けた上で保存を許可する構成としたが、保存モードの変更自体を禁止する形態であっても良く、また、管理者による認証が行われた場合にのみ、保存モードを変更できる構成としても良い。