JP4136919B2 - データ処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、データの保護機能を有するデータ処理装置に関する。
原稿の画像をアナログ式の複写機を利用して複写する環境から、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置と、プリンタ装置、複合機等の画像形成装置とを通信ネットワーク下に接続したシステムを構築して、情報処理装置から電子化された画像データを送信し、画像形成装置に印刷等の処理を実行させる環境への移行が進んでいる。このようなシステムでは、原稿の画像を電子データにより送信して印刷を行わせることができ、HDD装置(HDD : Hard Disk Drive)等の記憶手段に電子データを記憶させて管理することができるため利便性が向上するという利点を有する。しかしながら、電子化された文章の情報は、容易に複写、改竄、転送等が可能となるため、データの管理において機密性の保護の強化が望まれている。
そこで、従来では、HDD装置に記憶させる電子データを暗号化してデータの保護を図る画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような画像形成装置では、外部からプリントジョブを受信した場合、プリントジョブを展開して得られる画像データを暗号化し、その上でHDD装置に画像データを記憶する。そして、実際に画像形成を行う段階で画像データを復号化し、画像形成装置の印字部へ転送することにより画像形成を行う。したがって、悪意のある第三者が画像形成装置に搭載されているHDD装置を持ち出した場合、又は通信ネットワークを経由して不正にアクセスした場合であっても、内部に記憶されているデータを解読することは困難であり、データの漏洩を効果的に防止することができる。
一方、画像形成装置から離れた場所に設置された情報処理装置から処理の依頼が可能となるため、プリントジョブを情報処理装置から画像形成装置に対して送信した後、実際に利用者が出力された印刷物を取りに来るまでの間、排紙トレイ上に印刷物が放置された状態となっている。特に、複数ページに亘るようなデータを出力指示した利用者は、印刷が完了した頃を見計らって出力された印刷物を取りに行くため、排紙トレイ上に出力された印刷物が別の利用者に見られたり、誤って持ち出されて紛失する虞があるという問題点を有している。
そこで、従来では情報処理装置から送信されたプリントジョブを画像形成装置にて一時的に蓄積しておき、その後の利用者による出力要求を確認し、利用者認証を行った上でプリント出力を開始する、いわゆる、ホールドプリント機能を有する画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平1−256068号公報 特開平10−16355号公報
しかしながら、ホールドプリント機能を利用するためには、プリントジョブを送信するときに情報処理装置側のプリンタドライバにてプリントジョブを蓄積することを選択し、利用者認証のためのパスワードの設定を行う必要がある。そのため、利用者がそれらの設定を忘れた場合、又は煩わしさから設定を行わなかった場合には、印刷物が排紙トレイに放置される虞がある。すなわち、前述したデータを暗号化する機能と、利用者の出力要求を受けて出力を開始するホールドプリント機能とが画像形成装置に搭載されている場合であっても、両者はそれぞれ独立した機能として搭載されているため、画像形成装置の内部で取り扱うデータに関しては暗号化して保護を図っているにも関わらず、ホールドプリントの設定を行わなかったために出力された印刷物により情報の漏洩が起こり得るという問題点を有している。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、データを受付けた場合に当該データを処理する第1の処理と、外部から処理要求を受付けるまで待機した後にデータを処理する第2の処理とを選択的に実行することができ、受付けたデータを保護するデータ保護手段の動作状況に応じて前記第1又は第2の処理を停止する構成とすることにより、データ保護手段の動作状況に応じて、データの漏洩を防止し得る処理を優先的に実行させ、機密性の保護の強化を図ることができるデータ処理装置を提供することを目的とする。
本発明に係るデータ処理装置は、外部から通信インタフェースを介してプリントジョブを受付ける手段を備え、該手段にてプリントジョブを受付けた場合に該プリントジョブを展開して得られる画像データに基づいて印刷を行う第1の処理と、操作パネルを通じて処理要求を受付けるまで待機した後に前記プリントジョブを展開して得られる画像データに基づいて印刷を行う第2の処理とを選択的に実行するデータ処理装置において、受付けたプリントジョブを展開して得られる画像データを保護するデータ保護手段と、該データ保護手段の動作状況を検出する検出手段と、前記データ保護手段が動作することを前記検出手段が検出した場合、前記第1の処理を停止させる手段とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、データを受付けた場合に当該データを処理する第1の処理と、外部から処理要求を受付けるまで待機した後にデータを処理する第2の処理とを選択的に実行することができ、受付けたデータを保護するデータ保護手段の動作状況に応じて前記第1又は第2の処理を停止するようにしている。したがって、データ保護手段が動作するような状況下で第1の処理を停止させた場合、装置内部のデータについてはデータ保護手段により保護され、処理後のデータについては処理要求を行った利用者自身により保護されることとなるため、機密性の保護が確実となる
本発明にあっては、データ保護手段が動作することを検出した場合、データを受付けた場合に当該データを処理する第1の処理を停止するようにしている。したがって、装置内部のデータについてはデータ保護手段により保護され、処理後のデータについては処理要求を行った利用者自身により保護されることとなるため、機密性の保護が確実となる。
本発明に係るデータ処理装置は、前記データ保護手段を着脱可能になしてあり、前記データ保護手段の装着の有無を検出する手段を備えることを特徴とする。
本発明にあっては、データ保護手段を着脱可能にしてあると共に、データ保護手段の装着の有無を検出するようにしてある。したがって、必要に応じてデータの保護機能を追加することができ、データ保護手段が装着されたことを検出した場合には、データの漏洩を防止し得る処理が優先的に実行される。
本発明に係るデータ処理装置は、利用者に係る情報を記憶する記憶手段と、前記第2の処理を実行する場合に利用者に係る情報を受付ける手段と、該手段にて受付けた情報が前記記憶手段に記憶されているか否かを判断する手段とを備え、前記記憶手段に記憶された情報であると判断した場合、前記処理要求に基づく処理を実行すべくなしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、第2の処理を実行する場合に利用者に係る情報を受付け、受付けた情報が予め記憶してある情報と一致すると判断した場合、処理要求に基づく処理を実行するようにしてある。したがって、第2の処理を実行する場合には利用者認証が行われることとなり、予め定めた利用者以外の者によるデータへのアクセスが制限される。
本発明に係るデータ処理装置は、前記データ保護手段は受付けたデータを暗号化する手段であることを特徴とする。
本発明にあっては、受付けたデータを暗号化して保護するようにしているため、データの保護の強化が図れる。
本発明に係るデータ処理装置は、停止させた処理を再開させるべき旨の要求を受付ける手段を備え、前記要求を受付けた場合、前記処理を再開すべくなしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、停止させた処理を再開させるべき旨の要求を受付けた場合には、前記処理を再開させるようにしている。したがって、利用者の要求に応じて処理効率を優先させることが可能となる。
本発明による場合は、データを受付けた場合に当該データを処理する第1の処理と、外部から処理要求を受付けるまで待機した後にデータを処理する第2の処理とを選択的に実行することができ、受付けたデータを保護するデータ保護手段の動作状況に応じて前記第1又は第2の処理を停止するようにしている。したがって、データ保護手段が動作するような状況下で第1の処理を停止させた場合、装置内部のデータについてはデータ保護手段により保護され、処理後のデータについては処理要求を行った利用者自身により保護されることとなるため、データの漏洩を確実に防止することができる
本発明による場合は、データ保護手段が動作することを検出した場合、データを受付けた場合に当該データを処理する第1の処理を停止するようにしている。したがって、装置内部のデータについてはデータ保護手段により保護され、処理後のデータについては処理要求を行った利用者自身により保護されることとなるため、データの機密性を確実に保護することができる。
本発明による場合は、データ保護手段を着脱可能にしてあると共に、データ保護手段の装着の有無を検出するようにしてある。したがって、必要に応じてデータの保護機能を追加することができ、データ保護手段が装着されたことを検出した場合には、データの漏洩を防止し得る処理を優先的に実行させることができる。
本発明にあっては、第2の処理を実行する場合に利用者に係る情報を受付け、受付けた情報が予め記憶してある情報であると判断した場合、処理要求に基づく処理を実行するようにしてある。したがって、第2の処理を実行する場合には利用者認証が行われることとなり、予め定めた利用者以外の者がデータへアクセスすることを制限することができ、データの機密性を保護することができる。
本発明による場合は、受付けたデータを暗号化して保護するようにしているため、データの保護の強化を図ることができる。
本発明による場合は、停止させた処理を再開させるべき旨の要求を受付けた場合には、前記処理を再開させるようにしている。したがって、利用者の要求に応じて処理効率を優先させることができる。
以下、本発明に係るデータ処理装置をプリンタ装置、複合機等の画像形成装置に適用した形態について、図面を利用して具体的に説明する。
図1は本実施の形態に係る画像形成装置を用いて構築される画像形成システムの概略構成を示す模式図である。図中10は、用紙、OHPフィルム等のシートに画像形成を行うプリント機能、原稿の画像を読取ってシート上に画像形成を行うコピー機能、原稿の画像を読取って外部のファクシミリ装置へファクシミリデータを送信するファクシミリ機能を有する画像形成装置であり、該画像形成装置10には通信ネットワークNを介してパーソナルコンピュータ、ワークステーション等の情報処理装置PC,PC,…,PCが接続されている。各情報処理装置PCには、文書、グラフィックス等のデータを作成するためのアプリケーションプログラム、及び通信ネットワークNを介して画像形成装置10を利用するためのドライバプログラム(プリンタドライバ)が予めインストールされており、任意のアプリケーションからプリンタドライバを呼出し、当該プリンタドライバにて生成されたプリントジョブを画像形成装置10へ送信することにより、文書、グラフィックス等を印刷出力する構成となっている。また、画像形成装置10には図に示していないファクシミリ装置が接続されており、画像形成装置10とファクシミリ装置との間にてファクシミリデータの送受信を行えるようにしている。
図2は画像形成装置10の内部構成を示すブロック図である。画像形成装置10は、CPU11を備えており、該CPU11にはROM12、管理部13、操作パネル14、通信インタフェース15、画像メモリ16、画像形成ユニット18等のハードウェアが接続されている。ROM12にはこれらのハードウェアを制御する制御プログラムが予め格納されており、画像形成装置10の電源投入時にCPU11が前記制御プログラムをロードして実行することにより前記ハードウェアを制御し、本発明のデータ処理装置として動作するように構成されている。
管理部13は半導体メモリにより構成されており、通信インタフェース15を通じて受信したプリントジョブの情報を登録できるようにしている。画像形成装置10が受信するプリントジョブは、受信した順に処理を実行する通常ジョブと操作パネル14を通じて出力要求を受付けるまで待機するホールドジョブとの2種類に大別されており、本実施の形態ではこれらのジョブを区別して管理するようにしている(図3参照)。
操作パネル14は各種ハードウェアキーを備える操作部と液晶ディスプレイを備える表示部とにより構成されており(図7参照)、機能の切替操作、原稿の読取開始指示等の利用者の指示を受付けるとともに、利用者に対して報知すべき情報等を表示する。
通信インタフェース15は通信ネットワークNの通信規格に準拠したインタフェースを備えており、通信ネットワークNを介して接続された情報処理装置PC,PC,…,PCからのプリントジョブを受信すると共に、画像形成装置10のハードウェア構成に係る情報、動作状況に係る情報等を情報処理装置PC,PC,…,PCへ送信する。通信インタフェース15ではこのような通信ネットワークNにおける各種情報の送受信を制御する。
画像メモリ16は通信インタフェース15にて受信したプリントジョブを展開して得られる画像データを記憶し、HDD装置17又は画像形成ユニット18へ送出する。HDD装置17はディスク状の磁気記録媒体を有する記憶装置であり、その記憶領域の一部は印刷用の画像データを記憶するためのデータ記憶領域として利用されている。HDD装置17に記憶された画像データは、操作パネル14を通じて要求を受付けた場合、又は通信ネットワークNを介して情報処理装置PCからの要求を受付けた場合、HDD装置17から読出され、CPU11が指示するタイミングにて画像形成ユニット18へ送出される。そのため、印刷出力の失敗、印刷部数の不足等により、再度印刷出力を実行する必要がある場合には、HDD装置17から読出した画像データに基づいて印刷出力を実行させることができる。
画像形成ユニット18は、例えば、感光体ドラムを所定の電位に帯電させる帯電器、印刷用の画像データに応じてレーザ光を発して感光体ドラム上に静電潜像を生成させるレーザ書込装置、感光体ドラム表面に形成された静電潜像にトナーを供給して顕像化する現像器、感光体ドラム表面に形成されたトナー像をシート上に転写する転写器等(不図示)を備えており、電子写真方式にて利用者が所望する画像をシート上に形成することができる。
なお、本実施の形態では、画像形成ユニット18はレーザ書込装置を用いた電子写真方式により画像形成を行う構成としたが、インクジェット方式、熱転写方式、昇華方式により画像形成を行わせる構成であっても良いことは勿論のことである。
図3は画像形成装置10の管理部13が備える管理テーブルの一例を示す概念図である。前述したように、画像形成装置10では受信した順に処理を実行する通常ジョブと操作パネル14を通じて出力要求を受付けるまで待機するホールドジョブとを区別して管理するようにしている。そのため、管理部13は、通常ジョブを管理するための通常ジョブ管理テーブル13aとホールドジョブを管理するためのホールドジョブ管理テーブル13bとを備えている。通常ジョブ管理テーブル13aでは、通常ジョブを受信した日時、通常ジョブの送信元の装置名(利用者)、印刷時のサイズ、枚数、部数等の情報と、通常ジョブの処理状況に関する情報とを互いに関連付けて記憶している。同様に、ホールドジョブ管理テーブル13bでは、ホールドジョブを受信した日時、ホールドジョブの送信元の装置名(利用者)、印刷時のサイズ、枚数、部数等の情報、ホールドジョブの処理状況、及びホールドジョブに付されているパスワードを互いに関連付けて記憶している。
本実施の形態では、画像形成装置10の内部で取り扱うデータの保護が必要となる場合に、前述した画像形成装置10に対してデータの保護機能を追加できるようにしている。図4はデータの保護機能が追加された画像形成装置10の内部構成を示すブロック図である。データの保護機能の追加は、暗号化処理及び復号化処理を実行するように構成したセキュリティキット19を追加することにより実現する。具体的には、セキュリティキット19をROMにより提供しており、予め設けられた所定のスロット(不図示)に当該セキュリティキット19を装着することでデータの保護機能を追加することができる。
このセキュリティキット19は、データを暗号化する暗号化部19aと暗号化されたデータを復号化する復号化部19bとを備えている。暗号化部19aは、プリントジョブを展開して取得した画像データを一時的に保持する入力バッファと、該入力バッファに入力された画像データに対して所定の暗号化アルゴリズムからなる演算処理を施す演算部と、該演算部による演算結果を一時的に保持する出力バッファとを有する。暗号化部19aにより暗号化された画像データは画像メモリ16へ送出される。そのため、セキュリティキット19が前記スロットに装着されている場合には、HDD装置17に蓄積される画像データが暗号化されていることとなり、HDD装置17が悪意のある第三者によって持ち出された場合であっても、元の画像データを容易に再現できないように構成されている。
復号化部19bは、暗号化された画像データを一時的に保持する入力バッファと、該入力バッファに入力された画像データに対して所定の復号化アルゴリズムからなる演算処理を施す演算部と、該演算部による演算結果を一時的に保持する出力バッファとを有する。復号化部19bにより復号化された画像データは画像形成ユニット18へ送出される。
図4に示した画像形成装置10ではプリントジョブから展開される画像データを全て暗号化する構成であったが、受信したプリントジョブに応じて暗号化する処理と暗号化しない処理とを切替えるようにしても良い。図5はデータ保護機能が追加された画像形成装置10の変形例を示すブロック図である。この画像形成装置10ではCPU11からの指示により画像データの送出先を切替部20によって切替える。すなわち、画像データの送出先をセキュリティキット19の暗号化部19aとした場合、画像データは暗号化されることとなり、送出先を画像メモリ16とした場合、画像データは暗号化されないこととなる。切替部20からの画像データの送出先は、受信したプリントジョブに応じてCPU11が決定する。例えば、ホールドジョブを受信した場合、画像データの送出先としてセキュリティキット19の暗号化部19aを選択し、通常ジョブを受信した場合、画像データの送出先として画像メモリ16を選択するようにしても良い。また、プリンタドライバによりデータの保護が指定されている場合には送出先としてセキュリティキット19の暗号化部19aを選択し、データの保護が指定されていない場合には送出先として画像メモリ16を選択するようにしても良い。
本実施の形態では、セキュリティキット19が所定のスロットに装着されている場合、すなわち、データの保護機能が動作するような状況下では、受付けたプリントジョブを一時的にホールドすることが優先される。そのため、通常ジョブを受信した場合であっても、操作パネル14を通じて出力要求を受付けない限り、その通常ジョブによる処理が停止され、出力要求を待ち受ける待機状態となる。このような状況下では、全てのジョブの管理をホールドジョブ管理テーブル13bにより行う。図6はホールドジョブ管理テーブル13bの一例を示す概念図であり、ホールドジョブ管理テーブル13bでは、前述と同様に、プリントジョブを受信した日時、プリントジョブの送信元の装置名(利用者)、印刷時のサイズ、枚数、部数等の情報、プリントジョブの処理状況、及びプリントジョブに付されているパスワードを互いに関連付けて記憶している。
このように、本画像形成装置10においてデータの保護機能が動作するような状況下では、通常ジョブを受付けた場合であってもホールドジョブとして取り扱うようにしており、本来の通常ジョブによる処理が停止された状態となっている。一方、プリントジョブの処理効率を優先させるために、操作パネル14を通じて所定の操作を受付けた場合には、全てのプリントジョブをホールドするモード(以下、セキュリティモードという)を解除し、通常ジョブを受信した場合には、受信した順にプリント処理を実行するモード(以下、通常モードという)へ移行させるようにしている。
以下では、セキュリティモードから通常モードへ移行させるために管理者等が行う操作について説明する。図7は操作パネル14の外観を説明する模式図であり、図8〜図10は操作パネル14に表示される画面の一例を示す模式図である。操作パネル14は、液晶ディスプレイ装置を備える表示部100と、各種のハードウェアキーを備える操作部200とにより構成されている。操作部200が備えるハードウェアキーは、画像形成装置10が受付けたジョブの状況を表示部100に表示させるためのジョブ状況表示キー201、各種の処理に関する利用者の設定を行うためのユーザ設定キー202、数値入力のためのテンキー203、入力された各種設定値をクリアするためのクリアキー204、入力された各種設定値を全解除するための全解除キー205、コピー開始等を指示するスタートキー206等である。また、表示部100の一部はタッチパネル方式のソフトウェアキーを構成しており、操作部200を通じて入力された設定値、利用者に対して報知すべき情報等を表示するとともに、各種の設定内容についての選択操作をソフトウェアキーを通じて受付けるようにしている。
操作パネル14のユーザ設定キー202が押下操作された場合、図8(a)に示したようなユーザ設定画面110が操作パネル14の表示部100に表示される。このユーザ設定画面110では、画像形成装置10がプリント出力した総枚数の表示、画面コントラストの設定、各種データリストのプリント出力の受付け、日付・時刻の設定、給紙トレイの設定、データを送信する際の相手先の登録等を行えるようにしている。
ユーザ設定画面110の下部領域に配置されたキーオペレータプログラムボタン111が押下操作された場合、キーオペレータコード(例えば、8桁の数値)の入力を受付けるコード受付画面120が操作パネル14の表示部100に表示される。コード受付画面120の中央近傍には、コード入力欄121が配置されており、テンキー203を利用してコード入力欄121にコードが入力された場合、入力されたコードと予め設定されているキーオペレータコードとが一致するか否かの判定を行う。
コード入力欄121に入力されたコードと予め設定されているキーオペレータコードとが一致すると判定された場合、図8(c)に示したようなキーオペレータプログラム画面130が操作パネル14の表示部100に表示される。キーオペレータプログラム画面130には各種の設定キーが配置されており、部門管理の設定、省エネルギーの設定、操作設定、デバイス設定、システム管理の設定、コピー機能使用時の設定等を行えるようにしている。このうち、画像形成装置10が備えるデバイスの設定を行うためのデバイス設定キー131が押下操作された場合、図9に示したようなデバイス設定画面140が操作パネル14の表示部100に表示される。本画像形成装置10はセキュリティキット19が搭載されているか否かにより、表示部100に表示させるデバイス設定画面140の表示内容を異ならせるようにしており、セキュリティキット19が搭載されていない場合には、図9(a)に示したデバイス設定画面140を表示し、セキュリティキット19が搭載されている場合には、図9(b)に示したデバイス設定画面140を表示部100に表示する。デバイス設定画面140では、原稿検知装置の設定の他、両面機能の使用の可否、メールビンスタッカの使用の可否、原稿送り装置の使用の可否、給紙デスクの使用の可否を設定できるようにしている。また、セキュリティキット19が搭載されている場合には、デバイス設定画面140の下部領域にセキュリティ設定ボタン141が配置されるようになり、前述の設定に加えてセキュリティ設定を行えるようにしている。
デバイス設定画面140においてセキュリティ設定ボタン141が押下操作された場合、図10に示したようなセキュリティ設定画面151〜153が表示される。各セキュリティ設定画面151〜153は、ページ切替ボタン151u〜153u,151d〜153dを利用して互いに切替可能に構成されている。セキュリティ設定画面151では、HDD装置17におけるデータエリアの消去設定、消去回数の設定、電源投入時の自動消去設定を行えるようにしている。セキュリティ設定画面152では、電源投入時の自動消去回数の設定、各ジョブの完了後の自動消去回数の設定、ドキュメントファイリング機能の禁止設定を行えるようにしている。セキュリティ設定画面153では、宛先登録リストの印刷禁止の設定、ホールド以外のプリントジョブの禁止設定、データリストの印刷禁止の設定、及びリスト・レポートの印刷禁止の設定を、チェックボックス153a〜153dを利用して行えるようにしている。本実施の形態では、デフォルトの状態でチェックボックス153bがチェックされており、受信したプリントジョブの全てをホールドするように設定されている。このチェックボックス153bのチェックを外すことにより、通常ジョブは受付けた順に処理する通常モードへ移行することになる。
一方、各利用者は、情報処理装置PCにインストールされたプリンタドライバを利用してプリントジョブを生成し、生成したプリントジョブを画像形成装置10へ送信することにより、所望の文書、グラフィックスをプリント出力させることができる。図11及び図12はプリンタドライバが生成するプリント設定画面の一例を示す模式図である。プリント設定画面500は、出力先のプリンタ装置を選択するプリンタ選択欄501、印刷範囲を設定する印刷範囲設定欄502、印刷部数を設定する印刷部数設定欄503、ジョブ管理を設定するジョブ管理欄504を備えており、実行ボタン506が押下操作された場合、各設定欄502〜504で設定された内容に従ってプリントジョブが生成され、プリンタ選択欄501で選択されたプリンタ装置にプリントジョブが送信される。また、キャンセルボタン505が押下操作された場合には、プリントジョブを生成することなく、プリント設定画面500を呼出したアプリケーションプログラムへ処理が戻される。
ジョブ管理欄504においてラジオボタン504aが選択された場合、送信すべきプリントジョブを通常ジョブとして送信する。また、ジョブ管理欄504においてラジオボタン504b,504cが選択された場合、利用者認証に必要なパスワードを入力するためのパスワード入力欄504dが表示され、パスワードが入力された場合には、送信すべきプリントジョブをパスワード付きのホールドジョブとして送信することができる。
本実施の形態では、プリントジョブの送信先として画像形成装置10が選択され、その画像形成装置10にセキュリティキット19が搭載されている場合には、前述したプリント設定画面500のジョブ管理欄504からどのラジオボタン504a,504b,504cを選択したとしても、画像形成装置10側で受信したプリントジョブをホールドするようにしている。
以下、画像形成装置10の動作をフローチャートを用いて説明する。図13は電源投入時に画像形成装置10が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。画像形成装置10を構成するハードウェア各部に電力を供給すべく電源が投入された場合、画像形成装置10のCPU11はシステムチェックを行う(ステップS11)。具体的には、CPU11がハードウェア各部と通信を行い、搭載されているハードウェアについての情報を取得し、それらの動作状態を検出する。システムチェックを行った結果、搭載されているハードウェアに異常があるか否か、すなわち、システムエラーを検出したか否かを判断する(ステップS12)。システムエラーを検出したと判断した場合(S12:YES)、異常を検出した旨のエラーメッセージを操作パネル14上の表示部100に表示してエラー処理を行う(ステップS13)。
システムチェックの結果、システムエラーが検出されなかった場合(S12:NO)、ウォームアップを開始する(ステップS14)。CPU11はウォームアップ中のハードウェア各部の状態を監視し、エラーを検出したか否かを判断する(ステップS15)。エラーを検出したと判断した場合(S15:YES)、ハードウェアの異常を検出した旨のエラーメッセージを表示してエラー処理を行う(ステップS16)。エラーが検出されなかった場合(S15:NO)、CPU11は、ウォームアップが完了したか否かを判断し(ステップS17)、ウォームアップが完了していないと判断した場合(S17:NO)、処理をステップS15へ戻す。
ウォームアップが完了したと判断した場合(S17:YES)、CPU11は、システムチェックにて取得した情報に基づいてセキュリティキット19がスロットに装着されているか否かを判断する(ステップS18)。セキュリティキット19が装着されていないと判断した場合(S18:NO)、通常モードに設定し(ステップS19)、外部からのプリントジョブを待ち受ける待機状態にする(ステップS24)。ここで、通常モードとは、利用者による指示を優先させるモードのことであり、通常ジョブを受信した場合には受信した順に処理を実行し、ホールドジョブを受信した場合には利用者による出力要求を受付けるまで処理を停止させた状態にする。
一方、セキュリティキット19がスロットに装着されていると判断した場合(S18:YES)、セキュリティモードに設定する(ステップS20)。ここで、セキュリティモードとは、ホールド処理を優先させるモードであり、ホールドジョブのみならず通常ジョブを受信した場合にも利用者による出力要求を受付けるまで処理を停止させた状態にする。次いで、電源投入時の消去設定をしているか否かを判断し(ステップS21)、電源投入時の消去設定をしていないと判断した場合(S21:NO)、外部からのプリントジョブを待ち受ける待機状態にする(S24)。
また、電源投入時の消去設定をしていると判断した場合には(S21:YES)、HDD装置17に記憶されたデータを消去する(ステップS22)。データの消去は、データの記憶先の情報を管理しているFAT(File Allocation Table)を消去する構成であっても良く、データの記憶先にゼロ又はランダムなデータを上書きして消去する構成であっても良い。これらの設定は、前述したセキュリティ設定画面151,152にて行われる。次いで、CPU11はデータの消去が完了したか否かを判断し(ステップS23)、消去が完了していないと判断した場合(S23:NO)、消去が完了するまで待機する。また、データの消去が完了したと判断した場合(S23:YES)、外部からのプリントジョブを待ち受ける待機状態にする(S24)。
図14はプリントジョブを受信した際に画像形成装置10が実行する処理の手順を説明するフローチャートであり、図15〜図17は出力要求時に表示部100に表示させる画面の一例を示す模式図である。画像形成装置10のCPU11は、まず、通信インタフェース15を通じて外部からのプリントジョブを受信したか否かを判断する(ステップS31)。プリントジョブを受信していないと判断した場合(S31:NO)、プリントジョブを受信するまで待機する。プリントジョブを受信したと判断した場合(S31:YES)、プリントジョブの処理に関するモードがセキュリティモードであるか否かを判断する(ステップS32)。セキュリティモードであると判断した場合(S32:YES)、受信したプリントジョブを実行せずにホールドする(ステップS33)。すなわち、受信したプリントジョブに関する情報をホールドジョブ管理テーブル13bに登録すると共に、プリントジョブを展開して取得した画像データを暗号化部19aにて暗号化してHDD装置17に保存させる処理を行う。
受信したプリントジョブの処理に関するモードがセキュリティモードでないと判断した場合(S32:NO)、プリンタドライバでの選択操作によりジョブのホールドが指定されているか否かを判断する(ステップS34)。ジョブのホールドが指定されていると判断した場合(S34:YES)、処理をステップS33へ移行させ、ジョブのホールドが指定されていないと判断した場合(S34:NO)、プリントジョブから展開される画像データを画像メモリ16を経由させて画像形成ユニット18へ転送することにより、プリント処理を実行する(ステップS43)。
ステップS33においてプリントジョブをホールドした後、CPU11は、通信インタフェース15を通じて新たなプリントジョブを受信したか否かを判断し(ステップS35)、新たなプリントジョブを受信したと判断した場合(S35:YES)、処理をステップS32へ戻す。すなわち、セキュリティモードにおいては、受信した全てのプリントジョブをHDD装置17に蓄積するようにしている。
新たなプリントジョブを受信していないと判断した場合(S35:NO)、ホールドさせてあるプリントジョブに対する出力要求を、操作パネル14を通じて受付けたか否かを判断する(ステップS36)。画像形成装置10の操作パネルには、受信したプリントジョブに関する情報を表示させるためのジョブ状況表示キー201が設けられており、このジョブ状況表示キー201が押下操作された場合、図15に示したようなジョブ選択画面160が操作パネル14の表示部100に表示される。ジョブ選択画面160には出力可能なジョブが表示され、ソフトウェアキーにより構成された選択ボタン161により出力要求を受付けるようにしている。
ステップS36において出力要求を受付けていないと判断した場合(S36:NO)、処理をステップS35へ戻し、出力要求を受付けたと判断した場合(S36:YES)、出力要求を受付けたプリントジョブがパスワード付きのジョブであるか否かを判断する(ステップS37)。パスワード付きのジョブでないと判断した場合(S37:NO)、HDD装置17に暗号化されて保存されている対象の画像データを読出して、セキュリティキット19の復号化部19bへ転送し、復号化した後に画像形成ユニット18にてシート上にプリント処理を行わせる(S43)。
出力要求を受けたジョブがパスワード付きのジョブであると判断した場合(S37:YES)、図16に示したパスワード入力画面162を表示してパスワードの入力を要求する(ステップS38)。パスワード入力画面162の中央にはパスワード入力欄162aが配置されており、操作パネル14のテンキー203を利用してパスワードを入力することができる。CPU11はパスワード入力欄162aにパスワードが入力されたか否かを判断し(ステップS39)、パスワードが入力されていないと判断した場合(S39:NO)、パスワードが入力されるまで待機する。
図16に示したパスワード入力欄162aにパスワードが入力されたと判断した場合(S39:YES)、入力されたパスワードとホールドジョブ管理テーブル13bに登録されたパスワードとを照合する(ステップS40)。照合した結果に基づいて、入力されたパスワードを認証できるか否かを判断し(ステップS41)、認証できないと判断した場合(S41:NO)、パスワードを確認すべき旨の確認メッセージを表示し(ステップS42)、処理をステップS39へ戻す。また、入力されたパスワードが認証できると判断した場合(S41:YES)、処理内容を選択するための選択画面170を操作パネル14の表示部100に表示する。この選択画面170において選択ボタン171〜173が押下操作された場合、処理内容が確定する。すなわち、選択ボタン171が押下操作された場合、プリント処理が実行され(S43)、そのプリント処理に係る画像データがHDD装置17から削除される。また、選択ボタン172が押下操作された場合、プリント処理が実行され(S43)、そのプリント処理に係る画像データはHDD装置17にそのまま保存される。一方、選択ボタン173が押下操作された場合、プリント処理が実行されることなく、選択されたジョブに係る画像データがHDD装置17から削除される。
なお、本実施の形態では、データの保護機能が追加された場合にプリントジョブをホールドすることを優先する構成としたが、データの保護機能が追加された場合にホールド機能を停止し、ホールドジョブを受付けた場合であっても通常ジョブと同様に取り扱い、受付けた順に処理する構成であっても良い。この場合、HDD装置17にプリントジョブから展開された画像データが蓄積されることがなくなるため、画像データが漏洩する機会が少なくなり、セキュリティが向上するという利点を有する。
また、本実施の形態では、セキュリティキット19を所定のスロットに装着することで画像形成装置10にデータ保護機能を追加する構成としたが、データの保護機能を追加するためのコンピュータプログラムを装置内部の記憶部(例えば、ROM12)に予め格納しておき、管理者等の特定の利用者により所定の操作がなされた時点で初めて前記コンピュータプログラムを起動させ、データの保護機能を追加する構成であっても良い。
本実施の形態に係る画像形成装置を用いて構築される画像形成システムの概略構成を示す模式図である。 画像形成装置の内部構成を示すブロック図である。 画像形成装置の管理部が備える管理テーブルの一例を示す概念図である。 データの保護機能が追加された画像形成装置の内部構成を示すブロック図である。 データ保護機能が追加された画像形成装置の変形例を示すブロック図である。 ホールドジョブ管理テーブルの一例を示す概念図である。 操作パネルの外観を説明する模式図である。 操作パネルに表示される画面の一例を示す模式図である。 操作パネルに表示される画面の一例を示す模式図である。 操作パネルに表示される画面の一例を示す模式図である。 プリンタドライバが生成するプリント設定画面の一例を示す模式図である。 プリンタドライバが生成するプリント設定画面の一例を示す模式図である。 電源投入時に画像形成装置が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。 プリントジョブを受信した際に画像形成装置が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。 出力要求時に表示部に表示させる画面の一例を示す模式図である。 出力要求時に表示部に表示させる画面の一例を示す模式図である。 出力要求時に表示部に表示させる画面の一例を示す模式図である。
符号の説明
10 画像形成装置
11 CPU
12 ROM
13 管理部
14 操作パネル
15 通信インタフェース
16 画像メモリ
17 HDD装置
18 画像形成ユニット
19 セキュリティキット
19a 暗号化部
19b 復号化部
PC 情報処理装置
N 通信ネットワーク

Claims (5)

  1. 外部から通信インタフェースを介してプリントジョブを受付ける手段を備え、該手段にてプリントジョブを受付けた場合に該プリントジョブを展開して得られる画像データに基づいて印刷を行う第1の処理と、操作パネルを通じて処理要求を受付けるまで待機した後に前記プリントジョブを展開して得られる画像データに基づいて印刷を行う第2の処理とを選択的に実行するデータ処理装置において、
    受付けたプリントジョブを展開して得られる画像データを保護するデータ保護手段と、該データ保護手段の動作状況を検出する検出手段と、前記データ保護手段が動作することを前記検出手段が検出した場合、前記第1の処理を停止させる手段とを備えることを特徴とするデータ処理装置。
  2. 前記データ保護手段を着脱可能になしてあり、前記データ保護手段の装着の有無を検出する手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
  3. 利用者に係る情報を記憶する記憶手段と、前記第2の処理を実行する場合に利用者に係る情報を受付ける手段と、該手段にて受付けた情報が前記記憶手段に記憶されているか否かを判断する手段とを備え、前記記憶手段に記憶された情報であると判断した場合、前記処理要求に基づく処理を実行すべくなしてあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のデータ処理装置。
  4. 前記データ保護手段は受付けたデータを暗号化する手段であることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1つに記載のデータ処理装置。
  5. 停止させた処理を再開させるべき旨の要求を受付ける手段を備え、前記要求を受付けた場合、前記処理を再開すべくなしてあることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1つに記載のデータ処理装置。
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