JP4386399B2 - 光学活性トロピノンモノカルボン酸エステル誘導体の製造法 - Google Patents
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Description
本発明は、薬理作用としてドーパミンレセプターやドーパミントランスポーターとの結合力を有するコカインの骨格である光学活性なトロパン骨格を有するアルカロイドの合成中間体である光学活性トロピノンモノカルボン酸誘導体の製造法に関する。
背景技術
近年、人口の高齢化が進むにつれて老人人口の増加とともにパーキンソン病や、アルツハイマー病などの精神神経疾患の患者が急増しており、これらの神経病の原因究明と治療法の確立が現在急がれている。この疾患は慢性かつ進行性の疾患であり、振せん、筋固縮、無動、姿勢保持障害を主徴としている。この疾患は、錘体外路系の線条体や黒質のドーパミン含量が著しく低下し、ドーパミン作動性神経系とコリン作動性神経系のバランスがくずれることによって発症する。
従って、例えばパーキンソン病を治療するには、欠乏しているドーパミンの量を増加するか、興奮状態にあるコリン作動性神経系を抑制することが必要である。
一方、コカインは南米産のコカ(Erythroxylon coca)などの葉に含まれているアルカロイドであり、1877年にKollerによって初めて局所麻酔剤として臨床に用いられたが、近年になってコカインにドーパミンレセプターやドーパミントランスポーターとの結合能が発見され、コカイン誘導体が様々なトレーサーリガンドとして有用であることが明らかにされつつある。コカインの基本的構造はそのトロパン骨格にあり、コカインをコカイン誘導体の出発原料とすれば下記反応スキームAに示すように、容易に天然の(−)−コカインと同じ絶対配置を有する光学活性トロパン骨格を誘導することができる(A.P.Kozikowski,J.Med.Chem.1995,38,3086)
反応スキームA
このように、(−)−コカインを出発原料として合成されているものとして、ドーパミントランスポーターとの結合能を有しパーキンソン病の診断薬として注目されている、2β−カルボメトキシ−3β−(4−ヨードフェニル)−トロパン(β−CIT;USP 5310912)やその誘導体である2β−カルボメトキシ−3β−(4−ヨードフェニル)−8−(3−フルオロプロピル)−ノルトロパン(β−CIT−FP;WO 96/39198)、ニコチン様アセチルコリンレセプターのアゴニストである(−)−フェルギニンや、その他(+)−ニグチノール等がある。
しかし、コカインは薬物依存症などの問題により麻薬に指定されており、入手やその取扱上種々の困難がある。そこで経済的かつ容易なコカイン類似化合物の合成法の開発が求められている。
コカイン類似化合物の合成の試みは古く、ロビンソン等はスクシンジアルデヒドとメチルアミンとアセトンジカルボン酸エチルエステルとを縮合させて、トロピノンを合成した(Robinson R.,J.Chem.Soc.1917,762−768)。1991年には、ビニルジアゾメタンとピロール誘導体からロジウム触媒を用いてアンヒドロエクゴニンメチルエステルが合成された(Hum M.L.Davies et al.,J.Org.Chem.1991,56,5696−5700,特表平7−504665号公報)。しかしこれらの方法により合成されたコカイン類似化合物は光学活性体ではなかった。光学活性なコカイン類似化合物の合成としては、コカインをケン化したり(RS)−2−カルボメトキシ−3−トロピノンを光学分割して得られた(R)−シュードエクゴニンメチルエステルを中間体として、(R)−アロコカインや(R)−アロシュードコカインを合成した例がある(F.I.Carroll et al.,J.Med.Chem.1991,34,883−886)。
光学分割を行わない鏡像体選択的な不斉反応の例として、トロピノンとキラルリチウムアミドとの不斉合成反応によって光学活性なトロピノンカルボン酸エステル及びアンヒドロエクゴニンメチルエステルを合成した(Majewski,M.J.Org.Chem.1995,60.5825−5830)。しかし、得られたアンヒドロエクゴニンメチルエステルは天然の(−)−コカインから誘導されたアンヒドロエクゴニンメチルエステルとは絶対配置を異にするものであった。
発明の開示
かかる状況に鑑み、本発明は、コカインを出発原料として用いない、光学活性なトロパン誘導体合成の中間体として有用な光学活性トロピノンモノカルボン酸エステル誘導体の製造法を提供することを目的とする。
本発明は、下記式(1)
(式中、R’はアルキル基又はアラルキル基,あるいは低級脂肪族アシル基,芳香族アシル基,低級アルコキシカルボニル基,アラルキルオキシカルボキニル基,アリルオキシカルボニル基及びトリ低級アルキルシリル基から選ばれるアミノ基の保護基であり,Rはアルキル基又はアラルキル基である。)
で示されるトロピノンジカルボン酸エステル誘導体を,酵素の存在下に不斉脱アルコキシカルボニル化反応を行い,下記式(2)
(式中、R及びR’は上記定義に同じである。)
で示される光学活性トロピノンモノカルボン酸エステル誘導体を得る、光学活性トロピノンモノカルボン酸エステル誘導体の製造法に関する。
更に、本発明は、下記式(3)
で示されるスクシンジアルデヒドと、下記式(4)
R”−NH2 (4)
(式中、R”は,アルキル基又はアラルキル基である。)
で示される有機アミンと、下記式(5)
(式中、Rは,アルキル基又はアラルキル基である。)
で示されるアセトンジカルボン酸エステルとを反応させ、必要に応じて更に式(4)の有機アミンの置換基R”に由来する置換基をアミノ基の保護基に変換して、下記式(1)
(式中、R’はアルキル基又はアラルキル基,あるいは低級脂肪族アシル基,芳香族アシル基,低級アルコキシカルボニル基,アラルキルオキシカルボキニル基,アリルオキシカルボニル基及びトリ低級アルキルシリル基から選ばれるアミノ基の保護基であり,Rはアルキル基又はアラルキル基である。)
で示されるトロピノンジカルボン酸エステル誘導体を得、次いで酵素の存在下に不斉脱アルコキシカルボニル化反応を行い、下記式(2)
(式中、R及びR’は上記定義に同じである。)
で示される光学活性トロピノンモノカルボン酸エステル誘導体を得る、光学活性トロピノンモノカルボン酸エステル誘導体の製造法に関する。
更に、本発明は,上記式(2)の光学活性トロピノンモノカルボン酸エステル誘導体を、必要に応じてその置換基R’及び/又はRを他の置換基に変換し、次いでその3位のオキソ基を還元し,更に脱水を行い下記式(6)
(式中、R及びR’は上記定義に同じである。)
で示される光学活性アンヒドロエクゴニンカルボン酸エステル誘導体を得る、光学活性アンヒドロエクゴニンカルボン酸エステル誘導体の製造方法に関する。
発明を実施するための最良の形態
本発明の製造によって得られる光学活性なトロピノンモノカルボン酸エステル誘導体は、コカインを出発原料としないで合成され、コカインの基本的な環構造であるトロパン骨格を有し、かつ天然の(−)−コカインから誘導した場合と同様な光学活性を有するコカイン類似化合物の合成中間体として有用なものである。
本発明の製造法の出発原料である上記式(1)のトロピノンジカルボン酸エステル誘導体は、下記反応スキームBに示した方法により合成できる。
反応スキームB
反応スキームBの如く、式(1)のトロピノンジカルボン酸エステル誘導体は、式(3)のスクシンジアルデヒド、式(4)の有機アミン及び式(5)のアセトンジカルボン酸エステルとを反応し、必要に応じて更に、式(4)の有機アミンの置換基R”に由来する置換基をアミノ基の保護基に変換することによって合成される。
式(3)のスクシンジアルデヒドは、公知化合物であり、例えば2,5−ジメトキシテトラヒドロフランの加水分解によって得られる。
式(4)の有機アミン及び式(5)のアセトンジカルボン酸エステルも、公知化合物であり、それ自体公知の方法によって合成される。式(4)の有機アミンの置換基R”、並びに式(5)のアセトンジカルボン酸エステルの置換基Rは,アルキル基又はアラルキル基である。具体的には、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、ヘキシル基等の炭素数1から6のアルキル基が例示される。アラルキル基としては、ベンジル基,フェネチル基,フェニルプロピル基,フェニルブチル基等の炭素数7から10のアラルキル基が例示される。
式(3)のスクシンジアルデヒド、式(4)の有機アミン及び式(5)のアセトンジカルボン酸エステルとの反応は、それ自体公知の反応である。例えば、置換基R、R”がメチル基(Me)の場合,窒素気流下においてスクシンジアルデヒドのメタノール溶液に、ジメチル 1,3−アセトンジカルボキシラートを含むメタノール溶液を氷浴下で加え、メチルアミンを含むメタノール溶液を氷滴下で滴下し一晩攪拌し、溶媒を留去してジメチル 8−メチル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジカルボキシラート(1a:式(1)においてR’=Me,R=Me)が70−90mol%の収率で得られる。
かくして得られるトロピノンジカルボン酸エステル誘導体は、そのまま以後に説明する不斉脱アルコキシカルボニル化反応に付してもよいが、必要に応じて更に、式(4)の有機アミンの置換基R”由来の8位のアミノ基の置換基R’であるアルキル基又はアラルキル基を、アミノ基の保護基に変換しても良い。アミノ基の保護基としては、低級脂肪族アシル基、芳香族アシル基、低級アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボキニル基、アリルオキシカルボニル基、トリ低級アルキルシリル基等が挙げられる。低級脂肪族アシル基としては、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基等の炭素数2から7の低級脂肪族アシル基が例示される。芳香族アシル基としては、ベンゾイル基、ナフタノイル基等の炭素数7から11の芳香族アシル基が例示される。低級アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等の炭素数2から7の低級アルコキシカルボニル基が例示される。アラルキルオキシカルボニル基としては、ベンジルオキシカルボニル基、メトキシベンジルカルボニル基等の炭素数8から9のアラルキルオキシカルボニル基が例示される。アリルオキシカルボニル基としては、フェノキシカルボニル基、ナフトキシカルボニル基等の炭素数7から11のアリルオキシカルボニル基が例示される。トリ低級アルキルシリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリブチルシリル基等のトリC1−C6アルキルシリル基が例示される。
これらのアミン基の保護基への変換反応は、それ自体公知の良く知られた反応である。
このようにして得られる式(1)のトロピノンジカルボン酸エステル誘導体を、以下の反応スキームCに示されるように、酵素による不斉脱アルコキシカルボニル化反応に付すことによって、目的とする式(2)の光学活性トロピノンモノカルボン酸エステル誘導体が得られる。
反応スキームC
この場合、式(1)のトロピノンジカルボン酸エステル誘導体の2位或いは4位のエステル基を酵素によって選択的に不斉脱アルコキシカルボニル化反応を行うことによって、得られる式(2)の光学活性トロピノンモノカルボン酸エステル誘導体は、種々のコカイン類倣化合物の合成中間体として有効に用いられる。
式(1)のトロピノンジカルボン酸エステル誘導体の不斉脱アルコキシカルボニル化反応による式(2)の光学活性トロピノンモノカルボン酸エステル誘導体の収率及び光学純度は,8位のアミノ基の置換基R’、2位又は4位のエステルの置換基Rおよび使用する酵素の種類によって影響されるが、特にエステルの置換基および使用する酵素の種類が大きく影響する。
本発明で使用する酵素としては、豚肝臓エステラーゼ(PLE)、ウサギ肝臓エステラーゼ、ウマ肝臓エステラーゼ等の肝臓エステラーゼ;パン酵母(B.Y.)等が例示される。特に、豚肝臓エステラーゼ(PLE)、パン酵母(B.Y.)が好適に用いられる。
式(1)のトロピノンジカルボン酸エステル誘導体の8位のアミノ基の置換基R’、2位又は4位のエステルの置換基Rの好ましい組み合わせは、Rが炭素数1から6のアルキル基で、R’がアラルキル基、低級脂肪族アシル基、芳香族アシル基、アリルオキシカルボニル基又はトリ低級アルキルシリル基;Rが炭素数2から6のアルキル基で、R’がアラルキルオキシカルボニル基;あるいは、R及びR’がアラルキル基である組み合わせである。より具体的には、Rが、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基及びヘキシル基から選ばれる炭素数1から6のアルキル基で、R’が、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基及びフェニルブチル基から選ばれる炭素数7から10のアラルキル基;Rが、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基及びヘキシル基から選ばれる炭素数2から6のアルキル基で、R’が、ベンジルオキシカルボニル基及びメトキシベンジルオキシカルボニル基から選ばれる炭素数8から9のアラルキルオキシカルボニル基;あるいは、R及びR’がベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基及びフェニルブチル基から選ばれる炭素数7から10のアラルキル基である組み合わせである。
このような組み合わせを有する式(1)のトロピノンジカルボン酸エステル誘導体の好ましい例として,以下の化合物が例示される。
ジメチル 8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジカルボキシラート(1b:式(1)においてR’=Bn,R=Me);
ジエチル 8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジカルボキシラート(1c:式(1)においてR’=Bn,R=Et);
ジイソプロピル 8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジカルボキシラート(1d:式(1)においてR’=Bn,R=i−Pr);
ジブチル 8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジカルボキシラート(1e:式(1)においてR’=Bn,R=n−Bu);
ジベンジル 8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジカルボキシラート(1f:式(1)においてR’=Bn,R=Bn);
ジエチル 8−ベンジルオキシカルボニル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジカルボキシラート(1g:式(1)においてR’=Z,R=Et)。
不斉脱アルコキシカルボニル化反応は、pH7〜9、温度10〜40℃程度で行われる。緩衝液は、リン酸緩衝液、トルエン−リン酸緩衝液、トリス(Tris)緩衝液、ヘペス(HEPES)緩衝液等が用いられる。酵素の使用量は、酵素の種類によって異なるが、例えばPLEは500〜5000単位/mmol基質、B.Y.は1〜5g/mmol基質である。
不斉脱アルコキシカルボニル化反応によって式(2)の光学活性トロピノンモノカルボン酸エステル誘導体が得られる。上記の式(1)のトロピノンジカルボン酸エステル誘導体の好ましい例示化合物を用いた場合、以下の対応する式(2)の化合物が得られる。
メチル(1R,5S)−8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシラート((−)−2b:式(2)においてR’=Bn,R=Me);
エチル(1R,5S)−8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシラート((−)−2c:式(2)においてR’=Bn,R=Et);
イソプロピル(1R,5S)−8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシラート((−)−2d:式(2)においてR’=Bn,R=i−Pr);
ブチル(1R,5S)−8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシラート((−)−2e:式(2)においてR’=Bn,R=n−Bu);
ベンジル(1R,5S)−8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシラート((−)−2f:式(2)においてR’=Bn,R=Bn);
エチル(1R,5S)−8−ベンジルオキシカルボニル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシラート((−)−2g:式(2)においてR’=Z,R=Et)。
本発明で得られる光学活性トロピノンモノカルボン酸エステル誘導体は、下記反応スキームDに示すように、エノール型と2種のケト型の3種の異性体の混合物である。このことは、それらのNMRのデータにより確認できる。
反応スキームD
そこで本発明で得られる光学活性トロピノンモノカルボン酸エステル誘導体の光学純度は、下記反応スキームEに示したように、本発明の光学活性トロピノンモノカルボン酸エステル誘導体を、還元・脱水してα,β−不飽和エステル体に変換して単一化合物とし、次いでキラルカラムを用いるHPLCに付して光学純度の測定を行った。
反応スキームE
即ち、具体的には、例えば、本発明で得られる光学活性トロピノンモノカルボン酸エステル誘導体である上記の例示化合物、(−)−2c、(−)−2d、(−)−2e、(−)−2fを、エステル交換により、メチルエステル化合物である上記例示化合物(−)−2bに変換後、還元・脱水反応によりα,β−不飽和エステル化合物Aに誘導し、次いでヘキサン:2−プロパノール=100:1を溶出液としたキラルカラムによるHPLCに付して光学純度の測定を行った。アミノ基の保護基がベンジル−オキシカルボニル基である上記例示化合物(−)−2gについては、ベンジルオキシカルボニル基をトリフルオロ酢酸(TEA)で脱離後ベンジル化して上記例示化合物(−)−20に導き,次いで反応スキームEに示したようにして、α,β−不飽和エステル化合物Aに誘導して光学純度の測定を行うことができる。
標品として用いたdl体のα,β−不飽和エステル体は,ジメチル 8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジカルボキシラート(1b:式(1)においてR’=Bn,R=Me)をLiOHで加水分解後2N−HClで脱炭酸させトロピノンモノエステルに導き、これをNaBll4で還元後脱水して合成した。
絶対配置については、本発明で得られる光学活性トロピノンモノカルボン酸エステル誘導体である上記の例示化合物、(−)−2c、(−)−2d、(−)−2e、(−)−2f、(−)−2gを、下記反応スキームFに示したように、メチル 8−メチル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシラート((+)−B)に変換後還元、脱水してアンヒドロエクゴニンメチルエステル((−)−C)に導いた。他方、下記反応スキームGに示したように、天然の(−)−コカインからアンヒドロエクゴニンメチルエステルに導き両者を比較したところ、全てその旋光性の方向は同じで(−)であった。このことから本発明による酵素反応により得られる光学活性トロピノンモノカルボン酸エステル誘導体の絶対配置は(−)−コカインと同じ(−)であることを確認した。
反応スキームF
かくして得られる本発明の光学活性トロピノンモノカルボン酸エステル誘導体を、必要に応じてその置換基R’及び/又はRを他の置換基に変換し、次いでその3位のオキソ基を還元し,更に脱水を行い下記式(6)
(式中、R及びR’は上記定義に同じである。)
で示される光学活性アンヒドロエクゴニンカルボン酸エステル誘導体に誘導することができる。かかる光学活性アンヒドロエクゴニンカルボン酸エステル誘導体は、医薬品 2β−カルボメトキシ−3β−(4−ヨードフェニル)トロパン(β−CIT)およびその誘導体であるβ−CIT−FPや(−)−フルギニン等のトロパンアルカロイド類の合成中間体として有用である。
(+)−フェルギニンはDarlingiana ferrugineaとD.darlingianaから単離されたアルカロイドで、そのエナンチオマーである(−)−フェルギニンはニコチン様アセチルコリンレセプターのアゴニストであることが知られており、従来L−グルタミン酸からフェルギニンの(+)体と(−)体が合成されている(II.Rapoport,et al.J.Org.Chem.1996.61,314)。
例えば、本発明で得られる光学活性トロピノンモノカルボン酸エステル誘導体、ブチル(1R,5S)−8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシラート((−)−2e:式(2)においてR’=Bn,R=n−Bu)を用いて、下記反応スキームHに示したように(−)−フェルギニンを合成することができる。
反応スキームH
即ち、先ず、ブチル(1R,5S)−8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシラート((−)−2e)を、エステル交換によりメチル(1R,5S)−8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシラート((−)−2b:式(2)においてR’=Bn,R=Me)とした後,アミノ基の保護基ベンジル基を接触還元により脱ベンジル化してt−ブトキシカルボニル(Boc)基に変換する。得られるケトエステル、メチル(1R,5S)−8−t−ブトキシカルボニル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシラート((−)−2h:式(2)においてR’=Boc,R=Me)をNaBH4により還元し、次いで脱水反応により、光学活性アンヒドロエクゴニンカルボン酸エステル誘導体、メチル(1R,5S)−8−t−ブトキシカルボニル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−エン−2−カルボキシラート((−)−6a:式(6)においてR’=Boc,R=Me)に変換する。得られる光学活性アンヒドロエクゴニンカルボン酸エステル誘導体を、公知方法によりそのメチルエステルをアセチル基に置換し、Bocをメチル基に置換して目的とする(−)−フェルギニンが得られる。
ここで得られた光学活性アンヒドロエクゴニンメチルエステル、メチル(1R,5S)−8−t−ブトキシカルボニル8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−エン−2−カルボキシラート((−)−6a)の旋光度、1H−NMR等の物性値は(H.Rapoport,et al.J.Org.Chem.1996.61,314)と一致することから、(−)−フェルギニンの合成が達成された。
医薬品 2β−カルボメトキシ−3β−(4−ヨードフェニル)トロパン(β−CIT)およびその誘導体であるβ−CIT−FPは、下記反応スキームIに示すように、本発明で得られる光学活性トロピノンモノカルボン酸メチルエステル、メチル(1R,5S)−8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシラート((−)−2b:式(2)においてR’=Bn,R=Me)から合成できる。
反応スキームI
即ち、メチル(1R,5S)−8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシラート((−)−2b)のベンジル基をメチル基に置換してメチル(1R,5S)−8−メチル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシラート((+)−2a:式(2)においてR’=Me,R=Me)とした後、NaBH4によって還元後脱水して、光学活性アンヒドロエクゴニンメチルエステル、メチル(1R,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−エン−2−カルボキシラート((−)−6b:式(6)においてR’=Me,R=Me)に変換することができる。この光学活性アンヒドロエクゴニンメチルエステルから公知の方法にしたがってβ−CITやβ−CIT−FPの合成を行うことができる。
以上に例示した通り、本発明の方法により得られる式(2)の光学活性トロピノンモノカルボン酸エステル誘導体を、必要に応じてその置換基R’及び/又はRを他の置換基に変換し、次いでその3位のオキソ基を還元し,更に脱水を行うことによって、医薬品の合成中間体として有用な式(6)の光学活性アンヒドロエクゴニンカルボン酸エステル誘導体に誘導することができる。ここで行う置換基R’及び/又はRの他の置換基への変換は、上記した例から明らかなように、エステル交換等の公知の反応によって実施できる。また、還元・脱水反応は、それ自体公知の反応であり、例えば、NaBH4やPtO2による還元、無水トリフルオロ酢酸(TFAA)、POCl3等による脱水反応によって行うことができる。
本発明で得られるアンヒドロエクゴニンカルボン酸エステル誘導体は光学活性体であり、医薬品の合成中間体として極めて有用である。
一般に医薬品に用いられる光学活性体の光学純度は医薬品に特定の薬理作用を持たせ,副作用等を防止する意味で極めて重要である。本発明によるトロピノンジカルボン酸エステル誘導体の不斉脱アルコキシカルボニル化反応を行うことによって,高い光学純度を有する光学活性トロピノンモノカルボン酸エステル誘導体を容易に得ることに成功した。更に、この高い光学純度を有する光学活性トロピノンモノカルボン酸エステル誘導体を出発化合物として用いて、アンヒドロエクゴニンカルボン酸エステル誘導体を合成することによって、極めて高い光学純度を有するアンヒドロエクゴニンエステル誘導体を容易に得ることが可能となった。また、結晶性アンヒドロエクゴニンエステル誘導体が合成可能であり、更に再結晶による精製を行うことによって容易に更に極めて高い光学純度を有する結晶性アンヒドロエクゴニンエステル誘導体の製造が可能となった。
例えば,下記反応スキームJに示すように、メチル(1R,5S)−8−ベンジル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシラート((−)−2b:式(2)においてR’=Bn,R=Me)のアミノ基をBoc化し,還元後脱水して,メチル(1R,5S)−8−t−ブトキシカルボニル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−エン−2−カルボキシラート((−)−6a:式(6)においてR’=Boc,R=Me)を合成したところ,mp79−80℃の無色針状晶が得られ、再結晶を行うことによって光学純度を高めることが極めて容易になった。この化合物のBoc基をメチル基に置換することによって,極めて光学純度の高い結晶性メチル(1R,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−エン−2−カルボキシラート((−)−6b:式(6)においてR’=Me,R=Me)を合成することができる。
反応スキームJ
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
得られた物質の測定方法、共通する溶媒等は下記のとおりである。
(1)融点:柳本融点測定器及び三田村理研直熱式毛細管融点測定装置を用いた。
(2)1H−NMR:Varian XL−300スペクトロメーターで測定した。化学シフト値は、テトラメチルシラン(TMS)を内部標準としてppmで示した。
(3)旋光度:Horiba Sepa−200を用いて測定した。
(4)赤外スペクトル:Jasco IR−810,SHIMADZU FTIR−8300で測定した。振動数はcm−1で示した。
(5)マススペクトル:JEOL JMX−SX102AQQ mass spectrometer,JEOL JMS−GCmate mass spectrometerで測定した。
(6)元素分析:PERKINELMER Series CHNS/O Analyzer 2400で測定した。
(7)カラムクロマトグラフィー用カラム:Wakogel C−200(和光純薬),Silica Gel 60 PF254(nacalitesque),Kieselgel 60 ARt.9385(Merck),TLC−Kieselgel 60 Art.11695(Merck),Silica Gel 60 N(関東化学),SIL−60−S75(YMC CO.,LTD.)を用いた。
(8)分取用TLCカラム:Kieselgel 60 F254Art.5715(Merck,0.25mm),Kieselgel 60 F254Art.5744(Merck,0.5mm)を用いた。
(9)分取用HPLC:JAI LC−908を用い、カラムはJAIGEL−1H,JAIGEL−2H及びJAIGEL−SIL S−043−15を用いた。
(10)定性用HPLC:Shimazu LC−10Aを用い、カラムはDaicel Chiral Column(CHIRALCEL OD)を用いた。
(11)溶媒:反応に用いたエーテル系溶媒及び芳香族系溶媒は、ベンゾフェノンとNaで用時調製し無水としたものを用いた。クロロホルムは安定剤であるエタノールを除去するため水で10回洗浄した後にCaCl2で用時調製し無水としたものを用いた。他の無水溶媒は、常法に従い無水としたものを用いた。
(12)以下の実施例で下記のごとき略語を用いた。
Ac;アセチル基,Bn;ベンジル基,Bu;ブチル基,Boc;t−ブトキシカルボニル基,Z;ベンジルオキシカルボニル基,DMAP;4−ジメチルアミノピリジン,Et3N;トリエチルアミン,MeOH;メチルアルコール,THF;テトラヒドロフラン,AcOEt;酢酸エチル,PLE;豚肝臓エステラーゼ,PPL;豚膵臓リパーゼ,B.Y.;パン酵母,MS4A;モレキュラーシーブ4A
例1 ジメチル 8−メチル−3−オキソ−8−アサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジカルボキシラート(1a:式(1)においてR’=Me,R=Me)の合成
2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン6.48ml(50mmol)の水溶液(30ml)に、濃塩酸6mlを加え、室温で3時間撹拌した。反応終了後、反応液を炭酸カリウムで中和し、過剰のメタノールを留去した。残留物を抽出用カラムであるエクトレルートカラムに充填しクロロホルムを溶媒として通し抽出した。クロロホルム抽出液は、MS4Aと硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した後溶媒を留去しスクシンジアルデヒドの粗生成物を得た。
窒素気流下において、得られたスクシンジアルデヒドにジメチル1,3−アセトンジカルボキシラート7.49ml(70mmol)を含むメタノール溶液70mlを氷浴下で加え、メチルアミン7.15ml(70mmol)を含むメタノール溶液30mlを氷滴下で滴下し一晩攪拌した。反応終了後、溶媒を留去して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl3:MeOH=100:1)で精製し、11.9gの表題化合物ジメチル8−メチル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジカルボキシラートを得た。収率は91mol%であった。
淡黄色油状物質(互変および立体異性体の混合物);1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ11.9(s,0.43H),11.8(s,0.43H),4.01−3.47(m,8H),3.18(d,J=2.4Hz,0.38H),2.98(d,J=1.2Hz,0.76H),2.39(s,1.29H),2.30(s,1.71H),2.27−1.51(m,4H);IR(CHCl3):3689,1735,1654,1622,1444,1249,1244,1174cm−1;MS(FAB)m/z 356(M++H,100),HRMS(FAB)C12H18NO5(M++H):計算値256.1185,実測値256.1179.
例2 ジメチル 8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジカルボキシラート(1b:式(1)においてR’=Bn,R=Me)の合成
窒素気流下において、例1と同様にして得られたスクシンジアルデヒドのメタノール溶液15mlに、ベンジルアミン5.46ml(50mmol)のメタノール溶液15mlを氷浴下に滴下し2時間攪拌した。次いで、ジメチル1,3−アセトンジカルボキシラート7.22ml(50mmol)を含むメタノール溶液15mlを氷浴下で滴下し19時間攪拌した。
反応終了後、溶媒を留去して得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(AcOEt:ヘキサン=1:5)で精製し11.8gの表題化合物ジメチル 8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジカルボキシラートを得た。収率は74mol%であった。
淡黄色油状物(互変および立体異性体の混合物);1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ11.9(s,0.25H),11.8(s,0,25H),7.34−7.24(m,5H),4,09−3.82(m,1H),3.78−3.57(m,9H),3.37(s,0.33H),3.33(s,0.33H),3.18(d,J=2.4Hz,0.33H),2.96(d,J=1.5Hz,0.5H),2.25−1.49(m,4H);IR(CHCl3):3690,1738,1659,1620,1603,1445,1263,1236cm−1;MS(FAB)m/z 332(M++H,100);HRMS(FAB)C18H22NO5(M++H):計算値332.1498,実測値332.1493
例3 ジメチル 8−ベンジルオキシカルボニル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジカルボキシラート(1h:式(1)においてR’=Me,R=Z)の合成
例2で得た、ジメチル 8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジカルボキシラート2.79g(8.43mmol)の酢酸溶液50mlに、10%Pd−Cを触媒として加え、水素気流下40℃で9時間攪拌した。反応終了後、混合物をセライトで濾過し、濾液を留去した。残留物に飽和炭酸ナトリウム溶液を加え、pHを8.0−8.5に調整してクロロホルムで抽出した。抽出物をNa2SO4で乾燥、濾過後、溶媒を留去して脱ベンジル体、ジメチル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジカルボキシラートの粗生成物を得た。得られた脱ベンジル体のクロロホルム溶液80mlにベンジルオキシカルボニルクロリド1.80ml(12.6mmol)とトリエチルアミン1.76ml(12.6mmol)を加え、窒素気流下室温で11時間攪拌した。反応終了後、反応液に飽和食塩水を加えクロロホルムで抽出した。抽出物をNa2SO4で乾燥、濾過後、溶媒を留去して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(AcOEt:ヘキサン=1:2)で精製し、表題化合物ジメチル 8−ベンジルオキシカルボニル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジカルボキシラートを2.75g得た。収率は二段階で87mol%であった。
淡黄色油状物(互変および立体異性体の混合物);1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ11.7(s,0.25H),7.40−7.30(m,5H),5.23−4.70(m,4H),3.82−3.59(m,6H),3.44(s,1H),3.10(s,0.25H),3.09(s,0.5H),2.40−1.56(m,4H);IR(CHCl3):1739,1701,1662,1618,1498,1444,1425,1436,1369,1336,1319,1303,1290,1265,1244cm−1;MS(FAB)m/z 376(M++H,57);HRMS(FAB)C19H22NO7(M++H):計算値376.1397,実測値376.1395.
例4 ジメチル 8−t−ブトキシカルボニル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジカルボキシシラート(1i:式(1)においてR’=Boc,R=Me)の合成
例3で得た脱ベンジル体、ジメチル 3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジカルボキシラート1.37g(5.62mmol)を溶解したクロロホルム溶液30mlに、二炭酸ジ−tブチル1.55ml(6.75mmol)とトリエチルアミン0.94ml(6.75mmol)を加え、窒素気流下室温において攪拌した。反応終了後、反応液に飽和食塩水を加え、クロロホルムで抽出し、抽出物をNa2SO4で乾燥、濾過後、溶媒を留去して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(AcOEt:ヘキサン=1:5)で精製し、表題化合物ジメチル 8−t−ブトキシカルボニル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジカルボキシラートを1.90g得た。収率は98mol%であった。
無色針状晶(互変および立体異性体の混合物);mp89−90℃(AcOEt/hexane=1/4);1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ11.9(s,0.2H),11.8(s,0.3H),5.03−4.58(mbr,1.8H),4.16(d,J=3.7Hz,0.2H),3.82−3.66(m,6H),3.49(s,0.25H),3.33(s,0.25H),3.07(s,0.5H),2.31−1.78(m,2.5H),1.69−1.59(m,1H)1.54−1.22(m,10H);IR(KBr);1743,1693,1654,1622,1439,1417,1390,1367,1336,1298,1276,1224,1207,1161,1105,1049,1020cm−1;MS(FAB)m/z342(M++H,44);HRMS(FAB)C16H24NO7(M++H):計算値342.1553,実測値342.1555;元素分析 計算値C16H23NO7:C,56.30;H,6.79;N,4.10.実測値:C,56.38;H,6.94;N,4.08.
例5 メチル 8−メチル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシラート(2a:式(2)においてR’=Me,R=Me)の合成
例1で得たジメチル 8−メチル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジカルボキシラート(1a)430mg(1.68mmol)のトルエン(10ml)と0.3Mリン酸緩衝液(pH=7.2,10ml)の混合液にリパーゼPS3.79gを加え、室温で3日間攪拌した.反応終了後、反応液を10分間80℃で加熱し、セライトで濾過後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えpH=8−8.5に調整して、クロロホルムで抽出し、抽出物をNa2SO4で乾燥、濾過後、溶媒を留去して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl3:MeOH=40:1)で精製し、メチル 8−メチル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシラートを161mg得た。収率は48.5mol%であった。同様にしてリパーゼA、リパーゼM、リパーゼAY、リパーゼF−AP−15、リパーゼAK、豚膵臓リパーゼ(PPL)等を用いて反応を行い30−50mol%の収率を得たが、いずれも光学不活性なモノエステル体であった。
無色針状晶(互変および立体異性体の混合物);光学純度0%ee;1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ11.8(s br,0.2H),3.89−3.70(m,5H),3.65−3.60(m,0.15H),3.52−3.45(m,0.15H),3.40−3.30(m,0.5H),2.85−2.68(m,1H),2.53(s,0.75H),2.37(s,0,3H),2.35(s,2.1H),2.26−2.05(m,3H),1.92−1.86(m,0.5H),1.82−1.75(m,0,5H),1.64−1.50(m,1H);IR(CHCl3):3689,1716,1444,1303,1234,1203cm−1;MS(FAB)m/z 198(M++H,100);HRMS(FAB)C10H16NO3(M++H):計算値198.1130,実測値198.1138;元素分析C10H15NO3計算値:C,60.90;H,7.67;N,7.10;実測値:C,60.70;H,7.73;N,7.16
例6 メチル (1R,5S)−8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシラート((−)−2b:式(1)においてR’=Bn,R=Me)の合成
各種酵素を用いて下記(A)、(B)、(C)の手法によりジメチル 8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジカルボキシラートの不斉脱メトキシカルボニル化反応を行った。
(A)リパーゼによる合成:例5の方法に準じてPPLを300mg/100mg基質、トルエン−0.3Mリン酸緩衝液(pH=7.2)、35℃の条件で8日間攪拌し、28mol%の収率を得たが光学活性は0%eeであった。
(B)PLEによる合成:ジメチル 8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジカルボキシラート5.00g(15.1mmol)を溶解した0.1Mリン酸緩衝液(pH=8.0)150mlにPLEを794mg(1000単位/mmol)を加え、室温で24時間攪拌した。反応終了後、反応液をセライトで濾過し、クロロホルムで抽出、抽出物をNa2SO4で乾燥、濾過後、溶媒を留去して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(AcOEt:ヘキサン=1:8)で精製し、表題化合物メチル(1R,5S)−8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシラートを644mg得た。収率は20mol%であった。
淡黄色油状物(互変および立体異性体の混合物);[α]D 26−9.81(c 1.60,CHCl3);光学純度43%ee;1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ11.8(s,0.4H),7.42−7.23(m,5H),3.85−3.76(m,1H),3.74(s,2H),3.72(s,1H),3.64(s,1.33H),3.62(s,0.67H),3.61−3.47(m,1H),3.37(t,J=5.7 Hz,1H),3.12(t,J=2.0Hz,0.3H),2.97−2.90(m,0.3H),2.80−2.69(m,1H)2.32−2.03(m,2H),1.92−1.49(m,2H);IR(CHCl3):3690,1736,1713,1655,1445,1350,1221,1217cm−1;MS(FAB)m/z 274(M++H,100);HRMS(FAB)C16H21NO3(M++H):計算値274.1443,実測値274.1433
(C)パン酵母による合成:パン酵母水溶液50mlにスクロースを4.14g加え35℃で30分攪拌した。攪拌後、その溶液をジメチル 8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジカルボキシラート457mg(1.38mmol)の中に入れ35℃にて2日間攪拌した。反応終了後、反応液をセライトで濾過し、クロロホルムで抽出し、抽出物をNa2SO4で乾燥、濾過後、溶媒を留去して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(AcOEt:ヘキサン=1:8)で精製し、表題化合物メチル(1R,5S)−8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジカルボキシラートを61.6mg得た。収率は16mol%であった。
淡黄色油状物;[α]D 19+1.94(c1.12,CHCl2);光学純度6%ee
同様にして、前記例1〜例5で得たアミノ基の保護基R’をBoc基、Z基に変化させたトロピノンジカルボン酸メチルエステルの不斉脱アルコキシカルボニル化反応を、リパーゼA、リパーゼM、リパーゼAY、リパーゼF−AP−15、リパーゼPS、リパーゼAS、PPL、PLE、B.Y.等の酵素を用いて試みたが、いずれの場合も光学活性なトロピノンモノカルボン酸エステルは得られなかった。
例7 ジエチル 8−ベンジル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジカルボキシラート(1c:式(1)においてR’=Bn,R=Et)の合成
2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン6.48ml(50mmol)の水溶液30mlに、濃塩酸4mlを加え室温で2.5時間攪拌した。反応終了後、反応液を炭酸カリウムで中和し、過剰のメタノールを留去した。残留物を抽出用カラムであるエクトレルートカラムに充填しクロロホルムを溶媒として通し抽出した。クロロホルム抽出液をMS4Aと硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した後溶媒を留去しスクシンジアルデヒドの粗生成物を得た。得られたスクシンジアルデヒドのメタノール溶液15mlに、窒素気流下において、ベンジルアミン9.08ml(50mmol)のメタノール溶液(15ml)を氷浴下に滴下し2時間攪拌した。次に、ジエチル 1,3−アセトンジカルボキシラート5.46ml(50mmol)のメタノール溶液(15ml)を氷浴下に滴下し16時間攪拌した。反応終了後、溶媒を留去して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(アセトン:ヘキサン=1:5)で精製し、表題化合物ジエチル 8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−カルボキシラートを14.7g得た。収率は82mol%であった。
淡黄色油状物(互変および立体異性体の混合物);1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ12.0(s,0.25H),11.9(s,0.25H),7.36−7.24(m,5H),4.32−3.57(m,8H),3.36(s,0,33H),3.31(s,0.33H),3.16(d,J=2.5Hz,0.33H),2.93(d,J=1.2Hz,0.5H),2.25−1,77(m,4H),1.34−1.03(m,6H);IR(CHCl3)=1732,1654,1622,1321,1301,1261,1230,1182,1092cm−1:MS(FAB)m/z 360(M++H,100);HRMS(FAB)C20H26NO5(M++H):計算値360.1811,実測値360.1821
例8 ジイソプロピル 8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2 ,1]オクタン−2,4−ジカルボキシラート(1d:式(1)においてR’=Bn,R=i−Pr)の合成
2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン6.48ml(50mmol)の水溶液30mlに、濃塩酸4mlを加え室温で2.5時間攪拌した。反応終了後、反応液を炭酸カリウムで中和し、過剰のメタノールを留去した。残留物を抽出用カラムであるエクトレルートカラムに充填しクロロホルムを溶媒として通し抽出した。クロロホルム抽出液をMS4Aと硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した後溶媒を留去しスクシンジアルデヒドの粗生成物を得た。次に、窒素気流下にインプロポキシドナトリウム溶液38.3mlにジメチル 1、3−アセトンジカルボキシラートを7.2ml(50mmol)加えて24時間還流した。反応終了後、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、AcOEtで抽出しMgSO4で乾燥濾過後溶媒を留去しジイソプロピル1,3−アセトンジカルボキシラートの粗生成物を得た。
窒素気流下に、得られたスクシンジアルデヒドのメタノール溶液15mlに、ベンジルアミン5.46ml(50mmol)のメタノール溶液15mlを氷浴下に滴下し2時間攪拌した。次に、得られたジイソプロピル−1,3−アセトンジカルボキシラートのメタノール溶液15mlを氷浴下に滴下し19時間攪拌した。反応終了後、溶媒を留去して得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(AcOEt:ヘキサン=1:15)で精製し、表題化合物ジイソプロピル 8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジカルボキシラートを1.42g得た。収率は7.3mol%であった。
淡黄色油状物(互変および立体異性体の混合物);1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ12.1(s,0.25H),11.9(s,0.25H),7.41−7.10(m,5H),5.17−4.98(m,1.6H),4.87(septet,J=6.2Hz,0.4H),4.00−3.55(m,4H),3.37(s,0.25H),3.32(s,0.25H),3.14(d,J=2.4Hz,0.5H),2.90(d,J=1.3Hz,0.5H),2.28−1.62(m,4H),1.45−1.17(m,10H),1.14(d,J=6.3Hz,1H),0.87(d,J=6.3Hz,1H);IR(CHCl3):3689,1782,1652,1263,1182,1103cm−1;MS(FAB)m/z 388(M++H,39);HRMS(FAB)C22H30NO5(M++H):計算値388.2124,実測値388.2117
例9 ジブチル 8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジカルボキシラート(1e:式(1)においてR’=Bn,R=n−Bu)の合成
2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン6.48ml(50mmol)の水溶液30mlに、濃塩酸4mlを加え室温で2.5時間攪拌した。反応終了後、反応液を炭酸カリウムで中和し、過剰のメタノールを留去した。残留物を抽出用カラムであるエクトレルートカラムに充填しクロロホルムを溶媒として通し抽出した。クロロホルム抽出液をMS4Aと硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した後溶媒を留去しスクシンジアルデヒドの粗生成物を得た。次に、窒素気流下にブトキシドナトリウム溶液60mlにジメチル1,3−アセトンジカルボキシラートを7.2ml(50mmol)加えて19時間還流した。反応終了後、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出しMgSO4で乾燥濾過後溶媒を留去しジブチル1、3−アセトンジカルボキシラートの粗生成物を得た。
窒素気流下に、得られたスクシンジアルデヒドのメタノール溶液15mlに、ベンジルアミン5.46ml(50mmol)のメタノール溶液15mlを氷浴下に滴下し2時間攪拌した。次に、得られたジブチル−1,3−アセトンジカルボキシラートのメタノール溶液15mlを氷浴下に滴下し13.5時間攪拌した反応終了後、溶媒を留去して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(AcOEt:ヘキサン=1:15)で精製し、表題化合物ジブチル 8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジカルボキシラートを4.77g得た。収率は23mol%であった。
淡黄色油状物(互変および立体異性体の混合物);1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ12.0(s,0.2H),11.8(s,0.2H),7.39−7.24(m,5H),4.22−3.97(m,4H),3.90−3.58(m,4H),3.37(s,0.8H),3.17(d,J=2.6Hz,0.4H),2.94(d,J=1.5Hz,0.4H),2.28−1.22(m,12H),0.97−0.84(m,6H);IR(CHCl3):1732,1654,1622,1321,1301,1257,1180cm−1;MS(FAB)m/z 416(M++H,28);HRMS(FAB)C24H34NO5(M++H):計算値416.2451,実測値416.2444
例10 ジベンジル 8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジカルボキシラート(1f:式(1)においてR’=Bn,R=Bn)の合成
2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン1.3ml(10mmol)の水溶液10mlに、濃塩酸1mlを加え室温で2.5時間攪拌した。反応終了後、反応液を炭酸カリウムで中和し、過剰のメタノールを留去した。残留物を抽出用カラムであるエクトレルートカラムに充填しクロロホルムを通して抽出した。クロロホルム抽出液をMS4Aと硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した後溶媒を留去しスクシンジアルデヒドの粗生成物を得た。次に、窒素気流下にジメチル1,3−アセトンジカルボキシラート1.44ml(10mmol)のトルエン溶液30mlにベンジルアルコール10.9ml(100mmol)とDMAP(触媒)を加えて5時間還流した。反応終了後、過剰の溶媒を留去しジベンジル 1,3−アセトンジカルボキシラートの粗生成物を得た。
窒素気流下に、得られたスクシンジアルデヒドのベンジルアルコール溶液5mlに、ベンジルアミン1.10ml(10mmol)のベンジルアルコール溶液5mlを氷浴下に滴下し2時間攪拌した。次に、得られたジベンジル−1,3−アセトンジカルボキシラートのベンジルアルコール溶液5mlを氷浴下に滴下し16時間攪拌した。反応終了後、溶媒を留去して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(AcOEt:ヘキサン=1:15)で精製し、表題化合物ジベンジル 8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジカルボキシラートを912mg得た。収率は19mol%であった。
淡黄色油状物(互変および立体異性体の混合物);1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ11.9(s,0.25H),11.8(s,0.25H),7.42−7.12(m,15H),5.27−4.80(m,4H),4.16−3.81(m,2H),3.73−3.50(m,2H),3.39−3.31(m,0.5H),3.24(d,J=2.5Hz,0.5H),3.00(d,J=1.4Hz,0.5H),2.28−1.77(m,4H);IR(CHCl3):1733,1654,1450,1259,1230,1166cm−1:MS(FAB)m/z 484(M++H,33);HRMS(FAB)C30H30NO5(M++H):計算値484.2124,実測値484.2129
例11 ジエチル 8−ベンジルオキシカルボニル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジカルボキシラート(1g:式(1)においてR’=Z,R=Et)の合成
窒素気流下において、例3で得たジエチル 8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2、4−ジカルボキシラート1.00g(3.73mmol)のクロロホルム溶液20mlに、ベンジルオキシカルボニルクロリド0.639ml(4.48mmol)とトリエチルアミン0.624ml(4.48mmol)を加え、室温で22時間攪拌した。反応終了後、反応液に飽和食塩水を加えクロロホルムで抽出した。抽出物をNa2SO4で乾燥、濾過後、溶媒を留去して得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(AcOEt:ヘキサン=1:10)で精製し、表題化合物ジエチル 8−ベンジルオキシカルボニル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジカルボキシラートを1.32g得た。
収率は88mol%であった。
淡黄色油状物(互変および立体異性体の混合物);1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ12.0(s,0.1H),11.8(s,0,4H),7.61−7.28(m,5H),5.23−4.64(m,4H),4.31−4.09(m,4H),4.01−3.84(m,0.75H),3.32(s br,0.25H),3.08(s br,0.5H),2.348−1.82(m,3H),1.72−1.53(m,1H),1.36−1.06(m,6H);IR(CHCl3):3689,1733,1701,1658,1602,1472,1265,1242,1180,1105cm−1:MS(FAB)m/z404(M++H,65);HRMS(FAB)C21H26NO7(M−+H):計算値404.1739,実測値404.1746
例12 エチル (1R,5S)−8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシラート((−)−2c:式(2)においてR’=Bn,R=Et)の合成
ジエチル 8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジカルボキシラート993.3mg(2.76mmol)を溶解した0.1Mリン酸緩衝液(pH=8.0)27.6mlにPLEを726.3mg(5000単位/mmol)を加え、室温で24時間攪拌した。反応終了後、反応液をセライトで濾過し、クロロホルムで抽出、抽出物をNa2SO4で乾燥、濾過後、溶媒を留去して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:1)で精製し、表題化合物エチル(1R,5S)8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシラートを396.4m得た。収率は50mol%であった。
淡黄色油状物(互変および立体異性体の混合物);[α]D 21−9.09(c 1.66,CHCl3);光学活性93%ee;1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ11.9(s,0.3H),7.44−7.22(m,5H),4.29−3.97(m,2H),3.88−3.43(m,4H),3.39−3.36(m,0.4H),3.11(t,J=2.0Hz,0.3H),2.96−2.89(m,0.5H),2.80−2.60(m,1H),2.31−2.03(m,2.5H),1.92−1.75(m,1H),1.69−1.49(m,1H),1.38−1.04(m,3H);IR(CHCl3):1732,1714,1647,1604,1301,1236,1224cm−1;MS(FAB)m/z 288(M++H,100);HRMS(FAB)C17H22NO3(M++H):計算値288.1599,実測値288.1590
同様にして,攪拌時間を3時間にした場合は収率30mol%、光学純度95%ee、48時間の場合は収率7mol%、光学純度97%eeであった。
例13 イソプロピル (1R,5S)−8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシラート((−)−2d:式(2)においてR’=Bn,R=i−Pr)の合成
例8で得たジイソプロピル 8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジカルボキシラート(1d)1.4g(3.61mmol)を溶解した0.1Mリン酸緩衝液(pH=8.0)72mlにPLEを950mg(5000単位/mmol)を加え、室温で24時間攪拌した。反応終了後、反応液をセライトで濾過し、クロロホルムで抽出、抽出物をNa2SO4で乾燥、濾過後、溶媒を留去して得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=200:1)で精製し、表題化合物イソプロピル (1R,5S)−8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシラートを159mg得た。収率は15mol%、光学純度は63%eeであった。
淡黄色油状物(互変および立体異性体の混合物);[α]D 24−11.1(c 1.18,CHCl3);光学純度63%ee;1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ12.0(s,0.3H),7.43−7.23(m,5H),5.14−4.99(m,1H),3.93−3.49(m,4H),3.45−3.35(m,0.9H),3.11(t,J=2.1 Hz,0.3H),2.89−2.71(m,1H),2.28−2.03(m,2.5H),1.92−1.49(m,2H),1.33−1.14(m,6H);IR(CHCl3):1732,1716,1647,1602,1284,1234,1105cm−1;MS(FAB)m/z 302(M++H,34):HRMS(FAB)C18H24NO3(M++H):計算値302.1757,実測値302.1764
例14 ブチル (1R,5S)−8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシラート((−)−2e:式(2)においてR’=Bn,R=Bu)の合成
例9で得たジブチル 8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジカルボキシラート(1e)8.37g(20.1mmol)を溶解した0.1Mリン酸緩衝液(pH=8.0)200mlにPLEを5.3g(5000単位/mmol)を加え、室温で24時間攪拌した。反応終了後、反応液をセライトで濾過し、クロロホルムで抽出、抽出物をNa2SO4で乾燥、濾過後、溶媒を留去して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(AcOEt:ヘキサン=1:10)で精製し、表題化合物ブチル(1R,5S)−8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシラートを3.23g得た。収率は51mol%、光学純度は95%eeであった。
淡黄色油状物(互変および立体異性体の混合物);[α]D 25−9.38(c 0.71,CHCl3);光学純度95%ee;1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ11.9(s,0.4H),7.42−7.21(m,5H),4.23−4.07(m,2H),4.01−3.34(m,4.3H),3.12(t,J=2.1Hz,0.3H),2.94−2.69(m,1H),2.30−2.04(m,2H),1.92−1.23(m,7H),0.95−0.88(m,3H);IR(CHCl3):1732,1714,1647,1604,1299,1234cm−1:MS(FAB)m/z 316(M++H,42);HRMS(FAB)C19H26NO3(M++H):計算値316.1913,実測値316.1905
例15 ベンジル (1R,5S)−8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシラート((−)−2f:式(2)においてR’=Bn,R=Bn)の合成
例10で得たジベンジル 8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジカルボキシラート(1f)779mg(1.61mmol)を溶解した0.1Mリン酸緩衝液(pH=8.0)35mlにPLEを424mg(5000単位/mmol)を加え、室温で24時間攪拌した。反応終了後、反応液をセライトで濾過し、クロロホルムで抽出、抽出物をNa2SO4で乾燥、濾過後、溶媒を留去して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:1)で精製し、表題化合物ベンジル(1R,5S)−8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシラートを287mg得た。収率は51mol%、光学純度は74%eeであった。
淡黄色油状物(互変および立体異性体の混合物);[α]D 27−7.74(c 1.23、CHCl3);光学純度74%ee;1H−NMR(CDCl3、300MHz):δ11.8(s.0.1H)、7.47−7.16(m、10H)、5.27−4.80(m,0.67H),4.70(s、1.33H)、3.92−3.56(m、4H)、3.51−3.37(m,0.75H),3.18(t、J=2.1Hz、0.67H)、2.87−2.66(m、2H),2.28−2.02(m,2H),1.93−1.52(m,2H);IR(CHCl3):1735,1716,1651,1612,1454,1396,1298,1235,1174,1166,1132cm−1;MS(FAB)m/z 350(M++H,37);HRMS(FAB)C22H24NO3(M++H):計算値350.1756,実測値350.1760
例16 エチル (1R,5S)−8−ベンジルオキシカルボニル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシラート((−)−2g:式(2)においてR’=Z,R=Et)の合成
例11で得たジエチル 8−ベンジルオキシカルボニル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジカルボキシラート(1g)404mg(1.00mmol)を溶解した0.1Mリン酸緩衝液(pH=8.0)30mlにPLEを263mg(5000単位/mmol)を加え、室温で24時間攪拌した。反応終了後、反応液をセライトで濾過し、クロロホルムで抽出、抽出物をNa2SO4で乾燥、濾過後、溶媒を留去して得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:1)で精製し、表題化合物エチル(1R,5S)−8−ベンジルオキシカルボニル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシラートを100mg得た。収率は30mol%であった。
淡黄色油状物(互変および立体異性体の混合物);[α]D 26+0.89(c 1.08,CHCl3);1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ11.9(s,0.2H),7.49−7.27(m,5H),5.22−5.13(m,4H),4.95(s br,0.8H),4.70−4.57(m br,0.67H),4.47(s br,0.33H),4.27−4.20(m,2H),3.27(s,1H),2.43−1.85(m,4H),1.76−1.61(m,2H),1.33−1.06(m,3H);IR(CHCl3):3689,1697,1419,1338,1321,1284,1191,1099,1004cm−1;MS(FAB)m/z 332(M++H,24);HRMS(FAB)C18H22NO5(M++H):計算値332.1548,実測値332.1501
例5−例16に示した、トロピノンジカルボン酸エステルの酵素による不斉脱アルコキシカルボニル化反応の結果を表1にまとめて示す。
例17 メチル 8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシラート(dl体)の合成
ジメチル 8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシラート23.6g(71.2mmol)のTHE溶液100mlにLiOH・H2O7.47g(178mmol)の水溶液100mlを加え、室温で攪拌した。36時間後、反応液に2N−HClを加えpH=2にして攪拌した。1日後、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えpH=8−8.5にして、クロロホルムで抽出し、Na2SO4で乾燥し濾過後溶媒を留去して得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(AcOEt:ヘキサン=1:5)で精製し表題化合物メチル 8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシラートを18.3g得た。収率は94mol%であった。
例18 メチル 8−ベンジル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−エン−2−カルボキシラート(dl体)の合成
例17で得た化合物メチル 8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシラートを1.45g(5.32mmol)のメタノール溶液55mlに氷浴下でNaBH4412mg(10.6mmol)加え、14.5時間攪拌した。反応終了後、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、過剰の溶媒を留去後、残留物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えpH=8.0−8.5にして、クロロホルムで抽出、Na2SO4で乾燥し、濾過後溶媒を留去して得られた残留物を窒素気流下にクロロホルム30mlに溶解し、トリエチルアミン1.48ml(10.6mmol)と触媒としてDMAPを加え、氷浴下にトリフルオロ酢酸無水物1.13ml(7.98mmol)を加え室温で21時間攪拌した。反応終了後、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えpH=9.0にして、クロロホルムで抽出し、Na2SO4で乾燥し濾過後溶媒を留去して得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(AcOEt:ヘキサン=1:8)で精製し表題化合物メチル 8−ベンジル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−エン−2−カルボキシラートを577mg得た。収率は二段階で42mol%であった。本例で得た化合物はdl体であり、光学純度測定の標品として用いた。
淡黄色油状物;1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ7.37−7.21(m,5H),6.90−6.88(m,1H),3.82(d,J=6.1 Hz,1H),3.73(s,3H),3.62(s,2H),3.29−3.26(m,1H),2.66−2.59(d br,J=20 Hz,1H),2.15−2.09(m,2H),1.88−1.78(m,2H),1.54−1.48(m,1H);IR(CHCl3):1705,1638,1603,1437,1283,1259,1086cm−1;MS(FAB)m/z 258(M++H,100);HRMS(FAB)C16H20NO2(M++H):計算値258.1509,実測値258.1504
例19 メチル (1R,5S)−8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシラート((−)−2b:式(2)においてR’=Bn,R=Me)の合成
(1)エチル(1R,5S)−8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシラート((−)−2c:式(2)においてR’=Bn,R=Et)からの合成
窒素気流下に、エチル(1R,5S)−8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシラーを113mg(0.375mmol)にナトリウムメトキシド50mlを加え2日還流した。反応終了後、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、過剰の溶媒を留去後、残留物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えpH=8.0−8.5にして、クロロホルムで抽出し、Na2SO4で乾燥し濾過後溶媒を留去して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(AcOEt:ヘキサン=1:5)で精製し表題化合物メチル(1R、5S)−8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシラートを1.10g得た。収率は95mol%であった。
(2)置換基が異なる化合物(−)−2d,(−)−2e,(−)−2fからも同様にして表題化合物メチル(1R,5S)−8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシラートを得た。
例20 メチル (1R,5S)−8−ベンジル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−エン−2−カルボキシラート(反応スキームEにおける化合物A)の合成
窒素気流下に例19で得た化合物メチル(1R,5S)−8−ベンジル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシラート((−)−2b)を264mg(0.92mmol)のメタノール溶液10mlに氷浴下でNaBH4を69.6mg(1.84mmol)加え2時間攪拌した。反応終了後、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、過剰の溶媒を留去後、残留物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えpH=8.0−8.5にして、クロロホルムで抽出し、Na2SO4で乾燥し濾過後溶媒を留去した。次に、残留物を窒素気流下でクロロホルム10mlに溶解し、トリエチルアミン267μl(1.91mmol)と触媒としてDMAPを加え、氷浴下でトリフルオロ酢酸無水物203μl(1.44mmol)を加え室温で44時間攪拌した。反応終了後、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えpH=8.0−8.5にして、クロロホルムで抽出し、Na2SO4で乾燥し濾過後溶媒を留去して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(AcOEt:ヘキサン=1:5)で精製し表題化合物メチル(1R,5S)−8−ベンジル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−エン−2−カルボキシラートを192.2mg得た。収率は二段階で81mol%であった。
淡黄色油状物:[α]D 23−17.8(c 0.71,CHCl3);光学純度95%ee;キラル分析[DAICEL CHIRALCEL OD(25×0.46);溶出液:n−ヘキサン/2−プロパノール=100/1;流速:0.3ml/min;温度:25℃;detector:254nm;(−)−A;34.3min,(+)−;38.0min]
1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ7.37−7.21(m,5H),6.90−6.88(m,1H),3.82(d,J=6.1Hz,1H),3.73(s,3H),3.62(s,2H),3.29−3.26(m,1H),2.66−2.59(dbr,J=20Hz,1H),2.15−2.09(m,2H),1.88−1.78(m,2H),1.54−1.48(m,1H);IR(CHCl3):1705,1638,1603,1437,1283,1259,1086cm−1;MS(FAB)m/z258(M++H,100);HRMS(FAB)C16H20NO2(M++H):計算値258.1509,実測値258.1504
例21 メチル (1R,5S)−8−メチル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシラート(反応スキームFにおける化合物(+)−B)の合成
メチル(1R,5S)−8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシラート((−)−2b)818mg(2.99mmol)の酢酸溶液10mlに10%Pd−C(触媒)を加え、水素気流下に10時間攪拌した。反応終了後、混合物をセライトで濾過し濾液を留去した。残留液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えpH=8.0−8.5にして、クロロホルムで抽出し、Na2SO4で乾燥し濾過後溶媒を留去して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl3:MeOH=30:1)で精製しメチル(1R,5S)−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシラートを536.5mg得た。この収率は98mol%であった。次いで、この化合物281mg(1.54mmol)のメタノール溶液20mlに37%ホルムアルデヒド溶液213μl(7.67mmol)、ギ酸579μl(15.4mmol)とパラホルムアルデヒド200mgを加え17時間還流した。反応終了後、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えpH=8.0−8.5にして、クロロホルムで抽出し、Na2SO4で乾燥し濾過後溶媒を留去して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=50:1)で精製しメチル(1R,5S)−8−メチル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシラートを274mg得た。収率は二段階で88mol%であった。
淡黄色油状物;[α]D 22+19.4(c 0.47,MeOH)
例22 メチル (1R,5S)−8−t−ブトキシカルボニル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシラートの(−)−2h:式(2)においてR’=Boc,R=Me)合成
例19で得られた、メチル(1R,5S)−8−ベンジル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシラート((−)−2b)188mg(0.69mmol)の酢酸溶液5mlに10%Pd−C(触媒)を加え、水素気流下に7時間攪拌した。反応終了後、混合物をセライト濾過し濾液を留去した。残留物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えpH=8.0−8.5にしてクロロホルムで抽出し、Na2SO4で乾燥し濾過後溶媒を留去して得られた残留物をクロロホルムに溶かし、二炭酸ジ−t−ブチル(156μl,0.677mmol)とトリエチルアミン(94.4μl,0.677mmol)を加え、室温で4時間攪拌した。反応終了後、反応液に飽和食塩水を加え、クロロホルムで抽出、Na2SO4で乾燥、濾過後溶媒を留去して得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(AcOEt:ヘキサン=1:8)で精製し表題化合物メチル(1R,5S)−8−t−ブトキシカルボニル3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシラート127mgを得た。収率は二段階で73mol%であった。
淡黄色油状物:[α]D 27−30.9(c 0.78,CHCl3);1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ11.8(s,0.33H),4.85(s br,1H),4.36(m br,1H),3.78(s,1H),3.77(s,1H),3.71(s,1H),3.26(s,0.33H),3.09−3.01(m,0.67H),2.42−1.81(m,3.67H),1.70−1.56(m,2H),1.51(s,2H),1.47(s,3.5H),1.45(s,3.5H);MS(FAB)m/z283(M++H,18);IR(CH3Cl):1811,1755,1691,1396,1373,1340,1315,1286,1261,1226,1203,1164,1120,1074cm−1:HRMS(FAB)C14H22NO5(M++H):計算値284.1498,実測値284.1493
例23 メチル (1R,5S)−8−t−ブトキシカルボニル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−エン−2−カルボキシラート((−)−6a:式(6)においてR’=BocR=Me)の合成
窒素気流下に、例22で得られたメチル(1R,5S)−8−t−ブトキシカルボニル−3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシラート((−)−2h)25.6mg(0.09mmol)のメタノール溶液3mlに氷浴下でNaBH4を6.84mg(0.18mmol)加え3時間攪拌した。反応終了後、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、過剰の溶媒を留去後、残留物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えpH=8.0−8.5にして、クロロホルムで抽出し、Na2SO4で乾燥し濾過後溶媒を留去した。次に、残留物を窒素気流下でクロロホルム10mlに溶解し、トリエチルアミン50.4μl(0.361mmol)とDMAP(触媒)を加え、氷浴下でトリフルオロ酢酸無水物25.5μl(0.181mmol)を加え室温で36時間攪拌した。反応終了後、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えpH=8.0−8.5にして、クロロホルムで抽出し、Na2SO4で乾燥、濾過後、溶媒を留去して得られた粗生成物を分取用TLC(AcOEt:ヘキサン=1:2)で精製し表題化合物メチル(1R、5S)−8−t−ブトキシカルボニル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−エン−2−カルボキシラートを6.8mg得た。収率は二段階で28mol%であった。ここで得られたメチル(1R,5S)−8−t−ブトキシカルボニル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−エン−2−カルボキシラートの旋光性は、文献値[α]D 21−52.4(c 1.00,CHCl3)と良く一致している。また、分収用TLCによる精製では、光学純度は95%eeであったが得られた化合物は、mp79−80℃の無色針状晶であり再結晶を行うことによって精製し、さらに光学純度を高めることが容易にできる。
無色針状晶;mp79−80℃(AcOEt/ヘキサン=1/4);[α]D 26−60.2(c 1.63,CHCl3);光学純度95%ee;キラル分析[DAICEL CHIRALCEL OD(25×0.46;溶出液:n−ヘキサン/2−プロパノール=100/1;流速:0.5ml/min;温度:25℃;detector:254nm;(−)−6a;20.5min,(+)−6a;24.9min];1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ6.78−6.75(m,1H),4.83−4.78(m,1H),4.37−4.28(m,1H),3.78(s,3H),2.89−2.81(m,1H),2.20−1.87(m,4H),1.65−1.53(m,1H),1.44(s,9H);IR(KBr):1716,1701,1641,1442,1419,1380,1369,1340,1323,1259,1224,1164,1105,1089cm−1;MS(FAB)m/z 268(M++H,19);HRMS(FAB)C14H22NO4(M++H):計算値268.1548、実測268.1552;元素分析C14H21NO4計算値;C,62.90;H,7.92;N,5.24;実験値;C,62.69;H,7.90;N,5.53
例24 メチル (1R,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−エン−2−カルボキシラート((−)−6b:式(6)においてR’=Me,R=Me)の合成
窒素気流下、例23で得たメチル(1R,5S)−8−t−ブトキシカルボニル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−エン−2−カルボキシラート((−)−68)26.2mg(0.098mmol)のCH2Cl2溶液(2ml)に、氷浴下でトリフルオロ酢酸(TEA)15μl(0.196mmol)を加え、氷浴下で3時間攪拌した。反応終了後、過剰の溶媒を留去した後に、残査をメタノール3mlに溶かし、ホルムアルデヒド(37%水溶液)22μl(0.294mmol)、ギ酸18μl(0.490mmol)および触媒としてパラホルムアルデヒド20mgを加え、4時間還流した。過剰の溶媒を留去後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えpH=8.0にして、クロロホルムで抽出し、Na2SO4で乾燥、濾過後、溶媒を留去して得られた粗生成物を分取用TLC(CHCl3:MeOH=10:1)にて精製し、表題化合物メチル(1R,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−エン−2−カルボキシラート6.9mgを得た。収率は38.8mol%であった。
淡黄色油状物質;[α]D 21−41.0(c 0.85,MeOH);1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ6.83−6.81(m,1H),3.79(d,J=5.4Hz,1H),3.74(s,3H),3.25(dd,J=3.0 and 2.5Hz 1H),2.66−2.59(m,1H),2.35(s,3H),2.27−2.11(m,2H),1.90−1.80(m,2H),1.55−1.48(m,1H);IR(CHCl3):1708,1641,1439,1363,1284,1263cm−1;MS(FAB)m/z 290(M++H,39);HRMS(FAB)C10H16NO2(M++H):計算値182.1181,実測値182.1176
産業上の利用可能性
本発明により、光学活性なトロパン誘導体合成の中間体として有用な光学活性トロピノンモノカルボン酸エステル誘導体を、スクシンジアルデヒドと有機アミン及びアセトンジカルボン酸を反応させてトロピノンジカルボン酸エステル誘導体を得た後、酵素による不斉脱アルコキシカルボニル化反応を行って得た。この光学活性トロピノンモノカルボン酸エステル誘導体を還元・脱水することによって誘導されたアンヒドロエクゴニンメチルエステルは、天然コカインから得られるアンヒドロエクゴニンメチルエステルと同一方向の旋光性を示したことから同一の絶対配置を有するものが得られたことが明らかとなった。不斉脱アルコキシカルボニル化反応における光学活性トロピノンモノカルボン酸エステル誘導体の収率は30−50mol%、光学純度は70−97%eeであった。さらに、光学活性トロピノンモノカルボン酸エステル誘導体を還元、脱水することにより結晶性の光学活性アンヒドロエクゴニンカルボン酸誘導体を得ることができ、再結晶を行うことにより容易に光学純度を高めることができることを見出した。これらの本発明で得られた光学活性トロピノンモノカルボン酸エステルは2−β−カルボメトキシ−3−β−フェニルトロパン、2−β−カルボメトキシ−3−β−(4−ヨードフェニル)トロパン、2−β−カルボメトキシ−3−β−(4−ヨードフェニル)−8−(3−フルオロプロピル)ノルトロパンや(−)−フェルギニン、(+)−ニグチノール等トロパンアルカロイド類の合成中間体として有用であることが明らかになった。
Claims (5)
- 下記式(1)
(式中、Rが、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基及びイソブチル基から選ばれる炭素数1から4のアルキル基で、R’が、ベンジル基であるか;Rが、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基及びイソブチル基から選ばれる炭素数2から4のアルキル基で、R’が、ベンジルオキシカルボニル基であるか;あるいは、R及びR’がベンジル基である)
で示されるトロピノンジカルボン酸エステル誘導体を、肝臓エステラーゼ又はパン酵母の存在下に不斉脱アルコキシカルボニル化反応を行い、下記式(2)
(式中、R及びR’は上記定義に同じである。)
で示される光学活性トロピノンモノカルボン酸エステル誘導体を得る、光学活性トロピノンモノカルボン酸エステル誘導体の製造法。 - 下記式(3)
で示されるスクシンジアルデヒドと、下記式(4)
(式中、R”は、アルキル基又はアラルキル基である。)
で示される有機アミンと、下記式(5)
(式中、Rは、アルキル基又はアラルキル基である。)
で示されるアセトンジカルボン酸エステルとを反応させ、必要に応じて更に式(4)の有機アミンの置換基R’’に由来する置換基をアミノ基の保護基に変換して、下記式(1)
(式中、Rが、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基及びイソブチル基から選ばれる炭素数1から4のアルキル基で、R’が、ベンジル基であるか;Rが、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基及びイソブチル基から選ばれる炭素数2から4のアルキル基で、R’が、ベンジルオキシカルボニル基であるか;あるいは、R及びR’がベンジル基である)
で示されるトロピノンジカルボン酸エステル誘導体を得、次いで肝臓エステラーゼの存在下に不斉脱アルコキシカルボニル化反応を行い、下記式(2)
(式中、R及びR’は上記定義に同じである。)
で示される光学活性トロピノンモノカルボン酸エステル誘導体を得る、光学活性トロピノンモノカルボン酸エステル誘導体の製造法。 - 還元、脱水により、結晶性光学活性アンヒドロエクゴニンカルボン酸エステル誘導体を得、得られた結晶性光学活性アンヒドロエクゴニンカルボン酸エステル誘導体を再結晶により精製して高光学活性アンヒドロエクゴニンカルボン酸エステル誘導体を得る、請求項3に記載の光学活性アンヒドロエクゴニンカルボン酸エステル誘導体の製造法。
- 上記式(2)の光学活性トロピノンモノカルボン酸エステル誘導体がメチル(1R,5S)-8-t-ブトキシカルボニル-3-オキソ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-2-カルボキシラートであり、得られる上記式(6)の光学活性アンヒドロエクゴニンカルボン酸エステル誘導体がメチル(1R,5S)-8-t-ブトキシカルボニル-3-オキソ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-2-エン-2-カルボキシラートである請求項3又は4に記載の光学活性アンヒドロエクゴニンカルボン酸エステル誘導体の製造法。
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