JP4386177B2 - 導電性積層膜およびその形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、導電性積層膜の形成方法に関する。さらに詳しくは、電子デバイスの電極または配線に好適に用いることができる導電性積層膜の形成方法に関する。
太陽電池や半導体デバイス、電子ディスプレイデバイスなど多くの電子デバイスの配線材料としてアルミニウムが使用されている。従来このようなアルミニウム膜はスパッタリング法、真空蒸着法、CVD法などの真空プロセスで形成し、得られたアルミニウム膜をレジストを用いるフォトエッチング法でアルミニウムのパターンに形成するのが一般的であった。この方法の実施には大がかりな真空蒸着装置が必要なため消費エネルギー上不利であるばかりでなく、大面積基板に均一にアルミニウム配線を形成することが困難であるため歩留まりが悪くコスト高の一因となっていた。
これに対して、近年、アルミニウム微粒子をバインダーに分散したペーストが開発され、このペーストをスクリーン印刷法などでパターン印刷し、焼成することによりアルミニウムのパターンを形成する方法が報告されている。この方法はアルミニウムペーストの印刷により直接パターニングするためコスト的には安価であるが、得られたアルミニウムは不純物を有し低抵抗のものを得ることが困難であるとともに、微細パターンの形成は技術的に困難であった。
金属アルミニウム膜は表面が容易に酸化されるので表面に酸化アルミニウムからなる絶縁層を形成する。生成した酸化アルミニウム層は絶縁膜として働くために抵抗値が高くなり、金属アルミニウムと接触するべき他金属および/または半導体との導通(コンタクト)を取ることが非常に難しいという問題がある。そのため、半導体シリコン等の他材料とのコンタクトをとるために、空気中で安定な何らかの導電性材料を介在させる必要が生じる。しかしながら、このような導電性材料としては、チタニウム、チタニウムナイトライド、モリブデン、タングステン、タンタルなどの比較的安定な金属膜をスパッタリング法などの気相法で形成する以外に使用できる工業的材料および方法がなかった。
一方、シリコンとアルミニウムが接する構造ではアルミニウム原子がシリコン中へ拡散する問題があり、シリコンとアルミニウムとの間には拡散バリアを介在させる必要がある。このような拡散バリアの材料として、モリブデン、タングステンあるいはタンタル等が検討されている。
従って、金属アルミニウム膜上に介在させる導電性材料膜としては、モリブデン、タングステンあるいはタンタルが望ましいが、従来これらの膜の形成には、上記の如く、スパッタリング法が多く用いられていた。また、より微細化した構造や、量産性への対応として、CVD法の検討も行われている。しかし、いずれも大がかりな装置が必要となり、装置自体が高価であるばかりでなく、真空系やプラズマ系等に多大なエネルギーを消費するため、製品のコスト高につながっている。
本発明は上記事情を鑑みなされたもので、その目的は、多くの電子デバイスの配線や電極に容易かつ安価に使用できる導電性積層膜の形成法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から明らかになろう。
本発明によれば、上記目的および利点は、モリブデン、タングステンおよびタンタルよりなる群から選ばれる金属の有機金属錯体を基体上に塗布し次いで水素が存在する雰囲気中熱処理することにより導電性膜を形成し、そして該導電性膜上にアミン化合物とアランとの錯体を塗布し次いで熱および/または光処理して金属アルミニウム膜を形成し、さらに該金属アルミニウム膜上にモリブデン、タングステンおよびタンタルよりなる群から選ばれる金属の有機金属錯体を塗布し次いで水素が存在する雰囲気中熱処理して導電性膜を形成する、ことを特徴とする、導電性積層膜の形成法によって達成される。
本発明によれば、従来のスパッタリング法、真空蒸着法、CVD法などの真空プロセスによる導電性膜の形成方法と異なり、特定の有機金属錯体を用いることによって、少なくとも積層膜の1層はスピンコート法、インクジェット法などの溶液塗布法で塗布膜を形成し、次いで熱および/または光処理することで簡便に導電性積層膜を形成する工業的方法が提供される。この方法は、従来のCVD法のような気相からの堆積ではなく、塗布法で形成した前駆体膜を熱処理および/または光照射することで積層膜中の少なくとも1層を形成することにより低コストでしかも均一且つ緻密な膜質の導電性積層膜が得られ、それを用いた配線または電極を形成することができる。
以下に本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明で用いられる有機金属錯体としては有機モリブデン錯体、有機タングステン錯体および有機タンタル錯体が用いられる。
モリブデン錯体としては、例えば、下記式(1)〜(4)で表される化合物およびその他のモリブデン錯体を挙げることができる。
(R1CN)aMo(CO)b ・・・(1)
ここで、R1はメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基またはフェニル基であり、aは0〜6の整数であり、bは0〜6の整数であり、a+b=6である。
1Mo(CO)c2 d ・・・(2)
ここで、L1はシクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、トリメチルシリルシクロペンタジエニル基、1,5−シクロオクタジエン、1,3−シクロヘキサジエン、1,4−シクロヘキサジエンまたはノルボルナジエンであり、R2は水素原子、メチル基またはエチル基であり、cは3または4であり、d=4−cである。
2Mo(CO)3 ・・・(3)
ここで、L2はベンゼン、トルエンまたはシクロヘプタジエニル基である。
(L32MoR3 e ・・・(4)
ここで、L3はベンゼン、トルエンまたはシクロペンタジエニル基であり、R3はエチレンまたはジフェニルアセチレンであり、eは0または1である。
上記式(1)で表される錯体としては、例えばヘキサ(アセトニトリル)モリブデン、ペンタ(アセトニトリル)カルボニルモリブデン、テトラ(アセトニトリル)ジカルボニルモリブデン、トリ(アセトニトリル)トリカルボニルモリブデン、ジ(アセトニトリル)テトラカルボニルモリブデン、(アセトニトリル)ペンタカルボニルモリブデン、テトラ(プロピオニトリル)ジカルボニルモリブデン、トリ(プロピオニトリル)トリカルボニルモリブデン、ジ(プロピオニトリル)テトラカルボニルモリブデン、テトラ(ブチロニトリル)ジカルボニルモリブデン、トリ(ブチロニトリル)トリカルボニルモリブデン、ジ(ブチロニトリル)テトラカルボニルモリブデン、テトラ(イソブチロニトリル)ジカルボニルモリブデン、トリ(イソブチロニトリル)トリカルボニルモリブデン、ジ(イソブチロニトリル)テトラカルボニルモリブデン、テトラ(バレロニトリル)ジカルボニルモリブデン、トリ(バレロニトリル)トリカルボニルモリブデン、ジ(バレロニトリル)テトラカルボニルモリブデン、テトラ(トリメチルアセトニトリル)ジカルボニルモリブデン、トリ(トリメチルアセトニトリル)トリカルボニルモリブデン、ジ(トリメチルアセトニトリル)テトラカルボニルモリブデン、テトラ(ベンゾニトリル)ジカルボニルモリブデン、トリ(ベンゾニトリル)トリカルボニルモリブデン、ジ(ベンゾニトリル)テトラカルボニルモリブデン、ヘキサカルボニルモリブデン等;
上記式(2)で表される錯体としては、例えば(η5−シクロペンタジエニル)テトラカルボニルモリブデン、(η5−メチルシクロペンタジエニル)テトラカルボニルモリブデン、(η5−エチルシクロペンタジエニル)テトラカルボニルモリブデン、(η5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)テトラカルボニルモリブデン、(η5−トリメチルシリルシクロペンタジエニル)テトラカルボニルモリブデン、(1,3−シクロヘキサジエン)テトラカルボニルモリブデン、(1,4−シクロヘキサジエン)テトラカルボニルモリブデン、(1,5−シクロオクタジエン)テトラカルボニルモリブデン、(ノルボルナジエン)テトラカルボニルモリブデン、(η5−シクロペンタジエニル)トリカルボニルモリブデンヒドリド、(η5−シクロペンタジエニル)(メチル)トリカルボニルモリブデン、(η5−シクロペンタジエニル)(エチル)トリカルボニルモリブデン等;
上記式(3)で表される錯体としては、例えば(η6−ベンゼン)トリカルボニルモリブデン、(η6−トルエン)トリカルボニルモリブデン、(η6−シクロへプタジエニル)トリカルボニルモリブデン等;
上記式(4)で表される錯体としては、例えばビス(η6−ベンゼン)モリブデン、ビス(η6−トルエン)モリブデン、ビス(η5−シクロペンタジエニル)(エチレン)モリブデン、ビス(η−シクロペンタジエニル)(1,2−ジフェニルアセチレン)モリブデン等;
その他のモリブデン錯体としては、例えばビス(η5−シクロペンタジエニル)ヘキサカルボニル二モリブデン、メチルトリカルボニルモリブデンクロライド、ビス(η5−シクロペンタジエニル)モリブデンジヒドリド、テトラプロピル二モリブデン、トリス(ブタジエン)モリブデン、ビス(η5−シクロペンタジエニル)モリブデンジクロライド、ジ(ジメチルアミノ)テトラカルボニルモリブデン、ジ(ジエチルアミノ)テトラカルボニルモリブデン、ジ(ピペリジニル)テトラカルボニルモリブデン、(N,N’−ジメチルプロピレンジアミノ)テトラカルボニルモリブデン、酢酸モリブデン(III)、トルフルオロ酢酸モリブデン(III)、(2−エチルヘキサン酸)モリブデン(III)等を挙げることができる。
これらのうち、好ましいモリブデン錯体としては、上記式(1)で表されるものとして、トリ(アセトニトリル)トリカルボニルモリブデン、トリ(プロピオニトリル)トリカルボニルモリブデン、トリ(ブチロニトリル)トリカルボニルモリブデン、トリ(イソブチロニトリル)トリカルボニルモリブデン、トリ(バレロニトリル)トリカルボニルモリブデン、トリ(トリメチルアセトニトリル)トリカルボニルモリブデン、ヘキサカルボニルモリブデンを;
上記式(2)で表されるものとして、(η5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)テトラカルボニルモリブデン、(η5−シクロペンタジエニル)トリカルボニルモリブデンヒドリドを;
上記式(3)で表されるものとして、(η6−ベンゼン)トリカルボニルモリブデン、(η6−トルエン)トリカルボニルモリブデン、(η6−シクロへプタジエニル)トリカルボニルモリブデン、(ノルボルナジエン)テトラカルボニルモリブデンを;
上記式(4)で表されるものとして、ビス(η6−ベンゼン)モリブデン、ビス(η6−トルエン)モリブデンを;
その他のモリブデン錯体として、ビス(η5−シクロペンタジエニル)モリブデンジヒドリド、トリス(ブタジエン)モリブデン、ジ(ピペリジニル)テトラカルボニルモリブデン、(2−エチルヘキサン酸)モリブデン(III)を挙げることができる。
これらのうち、トリ(アセトニトリル)トリカルボニルモリブデン、トリ(バレロニトリル)トリカルボニルモリブデン、トリ(トリメチルアセトニトリル)トリカルボニルモリブデン、ヘキサカルボニルモリブデン、(η6−シクロへプタジエニル)トリカルボニルモリブデン、ビス(η6−トルエン)モリブデン、ビス(η5−シクロペンタジエニル)モリブデンジヒドリド、トリス(ブタジエン)モリブデンが特に好ましい。
タングステン錯体としては、例えば、下記式(5)〜(8)で表される化合物およびその他のタングステン錯体を挙げることができる。
(R2CN)fW(CO)g ・・・(5)
ここで、R2はメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基またはフェニル基であり、fは0〜6の整数であり、gは0〜6の整数であり、f+g=6である。
4 hW(CO)i3 j ・・・(6)
ここで、L4はアリル基、シクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、トリメチルシリルシクロペンタジエニル基、1,5−シクロオクタジエン、1,3−シクロヘキサジエン、1,4−シクロヘキサジエンまたはノルボルナジエンであり、R3は水素原子、メチル基またはエチル基であり、hは1または2であり、iは3または4であり、j=4−(i+h)である。
5W(CO)3 ・・・(7)
ここで、L5はベンゼン、トルエンまたはシクロヘプタジエニル基である。
(L62WR3 k ・・・(8)
ここで、L6はベンゼン、トルエン、アリル基またはシクロペンタジエニル基であり、R3はエチレンまたはジフェニルアセチレンまたはシクロペンタジエニル基であり、kは0または1である。
上記式(5)で表される錯体としては、例えばヘキサ(アセトニトリル)タングステン、ペンタ(アセトニトリル)カルボニルタングステン、テトラ(アセトニトリル)ジカルボニルタングステン、トリ(アセトニトリル)トリカルボニルタングステン、ジ(アセトニトリル)テトラカルボニルタングステン、(アセトニトリル)ペンタカルボニルタングステン、テトラ(プロピオニトリル)ジカルボニルタングステン、トリ(プロピオニトリル)トリカルボニルタングステン、ジ(プロピオニトリル)テトラカルボニルタングステン、テトラ(ブチロニトリル)ジカルボニルタングステン、トリ(ブチロニトリル)トリカルボニルタングステン、ジ(ブチロニトリル)テトラカルボニルタングステン、テトラ(イソブチロニトリル)ジカルボニルタングステン、トリ(イソブチロニトリル)トリカルボニルタングステン、ジ(イソブチロニトリル)テトラカルボニルタングステン、テトラ(バレロニトリル)ジカルボニルタングステン、トリ(バレロニトリル)トリカルボニルタングステン、ジ(バレロニトリル)テトラカルボニルタングステン、テトラ(トリメチルアセトニトリル)ジカルボニルタングステン、トリ(トリメチルアセトニトリル)トリカルボニルタングステン、ジ(トリメチルアセトニトリル)テトラカルボニルタングステン、テトラ(ベンゾニトリル)ジカルボニルタングステン、トリ(ベンゾニトリル)トリカルボニルタングステン、ジ(ベンゾニトリル)テトラカルボニルタングステン、ヘキサカルボニルタングステン等;
上記式(6)で表される錯体としては、例えばビス(η3−アリル)テトラカルボニルタングステン、(η5−シクロペンタジエニル)テトラカルボニルタングステン、(η5−メチルシクロペンタジエニル)テトラカルボニルタングステン、(η5−エチルシクロペンタジエニル)テトラカルボニルタングステン、(η5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)テトラカルボニルタングステン、(η5−トリメチルシリルシクロペンタジエニル)テトラカルボニルタングステン、(1,3−シクロヘキサジエン)テトラカルボニルタングステン、(1,4−シクロヘキサジエン)テトラカルボニルタングステン、(1,5−シクロオクタジエン)テトラカルボニルタングステン、(ノルボルナジエン)テトラカルボニルタングステン、(η5−シクロペンタジエニル)トリカルボニルタングステンヒドリド、(η5−シクロペンタジエニル)(メチル)トリカルボニルタングステン、(η5−シクロペンタジエニル)(エチル)トリカルボニルタングステン等;
上記式(7)で表される錯体としては、例えば(η6−ベンゼン)トリカルボニルタングステン、(η6−トルエン)トリカルボニルタングステン、(η−シクロへプタジエニル)トリカルボニルタングステン等;
上記式(8)で表される錯体としては、例えばビス(η3−アリル)タングステン、(η5−シクロペンタジエニル)ジ(η3−アリル)タングステン、ビス(η6−ベンゼン)タングステン、ビス(η6−トルエン)タングステン、ビス(η5−シクロペンタジエニル)(エチレン)タングステン、ビス(η−シクロペンタジエニル)(1,2−ジフェニルアセチレン)タングステン等;
その他のタングステン錯体としては、例えばビス(η5−シクロペンタジエニル)ヘキサカルボニル二タングステン、メチルトリカルボニルタングステンクロライド、ビス(η5−シクロペンタジエニル)タングステンジヒドリド、テトラプロピル二タングステン、トリス(ブタジエン)タングステン、ビス(η5−シクロペンタジエニル)タングステンジクロライド、ジ(ジメチルアミノ)テトラカルボニルタングステン、ジ(ジエチルアミノ)テトラカルボニルタングステン、ジ(ピペリジニル)テトラカルボニルタングステン、(N,N’−ジメチルプロピレンジアミノ)テトラカルボニルタングステン、酢酸タングステン(III)、トルフルオロ酢酸タングステン(III)、(2−エチルヘキサン酸)タングステン(III)等を挙げることができる。
これらのうち、好ましいタングステン錯体としては、上記式(5)で表されるものとして、トリ(アセトニトリル)トリカルボニルタングステン、トリ(プロピオニトリル)トリカルボニルタングステン、トリ(ブチロニトリル)トリカルボニルタングステン、トリ(イソブチロニトリル)トリカルボニルタングステン、トリ(バレロニトリル)トリカルボニルタングステン、トリ(トリメチルアセトニトリル)トリカルボニルタングステン、ヘキサカルボニルタングステンを;
上記式(6)で表されるものとして、(η5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)テトラカルボニルタングステン、(η5−シクロペンタジエニル)トリカルボニルタングステンヒドリドを;
上記式(7)で表されるものとして、(η6−ベンゼン)トリカルボニルタングステン、(η6−トルエン)トリカルボニルタングステン、(η6−シクロへプタジエニル)トリカルボニルタングステン、(ノルボルナジエン)テトラカルボニルタングステンを;
上記式(8)で表されるものとして、ビス(η6−ベンゼン)タングステン、ビス(η6−トルエン)タングステン、ビス(η3−アリル)タングステンを;
その他のタングステン錯体として、ビス(η5−シクロペンタジエニル)タングステンジヒドリド、トリス(ブタジエン)タングステン、ジ(ピペリジニル)テトラカルボニルタングステン、(2−エチルヘキサン酸)タングステン(III)をそれぞれ挙げることができる。
これらのうち、トリ(アセトニトリル)トリカルボニルタングステン、トリ(バレロニトリル)トリカルボニルタングステン、トリ(トリメチルアセトニトリル)トリカルボニルタングステン、ヘキサカルボニルタングステン、(η6−シクロへプタジエニル)トリカルボニルタングステン、ビス(η6−トルエン)タングステン、ビス(η5−シクロペンタジエニル)タングステンジヒドリド、トリス(ブタジエン)タングステンが特に好ましい。
タンタル錯体としては、例えば、下記式(9)〜(12)で表される化合物およびその他のタンタル錯体を挙げることができる。
7Ta(CO)mCln ・・・(9)
ここで、L7はシクロペンタジエニル基またはペンタメチルシクロペンタジエニル基であり、mは0,2または4の整数であり、nは0,2または4の整数であり、m+n=4である。
8TaL9 2 ・・・(10)
ここで、L8はシクロペンタジエニル基またはペンタメチルシクロペンタジエニル基であり、L9はブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチルブタジエンまたはエチレンである。
10Ta L11Cl2 ・・・(11)
ここで、L10はシクロペンタジエニル基またはペンタメチルシクロペンタジエニル基であり、L11はブタジエン、イソプレンまたは2,3−ジメチルブタジエンである。
(L122TaR4 3 ・・・(12)
ここで、L12はシクロペンタジエニル基またはペンタメチルシクロペンタジエニル基であり、R4は水素原子またはメチル基である。
上記式(9)で表される錯体としては、例えば(η5−シクロペンタジエニル)テトラカルボニルタンタル、(η5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)テトラカルボニルタンタル、(η5−シクロペンタジエニル)タンタルテトラクロライド、(η5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)タンタルテトラクロライド、(η5−シクロペンタジエニル)ジカルボニルタンタルジクロライド等;
上記式(10)で表される錯体としては、例えば(η5−シクロペンタジエニル)ビス(ブタジエン)タンタル、(η5−シクロペンタジエニル)ビス(2,3−ジメチルブタジエン)タンタル、(η5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)ビス(ブタジエン)タンタル等;
上記式(11)で表される錯体としては、例えば(η5−シクロペンタジエニル)(イソプレン)タンタルジクロライド、(η5−シクロペンタジエニル)(2,3−ジメチルブタジエン)タンタルジクロライド、(η5−シクロペンタジエニル)(ブタジエン)タンタルジクロライド、(η5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)(エチレン)タンタルジクロライド等;
上記式(12)で表される表される体としては、例えばビス(η5−シクロペンタジエニル)タンタルトリヒドリド、ビス(η5−シクロペンタジエニル)トリメチルタンタル等;
その他のタンタル錯体としては、例えばテトラカルボニルタンタル、メチルタンタルテトラクロライド、トリメチルタンタルジクロライド、ビス(η5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)タンタルジクロライド等を挙げることができる。
これらのうち、好ましいタンタルン錯体としては、上記式(9)で表されるものとして、(η5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)テトラカルボニルタンタル、(η5−シクロペンタジエニル)ジカルボニルタンタルジクロライド、(η5−シクロペンタジエニル)タンタルテトラクロライド、(η5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)タンタルテトラクロライドを;
上記式(10)で表されるものとして、(η5−シクロペンタジエニル)ビス(ブタジエン)タンタルを;
上記式(12)で表されるものとして、ビス(η5−シクロペンタジエニル)タンタルトリヒドリド、ビス(η5−シクロペンタジエニル)トリメチルタンタルを;
その他のタンタル錯体として、テトラカルボニルタンタル、メチルタンタルテトラクロライド、トリメチルタンタルジクロライドをそれぞれ挙げることができる。
これらのうち、(η5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)テトラカルボニルタンタル、(η5−シクロペンタジエニル)タンタルテトラクロライド、ビス(η5−シクロペンタジエニル)タンタルトリヒドリド、テトラカルボニルタンタル、メチルタンタルテトラクロライド、トリメチルタンタルジクロライドが特に好ましい。
モリブデン、タングステンまたはタンタルを含有する、上記の如き有機金属錯体は、融点が室温以下であればそのまま用いることもできるが、溶媒に溶解して塗布溶液として使用することもできる。かかる溶液に使用する溶媒としては、これら有機金属錯体を溶解し且つそれと反応しないものであれば特に限定されず、例えば、n−ペンタン、シクロペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘプタン、n−オクタン、シクロオクタン、デカン、シクロデカン、ジシクロペンタジエン水素化物、ベンゼン、トルエン、キシレン、デュレン、インデン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、スクワランの如き炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサン、アニソール、2−メチルアニソール、4−メチルアニソールの如きエーテル系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルの如きニトリル類;プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、塩化メチレン、クロロホルムの如き非プロトン性極性溶媒;およびメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、オクタノール、デカノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、グリセロール、グリセロールモノメチルエーテル、グリセロールジメチルエーテル、グリセロールモノエチルエーテル、グリセロールジエチルエーテルの如きアルコール系溶媒;乳酸メチル、乳酸エチルの如き水酸基を有するエステル類を挙げることができる。これらの溶媒は、単独でも、あるいは2種以上の混合物としても使用できる。これらのうち、Mo、W、Taを含有する有機金属錯体の溶解性と該溶液の安定性の点で炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、ニトリル類またはこれら溶媒の混合溶媒が好ましい。
上記モリブデン、タングステンまたはタンタルを含有する有機金属錯体の溶液の濃度は、好ましくは1〜50重量%程度である。焼成後に生成するモリブデン、タングステン、またはタンタルの膜厚に応じて濃度は適宜選択される。
かくして得られたモリブデン、タングステンまたはタンタルを含有する有機金属錯体の溶液は、必要に応じて、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ケイ素などの金属酸化物の微粒子などと適宜混合して使用することができる。
また、溶液の塗布対象物への濡れ性を良好化し、塗布した膜のレベルリング性を改良し、塗膜のぶつぶつの発生、ゆず肌の発生などを防止するため、目的の機能を損なわない範囲で、必要に応じてフッ素系、シリコーン系、非イオン系界面活性剤などの表面張力調節剤を少量添加することができる。これらのうち、フッ素系界面活性剤および非イオン系界面活性剤が好ましく、フッ素系界面剤がさらに好ましい。かかる非イオン系界面活性剤としては、例えばフッ化アルキル基もしくはパーフルオロアルキル基を有するフッ素系界面活性剤およびオキシアルキル基を有するポリエーテルアルキル系界面活性剤を挙げることができる。前記フッ素系界面活性剤としては、例えばC919CONHC1225、C817SO2NH−(C24O)6H、C917O(プルロニックL−35)C917、C917O(プルロニックP−84)C917などを挙げることができる。ここで、プルロニックL−35は旭電化工業(株)製、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロック共重合体、平均分子量1,900であり、プルロニックP−84は、旭電化工業(株)製、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロック共重合体、平均分子量4,200である。これらのフッ素系界面活性剤の具体例としては、エフトップEF301、同EF303、同EF352(新秋田化成(株)製)、メガファックF171、同F173(大日本インキ(株)製)、アサヒガードAG710(旭硝子(株)製)、フロラードFC−170C、同FC430、同FC431(住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−382、同SC101、同SC102、同SC103、同SC104、同SC105、同SC106(旭硝子(株)製)、BM−1000、同1100(B.M−Chemie社製)、Schsego−Fluor(Schwegmann社製)などを挙げることができる。ポリエーテルアルキル系界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックポリマーなどを挙げることができる。これらのポリエーテルアルキル系界面活性剤の具体例としては、エマルゲン105、同430、同810、同920、レオドールSP−40S、同TW−L120、エマノール3199、同4110、エキセルP−40S、ブリッジ30、同52、同72、同92、アラッセル20、エマゾール320、ツィーン20、同60、マージ45(いずれも(株)花王製)、ノニボール55(三洋化成(株)製)などを挙げることができる。上記以外の非イオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリアルキレンオキサイドブロック共重合体などがあり、具体的にはケミスタット2500(三洋化成工業(株)製)、SN−EX9228(サンノプコ(株)製)、ノナール530(東邦化学工業(株)製)などを挙げることができる。
上記有機金属錯体あるいはかくして得られた溶液を支持体上に塗布してモリブデン、タングステンおよびタンタルの何れかを含有する塗膜を形成する。支持体の材質、形状等は特に制限はないが、材質は次工程の熱処理に耐えられるものが好ましく、また塗膜を形成する支持体は平面でもよく段差のある非平面でもよく、その形態は特に限定されるものではない。これらの支持体の材質の具体例としては、シリコン、ガラス、金属、プラスチック、セラミックスなどを挙げることができる。ガラスとしては、例えば石英ガラス、ホウ珪酸ガラス、ソーダガラス、鉛ガラスが使用できる。金属としては、例えば金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、鉄およびステンレス鋼などが使用できる。プラスチックとしては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリエーテルスルホン等を用いることができる。また、セラミックスとしては、例えば、アルミナ、セライト、ジルコニア、窒化珪素、炭化珪素、サイアロン複合体等を用いることができる。さらに、これらの材質形状は、バルク形状、板状、フィルム形状などで特に制限されるものではない。また、上記溶液の塗布に際しては、塗布方法は特に限定されずスピンコート、ディップコート、カーテンコート、ロールコート、スプレーコート、インクジェット、印刷法などにより実施することができる。また、塗布は不活性雰囲気中で行うのが好ましい。かかる不活性雰囲気は例えばヘリウム、アルゴン、窒素等により実現できる。塗布は1回で、または複数回、重ね塗りすることもできる。好適な塗膜の厚みは塗布方法、固形分濃度に依存して適宜変動するが、膜厚として0.01〜100μmが好ましく、0.02〜10μmであるのがさらに好ましい。また、微細パターンを有する基板上に塗布液を塗布する際は、基板を塗布液に浸漬し超音波を照射する、あるいは該基板上に塗布液を盛り超音波を照射する等、液を振動させて塗布することもできる。
かくして、基板上に形成された塗布膜を次いで熱処理することにより導電性膜に変換する。導電性膜は、モリブデン、タングステンおよびタンタルよりなる群から選ばれる金属と炭素を含有する。熱処理の温度は使用する溶媒の沸点に依存するが、50℃以上とするのが好ましく、100℃〜500℃とするのがさらに好ましい。加熱時間は30秒から30分程度で十分である。また、熱処理する時の雰囲気はできる限り酸素のない且つ水素が存在する雰囲気が好ましい。それにより良質の導電性膜を得ることができる。上記熱処理の雰囲気の水素は、例えば窒素、ヘリウム、アルゴンなどとの混合ガスで用いてもよい。
かくして、基板上に形成された導電性膜上に、次いでアミン化合物とアランとの錯体を塗布し、さらに熱および/または光処理することにより金属アルミニウム膜を形成する。
アランとはアルミニウムと水素元素とからなる化合物、一般的にはAlH3で表される化合物をさす。
アミン化合物とアランとの錯体は、J.K.Ruffら、J.Amer.Chem.Soc., 82巻, 2141ページ, 1960年、G.W.Fraser ら、J.Chem.Soc.,3742ページ, 1963年、J.L.Atwoodら、J.Amer.Chem.Soc.,113巻, 8183ページ, 1991年、特許公報、特願2002-118381に記載された方法に準じて合成した。
アミン化合物とアランとの錯体を構成するアミン化合物は下記式(1)で表される。
123N---------(1)
(ここで、R1、R2、R3は水素原子もしくは炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、またはフェニル基で同一もしくは異なる。)
式(1)におけるR1、R2およびR3の具体例としては、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基の如き飽和アルキル基;メタアリル基の如き不飽和基を有するアルケニル基;フェニルエチニル基の如きアルキニル基;シクロプロピル基の如き脂環式アルキル基;フェニル基、ベンジル基の如きフェニル基を有する基などを好適なものとして挙げることができる。またこれらアルキル基、アルケニル基、アルキニル基およびフェニル基を有する基は直鎖状でも、環状でも、また分岐していてもよい。
式(1)で示される化合物の具体例としては、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリシクロプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリ−t−ブチルアミン、トリ−2−メチルブチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリ(2−エチルヘキシル)アミン、トリオクチルアミン、トリフェニルアミン、トリベンジルアミン、ジメチルフェニルアミン、ジエチルフェニルアミン、ジイソブチルフェニルアミン、メチルジフェニルアミン、エチルジフェニルアミン、イソブチルジフェニルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジシクロプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−t−ブチルアミン、メチルエチルアミン、メチルブチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミン、ジオクチルアミン、ジフェニルアミン、ジベンジルアミン、メチルフェニルアミン、エチルフェニルアミン、イソブチルフェニルアミン、メチルメタクリルアミン、メチル(フェニルエチニル)アミン、フェニル(フェニルエチニル)アミン、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、シクロプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、t−ブチルアミン、2−メチルブチルアミン、n−ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、オクチルアミン、フェニルアミン、ベンジルアミン、エチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、N,N’−ジイソプロピルエチレンジアミン、N,N’−ジ−t−ブチルエチレンジアミン、N,N’−ジフェニルエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、1,7−ジメチル−1,4,7−トリアザヘプタン、1,7−ジエチル−1,4,7−トリアザヘプタン、トリエチレンテトラアミン、フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルジアミノベンゼン、1−アザービシクロ[2.2.1]ヘプタン、1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン(キヌクリジン)、1−アザシクロヘキサン、1−アザ−シクロヘキサン−3−エン、N−メチル−1−アザシクロヘキサン−3−エン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、ピペラジン、N,N’,N’’トリメチル−1,3,5−トリアザーシクロヘキサン等を用いることができる。これらのうち、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミンが好ましい。これらのアミン化合物は、単独でもあるいは2種以上の化合物を混合して使用することもできる。
金属アルミニウム膜形成用組成物は、上記の如く、アミン化合物とアランとの錯体を含有するが、アミン化合物とアランとの錯体以外の他のアルミニウム化合物を含有することもできる。かかる他のアルミニウム化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリシクロプロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−t−ブチルアルミニウム、トリ−2−メチルブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニウム、トリ(2−エチルヘキシル)アルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、トリベンジルアルミニウム、ジメチルフェニルアルミニウム、ジエチルフェニルアルミニウム、ジイソブチルフェニルアルミニウム、メチルジフェニルアルミニウム、エチルジフェニルアルミニウム、イソブチルジフェニルアルミニウム、ジエチルアルミニウムヒドリド、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、ジフェニルアルミニウムヒドリド、ジメチルメタクリルアルミニウム、ジメチル(フェニルエチニル)アルミニウム、ジフェニル(フェニルエチニル)アルミニウム、ジメチルアミン・ジメチルアルミニウム錯体、ジエチルアミン・ジエチルアルミニウム錯体、ジメチルアミン・ジエチルアルミニウム錯体、ジエチルアミン・ジメチルアルミニウム錯体、ジフェニルアミン・ジメチルアルミニウム錯体、ジフェニルアミン・ジエチルアルミニウム錯体等を挙げることができる。これらの他のアルミニウム化合物は、単独でも、あるいは2種以上の化合物を混合して使用することもできる。
上記式(1)で表されるアミン化合物とアランとの錯体は錯体の融点が室温以下であればそのまま用いることができるが、融点に関わらず溶媒に溶解して塗布溶液として使用することもできる。溶媒としては、式(1)で表されるアミン化合物とアランとの錯体を溶解し溶媒と反応しないものであれば特に限定されないが、例えば、n−ペンタン、シクロペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘプタン、n−オクタン、シクロオクタン、デカン、シクロデカン、ジシクロペンタジエン水素化物、ベンゼン、トルエン、キシレン、デュレン、インデン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、スクワランの如き炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサン、アニソール、2−メチルアニソール、4−メチルアニソール、エチルアニソールの如きエーテル系溶媒、および塩化メチレン、クロロホルムの如き極性溶媒を用いることができる。これらの溶媒は、単独でも、あるいは2種以上の混合物としても使用することができる。これらのうち、式(1)で表されるアミン化合物とアランとの錯体の溶解性と該溶液の安定性の点で炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、または炭化水素系溶媒とエーテル系溶媒との混合物を用いるのが好ましい。
上記式(1)で表されるアミン化合物とアランとの錯体の溶液中の濃度は、好ましくは0.1〜90重量%である。所望の導電性膜の膜厚に応じて適宜選択することができる。
上記式(1)で表されるアミン化合物とアランとの錯体には、必要に応じて酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタンなどの金属酸化物あるいは酸化ケイ素の微粒子などを適宜混合して、使用に供することができる。また、塗布対象物への濡れ性を良好化し、塗布した膜のレベルリング性を改良し、塗膜のぶつぶつの発生、ゆず肌の発生などを防止するため、目的の機能を損なわない範囲で必要に応じてフッ素系、シリコーン系、非イオン系界面活性剤などの表面張力調節剤を少量添加することができる。これらのうち、フッ素系界面活性剤および非イオン系界面活性剤が好ましく、フッ素系界面活性剤がさらに好ましい。表面張力調節剤としては、該モリブデン、タングステン、タンタルを含有する有機金属錯体の溶液に使用できるものと同じものを挙げることができる。
上記アミン化合物とアランとの錯体あるいはかくして得られた塗布液を、前記導電性膜上に塗布してアミン化合物とアランとの錯体からなる塗膜を形成する。塗布方法は特に限定されずスピンコート、ディップコート、カーテンコート、ロールコート、スプレーコート、インクジェット、印刷法などにより実施することができる。塗布は1回で、または複数回、重ね塗りすることもできる。好適な塗膜の厚みは塗布方法、固形分濃度に依存して適宜変動するが、膜厚として0.01〜100μmが好ましく、0.02〜10μmであるのがさらに好ましい。
アミン化合物とアランとの錯体の塗布膜は、次いで熱および/または光処理に付されて、モリブデン、タングステン、タンタルを含有する前記導電性膜上に金属アルミニウム膜を形成する。
熱処理は、該導電性膜を形成する際の前記熱処理と同じ条件下で実施することができる。光処理に使用する光源としては、低圧あるいは高圧の水銀ランプ、重水素ランプあるいはアルゴン、クリプトン、キセノン等の希ガスの放電光の他、YAGレーザー、アルゴンレーザー、炭酸ガスレーザー、XeF、XeCl、XeBr、KrF、KrCl、ArF、ArClなどのエキシマレーザーなどを光源として使用することができる。これらの光源は一般には、10〜5,000Wの出力のものが用いられるが、通常100〜1,000Wで十分である。これらの光源の波長は特に限定されないが、通常170nm〜600nmである。また導電性膜の改質効果の点でレーザー光の使用が特に好ましい。これらの光処理時の温度は通常室温〜200℃である。また光照射に際しては、特定部位のみを照射するためにマスクを介して照射してもよい。
かくして、本発明によれば、金属アルミニウム膜ならびにモリブデン、タングステンおよびタンタルよりなる群から選ばれる金属、好ましくは該金属と炭素、を含有する導電性膜が積層されてなる本発明の導電性積層膜が得られる。
本発明の導電性積層膜は、上記金属アルミニウム膜上に、さらにモリブデンおよびタンタルよりなる群から選ばれる金属、好ましくは該金属と炭素、を含有する導電性膜が積層されていてもよい。すなわち、金属アルミニウム膜が上記金属を含有する導電性膜でサンドイッチされている構造を有していてもよい。
金属アルミニウム膜上に上記金属を含有する導電性膜を形成するには、前記したと全く同様の方法で行うことができる。
本発明の導電性積層膜は電子デバイスの電極あるいは配線として有利に使用することができる。
以下に、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下の実施例において、元素分析は(株)ジェイ・サイエンス・ラボ社製、型式「JM10」により測定した。比抵抗はナプソン社製探針抵抗率測定器、型式「RT−80/RG−80」により測定した。膜厚はTenchor社製「α step」と、フィリップス社製斜入射X線分析装置(型式「X‘Pert MRD」)により測定した。ESCAスペクトルは日本電子(株)製、型式「JPS80」にて測定した。また密着性はJIS K−5400に準拠して、碁盤目テープ法によった。
また、実施例にて用いたn型Si基板は信越アステック(株)社製、型番:NW410NAシリーズ、ホウケイ酸ガラスは(株)東レダウコーニング社製、型番1737を用いた。
合成例1
トリ(アセトニトリル)トリカルボニルモリブデンの合成
D. P. Tateら、Inorg. Chem., Vol., 1, p433, 1962年に記載された方法に準じてトリ(アセトニトリル)トリカルボニルモリブデンを合成した。合成および生成物の単離は全て乾燥窒素下で行った。
ヘキサカルボニルモリブデン2.64gをアセトニトリル30mlに加え、5時間還流した。ヘキサカルボニルモリブデンはアセトニトリルに不溶であるが、還流時間の経過とともに徐々に反応し反応混合物は黄色の溶液状になった。次に、この反応溶液を0℃に冷却すると、析出物がみられた。析出した固体を濾取し、100mlのアセトニトリルで洗浄した後、減圧下で乾燥し、2.1gのトリ(アセトニトリル)トリカルボニルモリブデンを得た(収率70%)。このものの元素分析を行ったところ、C:36.70%、H:2.55%、N:12.96%、O:16.1%であった(トリ(アセトニトリル)トリカルボニルモリブデンとしての理論値は、C:35.66%、H:2.99%、N:13.86%、O:15.83%)。
合成例2
トリ(トリメチルアセトニトリル)トリカルボニルタングステンの合成
D. P. Tateら、Inorg. Chem., Vol., 1, p433, 1962年に記載された方法に準じてトリ(トリメチルアセトニトリル)トリカルボニルタングステンを合成した。合成および生成物の単離は全て乾燥窒素下で行った。
ヘキサカルボニルタングステン3.52gをトリメチルアセトニトリル50mlに加え、120℃で8時間攪拌した。ヘキサカルボニルタングステンはトリメチルアセトニトリルに不溶であるが、時間の経過とともに反応混合物は徐々に黄色の溶液状になった。次に、この反応溶液を0℃に冷却すると、析出物がみられた。析出した固体をフィルターで濾取し、100mlのトリメチルアセトニトリルで洗浄し減圧下で乾燥することにより、2.4gのトリ(トリメチルアセトニトリル)トリカルボニルタングステンを得た(収率65%)。このものの元素分析を行ったところ、C:40.10%、H:3.85%、N:8.99%、O:9.74%であった(トリ(トリメチルアセトニトリル)トリカルボニルタングステンとしての理論値は、C:38.69%、H:4.45%、N:8.84%、O:10.1%)。
合成例3
トリエチルアミン−アラン錯体の4−メチルアニソール溶液の調製
合成工程および精製工程は全て窒素気流下にて行った。トリエチルアミンの塩化水素塩17.9gを、3.8gのリチウムアルミニウムハイドライドの100mlジエチルエーテル懸濁液中へ0℃で15分かけ滴下し、滴下終了後さらに0℃で1時間反応させた。反応溶液を0.45μmのメンブレンフイルターで濾過した。そこへ20mlの4−メチルアニソールを添加後、濾液を窒素下で濃縮し、濃縮中に析出した塩を0.1μmのメンブレンフイルターで濾別し、反応生成物の4−メチルアニソール溶液を得た。得られた反応生成物のIRスペクトルおよびNMRスペクトルから、生成物が目的物のトリエチルアミン−アラン錯体であることが分かった(1H−NMRスペクトル同定[AlHa 3・N(CHb 2CHc 33]9Hc:0.9〜1.1 ppm(t), 6Hb:2.4〜3.6 ppm(dd), 3Ha:3.6〜6.0 ppm(b))。
上記で得られたトリエチルアミン−アラン錯体の4−メチルアニソール溶液1gをアルミ箔製容器に量り取り、そこにエタノール0.2gを添加して30分放置した。溶液中に白色沈殿が生成した。混合液を空気中に取り出し、ホットプレートにて200℃で2時間加熱した。室温に戻した後アルミ箔製容器に残った固体の重量を測定したところ0.27gであった。ここで、残存した固体がすべてAl(OH)3に変換されたものと仮定してもとの溶液の濃度を求めると、45質量%と計算された。
参考例1
合成例1で得られたトリ(アセトニトリル)トリカルボニルモリブデン0.5gを良く乾燥したアセトニトリル4.5gに溶解し、トリ(アセトニトリル)トリカルボニルモリブデンの10質量%アセトニトリル溶液を得た。
n型Si基板上へ、上記溶液を、回転数1,000rpmで窒素気流下にてスピンコートした後、3%H2入りN2気流下中300℃で30分間加熱して黒色金属光沢を有する膜を得た。得られた膜の膜厚は60nmであった。この膜のESCAスペクトルを測定したところ、Mo3d2/5に帰属されるピークが228eVに観察され金属モリブデン膜であることが判った。また、この金属モリブデン膜を4端子法で抵抗率を測定したところ、250μΩcmで導電性の金属モリブデン膜が形成できたことが分かった。また、形成されたモリブデン膜につき密着性の評価を行ったところ、基板とモリブデン膜との剥離は全く見られず密着性は良好であった。
次に、上記と同様にしてn型Si基板上に形成されたモリブデン膜上へ、合成例3で得られたトリエチルアミン−アラン錯体のメチルアニソール溶液を、回転数500rpmでスピンコートにて塗布した後、N2中150℃10分加熱し、次いで250℃で30分間加熱処理し、銀白色金属光沢を有する膜を得た。ここで得られた膜の膜厚は170nmであった。この膜のESCAを測定した所、73.5eVにAl2pに帰属されるピークが観察され、金属アルミニウムであることが判った。
このような操作により、n型Si基板上にモリブデン膜とアルミニウム膜の積層膜が形成された。
この積層膜の導電性を調べた所、8μΩ・cmの抵抗値を示した。また、形成された積層膜につき密着性の評価を行ったところ、剥離は全く見られず密着性は良好であった。
次いで、上記と同様にして得られたモリブデン膜とアルミニウム膜の積層膜が形成されたn型Si基板につき、窒素中にて400℃、1時間加熱処理をした。加熱処理後、積層膜の導電性を測定したところ、8μΩ・cmの抵抗値を示し、加熱処理前後で導電性に変化がなかった。また、本積層膜のAESスペクトルを測定したところ、アルミニウム膜中への珪素原子の拡散が観測されず、モリブデン膜が十分なバリア性能を有している事が確認された。ここで測定したAESスペクトルを図1に示した。また、加熱試験後に積層膜の密着性の評価を行ったところ、剥離は全く見られず密着性は良好であった。
比較参考
n型Si基板上へ、合成例3で得られたトリエチルアミン−アラン錯体のメチルアニソール溶液をスピンコート法により回転数500rpmで窒素気流下にて塗布した後、N中150℃10分で加熱し、次いで250℃で30分間加熱処理することにより、銀白色金属光沢の膜を得た。この膜の膜厚は150nmであった。この膜のESCAを測定したところ、73.5eVにAl2pに帰属されるピークが観察され、金属アルミニウムであることが判った。このアルミニウム膜の導電性を調べた所、5μΩ・cmの抵抗値を示した。このアルミニウム膜に対し密着性の評価を行ったところ、アルミニウム膜と基板との剥離は全く見られなかった。
次いで、上記と同様にして形成したアルミニウム膜を有するn型Si基板を、窒素中、400℃にて1時間の加熱処理をした。加熱処理後、アルミニウム膜の導電性を測定したところ、60μΩ・cmの抵抗値を示し、導電性が著しく低下していた。また、この膜のAESスペクトルを測定したところ、アルミニウム膜中にケイ素原子が存在することが観測された。このことから基板中のケイ素原子がアルミニウム膜中に拡散したものと考えられる。ここで測定したAESスペクトルを図2に示す。また、加熱試験後にアルミニウム膜の密着性を評価したところ、碁盤目100個中70個の碁盤目に剥離が見られた。
参考例2
合成例2で得られたトリ(トリメチルアセトニトリル)トリカルボニルタングステン0.5gを良く乾燥したアセトニトリル4.5gに溶解し、トリ(トリメチルアセトニトリル)トリカルボニルタングステンの10質量%アセトニトリル溶液を得た。
アルカリ洗浄液および超純水を用いて超音波洗浄したホウケイ酸ガラス上へ、上記溶液を窒素気流下で回転数1,000rpmスピンコートした後、窒素中350℃で30分間加熱処理し、黒色金属光沢の膜を得た。この膜の膜厚は70nmであった。この膜のESCAスペクトルを測定したところ、W4f7/2軌道に帰属されるピークが31.7eVに観察され、金属タングステン膜であることが判った。このタングステン膜の比抵抗を測定した所、100μΩ・cmであった。また、形成されたタングステン膜につき密着性評価を行ったところ、基板とタングステン膜との剥離は全く見られず密着性は良好であった。
次に、上記と同様にして形成したタングステン膜上へ、トリエチルアミン−アラン錯体のメチルアニソール溶液を用い、実施例1と略同様にして膜厚160nmの銀白色金属光沢膜を形成した。この膜のESCAを測定した所、73.5eVにAl2pに帰属されるピークが観察され、金属アルミニウムであることが判った。
このような操作により、n型Si基板上にタングステン膜とアルミニウム膜の積層膜が形成された。
この積層膜の導電性を調べた所、6μΩ・cmの抵抗値を示した。また、個の積層膜につき密着性を評価したところ、剥離は全く見られず密着性は良好であった。
次いで、上記と同様にして得られたタングステン膜とアルミニウム膜の積層膜が形成されたn型Si基板につき、窒素中にて400℃、1時間加熱処理をした。加熱処理後の積層膜の導電性を測定したところ、6μΩ・cmの抵抗値を示し、導電性に変化はなかった。
また本加熱試験後の積層膜について密着性評価を行ったところ、剥離は全く見られず密着性は良好であった。
実施例
参考例1と同様の手法にて、n型Si基板上にモリブデン膜とアルミニウム膜の積層膜を形成した。この積層膜上へ合成例1で合成したトリ(アセトニトリル)トリカルボニルモリブデンをアセトニトリルに溶解した溶液(濃度10質量%)を、窒素気流下にて回転数1,000rpmでスピンコートし、窒素中300℃で30分間加熱処理し、黒色金属光沢を有する膜を形成した。この膜の膜厚は60nmであった。この膜のESCAスペクトルを測定したところ、Mo3d2/5に帰属されるピークが228eVに観察され金属モリブデンであることが判った。
以上の操作により、n型Si基板上にモリブデン膜、アルミニウム膜、モリブデン膜が順次積層された積層膜が形成された。
この積層膜の比抵抗を測定した所、18μΩ・cmの抵抗値を示した。また、形成された積層膜につき密着性評価を行ったところ、剥離は全く見られず、密着性は良好であった。
実施例
参考例2と同様の手法にて、n型Si基板上にタングステン膜とアルミニウム膜の積層膜を形成した。この積層膜上へ合成例2で合成したトリ(トリメチルアセトニトリル)トリカルボニルタングステンをアセトニトリルに溶解した溶液(濃度10質量%)を、窒素気流下にて回転数1,000rpmでスピンコートし、窒素中450℃で30分間加熱処理し、黒色金属光沢を有する膜を形成した。この膜の膜厚は70nmであった。この膜のESCAスペクトルを測定したところ、W4f7/2軌道に帰属されるピークが31.7eVに観察され、金属タングステン膜であることが判った。
以上の操作により、n型Si基板上にタングステン膜、アルミニウム膜、タングステン膜が順次積層された積層膜が形成された。
この積層膜の比抵抗を測定した所、15μΩ・cmの抵抗値を示した。また、形成された積層膜につき密着性評価を行ったところ、剥離は全く見られず、密着性は良好であった。
参考例1で得られたn型Si基板上のモリブデン膜とアルミニウム膜の積層膜のAESスペクトル。 比較参考例1で得られたn型Si基板上のアルミニウム膜のAESスペクトル。

Claims (3)

  1. モリブデン、タングステンおよびタンタルよりなる群から選ばれる金属の有機金属錯体を基体上に塗布し次いで水素が存在する雰囲気中熱処理することにより導電性膜を形成し、そして該導電性膜上にアミン化合物とアランとの錯体を塗布し次いで熱および/または光処理して金属アルミニウム膜を形成し、さらに該金属アルミニウム膜上にモリブデン、タングステンおよびタンタルよりなる群から選ばれる金属の有機金属錯体を塗布し次いで水素が存在する雰囲気中熱処理して導電性膜を形成する、ことを特徴とする、導電性積層膜の形成法。
  2. 導電性膜が炭素をさらに含有する請求項1の形成法
  3. 基体がシリコンからなる請求項に記載の形成法。
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