JP2005183653A - Cigs系太陽電池の電極の形成方法及びそのための組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 CIGS系太陽電池の裏面電極を、簡易に形成するための方法及びそのための組成物を提供すること。
【解決手段】 CIGS系太陽電池の裏面電極を形成するための組成物は、トリス(アセトニトリル)トリカルボニルモリブデンに代表されるモリブデン錯体及び有機溶媒を含有するものである。
基板上に上記の組成物を塗布し、次いで熱処理することにより、CIGS系太陽電池の電極を簡易に形成することができる。
【選択図】 なし。

Description

太陽電池としては、一般にシリコン太陽電池が使用されている。
シリコン太陽電池は、その製造が容易で既に製造技術が確立しているため、一般に普及しているものである。しかし、その製造に際して高エネルギーを要し、又、昨今では、各太陽電池メーカーの開発の傾向が発電効率の向上よりもコストダウンの方向に向いており、環境エネルギーの有効活用という面では限界が見えてきつつある。
近年、カルコパライト系の化合物半導体を使用した太陽電池の開発が行われている。
これは、基板上に裏面電極を形成し、その上に化合物半導体からなる光吸収層が形成され、更にバッファ層を介して負電極となる透明電極層が形成されたものである。このような化合物半導体を使用した太陽電池のうち、光吸収層として、銅、インジウム、ガリウム及びセレンをベースとしたCIGS薄膜を用いた、いわゆるCIGS系太陽電池が、発電効率の高さから特に注目されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
CIGS系太陽電池の裏面電極としては、仕事関数の面からモリブデンであることが好ましい。
CIGS系太陽電池の裏面電極として、モリブデン膜を形成するにあたっては、スパッタリング法が多く用いられている。また、より微細化した構造や、量産性への対応として、CVD法の検討も行われている。
しかし、いずれも大がかりな装置が必要となり、装置自体が高価であるばかりでなく、真空系やプラズマ系等に多大なエネルギーを消費するため、製品のコスト高につながっている。
特開平10−135495号公報 特開2003−258282号公報
本発明は上記事情を鑑みなされたもので、その目的は、CIGS系太陽電池の裏面電極を、簡易に形成するための方法及びそのための組成物を提供することにある。
本発明の上記課題は、第一に、モリブデン錯体及び有機溶媒を含有する組成物であって、CIGS系太陽電池の電極を形成するための組成物によって達成される。又、本発明の上記課題は第二に、基板上に上記の組成物を塗布し、次いで熱処理することを特徴とする、CIGS系太陽電池の電極の形成方法によって達成される。
本発明によれば、特定のモリブデン錯体を使用することによって、CIGS系太陽電池の裏面電極を、大がかりな装置を使用せずに、簡易に形成するための方法及びそのための組成物が提供される。
CIGS系太陽電池の電極を形成するための組成物
本発明のCIGS系太陽電池の電極を形成するための組成物は、モリブデン錯体及び有機溶媒を含有する。
上記モリブデン錯体としては、例えば、下記式(1)〜(4)で表される化合物及びその他のモリブデン錯体を挙げることができる。
(R1CN)aMo(CO)b ・・・(1)
ここで、Rはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基又はフェニル基であり、aは0〜6の整数であり、bは0から6の整数であり、ただしa+b=6である。
L1Mo(CO)cR2 d ・・・(2)
ここで、Lはシクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、トリメチルシリルシクロペンタジエニル基、1,5−シクロオクタジエン、1,3−シクロヘキサジエン、1,4−シクロヘキサジエン又はノルボルナジエンであり、Rは水素原子、メチル基又はエチル基であり、cは3又は4であり、d=4−cである。
L2Mo(CO)3 ・・・(3)
ここで、Lはベンゼン、トルエン又はシクロヘプタジエニル基である。
(L3)2MoR3 e ・・・(4)
ここで、Lはベンゼン、トルエン又はシクロペンタジエニル基であり、Rはエチレン又はジフェニルアセチレンであり、eは0又は1である。
上記式(1)で表される錯体としては、例えばヘキサ(アセトニトリル)モリブデン、ペンタ(アセトニトリル)カルボニルモリブデン、テトラ(アセトニトリル)ジカルボニルモリブデン、トリ(アセトニトリル)トリカルボニルモリブデン、ジ(アセトニトリル)テトラカルボニルモリブデン、(アセトニトリル)ペンタカルボニルモリブデン、テトラ(プロピオニトリル)ジカルボニルモリブデン、トリ(プロピオニトリル)トリカルボニルモリブデン、ジ(プロピオニトリル)テトラカルボニルモリブデン、テトラ(ブチロニトリル)ジカルボニルモリブデン、トリ(ブチロニトリル)トリカルボニルモリブデン、ジ(ブチロニトリル)テトラカルボニルモリブデン、テトラ(イソブチロニトリル)ジカルボニルモリブデン、トリ(イソブチロニトリル)トリカルボニルモリブデン、ジ(イソブチロニトリル)テトラカルボニルモリブデン、テトラ(バレロニトリル)ジカルボニルモリブデン、トリ(バレロニトリル)トリカルボニルモリブデン、ジ(バレロニトリル)テトラカルボニルモリブデン、テトラ(トリメチルアセトニトリル)ジカルボニルモリブデン、トリ(トリメチルアセトニトリル)トリカルボニルモリブデン、ジ(トリメチルアセトニトリル)テトラカルボニルモリブデン、テトラ(ベンゾニトリル)ジカルボニルモリブデン、トリ(ベンゾニトリル)トリカルボニルモリブデン、ジ(ベンゾニトリル)テトラカルボニルモリブデン、ヘキサカルボニルモリブデン等;
上記式(2)で表される錯体としては、例えば(η―シクロペンタジエニル)テトラカルボニルモリブデン、(η―メチルシクロペンタジエニル)テトラカルボニルモリブデン、(η―エチルシクロペンタジエニル)テトラカルボニルモリブデン、(η―ペンタメチルシクロペンタジエニル)テトラカルボニルモリブデン、(η―トリメチルシリルシクロペンタジエニル)テトラカルボニルモリブデン、(1,3−シクロヘキサジエン)テトラカルボニルモリブデン、(1,4−シクロヘキサジエン)テトラカルボニルモリブデン、(1,5−シクロオクタジエン)テトラカルボニルモリブデン、(ノルボルナジエン)テトラカルボニルモリブデン、(η―シクロペンタジエニル)トリカルボニルモリブデンヒドリド、(η―シクロペンタジエニル)(メチル)トリカルボニルモリブデン、(η―シクロペンタジエニル)(エチル)トリカルボニルモリブデン等;
上記式(3)で表される錯体としては、例えば(η−ベンゼン)トリカルボニルモリブデン、(η−トルエン)トリカルボニルモリブデン、(η―シクロへプタジエニル)トリカルボニルモリブデン等;
上記式(4)で表される錯体としては、例えばビス(η−ベンゼン)モリブデン、ビス(η−トルエン)モリブデン、ビス(η―シクロペンタジエニル)(エチレン)モリブデン、ビス(η―シクロペンタジエニル)(1,2−ジフェニルアセチレン)モリブデン等;
その他のモリブデン錯体としては、例えばビス(η―シクロペンタジエニル)ヘキサカルボニル二モリブデン、メチルトリカルボニルモリブデンクロライド、ビス(η−シクロペンタジエニル)モリブデンジヒドリド、テトラプロピル二モリブデン、トリス(ブタジエン)モリブデン、ビス(η―シクロペンタジエニル)モリブデンジクロライド、ジ(ジメチルアミノ)テトラカルボニルモリブデン、ジ(ジエチルアミノ)テトラカルボニルモリブデン、ジ(ピペリジニル)テトラカルボニルモリブデン、(N、N’−ジメチルプロピレンジアミノ)テトラカルボニルモリブデン、酢酸モリブデン(III)、トルフルオロ酢酸モリブデン(III)、(2−エチルヘキサン酸)モリブデン(III)等を挙げることができる。
これらのうち、好ましいモリブデン錯体としては、上記式(1)で表されるものとして、トリ(アセトニトリル)トリカルボニルモリブデン、トリ(プロピオニトリル)トリカルボニルモリブデン、トリ(ブチロニトリル)トリカルボニルモリブデン、トリ(イソブチロニトリル)トリカルボニルモリブデン、トリ(バレロニトリル)トリカルボニルモリブデン、トリ(トリメチルアセトニトリル)トリカルボニルモリブデン、ヘキサカルボニルモリブデンを;
上記式(2)で表されるものとして、(η―ペンタメチルシクロペンタジエニル)テトラカルボニルモリブデン、(η―シクロペンタジエニル)トリカルボニルモリブデンヒドリドを;
上記式(3)で表されるものとして、(η−ベンゼン)トリカルボニルモリブデン、(η−トルエン)トリカルボニルモリブデン、(η―シクロへプタジエニル)トリカルボニルモリブデン、(ノルボルナジエン)テトラカルボニルモリブデンを;
上記式(4)で表されるものとして、ビス(η−ベンゼン)モリブデン、ビス(η−トルエン)モリブデンを;
その他のモリブデン錯体として、ビス(η−シクロペンタジエニル)モリブデンジヒドリド、トリス(ブタジエン)モリブデン、ジ(ピペリジニル)テトラカルボニルモリブデン、(2−エチルヘキサン酸)モリブデン(III)を挙げることができる。
これらのうち、トリ(アセトニトリル)トリカルボニルモリブデン、トリ(バレロニトリル)トリカルボニルモリブデン、トリ(トリメチルアセトニトリル)トリカルボニルモリブデン、ヘキサカルボニルモリブデン、(η―シクロへプタジエニル)トリカルボニルモリブデン、ビス(η−トルエン)モリブデン、ビス(η−シクロペンタジエニル)モリブデンジヒドリド、トリス(ブタジエン)モリブデンが特に好ましい。
上記有機溶媒としては、前記したようなモリブデン錯体を溶解し且つそれと反応しないものであれば特に限定されず、例えば、炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、ニトリル化合物系溶媒、非プロトン性極性溶媒、アルコール系溶媒、水酸基を有するエステル化合物系溶媒等を挙げることができる。
上記炭化水素系溶媒としては、例えばn−ペンタン、シクロペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘプタン、n−オクタン、シクロオクタン、デカン、シクロデカン、ジシクロペンタジエン水素化物、ベンゼン、トルエン、キシレン、デュレン、インデン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、スクワラン等;
上記エーテル系溶媒としては、例えばジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサン、アニソール、2−メチルアニソール、4−メチルアニソール等;
上記ニトリル化合物系溶媒としては、例えばアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等;
非プロトン性極性溶媒としては、例えばプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、塩化メチレン、クロロホルム等;
上記アルコール系溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、オクタノール、デカノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、グリセロール、グリセロールモノメチルエーテル、グリセロールジメチルエーテル、グリセロールモノエチルエーテル、グリセロールジエチルエーテル等;
上記水酸基を有するエステル化合物系溶媒としては、例えば乳酸メチル、乳酸エチル等を、それぞれ挙げることができる。
これらの溶媒は、単独でも、あるいは2種以上の混合物としても使用できる。これらのうち、モリブデン錯体の溶解性と及び得られる組成物の保存安定性の点で炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒若しくはニトリル化合物系溶媒又はこれらの溶媒の混合溶媒が好ましい。
本発明のCIGS系太陽電池の電極を形成するための組成物に含有されるモリブデン錯体の濃度は、形成すべき電極の膜厚に応じて適宜選択されるべきであるが、好ましくは1〜80重量%であり、更に好ましくは10〜50重量%である。
本発明のCIGS系太陽電池の電極を形成するための組成物は、さらに表面張力調節剤を含有することができる。
表面張力調節剤は、組成物の塗布対象物に対する濡れ性を良好化し、塗布膜のレベルリング性を改良し、塗布膜のぶつぶつの発生、ゆず肌の発生などを防止するため、目的の機能を損なわない範囲で必要に応じて添加することができるものである。
このような表面張力調節剤としては、例えば非イオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等を挙げることができる。これらのうち、非イオン系界面活性剤が好ましい。
上記非イオン系界面活性剤としては、例えばフッ化アルキル基又はパーフルオロアルキル基を有するフッ素系界面活性剤及びオキシアルキル基を有するポリエーテルアルキル系界面活性剤を挙げることができる。これらのうち、オキシアルキル基を有するポリエーテルアルキル系界面活性剤が好ましい。
上記フッ化アルキル基又はパーフルオロアルキル基を有するフッ素系界面活性剤としては、例えばC19CONHC1225、C17SONH−(CO)H、C17O(プルロニックL−35)C17、C17O(プルロニックP−84)C17などを挙げることができる。ここで、プルロニックL−35は旭電化工業(株)製、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロック共重合体、平均分子量1,900であり、プルロニックP−84は、旭電化工業(株)製、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロック共重合体、平均分子量4,200である。
上記オキシアルキル基を有するポリエーテルアルキル系界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックポリマーなどを挙げることができる。
これら表面張力調節剤の使用量は、本発明の組成物全量に対して、好ましくは5重量%以下であり、更に好ましくは1重量%以下である。
CIGS系太陽電池の電極の形成方法
上記したような組成物を用いて、CIGS系太陽電池の電極を形成することができる。
CIGS系太陽電池の電極の形成方法は、少なくとも以下の工程を含むものである。
(1)基板上に、CIGS系太陽電池の電極を形成するための組成物を塗布する工程。
(2)基板上の塗膜を熱処理する工程。
(1)基板上に、CIGS系太陽電池の電極を形成するための組成物を塗布する工程。
本発明のCIGS系太陽電池の電極の形成方法は、まず基板上に上記した組成物を塗布する。
基板の材質、形状等は製造される太陽電池の形状等に応じて適宜に選択することができるが、材質は次工程の熱処理に耐えられるものが好ましい。これらの基板の材質の具体例としては、例えばガラス、シリコン、プラスチック、セラミックスなどを挙げることができる。ガラスとしては、例えば石英ガラス、ホウ珪酸ガラス、ソーダガラス、鉛ガラス等が使用できる。プラスチックとしては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリエーテルスルホン等を用いることができる。また、セラミックスとしては、例えば、アルミナ、セライト、ジルコニア、窒化珪素、炭化珪素、サイアロン複合体等を用いることができる。
上記組成物の塗布に際しては、塗布方法は特に限定されず、例えばスピンコート、ディップコート、カーテンコート、ロールコート、スプレーコート、インクジェット、印刷法等の適宜の方法により実施することができる。塗布は1回のみ行ってもよく、又は複数回、重ね塗りすることもできる。
次いで、基板上に塗布された組成物から、必要に応じて溶媒を除去する。この溶媒除去工程は、10〜120分程度の時間、50〜400℃の温度下に置くことにより実現できる。なお、この溶媒除去工程は、格別に行わずに、次工程である(2)基板上の塗膜を熱処理する工程と一体として行ってもよい。
好適な塗布膜の厚さは、溶媒除去後の値として、0.01〜20μmであることが好ましく、0.05〜10μmであることがさらに好ましい。なお、組成物を複数回重ね塗りした場合には、上記塗膜の厚さは、重ね塗りした合計の厚さと理解すべきである。
塗布は、酸素・二酸化炭素等の酸化性物質が存在しない雰囲気下で行うことが好ましいが、1モル%以下の酸素を適宜含有させても良い。また塗布を行う雰囲気中には水素等の還元性物質が存在することはかまわない。
このような雰囲気は、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性気体又はこれらと水素との混合気体により実現することができる。また、上記した範囲で酸素を適宜混合しても良い。
(2)基板上の塗膜を熱処理する工程。
かくして、基板上に形成された塗布膜を、次いで熱処理することにより導電性膜に変換し、CIGS系太陽電池の電極とすることができる。熱処理の温度は使用する溶媒の沸点に依存するが、50℃以上とするのが好ましく、100℃〜500℃とするのがさらに好ましい。加熱時間は30秒から30分程度で十分である。
加熱の際の雰囲気としては上記(1)基板上に、CIGS系太陽電池の電極を形成するための組成物を塗布する工程の際の雰囲気と同様とすることができる。
CIGS系太陽電池の電極
かくして基板上に導電性膜からなるCIGS系太陽電池の電極が形成される。
上記導電性膜は、モリブデンを含有するものである。塗布条件又は加熱条件によっては、モリブデンの他に炭素を含有する場合があるが、このことは本発明の効果を減殺するものではない。
上記CIGS系太陽電池の電極の厚さは、好ましくは0.01〜10μmであり、更に好ましくは0.05〜5μmである。
また、上記CIGS系太陽電池の電極の抵抗率は、好ましくは5〜500μΩcmであり、更に好ましくは5〜200μΩcmである。
CIGS系太陽電池
上記の如く、基板上に形成された電極のうえに、更にCIGS層(銅、インジウム、ガリウム及びセレンをベースとした光吸収層)、バッファ層、負電極を順次形成することにより、CIGS系太陽電池とすることができる。
上記バッファ層を構成する材料としては例えばZnS、CdS等を挙げることができ、負電極としては、例えばZnO及びアルミニウムからなる透明電極等を挙げることができる。
以下に、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下の実施例において、元素分析は(株)ジェイ・サイエンス・ラボ社製、型式「JM10」により測定した。比抵抗はナプソン社製探針抵抗率測定器、型式「RT−80/RG−80」により測定した。膜厚はTenchor社製「α step」と、フィリップス社製斜入射X線分析装置(型式「X‘Pert MRD」)により測定した。ESCAスペクトルは日本電子(株)製、型式「JPS80」にて測定した。また密着性はJIS K−5400に準拠して、碁盤目テープ法によった。
合成例1
トリス(アセトニトリル)トリカルボニルモリブデンの合成
D. P. Tateら、Inorg. Chem., Vol., 1, p433, 1962年に記載された方法に準じてトリス(アセトニトリル)トリカルボニルモリブデンを合成した。合成および生成物の単離は全て乾燥窒素下で行った。
ヘキサカルボニルモリブデン2.64gをアセトニトリル30mlに加え、5時間還流した。ヘキサカルボニルモリブデンはアセトニトリルに不溶であるが、還流時間の経過とともに徐々に反応し反応混合物は黄色の溶液状になった。次に、この反応溶液を0℃に冷却すると、析出物がみられた。析出した固体を濾取し、100mlのアセトニトリルで洗浄した後、減圧下で乾燥し、2.1gのトリス(アセトニトリル)トリカルボニルモリブデンを得た(収率70%)。このものの元素分析を行ったところ、C:36.70%、H:2.55%、N:12.96%、O:16.1%であった(トリス(アセトニトリル)トリカルボニルモリブデンとしての理論値は、C:35.66%、H:2.99%、N:13.86%、O:15.83%)。
実施例1
合成例1で得られたトリス(アセトニトリル)トリカルボニルモリブデン0.5gを良く乾燥したアセトニトリル4.5gに溶解し、CIGS系太陽電池の電極を形成するための組成物を調製した。
ソーダライムガラス基板上へ、上記溶液を、回転数1,000rpmで窒素気流下にてスピンコートした後、3%H入りN気流下中300℃で30分間加熱して黒色金属光沢を有する膜を得た。得られた膜の膜厚は60nmであった。この膜のESCAスペクトルを測定したところ、Mo3d2/5に帰属されるピークが228eVに観察され金属モリブデン膜であることが判った。また、この金属モリブデン膜を4端子法で抵抗率を測定したところ、200μΩcmで導電性の金属モリブデン膜が形成できたことが分かった。また、形成されたモリブデン膜につき密着性の評価を行ったところ、基板とモリブデン膜との剥離は全く見られず密着性は良好であった。

Claims (2)

  1. モリブデン錯体及び有機溶媒を含有する組成物であって、CIGS系太陽電池の電極を形成するための組成物。
  2. 基板上に請求項1に記載の組成物を塗布し、次いで熱処理することを特徴とする、CIGS系太陽電池の電極の形成方法。

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