JP4385520B2 - 高温硬度計 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜形成素子などの試料表面に形成された薄膜の強度を高温雰囲気中で測定するための硬度計に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、加熱部により高温(約700℃)状態に加熱された薄膜形成素子などの試料表面に圧子を接触させて荷重を負荷し、試料への荷重に対する押し込み量より硬度評価を行う高温タイプの硬度計では、試料を加熱する加熱部と共に圧子に負荷をかける負荷機構、圧子を連結した負荷ロッドの変位を検出する変位検出器、試料の表面を観察する光学式顕微鏡などの構成装置全体を一つのチャンバー内に収容したものが用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような高温硬度計では、構成装置全体が一つのチャンバー内に収容されているため、加熱部からの熱伝導や熱対流による高温の熱気流に構成装置がさらされて熱的影響を受け、負荷ロッドが熱膨張して変位計測における計測誤差を生じたり、光学顕微鏡での観測における観測誤差を発生したりする。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、加熱部の熱的影響を除去しうる高温硬度計を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の高温硬度計は、試料の試験位置を観測するための顕微鏡と、負荷ロッドを介して試料を加圧する圧子と、試料を保持する保持部と、試料に荷重負荷を与える負荷機構及び負荷計測手段と、負荷による試料への圧子の押し込み量を計測する変位計測手段と、負荷と変位の計測値を連続的に記録する記録手段と、試料に熱を与えるための加熱手段と、試料をXYZ軸方向に移動させる試料ステージとを備え、高温時の試料の硬度を計測する高温硬度計において、前記保持部及び加熱部と圧子部分を不活性ガス雰囲気中で収容する伸縮性容器と、前記負荷機構及び負荷計測手段と変位計測手段とを収容する容器とを、前記負荷ロッドの通る狭隙空間を有する導入部で連結したことを特徴とするものである。
本発明の高温硬度計は上記の構成を用いることにより、加熱による熱伝導および熱対流による変位計測精度および顕微鏡観測精度への影響を抑えることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の高温硬度計を図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施例である高温硬度計の概略構成を示す図である。本高温硬度計は、試料Sを押さえ具1aで保持して所定の温度に加熱する加熱部1と、この加熱部1を断熱材1cを介して固定し、X、Y、Z軸方向に移動可能な試料ステージ3と、圧子4に連結された負荷ロッド12を介して試料Sに荷重を負荷する負荷機構5と、圧子4の変位を検出する変位計6と、試料Sを観測して試料位置を決めるための顕微鏡7と、これらの構成装置を制御したり前記変位計6からの検出信号を演算処理して負荷に対する硬度値を記録表示する演算制御装置8から構成されている。
【0006】
前記加熱部1は、試料Sを収容する凹部1bと、この凹部1bに嵌め込まれる試料Sを押さえる押さえ具1aとを有し、圧子4による荷重が加えられても、試料Sは移動しないように固定される。また、加熱部1は凹部1bに収容された試料Sを高温に加熱する加熱ヒータ2を内蔵すると共に、断熱材1cを介して前記試料ステージ3上に固定されている。
この試料ステージ3は、それぞれボールねじとモータからなる移動機構(図示せず)を組み込んだXY軸方向に移動可能なXY軸ステージ3a上に、Z軸方向に移動可能なZ軸ステージ3bを結合して構成されている。このモータを前記演算制御装置8により制御することにより、試料ステージ3の上面、すなわち加熱部1を任意の位置に移動させることができる。
【0007】
前記負荷機構5は、天秤機構11において負荷ロッド12側の他方側に設けられたソレノイド13と、このソレノイド13に流す電流と協働して電磁力を発生させるための磁界を形成する磁界発生器14から構成されている。この負荷機構5で発生される負荷の大きさは、ソレノイド13へ供給する電流に比例している。 なお、この負荷機構5としては、このような電磁力方式によるもののほか、天秤機構11の片方に分銅を載せてバランスをくずして圧子4による負荷を加える分銅方式のものも使用することができる。
また、前記変位計6には、負荷ロッド12の上部に配設されている磁性金属の変位を、差動トランス6aによって検出する変位検出方式のものが用いられる。
【0008】
前記演算制御装置8は、ソレノイド13に電流を供給する負荷電流供給回路81、試料ステージ3に電流を供給する駆動電流供給回路82、変位計6の検出信号を増幅しディジタル信号に変換するアンプ83およびA/D変換器84、計測指令情報を入力するキーボード85、計測結果を表示したり記録するためのCRT86、プリンタ87、レコーダ88と、それらの入出力信号をインターフェース(図示せず)を介して演算制御するCPU89、ROM89a、RAM89bからなる演算制御部から構成されている。
【0009】
そして、前記圧子4部分と加熱部1は、試料Sの酸化反応を防止するために不活性ガスを置換するガス置換口9aを備えた、例えばベローズのような伸縮性部材からなる容器9内に収容されている。また、前記負荷機構5及び変位計6は上記不活性ガスを導入するための導入口10aを備えた容器10内に収容されている。そして、前記容器9と容器10は狭い間隙を有して負荷ロッド12を通す導入部15により結合されている。
【0010】
次に、図1の高温硬度計の動作について説明する。先ず、試料Sを試料ステージ3に押さえ具1aを用いて保持し必要位置に設定する。そして、アルゴンなどの不活性ガスをガス置換口9aより導入した後、ガス導入口10aより同じ不活性ガスを導入して封入する。この場合、容器10内のガス圧が容器9内のガス圧より少し高めにしておくことが好ましい。次に、試料Sが所定温度、例えば700℃に達するようにキーボード85に設定温度を入力する。すると、CPU89は駆動電流供給回路82を介して設定温度に加熱するための電流を加熱ヒータ2に送り試料Sを700℃に加熱する。
【0011】
そして、加熱ヒータ2による加熱により、試料Sを所定の高温雰囲気に維持しながら、圧子4によって所定の荷重が加えられるようキーボード85に設定荷重を入力すると、CPU89は設定荷重に相当する電流を負荷電流供給回路81を介して負荷部5のソレノイド13に供給する。この負荷荷重により負荷ロッド12は圧子4とともに変位するが、負荷ロッド12に設けられた変位計6により、負荷ロッド12の変位が検出される。この検出信号は、アンプ83及びA/D変換器84を経由してCPU89に取り込まれる。
【0012】
上記の手順でCPU89に取り込まれた負荷ロッド12の負荷荷重と変位量は演算処理されてリアルタイムでCRT86に表示されると共に、レコーダ88及びプリンタ87に記録される。この負荷荷重の時間的変化を予めプログラムに入れておくことにより、負荷荷重と変位量の変化を連続的に計測される。
【0013】
上記変位量計測中、加熱ヒータ2の作動により、試料Sを含む加熱部1の付近は700℃近い高温に達しているため、加熱部1の周辺ガスは加熱され高温の熱対流となって上昇する。しかしながら、負荷ロッド12とその導入部15とのすき間を少なくしているので、負荷ロッド12の周囲を上昇する熱気流の量は少なく、負荷ロッド12に吸収される熱量は小さく、熱膨張は小さく抑えられる。また、予め前記容器10内の不活性ガスの圧力を若干高くしているので、容器9から容器10内への熱気流の侵入を防止し、この内部での温度の影響を防止している。
【0014】
図2は本発明に係わる導入部15の変形例の断面図を示したもので、導入部15の外面に複数のフィン15aを取り付けたものである。このフィン15aにより導入部15での熱伝導による熱量を放熱することができ、内部の温度上昇を抑えることができる。また、図3は本発明に係わる導入部15の他の変形例を示したもので、導入部15を図のように曲げることにより、熱気流の移動を妨げ、容器10への熱の侵入をより効率的に防ぐことができる。
【0015】
なお、本発明は高温はもとより、室温からの広い温度範囲の試料の硬度測定に用いることができる。また、変位計を非接触型にしてチャンバ外に出すことにより、変位計の温度の影響をさらに小さくしたり、この高温硬度計全体を別のケース内に入れて温調することにより温度の影響を小さくして使用することも可能である。
【0016】
【発明の効果】
本発明の高温硬度計は、試料を加熱する加熱ヒータの熱源から負荷機構や変位計への熱伝導や熱対流による熱的影響を、導入部で低減することができ、変位計測値への熱的影響を小さくすることができる。また、伸縮性容器を用いて顕微鏡を容器外に配設したことにより観測誤差への熱的影響を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の高温硬度計の構成を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係わる導入部の変形例の断面図である。
【図3】本発明に係わる導入部の他の変形例の断面図である。
【符号の説明】
1…加熱部
1a…凹部
1b…押さえ具
1c…断熱材
2…加熱ヒータ
3…試料ステージ
3a…XY軸ステージ
3b…Z軸ステージ
4…圧子
5…負荷機構
6…変位計
7…顕微鏡
8…演算制御装置
9、10…容器
11…天秤機構
12…負荷ロッド
13…ソレノイド
14…磁界発生器
15…導入部
Claims (1)
- 試料の試験位置を観測するための顕微鏡と、負荷ロッドを介して試料を加圧する圧子と、試料を保持する保持部と、試料に荷重負荷を与える負荷機構及び負荷計測手段と、負荷による試料への圧子の押し込み量を計測する変位計測手段と、負荷と変位の計測値を連続的に記録する記録手段と、試料に熱を与えるための加熱手段と、試料をXYZ軸方向に移動させる試料ステージとを備え、高温時の試料の硬度を計測する高温硬度計において、前記保持部及び加熱部と圧子部分を不活性ガス雰囲気中で収容する伸縮性容器と、前記負荷機構及び負荷計測手段と変位計測手段とを収容する容器とを、前記負荷ロッドの通る狭隙空間を有する導入部で連結したことを特徴とする高温硬度計。
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