JP4383770B2 - 防振装置及び防振装置の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、振動発生部と振動受部とのそれぞれに取り付けられる複数の取付部を有する防振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車のサスペンションやエンジンマウント等に使用される防振装置が知られている(例えば、特許文献1〜4参照)。これらの特許文献に記載されている防振装置は、振動発生部と振動受部とのそれぞれに取り付けられる取付部としての複数の内筒と、ゴム弾性部と、ブラケットとを備え、このゴム弾性部が内筒とブラケットとの間に介在する構成を基本構成としている。
【0003】
【特許文献1】
実開昭57−80739号公報
【特許文献2】
特開平5−85121号公報
【特許文献3】
特開平7−4459号公報
【特許文献4】
特開2000−145855号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
こうした防振装置においては、ゴム弾性部に予圧縮を付与することによって、加硫収縮による残留歪を除去し、これにより、ゴム弾性部の耐久性を向上させるようにしている。
【0005】
例えば特許文献3,4には、内筒とゴム弾性部とを加硫一体化成形した筒型ブッシュを、円形状のブラケット内に圧入することによって、このゴム弾性部に予圧縮を付与することが記載されている。ところが、筒型ブッシュをブラケットに圧入する際に、このブラケットの端部とゴム弾性部とが干渉し、このゴム弾性部の周縁部に亀裂が生じる場合がある。
【0006】
一方、例えば特許文献1には、内筒とゴム弾性部と、このゴム弾性部の周囲を囲む外筒とから筒型ブッシュを構成し、その外筒を絞り加工することでゴム弾性部に予圧縮を付与すると共に、この筒型ブッシュを円形状のブラケット内に圧入することが記載されている。外筒を設けることによって、筒型ブッシュをブラケットに圧入する際に、ゴム弾性部に亀裂が生じることは防止されるものの、その外筒付きの筒型ブッシュをブラケット内に圧入する際に、筒型ブッシュとブラケットとの芯ずれが生じる場合がある。これを解消するには、ブッシュとブラケットとの寸法精度を高めたり、ブラケットの端部内周縁にテーパ加工を施したりしなければならず、製造コストが増大してしまうという新たな不都合が生じる。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ゴム弾性部に予圧縮を付与して、その耐久性を向上させる一方で、低コストで製造可能な防振装置及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の防振装置は、振動発生部と振動受部とのそれぞれに取り付けられる複数の取付部を有する防振装置である。
【0009】
この防振装置は、環状のブラケットと、上記各取付部を構成する内筒と該内筒の全周囲を囲むゴム弾性部とからなる複数の筒型ブッシュと、上記ブラケット内に配設される仕切り部材と、を備え、上記各筒型ブッシュは、その外側面の一部が上記ブラケットの内側面に接するように、該ブラケット内の所定位置にそれぞれ配置され、上記仕切り部材は、上記ブラケット内に配置された隣り合う筒型ブッシュの間に挿入され、上記各筒型ブッシュのゴム弾性部は、上記ブラケットと仕切り部材とに囲まれて予圧縮が付与される。
【0010】
この構成によると、各筒型ブッシュは、内筒とゴム弾性部とからなり、外筒を有しない構成にされている。この筒型ブッシュは、環状のブラケット内の所定位置に配置される。このとき、各筒型ブッシュの外側面の一部(ゴム弾性部の外側面の一部)がブラケットの内側面に接するように、各筒型ブッシュを配置する。こうして、ブラケット内に配置された隣り合う筒型ブッシュの間には、所定の隙間を形成する。
【0011】
仕切り部材は、ブラケット内に配置された隣り合う筒型ブッシュの間に挿入されて配置される。これにより、各筒型ブッシュのゴム弾性部はブラケットと仕切り部材とで囲まれて予圧縮が付与されることになる。
【0012】
このように本発明の防振装置は、環状のブラケット内に、複数の筒型ブッシュと仕切り部材とのそれぞれを配設して構成されるため、ブラケット内は各筒型ブッシュ自体よりも大きく、各筒型ブッシュは、ブラケット内に圧入するのではなく、ブラケット内に単に配置することになる。このため、各筒型ブッシュは外筒を有しないが、そのゴム弾性部に亀裂が生じることはない。また、筒型ブッシュ及びブラケットの寸法精度を高めたり、ブラケットの端部内周縁にテーパ加工を施したりする必要もない。これにより、製造コストは低減化する。
【0013】
さらに、隣り合う筒型ブッシュの間に仕切り部材を挿入することによって、各筒型ブッシュのゴム弾性部に予圧縮が付与されるため、ゴム弾性部の残留歪を除去して、ゴム弾性部の耐久性が向上する。
【0014】
従って、本発明の防振装置は、ゴム弾性部の耐久性を向上させる一方で、低コストで製造可能になる。
【0015】
ここで、上記各筒型ブッシュをブラケット内に配置しかつ仕切り部材を該ブラケット内に配設しない状態においては、隣り合う筒型ブッシュの間隔が、仕切り部材の幅と同じか又はそれよりも小さく設定することが好ましい。
【0016】
こうすることで、仕切り部材を隣り合う筒型ブッシュの間に挿入したときには、各筒型ブッシュのゴム弾性部に予圧縮が確実に付与されることになる。また、これによって、各筒型ブッシュの内筒に荷重が入力したときに、この筒型ブッシュがブラケットから抜け落ちることが防止される。つまり、各筒型ブッシュのブラケットに対する抜け力(抵抗力)が確保される。
【0017】
上記仕切り部材は、ブラケットの内周面に対して係合させてもよい。
【0018】
本発明の製造方法は、振動発生部と振動受部とのそれぞれに取り付けられる複数の取付部を有する防振装置の製造方法である。
【0019】
この製造方法は、環状のブラケットと、上記各取付部を構成する内筒と該内筒の全周囲を囲むゴム弾性部とからなる複数の筒型ブッシュと、上記ブラケット内に配設される仕切り部材と、を用い、上記各筒型ブラケットを、その外側面の一部が上記ブラケットの内側面に接するように、該ブラケット内の所定位置にそれぞれ配置するステップと、上記ブラケット内に配置された隣り合う筒型ブッシュの間に上記仕切り部材を挿入して、上記各筒型ブッシュのゴム弾性部に予圧縮を付与するステップとを含む。
【0020】
この構成によると、先ず、内筒とゴム弾性部とからなる各筒型ブッシュを、環状のブラケット内の所定位置に配置する。上述したように、ブラケット内は各筒型ブッシュ自体よりも大きいため、各筒型ブッシュをブラケット内に単に配置することになる。このため、各筒型ブッシュのゴム弾性部に亀裂を生じさせることなく、また、筒型ブッシュ及びブラケットの寸法精度を高めたり、ブラケットの端部内周縁にテーパ加工を施したりする必要もない。
【0021】
次いで、ブラケット内に配置された隣り合う筒型ブッシュの間に仕切り部材を挿入する。このことによって、各筒型ブッシュのゴム弾性部に予圧縮を付与する。こうして、ゴム弾性部の残留歪が除去されてゴム弾性部の耐久性が向上した防振装置が完成する。
【0022】
ここで、隣り合う筒型ブッシュの間に仕切り部材を挿入するステップの前に、当該隣り合う筒型ブッシュの間隔が拡がるように、各筒型ブッシュのゴム弾性部を圧縮するステップをさらに含んでもよい。
【0023】
各筒型ブッシュのゴム弾性部を圧縮して、隣り合う筒型ブッシュの間隔を拡げることにより、この隣り合う筒型ブッシュの間に仕切り部材を容易に挿入することが可能になる。仕切り部材を筒型ブッシュの間に挿入すれば、ゴム弾性部の圧縮を解除する。こうすることで、各筒型ブッシュのゴム弾性部は、ブラケットと仕切り部材とで囲まれて予圧縮が付与される。例えば、各筒型ブッシュの内筒の筒軸が互いに並行となるように、各筒型ブッシュがブラケット内に配置されているときには、隣り合う内筒が互いに離れるようにその各内筒に荷重を入力すれば、ゴム弾性部が圧縮されて隣り合う筒型ブッシュの間隔が拡がる。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の防振装置は、環状のブラケット内に複数の筒型ブッシュを配置し、隣り合う筒型ブッシュの間に仕切り部材を挿入することで構成される。このため、各筒型ブッシュのゴム弾性部に亀裂を生じさせることなく、かつ、筒型ブッシュ及びブラケットの寸法精度を高めたり、ブラケットの端部内周縁にテーパ加工を施したりすることなく、各筒型ブッシュのゴム弾性部には予圧縮が付与される。このため、本発明の防振装置及びその製造方法によれば、防振装置のゴム弾性部の耐久性を向上させる一方で、低コストで防振装置を製造することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基いて説明する。
【0026】
図1及び図2は、本発明の実施形態に係る防振装置Aを示している。この防振装置Aは、環状のブラケット1と、第1及び第2の筒型ブッシュ2,3と、仕切り部材4とから構成されている。
【0027】
上記ブラケット1は、それぞれ略半円形状に形成された両端部11,12と、この両端部11,12を互いに連結する連結部13,13とからなる全体として略楕円形状に形成された環状の部材である。このブラケット1の両端部11,12の内、一方の端部(同図の左側端部)11の径は、他方の端部(同図の右側端部)12の径よりも大に設定されていて、その一方の端部11内には第1の筒型ブッシュ2が、他方の端部12内には第2の筒型ブッシュ3がそれぞれ配置される。また、上記ブラケット1の略中央位置には、上記仕切り部材4の係合凸部44が係合する係合凹部14が形成されている。この係合凹部14は、2つの連結部13,13それぞれの内側面に設けられた一対の凸部によって構成されている。
【0028】
このブラケット1は、アルミニウムや鉄鋼等によって構成すればよく、例えば押し出し成形によって形成された筒状部材を所定の厚みに切断したものを採用することが可能である。この押し出し成形の場合には、後述するように、切断面の加工は必要ない。従って、ブラケット1の端部内周縁にテーパ部を設ける必要もない。
【0029】
上記第1の筒型ブッシュ2は、振動体又は車体に取り付けられる取付部としての内筒21と、この内筒21の周囲を囲むゴム弾性部22とからなり、その内筒21の筒軸X2が、環状のブラケット1の環軸と同じ方向となるように、このブラケット1における一方の端部11内に配置されている。この第1の筒型ブッシュ2のゴム弾性部22は、ブラケット1の一方の端部11の内側面に当接する略円弧状の部分と、ブラケット1の中央側で仕切り部材4に当接する略直線状の部分とからなる、平面視で略D字状に形成されている。この第1の筒型ブッシュ2は、加硫一体化成形によって製造することが可能である。
【0030】
上記第2の筒型ブッシュ3は、上記第1の筒型ブッシュ2と同様に、内筒31と、この内筒31の周囲を囲むゴム弾性部32とからなり、その内筒31の筒軸X3が、ブラケット1の環軸と同じ方向となるように、つまり、上記第1の筒型ブッシュ2の内筒21の筒軸X2と互いに並行となるように、ブラケット1における他方の端部12内に配置されている。この第2の筒型ブッシュ3のゴム弾性部32は、ブラケット1の他方の端部12の内側面に当接する略円弧状の部分と、ブラケット1の中央側で仕切り部材4に当接する略直線状の部分とからなる、平面視で略D字状に形成されている。この第2の筒型ブッシュ3も加硫一体化成形によって製造することが可能である。
【0031】
上記仕切り部材4は、上記ブラケット1内で第1及び第2の筒型ブッシュ2,3の間に配置されている。この仕切り部材4は、ブラケット1の連結部13,13の内側面それぞれに当接する部分41,41と、上記第1の筒型ブッシュ2に当接する部分42と、第2の筒型ブッシュ3に当接する部分43とから構成されていて、その中央部分には肉抜き穴が形成されている。また、上記仕切り部材4におけるブラケット1の連結部14,14に当接する部分41,41には、一対の凹部によって形成された係合凸部44,44が設けられている。
【0032】
次に、上記構成の防振装置Aの製造手順について、図3を参照しながら説明する。
【0033】
先ず、上記ブラケット1と、第1及び第2の筒型ブッシュ2,3とをそれぞれ用意し、このブラケット1の一方の端部11内に、第1の筒型ブッシュ2を配置する一方、他方の端部12内に、第2の筒型ブッシュ3を配置する(同図のP1参照)。このとき、ブラケット1内は、第1及び第2の筒型ブッシュ2,3に比べてはるかに大きいため、第1及び第2の筒型ブッシュ2,3は、ブラケット1端部の周縁に当てることなく、ブラケット1内に配置させることができる。
【0034】
次に、上記ブラケット1内に配置した第1及び第2の筒型ブッシュ2,3の内筒21,31が互いに離れるように、この内筒21,31をそれぞれブラケット1の端部側に引っ張る(同図の白抜きの矢印参照)。これにより、ゴム弾性部22,32がそれぞれ圧縮されて、第1及び第2の筒型ブッシュ2,3の間隔L1が拡がる。この状態で、第1及び第2の筒型ブッシュ2,3の間に仕切り部材4を挿入し(同図のP2参照)、この仕切り部材4の各係合凸部44を、ブラケット1の各係合凹部14に係合させる。これにより、仕切り部材4をブラケットに1に係止させる。
【0035】
こうして仕切り部材4を挿入すれば、上記第1及び第2の筒型ブッシュ2,3の圧縮を解除する(同図のP3参照)。これによって、各筒型ブッシュ2,3のゴム弾性部22,32はそれぞれ、ブラケット1と仕切り部材4とで囲まれて予圧縮が付与される。その結果、内筒21,31を複数備え、ゴム弾性部22,32に予圧縮が付与された防振装置Aが完成する。
【0036】
このように本実施形態の防振装置Aは、第1及び第2の筒型ブッシュ2,3を、環状のブラケット1内の所定位置に配置し、この第1及び第2の筒型ブッシュ2,3の間に仕切り部材4を挿入することによって構成される。
【0037】
このブラケット1は、第1及び第2の筒型ブッシュ2,3に比べてその内部が大きく、第1及び第2の筒型ブッシュ2,3をブラケット1内に配置するときには、ブラケット1の周縁にこれらの筒型ブッシュ2,3を当てることなく配置することができる。これにより、各筒型ブッシュ2,3のゴム弾性部22,32に亀裂が生じることを確実に防止することができる。このように、筒型ブッシュ2,3が、ブラケット1の周縁に当ることがないため、ブラケット1の端部周縁には加工を施す必要がなく、上述したように、ブラケット1を押し出し成形品により構成して、製造コストの低減化を図ることができる。また、筒型ブッシュ2,3及びブラケット1の寸法精度を高める必要もないため、製造コストをさらに低減させることができる。さらに、各筒型ブッシュ2,3は外筒が省略されているため、部品点数の低減化が図られる。
【0038】
そして、一つの仕切り部材4を第1及び第2の筒型ブッシュ2,3の間に挿入することだけで、これらの筒型ブッシュ2,3のゴム弾性部22,32はそれぞれ、ブラケット1と仕切り部材4とで囲まれて予圧縮される。ここで、図3に示すように、上記第1及び第2の筒型ブッシュ2,3をそれぞれブラケット1内に配置したときの、この筒型ブッシュ2,3間の間隔L1が、仕切り部材4の幅L2に対して、L1≦L2を満たすように設定することが好ましい。こうすることで、仕切り部材4を第1及び第2の筒型ブッシュ2,3の間に挿入したときには、各筒型ブッシュ2,3のゴム弾性部22,32に予圧縮を確実に付与することができる。また、この内筒21,31を振動発生部及び振動受部にそれぞれ取り付けて、この内筒21,31に筒軸X2,X3方向の荷重が入力されたときに、各筒型ブッシュ2,3のブラケット1からの抜け落ちることが防止される。つまり、各筒型ブッシュ2,3の抜け力を確保することができる。尚、第1及び第2の筒型ブッシュ2,3のゴム弾性部22,32とブラケット1とは接着しなくてもよい。このため、この防振装置Aは、自動車のサスペンションに使用可能であるのは勿論のこと、高温にさらされるエンジンマウントにも使用可能である。
【0039】
このように、ブラケット1、第1及び第2の筒型ブッシュ2,3、及び仕切り部材4の各寸法を、L1≦L2を満たすように設定したとしても、仕切り部材4を第1及び第2の筒型ブッシュ2,3の間に挿入するときには、各筒型ブッシュ2,3の間隔を拡げるように、各内筒21,31をブラケット1の端部側に引っ張ることで、仕切り部材4を容易に筒型ブッシュ2,3の間に挿入することができる。こうして、防振装置Aの製造の容易化が図られる。
【0040】
この構成の防振装置Aは、例えば仕切り部材4の幅を変更すると共に、これに応じて第1及び第2の筒型ブッシュ2,3の形状を変更することによって、仕切り部材4と各内筒21,22との間の距離L3,L4(図1参照)を変更すれば、初期ばね特性及びストローク量を変更することが可能である。同様に、第1及び第2の筒型ブッシュ2,3の形状を変更することによって、各内筒21,22とブラケット1との間の距離L5,L6(図1参照)を変更しても、初期ばね特性及びストローク量を変更することが可能である。このように、この防振装置Aは特性のチューニングを容易に行うことができる。またこのときに、ブラケット1の形状は変更する必要がないため、部材の共用化が図られる。
【0041】
また、図4に示すように、ブラケット1の連結部13,13の内側面それぞれに当接する部分51,51と、上記第1の筒型ブッシュ2に当接する部分52と、第2の筒型ブッシュ3に当接する部分53とから構成された仕切り部材5において、第1の筒型ブッシュ2と当接する部分52を傾けて形成してもよい。こうすることで、第1の筒型ブッシュ2のゴム弾性部22の形状が変更され、その特性を変更させることができる。尚、図示は省略するが、仕切り部材5において、第2の筒型ブッシュ3と当接する部分53を傾けて形成してもよいし、第1及び第2の筒型ブッシュ2,3と当接する部分52,53をそれぞれ傾けて形成してもよい。
【0042】
また、仕切り部材4とブラケット1とは、必ずしも互いに係合させなくてもよい。例えば係合凹部14及び係合凸部44を設けないことによって、内筒21,31に荷重が入力されたときに、それに応じて仕切り部材4がブラケット1に対して移動するように構成してもよい。こうすることで、ストローク量を大きくすることができ、防振装置Aの特性を変更することができる。
【0043】
さらに、図5に示す防振装置Bは、ブラケット6と、第1及び第2の筒型ブッシュ7,8と、仕切り部材9とからなり、その基本構成は上記防振装置Aと同じであるが、各部材の形状が上記防振装置Aとは異なる。
【0044】
すなわち、上記ブラケット6は、それぞれ略半円形状に形成された両端部61,62と、この両端部61,62を互いに連結する連結部63,63とからなり、この連結部63,63の部分が内方にくびれた略ひょうたん形状に形成されている。
【0045】
第1及び第2の筒型ブッシュ7,8はそれぞれ、内筒71,81とゴム弾性部72,82とからなる略円形状に形成されており、そのゴム弾性部72,82における第1及び第2の筒型ブッシュ7,8の筒軸X2,X3を結ぶ線上には、互いに相対向するように凸条部73,83がそれぞれ設けられている。
【0046】
仕切り部材9は、ブラケット6内の略中央位置に配置される本体部91と、第1の筒型ブッシュ7の外側面に当接しながら、この本体部91から上記ブラケット6の両連結部63,63の内側面まで延びる第1の当接部92と、第2の筒型ブッシュ8の外側面に当接しながら、この本体部91から上記ブラケット6の両連結部63,63の内側面まで延びる第2の当接部93と、からなる平面視で略X字状に形成されている。
【0047】
上記第1及び第2の当接部92,93はそれぞれ、その先端がブラケット6の内側面に形成された凹部に内挿するようになっていて、これにより、仕切り部材9はブラケット6に係止されるようになっている。また、本体部91における第1の筒型ブッシュ7側と第2の筒型ブッシュ8側とには、それぞれ凹陥部94,95が形成されている。この凹陥部94,95には、上記第1及び第2の筒型ブッシュ7,8の凸条部73,83がそれぞれ挿入されるようになっている。
【0048】
この防振装置Bも、上記防振装置Aと同様に、ブラケット6内の所定位置に、第1及び第2の筒型ブッシュ7,8をそれぞれ配置し、その後、この第1及び第2の筒型ブッシュ7,8の間に、仕切り部材9を挿入することによって、製造することができる。
【0049】
この防振装置Bは、上記の構成により、上記防振装置Aと同様の作用効果を奏することができる上に、凸条部73,83と、凹陥部94,95とが互いに係合することにより、第1及び第2の筒型ブッシュ7,8が、その筒軸X2,X3周りに回転することが防止されるようになっている。
【0050】
−他の実施形態−
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記実施形態では、第1及び第2の、2つの筒型ブッシュを有する防振装置としたが、筒型ブッシュの数は3つ以上であってもよい。3つ以上の筒型ブッシュを有する場合は、隣り合う筒型ブッシュの間それぞれに、仕切り部材を配置させればよい。
【0051】
また、上記実施形態では、第1及び第2の筒型ブッシュをブラケットとは別体に形成し、これら第1及び第2の筒型ブッシュをブラケット内に配置するようにしているが、例えば図3のP2に示すように、ブラケット1内に第1及び第2の筒型ブッシュ2,3が配置されたものを非接着で成形してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る防振装置を示す断面図である。
【図2】 図1のI−I断面図である。
【図3】 防振装置の製造手順を示す図である。
【図4】 防振装置の変形例を示す図1対応図である。
【図5】 図4とは異なる防振装置の変形例を示す図1対応図である。
【符号の説明】
1,6 ブラケット
2,7 (第1の)筒型ブッシュ
21,71 内筒
22,72 ゴム弾性部
3,8 (第2の)筒型ブッシュ
31,81 内筒
32,82 ゴム弾性部
4,5,9 仕切り部材
A,A’,B 防振装置
Claims (4)
- 振動発生部と振動受部とのそれぞれに取り付けられる複数の取付部を有する防振装置であって、
環状のブラケットと、
上記各取付部を構成する内筒と該内筒の全周囲を囲むゴム弾性部とからなる複数の筒型ブッシュと、
上記ブラケット内に配設される仕切り部材と、を備え、
上記各筒型ブッシュは、その外側面の一部が上記ブラケットの内側面に接するように、該ブラケット内の所定位置にそれぞれ配置され、
上記仕切り部材は、上記ブラケット内に配置された隣り合う筒型ブッシュの間に挿入されて上記ブラケットの内周面に対して係合しており、
上記各筒型ブッシュのゴム弾性部は、上記ブラケットと仕切り部材とに囲まれて予圧縮が付与されるように構成されていることを特徴とする防振装置。 - 請求項1において、
各筒型ブッシュをブラケット内に配置しかつ仕切り部材を該ブラケット内に配設しない状態においては、隣り合う筒型ブッシュの間隔が、仕切り部材の幅と同じか又はそれよりも小さく設定されていることを特徴とする防振装置。 - 請求項1又は2に記載の防振装置の製造方法であって、
環状のブラケットと、
上記各取付部を構成する内筒と該内筒の全周囲を囲むゴム弾性部とからなる複数の筒型ブッシュと、
上記ブラケット内に配設される仕切り部材と、を用い、
上記各筒型ブラケットを、その外側面の一部が上記ブラケットの内側面に接するように、該ブラケット内の所定位置にそれぞれ配置するステップと、
上記ブラケット内に配置された隣り合う筒型ブッシュの間に上記仕切り部材を挿入して、上記各筒型ブッシュのゴム弾性部に予圧縮を付与するステップとを含むことを特徴とする防振装置の製造方法。 - 請求項3において、
隣り合う筒型ブッシュの間に仕切り部材を挿入するステップの前に、当該隣り合う筒型ブッシュの間隔が拡がるように、各筒型ブッシュのゴム弾性部を圧縮するステップをさらに含むことを特徴とする防振装置の製造方法。
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