JP4383769B2 - 内圧開放特性を有する容器蓋 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器内圧が過剰になると自動的に内圧を解除する内圧開放特性を有する、金属薄板製蓋本体と合成樹脂製ライナーとから構成された容器蓋に関する。
【0002】
【従来の技術】
天然果汁を含有する果汁飲料或いは炭酸飲料等を収容する容器として、外周面には雄螺条が形成されている金属薄板製、ガラス製或いは合成樹脂製容器が使用されている。そして、かような容器のための容器蓋として、天面壁及びこの天面壁の周縁から垂下するスカート壁を有する金属薄板製本体と、蓋本体の天面壁の内面に配設された合成樹脂製ライナーとから構成された容器蓋が広く実用に供されている。容器の口頸部に容器蓋を装着して口頸部を密封する際には、蓋本体のスカート壁における螺条部に口頸部の雄螺条に対応して雌螺条が形成される。
【0003】
上述したとおりの容器蓋は、通常の状態においては容器の口頸部を充分確実に密封するが、容器内圧が過剰に上昇して所定値、例えば0.4MPa、を超えると内圧を開放する内圧開放特性を有することが重要である。例えば、容器内に天然果汁を含む果汁飲料が収容されている場合、一旦開封して果汁飲料を大気に晒した後に再び容器蓋を容器の口頸部に装着して口頸部を再密封した時に、果汁飲料の醗酵現象に起因して容器内圧が過剰に上昇する可能性がある。容器内圧が開放されることなく所定値を超えて上昇せしめられると、容器の口頸部を再び開封するために容器蓋を開方向に幾分か回動せしめた時に、容器蓋が急激に口頸部から離脱されて飛翔してしまう等の事態が発生する虞がある。
【0004】
下記特許文献1には、合成樹脂製ライナーの密接シール面に少なくとも1個の内圧開放切欠を形成し、容器内圧が過剰に上昇すると蓋本体の天面壁が凸状に変形せしめられて内圧開放切欠を介して容器内圧が開放されるように構成された容器蓋が開示されている。また、下記特許文献2には、蓋本体のスカート壁の上部、即ち雌螺条が形成される主部の上方の領域に、周方向に若干の間隔をおいて周方向に延びる多数のスリットを形成し、容器内圧が過剰に上昇すると多数のスリット間に残留せしめられている所謂橋絡部が破断されて蓋本体の上部の少なくとも一部が上方に変形せしめられ、これによって容器内圧を開放するように構成された容器蓋が開示されている。更に、下記特許文献3には、蓋本体のスカート壁の上部に半径方向外方に膨出せしめられた環状膨出部を形成し、容器内圧が過剰に上昇すると環状膨出部の断面形状が弧状から直線状に変形せしめられて蓋本体の上部が全体的に上方に変位せしめられ、これによって容器内圧を開放するように構成された容器蓋が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特公平4−40268号公報
【特許文献2】
実公平7025318号公報
【特許文献3】
特開平8−80962号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
然るに、上記特許文献1に開示されている容器蓋には、口頸部に対する容器蓋の装着位置誤差等に起因して開放内圧値が比較的大幅に変動し、装着位置誤差等に起因して開放内圧値が過小になり所要の密封特性が得られない、或いは開放内圧が過大になり所要内圧開放特性が得られない傾向がある、という問題が存在する。また、上記特許文献2に開示されている容器蓋には、内圧開放の際に橋絡部が破断されると、鋭い金属破断縁が生成され、蓋本体の上方への変形によって鋭い金属破断縁が露呈し、使用者の指が損傷されてしまう虞が少なくない、という問題が存在する。更に、上記特許文献3に開示されている容器蓋には、蓋本体の膨出部は半径方向外方に突出せしめられている故に、膨出部が異物に衝突せしめられる可能性が大きく、膨出部が容易に変形されて容器の口頸部の密封が毀損されてしまう虞がある、という問題が存在する。
【0007】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、内圧開放に起因して鋭い金属破断縁が生成されることがなく、そしてまた異物の衝突等に起因して容器の口頸部の密封が毀損される虞もないことに加えて、装着位置誤差等に起因して内圧開放値が変動したとしても、内圧開放値が確実に許容範囲内になる、新規且つ改良された容器蓋を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意検討の結果、蓋本体のスカート壁における螺条部よりも上方の領域に周方向に延びる内圧開放促進スリットを形成し、容器内圧が過剰に上昇すると、内圧開放促進スリットの周囲を中心として蓋本体が変形され、これに起因してライナーの密封シール面が局部的に口頸部から離隔して容器内圧が開放されるようになせば、内圧開放に起因して鋭い金属破断縁を生成せしめることなく、内圧開放値を充分精密に設定することができることを認識した。しかしながら、かような内圧開放促進スリットを形成することによって容器内圧を開放するようになす場合、通常、内圧開放値を所要最適値にせしめるためには内圧開放促進スリットの周方向長さを相当長く、例えば10mm乃至それ以上にせしめることが必要になり、そして内圧開放促進スリットの長さを相当な長さにした場合には、例えば自動販売機で取り扱われる際に容器蓋に加えられる衝撃によって口頸部の密封が容易に毀損されてしまう傾向があることも認識した。本発明者等は、かような認識に基づき、ライナーの密接シール面に半径方向に延びる少なくとも1個の内圧開放切欠を形成すると共に、蓋本体のスカート壁の螺条部よりも上方の領域に所定長さ、即ち衝撃によって口頸部の密封が容易に毀損されてしまう長さよりも短く3乃至8mmである内圧開放促進スリットを形成し、内圧開放切欠の存在に起因する開放内圧値に誤差が発生しても許容下限値以上になるように設定し、そして内圧開放促進スリットに起因する開放内圧値を最適値よりも大きいが許容上限値以下に設定すれば、開放内圧値が通常は内圧開放切欠の存在に起因して所望値になるが、装着位置誤差等に起因して内圧開放切欠の存在に起因する開放内圧値が許容上限値を超える場合には、内圧開放促進スリットの存在に起因して許容上限値以下で容器内圧が開放され、かくして上記主たる技術的課題を達成することができることを見出した。
【0009】
即ち、本発明によれば、上記主たる技術的課題を達成する容器蓋として、天面壁及び該天面壁の周縁から垂下するスカート壁を有する金属薄板製蓋本体と、該蓋本体の該天面壁の内面に配設された合成樹脂製ライナーとから構成され、外周面に雄螺条が形成されている口頸部を備えた容器に適用される容器蓋において、
該ライナーの密接シール面には半径方向に延びる少なくとも1個の内圧開放切欠が形成されており、該蓋本体の該スカート壁における、容器の口頸部に形成されている雄螺条に対応して雌螺条が形成される螺条部よりも上方の領域には周方向長さが3乃至8mmである内圧開放促進スリットが形成されており、容器内圧が過剰に上昇すると、該蓋本体の該天面壁が凸状に変形されて該内圧開放切欠を介して容器内圧が開放され、或いは該内圧開放切欠の存在に起因する開放内圧値の誤差の発生によって該内圧開放切欠を介して容器内圧が開放されない場合には該内圧開放促進スリットの周囲を中心として該蓋本体が変形されて容器内圧が開放される、ことを特徴とする容器蓋が提供される。
【0010】
該内圧開放切欠は0.2乃至0.4mmの幅を有するのが好ましい。好ましくは、該内圧開放切欠は周方向に間隔をおいて複数個形成されており、そしてまた該内圧開放促進スリットは周方向に間隔をおいて複数個形成されている。該ライナーは容器の口頸部の外周面上端部に密接せしめられる外周縁部を有し、該内圧開放切欠は該外周縁部の密接シール面に形成されているのが好適である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明に従って構成された容器蓋の好適実施形態について、更に詳細に説明する。
【0012】
図1を参照して説明すると、全体を番号2で示す容器蓋は、金属薄板製蓋本体4と合成樹脂製ライナー6とから構成されている。厚さが0.22乃至0.26mm程度のアルミニウム基合金薄板から形成されているのが好都合である蓋本体4は円形天面壁8とこの天面壁8の周縁から垂下する円筒形スカート壁10とを有する。スカート壁10の下部には周方向に延びる破断ライン12が形成されており、スカート壁10は破断ライン12よりも上方の主部14と破断ライン12よりも下方のタンパーエビデント裾部16とに区画されている。スカート壁10の下部には半径方向外方に若干膨出せしめられた環状膨出部18が形成されており、環状膨出部18の軸線方向中央部には周方向に適宜の間隔をおいて周方向に延びる複数個のスリット20が形成されており、上記破断ライン12はかかる複数個のスリット20とスリット20間に残留せしめられている複数個の橋絡部22とによって規定されている。
【0013】
スカート壁10の主部14における軸線方向略中央部には環状溝24が形成されている。スカート壁10の主部14における環状溝24から下方の領域は後に雌螺条が形成される螺条部25であり、環状溝24は螺条部25に雌螺条を形成する際に雌螺条形成工具を位置付けるのに利用される。スカート壁10の主部14における環状溝24よりも上方の領域には、指を掛けて容器蓋2を回転せしめる際の滑りを防止するための、凹部26と凸部28とが交互に繰り返す凹凸形状部が形成されている。本発明に従って構成された図示の容器蓋2においては、周方向に等間隔をおいて位置する3個の幅広凹部26a(図面には3個の幅広凹部26aのうちの1個のみを図示している)は周方向幅Waが他の凹部26の周方向幅よりも大きく、例えば周方向幅Wの略3倍程度にせしめられている。そして、かかる3個の幅広凹部26aの上端には周方向に延びる内圧開放促進スリット30が形成されている。内圧開放促進スリット30の周方向長さ、従って図示の実施形態においては幅広凹部26aの周方向幅Wa、は3乃至8mmであることが重要である。
【0014】
図示の実施形態においては、周方向に等間隔をおいて3個の幅広凹部26aを形成し3個の内圧開放促進スリット30を形成しているが、所望ならば1個又は2個或いは4個以上の内圧開放促進スリット30を形成することもできる。本発明者等の経験によれば、一般に、周方向に等間隔をおいて2個乃至4個の内圧開放促進スリット30を形成するのが好適である。また、図示の実施形態においては凹部26aの上端に内圧開放促進スリット30を形成しているが、所望ならば押部26aの上端に限らず適宜の位置に内圧開放促進スリット30を形成することもできる。更に、容器の口頸部に後述したとおりにして容器蓋2を装着した後に容器蓋2に形成されたスリットを通して容器の口頸部に洗浄液を流入せしめる洗浄工程が遂行される場合には、洗浄液の流入を助長せしめるために比較的大きな周方向幅Waを有する幅広凹部26aのみならず、通常の凹部26の上端にも周方向に延びるスリットを形成することもできる。
【0015】
軟質ポリエチレンの如き適宜の合成樹脂から成形することができるライナー6は、蓋本体4の天面壁8の内面に配設されている。かかるライナー6は、天面壁8の内面の所要位置に合成樹脂素材を供給して所要形状に型押成形することによって配設することができる。この場合、ライナー6の周縁部は天面壁8の内面に対して非接着乃至弱接着状態であるのが、耐衝撃性の向上或いは一旦容器の口頸部から離脱した容器蓋2を再び容器の口頸部に装着する際の必要トルクの低減の点から好都合である。所望ならば、別個に形成したライナーを天面壁8の内面に少なくとも部分的に接着せしめることもできる。図1と共に図2及び図3を参照して説明を続けると、図示の実施形態におけるライナー6は全体として円板形状であり、薄肉中央部32とこの薄肉中央部32を囲繞する環状突条34と環状突条34から更に半径方向外方に延出するシール部36とを有する。シール部36は半径方向外方に向かって厚さが漸次増大せしめられており、その密接シール面即ち下面は半径方向外方に向かって若干下方に傾斜せしめられている。後に更に言及する如く、シール部36の内周縁部は容器の口頸部の頂面に密接され、シール部36の外周縁部は容器の口頸部の外周面上端部に密接せしめられる。本発明に従って構成された容器蓋2においては、ライナー6のシール部36における外周縁部の下面即ち密接シール面には、半径方向に延びる少なくとも1個の内圧開放切欠38が形成されていることが重要である。図示の実施形態においては、図3を参照することによって理解される如く、周方向に等間隔をおいて3個の内圧開放切欠38が形成されている。内圧開放切欠38は、上述した内圧開放開放促進スリット30の配設位置に整合せしめて形成し、或いは上述した内圧開放促進スリット30の配設位置から変位せしめて形成することもできる。内圧開放切欠38の周方向幅は0.2乃至0.4mm程度でよい。内圧開放切欠38の深さは0.1乃至0.3mm程度でよい。
【0016】
図4には、容器蓋2が適用される容器の口頸部40も図示されている。アルミニウム基合金薄板或いはクロム酸処理鋼薄板から好都合に形成することができる容器は、略円筒形状の口頸部40を有する。口頸部40の上端部は上方に向かって半径方向内方に傾斜せしめられた円錐台筒形状であり、上端には外巻きカール42が形成されている。口頸部40の軸線方向中間部には雄螺条44が形成され、かかる雄螺条44の下方には半径方向外方に膨出せしめられた環状係止あご部46が形成されている。本発明に従って構成された容器蓋2は、図示の形態の口頸部40を有する容器に限られることなく、金属薄板、ガラス或いは適宜の合成樹脂から形成された他の形態の口頸部を有する容器にも適用することができることは多言するまでもない。
【0017】
図1と共に図4を参照して説明を続けると、口頸部40に容器蓋2を装着して口頸部40を密封する際には、口頸部40に容器蓋2を被嵌して容器蓋2を下方に所要圧力で押圧し、ライナー6のシール部36の内周縁部を口頸部40の上端に形成されているカール42の頂面に密接せしめる。ライナー6に形成されている環状突条34は口頸部40内に進入せしめられ、口頸部40に対して容器蓋2を同心状に位置付けるのを助長する。次いで、蓋本体4の天面壁8とスカート壁10との境界領域を下方及び半径方向内方に変形せしめて没入部48を形成し、スカート壁10の主部14における螺条部25に、口頸部40の雄螺条44に対応せしめて雌螺条50を形成し、そしてまたタンパーエビデント裾部16の下部を半径方向内側に変位せしめて口頸部40の環状係止あご部46に係止せしめる。図4においては、容器蓋2に変形を加える前の状態を二点鎖線で示し、変形を加えた後の状態を実線で示している。図4及び図5を参照して説明すると、蓋本体4の天面壁8とスカート壁10との境界領域を下方及び半径方向内方に変形せしめて没入部48を形成すると、ライナー6のシール部36における外周縁部は下方に強制されて,口頸部40の上端に形成されているカール42の外周面(従って、口頸部40の外周面上端部)に密接せしめられる。シール部36の外周縁部に形成されている内圧開放切欠38の内側端はカール42の外周面上端に実質上整合して位置せしめられるのが好都合である。
【0018】
容器蓋2によって密封されている容器の口頸部40を開封する際には、容器蓋2を開方向、即ち図4において上方から見て反時計方向に回転せしめる。かくすると、スカート壁10に形成されている雌螺条50が口頸部40に形成されている雄螺条44に沿って移動、従って回転と共に上昇せんとする。しかしながら、タンパーエビデント裾部16は環状係止あご部46に係止されている故に上昇が阻止され、従って破断ライン12、更に詳しくはその橋絡部22に相当な応力が生成され、橋絡部22が破断されてタンパーエビデント裾部16がスカート壁10の主部14から分離される。しかる後においては、容器蓋2はタンパーエビデント裾部16を除いて回転と共に上昇せしめられて口頸部40から離脱され、かくして口頸部40が開封される。一旦開封した口頸部40を一時的に再び密封することが望まれる場合には、口頸部40から離脱せしめた容器蓋2を再び口頸部40に被嵌せしめて閉方向、即ち図4において上方から見て時計方向に回転せしめ、容器蓋2の雌螺条50を口頸部40の雄螺条44に螺合せしめればよい。雌螺条50を雄螺条44に充分に螺合せしめると、ライナー6のシール部36が口頸部40のカール42の頂面及び外周面に密接せしめられ、口頸部40が再び密封される。
【0019】
容器内に収容されている内容物が例えば天然果汁を含む果汁飲料である場合、上述したとおりにして口頸部40を一旦開封して内容物を大気に晒した後に容器蓋2によって口頸部を再び密封した時に、天然果汁の醗酵現象等によって容器内圧が異常に上昇することがある。また、口頸部40を一旦開封する前においても、容器に収容されている内容物が炭酸飲料である場合には、日光を浴びる等によって著しく加熱されると、容器内圧が異常に上昇することがある。本発明に従って構成された容器蓋2においては、容器内圧が過剰に上昇して所定値、例えば0.4MPa、を越えると、図5に図示する如く、上昇した内圧によって蓋本体4の天面壁8が凸条に変形せしめられ、これに起因してライナー6のシール部36に形成されている内圧開放切欠38を通して容器内圧が開放される。而して、本発明者等の経験によれば、上述したとおりの内圧開放切欠38を介した内圧開放には、口頸部40のカール42に対するライナー6のシール部36の相対的位置等の若干の変動によって内圧開放値が比較的大幅に変動するという問題がある。本発明に従って構成された容器蓋2においては、内圧開放切欠38による内圧開放値は、上述した要因に起因して変動した場合に、許容上限値よりも高くなることがあっても許容下限値よりも低くなることはないように設定される。そして、容器内圧が上昇を続けて例えば0.6Mpaを超えても内圧開放切欠38を介して容器内圧が開放されない場合には、図6に図示する如く、過剰に上昇した容器内圧に起因して蓋本体4が内圧開放促進スリット30を中心として変形され、かかる変形によってライナー6による密封作用が局部的に毀損されて容器内圧が開放される。内圧開放促進スリット30を中心とした蓋本体4の変形に起因する内圧開放値は、内圧開放促進スリット30の周方向長さを所定値に設定することによって充分精密に規定することができる。他方、本発明者等の経験によれば、内圧開放促進スリット30の周方向長さを比較的長くして、例えば容器内圧が0.4MPを超えると、蓋本体4が内圧開放促進スリット30を中心として変形されて容器内圧が開放されるように設定した場合には、例えば自動販売機における取り扱いによって容器蓋2に衝撃が加えられた場合に、容器の口頸部40の密封が毀損されてしまう虞がある。それ故に、内圧開放促進スリット30を中心とした蓋本体4の変形に起因する内圧開放値は、許容上限値以下ではあるが比較的大きく設定することが望まれる。
【0020】
【発明の効果】
本発明の容器蓋によれば、内圧開放に起因して鋭い金属破断縁が生成されることがなく、そしてまた異物の衝突等に起因して容器の口頸部の密封が毀損される虞もないことに加えて、装着位置誤差等に起因して内圧開放値が変動したとしても、内圧開放値が確実に許容範囲内になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って構成された容器蓋を、容器の口頸部に装着する前の状態で、一部を断面で示す正面図。
【図2】図1の容器蓋の一部を拡大して示す拡大部分断面図。
【図3】図1の容器蓋の底面図。
【図4】図1に示す容器蓋を、容器の口頸部に装着した状態で、一部を断面で示す正面図。
【図5】図1に示す容器蓋を、容器の口頸部に装着した状態で、一部を拡大して示す部分拡大断面図。
【図6】容器内圧が過剰に上昇した時に、図1に示す容器蓋における蓋本体が内圧開放促進スリットを中心として変形して容器内圧が開放される状態を示す部分斜面図。
【符号の説明】
2:容器蓋
4:蓋本体
6:ライナー
8:天面壁
10:スカート壁
30:内圧開放促進スリット
36:ライナーのシール部
38:内圧開放切欠
40:容器の口頸部

Claims (5)

  1. 天面壁及び該天面壁の周縁から垂下するスカート壁を有する金属薄板製蓋本体と、該蓋本体の該天面壁の内面に配設された合成樹脂製ライナーとから構成され、外周面に雄螺条が形成されている口頸部を備えた容器に適用される容器蓋において、
    該ライナーの密接シール面には半径方向に延びる少なくとも1個の内圧開放切欠が形成されており、該蓋本体の該スカート壁における、容器の口頸部に形成されている雄螺条に対応して雌螺条が形成される螺条部よりも上方の領域には周方向長さが3乃至8mmである内圧開放促進スリットが形成されており、容器内圧が過剰に上昇すると、該蓋本体の該天面壁が凸状に変形されて該内圧開放切欠を介して容器内圧が開放され、或いは該内圧開放切欠の存在に起因する開放内圧値の誤差の発生によって該内圧開放切欠を介して容器内圧が開放されない場合には該内圧開放促進スリットの周囲を中心として該蓋本体が変形されて容器内圧が開放される、ことを特徴とする容器蓋。
  2. 該内圧開放切欠は0.2乃至0.4mmの幅を有する、請求項1記載の容器蓋。
  3. 該内圧開放切欠は周方向に間隔をおいて複数個形成されている、請求項1又は2記載の容器蓋。
  4. 該内圧開放促進スリットは周方向に間隔をおいて複数個形成されている、請求項1から3までのいずれかに記載の容器蓋。
  5. 該ライナーは容器の口頸部の外周面上端部に密接せしめられる外周縁部を有し、該内圧開放切欠は該外周縁部の密接シール面に形成されている、請求項1から3までのいずれかに記載の容器蓋。
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