JP4383173B2 - 電気導電率を有する搬送部材およびその製造方法 - Google Patents

電気導電率を有する搬送部材およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、搬送部材およびその製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、液晶ディスプレイデバイス用のガラス基板および半導体用のシリコンウエハなどの精密機器材料に搬送するのに適している搬送部材、並びにその製造方法に関する。
この出願は、2001年12月3日に出願された米国仮出願第60/334,587号明細書の利点を権利請求する。
以下の開示内容が、本発明の様々な態様に関連し、以下のように簡単に要約することができる。
液晶ディスプレイデバイスおよび半導体などの精密機械の製造プロセスにおいて、これらの部品を搬送するための搬送部材が用いられる。搬送部材を移動させるための工業用ロボットなどの装置に、かかる搬送部材を設けてもよい。部品を搬送部材上に配置および保持し、所望の位置に移動させる。
搬送部材は一般に、アルミニウムなどの金属から製造される。しかしながら、大きなスケールの液晶ディスプレイデバイス部品またはシリコンウエハを搬送する必要が増しており、非常に剛性で、撓みが小さく、耐熱性の大きい、軽量の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)からなる搬送部分が望ましい。先行技術において、(特許文献1)には、炭素繊維およびポリマーからなる層と金属層との積層体を含む搬送部材用ハンドが開示されており、(特許文献2)には、炭素繊維を一方向に引き揃えたプレプレグ層の積層体を含む搬送部材用ハンドが開示されており、(特許文献3)には、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)のスキン層と、コア層との3層構造を含む搬送部材が開示されている。
しかしながら、液晶ディスプレイデバイスおよび半導体などの精密機械の製造プロセスにおいて、部品上に蓄積する静電気の低減(または除去)もまた、重要である。作業環境において微粒子を生じたり、または破壊的な放電を起こすことによって、集積回路および液晶デバイス部品上の静電気が表面を変色させ、その結果、製品に欠陥を生じ、製造収量が低下すると考えられる。近年、(従来の電子部品と比較して)より高度の集積化および小型化した電子部品に対する要求があるために、従来の技術と比較して、これらの部品を扱う製造プロセスの間に、静電気の発生が大幅に抑えられることが必要とされる。(特許文献4)には、半導体ウエハまたは液晶基板が載置される、繊維強化炭素複合材料で製造された搬送部材が開示されており、搬送部材の表面が金属被覆され、炭素粉末などの粒子が散乱するのを防ぐ。
概して、静電気を除去する2つの一般的な方法がある。すなわち、1)接地によって静電気を放電させる(すなわち、接地方法)および2)大気中にイオンを生成することによって静電気を中和させる(すなわち、イオン中和方法)。先行技術は、接地方法の使用を避ける絶縁材料の使用を開示している。例えば、(特許文献5)には、基板を載置する爪を形成する時に、炭素を含有したポリイミドポリマーを使用する技術が開示されている。別の例には、ポリオレフィンおよびポリアミドから選択されたベースポリマーと、特定の平均の繊維直径を有するミルド炭素繊維充填剤とを含む耐摩耗複合材料の支持体を開示する(特許文献6)がある。更に、(特許文献7)には、予め決められた表面抵抗率を有する熱可塑性ポリマーおよび予め決められた体積抵抗率を有する繊維状導電性充填剤から形成された搬送部材が開示されている。
プラスチックおよびセラミックスなどの絶縁体の搬送部材によって保持されて搬送される部品においては、接地方法を用いることができない。従って、CFRPなどの搬送部材によって搬送される部品の静電気を除去するために、イオン中和方法だけを適用する。しかしながら、イオン中和法はまた、問題がある場合がある。イオンを生成して中和させるために用いた機器から時々、電磁雑音、微粒子、およびオゾンが生じ、これらの生じた要素が製造プロセスに良くない影響を与える可能性がある。同様に、イオン中和方法において、カチオンおよびアニオンの量からなるバイアスが時々、生じ、付加的な静電気が生じる可能性もある。
CFRPなどの絶縁体の搬送部分によって搬送される部品に生じた電荷を除去するための方法を開発するため、イオン中和方法以外の方法を有することが望ましい。
日本特許公開第11−354607号明細書 日本特許公開第11−354608号明細書 日本特許公開第2000−343476号明細書 日本特許公開第2000−216215号明細書 日本特許公開第9−36207号明細書 日本特許公表第10−509747号明細書 日本特許公開第11−106665号明細書
簡潔にいうと、本発明の1つの態様によって、少なくとも1つの物品を載置搬送するための搬送部材であって、
一方向性炭素繊維を含む炭素繊維強化プラスチックによって構成され、前記一方向性炭素繊維の一部又は全部が本体長手方向に本質的に平行に配置されるプレプレグシートによって成形される本体と、
搬送される物品と接触するように、前記本体上面に配置された導電性ポリマー製パッドとを含み、
前記導電性ポリマー製パッドは、前記本体の端部に前記一方向性炭素繊維の一部を露出して形成した貫通穴又は凹部に嵌合して配置されており、
少なくとも1つの物品を載置搬送する間、前記導電性ポリマー製パッドの前記物品との接触部分が、前記本体中の炭素繊維強化プラスチックの一方向性炭素繊維の少なくとも一部に電気接続され、かつ該炭素繊維を介して、前記本体の端部に設けられた外部接地線への接点とも電気的に接続されていることを特徴とする搬送部材が提供される
本発明の別の態様に従って、炭素繊維強化複合材料を有する本体と、前記本体上に配置された導電性ポリマー製パッドとを含む、少なくとも1つの物品を搬送するための搬送部材の製造方法を提供するものであり、前記方法が、
a)一方向性炭素繊維を含む炭素繊維強化プラスチックによって構成され、前記一方向性炭素繊維の一部又は全部が本体長手方向に本質的に平行に配置されるプレプレグシートによって成形される本体を製造する工程と、
b)前記本体の炭素繊維強化プラスチックの一方向性炭素繊維の少なくとも一部を露出する貫通孔又は凹部を形成する工程と、
c)搬送される物品と接触するように、前記本体の前記貫通穴又は凹部に嵌合して前記本体上面に導電性ポリマー製パッドを配置し、露出されている一方向性炭素繊維の少なくとも一部が前記導電性ポリマー製パッドに電気接続される工程と、
d)前記本体の端部に、外部接地線への接点を設ける工程、
を含み、
少なくとも1つの物品を載置搬送する間、前記導電性ポリマー製パッドの前記物品との接触部分を、前記本体中の炭素繊維強化プラスチックの一方向性炭素繊維の少なくとも一部に電気接続し、且つ該炭素繊維を介して、前記本体の端部に設けられた接点とも電気的に接続することを含む。
本発明は、添付した図面と併せて記載した、以下の詳細な説明からより完全に理解される。
本発明はその好ましい実施態様と併せて記載されるが、それは、本発明をその実施態様に制限することを意図するものではないことは理解されよう。反対に、添付した請求項によって規定される本発明の精神および範囲内に含めることができる全ての代替物、改良、および同等物にわたることを意図する。
(定義)
以下の定義を、この明細書および添付した請求項において用いる場合の基準として提供する。
1.本体(Body)−搬送される物品を保持する部分を有する搬送部材。
2.プレプレグ(Prepreg)−樹脂が乾燥布に含浸するように樹脂溶液で湿潤した乾燥布。
3.M6−6mmのねじ穴のメートル呼称径である。
本発明の基本要素は、独自のピッチベースの炭素繊維である。独自のピッチベースの炭素繊維と選択されたエポキシポリマーとを組み合わせることによって、本発明は、いろいろな弾性率(例えば100GPa〜250GPa超)および温度能力(例えば、100C〜230C超)および高純度シーラントの選択肢を提供する。
本発明は、搬送物品の搬送性を改善する高い剛性、耐熱性、および耐薬品性を有する軽量の搬送部材を開示する。例えば、本発明の搬送部材によって移動される半導体のシリコンウエハおよび液晶ガラス基板は、搬送環境によって起こされる搬送物品への損傷を抑え、接地方法を用いて搬送物品の静電気を有効に除去する。本発明は、イオン中和法を用いるだけである先行技術の方法と対照的に、接地方法の使用が可能である。
本発明は、炭素繊維強化複合材料を含有する搬送部材本体および前記本体上に据え付けられた導電性ポリマーを備えた、物品を搬送するための搬送部材を提供する。搬送部材本体の炭素繊維強化複合材料が、炭素繊維が本体の長手方向に本質的に平行に配置される一方向性プレプレグの少なくとも1つの層を有する。前記本体の炭素繊維強化複合材料は、炭素繊維を含有するクロスプレプレグの少なくとも1つの層を有し、プレプレグの炭素繊維の少なくとも一部と導電性ポリマー部分とが電気接続される。
搬送部材の炭素繊維強化複合材料には、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)および炭素繊維強化炭素複合材料(C/C複合材料)がある。CFRP材料が好ましい。炭素繊維強化複合材料の母材料は、熱硬化性ポリマー、熱可塑性ポリマー、炭素、セラミック、金属、およびそれらの混合物を含む。本発明において、熱硬化性ポリマー、炭素、またはそれらの混合物が母材として望ましい。熱硬化性ポリマーには、エポキシ、アラミド、ビスマレイミド、フェノール、フラン、尿素、不飽和ポリエステル、エポキシアクリレート、ジアリルフタレート、ビニルエステル、熱硬化性ポリイミド、メラミン、および他のかかる材料がある。
本発明のための熱可塑性ポリマー母材料には、ポリイミド樹脂、ナイロン、液体芳香族ポリアミド、ポリエステル、液体芳香族ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエーテルスルホンポリマー、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、PEK、PEKK、LCP、ポリスルホン、ポリ塩化ビニル、ビニロン、アラミド、フルオロポリマー、および他のかかる材料がある。本発明のためのセラミック母材料には、アルミナ、シリカ、炭化チタン、炭化ケイ素、窒化ホウ素、窒化ケイ素、および他のかかる材料がある。本発明のための金属母材料には、チタン、アルミニウム、スズ、シリコン、銅、鉄、マグネシウム、クロム、ニッケル、モリブデン、タングステン、およびこれらの金属の1つ以上を含有する合金などがある。
前述の炭素繊維複合材料に含有される炭素繊維は、石油ピッチタイプ炭素繊維、石炭ピッチタイプ炭素繊維、ポリアクリロニトリド(PAN)炭素繊維、および他のかかる繊維を含む。炭素繊維の電気抵抗率は通常、1〜30μΩ・m、好ましくは1〜20μΩ・mである。炭素繊維強化複合材料が1種類だけの炭素繊維を含有してもよく、又、これらの炭素繊維の2種類以上のハイブリッド構造を含有することができる。
炭素繊維強化複合材料中で用いた炭素繊維の型には、1次元強化、2次元強化、3次元強化、不規則強化があり、同様な型が、搬送部材の所望の目的に従って適切に選択され、採用される。例えば、炭素繊維は、必要に応じて短い繊維、織布、不織布、一方向材料、2次元織布、および3次元織布の形状であってもよい。より具体的には、炭素繊維が、フェルト、マット、ブレーデッド・ファブリック(braided fabric)(すなわち、ホットメルトポリマーによって平行な十字または三角形の形状に配列された炭素繊維を含む不織布)、一方向材料、疑似等方材料(pseudo−isotropic material)、無地布(plain fabric)、サテン、綾織物、疑似薄布(pseudo thin fabric)、絡み合った布(entangled fabric)などの構造を有する材料中で使用されてもよく、積層され、前述の炭素繊維強化複合材料中に設けられてもよい。
導電性ポリマー部分が、前記本体中の炭素繊維の少なくとも一部に電気接続される。前記本体は、物品が搬送される時に物品と接触する。導電性ポリマー部分の一部が、その上に置かれた搬送された物品と接触している。物品と本体との間の接点は、炭素繊維を介して導電性ポリマー部分に電気接続される。本発明は更に、接地線への接点を提供する。
導電性ポリマー部分は、ポリイミドポリマーを含有する。本発明において、ポリマー材料は電気導電率を有する。例えば、導電性充填剤が熱硬化性または熱可塑性ポリマーに添加されるポリマー材料がある。前述のポリマー材料のための他の材料には、フルオロポリマー、PEEK、PEKK、PEK、ポリアセテート、ナイロンポリマー、芳香族ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリエステル、液晶ポリマー、ポリベンゾイミダゾール、ポリ(パラフェニレンベンゾビサキサゾール(benzobisaxazole))(PBO)、ポリフェニレンスルフィド、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリアセタール、またはそれらの2つ以上の混合物、がある。本発明に使用する他の導電性充填剤には、金属粉、カーボンブラック、炭素繊維、酸化亜鉛・酸化チタン、チタン酸カリウムなどがある。本発明では、ポリマー材料が、すぐれた耐摩耗性、帯電防止性質および耐薬品性を有するポリイミドを含有し、搬送部材を製造するための寸法安定性および機械加工性を有し、ガラス基板またはウエハなどの物品と接触した時にそれらに容易に損傷を与えず、粒子を容易に生じないポリイミドを含有することが好ましい。
本発明において、導電性ポリマー部分の体積抵抗率は通常、101〜1012Ω・cm、好ましくは104〜105Ω・cmの範囲である。
更に、本発明は、炭素繊維強化複合材料を含有する搬送部材本体を製造する工程を有する、搬送部材の製造方法を提供する。そのプロセスは、複合材料の炭素繊維の一部を暴露し、導電性ポリマー部分が、露出した炭素繊維に電気接続され得るように、搬送部材本体上に設けられる。導電性ポリマー部分を設けるために、搬送部材本体と導電性ポリマー部分とを導電性接着剤によって接着する。導電性ポリマー部分の取付けの製造方法は、導電性ポリマー部分を穴または凹部分に挿入することを含む。穴および凹部分は、複合材料の内部炭素繊維を露出させるように形成される。
本発明の別の態様は、電気導電率を有する搬送部材の製造方法である。本技術分野に周知のCFRPおよびC/C複合材料などの炭素繊維強化複合材料の製造方法を用いることができる。例えば、強化炭素繊維を熱硬化性ポリマーで含浸してプレプレグを形成し、次いで、それらを積層し、硬化させることによってCFRPを製造することができる。しかしながら、一方向性強化炭素繊維のプレプレグを、すなわち、一方向性プレプレグを、前記繊維の方向が搬送部分の長手方向に対して0°および90°、0°、±45°、および90°または0°、±60°、および90°であるように積層することによって、規定された弾性率を有するCFRPを得ることが好ましい。
強化炭素繊維を熱硬化性ポリマー中に含浸するときに、通常、60〜90℃にポリマーを加熱し、それを前記強化繊維に含浸するホットメルト方法が適用されるのが好ましい。プレプレグの製造において熱硬化性ポリマーの含有量は通常、強化繊維の全重量に対して20〜50重量%、好ましくは25〜45重量%である。
必要ならば、プレプレグを構成するポリマーに充填剤を添加することができる。充填剤材料には、マイカ、アルミナ、タルク、微細粉末状シリカ、ウォラストナイト、海泡石、塩基性硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ポリテトラフルオロエチレン粉末、亜鉛粉末、アルミニウム粉末の他、微細アクリル粒子、微細エポキシポリマー粒子、微細ポリアミド粒子、およびポリウレタン粒子などの有機微粒子、および他のかかる材料がある。プレプレグを搬送部分上に適切な形状で積層し、CFRPが得られるように、オートクレーブ内でまたはプレスによって30分〜3時間、110〜150℃で加熱および硬化させる。かかる方法によって、安定した品質を有し、ボイドのほとんどないCFRPを得ることができる。
又、C/C複合材料を周知の方法によって製造することができる。例えば、炭素繊維が、上に記載したCFRPの製造に用いられる炭素繊維と同様な型で用いられる。プリフォーム(すなわち、プロセスの中間工程において形成された形状)を形成するために、熱可塑性ポリマーおよび熱硬化性ポリマーなどの母材ポリマー中にプリフォームを含浸し、次いで、炭化された母材を炭素繊維上に形成することができるように、熱間静水圧処理(すなわち、HIP)の処理または同様な処理によって炭化させる。上に記載したようにプリフォームを不活性ガス中で500℃よりも高い温度で、好ましくは300℃より高い温度で加熱することによって、炭化を行うことができる。
C/C複合材は、原材料として石炭ピッチ、石油ピッチ、合成ピッチ、等方性ピッチ、およびメソフェーズピッチを使用するようなピッチ物質を含有する。又、熱可塑性ポリマーには、ポリイミド樹脂、フェノールポリマー、エポキシポリマー、フランポリマーおよび尿素ポリマーなどが挙げられ、熱硬化性ポリマーが、フェノールポリマー、エポキシポリマー、フランポリマー、尿素ポリマーおよび他のかかる材料を含む。
又、ピッチ、熱硬化性ポリマー、または熱可塑性ポリマーに充填剤を混合し、母材を形成するプロセスに提供することができる。充填剤材料の例には、炭素粉末、黒鉛粉末、炭化ケイ素粉末、シリカ粉末、炭素繊維ウィスカ、炭素短繊維、およびシリコン炭素短繊維などがある。
C/C複合材料の製造方法の別の例は、化学蒸着(CVD)、化学気相浸透(CVI)を用いて熱分解性炭素を炭素繊維に結合することによって母材を形成することであり、またはC/C複合材料を形成する同様なかかるプロセスを用意することができる。このように得られたC/C複合材料に、更に小型化処理を行うことができる。特に、母材形成プロセスを繰り返すことによって、複合材料の密度を改善することができる。
本発明の搬送部材の本体を、炭素繊維強化複合材料だけから、または、炭素繊維強化複合材繊維とガラス繊維強化プラスチック(GFRP)などの他の材料との組合せから形成してもよい。他の材料には、ハニカム、多孔体、またはコルゲート板などの構造体がある。
上に記載した方法を用いて得られた炭素繊維強化複合材料を含有する成形された本体に、所望の形状に本体を切断するなどのプロセスを実施することによって、本体を製造することができる。かかる加工によって、所望の形を有する本体を、正確な作業精度で得ることができる。更に、後に記載するように、炭素繊維と導電性ポリマー部分との電気接続を容易に達成することができる。そして、必要ならば、本体にコーティング剤を適用し、使用面から粒子が形成されるのを妨ぐことができる。エポキシポリマーおよびシリコンワックスなどの熱硬化性ポリマーをコーティング剤として用いることができる。
本発明の搬送部材本体の例は、スキン層がプレートの両面に配置され、コア層がスキン層の間に配置される矩形のプレート状構造である。スキン層は、搬送部分の長手方向に対して−20°〜+20°の角度で配向され、500〜1,000Gpaの引張弾性率を有する、炭素繊維を含有する第1の炭素繊維強化複合材料層を有する。第2の層は、搬送部分の長手方向に対して+75°〜+90°および/または−75°〜−90°の角度で配向され、200〜400Gpaの引張弾性率を有する、炭素繊維を含有する炭素繊維強化複合材料層である。スキン層は、搬送部分の長手方向に対して+30°〜+60°および/または−30°〜−60°の角度で配向され、500〜1000Gpaの引張弾性率を有する、第3の炭素繊維強化複合繊維を有する。3つのスキン層の厚さの、スキン層とコア層との全厚さに対する比は20〜80%、好ましくは60〜80%である。スキン層の炭素繊維を介して接点をポリマー導電性部分に電気接続することができる。又、炭素繊維強化複合材料の上述の第3のスキン層の他にまたは代わりに、コア層が、ハニカム、多孔体、および/または(波形の)起伏のあるプレートなどの構造を有する別の材料層を含有してもよく、ボイドもまた、用いられてもよい。炭素繊維などの繊維材料からなるクロス層を、本体の最外側の表面に配置することができ、クロス層が存在していない場合よりも搬送部材の加工を、より容易にする。クロス層が炭素繊維からなる場合、接点と導電性ポリマー部分との間の電子接続が、より容易になる。
本発明の搬送部材は、炭素繊維強化複合材料を有する本体と、前記本体中の炭素繊維の少なくとも一部に電気接続され、搬送される物品を本体上に置くことによってそれとの接触部分を有する導電性ポリマー部分と、を含む。搬送部材が物品と接触する領域が、搬送部材の末端部の表面、および導電性ポリマー部分であってもよい。
本発明の搬送部材において、炭素繊維強化複合材料を含有する本体を製造する工程と、前記複合材料の炭素繊維の一部分を露出させる工程と、導電性ポリマー部分が、露出された前記炭素繊維と電気接続されるようにそれを前記本体上に配置する工程とによって、導電性ポリマー部分と本体の炭素繊維の少なくとも一部との電気接続を達成することができる。炭素繊維強化複合材料を含有する成形された本体として搬送部材を形成し、その一部を切断することによって穴または凹部分を形成することによって、炭素繊維を露出させることができる(例えば、通常、炭素繊維強化複合材料を含有する成形された本体が製造されるとき、その表面が母材で被覆され、炭素繊維は露出されない。従って、本体の一部分が切断される場合、炭素繊維が露出される。)
露出した炭素繊維と導電性ポリマー部分との電気接続は、切断面を含有する本体の表面の上の搬送される物品と接触する、導電性ポリマー部分の異なった部分において、本体と導電性ポリマー部分とを導電性接着剤によって接着するか、または、本体の炭素繊維を露出させるプロセスにおいて形成された穴または凹部分に導電性ポリマー部分を挿入することによって行われてもよい。しかしながら、本体と導電性ポリマー部分との接着方法は重要ではなく、本体を形成する炭素繊維の少なくとも一部と導電性ポリマー部分を電気接続することができる何れかの方法、および搬送される物品がそれと接触して配置されてもよい別の部分を用いてもよい。
本発明の搬送部分が、1つの導電性ポリマー部分だけまたはいくつかの導電性ポリマー部分を備えていてもよい。いくつかの導電性ポリマー部分を用いるとき、それらの1つ以上を炭素繊維に電気接続することができる。
本発明の搬送部分が更に、接地線への接点を備えることができる。前述の接点は、炭素繊維の少なくとも一部を介して導電性ポリマー部分と電気接続され、導電性ポリマー部分と接触する物品の静電気を接地方法によって除去することができる。前述の接点は単に、本体の切断によって形成された炭素繊維の露出面の接点であってもよいが、またはまた、望ましい金属電極であってもよい。
本発明の搬送部分の形状は上記のとおり矩形であってもよいが、しかしながら、プレート形状、ロッド形状、フォーク形状、ハニカム形状、中空錐形状、T形状、I形状、曲面形状、または組合せの形状などのいろいろな形状もまた、本発明に使用するために採用することができる。典型的には、本発明の搬送部材は、その末端部において、搬送される物品と接触している領域を有することができ、またはその近接端部において接点を有することができる。本発明の搬送部材は、導電性ポリマー部分だけが搬送物品と接触してそれを支持する形状を有してもよく、または、導電性ポリマー部分と本体との両方が搬送物品と接触してそれを支持する形状を有してもよい。近接端部が、産業用ロボットなどの搬送部材を移動させる装置に固定される。前記装置は、物品の搬送を可能にするために、搬送される物品を末端部に配置および保持することができるように操作される。
本発明を詳細に説明するためにここで、図面を参照する。本発明の搬送部分の例を、図を参照して以下に説明する。
図1は、本発明の搬送部材の例を示す。図1は、その長手方向の、搬送部材を垂直断面によって切った断面図である。本体11が、矩形のプレート形状を有し、炭素繊維強化複合材料から形成され、その末端部の上面に凹部分15を有する。凹部分15を製造するために、炭素繊維強化複合材料からなる成形された本体を形成し、図示した形状にそれを切断する。導電性ポリマー部分12が、凹部分15に合う凸部分を有し、導電性接着剤によってまたは凹部分15にそれをプレス供給することによって本体11に設けられる。本体11の近接端部に、接地線14への接点16が設けられ、接地線14に接続される。実際の使用時に、接点16を接地線14に直接に接続するか、あるいはまた、搬送部材を移動させる産業用ロボットなどの装置によって接地させてもよい。又、接点16は、各接地用導体の形状に合わせた構造を有することができる。本体11は、一方向性プレプレグシートを積層することによって形成される。本体11において、炭素繊維の一部分または全てが本体11の長手方向と実質的に平行に、すなわち、末端位置から近接位置の方向に配列される。従って、導電性ポリマー部分12と接点16とが本体11の炭素繊維を介して電気接続され、物品を搬送する時に、物品が導電性ポリマー部分12と接触し、電流が矢印13の方向に流れ、それによって電流を除去する。
本発明の搬送部分の別の例の垂直断面図を示す、図2をここで参照する。搬送部材物体21において、本体21に厚さ方向に貫通する穴25を形成し、穴25を合う形状を有する導電性ポリマー部分22が設けられる。接地線24を、図1に記載したのと同様にして接点26に接続する。導電性ポリマー部分22を、本体21の長手方向と実質的に平行に、すなわち、本体21の末端位置から近接位置の方向に配列された炭素繊維を介して接点26に電気接続する。従って、物品を搬送する時に、物品が導電性ポリマー部分22と接触し、電流が矢印23の方向に流れ、それによって電流を除去する(すなわち、静電気を放電させる)。
本発明の搬送部材の例の平面図を示す図3をここで参照する。本体31がフォーク形構造を有し、導電性ポリマー部分32が、その分岐端部の各々に設けられる。本体31が、クロスプレプレグシートを積層することによって形成される。本体31において、クロスプレプレグ中の炭素繊維が交差され、搬送部材本体31の長手方向および厚さ方向に伸長される。このため、導電性ポリマー部分32が、前記炭素繊維を介して接点36に電気接続され、物品を搬送する時に、物品が導電性ポリマー部分32と接触し、電流が矢印33の方向に流れ、それによって電流を除去する(すなわち、静電気を放電させる)。接地線34を、図1に記載したのと同様にして接点36に接続する。
本発明の搬送部材の別の例を示す平面図を示す図4をここで参照する。本体41は、フォーク形構造を有する。本体41において、炭素繊維の一部分または全てを、長手方向と実質的に平行に、すなわち、本体41の末端位置から隣接位置の方向に配列する。導電性ポリマー部分42を、図4に示した位置に設け、それを炭素繊維を介して接点46に電気接続する。接地線44を、図1に記載したのと同様にして接点46に接続する。従って、物品を搬送する時に、物品が導電性ポリマー部分42と接触し、電流が矢印43の方向に流れ、それによって電流を除去する(すなわち、静電気を放電させる)。
本発明の搬送部材が、炭素繊維強化複合材料を含む本体と、前記本体中の炭素繊維の少なくとも一部に電気接続され、上に載置された、それによって搬送される物品との接触部分を有する、導電性ポリマー部分とを含み、搬送部材によって、半導体用のシリコンウエハおよび液晶ガラス基材などの搬送される物品の搬送性を改善することができ、搬送環境によって起こされる搬送される物品への損傷を抑え、容易に製造され、繊維強化複合材料を含有する本体および前記本体と結合した導電性ポリマー部分により、軽さ、高い剛性、および高い耐熱性を有し、更に、接地方法によって静電気を有効に除去することができる。このため、正確な操作を必要とする、大きなスケールのガラス基板およびウエハなどの部品を、それらの品質および収量を下げずにうまく搬送することができる。従って、搬送部分は、精密機器などの機器の製造プロセスに非常に有用である。同様に、本発明の搬送部材を製造する方法において、前述の搬送部分を簡単な方法で製造することができる。
以下の適用例および比較例を提供して本発明を更に説明するが、記載した実施例に本発明を制限することを意図するものではない。
(実施例1)
導電性ポリマー部分とCFRPからなる本体とを導入する搬送部材を製造した。最初に、スキン層をピッチ炭素繊維を用いて製造し、800GPaの引張弾性率を有するピッチタイプ炭素繊維を一方向に引っ張り、整列し、エポキシポリマーで含浸し、一方向性プレプレグシートを製造した。炭素繊維の方向が搬送部分の長手方向に対して0°(すなわち、同じ方向)であるようにいくつかのプレプレグを積層した。積層されたシートをオートクレーブ内で処理し、約1.3mmの厚さを有するスキン層を製造した。
次に、コア層を製造した。600GPaの引張弾性率を有するピッチタイプ炭素繊維を一方向に引っ張り、整列し、エポキシポリマーで含浸し、一方向性プレプレグシートを製造した。炭素繊維の方向が搬送部分の長手方向に対して90°であるようにいくつかのプレプレグを積層した。積層されたシートをオートクレーブ内で処理し、約1.5mmの厚さを有するコア層を製造した。
次に本体をCFRPから製造する。上に記載したコア層を、上に記載したスキン層の2つのシートの間に配置し、導電性熱硬化性樹脂系接着剤で付着させ、上および下面の上のスキン層、およびそれらの間のコア層を有する積層体を得た。2つのスキン層の表面の上に、230GPaの引張弾性率を有する炭素繊維の織布プレプレグ(サテン、厚さ約0.1mm)を付着させ、クロス層を形成し、次いで加圧下で加熱し、それによってCFRPプレートを得た。設置用のM6タップホールをCFRPプレートに形成し、長さ600mm、幅240mm、および厚さ4.3mmの本体を形成した。
次に、搬送部材を製造する。(上に記載したように、製造した)CFRP本体の上面の末端部に、厚さ方向に貫通する3mmの内径を有する3つの穴を形成した。これらの穴に対する凹部分の嵌め合いを有し、ポリイミドポリマー(本願特許出願人から入手できるヴェスペル(Vespel)登録商標SP−102)を含有する、104Ω・cmの体積抵抗率を有する導電性ポリマーからなる3つのパッドを、それらをプレス供給することによってこれらの穴の各々に設け、搬送部材を製造した。
(実施例2)
実施例1の最初の3つの工程がこの実施例に適用される。次に、搬送部材の別の実施態様を次いで製造した。実施例1において形成された本体の上面の末端部に、内径3mmおよび深さ1mmの3つの穴を形成した。これらの穴に対する凹部分の嵌め合いを有し、ポリイミドポリマー(本願特許出願人から入手できるヴェスペル(Vespel)登録商標SP−102)を含有する、104Ω・cmの体積抵抗率を有する導電性ポリマーからなる3つのパッドを、それらをこれらの穴の各々にプレス供給することによって設け、搬送部材を製造した。
(実施例3)
静電気の電荷除去(DE−ELECTRIFICATION)試験
実施例1および2において得られた搬送部材をそれぞれ、搬送装置に取付け、次いで、搬送部材を接地した。次に、搬送される物品である直径約300mmを有するウエハを、強制充電用の電源を用いて約2kVで帯電した。次に、帯電したシリコンウエハを、それが搬送部材の3つのポリマーパッドと接触できるように配置し、次いで、電圧電荷が導電性搬送部材を通して散逸するために約3秒間、保持した。次に、ウエハの帯電電圧を静電電圧計(シシドーエレクトロスタティックス社(Shishido Electrostatics,Ltd.)製のモデル「ステイティロン(STATIRON)」 DZ3)によって測定し、導電性搬送部材の機能を検証した。電圧計で測定すると、ウエハの電圧電荷が、3秒間、搬送部材と接触させた後に200ボルトより小さい値まで散逸し、静電気の除去が有効に行われたことを確認した。
(比較例)
この比較例において搬送部材をセラミックから製造した。M6タップホールを長さ600mm、幅240mm、および厚さ4.3mmのアルミニウムプレートに形成し、本体を作った。上に記載した実施例1および2と同様に、ポリイミドポリマーを含有する、104Ω・cmの体積抵抗率を有する導電性ポリマーからなる3つのパッドを本体に設け、搬送部材を製造した。これらの搬送部材を試験にかけ、上に記載した実施例3と同様に静電気が除去されるかどうか確認した。実施例3と対照的に、シリコンウエハの帯電電圧は試験の前と後で変化することはまずなく、静電気は3秒の測定後に除去できず、1600ボルトより大きい値で残留したことを確認した。(シシドーエレクトロスタティックス社製のモデル 「ステイティロン」 DZ3静電電圧計を用いて電圧を測定した。)
従って、上述した目的および利点を完全に満たす、電気導電率を有する搬送部材およびその製造方法が本発明によって提供されたことは明らかである。この発明がその特定の実施態様と共に記載されたが、多くの代替物、改良、および変型が当業者には明白であることは明らかである。したがって、添付したクレームの精神および広い範囲に含まれる全てのかかる代替物、改良、および変型を包含することが意図される。
以下に、本発明の好ましい態様を示す。
1. 少なくとも1つの物品を搬送するための搬送部材であって、
炭素繊維強化複合材料を有する本体と、
前記本体上に配置された導電性ポリマー部分とを含み、前記導電性ポリマー部分が、少なくとも1つの物品を搬送する間、該少なくとも1つの物品との接触部分を有し、前記本体中の炭素繊維強化複合材料の炭素繊維の少なくとも一部に電気接続されることを特徴とする搬送部材。
2. 前記炭素繊維強化複合材料が、10℃/分の上昇速度で25℃〜250℃の温度条件を有する、10-5Paの真空で発生される15ppm未満の水および1ppm未満の水素ガスの純度を含むことを特徴とする1.に記載の搬送部材。
3. 前記本体が、接地線への接地接点が設けられる近接端部を有し、前記物品との接点が、前記炭素繊維の少なくとも一部によって前記導電性ポリマー部分に電気接続されることを特徴とする1.または2.に記載の搬送部材。
4. 前記本体の前記炭素繊維強化複合材料が、前記本体の縦方向と実質的に平行に配置された炭素繊維の一方向性プレプレグの少なくとも1つの層を含み、前記一方向性プレプレグの前記炭素繊維の少なくとも一部と前記導電性ポリマー部分とが、電気接続されていることを特徴とする1.または3.に記載の搬送部材。
5. 前記本体の前記炭素繊維強化複合材料が、炭素繊維を含有するクロスプレプレグの少なくとも1つの層と、電気接続されている前記プレプレグおよび前記導電性ポリマー部分の前記炭素繊維の少なくとも一部とを含むことを特徴とする1.または3.に記載の搬送部材。
6. 前記導電性ポリマー部分が、ポリイミド、エポキシ、アラミド、ビスマレイミド、フェノール、フラン、尿素、不飽和ポリエステル、エポキシアクリレート、ジアリルフタレート、ビニルエステル、メラミン、ナイロンポリマー、液体芳香族ポリアミドポリマー、ポリエステルポリマー、液体芳香族ポリエステルポリマー、ポリプロピレンポリマー、ポリエーテルスルホンポリマー、ポリフェニレンスルフィドポリマー、ポリエーテルエーテルケトンポリマー、ポリエーテルケトンポリマー、ポリエーテルケトンポリマー、ポリスルホンポリマー、ポリ塩化ビニルポリマー、ビニロンポリマー、アラミドポリマー、液晶ポリマー、ポリ(パラフェニレンベンゾビサキサゾール)またはフルオロポリマーの1つ以上を含むことを特徴とする1.〜5.のいずれか一項に記載の搬送部材。
7. a)炭素繊維強化複合材料を含有する本体を製造する工程と、
b)前記本体の炭素繊維強化複合材料の炭素繊維の少なくとも一部を露出させる工程と、
c)導電性ポリマー部分を前記本体上に配置し、露出されている炭素繊維の少なくとも一部が前記導電性ポリマー部分に電気接続される工程と、を含むことを特徴とする1.〜6.のいずれか一項に記載の搬送部材の製造方法。
8. 前記導電性ポリマー部分が、導電性接着剤を用いて前記本体上に配置されることを特徴とする7.に記載の製造方法。
9. 前記配置工程が、炭素繊維の少なくとも一部を露出させるために形成された画定された開口部または凹部分に前記導電性ポリマー部分を挿入する工程を含むことを特徴とする7.に記載の製造方法。
本発明の搬送部分の例を示す垂直断面図である。 別の本発明の搬送部分の別の例を示す垂直断面図である。 別の本発明の搬送部分の別の例を示す平面図である。 別の本発明の搬送部分の別の例を示す平面図である。

Claims (2)

  1. 少なくとも1つの物品を載置搬送するための搬送部材であって、
    一方向性炭素繊維を含む炭素繊維強化プラスチックによって構成され、前記一方向性炭素繊維の一部又は全部が本体長手方向に本質的に平行に配置されるプレプレグシートによって成形される本体と、
    搬送される物品と接触するように、前記本体上に配置された導電性ポリマー製パッドとを含み、
    前記導電性ポリマー製パッドは、前記本体の端部に前記一方向性炭素繊維の一部を露出して形成した貫通穴又は凹部に嵌合して配置されており、
    少なくとも1つの物品を載置搬送する間、前記導電性ポリマー製パッドの前記物品との接触部分が、前記本体中の炭素繊維強化プラスチック一方向性炭素繊維の少なくとも一部に電気接続され、かつ該炭素繊維を介して、前記本体の端部に設けられた外部接地線への接点とも電気的に接続されていることを特徴とする搬送部材。
  2. 請求項1に記載の搬送部材を製造するための方法であって、
    a)一方向性炭素繊維を含む炭素繊維強化プラスチックによって構成され、前記一方向性炭素繊維の一部又は全部が本体長手方向に本質的に平行に配置されるプレプレグシートによって成形される本体を製造する工程と、
    b)前記本体の炭素繊維強化プラスチック一方向性炭素繊維の少なくとも一部を露出する貫通孔又は凹部を形成する工程と、
    c)搬送される物品と接触するように、前記本体の前記貫通穴又は凹部に嵌合して前記本体上に導電性ポリマー製パッドを配置し、露出されている一方向性炭素繊維の少なくとも一部が前記導電性ポリマー製パッドに電気接続される工程と、
    d)前記本体の端部に、外部接地線への接点を設ける工程、
    を含み、
    少なくとも1つの物品を載置搬送する間、前記導電性ポリマー製パッドの前記物品との接触部分を、前記本体中の炭素繊維強化プラスチック一方向性炭素繊維の少なくとも一部に電気接続し、且つ該炭素繊維を介して、前記本体の端部に設けられた接点とも電気的に接続することを特徴とする方法。
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