JP4383005B2 - 回折型液晶レンズ及び多焦点回折型液晶レンズ - Google Patents

回折型液晶レンズ及び多焦点回折型液晶レンズ Download PDF

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    • G02F2203/28Function characteristic focussing or defocussing

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回折格子を利用した回折型液晶レンズ及び多焦点回折型液晶レンズに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、スチールカメラやビデオカメラ等に用いられるズームレンズは複数枚のレンズからなっており、モータなどの機械的な駆動機構によってレンズ同士の間隔を調節することで焦点距離の調整を行っている。このように、機械的な駆動機構を用いて焦点距離の調節スピードの高速化を図る場合には限界がある。
【0003】
そこで、従来、機械的な駆動機構によらないで焦点距離を調節する方法として、例えば特開昭60−50510公報や特許第2666907号公報に液晶レンズが提案されている。この液晶レンズは、フレネルレンズ状基板内に封入された液晶分子の配向方向を電気的に制御して、液晶分子の屈折率を異常光に対する値から常光に対する値まで連続的に変化させることで、焦点距離を調節するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記した従来の液晶レンズでは、電気的に焦点距離を制御することができるものの、光の屈折を利用して集光する構成であるので、特に焦点距離が短い場合やレンズの口径が大きくなるとレンズ状基板表面の凹凸の深さが増すため、封入される液晶の層が厚くなり、液晶分子の印加電圧に対する応答が遅くなる。さらに、液晶層の中心では基板からの配向規制力が有効に働かず、液晶分子の配向が乱れ入射光を散乱するため、入射光の透過率が低くなる。
【0005】
このような問題を鑑み、本発明では、焦点距離やレンズの口径に関係なく常に液晶層が薄い、すなわち、焦点距離を高速で調節可能な、入射光の透過率の高い液晶レンズを提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1記載の発明は、スペーサーを介して対向させて配置した基板の内面に電極と配向膜とを積層し、前記配向膜の間に液晶分子を封入してなる回折型液晶レンズであって、前記配向膜の少なくとも一方は同心円で並ぶ複数の輪帯状領域からなる輪帯領域群を複数有し、複数の前記輪帯状領域群は同心円で並び、前記輪帯状領域群の幅が前記配向膜の中心から外側に向かうにしたがって漸減し、前記各輪帯状領域群は、前記輪帯状領域ごとに液晶分子のプレチルト角が異なるように配向処理されている回折型液晶レンズである。
【0007】
かかる構成の回折型液晶レンズは、液晶層に電圧を印加しない、もしくは印加する電圧がしきい電圧値以下の場合(以下「電圧を印加しない」という)では、液晶分子は輪帯状領域ごとに異なる方向に配向する。前記液晶分子は複屈折特性を有するため、プレチルト角が異なると、それに応じて屈折率も異なるものになる。屈折率が異なると、入射光に位相差が生じるため、入射光は回折する。すなわち、異なるプレチルト角を持つように配向処理した前記輪帯状領域の集まりである輪帯状領域群では前記液晶分子により回折格子が形成されていることになる。さらに、前記輪帯状領域群は同心円で並び、その幅が配向膜の中心から外側に向かうにしたがって漸減するいわゆるフレネルゾーンプレート状に形成されているため、前記輪帯状領域群で回折された入射光は1点に集光する。一方、しきい電圧値以上の電圧を印加する場合(以下「電圧を印加する」という)では、液晶分子はすべて電界方向に配向し、場所によらず一様な屈折率となるため、前記液晶分子により回折格子は形成されず、入射光は集光することなく回折型液晶レンズを通過する。なお、「プレチルト角が異なるように配向処理する」とは、液晶分子の基板に対する立ち上がり方向が異なるように配向処理することを言う
【0008】
請求項2記載の発明は、スペーサーを介して対向させて配置した基板の内面に電極と配向膜とを積層し、前記配向膜の間に液晶分子を封入してなる回折型液晶レンズであって、前記配向膜は、平行に並ぶ複数の帯状領域からなる帯状領域群を複数有し、複数の前記帯状領域群が平行に並び、前記帯状領域群の幅が前記配向膜の中央から側方に向かうにしたがって漸減し、前記各帯状領域群は、前記帯状領域ごとに液晶分子のプレチルト角が異なるように配向処理されており、前記帯状領域が直交するように前記基板を対向させる回折型液晶レンズである。
【0009】
かかる構成の回折型液晶レンズは、液晶層に電圧を印加しない場合では、帯状領域の液晶分子は異なる方向で配向するため、それに応じて屈折率も異なる。したがって、異なるプレチルト角を持つように配向処理した前記帯状領域の集まりである帯状領域群では液晶分子により回折格子が形成されることになる。さらに、前記帯状領域群が平行に並び、その幅が配向膜の中央から側方に向かうにしたがって漸減するように構成されているため、回折光はシリンドリカルレンズと同様に一方向に集光する。さらに、前記帯状領域が直交するように、すなわち集光方向が直交するように前記基板を対向させて張り合わせるので、前記帯状領域群で回折された入射光は一点に集光する。一方、しきい電圧値以上の電圧を印加する場合(以下「電圧を印加する」という)では、前記液晶分子はすべて電界方向に配向し、場所によらず一様な屈折率となるため、前記液晶分子により回折格子は形成されず、入射光は集光することなく回折型液晶レンズを通過する。
【0019】
請求項記載の発明は、請求項1及び請求項2記載の少なくとも一方の回折型液晶レンズの複数個を密着して積層した多焦点回折型液晶レンズである。
【0021】
請求項3の多焦点回折型液晶レンズは、例えば、異なる焦点距離を有するN個の回折型液晶レンズを密着して積層した場合には、それぞれの回折型液晶レンズにおいてレンズとガラス状態とを切り替えることにより、2通りの焦点距離を持つ多焦点回折型液晶レンズを構成することができる。また、同じ焦点距離を有するN個の回折型液晶レンズを密着して積層した場合には、N通りの焦点距離を持つ多焦点回折型液晶レンズを構成することができる。
【0023】
請求項記載の発明は、同じ焦点距離を有する請求項1及び請求項2記載の少なくとも一方の回折型液晶レンズの複数個を離間して積層した多焦点回折型液晶レンズである。
【0025】
焦点距離が同じ回折型液晶レンズを密着して積層した場合には、前記したように、焦点距離はN通りに変化するが、請求項4のように同じ焦点距離をもつ多焦点回折型液晶レンズを離間して積層すると、N通り以上の焦点距離を有する多焦点回折型液晶レンズを構成することができる。
【0026】
請求項記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の回折型液晶レンズと屈折型レンズとを組み合わせた回折型液晶レンズである。
【0027】
かかる構成の回折型液晶レンズは、回折型液晶レンズの色分散特性と屈折型レンズの色分散特性とが逆であるため、回折型液晶レンズのみの場合と比較して、収差を低減できる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、説明において、同一要素には同一の符号を用い、重複する説明は省略するものとする。
【0029】
なお、以下の第1から第6の実施形態を示す図では、液晶レンズの平面形状が四角形になっているが、これに限定されることはなく、その他の多角形または円形などでもよい。また、平板状の基板や電極だけでなく曲面状の基板や電極を用いてもよい。
【0030】
(第1の実施形態)
図1は本発明に係る回折型液晶レンズの第1の実施形態を示す断面図である。図1に示すように、回折型液晶レンズ10は、スペーサー6を介して対向している平板状の透明基板2と、透明基板2の内面に積層された透明電極3及び配向膜4と、スペーサー6によって配向膜4の間に生じた隙間に封入した液晶分子5により構成されている。また、透明電極3には電源装置7が接続されている。
【0031】
透明基板2は、後記する透明電極3の基板であり、集光させる光の波長帯域に対して高い透過率を有する材料で形成する。可視光に対してはガラスや高分子フィルム等を用いることができる。
【0032】
透明電極3は、液晶層1に電圧を印加し、液晶分子5の配向方向を制御するもので、透明基板2の内面に積層されている。透明電極3を透明基板2の内面に積層することで、小さい電圧で液晶分子5の配向を制御することが可能になる。また、透明電極3には電源装置7が接続され、液晶層1に電圧を印加できるようになっている。透明電極3は酸化インジウム膜に錫をドープしたいわゆるITO膜などの透明導電性薄膜を蒸着あるいはスパッタ法などにより透明基板2に成膜して形成される。なお、透明電極3は集光する光の波長帯域に対して高い透過率を有する材料で形成する。
【0033】
配向膜4は透明電極3に電圧を印加していないときに、液晶分子5を所定の方向に配向させておくためのもので、透明電極3に積層されている。第1の実施形態では、後記するように、配向膜4には液晶分子の配向方向が場所によって異なるように配向分割がなされている。なお、以下の実施形態では液晶分子5のプレチルト角が異なるように配向分割されているものとして説明を行う。配向膜4は、透明基板がガラスで形成されていればSiO,ポリイミド及びポリビニルアルコール(PVA)等の高分子膜が利用でき、透明基板が高分子フィルムで形成されていれば変成PVAやナイロンエポキシ−有機チタン系等が利用できる。
【0034】
図2(a)は配向膜の配向分割の状態を示す平面図、図2(b)は各輪帯状領域における液晶分子の配向状態を示す断面図である。配向膜4には後記するような配向処理方法により、液晶分子5のプレチルト角がS1となるように配向処理された輪帯状領域A11と、液晶分子5のプレチルト角がS2となるように配向処理された輪帯状領域A12とからなる輪帯状領域群A1が複数存在している。輪帯状領域群A1,A1・・・は同心円で並び、その幅bが配向膜4の中心から外側に向かうにつれて漸次狭くなっている。なお、輪帯状領域A11,A12では、液晶分子5のプレチルト角は異なるが、平面視すると液晶分子5の長軸は一様な方向に向くように配向処理が成されている。
【0035】
なお、配向膜4に施すフレネルゾーンプレート状の配向分割は、対向する配向膜4のうち、少なくとも一方に施せばよい。一方の配向膜4にのみフレネルゾーンプレート状の配向処理を施した場合、他方の配向膜4には、ラビング法や光配向方法などの方法により一様な配向処理を行えばよい。
【0036】
液晶分子5は対向する配向膜4の間のスペーサー6によって生じた隙間に封入されており、液晶層1を形成している。液晶分子5の組成や配列構造は公知のものでよく、例えばネマティック相、スメクティック相、コレステリック相などの配列構造を有する液晶や、これらを混合した液晶を使用することができる。
【0037】
第1の実施形態に係る回折型液晶レンズ10は以上のように構成されており、液晶層1に電圧を印加しない状態では、輪帯状領域A11の液晶分子5と、輪帯状領域A12の液晶分子5とはプレチルト角が異なって配向する(図2(b))。一般に液晶分子5はその配向方向によって屈折率が異なる複屈折特性を有しているので、輪帯状領域A11とA12とでは液晶分子5の屈折率が異なることになる。この状態で液晶分子5の長軸方向に偏光した入射光Lを入射すると、輪帯状領域A11とA12とでは液晶分子5のプレチルト角の違いに起因する屈折率の違いにより入射光Lに位相差が生じ、入射光Lは回折する。さらに、輪帯状領域群A1,A1・・・が1点に集光するフレネルゾーンプレート状に並んでいるので、入射光Lは焦点Fで集光することになる。
【0038】
すなわち、輪帯状領域A11とA12とで液晶分子5のプレチルト角が異なるように配向分割することで、図3(b)に示すような2値的な段差により回折格子を形成しているのと同様な作用が得られる。
【0039】
一方、電圧を印加した状態では、図2(c)に示すように液晶分子5はすべて電界方向に向き、輪帯状領域A11とA12とにあった入射光Lに対する屈折率の違いはなくなるため、入射光Lに位相差は生じない。すなわち、レンズの作用は消滅し、入射光Lは集光することなく回折型液晶レンズ10を通過する(ガラス状態)。
【0040】
一般に、位相型の回折格子では、溝の深さは集光する光の波長帯域によって決まり、焦点距離やレンズの口径によっては変わらない。また、溝の深さは集光する光の波長程度でよい。液晶層1がフレネルゾーンプレート状の回折格子を形成する回折型液晶レンズ10においては、輪帯状領域A11とA12を通過する光の光路長差が、入射光Lの波長程度となるように液晶層1を構成すればよい。したがって、液晶層1は屈折型の液晶レンズにおける液晶層と比較して非常に薄くすることができるため、液晶分子5の印加電圧に対する応答が高速になり、レンズとガラス状態との切り替えを高速で行うことが可能になる。また、液晶層1が薄いため液晶分子5への配向規制力が有効に働き、液晶分子5の配向が乱れないので、光の透過率が高くなる。また、液晶層1の厚さは焦点距離やレンズの口径により変化しない。
【0041】
さらに、透明基板2や透明電極3が平板状であるため、径が40cm以上あるような大型のレンズを製作することも可能である。また、回折型液晶レンズを構成する各材料は公知のものでよく、透明電極3の積層方法や後記する配向処理方法も従来の技術で十分対応が可能であるため、前記の回折型液晶レンズ10を容易に製作することができる。
【0042】
なお、前記では、輪帯状領域群A1を輪帯状領域A11とA12とに配向分割し、液晶分子5のプレチルト角が2段階に変化するようにしたが、輪帯状領域群A1の配向分割をさらに細かいものとしても良い。一般に位相型の回折格子では、溝の形状をキノフォーム形状(図3(a))とすると1次回折効率の理論値が100%になり、キノフォーム形状を階段形状(図3(b),図3(c))で近似した場合には、階段の段数を増やすことで回折効率を向上させることができる。これと同様に、輪帯状領域群A1において液晶分子5の屈折率が多段に変化するように配向分割することで、回折効率を向上させることができる。例えばプレチルト角の大きさを2段階とした場合の1次回折効率の理論限界は約41%であるが、4段階とすると約81%、8段階とすると約95%となる。
【0044】
また、一般的な位相型の回折格子では、焦点距離は溝の間隔により調整する。同様に、前記の回折型液晶レンズ10では、輪帯状領域群A1の幅b(図2(b)参照)により焦点距離を調節する。
【0045】
次に、上述したような液晶分子の配向方向が輪帯状領域ごとに異なるように配向分割を行う方法を述べる。このような配向分割を可能にする方法の一つに光配向法がある。光配向法とは、配向膜に直線偏光した紫外光を照射して偏光方向の高分子鎖を選択的に反応させて配向膜に異方性を形成する配向処理方法である。照射する紫外光の偏光方向や強度により、配向方向を自由に設定することが可能である。なお、光配向法により配向処理を行う場合の配向膜の材料にはポリイミドやシンナモイル基を導入した変成ポリシラン、アゾ基を導入したポリイミドなどが用いられる。
【0046】
図4(a),図4(b)は光配向法による配向分割の方法を示した模式図である。図4(a)に示すように、フレネルゾーンプレート状に加工された第1のマスクM1は、図2(a)における輪帯状領域A11と同形の光の透過部M11と、輪帯状領域A12と同形の遮蔽部M12とを有している。透明電極3上に薄く塗布した配向膜4にマスクM1をあてがい、直線偏光した紫外光L1を照射すると、透過部M11を通過した紫外光L1は配向膜4の高分子鎖と反応し、異方性を有する輪帯状領域A11が形成される。一方、遮蔽部M12により紫外光L1が遮られた輪帯状領域A12では配向膜4に変化はおこらない。
【0047】
次に、図4(b)に示すような第1のマスクM1と透過部と遮蔽部とが逆転した第2のマスクM2を配向膜4にあてがい、紫外光L1とは異なる強度の紫外光L2を照射すると、第1のマスクM1をあてがったときに紫外光L1が照射されなかった領域で、紫外光L2と配向膜4の高分子鎖とが反応し、輪帯状領域A11とは異なる異方性を有する輪帯状領域A12が形成される。
【0048】
このような配向方法により、図2に示すような、配向膜4に液晶分子5の配向方位角が異なる輪帯状領域A11とA12とを形成することができる。
【0049】
また、図5(a),5(b)に示すように、紫外光の強度を同じにして、配向膜4に第1のマスクM1をあてがったときには水平偏光した紫外光L3を、第2のマスクM2をあてがったときには垂直偏光した紫外光L4をそれぞれ照射して、液晶分子5が異なる配向方位角で配向する輪帯状領域A11とA12とを形成してもよい。
【0050】
さらに、輪帯状領域群A1において液晶分子5の屈折率が多段に変化するように配向分割する場合には、上述したようなマスクを段数分用いて、それぞれ偏光方向や強度の異なる紫外光を照射すればよい。
【0051】
また、図示は省略するが、マスクを使用せずにインコヒーレントな2つの光で、各光束の広がり角が異なるものを干渉させ、2光束間でフレネルゾーンプレート状の干渉縞を作り、これを配向膜に照射して、液晶分子が異なる方向で配向する輪帯状領域A11とA12とを形成してもよい。また、光配向法によらず、マスクラビング法などによっても良い。
【0052】
(第2の実施形態)
図6は本発明に係る回折型液晶レンズの第2の実施形態を示す斜視図である。図6に示すように、回折型液晶レンズ11は、配向膜に施す配向処理パターンを除いて、第1の実施形態と同様の構成である。なお、スペーサーの図示は省略する。
【0053】
回折型液晶レンズ11では、配向膜4を液晶分子5のプレチルト角がS1となるように配向処理された帯状領域A21と、液晶分子5のプレチルト角がS2となるように配向処理された帯状領域A22とに配向分割された帯状領域群A2が複数存在している。帯状領域群A2,A2・・・は平行に並び、その幅が配向膜4の中央から側方に向かうにつれて漸次狭くなっている。また、帯状領域A2は、図の左側ではx軸に平行に、右側ではy軸に平行に並んでおり、対向する配向膜4,4の帯状領域群が直交するように透明基板2を張り合わせてある。なお、液晶分子5の平面上の配向方向は対向する配向膜4,4で同一方向とし、以下では、y方向に配向されているものとして説明を行う。なお、上述した場所によりプレチルト角が異なるような配向処理は、第1の実施形態で述べたような光配向法により施すことができる。
【0054】
第2の実施形態に係る回折型液晶レンズ11は以上のように構成されており、第1の実施形態に係る回折型液晶レンズ10と同様に、電圧を印加しない状態では、帯状領域A21とA22とで液晶分子5のプレチルト角が異なって配向する。したがって、液晶分子5の複屈折特性により帯状領域A21とA22とでは屈折率が異なる。この状態でy方向に偏光した入射光Lが図6の左側より液晶層1へ入射すると、帯状領域A21とA22とでは液晶分子5のプレチルト角の違いに起因する屈折率の違いにより入射光Lに位相差が生じ、入射光Lは回折する。さらに、帯状領域群A2,A2・・・はx軸に平行に形成され、その幅は中心から外側に向かうにつれて漸次狭くなっているため、液晶分子5は一方向に集光するシリンドリカルレンズと同様の働きを持つ回折格子を形成することになり、入射光Lはy方向に集光する。
【0055】
さらに、一方の配向膜4は、左側の帯状領域群A2とは直交するように、y軸に平行に帯状領域群A2が形成されており、これにしたがって配向する液晶分子5によりx方向に集光する回折格子が形成されている。したがって、入射光Lは液晶層1を通過すると一点に集光する。すなわち、対向する配向膜4,4に前記のような配向分割を施し、液晶分子5を配向することにより、2枚のシリンドリカルレンズをその集光方向が直交するように並べたのと同様の作用が得られる。
【0056】
一方、電圧を印加した状態では、液晶分子5はすべて電界方向に向き、帯状領域A21とA22とにあった入射光Lに対する屈折率の差が解消されるため、入射光Lに位相差は生じない。すなわち、レンズの作用は消滅し、入射光Lは集光することなく回折型液晶レンズ11を通過する。
【0057】
したがって、液晶層1がシリンドリカルレンズと同様の働きを持つ回折格子を形成する回折型液晶レンズ11においても、液晶層1は、帯状領域A21とA22を通過する光の光路長差が、入射光Lの波長程度となるように構成すればよく、屈折型の液晶レンズにおける液晶層と比較して非常に薄くすることができるため、液晶分子5の印加電圧に対する応答が高速になり、レンズとガラス状態の切り替えを高速で行うことが可能になる。また、液晶層1が薄いため液晶分子5の配向規制力が有効に働き、液晶分子5の配向が乱れないので、光の透過率が高くなる。また、液晶層1の厚さは焦点距離やレンズの口径によらず一定である。
【0058】
さらに、透明基板2や透明電極3が平板状であるため、径が40cm以上あるような大型のレンズを製作することも可能である。回折型液晶レンズを構成する各材料は公知のものでよく、透明電極3の積層方法や後記する配向処理方法も従来の技術で十分対応が可能であるため、容易に前記の回折型液晶レンズ11を製作することができる。
【0059】
なお、第1の実施形態の回折型液晶レンズ10と同様に帯状領域群A2の配向分割をさらに細かくし、回折効率の向上を図ってもよい。
【0061】
また、焦点距離は帯状領域群A2の幅によるため、所望の焦点距離が得られるように適宜調整する。
【0062】
(第3の実施形態)
図7は回折型液晶レンズの第3の実施形態(参考実施形態)を示す断面図である。図7に示すように、回折型液晶レンズ20は、スペーサー6を介して対向している平板状の透明基板2と、透明基板2の内面に積層した透明電極3,3a及び配向膜4,4aと、スペーサー6によって生じた配向膜4,4a間の隙間に封入した液晶分子5とで構成されている。透明電極3aには回折格子の溝12が形成されており、配向膜4aは溝12に沿って積層されている。また、透明電極3,3aに電圧を供給する電源装置7が接続されている。
【0063】
透明基板2、液晶分子5及びスペーサー6は第1の実施形態で説明したものと同様であるので詳細な説明は省略する。
【0064】
透明電極3及び透明電極3aは、液晶層1に電圧を印加し、液晶分子5の配向方向を制御するもので、透明基板2に積層されている。透明電極3は第1の実施形態で説明したものと同様であるので説明は省略する。透明電極3aには後記するような方法により、図8に示すように、輪帯状の溝12が複数形成され、これらが同心円状に並び、かつ溝12の幅が透明電極3aの中心から外側に向かうにしたがって漸次狭くなっており、回折光が1点に集光するフレネルゾーンプレート状の回折格子を形成している。
【0065】
溝12の断面形状は、キノフォーム形状(図3(a))を4段の階段形状(図3c)で近似したものである。透明電極3aは集光する光の波長帯域に対して高い透過率をし、基板間に封入する液晶分子5の異常光屈折率もしくは常光屈折率と等しい屈折率を有する材料で形成する。
【0066】
なお、回折格子の溝を形成する階段の段数はこれに限定されることはなく、また、断面形状もキノフォーム形状やこれを三角形で近似した鋸歯形状としてもよく、レンズの用途や製作性などを加味しながら、所望の回折効率が得られるように適宜選択すればよい。なお、回折格子の溝の断面形状をキノフォーム形状(図3(a))とした場合の1次回折効率の理論値が100%であるのに対し、これを階段形状で近似した場合の1次回折効率の理論限界は、1段階(図3(b))で約41%、4段階(図3(c))で約81%、8段階(図示せず)で約95%である。階段の段数を多くすると回折効率が高くなり、明るい画像が得られるとともに、0次や高次の回折光の影響を抑えることができる。
【0067】
フレネルゾーンプレート状の回折格子では焦点距離は、溝12の間隔によるため、所望の焦点距離が得られるように適宜調節する。
【0068】
配向膜4aはフレネルゾーンプレート状の回折格子を形成した透明電極3aにスピンコートで配向剤を塗布することなどにより成膜する。また、透明電極3aに形成した回折格子の溝12に沿って同心円状に液晶分子5が配向すると、偏光した入射光Lに対して場所により異なる光学特性になってしまうので、ラビング法や光配向法などの配向処理方法により、液晶分子5が一方向に配向するように配向処理を行う。
【0069】
液晶分子5はスペーサー6によって生じた配向膜4,4a間の隙間に封入されており、液晶層1を構成している。また、液晶分子5の組成や配列構造は公知のものでよいが,液晶分子5の異常光屈折率もしくは常光屈折率と透明電極3aの屈折率とが等しくなるような材料を選択する。なお、以下では液晶分子5の異常光屈折率と透明電極3aの屈折率とが等しいものとして説明を行う。
【0070】
第3の実施形態に係る回折型液晶レンズ20は以上のように構成されており、透明電極3,3aに電圧を印加すると、液晶分子5は電界方向に向かって配向する。このときの液晶分子5の入射光Lに対する屈折率は常光屈折率であり、透明電極3aの屈折率とは異なるので、透明電極3aに入射した入射光Lは、透明電極3aに形成した同心円状の溝12,12・・・により位相差を生じ回折する。さらに、溝12,12・・・はフレネルゾーンプレート状に配置されているので、入射光Lは焦点Fに集光する。
【0071】
一方、透明電極3,3aに電圧を印加しない状態では、液晶分子5は前記の配向処理により一様に配向している。このときの液晶分子5の入射光Lに対する屈折率は異常光屈折率であり、透明電極3aの屈折率と等しくなる。したがって、透明電極3aに形成した溝12,12・・・に透明電極3aと屈折率の等しい異常光屈折率状態の液晶分子5が入り込み、溝12では位相差が生じないため、入射光Lは回折せずに、回折型液晶レンズ20を通過する。
【0072】
以上のように、透明電極3aにフレネルゾーンプレート状の回折格子を形成した第3の実施形態における回折型液晶レンズ20においては、液晶層1の厚さは、スペーサー6の厚みに、透明電極3aに形成した回折格子の溝12の深さを足した程度でよい。なお、回折格子の溝12の深さd(図8参照)は、液晶分子5の常光屈折率n0と異常光屈折率neとの差に溝12の深さdを乗じた値が光の波長λ(λ=(ne−no)×d)程度となればよい。液晶層1を薄くできるため、液晶分子5の印加電圧に対する応答が高速になり、レンズとガラス状態とを高速で切り替えることができる。また、液晶層1が薄いため液晶分子5の配向規制力が有効に働き、液晶分子5の配向が乱れないので、光の透過率が高くなる。さらに、回折型液晶レンズ20を構成する各部材は従来用いられているものを使用することができる。
【0073】
なお、前記のように、一方の透明電極3aのみに回折格子を形成すると、基板の張り合わせ作業は容易となるが、焦点距離が短くかつ大口径のレンズ(Fナンバーが小さいレンズ)を製作する場合には、周辺部で回折格子の溝が非常に細かくなりレンズの製作が難しくなる。この場合には、両方の透明電極にフレネルゾーンプレート状の回折格子を形成し、同心円状の溝の中心が一致するように対向させてもよい。このようにすると、Fナンバーを実質約半分にできるので、溝の間隔を粗くすることができ回折格子の製作が容易になる。さらに、両側に配向構造ができるため、液晶層1の厚さをより薄くすることが可能で、液晶分子5の印加電圧に対する応答速度をより高速にすることができる。
【0074】
また、前記では透明電極3aに用いる材料の屈折率と、封入する液晶分子5の異常光屈折率とが等しくなるように材料を選択したが、透明電極3aの屈折率と液晶分子5の常光屈折率とが等しくするように材料を選択しても良い。このように構成すると、液晶層1に電圧を印加しない状態(液晶分子5の異常光屈折率と透明電極3aとの屈折率が異なる状態)で入射光Lは回折し、電圧を印加した状態(液晶分子5の常光屈折率と透明電極3aの屈折率とが等しくなる状態)では、入射光Lは回折せずに回折型液晶レンズ20を通過する。
【0075】
次に、透明電極に階段形状の回折格子の溝を成形する方法を説明する。このような加工は、電子集積回路の製作に用いられるリソグラフィー技術を適用することにより可能になる。透明電極にレジストを塗布し、これに回折格子が刻まれているマスクをあてがい、このマスクを介して露光光をレジストに露光し、そのマスクパターンの潜像を形成する。現像によって露光部(潜像部)のレジストを取り除いた後にエッチングを行い、最後に残留しているレジストを除去すると、透明電極には2段の階段形状が形成される。これらの処理を繰り返すことで所望の段数の階段形状が得られる。このように、前記の回折型液晶レンズ20では、比較的容易に透明電極3aに回折格子を形成することができる。
【0076】
(第4の実施形態)
図9は回折型液晶レンズの第4の実施形態(参考実施形態)を示す斜視図である。図9に示すように、回折型液晶レンズ21は、透明電極の回折格子の形状を除いて、第3の実施形態で説明した回折型液晶レンズ20と同様の構成である。なお、スペーサーの図示は省略する。
【0077】
回折型液晶レンズ21では、透明電極3bに帯状の溝13が複数形成され、これらが平行に隣接して並び、かつその幅が透明電極3bの中央から側方に向かうにしたがって漸次狭くなっており、回折光が一方向に集光するシリンドリカルレンズと同じ作用を持つ回折格子を形成している。同様に透明電極3bと対向する透明電極3cにもシリンドリカルレンズ状の回折格子が形成され、透明電極3bに形成した溝13と透明電極3cに形成した溝14とが直交するように張り合わされている。
【0078】
回折格子を形成する溝13,14の断面形状はキノフォーム形状(図3(a))やキノフォーム形状を近似した階段形状(図3(c))などとする。これらは回折型液晶レンズ21の用途や製作性などを加味しながら所望の回折効率が得られるように適宜選択すればよい。また、溝の幅は所望の焦点距離が得られるように適宜調節する。
【0079】
透明電極3b,3c及び液晶分子5は公知の材料で形成すればよいが、透明電極3b,3cの屈折率と、液晶分子5の常光屈折率もしくは異常光屈折率とが等しくなるような材料を選択する。なお、以下では液晶分子5の常光屈折率と透明電極3b,3cの屈折率とが等しいものとして説明を行う。
【0080】
配向膜4b,4cを透明電極3b,3cに成膜し、配向処理を行うが、配向方向は、透明電極3b,3cに形成した溝13,14と同方向とする。これによりラビング法などの簡単な配向方法で配向処理を行うことができる。なお、電圧を印加しない状態では、図9のように、液晶分子5の長軸が90度回転して配向する(ツイステッドネマティック配向)。
【0081】
第4の実施形態に係る回折型液晶レンズ21は以上のように構成されており、透明電極3b,3cに電圧を印加しない状態では、液晶分子5の入射光Lに対する屈折率は異常光屈折率であり、透明電極3b,3cの屈折率とは異なっている。この状態で、透明電極3b側より、溝13の方向(x方向)に偏光した入射光Lを入射すると、入射光Lは透明電極3bに形成した帯状の溝13,13・・・により位相差を生じ回折する。さらに、溝13がシリンドリカルレンズ状に配置されているので、入射光Lはy方向に集光する。
【0082】
前述したように、液晶分子5はツイステッドネマティック配向となっているため、x方向に偏光した入射光Lは、透明電極3cに達する間に、液晶分子5の旋光性によりy方向に偏光する。したがって、透明電極3cの溝14にはy方向に偏光した入射光Lが入射し、x方向に集光するように透明電極3cに形成したシリンドリカルレンズ状の回折格子により、x方向に集光する。すなわち、透明電極3bと3cに形成した集光方向の異なる2つのシリンドリカルレンズ状の回折格子により焦点Fに集光する。
【0083】
一方、透明電極3b,3cに電圧を印加した状態では、液晶分子5は電界方向に一様に配向する。このときの入射光Lに対する液晶分子5の屈折率は常光屈折率であり、透明電極3b,3cの屈折率と等しくなる。したがって、透明電極3bに形成した溝13,13・・・及び透明電極3cに形成した溝14,14・・・が透明電極3b及び3cと屈折率の等しい常光屈折率状態の液晶分子5により埋められるため、位相差は生じない。すなわち、入射光Lは回折せずに、液晶レンズ21を通過する(ガラス状態)。なお、液晶分子5の異常光屈折率と透明電極3b,3cの屈折率とを等しくした場合には、前記とは反対に、電圧を印加するとレンズとして作用し、電圧を印加しない場合にはレンズの作用は消滅しガラス状態となる。
【0084】
以上のように、透明電極3b,3cにシリンドリカルレンズ状の回折格子を形成した第4の実施形態における回折型液晶レンズ21においても、液晶層1の厚さは、スペーサー6の厚みに、透明電極3b,3cに形成した回折格子の溝13,14の深さを足した程度でよい。なお、回折格子の溝13,14の深さdは、それぞれ液晶分子5の常光屈折率n0と異常光屈折率neとの差に溝の深さdを乗じた値が光の波長λ(λ=(ne−no)×d)程度となればよい。液晶層1を薄くできるため、液晶分子5の印加電圧に対する応答が高速になり、レンズとガラス状態とを高速で切り替えることができる。また、液晶層1が薄いため液晶分子5の配向規制力が有効に働き、液晶分子5の配向が乱れないので、光の透過率が高くなる。
【0085】
さらに、回折型液晶レンズ21を構成する各部材は従来用いられているものを使用することができ、製作方法も従来の技術で対応が可能であるため、容易に液晶レンズを製作することができる。さらに、配向膜4b,4cに施す配向処理は、回折格子の溝に沿ったものであるため、ラビング法などにより容易に行うことが可能で、かつ液晶分子5の良好な配向制御が可能である。
【0086】
(第5の実施の形態)
図10は回折型液晶レンズの第5の実施形態(参考実施形態)を示す断面図である。図10に示すように、回折型液晶レンズ30は第2の実施形態で電極3aに形成したフレネルゾーンプレート状の回折格子と同様な回折格子を透明基板2aに形成したものである(図8参照)。
【0087】
階段形状の溝22を有する透明基板2aに積層する透明電極3dはITO膜などの透明導電性薄膜を蒸着やスパッタ法などにより成膜すればよい。なお、溝22の深さと透明電極3dの厚さによっては、透明電極3dが分断されている状態になる可能性があるが、溝の深さが800nmであるフレネルゾーンプレート状の回折格子が形成してある基板上に、76nmの透明電極3d(ITO膜)をスパッタ法により成膜して、導通テストを行った結果、透明電極3dには分断が無いことを確認している。
【0088】
なお、第3の実施形態で述べたように、焦点距離が短い場合やレンズの口径が大きい場合など、回折格子の溝が細かくなるような場合には、もう一方の透明基板2にもフレネルゾーンプレート状の回折格子を形成し、同心円状の溝の中心が一致するように対向させてもよい。
【0089】
透明基板2aは集光する光の波長帯域に対して高い透過率を有し、屈折率と液晶分子5の異常光屈折率もしくは常光屈折率とが等しくなるような材料を選択する。
【0090】
以上のように、透明基板2aにフレネルゾーンプレート状の回折格子を形成した第5の実施形態における回折型液晶レンズ30においては、液晶層1の厚さは、スペーサー6の厚みに、透明基板2aに形成した回折格子の溝22の深さを足したものとなる。なお、回折格子の溝の深さdは、液晶分子5の常光屈折率noと異常光屈折率neとの差に溝の深さdを乗じた値が光の波長λ(λ=(ne−no)×d)程度となればよい。液晶層1を薄くできるため、液晶分子5の印加電圧に対する応答が高速になり、レンズとガラス状態とを高速で切り替えることができる。また、液晶層1が薄いため液晶分子5の配向規制力が有効に働き、液晶分子5の配向が乱れないので、光の透過率が高くなる。
【0091】
さらに、回折型液晶レンズ30を構成する各部材は従来用いられているものを使用することができ、製作方法も従来の技術で対応が可能であるため、容易に回折型液晶レンズ30を製作することができる。さらに、回折格子を形成する透明基板2aに適用できる材料が多いため、液晶分子5の異常光屈折率もしくは常光屈折率と等しい屈折率をもつ材料を選択しやすい。また、透明基板をプラスチックのような柔らかい材料で形成する場合には、金型を押し付けることによって回折格子の溝を製作することも可能になり、材料加工のコストダウンも可能になる。
【0092】
(第6の実施形態)
図11は回折型液晶レンズの第6の実施形態(参考実施形態)を示す斜視図である。図11に示すように、回折型液晶レンズ31は、第3の実施形態で透明電極3b,3cに形成したシリンドリカルレンズ状の回折格子と同様な回折格子を透明基板2b,2cに形成したものである。なお、スペーサーの図示は省略する。
【0093】
なお、透明基板2bは集光する光の波長帯域に対して高い透過率を有し、屈折率と液晶分子5の常光屈折率もしくは異常光屈折率とが等しくなるような材料を選択する。
【0094】
以上のように、透明基板2b,2cにシリンドリカルレンズ状の回折格子を形成した回折型液晶レンズ31においても、液晶層1の厚さは、スペーサーの厚みに、透明基板2b,2cに形成した回折格子の溝23,24の深さを足したものとなる。なお、回折格子の溝の深さdは、液晶分子5の常光屈折率noと異常光屈折率neとの差に溝の深さdを乗じた値が光の波長λ(λ=(ne−no)×d)程度でよい。液晶層1を薄くできるため、液晶分子5の印加電圧に対する応答が高速になり、レンズとガラス状態を高速で切り替えることができる。また、液晶層1が薄いため液晶分子5の配向規制力が有効に働き、液晶分子5の配向が乱れないので、光の透過率が高くなる。
【0095】
さらに、回折型液晶レンズ31を構成する各部材は従来用いられているものを使用することができ、製作方法も従来の技術で対応が可能であるため、容易に液晶レンズを製作することができる。回折格子を形成する透明基板2b,2cに適用できる材料が多いため、液晶分子5の常光屈折率と等しい屈折率をもつ材料を選択しやすい。また、透明基板をプラスチックのような柔らかい材料で形成する場合には、金型を押し付けることによって回折格子の溝を製作することも可能になり、材料加工のコストダウンも可能になる。
【0096】
(第7の実施形態)
回折型レンズの焦点距離は、回折格子の周期構造に依存するため、液晶に印加する電圧に応じて焦点距離を連続的に変化させることは難しい。このような問題を解決するために、図12に示すように、入射光の偏光方向が変わらない第1,第2,第3及び第5の実施形態で示したような回折型液晶レンズからなる群から選択された回折型液晶レンズの複数個を密着して積層する多焦点回折型液晶レンズ40を構成してもよい。
【0097】
密着して積層した複数個の回折型液晶レンズのそれぞれにおいて、レンズとガラス状態とを切り替えることで焦点距離fを可変にすることができる。図12のように焦点距離がそれぞれf1,f2,・・・,fNである回折型液晶レンズK1,K2,・・・,KNを密着して積層し、それぞれの回折型液晶レンズで、レンズとガラス状態とを切り替えることで、2N通りの焦点距離をもつ多焦点回折型液晶レンズ40を構成することができる。例えば、図12のように、回折型液晶レンズK2,K3及びKNをレンズ(ON)として作用させ、残りの回折型液晶レンズをガラス(OFF)として作用させた場合の多焦点回折型液晶レンズ40の焦点距離fはf=(1/f2+1/f3+1/fN-1となる。
【0098】
第1,第2,第3及び第5の実施形態の回折型液晶レンズは、前記したように、いずれも、レンズとガラス状態とを電気的に高速で切り替えることが可能で、また高い光の透過率と光集光性を有する。したがって、これを積層した多焦点回折型液晶レンズ40においても、焦点距離fの切り替えを高速で行うことが可能で、また光の透過率と光集光性も高い。さらに、機械的な駆動装置が不要になるため、屈折型のレンズで焦点距離を調節するよりも小型化、軽量化を図ることができる。
【0099】
さらに、第1の実施形態に係る回折型液晶レンズの複数個を密着して積層した場合、または第2の実施形態に係る回折型液晶レンズの複数個を密着して積層した場合、もしくは第1及び第2の実施形態に係る回折型液晶レンズの複数個を密着して積層した場合には、大口径かつ焦点距離が可変となる多焦点回折型液晶レンズ40を構成することができる。
【0100】
また、第5の実施形態に係る回折型液晶レンズの複数個を密着して積層した場合、透明基板に回折格子を形成するので、使用する材料の選択の幅が広がり、様々な加工方法により回折格子を形成することが可能になる。したがって、多焦点回折型液晶レンズ40を容易に形成することが可能になる。
【0101】
さらに、同じ焦点距離を有する回折型液晶レンズの複数個を密着して積層してもよい。N枚の回折型液晶レンズを密着して積層した場合には、N通りの焦点距離をもつ多焦点回折型液晶レンズ40となる。例えば、図12において、回折型液晶レンズK1,K2,・・・,KNの焦点距離をすべてf0とすると、焦点距離fはf=(1/f2+1/f3+1/fN-1=(3/f0-1となる。また、同じ焦点距離を有する同じ形態の回折型液晶レンズを使用して多焦点回折型液晶レンズ40を構成すれば、量産化した場合に製作コストを低く押さえることができる。
【0102】
(第8の実施形態)
同じ焦点距離を有する回折型液晶レンズの複数個を離間して積層してもよい。前述したように、同じ焦点距離を有する回折型液晶レンズの複数個を密着して積層した場合の焦点距離の種類はN通りであるが、離間して積層することで、N通り以上の焦点距離を有する多焦点回折型液晶レンズを構成することができる。
【0103】
(第9の実施形態)
第1乃至第6の実施形態のいずれかの回折型液晶レンズと屈折型レンズとを組み合わせてもよい。回折型液晶レンズの色分散特性と屈折型レンズの色分散特性とが逆であるため、色収差を低減できる。したがって、回折型液晶レンズのみの場合と比較して、画質が向上する。なお、多焦点回折型液晶レンズと屈折型レンズとを組み合わせても勿論よい。
【0104】
以上のような回折型液晶レンズ、もしくは回折型液晶レンズの複数個を積層した多焦点回折型液晶レンズは、例えばカメラのズームレンズ、遠近焦点可変の眼鏡、三次元表示ディスプレイなど様々な光学装置へ適用が可能である。
【0105】
【発明の効果】
請求項1および請求項2に係る回折型液晶レンズによれば、液晶層の厚さを屈折型の液晶レンズにおける液晶層と比較して非常に薄くすることが可能である。これにより、液晶分子の印加電圧に対する応答が高速になるため、レンズとガラス状態の切り替えも高速で行うことができる。さらに、液晶層が薄いため液晶分子の配向規制力が有効に働き、液晶分子の配向が乱れないので、光の透過率が高くなる。また、基板や電極が平板状であるため、大口径のレンズの作成も可能である。
【0109】
請求項に係る多焦点回折型液晶レンズは、前記の効果を有する入射光の偏光方向が変わらない請求項1または請求項2に係る回折型液晶レンズの複数個を密着して積層することで、焦点距離を変えられる多焦点回折型液晶レンズを構成することができる。例えばN枚の回折型液晶レンズを密着して積層すれば、各回折型液晶レンズにおいて、レンズとガラス状態を切り替えることにより2通りの焦点距離を高速で調節することが可能になる。また、機械的な駆動装置が不要となるため、この多焦点回折型液晶レンズを組み込んだ光学機器においては、小型化や軽量化を図ることが可能になる。
【0110】
また、請求項に係る多焦点回折型液晶レンズは、請求項1及び請求項2に係る回折型液晶レンズを使用するので、前記した多焦点回折型液晶レンズの効果に加えて、レンズの口径が大きい多焦点回折型液晶レンズを構成することが可能になる。
【0112】
また、請求項に係る多焦点回折型液晶レンズを、同じ焦点距離を有する同じ形態の回折型液晶レンズで構成すれば、量産化した場合に製作コストを押さえることができる。
【0113】
また、焦点距離が同じ回折型液晶レンズを密着して積層した場合には、N通りの焦点距離を有する多焦点回折型液晶レンズとなるが、請求項のように、各レンズを離間して積層することで、N通り以上の焦点距離を有する多焦点回折型液晶レンズを構成することができる。
【0114】
請求項に係る回折型液晶レンズは、回折型液晶レンズの色分散特性と屈折型レンズの色分散特性とが逆であるため、回折型液晶レンズのみの場合と比較して、色収差を低減できるため、画質の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る回折型液晶レンズの第1の実施形態を示す断面図である。
【図2】配向膜の配向状態を示す説明図である。
【図3】回折格子の溝の断面図である。
【図4】場所により異なった配向とするための配向処理方法の説明図である。
【図5】場所により異なった配向とするためのその他の配向処理方法の説明図である。
【図6】本発明に係る回折型液晶レンズの第2の実施形態を示す断面図である。
【図7】折型液晶レンズの第3の実施形態(参考実施形態)を示す斜視図である。
【図8】折型液晶レンズの第4の実施形態(参考実施形態)を示す断面図である。
【図9】折型液晶レンズの第3及び第5の実施形態(参考実施形態)を示す説明図である。
【図10】折型液晶レンズの第5の実施形態(参考実施形態)を示す断面図である。
【図11】折型液晶レンズの第6の実施形態(参考実施形態)を示す斜視図である。
【図12】本発明に係る多焦点回折型液晶レンズの実施形態を示す概念図である。
【符号の説明】
1 液晶層
2 透明基板
3 透明電極
4 配向膜
5 液晶分子
6 スペーサー
10 回折型液晶レンズ
12 溝
A1 輪帯状領域群
A11,A12 輪帯状領域

Claims (5)

  1. スペーサーを介して対向させて配置した基板の内面に電極と配向膜とを積層し、前記配向膜の間に液晶分子を封入してなる回折型液晶レンズであって、
    前記配向膜の少なくとも一方は同心円で並ぶ複数の輪帯状領域からなる輪帯領域群を複数有し、
    複数の前記輪帯状領域群は同心円で並び、
    前記輪帯状領域群の幅が前記配向膜の中心から外側に向かうにしたがって漸減し、
    前記各輪帯状領域群は、前記輪帯状領域ごとに液晶分子のプレチルト角が異なるように配向処理されていることを特徴とする回折型液晶レンズ。
  2. スペーサーを介して対向させて配置した基板の内面に電極と配向膜とを積層し、前記配向膜の間に液晶分子を封入してなる回折型液晶レンズであって、
    前記配向膜は、平行に並ぶ複数の帯状領域からなる帯状領域群を複数有し、
    複数の前記帯状領域群が平行に並び、
    前記帯状領域群の幅が前記配向膜の中央から側方に向かうにしたがって漸減し、
    前記各帯状領域群は、前記帯状領域ごとに液晶分子のプレチルト角が異なるように配向処理されており、
    前記配向膜の前記帯状領域が直交するように前記基板を対向させることを特徴とする回折型液晶レンズ。
  3. 請求項1及び請求項2記載の少なくとも一方の回折型液晶レンズの複数個を密着して積層したことを特徴とする多焦点回折型液晶レンズ。
  4. 同じ焦点距離を有する請求項1及び請求項2記載の少なくとも一方の回折型液晶レンズの複数個を離間して積層したことを特徴とする多焦点回折型液晶レンズ。
  5. 請求項1または請求項2に記載の回折型液晶レンズと屈折型レンズとを組み合わせたことを特徴とする回折型液晶レンズ。
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