JP4382718B2 - 半田ボールを有するパッケージの検査方法、検査システム、および制御装置 - Google Patents
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また他の目的は、ストレス印加装置と専用のプローブによってストレスが掛かった状態を再現することにより、検出能力を向上させることにある。
また、このプローブは複数用意され、基板の複数の端子に個々のプローブの先端部を当接させることを特徴とすることができる。
また、この第1の特性および第2の特性は、電流が端子に流された際に測定される電流・電圧特性であることを特徴とすることができる。
ここで、この制御装置は、比較した結果に基づき半田ボールのクラックの有無を判断する手段を更に含む。
更に、この機械的強度情報生成部は、比較部により、第1の電流・電圧特性と第2の電流・電圧特性とが異なるとの比較結果が出力された際に、半田クラックの発生に関する情報を生成することを特徴とすることができる。
図1は、本実施の形態が適用される検査システムの構成を示した図である。図1に示す検査システムは、半田ボールを用いたBGAパッケージやCSPなどのパッケージが実装された測定基板100に対して、ストレスが掛かった状態を再現し、実際のプリント配線板にLSIなどが実装された状態でパッケージに半田クラックが発生していることを検出可能としている。この検査システムは、制御装置10と、測定装置20と、チャンネル切り替え装置30と、ストレス印加装置40と、複数のプローブからなるコンタクトプローブ50とを備えている。
測定装置20は、コンタクトプローブ50の中の特定のプローブに電流を流し、測定基板100のピンに対して微少電流を供給するための電流源21と、電圧を計測する電圧計測器22とを備えている。これによって、制御装置10にて把握される電流・電圧特性のためのデータを出力している。電流源21からの電力供給は、制御装置10からの制御信号I(Control signal I)によって制御される。また、電圧計測器22による計測値は、制御装置10に供給される。そして、測定装置20の電流源21のGND(アース)は、測定基板100のGND端子に接続されている。この接続は、コンタクトプローブ50を用いる場合の他、例えばクリップ状の端子等を用いて測定基板100のGND端子に直接、接続するように構成してもよい。
チャンネル切り替え装置30は、制御装置10からの制御信号CH(Control signal CH)によって動作し、測定を行なうチャンネルの切り替えを実行しており、複数のプローブであるコンタクトプローブ50の中から特定のプローブを選択している。
コンタクトプローブ50は、複数のプローブによって構成されている。そして個々のプローブは、先端部にプローブピン51を備え、このプローブピン51に対して、弾性として例えばバネ性を付与するためのプローブピンホルダ52を備えている。そして、このプローブピン51は、プリント配線板102の裏側(図1の下側)から、測定基板100の個々の半田ボール111を観察できるように配設されている。このプリント配線板102の裏側には、配線パターンなどの端子(パッド)102aが形成されており、この端子(パッド)102aは、個々に半田ボール111に接続されている。コンタクトプローブ50の各プローブの先端部であるプローブピン51を端子(パッド)102aに当接させることで、コンタクトプローブ50のプローブピン51と半田ボール111との導通を取ることができる。そして、このコンタクトプローブ50の各プローブピン51は、前述のように、プローブピンホルダ52によって個々にバネ性を有している。これによって、ストレス印加装置40によるストレスが印加され測定基板100が変形(湾曲)した場合であっても、各プローブの先端部は端子(パッド)102aへの当接を維持することができる。即ち、測定基板100が湾曲して歪んだ場合であっても、バネ性を備えたコンタクトプローブ50によって、BGA/CSPの半田ボール111が実装された測定基板100に対応する各端子(パッド)102aからの電気特性を把握することが可能となる。
図5は、検査処理の全体的な流れを示すフローチャートである。制御装置10のストレス印加装置制御部12は、制御信号P(Control signal P)としてリリース(Release)信号をストレス印加装置40に送信し、測定基板100に対するストレスを解放状態にする(ステップ101)。その後、制御装置10では、後述する処理によってイニシャル時の電圧を測定してメモリに格納する(ステップ102)。その後、後述する処理によってストレス印加装置40を制御し、測定基板100にストレスを加える(ステップ103)。また、ストレスを加えた後の電圧を後述する処理によって測定する(ステップ104)。ここで、制御装置10では、格納されているイニシャル時の特性に関する値(初期値、イニシャル値)と、ストレス印加後の特性値との比較がなされる(ステップ105)。この比較の結果、特性が異なるか否かが判断され(ステップ106)、特性が異ならない場合には、ステップ103へ戻って更にストレスが加えられる。特性が異なる場合には、クラック発生情報が出力されて(ステップ107)、処置が終了する。
Step_range = ((+max_current)−(-max_current)) / (Step_count−1)
で求められる。図6(b)に示す例では、ステップ値(Step_range)は1mAである。
図8(a)〜(c)は、このストレス印加処理を説明するための図である。図8(a)はストレス印加装置制御部12にて実行されるストレス印加処理の流れを示している。また、図8(b)はストレス印加装置40によるプレス状態を示し、図8(c)はストレス印加装置40によるリリース状態の例を示している。図8(a)のフローチャートに示すように、ストレス印加装置制御部12では、まず制御信号P(Control signal P)をプレスにする(ステップ401)。この制御信号Pを受けたストレス印加装置40は、図8(b)に示すように動作し、測定基板100のプリント配線板(BGA受け基板)102を押圧する。これによって、プリント配線板(BGA受け基板)102は曲げ変形する。その後、ストレス印加装置制御部12は、制御信号P(Control signal P)をリリースにする(ステップ402)。この制御信号Pを受けたストレス印加装置40は、図8(c)に示すように動作し、測定基板100のプリント配線板(BGA受け基板)102からの圧力を解除する。これによって、プリント配線板(BGA受け基板)102の曲げ変形は元に戻る。ストレス印加装置制御部12では、これらの操作が、予め定められたXサイクルだけ実行されたかどうかが判断される(ステップ403)。Xサイクルを実行した場合には、ストレス印加処理は終了する。Xサイクルを実行していない場合には、ステップ401へ戻って処理が繰り返される。
ここで、コンタクトプローブ50の先端であるプローブピン51は、バネ性によってプローブピンホルダ52に支えられている。そのために、プリント配線板(BGA受け基板)102に曲げが加わった場合でも、図9(a)〜(c)に示すようにコンタクトプローブ50の先端(プローブピン51)がプリント配線板(BGA受け基板)102に当接した状態が維持される。これによって、プリント配線板(BGA受け基板)102が変形した場合であっても、半田ボール111を介したLSIの電流・電圧特性(I−V特性)を把握することが可能となる。
また、測定基板100に力が加わった状態で断線検出を行わないと、クラックの発生があっても電気的にコンタクトしてしまう為に、クラックの存在を見つけることができない。本実施の形態では、測定基板100のコンタクト部にバネ性を持ったピンを有するコンタクトプローブ50を用いることで、測定基板100を曲げた状態でも何ら支障がなく測定ができることから、クラックによる断線状態を正しく検出することが可能となる。
Claims (13)
- 半田ボールを有するパッケージの検査方法であって、
前記パッケージがプリント配線基板に実装された状態にて、前記半田ボールに接続される前記プリント配線基板の端子にプローブを当接させ、
前記プリント配線基板にストレスが加えられていない第1の状態にて前記プローブを用いて前記端子に複数の異なる値の電流を流して第1の電流・電圧特性を測定し、
前記プリント配線基板に所定のストレスが加えられた後の第2の状態にて前記プローブを用いて前記端子に複数の異なる値の電流を流して第2の電流・電圧特性を測定し、
前記第1の電流・電圧特性と前記第2の電流・電圧特性とを比較して前記半田ボールの半田クラックの有無を検知する、パッケージの検査方法。 - 前記第1の電流・電圧特性および前記第2の電流・電圧特性の測定において、前記複数の異なる値の電流は、所定のステップ値ずつ変化する請求項1記載のパーケージの検査方法。
- 前記プローブは複数用意され、前記プリント配線基板の複数の端子に個々のプローブの先端部を当接させる、請求項1記載のパッケージの検査方法。
- 前記個々のプローブは、チャンネルの切り替えによって当該個々のプローブの何れかから当接する端子に電流を流し、切り替えられる前記チャンネル毎に前記第1の電流・電圧特性および前記第2の電流・電圧特性を測定して半田ボールのクラックの有無を検知する、請求項3記載のパッケージの検査方法。
- 前記第2の電流・電圧特性において測定された電圧がクランプされた所定値に達したときに前記半田ボールにクラックが発生したと判断する請求項1記載のパッケージの検査方法。
- 半田ボールを有するパッケージを検査する検査システムであって、
前記パッケージを実装することができるプリント配線基板と、
前記パッケージが前記プリント配線基板に実装された状態にて前記半田ボールに接続された前記プリント配線基板の端子に当接するプローブと、
前記プリント配線基板にストレスを印加するストレス印加装置と
前記ストレス印加装置により前記プリント配線基板にストレスを印加する前に前記プローブを用いて前記端子に複数の異なる値の電流を流して第1の電流・電圧特性を測定し、前記ストレス印加装置により前記プリント配線基板にストレスが印加された後に前記プローブを用いて前記端子に複数の異なる値の電流を流して第2の電流・電圧特性を測定する測定装置と、
前記第1の電流・電圧特性と前記第2の電流・電圧特性とを比較して前記半田ボールの半田クラックの有無を検知する制御装置と
を含む検査システム。 - 前記第1の電流・電圧特性および前記第2の電流・電圧特性の測定において、前記複数の異なる値の電流は、所定のステップ値ずつ変化する請求項6記載の検査システム。
- 前記制御装置は、前記第2の電流・電圧特性において測定された電圧がクランプされた所定値に達したときに前記半田ボールにクラックが発生したと判断する請求項6記載の検査システム。
- 前記プローブを複数備え、複数のプローブから特定のプローブを選択するチャンネル切り替え回路を更に備える請求項6記載の検査システム。
- 半田ボールを有するパッケージを検査する制御装置であって、
前記パッケージがプリント配線基板に実装された状態にて前記半田ボールに接続された前記プリント配線基板の端子に当接されるプローブから前記プリント配線基板の端子に供給する電流を制御する供給電流制御部と、
前記プローブから供給された複数の異なる値の電流により前記プリント配線基板の端子において測定された電圧を受け取り、電流・電圧特性を示すデータを出力する電圧計測制御部と、
前記プリント配線基板に印加するストレスを制御するストレス印加装置制御部と、
前記プリント配線基板にストレスを印加する前に前記電圧計測制御部により出力された第1の電流・電圧特性を示すデータと、前記プリント配線基板にストレスを印加した後に前記電圧計測制御部により出力された第2の電流・電圧特性を示すデータとを比較する比較部と、
前記比較部による比較結果から前記半田ボールの機械的強度情報を生成する機械的強度情報生成部と
を含む制御装置。 - 前記第1の電流・電圧特性および前記第2の電流・電圧特性において、前記複数の異なる値の電流は、所定のステップ値ずつ変化している請求項10記載の制御装置。
- 前記比較部は、前記第2の電流・電圧特性における電圧がクランプされた所定値に達したときに前記半田ボールにクラックが発生したと判断する請求項10記載の制御装置。
- 前記基板の複数の端子の個々に当接される複数のプローブから特定のプローブを選択するチャンネル切り替え部をさらに含み、
前記比較部は、前記チャンネル切り替え部により切り替えられたチャンネル毎に、前記第1の電流・電圧特性を示すデータと前記第2の電流・電圧特性を示すデータとを比較することを特徴とする請求項10記載の制御装置。
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