JP4382474B2 - 蛍光ラベル化合物の親水性を増加させる方法 - Google Patents
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Description
蛍光色素の種類の1つである、ジピロメテンボロンジフルオリド色素は、多くの望ましい特性:高い量子効率、鋭い吸収および発光バンド、ならびに高い吸収係数を有する。これらの色素は、最初にトレイブス(Treibs)およびクロイザー(Kreuzer)によってLiebigs Ann. Chem. 718 (1968) 208 に、そしてウォリエス エイチ ジェイ(Wories H.J.)らによってRecl. Trav. Chim. Pays-Bas 104 (1985) 288 に記載された。それ以来、ジピロメテンボロンジフルオリド色素は種々の適用が見出されている。今日では、広範囲の種々のジピロメテンジフルオリド色素が市販されている(Haugland R.P., Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals, 6th ed, Molecular Probes, Eugene, OR, 1996)。これらの色素の種々の誘導体の合成および蛍光特性は、複数の刊行物や特許に記載されている。米国特許第4,774,339号明細書には、ジピロメテンボロンジフルオリド色素の蛍光ラベルとしての使用が記載されている。米国特許第4,774,339号明細書によれば、ジピロメテンボロンジフルオリド色素の蛍光特性は、溶媒またはpHに影響を受けにくい。これらの色素はまた、狭い吸収および発光バンド幅、高い量子収率および高い光安定性を有する。
蛍光は、バイオ分析学の分野において種々の適用が見出されている。検出方法として蛍光を用いたイムノアッセイ、DNA−ハイブリダイゼーションアッセイおよび受容体結合アッセイなどの適用は、この30年のあいだに導入されてきた。これらのアッセイは、試料中の検体量の測定において特異的なバイオアフィニティー反応を利用している。検体の量は、結合した検体の量に依存する蛍光シグナルのモニタリングによって測定される。これらのアッセイは、特異的結合反応の際の蛍光特性の変化のモニタリングに基づいてもいる。この蛍光特性の変化は、蛍光強度の変化、発光波長の変化、減衰時間の変化、または蛍光偏光の変化のいずれかであり得る。
化学において、用語リンカーは、通常2つの分子を互いに連結する部分に対して用いられる。用語スペーサーはそれに対して、連結部分が2つの標的分子の間に形成する空間を指摘するためにリンカー部分に対して用いられる。頻繁に使用されるリンカーおよびスペーサー試薬は、標的分子と特異的に反応することができる2つの異なる官能基を含有する。これらの二官能性リンカーおよびスペーサーは、ホモ二官能性(両方の官能基が互いに同じである)、またはヘテロ二官能性(官能基が異なる)のいずれかであり得る。頻繁に使用されるリンカーは、アミノ酸、オリゴペプチドおよびジアミノアルカンを含む。広範囲の種々のリンカーおよびスペーサーは市販されている(たとえば、ピアス ケミカル カンパニー(Pierce Chemical Company)、ロックフォード、イリノイ州、米国)。
で表わされる蛍光ラベル化合物に関する。どちらの発蛍光団も、ジピロメテンボロンジフルオリド色素であり、Yは水溶性部分、またはYは−CH2CH2SO3 -X+(式中、X+はカチオンである)である。
で表わされる構造を有する親水性グルタミン酸リンカー化合物と反応させることにより、該蛍光化合物の親水性を増加させる方法に関する。
で表わされる構造を有する高度に親水性のリンカー化合物を提供する。その水溶性部分としては、たとえばカルボヒドレート、スルホン酸のアンモニウムもしくはアルカリ金属塩、または第四級アンモニウム塩があげられる。これらの親水性リンカー化合物は、蛍光化合物の親水性を増加するのに理想的に適している。リンカー化合物は、アミノ反応性発蛍光団に結合させることができる。たとえば、発蛍光団のスクシンイミジルエステル誘導体に結合させ、以下の構造式(IVaおよびIVb):
で表わされる化合物を得ることができる。リンカー化合物中のカルボン酸基を、さらに修飾し、蛍光ラベル化合物を他の分子に共有結合させるために使用可能な反応基Zを得ることができる。これらの反応性誘導体は、以下の構造式(VaおよびVb):
で表わされる構造を有する。反応基Zは、好ましくはカルボン酸、カルボン酸反応性エステルまたはカルボン酸無水物である。あるいは、反応基Zは、−CONH−L−A(式中、Lは連結部分であり、好ましくはC1〜C20の直鎖もしくは分岐鎖アルキレン、アリールエン、アルカリルエン、アラルキルエン基またはこれらの混合物であり、ヘテロ原子、置換へテロ原子もしくは側鎖含有へテロ原子、または環状残基を含有してもよく、またポリマーの残基を含むかまたはポリマーの残基からなってもよく、好ましくはポリマー残基がポリペプチド、多糖、ポリヌクレオチド、ポリエーテルなどであり、式中、Aは、蛍光ラベルが他の分子へ共有結合するために用いられ得る反応基であり、好ましくは、カルボン酸、カルボン酸反応性エステル、カルボン酸無水物、マレイミド、ハロゲン化スルホニル、ヒドラジン、アミン、ヒドロキシ、アシルアジド、イソシアネート、アルデヒド、ハロアセトアミド、トリアジンまたはイソチオシアネートである)である。反応基Zはまた、−COO−L−A(式中、Lは連結部分であり、好ましくはC1〜C20の直鎖もしくは分岐鎖アルキレン、アリールエン、アルカリルエン、アラルキルエン基またはこれらの混合物であり、ヘテロ原子、置換へテロ原子もしくは側鎖含有へテロ原子、または環状残基を含有してもよく、またポリマーの残基を含むかまたはポリマーの残基からなってもよく、好ましくはポリマー残基がポリペプチド、多糖、ポリヌクレオチド、ポリエーテルなどであり、式中、Aは、蛍光ラベルが他の分子へ共有結合するために用いられ得る反応基であり、好ましくは、カルボン酸、カルボン酸反応性エステル、カルボン酸無水物、マレイミド、ハロゲン化スルホニル、ヒドラジン、アミン、ヒドロキシ、アシルアジド、イソシアネート、アルデヒド、ハロアセトアミド、トリアジンまたはイソチオシアネートである)でもあり得る。
で表わされる構造を有する。
で表わされる化合物を得ることができる。
で表わされる構造を有する。反応基Zは、好ましくはカルボン酸反応性エステルまたは無水物である。最も好ましい誘導体は、反応基Zがスクシンイミジルエステルである誘導体であり、以下の構造式(IXaおよびIXb)を有する。
グルタミン酸誘導体、BOC−Glu(OtBu)−OSu(ノボ バイオケム(NovaBiochem)、500mg、1.25 mmol)を、無水N,N−ジメチルホルムアミド(5ml)に溶解した。タウリン(782mg、6.25 mmol)を、トリエチルアミン(1.20ml、8.75 mmol)と水(10ml)との溶液に溶解した。そのタウリン溶液を、BOC−Glu(OtBu)−OSuの溶液に添加し、反応混合物を室温で30分間攪拌した。エタノールを添加し、沈殿したタウリンをろ過し、ろ液を乾固するまで蒸発させた。残渣をトリフルオロ酢酸(2ml)に溶解し、室温で2時間攪拌した。反応混合物を乾固するまで蒸発させ、残渣をジクロロエタン:メタノールに溶解した。生成物を、ロータリーエバポレーターにおいてメタノールをゆっくりと蒸発させることにより、白色固体として沈殿させた。目的のGlu−Tauリンカー、化合物1を、64%の収率(204mg)で得た。
MS(ZABSpec−oaTOF、ファイソンズ インスツルメント(Fisons Instruments)、グリセロールマトリクス):計算値 255(M+1)、実測値 255(M+1)。
4,4−ジフルオロ−5−(2−チエニル)−1,3−ジメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−2−プロピオン酸スクシンイミジルエステル(化合物2)(35mg、0.074 mmol)およびGlu−Tau−リンカー(化合物1)(19mg、0.074 mmol)を無水N,N−ジメチルホルムアミド(1ml)に溶解した。無水トリエチルアミン(31μl、0.22 mmol)を添加し、反応混合物を室温で30分攪拌した。反応混合物を減圧下で乾固するまで蒸発させた。粗生成物、化合物3はさらに精製することなく使用した。
MS(Voyager DE−PRO、MALDI TOF、パーセプティブ バイオシステムズ(PerSeptive Biosystems)、α−シアノ−4−桂皮酸マトリクス、ネガティブモード):計算値 609(M−1)、実測値 609(M−1)。
4,4−ジフルオロ−5−(2−チエニル)−1,3−ジメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−2−プロピオン酸のGlu−Tau−誘導体(化合物3)(0.074 mmol)を無水N,N−ジメチルホルムアミド(2ml)に溶解した。N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド(46mg、0.22 mmol)およびN−ヒドロキシスクシンイミド(26mg、0.22 mmol)を添加し、混合物を室温で48時間攪拌した。沈殿したN,N′−ジシクロヘキシルウレアをろ過し、ろ液を乾固するまで蒸発させた。生成物、化合物4をさらに真空デシケーター中で乾燥させ、さらに精製することなく使用した。
MS(Voyager DE−PRO、MALDI TOF、パーセプティブ バイオシステムズ、α−シアノ−4−桂皮酸マトリクス、ネガティブモード):計算値 706(M−1)、実測値 706(M−1)。
4,4−ジフルオロ−5−(2−ピロリル)−1,3−ジメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−2−プロピオン酸のGlu−Tau−スクシンイミド誘導体、化合物6は、実施例2および3に記載されているのと同じ方法で、4,4−ジフルオロ−(2−ピロリル)−1,3−ジメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−2−プロピオン酸スクシンイミジルエステル、化合物5を出発物質として使用して製造した。
MS(化合物6)(Voyager DE−PRO、MALDI TOF、パーセプティブ バイオシステムズ、α−シアノ−4−桂皮酸マトリクス、ネガティブモード):計算値 689(M−1)、実測値 689(M−1)。
4,4−ジフルオロ−5−フェニル−1,3−ジメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−2−プロピオン酸のGlu−Tau−スクシンイミド誘導体、化合物7は、実施例2および3に記載されているのと同じ方法で、4,4−ジフルオロ−5−フェニル−1,3−ジメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−2−プロピオン酸スクシンイミジルエステルを出発物質として使用して製造した。
MS(Voyager DE−PRO、MALDI TOF、パーセプティブ バイオシステムズ、α−シアノ−4−桂皮酸マトリクス、ネガティブモード):計算値 700(M−1)、実測値 700(M−1)。
4,4−ジフルオロ−5−(4−メトキシフェニル)−1,3−ジメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−2−プロピオン酸のGlu−Tau−スクシンイミド誘導体、化合物8は、実施例2および3に記載されているのと同じ方法で、4,4−ジフルオロ−5(4−メトキシフェニル)−1,3−ジメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−2−プロピオン酸スクシンイミジルエステルを出発物質として使用して製造した。
MS(Voyager DE−PRO、MALDI TOF、パーセプティブ バイオシステムズ、α−シアノ−4−桂皮酸マトリクス、ネガティブモード):計算値 730(M−1)、実測値 730(M−1)。
4,4−ジフルオロ−5−スチリル−1,3−ジメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−2−プロピオン酸のGlu−Tau−スクシンイミド誘導体、化合物9は、実施例2および3に記載されているのと同じ方法で、4,4−ジフルオロ−5−スチリル−1,3−ジメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−2−プロピオン酸スクシンイミジルエステルを出発物質として使用して製造した。
MS(Voyager DE−PRO、MALDI TOF、パーセプティブ バイオシステムズ、α−シアノ−4−桂皮酸マトリクス、ネガティブモード):計算値 726(M−1)、実測値 726(M−1)。
4,4−ジフルオロ−5−(4−メトキシスチリル)−1,3−ジメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−2−プロピオン酸のGlu−Tau−スクシンイミド誘導体、化合物10は、実施例2および3に記載されているのと同じ方法で、4,4−ジフルオロ−5−(4−メトキシスチリル)−1,3−ジメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−2−プロピオン酸スクシンイミジルエステルを出発物質として使用して製造した。
MS(Voyager DE−PRO、MALDI TOF、パーセプティブ バイオシステムズ、α−シアノ−4−桂皮酸マトリクス、ネガティブモード):計算値 756(M−1)、実測値 756(M−1)。
4,4−ジフルオロ−5−(2−チエニル)−1,3−ジメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−2−プロピオン酸のGlu−Tauスクシンイミド誘導体(化合物4)(0.062 mmol)を無水N,N−ジメチルホルムアミド(3ml)に溶解した。トリエチルアミン(26μl、0.185 mmol)およびエチレンジアミン(42μl、0.62 mmol)を添加し、混合物を室温で30分間攪拌した。反応混合物を乾固するまで蒸発させ、生成物をジクロロメタン−四塩化炭素から沈殿させた。生成物、化合物11をさらに真空デシケーター中で乾燥させ、さらに精製することなく使用した。
MS(Voyager DE−PRO、MALDI TOF、パーセプティブ バイオシステムズ、α−シアノ−4−桂皮酸マトリクス、ネガティブモード):計算値 651(M−1)、実測値 651(M−1)。
4,4−ジフルオロ−5−(2−チエニル)−1,3−ジメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−2−プロピオン酸のGlu−Tauスクシンイミド誘導体(化合物4)(0.074 mmol)を無水N,N−ジメチルホルムアミド(3ml)に溶解した。トリエチルアミン(31μl、0.22 mmol)および4−(2−アミノエチル)アニリン(15mg、0.11 mmol)を添加し、混合物を室温で3時間攪拌した。反応混合物を乾固するまで蒸発させ、生成物をジクロロメタン/四塩化炭素から沈殿させた。生成物、化合物12をさらに真空デシケーター中で乾燥させ、さらに精製することなく使用した。
MS(Voyager DE−PRO、MALDI TOF、パーセプティブ バイオシステムズ、α−シアノ−4−桂皮酸マトリクス、ネガティブモード):計算値 727(M−1)、実測値 727(M−1)。
4,4−ジフルオロ−5−(2−チエニル)−1,3−ジメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−2−プロピオン酸のGlu−Tau−アリールアミノ誘導体(化合物12)(0.048 mmol)を、アセトン(9ml)およびNaHCO3(9ml、飽和水溶液)の混合液中に溶解した。チオホスゲン(183μl、2.4 mmol)を添加し、混合物を室温で1.5時間攪拌した。反応混合物を水(50ml)およびジクロロメタン(50ml)で希釈した。水層を2回ジクロロメタン(40ml)で洗浄した。生成物を含有する水層をフェノール(2×20ml)で抽出した。生成物を含有するフェノール層を水(40ml)で洗浄し、ジエチルエーテル(200ml)で希釈した。フェノール/ジエチルエーテル層を水(4×30ml)で抽出し、あわせた水層をジエチルエーテル(30ml)で2回洗浄した。生成物を含有する水層を乾固するまで蒸発させ、そして生成物をジクロロメタン−四塩化炭素から沈殿させた。生成物、化合物13を真空デシケーター中でさらに乾燥させ、保管した。
MS(Voyager DE−PRO、MALDI TOF、パーセプティブ バイオシステムズ、α−シアノ−4−桂皮酸マトリクス、ネガティブモード):計算値 769(M−1)、実測値 769(M−1)。
4,4−ジフルオロ−5−(2−チエニル)−1,3−ジメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−2−プロピオン酸のGlu−Tau−アミノ誘導体(化合物11)(0.015 mmol)を、無水N,N−ジメチルホルムアミド(3ml)に溶解した。トリエチルアミン(2.1μl、0.015 mmol)およびN−スクシンイミジル 4−マレイミドブチレート(3.2mg、0.020 mmol)を添加し、混合物を室温で2時間攪拌した。反応混合物を乾固するまで蒸発させ、生成物をジクロロメタン/四塩化炭素から沈殿させた。生成物、化合物14をさらに真空デシケーター中で乾燥させ、保管した。
MS(Voyager DE−PRO、MALDI TOF、パーセプティブ バイオシステムズ、α−シアノ−4−桂皮酸マトリクス、ネガティブモード):計算値 816(M−1)、実測値 816(M−1)。
5−カルボキシローダミン6G スクシンイミジルエステル、化合物15(モレキュラー プローブズ、ユージーン、オレゴン)(2mg、3.6 μmol)およびGlu−Tau−リンカー、化合物1(2mg、7.2 μmol)を、無水N,N−ジメチルホルムアミド(100μl)に溶解した。無水トリエチルアミン(3μl、22 μmol)を添加し、反応混合物を室温で18時間攪拌した。反応混合物を減圧下で乾固するまで蒸発させた。生成物を水に溶解し、逆相カラムクロマトグラフィー(Isolute RP−18e)を用いて精製した。過剰のリンカー(化合物1)と痕跡量のN,N−ジメチルホルムアミドおよびトリエチルアミンを最初に水で溶出した。溶離液をアセトニトリル:水(1:10)に変更し、5−カルボキシローダミン6GのGlu−Tau−誘導体、化合物16をカラムから溶出した。ほんの一部の加水分解された出発原料がアセトニトリル:水(1:1)でカラムから溶出された。生成物(化合物16)を含む画分を集め、減圧下で乾固するまで蒸発させ、さらにシリカゲルを入れた(over)真空デシケーター中で乾燥させた。
MS(Voyager DE−PRO、MALDI TOF、パーセプティブ バイオシステムズ、α−シアノ−4−桂皮酸マトリクス、ポジティブモード):計算値 696(M+1)、実測値 696(M+1)。
5−カルボキシローダミン6GのGlu−Tau−誘導体(化合物16、1.4 μmol)をアセトニトリル:水(1:1)に溶解した。EDCおよびN−ヒドロキシスクシンイミドを添加した。混合物を室温で3時間攪拌した。5−カルボキシローダミン6GのGlu−Tau−スクシンイミド誘導体の形成ののち、溶離液としてアセトニトリル:水(1:1)を用いて逆相薄層クロマトグラフィー(メルク RP−18)を続いて行なった。Rf(化合物16)=0.64、Rf(化合物17)=0.50。反応混合物を直接マウスIgG抗−AFPの標識化に使用した(実施例15)。反応混合物の1部を、逆相カラムクロマトグラフィー(Isolute RP−18e)により、溶離液としてアセトニトリル:水(1:1)を用いて速やかに精製した。5−カルボキシローダミン6GのGlu−Tau−スクシンイミド誘導体、化合物17を含有する画分を直ちに質量分析計で分析した。
MS(Voyager DE−PRO、MALDI TOF、パーセプティブ バイオシステムズ、α−シアノ−4−桂皮酸マトリクス、ポジティブモード):計算値 793(M+1)、実測値 793(M+1)。
0.28mg(1.75 nmol)のマウスIgG抗−AFPを200μlのリン酸緩衝生理食塩水(10/150 mM、pH 7.4)に溶解した溶液に、無水N,N−ジメチルホルムアミドに溶解した10倍過剰量(17.5 nmol)の5−カルボキシローダミン6Gスクシンイミジルエステル(化合物15、モレキュラー プローブズ、ユージーン、オレゴン)、またはアセトニトリル水に溶解した20倍過剰量の5−カルボキシローダミン6GのGlu−Tau−スクシンイミド誘導体(実施例14の反応混合物、化合物17)を添加した。40μlのNaHCO3(1 M、水溶液)を添加し、混合物を室温で2時間インキュベートした。生成物を、NAP−5ゲルろ過カラム(アマシャム ファルマシア バイオテック(Amersham Pharmacia Biotech)、ウプサラ、スウェーデン)により、リン酸緩衝生理食塩水(50/150、10 mM NaN3、pH 7.4)を溶離液として用いて精製した。最初に移動する着色している画分を収集した。
1.5mg(9.3 nmol)のマウスIgG抗−AFPを400μlのリン酸緩衝生理食塩水(10/150 mM、pH 7.4)に溶解した溶液に、無水N,N−ジメチルホルムアミドに溶解した10倍過剰量(93 nmol)の化合物2、4、5または6を添加した。40μlのNaHCO3(1 M、水溶液)を添加し、混合物を室温で2時間インキュベートした。生成物を、NAP−5ゲルろ過カラム(アマシャム ファルマシア バイオテック、ウプサラ、スウェーデン)により、リン酸緩衝生理食塩水(50/150、10 mM NaN3、pH 7.4)を溶離液として用いて精製した。最初に移動する着色している画分を収集した。化合物2および5による標識化は、標識化タンパク質のほとんど完全な沈殿を生じ、一方、化合物4および6による標識化は何の問題もなく進行した。これらのタンパク質複合体(化合物4および6)の標識化の程度は、吸光分光分析的に測定した。タンパク質に対して2.1(化合物4)および2.3(化合物6)の発蛍光団の標識化度が得られた。
5′−アミノ修飾オリゴヌクレオチド(17塩基、28μg、5 nmol)をカルボン酸緩衝液(200μl、100 mM、pH 8.5)に溶解した溶液に、無水DMF(50μl)に溶解した40倍過剰量の標識化試薬(化合物2または4)を添加した。反応混合物を22℃で20時間インキュベーションした。標識化オリゴヌクレオチドを、逆相HPLC(RP−18カラム)およびグラジエント溶出技術を用いて精製した。溶媒は、A:2%アセトニトリル トリエチルアンモニウム酢酸緩衝液(50 mM、pH 7)およびB:70%アセトニトリル トリエチルアンモニウム酢酸緩衝液(50 mM、pH 7)であった。グラジエントは溶媒Bの5%から開始し、溶媒Bの量を直線的に25分間で40%まで上昇させた。両方の色素−オリゴヌクレオチド複合体(化合物2または化合物4で標識化された)を、18〜22分の間に溶出し、非標識化オリゴヌクレオチドは10分の時点で溶出した。非結合標識化試薬は、溶媒Bの量を100%まで増加することによってカラムから除去された。
Claims (11)
- 式
で表わされる蛍光ラベル化合物であって、
発蛍光団がジピロメテンボロンジフルオリド色素であり、かつYは第四級アンモニウム塩の誘導体、スルホン酸の誘導体またはカルボヒドレートの誘導体であることを特徴とする蛍光ラベル化合物。 - 前記水溶性部分Yが、−CH2CH2SO3 -X+(式中、X+はカチオンである)であることを特徴とする請求項1記載の蛍光ラベル化合物。
- 525nm以上に吸収極大を有することを特徴とする請求項1または2記載の蛍光ラベル化合物。
- Zがスクシンイミジルエステルであることを特徴とする請求項4記載の蛍光ラベル化合物。
- 蛍光ラベルで標識された生物学的に活性な分子を含有する蛍光複合体であって、蛍光ラベルが請求項1、2、3、4または5記載の蛍光ラベル化合物であることを特徴する蛍光複合体。
- 前記生物学的に活性な分子が、ハプテン、生物学的に活性なリガンド、薬物、ペプチド、オリゴヌクレオチド、ヌクレオチド、核酸、ポリペプチド、タンパク質、抗体または抗体のフラグメントであることを特徴とする請求項6記載の蛍光複合体。
- 少なくとも1つの生物学的に活性な分子を含有する生物学的液体または懸濁液から検体を測定するためのバイオアナリティカルアッセイ法であって、少なくとも1つの該生物学的に活性な分子が請求項1、2、3、4または5記載の蛍光ラベル化合物で標識されることを特徴とする方法。
- 前記検体が、ハプテン、生物学的に活性なリガンド、薬物、ペプチド、オリゴヌクレオチド、ヌクレオチド、核酸、ポリペプチド、タンパク質、抗体および抗体のフラグメントからなる群から選択される生物学的に活性な分子であることを特徴とする請求項8記載の方法。
- 少なくとも1つの生物学的に活性な分子を含有する細胞または組織染色方法であって、少なくとも1つの該生物学的に活性な分子が、請求項1、2、3、4または5記載の蛍光ラベル化合物で標識されることを特徴とする方法。
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