JP5310702B2 - 標識化合物及びこれを用いた検出方法 - Google Patents
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Description
化合物が検査対象分子と結合可能に構成されてなる標識化合物及びこれを用いた検出方法
に関する。
子を蛍光標識し、蛍光を検出する生体分子の解析手法がある。この解析手法は、生命現象
の解析、遺伝子診断、再生医療等の分野において欠かせない手法であり、医用薬品のスク
リーニングにおいても欠かせない手法である。例えば、特定の遺伝子やタンパク質を蛍光
色素によって標識するによって、検体中の特定の遺伝子やタンパク質を高感度に検出する
ことが可能である。
イクロアレイに固定したDNAチップやタンパク質チップを使用して、検体を網羅的に解
析することも行なわれている。また、特定の生体分子、例えば、糖、タンパク等を蛍光色
素によって標識して、蛍光を発生させて蛍光顕微鏡を用いて観察する免疫染色や分子イメ
ージングでは、細胞内や細胞間の生体分子の動態解析も可能となっている。
識した標識プローブは、ノーザンブロッティング、サザンブロッティング、インサイチュ
ー(in situ)ハイブリダイゼーション、DNA配列決定反応等に使用されている。蛍光
色素によって標識された抗体又は抗原は、抗体−抗原反応を利用したイムノアッセイに使
用されている。アビジン(ストレプトアビジン)−ビオチン間の結合を応用し、蛍光色素
で修飾されたアビジンを用いて酵素免疫測定法も知られている。
yanate)、TRITC(Tetramethylrhodamine isochiocyanate)、フルオレセイン、ロ
ーダミン、クマリン、シアニン色素等の芳香族色素化合物が、蛍光標識試薬として用いら
れている。
合物が知られており、以下の報告がある。
許文献1には、次の記載がある。
、該有機EL色素で標識された該生体分子試料の蛍光を測定することを特徴とし、有機E
L色素には、共役系を有する5員環化合物を含む化合物であって、その5員環化合物が1
種以上のヘテロ原子、セレン原子又はボロン原子を含む化合物を用いることができるとし
ている。さらに、その5員環化合物と共役系を有する6員環化合物とからなる縮合多環化
合物を用いることもでき、さらに、その5員環化合物には、アゾール誘導体又はイミダゾ
ール誘導体を用いることができるとしている。
シ基、ハロゲン化アルキル基、トリアジン基、カルボジイミド基そして活性エステル化し
たカルボニル基から選択された何れか1種の官能基を導入することができるとしている。
素であって、生体分子と結合する反応性基を有する有機EL色素から成ることを特徴とし
、その反応性基としては、カルボン酸基、イソシアネート基、エポキシ基、ハロゲン化ア
ルキル基、トリアジン基、カルボジイミド基そして活性エステル化したカルボニル基から
選択された何れか1種の官能基を用いることができるとしている。
員環化合物が1種以上のヘテロ原子、セレン原子又はボロン原子を含む化合物を用いるこ
とができ、さらに、その5員環化合物と共役系を有する6員環化合物とからなる縮合多環
化合物を用いることもでき、さらに、その5員環化合物には、アゾール誘導体又はイミダ
ゾール誘導体を用いることができるとしている。
例えば、種々の構造を有するスチリル化合物からなる有機EL色素が報告されている(例
えば、後記の特許文献2〜特許文献20を参照。)。
蛍光色素から放射された蛍光を光検出器で検出し生体分子の検出を行なう場合、一般に、
所望の波長域以外の光を遮断し、所望の波長域の蛍光を光検出器へ透過させるためのフィ
ルタが使用され、光検出器への励起光その他の迷光の入射を遮断するようになされる。励
起光が、フィルタによって十分に遮断されない場合には、フィルタによって遮断されなか
った励起光は、蛍光を測定するための光路における回折、反射によって生じる迷光の原因
となり、蛍光検出におけるノイズの原因となる。
ることが望ましい。微量分子の検出するために、励起光の強度を高くして蛍光色素に照射
して、蛍光強度を高めて感度を大きくしようとすると、ノイズも同時に増大してしまうた
め、SN比を向上させることは困難となる。また、励起光の強度を高くして蛍光色素に照
射すると、蛍光色素によっては耐光性が十分ではなく光劣化を生じてしまうものもある。
色素を励起する励起光の波長(励起波長)と、蛍光色素から放射される蛍光の波長(蛍光
波長)の差(ストークスシフト:the Stokes shift)に依存し、ストークスシフトが大き
く、即ち、励起波長と蛍光波長の差が大きく、検出しようとする蛍光が励起光から離れた
波長域にある程、フィルタによって迷光の除去率が高まりノイズが減少する。ストークス
シフトが小さい場合には、励起光の散乱光によるバックグラウンドノイズや標的分子を含
むサンプル中に存在する共存物質の蛍光に由来するバックグラウンドノイズにより、蛍光
色素からの蛍光の検出が大きく妨害され、高感度の測定が困難となる。
芳香族第三アミン化合物が検査対象分子と結合可能に構成されてなり、検査対象分子を高
感度、高SN比で検出することができる標識化合物及びこれを用いた検出方法を提供する
ことにある。
と結合可能なように構成されてなる標識化合物に係るものである。
一般式(1):
に下記GP1から選択された二価の基を含んでもよいアルキル鎖を含む二価のスペーサに
、検査対象分子に結合可能な分子鎖が結合された分子鎖結合基、又は、下記GP3から選
択された反応性基を含み、S1、S2の他方は下記Gp2から選択された基であり;、R1
、R2は、同一又は異なってもよく、ヒドロ基、アルキル基、ヘテロ原子を含んでもよい
アリール基から選択された基であり;、R3は、ヒドロ基、下記Gp2から選択された基
を置換基として有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有
してもよいビニル基から選択された基であり;、Ar1、Ar2は二価の基であり、同一又
は異なってもよく、アリーレン基又はビニレン基であり、Ar2は、アルキル基、アリー
ル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、ハロ基から選択された置換基を少なくとも一箇
有し、nが1の場合、Ar1とR1、又は/及び、Ar2とR2が相同して環を形成していて
もよく;、Gp1は二価の基であり、ヘテロ原子を含んでもよいアリーレン基、ビ二レン
基、カルボニル基、オキシ基、オキシカルボニル基、チオ基、スルフィニル基、スルホニ
ル基、イミノ基、ウリレン基、アミド基、シリレン基であり;、Gp2は一価の基であり
、ヒドロ基、アルキル基、アリール基、置換基を含んでもよいビニル基、アミノ基、メル
カプト基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、スルフィノ基、スルホ基、カルボキシ基、ハ
ロ基であり;、Gp3は一価の基であり、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル基、ヒ
ドロキシスルホスクシンイミドエステル基、イミドエステル基、イソチオシアネート基、
イソシアネート基、マレイミド基、カルボキシル基、アルデヒド基、グリオキザル基、イ
ミドエステル基(エポキシ基、グリシジルエーテル基)、オキシラン基、トリアジン基、
カルボジイミド基、アジリジン基)、ハロゲン化アシル基、ハロゲン化アルキル基、ハロ
ゲン化スルホニル基、ビニルスルホン基である。
よって、前記検査対象分子と結合した前記標識化合物から発する蛍光を検出する工程とを
有する標識化合物を用いた検査対象分子の検出方法に係るものである。
を高感度、高SN比で検出することができる標識化合物を提供することができ、従来の標
識化合物に比べて耐光性が高く、標識化合物を光励起して微量分子を検出する際に励起光
の強度を高めても、標識化合物の光劣化によって生じるデータばらつきは殆んど生じない
。
出方法を提供することができる。
チレン基、フェナントリレン基、アントリレン基の何れかであり、R1、R2がヒドロ基で
あり、前記一般式(1)が下記一般式(2)で示される構成とするのがよい。このような
構成によれば、フェニルアミンのフィルスマイヤー反応(アルデヒド基導入反応)に続く
ヴィッティヒ反応(二重結合形成反応)などによって容易に一般式(2)の化合物を合成
することができる。一般式(2)の化合物はフェニレン基と(CH=CH)n部の平面性
が保たれることで共鳴構造が安定化され高い蛍光収率の化合物となる。また(CH=CH
)部の回転自由度に由来して励起状態の分子構造は基底状態のそれから大きく変化し、そ
のためにストークスシフトが大きくなる。
市販の試薬から少ない工程で容易に合成することができる。
が下記一般式(3)で示される構成とするのがよい。このような構成によれば、分子内に
アミノスチリル部が2箇所存在することになり、一箇所しかない場合に比べてモル吸光係
数が約2倍になるので励起光の利用効率が高いことになる。
ル基、置換基を有してもよいアリール基から選択された基である。
0で置換されたフェニル基を含み、R6、R7、R8、R9、R10の何れか一つに前記Gp1
を介して前記スペーサが結合しており、前記スペーサに前記Gp1を介して前記分子鎖が
結合されてなり、R6、R7、R8、R9、R10の残りがヒドロ基であり、R3が、R11、R1
2、R13、R14、R15で置換されたフェニル基を含むアリール基であり、R11、R12、R1
3、R14、R15が前記Gp2から選択された基であり、これらのうち隣り合う基同士が相
同して環を形成していてもよく、前記一般式(2)が下記一般式(4)で示される構成と
するのがよい。このような構成によれば、アリールアミノ部周囲のかさ高さを増すことが
できるので、使用時に共存する他の化学物質との相互作用に由来する消光過程を減じ、結
果として高い蛍光収率の化合物を提供することができる。
0で置換されたフェニル基を含み、R6、R7、R8、R9、R10の何れか一つに前記Gp1
を介して前記スペーサが結合しており、前記スペーサに前記Gp1を介して前記分子鎖が
結合されてなり、R6、R7、R8、R9、R10の残りがヒドロ基であり、R3が、R11、R1
2、R13、R14、R15で置換されたフェニル基を含むアリール基であり、R11、R12、R1
3、R14、R15が前記Gp2から選択された基であり、これらのうち隣り合う基同士が相
同して環を形成していてもよく、R4が、R16、R17、R18、R19、R20で置換されたフ
ェニル基を有するアリール基であり、R5が、R21、R22、R23、R24、R25で置換され
たフェニル基を有するアリール基であり、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、
R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25が前記Gp2から選択された基であり
これらのうち隣り合う基同士が相同して環を形成していてもよく、前記一般式(3)が下
記一般式(5)で示される構成とするのがよい。このような構成によれば、分子内にアミ
ノスチリル部が2箇所存在することになり、一箇所しかない場合に比べてモル吸光係数が
約2倍になるので励起光の利用効率が高く、かつアリールアミノ部周囲のかさ高さを増す
ことができるので、使用時に共存する他の化学物質との相互作用に由来する消光過程を減
じ、結果として高い蛍光収率の化合物を提供することができる。
疎水性であるフルオロフォア(蛍光色素骨格)を、親水性の生体分子から遠ざけることが
できるので、色素と生体分子との相互作用による消光や化学反応を減じることができる。
ル基であり、R3が、R31、R32、R33、R34、R35で置換されたフェニル基を有するア
リール基であり、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35が前記
Gp2から選択された基であり、これらのうち隣り合う基同士が相同して環を形成してい
てもよく、前記一般式(3)が下記一般式(6)で示される構成とするのがよい。このよ
うな構成によれば、アリールアミノ部周囲のかさ高さを増すことができるので、使用時に
共存する他の化学物質との相互作用に由来する消光過程を減じ、結果として高い蛍光収率
の化合物を提供することができる。
うな構成によれば、疎水性であるフルオロフォア(蛍光色素骨格)と親水性の生体分子と
の距離が適度に保たれ、色素と生体分子との相互作用による消光や化学反応を減じること
ができる。一方、アルキル鎖が長すぎる場合には標識化合物として疎水性が高まり、検査
対象分子との相互作用が抑制されてしまうことがある。
よれば、生体由来分子を高感度、高SN比で検出することができ、かつこれまで色素の光
に対する耐久性が十分でないために困難であったような繰り返し光照射や長時間光照射に
よる検出が可能となる。
よれば、前記オリゴヌクレオチドと相補鎖結合(ハイブリダイゼーション)する相補鎖オ
リゴヌクレオチドを有する核酸を高感度、高SN比で検出することができる。
るのがよい。このような構成によれば、前記オリゴヌクレオチドと前記相補鎖オリゴヌク
レオチドの間で安定な相補鎖結合を形成することができる。
リゴヌクレオチドを検出するためのプローブとして使用される構成とするのがよい。この
ような構成によれば、前記相補鎖オリゴヌクレオチドを高感度、高SN比で検出すること
ができる。
対象分子に含まれるアミノ基と結合する構成とするのがよい。このような構成によれば、
アミノ基を含む前記検査対象分子を高感度、高SN比で検出することができる。
ト基と結合する構成とするのがよい。このような構成によれば、メルカプト基を含む前記
検査対象分子を高感度、高SN比で検出することができる。
によれば、アリールアミノ部周囲のかさ高さを増すことができるので、使用時に共存する
他の化学物質との相互作用に由来する消光過程を減じ、結果として高い蛍光収率の化合物
を提供することができる。
な構成によれば、市販の試薬から少ない工程で容易に合成することができ、フェニルアミ
ノ部周囲のかさ高さを増すことができるので、使用時に共存する他の化学物質との相互作
用に由来する消光過程を減じ、結果として高い蛍光収率の化合物を提供することができる
。
何れかである構成とするのがよい。このような構成によれば、フルオロフォア(色素骨格
部)の共鳴構造が安定化され、高い蛍光収率を達成することができる。
、Ar1部の二重結合から(CR1=CR2)nを経てAr2の二重結合へと続く繰り返し単
位(C=C−)を含むとみなすこともでき、この繰り返し単位の繰り返し数をmとする時
、m≧6であるN−(C=C−)mを有する構成とするのがよい。標識化合物の光励起に
よる蛍光の極大波長を所望の波長領域にすることができ、ストークスシフトを大きなもの
とすることができる。
であり、芳香族第三アミン化合物(単に、芳香族アミン化合物と呼ぶことがある。)が生
体分子と結合可能に構成されている。標識化合物は、検査対象分子、例えば、生体分子に
結合可能な分子鎖(例えば、オリゴヌクレオチド)が結合された分子鎖結合基、又は、生
体分子に含まれる反応性基(例えば、アミノ基、メルカプト基)と共有結合する反応性基
(N−ヒドロキシスクシンイミドエステル基、マレイミド基)を含んでおり、この分子鎖
結合基、又は、反応性基は、直接的、又は、間接的にアミノN(窒素)に結合されている
。
によって、このオリゴヌクレオチドを、その相補鎖配列を有する生体分子の相補鎖オリゴ
ヌクレオチドを検出するためのプローブとして使用することができ、この相補鎖オリゴヌ
クレオチドを高感度、高SN比で検出することができる。このようなプローブを、以下の
説明では、芳香族第三アミン蛍光プローブ(略して、芳香族アミン蛍光プローブ、蛍光プ
ローブ)、オリゴヌクレオチドプローブと呼ぶことがある。
基を有する芳香族第三アミン化合物として構成される場合、この芳香族第三アミン化合物
は、生体分子と結合可能な反応性基Aを有している。生体分子が本来有している、又は、
生体分子に予め付加されている反応性基Bと、蛍光標識化合物が有する反応性基Aが共有
結合を形成して、蛍光標識化合物と生体分子が結合される。生体分子に結合された蛍光標
識化合物を励起して放射された蛍光を検出することによって、標的とする生体分子を高感
度、高SN比で検出することができる。
に結合するフェニレン基又はナフチレン基、及び、アミノNに結合するフェニレン基又は
ナフチレン基に直接的又は間接的に結合されるフェニレン基、ナフチレン基、アントリレ
ン基、フェナントレン基の何れかを有し、上述の一般式(1)におけるAr1−(CR1=
CR2)n−Ar2(nは0又は1)は、繰り返し単位(C=C−)を含み、この繰り返し
単位の繰り返し数をmとする時、m≧6であるN−(C=C−)mを有する。
フチル基、或いは、アミノNに結合するフェニレン基又はナフチレン基に直接的又は間接
的に結合されるフェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、フェナントレン基の何れ
かに結合されている。
極大波長を所望の波長領域にすることができ、ストークスシフトを大きなものとすること
ができ、かつ耐光性を十分なものとすることができる。生体分子と結合した標識化合物を
、光照射によって励起して放射された蛍光を検出することによって、標的とする生体分子
を高感度、高SN比で検出することができる。
化合物を使用する検査方法では、検出しようとする検査対象分子(標的分子)は、例えば
、生体由来分子、生理活性分子等の生体分子であり、生体分子を高感度、高いSN比で検
出することができる。
ミノ酸等である。タンパク質は、例えば、抗体及びその誘導体、抗原及びその誘導体、ア
ビジン(ストレプトアビジンを含む)、血清アルブミン、ハプテン、ホルモン等である。
また、診断用薬品や治療用薬品等の化学物質、アレルギー等の疾病の原因となる環境物質
等の検出にも適用することができる。
図1は、本発明の実施の形態における、標識化合物の構成を説明する図であり、図1(
A)は、S1、又は、S2が、生体分子に結合可能な分子鎖が結合された分子鎖結合基、或
いは、生体分子の有する反応性基に共有結合する反応性基を有する標識化合物の構成、図
1(B)は、S1がスペーサ(リンカー)Z1に生体分子に結合可能な分子鎖10が結合さ
れた分子鎖結合基である標識化合物(プローブ)の構成、図1(C)は、S2がスペーサ
(リンカー)Z2に生体分子に結合可能な分子鎖10が結合された分子鎖結合基である標
識化合物(プローブ)の構成を示す図である。
部に下記GP1から選択された二価の基を含んでもよいアルキル鎖を含む二価のスペーサ
に、生体分子に結合可能な分子鎖が結合された分子鎖結合基、又は、下記GP3から選択
された反応性基を含み、S1、S2の他方は下記Gp2から選択された基である。
よいアリール基から選択された基であり、R3は、ヒドロ基、下記Gp2から選択された
基を置換基として有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を
有してもよいビニル基から選択された基である。
基であり、Ar2は、アルキル基、アリール基、シアノ基(−CN)、トリフルオロメチ
ル基(−CF3)、ハロ基から選択された置換基を少なくとも一箇有し、nが1の場合、
Ar1とR1、又は/及び、Ar2とR2が相同して環を形成していてもよい。
C10H7)であり、Ar1が、フェニレン基(phenylene基、−C6H4−)又はナフチレン
基(naphthylene基、−C10H6−)であり、Ar2が、フェニレン基、ナフチレン基、ア
ントリレン基(anthrylene基、−C14H8−)、フェナントレン基(phenanthrylene基、
−C14H8−)の何れかであり、R1、R2がヒドロ基(−H)である。
個の水素原子を引き抜いて形成された基、単環又は多環芳香環の芳香族化合物、複素芳香
族化合物から1個の水素原子を引き抜いて形成された基である。)、ビ二レン基(−CH
=CH−)、カルボニル基(−CO−)、オキシ基(−O−)、オキシカルボニル基(−
O−CO−)、チオ基(−S−)、スルフィニル基(−SO−)、スルホニル基(−SO
2−)、イミノ基(−NH−)、ウリレン基(−NHCONH−)、アミド基(H2NC(
=NH)−)、シリレン基(−SiH2−)である。Gp1は、好ましくは、アリーレン
基、ビニレン基、カルボニル基である。
基、置換基を含んでもよいビニル基(−CH=CH2)、アミノ基(−NH2)、メルカプ
ト基(−SH)、ヒドロキシ基(−OH)、カルバモイル基(H2NCO−)、スルフィ
ノ基(−SO2H)、スルホ基(−SO3H)、カルボキシ基(−COOH)、ハロ基(ハ
ロゲン基、−F、−Cl、−Br、−I)である。Gp2は、好ましくは、ヒドロ基、ア
ルキル基、ビニル基である。
ホスクシンイミドエステル基、イミドエステル基、イソチオシアネート基、イソシアネー
ト基、マレイミド基、カルボキシル基、アルデヒド基、グリオキザル基、イミドエステル
基、オキシラン基(エポキシ基、グリシジルエーテル基)、トリアジン基、カルボジイミ
ド基、アジリジン基、ハロゲン化アシル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化スルホニ
ル基、ビニルスルホン基である。Gp3は、好ましくは、N−ヒドロキシスクシンイミド
エステル基、マレイミド基である。
Z1−(生体分子に結合可能な分子鎖10)に置き換えた蛍光プローブであり、Z1は、主
鎖部に上記GP1から選択された二価の基を含んでもよいアルキル鎖を含む二価のスペー
サ(リンカー)である。
Z2−(生体分子に結合可能な分子鎖10)に置き換えた蛍光プローブであり、Z2は、主
鎖部に上記GP1から選択された二価の基を含んでもよいアルキル鎖を含む二価のスペー
サ(リンカー)である。
10が結合されてなる芳香族第三アミン化合物であり、生体分子に結合可能な分子鎖10
は、リンカー基Z1又はZ2に結合されている。
分子鎖10は、例えば、長さが5mer以上、40mer以下のヌクレオチドからなる。
体分子が反応性基Aと結合し得る反応性基Bを本来的に有するか、又は、生体分子に反応
性基Bが導入されていればよい。検査対象とする生体分子、例えば、タンパク質又は核酸
と結合させるために必要な反応性基Aを、標識化合物が有しており、反応性基Aと反応す
る反応性基Bが、生体分子が本来有しているものか、生体分子に予め付加されているもの
である構成とすることによって、生体分子と標識化合物が、公知の方法に従って共有結合
を形成して結合される。
/カルボキシル基、アミノ基/ハロゲン化アシル基、アミノ基/N−ヒドロキシスクシン
イミドエステル基、アミノ基/アルデヒド基、メルカプト基/マレイミド基、メルカプト
基/ビニルスルホン基、水酸基/カルボキシル基等が可能である。反応性基B/反応性基
Aの組み合わせは、好ましくは、アミノ基/N−ヒドロキシスクシンイミドエステル基、
メルカプト基/マレイミド基である。
は1)は、繰り返し単位(C=C−)を含み、この繰り返し単位の繰り返し数をmとする
時、m≧6であるN−(C=C−)mを有している。
)として構成された場合について、説明する。
ーブ)の例を示す図である。
1の蛍光プローブでは、nが1であり、S2はオキシ基が結合したフェニル基を含み、オ
キシ基にオリゴヌクレオチド(oligo)が間接的に結合されている。R3はフェニル
基又はナフチル基、Ar1はフェニレン基である。Ar2は、フェニレン基、ナフチレン基
、アントリレン基、フェナントリレン基の何れかの骨格を有し、無置換であるか置換基S
1を有しており、S1はメチル基又は/及びシアン基である。R1及びR2はヒドロ基である
。
1の蛍光プローブでは、nが1であり、S2はオキシ基が結合したフェニル基を含み、R3
がフェニル基又はナフチル基、Ar1はフェニレン基である。Ar2は、フェニレン基、ナ
フチレン基、アントリレン基、フェナントリレン基の何れかの骨格を有し、無置換である
か置換基としてシアン基を有し、且つ、オリゴヌクレオチド(oligo)が間接的に結
合される二価の基−CH2O−(オキシメチレン基)又はオキシ基を有している。また、
R1及びR2がヒドロ基である。
光プローブでは、nが1であり、S2はオキシ基が結合したフェニル基を含み、オキシ基
にオリゴヌクレオチド(oligo)が間接的に結合されている。R3はフェニル基又は
ナフチル基、Ar1はフェニレン基である。Ar2は、フェニレン基、ナフチレン基、アン
トリレン基、フェナントリレン基の何れかの骨格を有し、無置換であるか置換基としてシ
アン基を有しており、且つ、Ar2に−CH=CH−が結合されこれに更に、アミノNに
結合するフェニル基、或いは、フェニル基及びナフチル基を有する芳香族第三アミン化合
物のフェ二ル基が結合されている。R1及びR2がヒドロ基である。
の例を示す図である。
る。この第2の蛍光プローブでは、nが0であり、S2はオキシ基が結合したフェニル基
を含み、オキシ基にオリゴヌクレオチド(oligo)が間接的に結合されている。R3
はナフチル基、Ar1はナフチレン基である。Ar2はアントリレン基又はフェナントリレ
ン基であり、置換基S1を有しており、S1がメチル基又は/及びシアン基である。
る。この第2の蛍光プローブでは、nが0であり、S2はオキシ基が結合したフェニル基
を含み、R3はナフチル基、Ar1はナフチレン基である。Ar2はアントリレン基又はフ
ェナントリレン基であり、置換基としてシアン基を有し、且つ、オキシ基にオリゴヌクレ
オチド(oligo)が間接的に結合される二価の基−CH2O−(オキシメチレン基)
又はオキシ基を有している。
る。この第2の蛍光プローブでは、nが0であり、S2はオキシ基が結合したフェニル基
を含み、オキシ基にオリゴヌクレオチド(oligo)が間接的に結合されている。R3
はナフチル基、Ar1はナフチレン基である。Ar2はアントリレン基又はフェナントリレ
ン基であり、置換基としてシアン基を有し、且つ、アミノNに結合するフェニル基及びナ
フチル基を有する芳香族第三アミン化合物のナフチル基が結合されている。
芳香族アミン化合物の名称を表わすと共に、蛍光プローブの名称にこの略号を取込んで使
用し、蛍光プローブに用いられている芳香族アミン化合物の構造を示している(図2、図
3、図4以外の後述する各図とこれらに関する説明においても同様とする。)。
、置換基を含んでもよいビニル基、アミノ基、メルカプト基(チオール基)、ヒドロキシ
基、カルバモイル基、スルフィノ基、スルホ基、カルボキシ基、ハロ基から選択される置
換基である。
R3はフェニル基、ナフチル基、R1、R2はヒドロ基、Ar2はフェニレン基、ナフチレン
基、フェナントリレン基、アントリレン基である。また、図4に示す蛍光プローブの例で
は、一般式(2)に示すAr3はナフチレン基、R4はナフチル基、Ar4はフェナントリ
レン基、アントリレン基である。
ヌクレオチドを示し、oligoの5’端又は3’端が、芳香族アミン化合物のS1又は
S2に結合されている。
字がBで始まる場合はジアミンであることを示し、それ以外はモノアミンであることを示
している。
(C6H5)3N)骨格において、第1のフェニル基(phenyl基、−C6H5)の1箇のヒド
ロ基(−H)がオキシ基(−O−)によって置換され、第2のフェニル基の1箇のヒドロ
基がビニレン基(vinylene基、−CH=CH−)によって置換された構造を示している。
このトリフェニルアミン骨格の第3のフェニル基は、ナフチル基(naphthyl基、−C10H
7)で置換されていてもよく、これはトリフェニルアミン誘導体とみなせるので、上記と
同様に、トリフェニルアミン骨格と呼ぶものとする。蛍光プローブは、上記のビニレン基
に結合された次に説明するB、N、A、Pを有する構造を備えている。
チル基(naphthyl基、−C10H7)、Aは置換基を有してもよいアントリル基(anthryl基
、−C14H9)、Pは置換基を有するフェナントリル基(phenanthryl基、−C14H9)を
それぞれ示す。
いて、第1のフェニル基の1箇のヒドロ基(−H)がオキシ基(−O−)に置換され、第
2のフェニル基がナフチル基(naphthyl基、−C10H7)に置換され、第3のフェニル基
がナフチレン基(naphthylene基、−C10H6−)に置換された構造を有し、生体分子に結
合可能な分子鎖(オリゴヌクレオチド、oligo)が付加(結合)されている第三アミ
ン化合物である。この第三アミン化合物のナフチレン基に結合されたアントリレン基を有
する蛍光プローブをANNPA、また、ナフチレン基に結合されたフェナントリレン基を
有する蛍光プローブをDNPAによって示している。
キシメチレン基(−CH2O−)、又は、ナフタレン環のヒドロ基が置換されたオキシメ
チレン基(−CH2O−)、又は、アントラセン環のヒドロ基が置換されたオキメチレン
基(−CH2O−)、又は、フェナントレン環のヒドロ基が置換されたオキシ基の何れか
にアルキル基が結合され、これにoligoが結合されている。
り返し単位の繰り返し数mは、蛍光プローブの構造によって異なっている。
ビニレン基が結合されたトリフェニルアミン骨格のビニレン基にベンゼン環が結合された
骨格を備え、繰り返し単位(C=C−)の繰り返し数mは6である。
ビニレン基にナフタレン環が結合された骨格を備え、繰り返し単位(C=C−)の繰り返
し数mは7である。
ビニレン基にアントラセン環が結合された骨格を備え、SA−1、SA−2、SA−5、
SA−6では、繰り返し単位(C=C−)の繰り返し数mは9であり、SA−3、SA−
4では、繰り返し単位(C=C−)の繰り返し数mは10である。
ビニレン基にフェナントレン環が結合された骨格を備え、繰り返し単位(C=C−)の繰
り返し数mは9である。
れた2個のトリフェニルアミン骨格のビニレン基にそれぞれ、ベンゼン環、ナフタレン環
が結合された骨格を備え、BSB、BSNはそれぞれ、繰り返し単位(C=C−)の繰り
返し数mは8、10である。
ン骨格のビニレン基にアントラセン環が結合された骨格を備え、繰り返し単位(C=C−
)の繰り返し数mは11である。
ビニレン基にフェナントレン環が結合された骨格を備え、繰り返し単位(C=C−)の繰
り返し数mは12である。
環がナフチル環に置換されたトリフェニルアミン骨格とこれにアントラセン環が結合され
た骨格を備え、繰り返し単位(C=C−)の繰り返し数mは9である。
リフェニルアミン骨格とこれにフェナントレン環が結合された骨格を備え、繰り返し単位
(C=C−)の繰り返し数mは9である。
フェニルアミン骨格の間にアントラセン環が結合された骨格を備え、繰り返し単位(C=
C−)の繰り返し数mは11である。
ェニルアミン骨格の間にフェナントレン環が結合された骨格を備え、繰り返し単位(C=
C−)の繰り返し数mは12である。
、3’−アミノ−5’−SP−1−オリゴヌクレオチドプローブを説明する図である。
分子に結合可能な分子鎖10が結合された、図2に示すSP−1であり、後述する図10
に示すA17である。
ヌクレオチドは、A、T、G、Cから選択されたBase(塩基)を有するヌクレオチド
(アナログヌクレオチドであってもよい。)が結合されたものである。なお、図5におい
て、(n−2)は、N(=2,3,…,(n−1))番目のヌクレオチド(塩基N(=2
,3,…,(n−1)))を示している(後述する図6〜図12に関しても同様である。
)。
PO4-)(CH2)12(PO4-)(CH2)CH(CH2OH)(CH2)4NH2を有している。分
子鎖10のオリゴヌクレオチドの5’端側のNH−は芳香族第三アミン化合物SP−1に
結合され、3’端側はNH2で終端している。
る。(Ar2−S1)は−C14H6(CN)2CH3、Ar1は−C6H4−、R3は−C10H7、
S2は−C6H4O(CH2)4CO−である。
ては、図8、図9、図10によって後述する。
、5’−DNPA−オリゴヌクレオチドプローブを説明する図である。
すDNPA−2、但し、−OR43を−Hに置き換えている。)に、生体分子に結合可能な
分子鎖10が結合されたものである。
含んでいる。オリゴヌクレオチドはその5’端に−(PO4-)(CH2)6NH−を有し、3
’端は−OHである。分子鎖10のオリゴヌクレオチドの5’端側のNH−は芳香族アミ
ン化合物DNPA−2に結合され、3’端側はOHで終端している。
る。S4は−C6H5、R4は−C10H7、Ar3は−C10H6−、Ar4は−C14H6(CN)2
−、S3は−CO(CH2)4CO−である。
、3’−BSA−2−5’−チオ−オリゴヌクレオチドプローブを説明する図である。
すBSA−2、但し、R47=CH3である。)に、生体分子に結合可能な分子鎖10が結合
されたものである。芳香族アミン化合物BSA−2は、アントリレン基(anthrylene基、
−C14H8−)の両端に−(C6H4)N(C6H5)(C6H4)−が結合された構造を有し
ている。
含んでいる。オリゴヌクレオチドはその3’端に−(PO4-)(CH2)12(PO4-)(C
H2)CH(CH2OH)(CH2)4NH−を有し、5’端に−(PO4-)(CH2)6SH−
有している。分子鎖10のオリゴヌクレオチドの3’端側のNH−は芳香族アミン化合物
BSA−2に結合され、5’端側はSHで終端している。
る。S1は−CHCHC6H4N(C6H5)(C6H4OCH3)、Ar2は−C14H8−、Ar
1は−C6H4−、R3は−C6H5−、S2は−C6H4O(CH2)4CONH−である。
成スキーム例を示す図であり、3’−アミノ−5’−SP−1−オリゴヌクレオチドプロ
ーブの合成スキームを説明する図である。図9は、図8に示す合成スキームに続く図であ
り、図10は、図9に示す合成スキームに続く図である。
difier C7 CPG(図14(A)を参照。)、A2はスペーサホスホンアミダイト(グレン
リサーチ社製、Spacer C12 CE Phosphoramidite)である。
A4(以下のA6、A8も同じである。)6は dN-CE Phosphoramidite(グレンリサーチ
社製)であり、N=A、T、G又はCである。続いて、反応{A5+A6→A7}を行な
い、同様に2番目のヌクレオチドをA5に結合する。以下、同様の反応{A7+A8→A
9}を繰り返して行ない、所望の塩基種の順に所望の数n番目までのヌクレオチドを結合
する。
(D)を参照。)である。続いて、反応{A11+A12→A13}を行ない、5'アミ
ノを脱保護して5'側末端をNH2とする。以上のようにして、固相CPGに所望の塩基配
列を有し、5'側末端がNH2であるオリゴヌクレオチドが形成される。
(活性化エステル化合物)A14、図15を参照。)を結合させる。続いて、反応{A1
5+A16→A17}を行ない、3'アミノの脱保護及びCPGからの分離を行なって、
5'側末端にSP−1が結合され、3'側末端がNH2であるA17、即ち、図5に示す3
’−アミノ−5’−SP−1−オリゴヌクレオチドプローブが得られる。
Suと表わし、−OSuによって、−C4H4NO3を表わしている(以下の各図に関する
説明においても同様である。)。
5'側末端に結合されたものと異なる色素を結合して修飾することも可能であり、5'及び
3'側末端が異なる色素によって修飾されたオリゴヌクレオチドプローブを得ることもで
きる。このような構成によれば、例えば、アクセプタ色素とドナー色素が所定の間隔を置
いて結合され、共鳴による励起エネルギーの移動(FRET:Fluorescence Resonance E
nergy Transfer)が生じるプローブを得ることができ、各種のアッセイに使用することが
できる。
キーム例を示す図であり、3’−BSA−2−5’−チオ−オリゴヌクレオチドプローブ
の合成スキームを説明する図である。図12は、図11に示す合成スキームに続く図であ
る。
得られたA9と同じものであり、B2は 5'-Amino-modifier C6(図14(C)を参照。
)であり。続いて、反応{B3+B4→B5}を行ない、3'アミノの脱保護及びCPG
からの分離を行なって、5'側末端にST(Tはトリフェニルメチル基である。)が結合
され、3'側末端がNH2であるB5が得られる。
(図3に示すBSA−2、但し、R47=CH3である。)と、HOSu(N−ヒドロキシ
スクシンイミド、C4H5NO3)の反応によって予め調製された中間体(活性化エステル
化合物)BSA−2−OSuである。
5'側末端がSHであり、3'側末端にBSA−2が結合されたB9、即ち、図7に示す3
’−BSA−2−5’−チオ−オリゴヌクレオチドプローブが得られる。
ンリサーチ社製のものを示す。
れる固相支持体の例を説明する図である。
ビーズ、CPGに担持された形で入手することができる。図13(A)、図13(C)に
示す固相支持体を使用すれば、A、T、G、Cの任意のものを有するヌクレオチドをオリ
ゴヌクレオチドの1番目のヌクレオチドとすることができる。
うち特定のものを有するヌクレオチドをオリゴヌクレオチドの1番目のヌクレオチドとす
ることができる。なお、図13(B)ではIcaaが結合されているCPGは図示してい
ない。なお、図13において、CPG(Controlled Porou Glass)は多孔性ガラスビー
ズであり、Meはメチル基、protected baseは保護基によって保護された塩基、DMTは
ジメトキシトチリル基、Icaaは長鎖アルキルアミノ(long chain alkylamino)基で
ある。
れる固相支持体、試薬の例を説明する図である。
は3’末端側のアミノ修飾に使用される。図14(C)及び図14(D)は試薬の例を示
し、図14(C)は5’末端側のチオール修飾、図14(D)は5’末端側のアミノ修飾
にそれぞれ使用される。なお、Fmocは9−フルオレニルメトキシ基、DMTはジメト
キシトチリル基、Icaaは長鎖アルキルアミノ(long chain alkylamino)基、CPG
は多孔性ガラスビーズ、Priはイソプロピル基、STはS−トチリル基、MMTはモノ
メトキシトチリル基である。
オチドの調製、BSA−2−OSu、SP−1−OSu等の中間体化合物の調製、及び、
これら調整された2つ分子の結合反応によって合成される。
いて説明し、3’−アミノ−5’−SP−1−オリゴヌクレオチドプローブの合成につい
て説明する。
中間体SP−1−OSuの合成
図15は、本発明の実施例における、オリゴヌクレオチドプローブ(3’−アミノ−5
’−SP−1−オリゴヌクレオチドプローブ)の合成に使用される中間体SP−1−OS
uを説明する図である。
アルゴン雰囲気下で、p-anisidine(C1(図15)、p‐メトキシアニリン、CH3O
C6H4NH2)505g(4.12mol)、1-iodonaphthalene(C2(図15)、1‐
ヨードナフタレン、C10H7I)105g(0.41mol)、Pd(OAc)2(二酢酸
パラジウム(II)、Pd(OCOCH3)2)1.85g(8.24mmol)、tri-tert
-butylphosphine(トリ‐tert‐ブチルホスフィン、(PC(CH3)3)3)5.00
g(24.7mmol)、sodium tert-butoxide(tri-tert-butylphosphinesodium tert
-butoxide、ナトリウムtert‐ブトキシド、C4H9ONa)47.5g(0.49m
ol)の、脱水キシレン500mL懸濁溶液を21時間穏やかに還流した。冷却後、塩酸
を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を希塩酸で洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥
後、減圧乾燥した。濃縮残渣をシリカゲルカラム精製(トルエン)し粗体をメタノールで
洗浄し、無色の化合物1 68.9g(収率66%)を得た。
アルゴン雰囲気下で、化合物1 19.6g(78.6mmol)、2-(p-bromophenyl)
-1,3-dioxolane(C3(図15)、2‐(4‐ブロモフェニル)‐1,3‐ジオキソラン
、C9H9BrO2))19.7g(86.4mmol)、Pd(OAc)2 0.35g(
1.57mmol)、tri-tert-butylphosphine 0.95g(4.7mmol)、sodium
tert-butoxide 9.06g(94.3mmol)、の脱水キシレン78mL懸濁溶液を
19時間穏やかに還流した。冷却後、水に注ぎ、トルエンにて抽出した。有機層を水洗し
無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルカラム精製(
トルエン)し黄色粘性液体の化合物2 25.2g(収率80%)を得た。
化合物2 14.5g(36.5mmol)と30%HBr−HOAc(酢酸、CH3C
OOH)145gの混合溶液を3時間還流した。冷却後、水と塩化メチレンを加え、不溶
物をろ別した。ろ液を分液し、有機層を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下
で濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルカラム精製(塩化メチレン〜酢酸エチル/ヘキサン=
1/2)し、黄色アモルファスの化合物3 3.71g(収率30%)を得た。
アルゴン雰囲気下で、p-xylyl cyanide(C4(図15)、p‐キシレンジシアニド、
C10H8N2)50.2g(0.38mol)の脱水エーテル溶液760mLに、ヨウ素
97.1g(0.38mol)を加え、水冷しながら sodium methoxide(ナトリウムメ
トキシド、CH3ONa)148g(0.77mol 28% in MeOH)を15分間に
て滴下した。室温で30分攪拌後、減圧下で溶媒を溜去した。濃縮残渣をメタノールで数
回洗浄し、深緑色結晶の化合物4 40.5g(収率82%)を得た。
化合物4 15.0g(58.1mmol)のトルエン溶液4.5Lを高圧水銀灯の照
射の下で、酸素をバブリングしながら7時間攪拌した。減圧下で、反応混合液を濃縮し、
スラリー状態となって析出した固体をろ過した。得られた粗体をトルエンで洗浄し、淡山
吹色結晶の化合物5 13.3g(収率89%)を得た。
化合物5 11.0g(42.9mml)のクロロホルム溶液858mLに、NBS(2
-nitrobenzenesulfenyl chloride、2‐ニトロベンゼンスルフェニルクロリド、C6H4N
O2SCl)22.9g(129mmol)とAIBN(azobisisobutyronitrile, azobi
sisobutylonitrile、アゾビスイソブチロニトリル、NCC(CH3)2NN(CH3)CC
N))1.05g(6.45mmol)をそれぞれ、3時間毎に1/5ずつ加え、合計1
5時間還流した。減圧下で濃縮し、スラリー状態となって析出した固体をろ過した。得ら
れた粗体をエタノールとヘキサンで洗浄し、淡褐色結晶の化合物6を含む混合物14.1
gを得た。
化合物6を含む混合物 13.5gと亜リン酸トリエチル(トリエトキシホスフィン、
P(OC2H5)3)40.5gの混合物を145℃にて24時間攪拌した。減圧下で、余剰
の亜リン酸トリエチルを溜去し、ヘキサンで洗浄した。得られた残渣をシリカゲルカラム
精製(塩化メチレン〜THF/塩化メチレン=1/8)し、鮮黄色結晶の化合物7 6.
58gを得た。化合物5からの2段階収率は39%であった。
アルゴン雰囲気下で、60%油性水素化ナトリウム(ヒドリドナトリウム、HNa)0
.64g(15.9mmol)からオイル除去した後、脱水THF100mLと化合物7
2.19g(5.57mmol)を加えた。室温にて10分攪拌した後、0℃以下にて
化合物3 1.80g(5.30mmol)の脱水THF溶液50mLを20分かけて滴
下した。同温にて4時間攪拌後、過剰の水素化ナトリウムをエタノール、続いて、水でク
エンチさせ、有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。
濃縮残渣をメタノールで数回洗浄し、赤色結晶の化合物8 2.68g(収率87%)を
得た。
アルゴン雰囲気下で、60%油性水素化ナトリウム 0.150g(3.74mmol
)からオイル除去した後、脱水DMF(ジメチルホルムアミド、(CH3)2NCHO)2
5mLを加え、攪拌しつつ化合物8 0.90g(1.56mmol)の脱水THF 10
0mL溶液を滴下した。5℃以下にてEthyl 5-bromopentanoate(C5(図15)、Ethyl
5-bromovalerate、エチル5‐ブロモバレラート、CH2Br(CH2)3COOC2H5)
1.95g(9.33mmol)を加え、室温にて30分間攪拌後、65℃にて15時間
攪拌した。過剰の水素化ナトリウムをエタノール、続いて水でクエンチさせ、有機層をト
ルエンに溶解して水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で、濃縮した。濃
縮残渣をメタノールで数回洗浄し、オレンジ結晶の化合物9 1.06g(収率96%)
を得た。
化合物9 0.98g(1.39mmol)のTHF溶液 20mLに10%水酸化ナト
リウム水溶液(4.16mmol)を加え、50℃にて1時間攪拌した。さらに、THF
20mL、エタノール 4mL、10%水酸化ナトリウム水溶液(11.1mmol)を
加え、60℃にて3時間攪拌した。析出結晶をろ別し、THFで洗浄した。得られた固体
にTHFと塩酸を加えて溶解し、不溶物をろ過にて除去した。ろ液を減圧下で濃縮し、こ
げ茶色結晶の化合物10 0.69g(収率73%)を得た。この化合物10は、第三ア
ミン化合物SP−1である(より正確に言えば、図2に示す蛍光プローブSp−1におい
て、分子鎖oligo(オリゴヌクレオチド)が結合される前の状態の芳香族第三アミン
化合物である。)。
化合物10 0.69g(1.02mmol)のTHF溶液 20mLに N,N'-dicycloh
exylcarbodiimide(N,N’‐ジシクロヘキシルカルボジイミド、DCC、C(NC6H1
1)2)0.43g(2.04mmol)、N-hydroxysuccinimide(N‐ヒドロキシスクシ
ンイミド、HOSu、C4H5NO3)0.24g(2.04mmol)を加え、室温にて1
6時間攪拌した。減圧下で溶媒を除去し、濃縮残渣にメタノールを加えて洗浄し、赤色結
晶のSP−1−OSu 0.70g(収率88%、純度97.2%、HPLC(High perf
ormance liquid chromatography、高速液体クロマトグラフィー))を得た。
OSu→SP−1−OSu+H2O}によって、合成することができる。より正確に言え
ば、図2に示す蛍光プローブSp−1において、分子鎖oligo(オリゴヌクレオチド
)が結合される前の状態の第三アミン化合物をDy−OHとする時、反応{(Dy−OH
+HOSu→Dy−OSu+H2O)によって、中間体化合物Dy−OSuを合成するこ
とができる。
成と同様にして、分子鎖oligoが結合される前の状態のアミン化合物BSA−2(図
3に示すBSA−2、R47=CH3である。)と、HOSu(N−ヒドロキシスクシンイ
ミド)の反応によって、合成することができる。
ド)が結合される前の状態の芳香族第三アミン化合物をDy−ORと表わし、Rを、−H
、又は、アルキル基、例えば、−CH3とする時、反応{(Dy−OR+HOSu→Dy
−OSu+ROH)によって、中間体化合物Dy−OSuを合成することができる。
(核磁気共鳴)スペクトルを説明する図である。
、各信号ピークのケミカルシフト値を上部に示し、信号ピークの近傍に信号強度を示して
いる。なお、NMRスペクトルは、日本電子株式会社の型番JNM−AL400 FT
NMR装置を用いて測定した。
),2.84(m,2H),3.98(m,2H),6.84(m,4H),7.14−
7.49(m,10H),7.65(d,1H),7.79(d,1H),7.89−8
.00(m,3H),8.72−8.29(m,2H),8.54(s,1H),8.6
2(s,1H)
1.9〜4.0ppmに脂肪族水素が15個、6.8〜8.6ppmに芳香族水素が2
3個観測されており、SP−1−OSuの分子構造と一致する。
トルを説明する図である。
Desorption Ionization−Time Of Flight−Mass Spectrometer、マトリックス支援レーザ
ー脱離イオン化法−飛行時間型−質量分析計)によって測定されたスペクトルであり、島
津製作所製の型番KRATOS AXIMA−CFRの装置を用いて測定した。
算値774.28に対して、測定された各ピークに関するm/z(m:分子量、z:電荷
数)とパターン係数(出現頻度係数)から求めた分子量は774.86であった。
物SP−1−OSuが所望のものであることを示していた。
次に、合成された中間体化合物SP−1−OSuの吸収、発光特性について説明する。
吸収スペクトル、発光スペクトルは、日立製作所製の型番U−3310分光光度計および
FL―4500蛍光光度計を用いて測定した。
ルを説明する図であり、図18(A)は溶液状態でのスペクトル、図18(B)は乾燥状
態でのスペクトルを示す図である。
.0に規格化した強度を示す。
a))、蛍光スペクトル(図18(A)中(b))について説明する。
収スペクトルの極大位置は474nmであり、モル吸光係数は120,000M-1cm-1
であった。また、蛍光スペクトルの極大位置は650nmであり、蛍光収率は0.008
1であった。吸収及び蛍光スペクトルの極大位置から求めたストークスシフトは、176
nmであった。なお、蛍光収率は、基準物質としてローダミン101(絶対蛍光収率が0
.96)を用いて、次式によって相対蛍光収率を算出する相対蛍光収率測定によった。
QYf(s)/QYf(r)=[Area(s)/Abs(s)]/[Area(r)/A
bs(r)]
QYf(s):サンプルの相対蛍光収率
QYf(r):標準物質の絶対蛍光収率、文献値
Area(s):サンプルの蛍光スペクトル面積
Area(r):標準物質の蛍光スペクトル面積
Abs(s):サンプルの吸光度
Abs(r):標準物質の吸光度
a))、蛍光スペクトル(図18(B)中(b))について説明する。
、化薬マイクロケム製)をシクロペンタノンで50%に希釈して、スピンコート(まず、
500rpmで15秒、次に、1500rpmで30秒保持)した後に、2分間100℃
で乾燥した。50mW/cm2のキセノンランプで6秒紫外線照射して光硬化させ、15
0℃で10分アニールした。エポキシ樹脂付き基板を、3−アミノプロピルトリエトキシ
シランと共に120℃のオーブン中で加熱し、基板上にアミノ基を導入した。DMFに1
0mMの濃度でSP−1−OSuを溶解し、アミノ基付き基板を2時間浸漬して基板上に
SP−1−Osuを担持させた。基板上の乾燥状態にあるフイルム状中間体SP−1−O
Suの励起スペクトルの極大位置は484nmであった。また、蛍光スペクトルの極大位
置は556nmであった。吸収及び蛍光スペクトルの極大位置から求めたストークスシフ
トは、72nmであった。
きなストークスシフトを示した。このことは、所望の領域外の光を遮断し所望の領域内の
光を透過させ試料に照射される励起光を通過させる励起フィルタの光通過波長領域が、蛍
光スペクトルが存在する波長領域と重畳しないように、且つ、励起光を遮断すると共に蛍
光スペクトルが存在する波長領域の大部分からの光を透過させるような蛍光フィルタの設
計が、容易となる。即ち、励起フィルタの光通過波長領域と、蛍光フィルタの光通過波長
領域が十分に分離するようにできるので、試料から放射された蛍光とその他の不要な迷光
等とを分離することが容易となる。
9(A)は、5xSSCバッファー液で測定されたIC3−OSu(Cy3)に関するス
ペクトル、図19(B)は、THF液中で測定されたFITC−Iに関するスペクトルで
ある。
、(b)は蛍光スペクトルと蛍光フィルタを示す。図19(A)、図19(B)に示す例
では、励起フィルタと蛍光フィルタは非常に近接した波長域の通過帯域をもつものとなっ
ている。励起フィルタと蛍光フィルタの透過率データはセムロック社公開のデータである
。
アバイオサイエンス社製のCy3に類似するものである。FITC−Iは、フルオロセイ
ンにイソチオシオナート基を結合させたものである。
、図19(B)に示すようにFITC−Iでは、ストークスシフトは約25nmである。
液状態の何れにおいても、IC3−OSu、FITC−Iよりもはるかに大きなストーク
スシフトを有している。
ろ、Cy3は1ヶ月で色が消失したが、SP−1では変化が生じなく、耐光性に優れてい
ることが確認された。
して、再現性のある繰り返し測定を困難なものするが、SP−1はこのよう劣化をせず、
再現性のある繰り返しの測定にも使用可能である。
って検討した結果について説明する。
Cy3(上述の式(a)において、N+−C10H14O4Nの部分をN−CH3と変更し、N
C2H5の部分をN−CH3と変更した色素である。)と、分子式C42H29N3で示される色
素SP(図15に示す化学式8において−OHを−CH3で置換された構造を有する色素
である。)を検討の対象とした。
適化を行い基底状態におけるHOMO(Highest occupied molecular orbital、最高被占
分子軌道)、LUMO(Lowest occupied molecular orbital、最低被占分子軌道)のエ
ネルギー準位を求め、次に、基底状態におけるHOMOから1電子をそのスピンを反転さ
せてLUMOに移して励起状態の始状態として、励起状態の構造最適化がなされた核再安
定化後におけるHOMO、LUMOのエネルギー準位を求めた。また、基底状態と励起状
態における構造の変化を調べた。
MOとLUMOのエネルギー準位ギャップはそれぞれ、6.26eV、2.56eVであ
り、ストークスシフトは3.7eVであった。
OとLUMOのエネルギー準位ギャップはそれぞれ、7.22eV、2.39eVであり
、ストークスシフトは4.83eVである。色素SPのストークスシフトは、色素Cy3
のストークスシフトよりも大きな値である。
が関係しており、励起に伴う構造の変化、即ち、基底状態と励起状態における構造の変化
は小さい。色素Cy3は、励起されても電子雲の広がりが基底状態とあまり変わらないの
で、構造の変化が小さくストークスシフトが小さい。
オレフィン二重結合の電子密度が高いので、求電子反応を起し易く、酸素の攻撃を受け酸
化され易い。
変化は、(1)フェナントレン環の上面から見た時、フェナントレン環とフェニル環を結
ぶオレフィン(エチレン)二重結合周りの捩れ角が異なっている点、(2)上記のオレフ
ィン二重結合の軸方向から見た時、アミン窒素(N)周りの角度が異なっている点、(3
)アミン窒素(N)と上記のオレフィン二重結合の間のフェニル環の側面から見た時、フ
ェンアントレン環とフェニル環(アミン窒素(N)と上記のオレフィン二重結合の間の環
)がそれぞれなす平面間の角度が異なり、フェナントレン環の平面性、即ち、フェニル環
のなす平面に対するフェナントレン環のなす平面の位置関係が異なっている点に認められ
た。
は電子吸引性のフェナントレン部に電子が局在しており、基底状態から励起状態への遷移
は電荷移動型であり、上記のオレフィン二重結合の電子密度は小さい。HOMOとLUM
Oでは電子分布の状態が異なる結果、上記(2)及び(3)に示した構造的相違が生じて
いる。
のオレフィン二重結合が大きく捩れて構造変化するため、励起状態の構造と基底状態の構
造の差は大きく、ストークスシフトが大きくなる。また、上記のオレフィン二重結合の電
子密度は小さいので、求電子反応を起し難く、酸素の攻撃を受け酸化され難い。
偏りを大きくするアミン部(例えば、アミン窒素にフェニル環、ナフチル環が結合してな
るアミン部であり、電子を押出すドナー部である。)と、シアノアレーン(例えば、シア
ノ基で置換されたフェナントレン環であり、電子を吸引するアクセプタ部である。)が結
合されているため、分子内に電荷の偏りが生じ分子内の電荷移動に由来する吸収帯を長波
長側に生じ、このため、蛍光波長は長波長化される。
以上の波長域で検出感度が改善された光電子増倍管(PMT)、例えば、光電陰極にGa
AsPを使用したPMT等を使用すればよい。
シフトが大きく、しかも、耐光性が高い。従って、励起フィルタの光通過波長領域と、蛍
光フィルタの光通過波長領域が十分に分離することができるので、試料から放射された蛍
光とその他の不要な迷光等とを分離することができ、検査対象分子を高感度、高SN比で
検出することができる。また、耐光性が優れているので、微量分子を検出する際に励起光
の強度を高めても、標識化合物の光劣化によって生じるデータばらつきは殆んど生じなく
、安定した繰り返し測定が可能であり、繰り返し測定の再現性を改善することができる。
上記の中間体化合物SP−1−OSu(A14)と、DNA固相合成機を使用して合成
されたオリゴヌクレオチド(塩基数はn=30である。)(A13)を、図9、図10に
示したスキームに従って反応させて、3’アミノ基の脱保護を行い、3’−アミノ−5’
−SP−1オリゴヌクレオチドプローブ(A17)を合成した。
MALDI−TOF−MSによってその純度、構造を確認した。
ヌクレオチドプローブの合成スキーム(図8〜図10を参照。)に使用される化合物であ
るが、この中間体SP−1−OSuを、生体分子と共有結合可能である化合物、即ち、先
述した蛍光標識化合物として使用することもできる。
−スクシンイミドエステル基、(NHS基、OSu基のように呼ばれている。)を有して
いるエステルであり、アミノ酸、タンパク質におけるアミノ基との間で共有結合を生じる
。従って、中間体SP−1−OSuを蛍光標識化合物として使用することができる。
子に結合させて標識し、光励起によって蛍光を発生させることができ、生体分子を検出す
ることができるので、生体分子のための蛍光標識化合物として使用することができる。
るものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形が可能である。
ぞれ結合させて、これら分子にそれぞれ結合する抗体分子、レセプタ分子、レクチン分子
を検出することもできる。
きる標識化合物を提供することができる。
Claims (10)
- 下記一般式[I]で示された芳香族第三アミン化合物からなり、酵素、タンパク質、糖、核酸、オリゴヌクレオチド、脂肪類又はアミノ酸からなる検査対象分子と結合可能な分子鎖を有している標識化合物。
一般式[I]:
nは0又は1であり、
S1は、主鎖部に下記GP1から選択された二価の基を含んでもよいアルキル鎖を含む二価のスペーサに、前記分子鎖が結合された分子鎖結合基を含み、S2は下記Gp2から選択された基であり、
R1、R2は、同一又は異なってもよく、ヒドロ基、アルキル基、ヘテロ原子を含んでもよいアリール基から選択された基であり、
R3は、ヒドロ基、下記Gp2から選択された基を置換基として有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいビニル基から選択された基であり、
Ar 1 はナフチレン基であり、Ar2 はアリーレン基又はビニレン基であってアルキル基、アリール基、シアノ基、トリフルオロメチル基、ハロ基から選択された置換基を少なくとも一箇有し、nが1の場合、Ar1とR1、又は/及び、Ar2とR2が相同して環を形成していてもよく、
Gp1は二価の基であり、ヘテロ原子を含んでもよいアリーレン基、ビニレン基、カルボニル基、オキシ基、オキシカルボニル基、チオ基、スルフィニル基、スルホニル基、イミノ基、ウリレン基、アミド基、シリレン基であり、
Gp2は一価の基であり、ヒドロ基、アルキル基、アリール基、置換基を含んでもよいビニル基、アミノ基、メルカプト基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、スルフィノ基、スルホ基、カルボキシ基、ハロ基である。) - 前記アルキル鎖の炭素数が3以上、20以下である、請求項1に記載の標識化合物。
- 前記検査対象分子が生体由来分子である、請求項1に記載の標識化合物。
- 前記分子鎖がオリゴヌクレオチドである、請求項3に記載の標識化合物。
- 前記オリゴヌクレオチドの長さが5mer以上、20mer以下である、請求項4に記載の標識化合物。
- 前記オリゴヌクレオチドがその相補鎖配列を有する前記生体由来分子の相補鎖オリゴヌクレオチドを検出するためのプローブとして使用される、請求項4に記載の標識化合物。
- R3が、フェニル基又はナフチル基である、請求項1に記載の標識化合物。
- Ar2が、フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、フェナントレン基の何れかである、請求項1に記載の標識化合物。
- 前記一般式[I]におけるAr1−(CR1=CR2)n−Ar2(nは0又は1)は、繰り返し単位(C=C−)を含み、この繰り返し単位の繰り返し数をmとする時、m≧6であるN−(C=C−)mを有する、請求項1に記載の標識化合物。
- 請求項1から請求項9の何れか1項に記載の標識化合物を、前記検査対象分子に結合させる工程と、
光の照射によって、前記検査対象分子と結合した前記標識化合物から発する蛍光を検出する工程と、
を有する、標識化合物を用いた検査対象分子の検出方法。
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