インターネットプロトコル(IP)による通信を行なうIPネットワークにおいて、更にモバイルIP(MIP:Mobile-IP)(非特許文献1参照)を用いる移動通信ネットワークでは、ノードとしてのホームエージェント(HA:Home
Agent)を通してインターネットに接続される携帯パソコン、携帯電話端末等の移動端末(MN : Mobile Node)が、自ノードの位置情報を、対応するホームエージェント(HA:Home
Agent)に通知することにより位置登録を行う。
ホームエージェントでは通知された位置情報をバインディングキャッシュ(BC:Binding Cache)として維持管理する。さらに、ホームエージェントは通信ノード(CN: Correspondent Node)からの移動端末宛てのパケットをバインディングキャッシュに従い転送を行う。
また、移動端末は経路を最適化するために通信ノードに対して位置登録を行う場合、通信ノードはバインディングキャッシュに従い、ホームエージェントを、経由することなくパケットを直接移動端末宛てに送信する。
これらは、モバイルIP(MIP:Mobile-IP)のインターネットプロトコル6(IPv6)版であるモバイルIPv6(MIPv6:Mobile-IPv6)(例えば、非特許文献2参照)でも同様である。
また、移動端末の移動先のネットワークに代理のホームエージェント相当のノードである移動アンカーポイント(MAP: Mobility Anchor Point)を設置することにより高速なハンドオーバーをサポートする階層化モバイルIP(HMIP :
Hierarchical Mobile-IP)(例えば、非特許文献3参照)とそのインターネットプロトコル6(IPv6)版である階層化モバイルIPv6(HMIPv6
: Hierarchical Mobile-IPv6)(非特許文献4参照)でも同様である。
かかる移動通信ネットワークにおいて、ノードとしてのホームエージェントHA、通信ノードCN及び移動アンカーポイントMAPが移動端末MNから通知される位置情報をバインディングキャッシュBCとして維持管理することにより通信ノードCNから移動端末MNへのパケット転送を可能とする。
この時、移動端末MNから登録されたバインディングキャッシュBCを保持している各ノードに障害が発生した場合、障害から該当ノードが復旧しても、保持していたバインディングキャッシュBCが復旧されない限り、通信ノードCNから移動端末MN宛てのパケット転送を行えない。
通常、バインディングキャッシュBCを保持している各ノードに障害が発生した場合、バインディングキャッシュBCの復旧は、移動端末MNからの任意のタイミングによる再位置登録要求に依存することになる。しかし、かかる対応による場合、通信ノードCNから移動端末宛てのパケットは到達しないか、もしくは意図しない(即ち、経路最適化されない)経路で到達することになる。
かかる不都合を解決する発明を、先に本発明者らが提案している(特許文献1)。この先に本発明者らが提案した発明では、障害が発生した各ノードが自律的にバインディングキャッシュBCのリカバリ動作を行うシステムも存在させている。しかし、このシステムはバインディングキャッシュBCのリカバリの際に自ノードが保持しているバインディングキャッシュBCのユニキャストアドレス宛にリカバリのためのパケットを送信するために、障害復旧直後にリカバリのための輻輳が発生するという問題を未だ抱えている。
また別の発明として、ホームエージェントおよびフォーリンエージェントがマルチキャスト宛のパケットを定期的に送信することにより、移動ノードが移動したことを検出する仕組みを特徴とすることが示されている(特許文献3)。
さらに、別の発明として、ローカルなマルチキャストパケットを移動端末に転送する際に、別のマルチキャスト宛にカプセル化して転送することが示されている(特許文献3)。
以下に図面を参照して本発明の実施の形態例を説明するが、これに先立って本発明の理解を容易とするべく、本発明の課題の前提となる従来の移動通信ネットワークにおける問題について、更に考察する。
図1AにモバイルIPv6による位置登録と位置登録後のパケット転送の経路例を示す。図中のR1〜R4はルータを示す。インターネット等のIPネットワークIP−NWを通して、ルータR1〜R4のそれぞれに属するネットワーク間が接続されている。
図1Aにおいて、移動端末MNは、ルータR2の属するネットワークエリアにおいて位置登録を管理するホームエージェントHAのホームネットワークの登録位置からルータR3の属するネットワークエリアに移動した場合、外部リンク(Link)により移動先のエリアのルータR3から定期的に流されるルータ広告メッセージより、気付けアドレス(CoA : Care-of
Address)を入手する。
そして、移動端末MNは、ホームエージェントHAに対して位置登録情報の送信を行う(ステップS1)。
ホームエージェントHAは移動端末MNからの位置登録情報を受信すると、バインディングキャッシュBCとして位置情報を維持管理する(ステップS2)。バインディングキャッシュBCは、ホームエージェントHAに対しホームアドレスとして登録する個々の移動端末に対応して維持管理される。
ここで、図1Bにテーブル化して、項目とそれに対する意味を示したように、ルータR3の属するネットワークに移動した移動端末MNからの位置登録情報には、移動端末MNのホームリンク(Link)上のアドレスであるホームアドレス(HoA:MN.home)と、移動端末MNの移動先リンク状の気付けアドレス(CoA : MN.r3)、更にバインディングキャッシュの有効時間である(Life
Time)が含まれる。尚、上記ホームアドレスは、本発明に従い、後に説明するバックアップバインディングキャッシュ(back-up BC:BBC)を検索するキーとなる。
図1Aに戻り説明すると、ホームエージェントHAは、移動端末MNからの位置登録に対し、応答として位置登録応答を返信する(ステップS3)。
一方、通信ノードCNは、移動端末MNの移動を認識していない場合、移動端末MNのホームアドレス(HoA:MN.home)宛てにパケットを送信する(ステップS4)。
ホームエージェントHAでは、通信ノードCNからのパケットをバインディングキャッシュBCを保持している移動端末MN宛てのパケットとして捕らえ、バインディングキャッシュBCに従い気付けアドレス(CoA :MN.r3)宛てにカプセル化して転送する(ステップS5)。
このように、移動端末MNがホームアドレス(HoA)から気付けアドレス(CoA)先に移動した場合であっても、移動を認識していない通信ノードCNから自端末当てのパケットを受信することができる。
図2にモバイルIPv6の経路最適化による位置登録と位置登録後のパケット転送の経路例を示す。なお、以降の各図において、各ノードとIPネットワークIP−NWとの接続は図1Aと同様であるので、図示簡単化のために省略している。
図1Aにおけると同様に、移動端末MNがルータR2に属するエリアをホームネットワークとする位置から移動した場合、移動端末MNは経路最適化を実施するか否かを判断し、経路最適化を実施する場合には、通信ノードCNに対して位置登録情報の送信を行う(ステップS1−1)。
通信ノードCNは移動端末MNからの位置登録情報を受信すると、バインディングキャッシュBCとして位置情報を管理する(ステップS2−1)。通信ノードCNは移動端末MNからの位置登録に対し、応答として位置登録応答を返信する(ステップS3−1)。通信ノードCNは移動端末MNに対してパケットを送信する場合、バインディングキャッシュBCに従い、気付けアドレス(CoA : MN.r3)宛てに送信する(S4−1)。
かかる図2の例では、ホームエージェントHAを介することなく通信ノードCNから移動端末MNに対して直接パケットを送信することができる。これによりホームエージェントHAでのパケット処理化が省略され、処理が短縮化し、経路の最適化ができる。
また、図3に階層化モバイルIPv6による位置登録と位置登録後のパケット転送の経路例を示す。
階層化モバイルIPv6では、移動端末MNが移動した場合、外部リンク(Link)においてオンリンク(on-Link)気付けアドレス(LCoA:MN.r3)と地区(Regional)気付けアドレス(RCoA:MAP)を入手する。これにより、移動アンカーポイント(MAP
: Mobility Anchor Point)に対して位置情報としてオンリンク気付けアドレス(LCoA)の位置登録情報を送信する(ステップS1−2)。
移動アンカーポイントMAPは移動端末MNからの位置登録情報を受信すると、バインディングキャッシュBCとして位置情報を管理する(ステップS2−2)。移動アンカーポイントMAPは移動端末MNからの位置登録に対し、応答として位置登録応答を返信する(ステップS3−2)。
移動端末MNは移動アンカーポイントMAPに位置登録情報を送信後、ホームエージェントHAに対しても位置登録情報を送信する(ステップS4−2)。この際、位置情報として地区気付けアドレス(RCoA)を使用する。
ホームエージェントHAは移動端末MNからの位置登録情報を受信すると、バインディングキャッシュBCとして位置情報を管理する(ステップS5−2)。そして、ホームエージェントHAは、移動端末MNからの位置登録に対し、応答として位置登録応答を返信する(ステップS6−2)。
ここで、通信ノードCNが移動端末MNの移動を認識していない場合、移動端末MNのホームアドレス(HoA)宛てにパケットを送信する(ステップS7−2)。ホームエージェントHAでは、バインディングキャッシュBCを保持している移動端末MN宛てのパケットとして取得し、バインディングキャッシュBCに従いカプセル化して地区気付けアドレス(RCoA:MAP)に転送する(ステップS8−2)。
移動アンカーポイントMAPでは、地区気付けアドレス(RCoA
)宛てのカプセル化されたパケットを受信すると逆カプセル化を行ない、バインディングキャッシュBCを保持している移動端末MN宛てのパケットと認識し、バインディングキャッシュBCに従い気付けアドレス(CoA)宛てにカプセル化して転送する(ステップS9−2)。
図4は、図3に示す階層化モバイルIPv6による位置登録と位置登録後のパケット転送に対し、経路最適化による位置登録と位置登録後のパケット転送の経路例を示す。
移動端末MNは、経路最適化を実施すべきかを判断し、経路最適化を実施する場合には、通信ノードCNに対して位置登録情報の送信を行う(S1−3)。この際、位置情報として地区気付けアドレス(RCoA)を使用する。通信ノードCNは、移動端末MNからの位置登録情報を受信すると、バインディングキャッシュBCとして位置情報を管理する(S2―3)。通信ノードCNは、移動端末MNからの位置登録に対し応答として位置登録応答を返信する(ステップS3−3)。これを移動アンカーポイントMAPで受信し、移動アンカーポイントMAPはバインディングキャッシュBCを保持している移動端末MN宛てのパケットをバインディングキャッシュBCに従い転送する(ステップS4−3)。
ここで、通信ノードCNは移動端末MNに対してパケットを送信する場合、バインディングキャッシュBCに従い、気付けアドレス(CoA)宛てに送信する(S5−3)。移動アンカーポイントMAPでは、地区気付けアドレス(RCoA)のパケットを受信し、バインディングキャッシュBCを保持している移動端末MN宛てのパケットと認識する。次いで、バインディングキャッシュBCに従い気付けアドレス(CoA)宛てにカプセル化して転送する(S6―3)。
ここで、上記移動端末MNからホームエージェントHAあるいは、通信ノードCNに送信する位置登録情報のフォーマットの例は、図5に示すごとくである。図5は、IPv6に従うフォーマットであり、ヘッダ部のみを示している。ヘッダ部は、IPv6ヘッダIと、終点オプションヘッダIIを有している。IPv6ヘッダIは、更に発信元IPアドレス(I−1)と送信先IPアドレス(I−2)を有する。
発信元IPアドレス(I−1)は、移動端末MNの移動先リンク上でのアドレスである気付けアドレス(CoA)であり、ネットワークアドレスとホストアドレスから構成される。送信先IPアドレス(I−2)は、ホームエージェントHAのホームアドレス(HoA)あるいは、通信ノードCNのアドレスあるいは移動アンカーポイントMAPのアドレスである。
終点オプションヘッダIIは、登録情報としてフラグII−1、登録情報の保持期間即ち、バインディングキャッシュBCの有効時間(life
time)II―2及び、移動端末MNのホームリンク上のアドレスである、ホームアドレス(HoA)II−3を含む。このホームアドレス(HoA)II−3は、バックアップ用バインディングキャッシュBCを検索する際のキーとなる。
図5Bの「位置登録メッセージ」は移動端末MNが位置情報を管理するノード(HA/MAP/CN)に対して、移動先の位置情報を通知するためのメッセージである。結合更新は、バインディングキャッシュの情報である。
図5Cの「位置登録応答メッセージ」は位置情報を管理するノード(HA/MAP/CN)が移動端末MNからの「位置登録メッセージ」に対する応答メッセージである。本メッセージに含まれる「移動オプション」内の「マルチキャストアドレス(Multicast
Address)」は本発明により定義するものであり、位置情報を管理するノード(HA/MAP/CN)から移動端末MNに対して通知するものである。
図5Dの「位置登録要求メッセージ(マルチキャストアドレス宛)」は位置情報を管理するノード(HA/MAP/CN)がバインディングキャッシュのリカバリを目的に移動端末MNに対して送信するメッセージである。
「送信先IPアドレス」の「マルチキャストアドレス」は、図5Cの「移動オプション」内に含まれる「マルチキャストアドレス(Multicast
Address)」であり、「グループ識別子」は位置情報を管理するノード(HA/MAP/CN)が任意に定義して移動端末MNに通知する。
図5Eの「位置登録要求メッセージ(ユニキャストアドレス宛)」は、位置情報を管理するノード(HA/MAP/CN)が「位置登録要求メッセージ(マルチキャストアドレス宛)」に対してMNからの応答として「位置登録メッセージ」を受信できなかった場合に送信するメッセージである。
ここで、図1A〜図4に示したように、モバイルIP(モバイルIPv6,
階層化モバイルIP, 階層化モバイルIPv6を含む)ではホームエージェントHA、通信ノードCN及び移動アンカーポイントMAPが移動端末MNから通知される位置情報をバインディングキャッシュBCとして維持管理することにより通信ノードCNから移動端末MNへのパケット転送を可能とする。
この時、移動端末MNから登録されたバインディングキャッシュBCを保持している各ノードに障害が発生した場合、障害から各ノードが復旧しても、保持していたバインディングキャッシュBCが復旧されない限り、通信ノードCNから移動端末MN宛てのパケット転送を行えない。
通常、このバインディングキャッシュBCの復旧タイミングは、移動端末MNからの任意のタイミングによる再位置登録要求に依存することになる。
図6にモバイルIPv6においてホームエージェントHAに障害が発生した場合の例を示す。
ホームエージェントHAに障害が発生し、維持管理していたバインディングキャッシュBCが消滅し、その後ホームエージェントHAが障害から復旧する(ステップS1−4)。通信ノードCNは経路最適化のためのバインディングキャッシュBCを保持していないため、移動端末MNのホームアドレス(HoA)宛てにパケットを送信する(ステップS2−4)。
ホームエージェントHAではバインディングキャッシュBCが消滅しているため、通信ノードCNから移動端末MNのホームアドレス(HoA)宛てのパケットを移動端末MNの移動先に転送できない(ステップS3−4)。
図7は、図2に示すモバイルIPv6における経路最適化の登録例において、通信ノードCNに障害が発生した場合の例を示す。通信ノードCNに障害が発生し、維持管理していたバインディングキャッシュBCが消滅し、その後通信ノードCNが障害から復旧する(ステップS1−5)。
通信ノードCNは経路最適化のためのバインディングキャッシュBCが消滅しているため、移動端末MNのホームアドレス(HoA)宛てにパケットを送信する(ステップS2−5)。図7では、ホームエージェントHAが移動端末MNの気付けアドレス(CoA)宛てにパケットを転送する(ステップS3−5)ため、通信ノードCNから移動端末MN宛てのパケットは、移動端末MNに到達するが、意図している経路最適化は実施されない状態となる。
図8は、図3における階層化モバイルIPv6においてホームエージェントHAに障害が発生した場合の例を示す。ホームエージェントHAに障害が発生し、維持管理していたバインディングキャッシュBCが消滅し、その後ホームエージェントHAが障害から復旧する(ステップS1−6)。
通信ノードCNは経路最適化のためのバインディングキャッシュBCを保持していないため、移動端末MNのホームアドレス(HoA)宛てにパケットを送信する(S2−6)。
ホームエージェントHAではバインディングキャッシュBCが消滅しているため、通信ノードCNから移動端末MNのホームアドレス(HoA)宛てのパケットを移動端末MNの移動先に転送できない(S3−6)。
図9に図3における階層化モバイルIPv6において移動アンカーポイントMAPに障害が発生した場合の例を示す。この例では、通信ノードCNは経路最適化のためのバインディングキャッシュBCを保持していない。
移動アンカーポイントMAPに障害が発生し、維持管理していたバインディングキャッシュBCが消滅し、その後移動アンカーポイントMAPが障害から復旧する(ステップS1−7)。
通信ノードCNは経路最適化のためのバインディングキャッシュBCを保持していないため、移動端末MNのホームアドレス(HoA)宛てにパケットを送信する(ステップS2−7)。
ホームエージェントHAでは移動端末MNのホームアドレス(HoA)宛てのパケットをバインディングキャッシュBCに従い気付けアドレス(CoA)宛てにカプセル化して転送する(ステップS3−7)。
しかし、移動アンカーポイントMAPではバインディングキャッシュBCが消滅しているため、ホームエージェントHAから送信されたパケットを移動端末MNの移動先に転送できない(ステップS4−7)。
図10に図4における経路最適化において、階層化モバイルIPv6において移動アンカーポイントMAPに障害が発生した場合の例を示す。この例では、通信ノードCNは経路最適化のためのバインディングキャッシュBCを保持している。
移動アンカーポイントMAPに障害が発生し、維持管理していたバインディングキャッシュBCが消滅し、その後移動アンカーポイントMAPが障害から復旧する(S1−8)。
通信ノードCNは経路最適化のためのバインディングキャッシュBCを保持しているため、バインディングキャッシュBCに従い気付けアドレス(CoA)宛てにパケットを送信する(S2−8)。
移動アンカーポイントMAPではバインディングキャッシュBCが消滅しているため、通信ノードCNから送信されたパケットを移動端末MNの移動先に転送できない(S3−8)。
上記図6〜図10に示したように、バインディングキャッシュBCを保持している各ノードに障害が発生した場合、通信ノードCNから移動端末宛てのパケットは到達しないか、もしくは意図しない(即ち、経路最適化されない)経路で到達することになる。
更に、バインディングキャッシュBCの復旧タイミングは、移動端末MNからの任意のタイミングによる再位置登録要求に依存することになる。
かかる不都合に鑑みて先に本発明者らは、図11に示すような復旧手順を提案している(特許文献1)。すなわち、図11に示す態様は、図1Aに対応するモバイルIPv6において、ホームエージェントHAが移動端末MNからバインディングキャッシュBCをバックアップ用バインディングキャッシュBCに複写する手順を有することに特徴を有する。
ホームエージェントに障害が発生し、維持管理していたバインディングキャッシュBCが消滅し、その後ホームエージェントHAが障害から復旧する(ステップS1−9)。ホームエージェントHAが復旧した際、正常時に保存しておいたバックアップ用バインディングキャッシュBCを検索し、位置情報が記憶されていた場合、移動端末MNに対して位置登録要求を送信する(ステップS2−9)。
移動端末MNは、ホームエージェントHAからの位置登録要求を受信した場合、位置登録をホームエージェントHAに送信する(ステップS3−9)。
ホームエージェントHAは、移動端末MNからの位置登録を受信した場合、位置情報として維持管理を開始し、バックアップバックアップ用バインディングキャッシュBCに位置情報を上書き複写する(ステップS4−9)。
通信ノードCNは移動端末MNのHoA宛てにパケットを送信する(ステップS5−9)。ホームエージェントHAではバインディングキャッシュBCがリカバリされているため、移動端末MNのHoA宛てのパケットをBCに従い転送する(ステップS6−9)。
ここで、図10に示したリカバリ方式では、バックアップ用バインディングキャッシュBCに多数の位置情報が記憶されていた場合、障害から復帰直後のホームエージェントHAから、位置登録の要求が連続して大量に送信される(ステップS2−9)。また、MNが位置登録の要求に対する応答として位置登録を送信する(ステップS3−9)ため、ホームエージェントHAは大量の位置登録を受信することになる。これらステップS2−9及びステップS3−9の処理のため、ホームエージェントHAにおいて輻輳が発生し、再度障害を引き起こすこともあり得る。
したがって、本発明は、更にホームエージェントHA、通信ノードCN及び、移動アンカーポイントMAPの各ノードが、障害復旧時に輻輳を回避してバインディングキャッシュBCのリカバリを行う方式を提供するものである。そして、その構成の概要は、次のようである。
ホームエージェントHA、通信ノードCN及び、移動アンカーポイントMAPは、移動端末MNからの位置登録を受けた場合、バインディングキャッシュBCの複写(バックアップ用バインディングキャッシュBC)を作成し、維持管理する。これにより、障害発生前に保持していたバインディングキャッシュBCの取得が可能となる。
ホームエージェントHA、通信ノードCN及び、移動アンカーポイントMAPは、取得したバインディングキャッシュBCが有効か確認するために、バインディングキャッシュBCに格納されている移動端末MNに対して位置登録を要求する。
この際、先の特許文献1で示された方式の問題となる障害ノードの輻輳を回避するため、本発明の特徴として、移動端末MNに対して位置登録を要求するパケットの宛先には予め通知しておいたマルチキャストアドレスを指定する。
マルチキャストアドレス宛の位置登録要求に対して移動端末MNが位置登録を返信してきた場合は、そのバインディングキャッシュBCを有効と認識し、維持管理する。マルチキャストアドレス宛の位置登録の要求に対して移動端末MNが位置登録を返信してこない場合、マルチキャストを未サポートのルータが存在することもあり得るため、移動端末MNのユニキャストアドレス宛の位置登録要求を送信し、移動端末MNが位置登録を返信してきた場合は、そのバインディングキャッシュBCを有効と認識し、維持管理する。
マルチキャスト/ユニキャストアドレス宛の位置登録の要求に対して移動端末MNが位置登録を返信してこない場合、そのバインディングキャッシュBCは無効と認識し、削除する。
図12に、本発明に従う、MIPv6におけるホームエージェントHAのバインディングキャッシュリカバリの第1の方法を示す図である。
図12において、MIPv6においてホームエージェントHAが移動端末MNからバインディングキャッシュBCをバックアップ用バインディングキャッシュBCに複写する手順、及びホームエージェンHAから移動端末MNにマルチキャストアドレスを通知する手順を示す。
移動端末MNが移動した場合、移動端末MNは外部LinkにおいてユニキャストアドレスCoAを入手し、ホームエージェントHAに対して位置登録の送信を行う(ステップS1−10)。
ホームエージェントHAは、移動端末MNからの位置登録を受信すると、移動端末MNからの位置情報をバインディングキャッシュBCとして位置情報を管理する。この時、バックアップ用バインディングキャッシュBCとして、バインディングキャッシュBCを複写する(ステップS2−10)。
ホームエージェントHAは、移動端末MNからの位置登録に対し応答として位置登録応答を返信する。このとき、応答にマルチキャストアドレスを含める(ステップS3−10)。移動端末MNはホームエージェントHAからの位置登録応答を受信した際にマルチキャストアドレスが存在した場合は、近隣ルータに対してインターネットグループ管理プロトコル(IGMP:Internet Group Management Protocol)のマルチキャストリスナーレポート(Multicast
Listener Report)を使用してマルチキャストのグループ識別子(GRP-ID)の登録を行う(ステップS4−10)。
このとき、必要であればマルチキャストルータからのマルチキャストリスナークェリー(Multicast Listener Query)に対する応答としてマルチキャストリスナーレポート(Multicast Listener
Report)を送信する。
移動端末MNに対する近隣ルータであるルータR3は、マルチキャストルータとしてグループ識別子(GRP-ID)を登録し、マルチキャストルータ間での任意のプロトコルに従い、マルチキャストルータであるR2間の経路を設定する。
図13は、本発明に従う、MIPv6におけるホームエージェントHAのバインディングキャッシュリカバリの第2の方法を示す図である。
図13によりMIPv6において、ホームエージェントHAに障害が発生した場合、ホームエージェントHAが障害から復旧し、バインディングキャッシュBCの有効性の確認をして、バインディングキャッシュBCを有効と認識して維持管理を開始する手順を示す。
ホームエージェントHAに障害が発生し(ステップS1−11)、後に障害が復旧して再起動された場合、バックアップ用バインディングキャッシュBCに位置情報が記憶されているかを検索し、一つでも記憶されていた場合移動端末MNのマルチキャストアドレス宛に位置登録要求を送信する(ステップS2−11)。
ついで、ルータR2はホームエージェントHAからのマルチキャストアドレス宛の位置登録要求をマルチキャストの転送規則に従い転送する(ステップS3−11)。
ルータR3は、ホームエージェントHAからのマルチキャストアドレス宛の位置登録要求をマルチキャストの転送規則に従い転送する(ステップS4−11)。移動端末MNはホームエージェントHAからの位置登録要求を受信した場合、位置登録をホームエージェントHAに送信する(ステップS5−11)。
ホームエージェントHAは移動端末MNからの位置情報を受信した場合、位置情報として維持管理を開始する。この時、バックアアップ用バインディングキャッシュBCに複写を行う(ステップS6−11)。
通信ノードCNは移動端末MNのホームアドレス(HoA)宛てにパケットを送信する(ステップS7―11)。ホームエージェントHAではバインディングキャッシュBCが修復されているため、移動端末MNのホームアドレス(HoA)宛てのパケットをバインディングキャッシュBCに従い転送する(ステップS8−11)。
図14は、本発明に従う、MIPv6におけるホームエージェントHAのバインディングキャッシュリカバリの第3の方法を示す図である。
図14によりMIPv6において、ホームエージェントHAに障害が発生した場合、ホームエージェントHAが障害から復旧しバインディングキャッシュBCの有効性の確認をしてバインディングキャッシュBCを有効と認識して維持管理を開始する手順を示す。
図13と異なるのは、移動端末MNの近隣ルータであるルータR3がマルチキャストをサポートしていない場合、ホームエージェントHAが位置登録要求をユニキャストアドレス宛に再送する点である。
ステップSS1−12〜S3−12は、図13のS1−11〜S3−11と同じである。
ルータR3がマルチキャストをサポートしていない場合、ホームエージェントHAからのマルチキャストアドレス宛の位置登録要求を転送できないため、位置登録要求が移動端末MNに到達しない(ステップS4−12)。
マルチキャストアドレス宛の位置登録要求に対して応答が返信されなかった場合、ホームエージェントHAはバックアアップ用バインディングキャッシュBCに記憶していたユニキャストアドレス(CoA)宛に対して位置登録要求を送信する(ステップS5−12)。
移動端末MNはホームエージェントHAからの位置登録要求を受信した場合、位置登録をホームエージェントHAに送信する(ステップS6−12)。
ホームエージェントHAは移動端末MNからの位置情報を受信した場合、位置情報として維持管理を開始する。この時、バックアアップ用バインディングキャッシュBCに複写を行う(ステップS7−12)。
通信ノードCNは、移動端末MNのホームアドレスHoA宛てにパケットを送信する(ステップS8−12)。ホームエージェントHAではバインディングキャッシュBCが修復されているため、移動端末MNのホームアドレスHoA宛てのパケットをバインディングキャッシュBCに従い転送する(ステップS9−12)。
図15は、本発明に従う、MIPv6におけるホームエージェントHAのバインディングキャッシュリカバリの第4の方法を示す図である。
図15によりMIPv6において、ホームエージェントHAに障害が発生した場合、ホームエージェントHAが障害から復旧しバインディングキャッシュBCの有効性の確認をして、バインディングキャッシュBCを有効と認識して維持管理を開始する手順を示す。
図13,14の場合とは異なり、ホームエージェントHAが復旧前に移動端末MNが他リンクに移動しているが、近隣ルータであるルータR4にIGMPのマルチキャストリスナーレポートを使用してマルチキャストのグループ識別子GRP-IDの登録を行っている。このため、ホームエージェントHAからのマルチキャストアドレス宛の位置登録要求が到達し、バインディングキャッシュBCのリカバリが正常に行える点に特徴を有する。
S1−13〜S4−13は図14のS1−12〜S4−12と同じである。
移動端末MNはホームエージェントHAが復旧する前にルータR4の属する他リンクに移動しているため、ホームエージェントHAからの位置登録要求を受信できない(ステップS5−13)。
移動端末MNは移動後に、近隣ルータであるルータR4に対して、IGMPのマルチキャストリスナーレポートを使用してマルチキャストのグループ識別子GRP-IDの登録を行う(ステップS6−13)。このとき、必要であればマルチキャストルータからのマルチキャストリスナークェリーに対する応答としてマルチキャストリスナーレポートを送信する。
近隣ルータであるルータR4は、マルチキャストルータとしてグループ識別子GRP-IDを登録し、マルチキャストルータ間での任意のプロトコルに従い、マルチキャストルータであるルータR2間の経路を設定する。
ルータR4は、ホームエージェントHAからのマルチキャストアドレス宛の位置登録要求をマルチキャストの転送規則に従い転送する(ステップS7−13)。移動端末MNは移動後にホームエージェントHAへの位置登録を実施していないため、通常ホームエージェントHAからの位置登録要求は到着しない。しかし、移動端末MNが移動後に近隣ルータであるR4に対してIGMPのマルチキャストリスナーレポートを使用してマルチキャストのグループ識別子GRP-IDの登録を実施済みの場合、ホームエージェントHAからの位置登録要求を受信する(ステップS8−13)。
移動端末MNはホームエージェントHAからの位置登録要求を受信した場合、位置登録をホームエージェントHAに送信する(ステップS9−13)。ホームエージェントHAは、移動端末MNからの位置情報を受信した場合、位置情報として維持管理を開始する。この時、バックアップ用部バインディングキャッシュBCに複写を行う(ステップS10−13)。
通信ノードCNは、移動端末MNのホームアドレス(HoA)宛てにパケットを送信する(ステップS11−13)。ホームエージェントHAではバインディングキャッシュBCが修復されているため、移動端末MNのホームアドレス(HoA)宛てのパケットをバインディングキャシュBCに従い転送する(ステップS12−13)。
図16は、本発明に従う、MIPv6におけるホームエージェントHAのバインディングキャッシュリカバリの第5の方法を示す図である。
図16によりMIPv6において、HAに障害が発生した場合、HAが障害から復旧し、バインディングキャシュBCの有効性の確認をしてバインディングキャシュBCを無効と認識してバックアアップバインディングキャッシュBBCの位置情報を削除する手順を示す。
S1−14〜S5−14は、図14のS1−13〜S5−13と同じである。
S6−14において、ルータR2は移動端末MNの移動先の近隣ルータであるルータR4間とはマルチキャストアドレス宛のパケット転送の経路を確立できていないため、HAからのマルチキャスト宛のパケットを転送しない。
R2−R3間でマルチキャストアドレス宛のパケット転送の経路が確立できていないため、移動端末MNにはホームエージェントHAからのマルチキャストアドレス宛の位置登録要求が到達しない(ステップS7−14)。
マルチキャストアドレス宛の位置登録要求に対して応答が返信されなかった場合、ホームエージェントHAはバックアアップバインディングキャッシュBBCに記憶していたユニキャストアドレス(CoA)宛に対して位置登録要求を送信する(ステップS8−14)。
移動端末MNはホームエージェントHAが再起動前に他リンクに移動しているため、ユニキャストアドレス宛の位置登録要求は移動端末MNに到達せず、受信されない(ステップS9−14)。
ついで、ホームエージェントHAは移動端末MNに送信した位置登録要求に対する応答がない場合、バックアアップバインディングキャッシュBBCに記憶していた位置情報を無効と認識し、バックアアップバインディングキャッシュBBCの位置情報を削除する(ステップS10−14)。
移動端末MNが移動先でHAからの位置登録要求を受信できないのは、以下の場合である。
・移動端末MNが移動後に近隣ルータに対してIGMPのMulticast
Listener Reportを送信していない。
・移動端末MNが移動後に近隣ルータに対してIGMPのMulticast
Listener Reportを送信しているが、近隣ルータがマルチキャストルータではない。
・移動端末MNが移動後に近隣ルータに対してIGMPのMulticast
Listener Reportを送信しているが、ホームエージェントHAがマルチキャスト宛の位置登録要求を送信するまで、ホームエージェントHAの近隣ルータから移動端末MNの近隣ルータ間のマルチキャストルータによる経路設定が完了していない。
移動端末MNが上記理由で位置登録要求を受信できなかった場合、ホームエージェントHAからユニキャストアドレス(CoA:MN.r3)宛に位置登録要求が送信されるが、ルータR3配下のCoA宛に送信されるため、ルータR4配下に移動している移動端末MNには到達せず、ホームエージェントHAはバインディングキャシュBCを削除する。
図17〜図21に、MIPv6において、通信ノードCNのバインディングキャシュBCのリカバリ動作の例を示す。
図17は、本発明に従う、MIPv6における通信ノードCNのバインディングキャッシュリカバリの第1の方法を示す図である。
図17に示す例は、バックアアップバインディングキャッシュBBCへの位置情報の複写とマルチキャストアドレスの登録を手順を示す。図17において、移動端末MNは、経路最適化のために通信ノードCNに対して位置登録を送信する(ステップS1−15)。
通信ノードCNは移動端末MNからの位置登録を受信すると、移動端末MNの位置情報をバインディングキャシュBCとして維持管理する(ステップS2−15)。このとき、バックアアップバインディングキャッシュBBCにバインディングキャシュBCを複写する。
通信ノードCNは、移動端末MNからの位置登録に対し応答として登録応答を返信する。
このとき、応答にマルチキャストアドレスを含める(ステップS3−15)。移動端末MNは、ホームエージェントHAからの登録応答を受信した際にマルチキャストアドレスが存在した場合、近隣ルータに対してマルチキャストのグループIDの登録を行う(ステップS4−15)。
図18は、本発明に従う、MIPv6における通信ノードCNのバインディングキャッシュリカバリの第2の方法を示す図であり、バックアアップバインディングキャッシュBBCの位置情報を有効とする第1の手順方法を説明する図である。
図18において、通信ノードCNに障害が発生し(ステップS1−16)、起動した際、バックアアップバインディングキャッシュBBCに位置情報が記憶されているかを検索し、記憶されていた場合は移動端末のマルチキャストアドレスに対して位置登録要求を送信する(ステップS2−16)。
ルータR1はマルチキャストアドレス宛の位置登録要求をマルチキャストの転送規則に従い、転送する(ステップS3-16)。ルータR3は、マルチキャストアドレス宛の位置登録要求をマルチキャストの転送規則に従い転送する(ステップS4−16)。
移動端末MNは通信ノードCNから位置登録要求を受信した場合、位置登録を送信する(ステップS5−16)。通信ノードCNは、移動端末MNからの位置登録を受信した場合、位置情報として維持管理を開始し、バックアアップバインディングキャッシュBBCにバインディングキャシュBCを複写する(ステップS6−16)。
通信ノードCNは、バインディングキャシュBCを保持している移動端末MN宛てのパケットをバインディングキャシュBCに従い送信する(ステップS7−16)。
図19は、本発明に従う、MIPv6における通信ノードCNのバインディングキャッシュリカバリの第3の方法を示す図であり、バックアアップバインディングキャッシュBBCの位置情報を有効にする手順の第2の例を示す図である。
図19において、通信ノードCNに障害が発生し(ステップS1−17)、通信ノードCNが再起動した際、バックアアップバインディングキャッシュBBCに位置情報が記憶されているかを検索し、記憶されていた場合は移動端末MNのマルチキャストアドレスに対して位置登録要求を送信する(ステップS2−17)。これに対し、ルータR1はマルチキャストアドレス宛の位置登録要求をマルチキャストの転送規則に従い転送する(ステップS3-17)。
これに対し、ルータR3がマルチキャストアドレスをサポートしていない場合、マルチキャスト宛の位置登録要求を転送できない(ステップS4−17)。マルチキャストアドレス宛の位置登録要求に対して応答が返信されなかった場合、通信ノードCNは、バックアアップバインディングキャッシュBBCに記憶していたユニキャストアドレス(CoA)宛に対して位置登録要求を送信する(ステップS5−17)。
移動端末MNは通信ノードCNから位置登録要求を受信した場合、位置登録を送信する(ステップS6−17)。通信ノードCNは移動端末MNからの位置登録を受信した場合、位置情報として維持管理を開始し、バックアアップバインディングキャッシュBBCにバインディングキャシュBCを複写する(ステップS7−17)。通信ノードCNはバインディングキャシュBCを保持している移動端末MN宛てのパケットをバインディングキャシュBCに従い送信する(ステップS8−17)。
図20は、本発明に従う、MIPv6における通信ノードCNのバインディングキャッシュリカバリの第4の方法を示す図であり、バックアアップバインディングキャッシュBBCの位置情報を有効にする手順の第3の例を示す図である。
図20において、通信ノードCNに障害が発生し(ステップS1−18)、通信ノードCNが再起動した際、バックアアップバインディングキャッシュBBCに位置情報が記憶されているかを検索し、記憶されていた場合は移動端末MNのマルチキャストアドレスに対して位置登録要求を送信する(ステップS2-18)。
ルータR1はマルチキャストアドレス宛の位置登録要求をマルチキャストの転送規則に従い転送する(ステップS3-18)。ルータR3はマルチキャストアドレス宛の位置登録要求をマルチキャストの転送規則に従い転送する(ステップS4-18)。
しかし、移動端末MNは通信ノードCNが再起動前にルータR4が属する他リンクに移動しているため、位置登録要求を受信することができない(ステップS5−18)。移動端末MNは移動後に近隣ルータR4に対してマルチキャストのグループIDの登録を行う(ステップS6−18)。
ルータR4は、通信ノードCNからのルータR1を経由したマルチキャストアドレス宛の位置登録要求をマルチキャストの転送規則に従い転送する(ステップS7-18)。移動端末MNは移動後に通信ノードCNへの位置登録を実施していないが、移動後のマルチキャストアドレスの登録をルータR4に実施しているために位置登録要求の受信が可能である(ステップS8-18)。
移動端末MNは通信ノードCNから位置登録要求を受信した場合、位置登録を送信する(ステップS9-18)。通信ノードは移動端末MNからの位置登録を受信した場合、位置情報として維持管理を開始し、バックアアップバインディングキャッシュBBCにバインディングキャシュBCを複写する(ステップS10−18)。
ついで、通信ノードCNはバインディングキャシュBCを保持している移動端末MN宛てのパケットをバインディングキャシュBCに従い送信する(ステップS11−18)。
図21は、本発明に従う、MIPv6における通信ノードCNのバインディングキャッシュリカバリの第5の方法を示す図であり、バックアアップバインディングキャッシュBBCの位置情報を無効にする手順を示す図である。
図21において、ステップS1−19〜S5−19までの手順は、図20におけるステップS1−18〜S5−18の手順と同様である。
さらに図21において、ルータR1は移動端末MNの移動先の近隣ルータであるルータR4間とでマルチキャストアドレス宛のパケット転送の経路を確立できていないため、マルチキャスト宛のパケットを転送しない(ステップS6−19)。これにより移動端末MNには、マルチキャストアドレス宛の位置登録が到達しない状態である(ステップS7−19)ので、マルチキャストアドレス宛の位置登録要求に対して応答が返信されなかった場合、通信ノードCNはバックアアップバインディングキャッシュBBCに記憶していたユニキャストアドレス(CoA)宛に対して位置登録要求を送信する(ステップS8-19)。
これに対し、移動端末MNは通信ノードCNが再起動前にルータR4に属する他リンクに移動しているため、位置登録要求を受信できない(ステップS9-19)。したがって、通信ノードCNは移動端末MNに送信した位置登録要求に対する応答がない場合、バックアップバインディングキャッシュBBCに記憶していた位置情報を無効と認識し、バックアップバインディングキャシュの位置情報を削除する(ステップS10−19)。
図22は、本発明に従う、階層化MIPv6における移動アンカーポイントMAPのバインディングキャッシュリカバリの第1の方法を示す図であり、バックアップバインディングキャッシュBCへの位置情報の複写とマルチキャストアドレスの登録の手順を示す図である。
図22において、移動端末MNは移動を認識すると、移動アンカーポイントMAPに対して位置登録を送信する(ステップS1−20)。これに対して、移動アンカーポイントMAPは、移動端末MNからの位置登録を受信すると、移動端末MNの位置情報をバックアップバインディングキャッシュBCとして維持管理する。このとき、バックアップバインディングキャッシュBCにバインディングキャッシュを複写する(ステップS2−20)。
移動アンカーポイントMAPは、移動端末MNからの位置登録に対し応答として登録応答を返信する。このとき、応答にマルチキャストアドレスを含める(ステップS3−20)。移動端末MNは移動アンカーポイントMAPからの登録応答を受信した際にマルチキャストアドレスが存在した場合、近隣ルータR3に対してマルチキャストのグループIDの登録を行う(ステップS4−20)。
さらに、移動端末MNは移動を認識するとホームエージェントHAに対して位置登録を送信する(ステップS5−20)。これに対し、ホームエージェントHAは、移動端末MNからの位置登録を受信すると、移動端末MNの位置情報をバインディングキャッシュBCとして維持管理し、このとき、バックアップバインディングキャッシュBBCにバインディングキャッシュBCを複写する(ステップS6−20)。 図23は、本発明に従う、階層化MIPv6における移動アンカーポイントMAPのバインディングキャッシュリカバリの第2の方法を示す図であり、バックアップバインディングキャッシュBBCの位置情報を有効とする第1の手順を示す図である。
図23において、移動アンカーポイントMAPに障害が発生すると(ステップS1−21)、移動アンカーポイントMAPが再起動した際、バックアップバインディングキャッシュBBCに位置情報が記憶されているかを検索し、記憶されていた場合は移動端末のマルチキャストアドレスに対して位置登録要求を送信する(ステップS2−21)。
ルータR3は、マルチキャストアドレス宛の位置登録要求をマルチキャストの転送規則に従い転送する(ステップS3−21)。移動端末MNは移動アンカーポイントMAPからの位置登録要求を受信した場合、位置登録を送信する(ステップS4−21)。
移動アンカーポイントMAPは、移動端末MNからの位置登録を受信した場合、位置情報として維持管理を開始し、バックアアップバインディングキャッシュBBCにバインディングキャッシュBBCを複写する(ステップS5-21)。
通信ノードCNは、移動端末MNのホームアドレス宛のパケットを送信する(ステップS6-21)。ホームエージェントHAは、バインディングキャッシュBCを保持している移動端末MN宛てのパケットをバインディングキャッシュBCに従い転送する(ステップS7−21)。
移動アンカーポイントMAPは、バインディングキャッシュBCを保持している移動端末MN宛てのパケットをバインディングキャッシュBCに従い転送する(ステップS8−21)。
図24は、本発明に従う、階層化MIPv6における移動アンカーポイントMAPのバインディングキャッシュリカバリの第3の方法を示す図であり、バックアップバインディングキャッシュBBCの位置情報を有効とする第2の手順を示す図である。図24において、移動アンカーポイントMAPに障害が発生すると(ステップS1−22)、移動アンカーポイントMAPが再起動した際、バックアップバインディングキャッシュBBCに位置情報が記憶されているかを検索し、記憶されていた場合は移動端末のマルチキャストアドレスに対して位置登録要求を送信する(ステップS2−22)。
ルータR3は、マルチキャストアドレスをサポートしていない場合、マルチキャスト宛の位置登録要求を転送できない(ステップS3-22)。したがって、マルチキャストアドレス宛の位置登録要求に対して応答が返信されなかった場合、移動アンカーポイントMAPはバックアップバインディングキャッシュBBCに記憶していたユニキャストアドレス(CoA)宛に対して位置登録要求を送信する(ステップS4−22)。
移動端末MNは移動アンカーポイントMAPから位置登録要求を受信した場合、位置登録を送信する(ステップS5-22)。移動アンカーポイントMAPは移動端末MNからの位置登録を受信した場合、位置情報として維持管理を開始し、バックアップバインディングキャッシュBBCにバインディングキャッシュBCを複写する(ステップS6−22)。
通信ノードCNは移動端末あてのパケットをホームアドレス宛に送る(ステップS7−22)。これに対し、ホームエージェントHAはバインディングキャッシュBCを保持している移動端末MN宛てのパケットをバインディングキャッシュBCに従い転送する(ステップS8-22)。さらに、移動アンカーポイントMAPはバインディングキャッシュBCを保持している移動端末MN宛てのパケットをバインディングキャッシュBCに従い転送する(ステップS9-22)。
図25は、本発明に従う、階層化MIPv6における移動アンカーポイントMAPのバインディングキャッシュリカバリの第1の方法を示す図であり、バックアップバインディングキャッシュBBCの位置情報を有効とする第4の手順を示す図である。図25において、移動アンカーポイントMAPに障害が発生し(ステップS1-23)、移動アンカーポイントMAPが再起動した際、バックアアップバインディングキャッシュBBCに位置情報が記憶されているかを検索し、記憶されていた場合は移動端末のマルチキャストアドレスに対して位置登録要求を送信する(ステップS2−23)。これに対し、ルータR3は、マルチキャストアドレス宛の位置登録要求をマルチキャストの転送規則に従い転送する(ステップS3−23)。
移動端末MNは、移動アンカーポイントMAPが再起動前にルータR4が属する他リンクに移動しているため、位置登録要求を受信できない(ステップS4-23)。移動端末MNは移動後に近隣ルータR4に対してマルチキャストのグループIDの登録を行う(ステップS5−23)。ルータR4はマルチキャストアドレス宛の位置登録要求をマルチキャストの転送規則に従い転送する(ステップS6−23)。移動端末MNは、移動後に移動アンカーポイントMAPへの位置登録を実施していないが、移動後にマルチキャストアドレスの登録をルータR4に実施しているため位置登録要求の受信が可能である(ステップS7-23)。
移動端末MNは、移動アンカーポイントMAPからの位置登録要求を受信した場合、位置登録を送信する(ステップS8−23)。移動アンカーポイントMAPは、移動端末MNからの位置登録を受信した場合、位置情報として維持管理を開始し、バックアップバインディングキャッシュBBCにバインディングキャッシュBCを複写する(ステップS9−23)。
通信ノードCNから移動端末のホームアドレス宛に、パケットを送信する(ステップS10−23)。ホームエージェントHAは、このパケットを受けると、バインディングキャッシュBCを保持している移動端末MN宛てにパケットをバインディングキャッシュBCに従い転送する(ステップS11−23)。
ついで、移動アンカーポイントMAPは、バインディングキャッシュBCを保持している移動端末MN宛てのパケットを転送する(ステップS12−13)。
図26は、本発明に従う、階層化MIPv6における移動アンカーポイントMAPのバインディングキャッシュリカバリの第5の方法を示す図であり、バックアップバインディングキャッシュBBCの位置情報無効化の手順を説明する図である。図26において、移動アンカーポイントMAPに障害が発生し(ステップS1−24)、その後:移動アンカーポイントMAPが再起動した際、バックアップバインディングキャッシュBBCに位置情報が記憶されているかを検索し、記憶されていた場合は移動端末MNのマルチキャストアドレスに対して位置登録要求を送信する(ステップS2−24)。
ルータR3はマルチキャストアドレス宛の位置登録要求をマルチキャストの転送規則に従い転送する(ステップS3-24)。このとき、移動端末MNは移動アンカーポイントMAPが再起動前にルータR4の属する他リンクに移動しているため、位置登録要求を受信できない(ステップS4-24)。
ルータR3は移動端末MNの移動先の近隣ルータR4との間でマルチキャストアドレス宛のパケット転送の経路を確立できていないため、マルチキャスト宛のパケットを転送しない(ステップS5−24)。したがって、移動端末MNにはマルチキャストアドレス宛の位置登録要求が到達しない(ステップS6-24)。
マルチキャストアドレス宛の位置登録要求に対して応答が返信されなかった場合、移動アンカーポイントMAPはバックアップバインディングキャッシュBBCに記憶していたユニキャストアドレス(CoA)宛に対して位置登録要求を送信する(ステップS7-24)。
このとき移動端末MNは、移動アンカーポイントMAPが再起動前に他リンクに移動しているため、位置登録要求を受信できない(ステップS8-24)。
移動アンカーポイントMAPは、移動端末MNに送信した位置登録要求に対する応答がない場合、バックアップバインディングキャッシュBBCに記憶していた位置情報を無効と認識し、バックアップバインディングキャッシュBBCの位置情報を削除する(ステップS9-24)。
図27〜図33に、ホームエージェントHAにおけるバインディングキャッシュリカバリ方法の機能構成例を示す。通信ノードCN、移動アンカーポイントMAPもホームエージェントHAと同じ機能構成で実現可能である。
図27は、ホームエージェントHAのバインディングキャッシュリカバリ方法の第1のフロー図を示し、その図27Aにおいて、ホームエージェントHAが起動すると、バックアップバインディングキャッシュBBCを検索し(処理工程P1)、位置情報がある場合(処理工程P1、Y))は、全位置情報を作業用テーブルに複写する(処理工程P2)。
ついで、バックアップバインディングキャッシュBBCを削除して(処理工程P3)、マルチキャストアドレス宛に位置登録要求を送信する(処理工程P4)。この際、位置登録の受信待ちタイマをスタートする(処理工程P5)。
位置登録の受信待ちタイマの計数中に、図27Bに示すように位置登録を受信すると、作業用テーブルから該当位置情報を削除し(処理工程P6)、位置情報の維持管理を開始する(処理工程P7)。そして、この位置情報をバックアップバインディングキャッシュBBCに複写する(処理工程P8)。
一方、位置登録の受信待ちタイマがタイムアウトすると受信待ちタイムアウト処理を行う(処理工程P9、図27C)。
図28は、ホームエージェントHAのバインディングキャッシュリカバリ方法の第2のフロー図を示し、そのタイムアウト処理(処理工程P9)の詳細が示され、その図28Aにおいて、位置登録の受信待ちタイマがタイムアウトすると作業用テーブルを検索し、位置情報があると(処理工程P91、Y)、位置情報の移動端末MNに対してユニキャストに位置情報登録要求を送る(処理工程P92)。
この際、位置登録受信待ちタイマをスタートし(処理工程P93)、ホームエージェントHAの負荷を増加させないために、遅延を挿入する(処理工程P94)。
この過程で、図28Bに示すように、位置登録を受信すると位置登録の受信待ちタイマを停止する(処理工程P95)。これにより以降、位置情報の維持管理を開始し(処理工程P96)、位置情報をバックアップバインディングキャッシュBBCに複写する(処理工程P97)。
一方、位置登録を受信しないで、位置登録受信待ちタイマのタイムアウトが生じると、バックアップバインディングキャッシュBBCから位置情報を削除する(処理工程P98、図28C)。
図29は、ホームエージェントHAにおけるバインディングキャッシュリカバリの構成におけるホームエージェントHAが起動した場合の処理を示している。この処理は図27Aの「HA起動」で開始される処理フローに該当する。ホームエージェントHAの移動端末管理機能部100のバインディングキャッシュ(Binding Cache)リカバリ機能部101に対して「起動((処理工程P00))が指示されると、バックアアップバインディングキャッシュBBCを検索し(処理工程P1)、バインディングキャッシュBCが存在する場合作業用テーブルに「全位置情報を複写し(処理工程P2)、バックアアップバインディングキャッシュBBC領域をクリア」する(処理工程P3)。
その後、位置情報管理機能部102に対して位置登録要求送信依頼を行う(処理工程P4−1)。これに対応して、位置情報管理機能部102は、マルチキャストアドレス宛に位置登録要求送信する(処理工程P4−2)。ついで、位置登録受信待ちタイマをスタートする(処理工程P5)。そして、バックアアップバインディングキャッシュBBCの検索処理(処理工程P1)は、バックアアップバインディングキャッシュBBC内にバインディングキャッシュBCが検出した時点で終了する。
図30は、ホームエージェントHAにおけるバインディングキャッシュリカバリの構成における第1の位置登録受信の処理を示し、図27BのホームエージェントHAが位置登録を受信した場合の処理フローに該当する処理を説明する図である。
図30において、位置登録を位置情報管理機能部102が受けると(処理工程P01)、バインディングキャッシュリカバリ機能部101に作業用テーブル削除依頼(処理工程P6−1)を出し、作業用テーブルから該当位置情報を削除する(処理工程P6−2)。その後受信した位置登録をバインディングキャッシュBCとして登録し(処理工程P7)、バインディングキャッシュBCの維持管理を開始する。このとき、位置情報管理機能部102からバインディングキャッシュリカバリ機能部101に対して位置登録情報複写依頼を出し(処理工程P8−1)、バインディングキャッシュBCをバックアアップバインディングキャッシュBBCに複写する(処理工程P8−2)。
図31は、ホームエージェントHAにおけるバインディングキャッシュリカバリの構成における受信待ちタイムアウトの処理を示している。ホームエージェントHAで位置登録受信待ちタイマがタイムアウトした場合の処理を示しており、図27Aの位置登録の受信待ちタイマスタート(処理工程P5)で開始したタイマのタイムアウト処理(処理工程P10)の詳細を説明する図である。そして、これは図28の位置登録の受信待ちタイマのタイムアウト処理の詳細処理内容である。
図31において、位置登録受信待ちタイマタイムアウトが発生すると(処理工程P03)、位置情報管理機能部102からバインディングキャッシュリカバリ機能部101に対してユニキャストリカバリ処理依頼が出され(処理工程P04)、依頼を受けたバインディングキャッシュリカバリ機能部101は作業用テーブルを検索する(処理工程P91)。
作業用テーブルにバインディングキャッシュBCが登録されていた場合、位置情報管理機能部102に位置登録要求送信依頼を出し(処理工程P92)、ユニキャスト宛に位置登録要求送信が出力され(処理工程P92−1)、位置登録受信待ちタイマスタートによりタイマが開始される(処理工程P93)。その後、輻輳制御のために遅延挿入される(処理工程P94)。検索(処理工程P91)は、作業テーブルから位置情報が存在しなくなるまで繰り返す。
図32は、ホームエージェントHAにおけるバインディングキャッシュリカバリの構成における第2の位置登録受信の処理を示し、ホームエージェンHAにおいてユニキャストアドレス宛の位置登録要求に対する位置登録を受信した場合の処理を示している。これは図28Bの位置登録受信2で開始されるフローチャートの処理に該当する。
図32において、位置情報管理機能部102が位置情報受信を受信すると(処理工程P05)、位置登録受信待ちタイマ停止し(処理工程P95)、バインディングキャッシュBCに位置情報を登録して、位置情報の維持管理を開始する(処理工程P96)。その後位置情報管理機能部102からバインディングキャッシュリカバリ機能部101に位置情報複写依頼を出し(処理工程P97−1)、バインディングキャッシュBCをバックアップバインディングキャッシュBBCに複写する(処理工程P97−2)。
図33は、ホームエージェントHAにおけるバインディングキャッシュリカバリの構成における位置登録の第2の受信待ちタイムアウトの処理を示し、ホームエージェンHAで位置登録受信待ちタイマがタイムアウトした場合の処理を示し、図28Aの受信待ちタイムアウト処理において、位置登録の受信待ちタイマのスタート(処理工程P93)で開始したタイマのタイムアウト処理である。
これは図28Cの位置登録の受信待ちタイマのタイムアウト2で開始されるフローチャート部に該当する。
位置情報管理機能部102が位置登録受信待ちタイマタイムアウトを受けると(処理工程P06)、バインディングキャッシュリカバリ管理部101に位置情報削除依頼を出し(処理工程P98−1)、作業用テーブルから該当する位置情報を削除する(処理工程P98−2)。
図34〜図36に、移動端末MNにおけるバインディングキャシュリカバリ方式の機能構成例を示す。
図34は、移動端末MNにおけるバインディングキャッシュリカバリ方法のフローチャートを示す図であり、図35、図36に対応する移動端末機能部200の処理の流れを示す。
図34A、図35において、移動端末MNにおいて位置情報を管理するノードから位置登録要求を受信すると(処理工程P07)、位置情報管理機能部202は、バインディングキャッシュリカバリ機能部201に移動オプション通知を出す(処理工程P11−1)。バインディングキャッシュリカバリ機能部201は、移動オプションに基づき、マルチキャストアドレス検索し(処理工程P11)、マルチキャストアドレスが存在した場合(処理工程P11、Y)、マルチキャストアドレス保存テーブル203にマルチキャストアドレスを保存する(処理工程P12)。
その後、マルチキャストのグループIDを近隣ルータに登録するため“Multicast Listener Report”送信が可能であれば(処理工程P13、Y)、その送信を実行する(処理工程P14)。この際、“Multicast
Listener Report”が送信可能であるかは、マルチキャストプロトコルであるIGMPの規則に従う(必要であれば近隣ルータからの“Multicast
Listener Query”に対する応答としてMulticast Listener Reportを送信する)。
さらに、図34B、図36において、移動端末MNにおいて“Multicast Listener Query”を受信した場合の処理を示している。バインディングキャッシュリカバリ機能部201が、“Multicast
Listener Query”を受信すると(処理工程P08)、マルチキャストアドレス保存テーブル203を検索し(処理工程P15)、マルチキャストアドレスを保持している場合(処理工程P15、Y)、“Multicast
Listener Report”送信を実行する(処理工程P16)。