JP4381730B2 - エレベータのドア装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、乗場出入口又はかご出入口を開閉するドア本体を有するエレベータのドア装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のエレベータの乗場出入口装置では、乗場の戸の戸開側端部に遮蔽板を取り付け、出入口枠の昇降路側端部に遮蔽板に対向する折り曲げ部を形成することにより、戸閉時の乗場の戸と出入口枠との間の隙間が狭くされている。これにより、火災時に発生した煙が乗場出入口から昇降路内へ進入するのが抑制される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−247086号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような従来の乗場出入口装置では、戸閉時に遮蔽板が折り曲げ部に衝突しないように、かつ隙間をできるだけ小さくするように遮蔽板及び折り曲げ部の位置を調整するのが難しく、乗場の戸の据付調整に手間がかかる。また、乗場の戸の下端部と乗場の床部との間の隙間、及び出入口枠の上枠と乗場の戸との間等の隙間を遮蔽することはできなかった。従って、遮煙性及び遮音性が低下してしまう。
【0005】
この発明は、上記のような問題点を解決することを課題としてなされたものであり、遮煙性及び遮音性を向上させることができるエレベータのドア装置を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るエレベータのドア装置は、ドア本体と戸の脚との間の隙間を遮蔽する戸の脚遮蔽部材を、ドア本体の下端部に設けたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図について説明する。
実施の形態1.
図1は実施の形態1によるエレベータの乗場ドア装置を示す背面図(昇降路側から見た図)、図2は図1のII−II線に沿う断面図、図3は図1のIII−III線に沿う断面図である。
【0008】
図において、乗場出入口1の両側部及び上部には、出入口枠2が固定されている。出入口枠2は、垂直に延びる一対の縦枠3と、縦枠3の上端部間に水平に設けられた上枠4とを有している。乗場出入口1の床部には、乗場敷居5が固定されている。上枠4の上方の建築壁6と上枠4との間には、建築仕上げ材7が設けられている。
【0009】
乗場出入口1は、一対のドア本体8により開閉される。実施の形態1の乗場ドア装置は、中央開き式である。各ドア本体8は、ドアパネル9と、ドアパネル9の上端部に設けられた上部補強部10と、ドアパネル9の下端部に固定された下部補強部材11とを有している。下部補強部材11には、複数の戸の脚12が固定されている。乗場敷居5には、戸の脚12が挿入される敷居溝5aが設けられている。
【0010】
上枠4上には、一対のハンガレール取付部材13を介して、乗場出入口1の間口方向に沿って延びるハンガレール14が固定されている。各ドア本体8の上部には、ドアハンガ15が固定されている。各ドアハンガ15には、ハンガレール14に沿って転動される複数のハンガローラ16が設けられている。ドア本体8は、ハンガレール14から吊り下げられており、ハンガレール14に案内されて開閉される。
【0011】
次に、図4は図2のIV部を示す拡大図、図5は図3のV部を示す拡大図である。図において、上枠4の間口方向両端部には、ハンガレール取付部材13及びハンガレール14を支持する断面コ字形のハンガレール支持部材17が固定されている。
【0012】
各ハンガレール支持部材17は、上枠4に固定された固定部17aと、固定部17aの上方に配置され、ハンガレール取付部材13及びハンガレール14を受ける支持部17bと、固定部17aと支持部17bとの間を接続する接続部17cとを有している。また、固定部17a、支持部17b及び接続部17cにより、ドア本体8の上端部に対向した凹部17dが形成されている。
【0013】
各ドア本体8の上端部には、ドア本体8の幅方向全体に渡って延びる断面L字形の上部遮蔽板18が固定されている。上部遮蔽板18は、ドア本体8の上端部に固定され水平に延びる固定部18aと、固定部18aから垂直下方に折り曲げられた垂直部18bとを有している。
【0014】
上枠4上には、ドア本体8の幅方向に平行に延びるシール部材19が押さえ部材20により固定されている。シール部材19は、上部遮蔽板18の垂直部18bに接触することにより、上部遮蔽板18と上枠4との間の隙間を気密に遮蔽する。ドア本体8の開閉動作時には、上部遮蔽板18がシール部材19に対して摺動する。また、シール部材19は、戸閉状態のときにドア本体8の幅方向全体で上部遮蔽板18に接触する。乗場出入口1の間口方向両端部では、シール部材19及び押さえ部材20は、ハンガレール支持部材17の内側のスペースに配置されている。
【0015】
このような乗場ドア装置では、ハンガレール14と上枠4との間にハンガレール支持部材17を介在させ、上部遮蔽板18及びシール部材19とハンガレール17との干渉を避けるようにしたので、上部遮蔽板18及びシール部材19をドア本体8の幅方向全体に渡って設けることができ、遮煙性及び遮音性を向上させることができる。また、遮光性を向上させることもできる。
【0016】
また、ハンガレール支持部材17は、固定部17a、支持部17b及び接続部17cを有し、固定部17a、支持部17b及び接続部17cにより、ドア本体8の上端部に対向した凹部17dが形成されているので、簡単な構造で遮蔽板18及びシール部材19とハンガレール17との干渉を避けることができる。
【0017】
なお、実施の形態1では、ハンガレール取付部材13とハンガレール支持部材17とを別部材としたが、これらを一体的に構成してもよい。この場合、部品点数を削減して、製造コスト及び据付工数を削減することができる。
【0018】
実施の形態2.
次に、図6は実施の形態2によるエレベータの乗場ドア装置を示す背面図、図7は図6のVII−VII線に沿う断面図、図8は図7の要部拡大図である。
図において、ドア本体8の上部には、ドア本体8の幅方向全体に渡って延びる断面Z字形の上部遮蔽板21が固定されている。実施の形態2では、ドア本体8の上端部が上枠4よりもかなり高い(例えば10cm以上)位置に位置しており、上部遮蔽板21は、ドアパネル9の上枠4に対向する側の面である意匠面(表面)9aに固定されている。
【0019】
上部遮蔽板21は、ドアパネル9の意匠面9aに接合され固定された固定部21aと、シール部材19が接触する垂直部21bとを有している。また、ドア本体8の上枠4よりも高い位置には、昇降路内又はかご室内から上部遮蔽板21とシール部材19との接触状態を目視点検するための複数の点検窓22が設けられている。点検窓22は、必要に応じて上部遮蔽板21の固定部21aにも連続して設けられている。他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0020】
このような乗場ドア装置では、上部遮蔽板21が上枠4よりも上方で意匠面9aに固定されているため、乗場出入口1の高さよりもドア本体8の高さがかなり高い場合であっても、上部遮蔽板21を小形に構成することができるとともに、上部遮蔽板21の取付位置の調整を容易に行うことができる。これにより、遮煙性及び遮音性を向上させることができる。
【0021】
また、ドア本体8に点検窓22を設けたので、上部遮蔽板21とシール部材19との接触状態を容易に目視点検することができ、良好な接触状態を容易に維持することができる。
【0022】
なお、実施の形態1、2では、ドア本体側に上部遮蔽板を配置し、上枠側にシール部材を配置したが、逆であってもよい。
【0023】
実施の形態3.
次に、図9は実施の形態3によるエレベータの乗場ドア装置を示す背面図、図10は図9の要部を示す分解斜視図である。図において、各ドア本体8の戸当たり側端部には、戸閉状態のときにドア本体8間の隙間をシールする戸当たりシール材23が設けられている。各ドア本体8の下端部には、戸閉状態のときにドア本体8と乗場敷居5との間の隙間を遮蔽する下部遮蔽板24が固定されている。
【0024】
出入口枠2の縦枠3には、乗場出入口の間口方向に平行な平板状の縦枠遮蔽部3aが上下方向に連続して設けられている。各ドア本体8の戸開側端部(戸袋側端部)には、ドア本体8の上下方向に沿って延びる側部遮蔽部としての側部遮蔽板25が固定されている。側部遮蔽板25は、戸閉状態のときに、縦枠遮蔽部3aと組み合わされて縦枠3とドア本体8の戸開側端部との間の隙間を遮蔽する。
【0025】
即ち、側部遮蔽板25は、縦枠遮蔽部3aの両面に対向する平板状の一対の対向部25a,25bと、対向部25a,25b間に設けられ、戸閉状態のときに縦枠遮蔽部3aの端面が当接(又は近接)する平板状の当接部25cとを有している。
【0026】
出入口枠2の上枠4には、乗場出入口の間口方向に平行な平板状の上枠遮蔽部4aが間口方向に連続して設けられている。各ドア本体8の上端部には、ドア本体8の幅方向に沿って延びる上部遮蔽部としての上部遮蔽板26が固定されている。上部遮蔽板26は、戸閉状態のときに、上枠遮蔽部4aと組み合わされて上枠4とドア本体8の上端部との間の隙間を遮蔽する。即ち、上部遮蔽板26は、戸閉状体のときに上枠遮蔽部4aの端面が当接(又は近接)する平板状の当接部26aを有している。
【0027】
ドア本体8の戸袋側上隅部には、上隅部遮蔽部材27が搭載されている。上隅部遮蔽部材27は、戸閉状態のときに、上部遮蔽板26の戸袋側端部の隙間28、及び側部遮蔽板25の上端部の隙間29をそれぞれ遮蔽する。
【0028】
また、上隅部遮蔽部材27は、隙間28を遮蔽する平板状の第1遮蔽部27aと、隙間29を遮蔽する平板状の第2遮蔽部27bとを有している。さらに、上隅部遮蔽部材27は、ボルト30によりドア本体8の上端部に上部遮蔽板26とともに固定されている。上隅部遮蔽部材27には、ボルト30を通す長孔27cが設けられている。これにより、ドア本体8の厚さ方向への上隅部遮蔽部材27の取付位置が調整可能になっている。
【0029】
このような乗場ドア装置では、戸閉状態のときに、上隅部遮蔽部材27により隙間28,29が遮蔽されるため、遮煙性及び遮音性を向上させることができる。また、遮光性を向上させることもできる。
【0030】
さらに、ドア本体8の厚さ方向への上隅部遮蔽部材27の取付位置を調整可能としたので、隙間28,29をより確実に遮蔽することができる。
【0031】
実施の形態4.
次に、図11は実施の形態4によるエレベータの乗場ドア装置の要部を示す分解斜視図である。この例では、上隅部遮蔽部材27の第1及び第2遮蔽部27a,27bに、ゴム等の弾性体からなる気密シール部材27dが貼り付けられている。他の構成は、実施の形態3と同様である。
【0032】
このように、上隅部遮蔽部材27に気密シール部材27dを設けることにより、隙間28,29をより確実に遮蔽することができ、遮煙性及び遮音性をさらに向上させることができる。また、気密シール部材27dは弾性体により構成されているので、隙間寸法誤差を容易に吸収することができる。
【0033】
なお、上隅部遮蔽部材は、上部遮蔽板又は側部遮蔽板と一体に設けてもよい。即ち、上部遮蔽板の戸袋側端部に上隅部遮蔽部材を折り曲げ形成したり、側部遮蔽板の上端部に上隅部遮蔽部材を折り曲げ形成したりしてもよい。但し、実施の形態3、4のように上隅部遮蔽部材を別部品とすることにより、ドア本体8の据付誤差、及びドア本体8に対する上部遮蔽板26及び側部遮蔽部材27の取付誤差による隙間寸法の変化に対して、容易に対応することができ、隙間をより確実に遮蔽することができる。
【0034】
また、実施の形態3、4では、出入口枠側に遮蔽部3a,4aが設けられ、ドア本体8側に遮蔽板25,26が固定されている場合について示したが、例えばドア本体及び出入口枠のいずれか一方に遮蔽板が固定され、遮蔽板に接触するシール部材がドア本体及び出入口枠のいずれか他方に固定されている場合にも、ドア本体の戸袋側上隅部に上隅部遮蔽部材を搭載することにより、実施の形態3,4と同様に遮煙性及び遮音性を向上させることができる。
さらに、例えば板ばねやゴムシールを有する遮蔽構造など、出入口枠とドア本体との間の遮蔽構造が種々変更された場合であっても、この発明の上隅部遮蔽部材を適用することができる。
【0035】
実施の形態5.
次に、図12は実施の形態5によるエレベータの乗場ドア装置の断面図である。図において、乗場出入口1の両側部及び上部には、出入口枠2が固定されている。出入口枠2は、垂直に延びる一対の縦枠3を有している。乗場出入口1は、一対の乗場ドア31により開閉される。
【0036】
かご室32には、乗場出入口1に連通されるかご出入口33が設けられている。かご出入口32は、一対のかごドア34により開閉される。乗場ドア31は、通常はかごドア34に連動して開閉される。しかし、例えばかご位置を着床位置から上下にずらすことにより、据付時や保守時には、図12に示すようにかごドア34のみを独立して開くこともできる。
【0037】
図13は図12のXIII部を拡大して示す断面図である。乗場ドア31は、鋼板を折り曲げてなるドアパネル35を有している。ドアパネル35は、乗場に面する正面部35aと、正面部35aの戸袋側端部に設けられ、乗場ドアの厚さ方向に延びる端面部35bと、端面部35bの昇降路側端部に設けられ、正面部35aの裏面に対向する対向部35cとを有している。即ち、ドアパネル35の間口方向両端部は、断面コ字形に折り曲げられている。
【0038】
対向部35cには、断面L字形の取付部材36が取り付けられている。取付部材36は、対向部35cに固定された固定部36aと、端面部35bに沿って延びる遮蔽部材取付部36bとを有している。取付部材36は、複数の取付部材用ねじ37により対向部35cに取り付けられており、かご室32の内部から着脱可能になっている。
【0039】
遮蔽部材取付部36bには、側部遮蔽部材38が複数の遮蔽部材用ねじ39により取り付けられている。即ち、側部遮蔽部材38は、取付部材36を介してドアパネル31の戸袋側端部に取り付けられている。また、側部遮蔽部材38は、戸閉状態のときに縦枠3に接触することによりドアパネル35と縦枠3との間の隙間を遮蔽する。
【0040】
さらに、側部遮蔽部材38は、遮蔽部材取付部36bに取り付けられた遮蔽部材本体38aと、弾性体からなり縦枠3に接触する気密シール部材38bとを有している。乗場ドア31の厚さ方向への取付部材36に対する側部遮蔽部材38の取付位置は調整可能になっている。側部遮蔽部材38及び取付部材36は、ドアパネル35の上下方向全体に渡って設けられている。
【0041】
図14は図13の側部遮蔽部材38の要部を示す正面図、図15は図14のXV−XV線に沿う断面図である。遮蔽部材本体38aには、乗場ドア31の厚さ方向に沿って延びる長孔38cが設けられている。遮蔽部材用ねじ39は、長孔38cを貫通して遮蔽部材取付部36bに螺着されている。遮蔽部材用ねじ39を緩めることにより、取付部材36に対する側部遮蔽部材38の取付位置は調整可能となる。
【0042】
図16は図13の固定部36aを示す正面図である。固定部36aには、小径の孔と大径の孔とが連続しているだるま孔36cが設けられている。取付部材用ねじ37は、だるま孔36cを貫通して対向部35cに螺着されている。従って、取付部材用ねじ37を緩めて取付部材36を図16の上方へ持ち上げることにより、取付部材36は、かご室32の内部から容易に取り外すことができる。また、取付部材36の取付もかご室32の内部から容易に行うことができる。
【0043】
このような乗場ドア装置では、側部遮蔽部材38は、かご室32の内部側からドアパネル35に対して着脱可能な取付部材36を介してドアパネル35に取り付けられているので、側部遮蔽部材38の取付や交換を容易に行うことができる。
【0044】
また、乗場ドア31の厚さ方向への取付部材36に対する側部遮蔽部材38の取付位置が調整可能になっているので、ドアパネル35と縦枠3との間の隙間寸法に合わせて取付部材36に対する側部遮蔽部材38の取付位置を予め調整してから、取付部材36をドアパネル35に取り付けることができ、これによりドアパネル35と縦枠3との間の隙間をより確実に遮蔽することができ、遮煙性及び遮音性を向上させることができる。また、遮音性も向上させることができる。
【0045】
さらに、ドアパネル35の対向部35cに取付部材36を取り付けたので、かご室32内部からの取付部材36の着脱が容易である。
さらにまた、取付部材36は、対向部35cに固定される固定部36aと、端面部35bに沿って延び側部遮蔽部材38が取り付けられる遮蔽部材取付部36bとを有しているので、構成を簡単にすることができる。
【0046】
また、側部遮蔽部材38に長孔38cを設け、側部遮蔽部材38は、長孔38cを貫通する遮蔽部材用ねじ39により遮蔽部材取付部36bに取り付けたので、簡単な構成により側部遮蔽部材38の取付位置を調整できる。
さらに、固定部36aにだるま孔36cを設け、取付部材36は、だるま孔36cを貫通する取付部材用ねじ37により対向部35cに取り付けたので、取付部材用ねじ37を完全に取り外すことなく、取付部材36の着脱を容易に行うことができる。
【0047】
なお、実施の形態5では、取付部材36をドアパネル35の対向部35cに取り付けたが、例えば正面部35aの裏面や、正面部35aの裏面側に設けられた補強部など、ドアパネル35の他の部分に取り付けてもよい。
また、側部遮蔽部材及び取付部材は、ドアパネルの上下方向に複数に分割してもよい。
さらに、複数の取付部材をドアパネルの上下方向に互いに間隔をおいて設けてもよい。
【0048】
実施の形態6.
次に、図17は実施の形態6による乗場ドア装置の要部断面図である。図において、ドアパネル35の戸袋側端部には、側部遮蔽部材40が取り付けられている。側部遮蔽部材40は、戸閉状態のときに縦枠3に接触することによりドアパネル35と縦枠3との間の隙間を遮蔽する。また、側部遮蔽部材40は、断面L字形の遮蔽部材本体40aと、弾性体からなり縦枠3に接触する気密シール部材40bとを有している。
【0049】
さらに、側部遮蔽部材40は、複数の遮蔽部材用ねじ41によりスペーサ体42を介して対向部35cに取り付けられている。乗場ドア31の厚さ方向への側部遮蔽部材40の取付位置は、スペーサ体42の厚さ寸法を調整することにより調整可能になっている。スペーサ体42は、1枚以上のスペーサ43を有しており、スペーサ43の枚数を変更することによりスペーサ体42の厚さ寸法が調整される。
【0050】
このような乗場ドア装置では、側部遮蔽部材40は、スペーサ体42を介して対向部35cに取り付けられており、スペーサ体42の厚さ寸法を調整することにより乗場ドア31の厚さ方向への側部遮蔽部材40の取付位置が調整可能になっているので、ドアパネル35と縦枠3との間の隙間をより確実に遮蔽することができ、遮煙性及び遮音性を向上させることができる。また、遮音性も向上させることができる。さらに、側部遮蔽部材40の取付や交換を容易に行うことができる。
【0051】
なお、遮蔽部材本体40a及びスペーサ43に図16に示したようなだるま孔を設けてもよく、これにより側部遮蔽部材40及びスペーサ43の着脱が容易になる。
また、側部遮蔽部材は、ドアパネルの上下方向に複数に分割してもよい。
さらに、スペーサ体は、遮蔽部材用ねじの部分のみに設けても、ドアパネルの上下方向に連続して設けてもよい。
さらにまた、厚さの異なる複数種のスペーサをそれぞれスペーサ体として用いてもよい。
また、遮蔽部材用ねじが通るU字形の切り欠きをスペーサに設けることにより、側部遮蔽部材40を取り外さずにスペーサを遮蔽部材用ねじの径方向に抜き差し可能としてもよい。
【0052】
実施の形態7.
次に、図18は実施の形態7によるエレベータの乗場ドア装置の要部を示す背面図、図19は図18のXIX−XIX線に沿う断面図、図20は図18のXX−XX線に沿う断面図、図21は図18のXXI−XXI線に沿う断面図である。
【0053】
図において、乗場出入口を開閉するドア本体8の下端部には、戸閉状態のときにドア本体8の下端部と乗場敷居5との間の隙間を遮蔽する複数の下部遮蔽部材44が固定されている。下部遮蔽部材44は、ドア本体8の下部補強部材11に戸の脚12を避けてねじ止めされている。
【0054】
また、各下部遮蔽部材44は、金属板からなるベース45と、このベース45に固定された摺動シール体46とを有している。摺動シール体46は、ゴム等の弾性体により構成されており、敷居溝5aよりも乗場側で乗場敷居5の上面に接触している。ドア本体8の開閉動作時には、摺動シール体46は乗場敷居5上を摺動される。
【0055】
戸の脚12は、下部補強部材11にねじ止めされた平板状の取付部47と、取付部47に固定され、敷居溝5a内を摺動される摺動部48とを有している。ドア本体8の下端部には、ドア本体8と戸の脚12との間の隙間を遮蔽する平板状の戸の脚遮蔽部材49が設けられている。
【0056】
戸の脚遮蔽部材49は、取付部47に重ねられて取付部47とともに下部補強部材11にねじ止めされている。また、戸の脚遮蔽部材49は、ゴム等の弾性体により構成されており、隣接する下部遮蔽部材44に接触している。
【0057】
このような乗場ドア装置では、下部遮蔽部材44が戸の脚12を避けて配置されているが、戸の脚12とドア本体8との間の隙間が戸の脚遮蔽部材49により遮蔽されているため、戸閉状態のときに、ドア本体8の下端部の隙間をより確実に遮蔽することができ、遮煙性及び遮音性を向上させることができる。また、遮光性を向上させることもできる。
【0058】
また、戸の脚遮蔽部材49は、隣接する下部遮蔽部材44に接触するように配置されているため、戸の脚12と下部遮蔽部材44との間の隙間も遮蔽され、遮煙性及び遮音性を向上させることができる。
さらに、戸の脚遮蔽部材49は、取付部47に重ねられて取付部47とともにドア本体8に固定されているので、構造を簡単にすることができる。
【0059】
実施の形態8.
次に、図22は実施の形態8による乗場ドア装置の要部を示す背面図、図23は図22のXXIII−XXIII線に沿う断面図である。図において、ドア本体8の下端部には、ドア本体8と戸の脚12との間の隙間を遮蔽する戸の脚遮蔽部材50が設けられている。
【0060】
戸の脚遮蔽部材50は、取付部47に重ねられて取付部47とともに下部補強部材11にねじ止めされている。また、戸の脚遮蔽部材50は、ゴム等の弾性体により構成されており、隣接する下部遮蔽部材44に弾性力により接合されている。即ち、戸の脚遮蔽部材50の幅方向両端部は、隣接する下部遮蔽部材44に乗り上げている。他の構成は、実施の形態7と同様である。
【0061】
このような乗場ドア装置によっても、戸の脚12とドア本体8との間の隙間が戸の脚遮蔽部材50により遮蔽され、遮煙性及び遮音性を向上させることができる。また、戸の脚遮蔽部材50が隣接する下部遮蔽部材44に弾性力により接合されているため、戸の脚12と下部遮蔽部材44との間の隙間がより確実に遮蔽され、遮煙性及び遮音性をさらに向上させることができる。さらに、戸の脚12や下部遮蔽部材44の寸法誤差を戸の脚遮蔽部材50の弾性変形により吸収させることができる。
【0062】
なお、実施の形態8では、戸の脚遮蔽部材50の全体を弾性体により構成したが、例えば下部遮蔽部材44に接触する端部など、戸の脚遮蔽部材の一部のみを弾性体で構成することも可能である。
【0063】
実施の形態9.
次に、図24は実施の形態9による乗場ドア装置の要部を示す背面図、図25は図24のXXV−XXV線に沿う断面図である。図において、ドア本体8の下端部には、ドア本体8と戸の脚12との間の隙間を遮蔽する戸の脚遮蔽部材51が設けられている。
【0064】
戸の脚遮蔽部材51は、金属板の両端部を直角に折り曲げて断面コ字形としたものである。また、戸の脚遮蔽部材51は、取付部47に重ねられて取付部47とともに下部補強部材11にねじ止めされている。戸の脚遮蔽部材51と隣接する下部遮蔽部材44との間には、ゴム等の弾性体からなるシール部材52が配置されている。シール部材52は、戸の脚遮蔽部材51の幅方向両端部に貼り付けられている。他の構成は、実施の形態7と同様である。
【0065】
このような乗場ドア装置によっても、戸の脚12とドア本体8との間の隙間が戸の脚遮蔽部材51により遮蔽され、遮煙性及び遮音性を向上させることができる。また、戸の脚遮蔽部材51と下部遮蔽部材44との間には、シール部材52が介在されているため、戸の脚12と下部遮蔽部材44との間の隙間がより確実に遮蔽され、遮煙性及び遮音性をさらに向上させることができる。さらに、戸の脚12や下部遮蔽部材44の寸法誤差をシール部材52の弾性変形により吸収させることができる。
【0066】
実施の形態10.
次に、図26は実施の形態10による乗場ドア装置の要部を示す背面図、図27は図26のXXVII−XXVII線に沿う断面図である。図において、ドア本体8の下端部には、ドア本体8と戸の脚12との間の隙間を遮蔽する戸の脚遮蔽部材53が設けられている。
【0067】
戸の脚遮蔽部材53は、金属板の両端部を折り曲げて断面ハット形としたものである。また、戸の脚遮蔽部材53は、取付部47に重ねられて取付部47とともに下部補強部材11にねじ止めされている。戸の脚遮蔽部材53の幅方向両端部は、隣接する下部遮蔽部材44に重ねられて接合されている。
【0068】
戸の脚遮蔽部材53と隣接する下部遮蔽部材44の端面との間には、ゴム等の弾性体からなるシール部材54が配置されている。シール部材54は、戸の脚遮蔽部材53に貼り付けられている。他の構成は、実施の形態7と同様である。
【0069】
このような乗場ドア装置によっても、戸の脚12とドア本体8との間の隙間が戸の脚遮蔽部材53により遮蔽され、遮煙性及び遮音性を向上させることができる。また、戸の脚遮蔽部材53と下部遮蔽部材44との間には、シール部材54が介在されているため、戸の脚12と下部遮蔽部材44との間の隙間がより確実に遮蔽され、遮煙性及び遮音性をさらに向上させることができる。さらに、戸の脚12や下部遮蔽部材44の寸法誤差をシール部材54の弾性変形により吸収させることができる。
【0070】
なお、上記の例では、乗場ドア装置について示したが、かごドア装置にもこの発明は適用でき、かご室内と外部との間の遮光性及び遮煙性を向上させることができる。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明のエレベータのドア装置は、ドア本体と戸の脚との間の隙間を遮蔽する戸の脚遮蔽部材を、ドア本体の下端部に設けたので、ドア本体の下端部の隙間をより確実に遮蔽することができ、遮煙性及び遮音性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1によるエレベータの乗場ドア装置を示す背面図である。
【図2】 図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】 図1のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】 図2のIV部を示す拡大図である。
【図5】 図3のV部を示す拡大図である。
【図6】 実施の形態2によるエレベータの乗場ドア装置を示す背面図である。
【図7】 図6のVII−VII線に沿う断面図である。
【図8】 図7の要部拡大図である。
【図9】 実施の形態3によるエレベータの乗場ドア装置を示す背面図である。
【図10】 図9の要部を示す分解斜視図である。
【図11】 実施の形態4によるエレベータの乗場ドア装置の要部を示す分解斜視図である。
【図12】 実施の形態5によるエレベータの乗場ドア装置の断面図である。
【図13】 図12のXIII部を拡大して示す断面図である。
【図14】 図13の側部遮蔽部材の要部を示す正面図である。
【図15】 図14のXV−XV線に沿う断面図である。
【図16】 図13の固定部を示す正面図である。
【図17】 実施の形態6による乗場ドア装置の要部断面図である。
【図18】 実施の形態7によるエレベータの乗場ドア装置の要部を示す背面図である。
【図19】 図18のXIX−XIX線に沿う断面図である。
【図20】 図18のXX−XX線に沿う断面図である。
【図21】 図18のXXI−XXI線に沿う断面図である。
【図22】 実施の形態8による乗場ドア装置の要部を示す背面図である。
【図23】 図22のXXIII−XXIII線に沿う断面図である。
【図24】 実施の形態9による乗場ドア装置の要部を示す背面図である。
【図25】 図24のXXV−XXV線に沿う断面図である。
【図26】 実施の形態10による乗場ドア装置の要部を示す背面図である。
【図27】 図26のXXVII−XXVII線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1 乗場出入口を開閉するドア本体、5a 敷居溝、12 戸の脚、44 下部遮蔽部材、49,50,51,53 戸の脚遮蔽部材、47 取付部、48 摺動部、52,54 シール部材。
Claims (4)
- 乗場出入口を開閉するドア本体、
上記ドア本体の下端部に設けられ、敷居溝に挿入される戸の脚、
上記ドア本体の下端部に上記戸の脚を避けて設けられ、上記ドア本体の下端部と床部との間の隙間を遮蔽する下部遮蔽部材、及び
上記ドア本体の下端部に設けられ、上記ドア本体と上記戸の脚との間の隙間を遮蔽する戸の脚遮蔽部材
を備え、
上記下部遮蔽部材は、弾性体により構成された摺動シール体を有しており、
上記摺動シール体は、上記乗場出入口の床部に固定された乗場敷居の上面に上記敷居溝よりも乗場側で接触しており、上記ドア本体の開閉動作時に上記乗場敷居上を摺動され、
上記戸の脚遮蔽部材は、弾性体により構成されていることを特徴とするエレベータのドア装置。 - 上記戸の脚は、上記ドア本体に取り付けられた平板状の取付部と、上記取付部に固定され、上記敷居溝内を摺動される摺動部とを有しており、上記戸の脚遮蔽部材は、上記取付部に重ねられて上記取付部とともに上記ドア本体に固定されていることを特徴とする請求項1記載のエレベータのドア装置。
- 上記戸の脚遮蔽部材は、隣接する上記下部遮蔽部材に弾性力により接合されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエレベータのドア装置。
- 上記戸の脚遮蔽部材と隣接する上記下部遮蔽部材との間には、弾性体からなるシール部材が配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエレベータのドア装置。
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