JP4381694B2 - 試料の表面処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体素子等の試料の表面処理装置及び表面処理方法にかかわり、特にプラズマを用いて半導体表面のエッチングやアッシングを行うのに適した表面処理装置及び表面処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造工程では、たとえば成膜、エッチング、アッシングなどの微細加工プロセスでプラズマ処理装置が広く用いられている。プラズマ処理によるプロセスは、真空容器(リアクタ)内部に導入されたプロセスガスをプラズマ発生手段によりプラズマ化し、半導体ウエハ表面で反応させて微細加工を行うとともに、揮発性の反応生成物を排気することにより、所定の処理を行うものである。
【0003】
本発明はプラズマを利用した装置全般を対象とするものであるが、ここではそのうちの一つであるECR(電子サイクロトロン共鳴)方式と呼ばれている装置を例に取り、従来技術を説明する。このECR方式では、外部より磁場を印加した真空容器中でマイクロ波によりプラズマを発生させる。試料に入射するイオンを加速するために試料にはバイアス電圧が印加される。
【0004】
近年の半導体素子のデバイス構造はますます複雑となり、これらの製造工程において高速処理化、少工程化が要求されている。すなわち、半導体集積デバイスは,微細化、例えば配線間の幅0.2μm程度あるいはそれ以下とする要求に伴い、配線部では隣接する配線間の静電容量が相対的に大きくなっている。このようなデバイスの配線間の絶縁材料として従来のシリコン酸化膜を用いると,微細化によって得られたトランジスタの高速化の恩恵を享受することが出来なくなる。このため配線間絶縁材料として誘電率(k値)の低い材料、例えばSiOC、が採用されている。
【0005】
これら誘電率(k値)の低い材料は主に配線材の銅と組み合わせて使用され,デュアルダマシンという方法で形成されるため、絶縁膜をエッチング加工する工程が必要となる。デュアルダマシン形成過程には,たとえば、前工程で穴形状が加工されたサンプルに,ハードマスクを用いてポーラス絶縁膜に溝形状を加工転写して所定の形状を得る工程が含まれる。このような技術は、たとえば、特許文献1に開示されている。
また、従来、プロセス状態をモニタし、プロセスを制御する方法も採用されている。プロセス状態をモニタしプロセスを制御する方法としては,例えば、特許文献2に開示された、処理ウエハからの反射干渉光をモニターし,エッチング処理を停止する方法が知られている。
【0006】
さらに、従来の技術ではエッチング終了後に同一装置内の別の真空容器や他装置を用いてマスク材の除去を行っている。たとえば、特許文献3には、ウエット処理によりエッチング残渣やレジスト表面硬化層などを除去する技術が開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平9-115878号公報
【特許文献2】
USP5,658,418号公報
【特許文献3】
特開2000-352827号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術では、エッチング終了後に同一装置内の別の真空容器や他の装置を用いてマスク材の除去を行っており、工程数の増加、それに伴うトータルスループットの低下や別の真空容器(装置)が必要となっていた。
【0009】
また、酸素プラズマのみでマスク材の除去を行なう方法では、表面に残留したケイ素成分や硬化したマスク層を含んだマスク材の除去が困難であった。ここで、図4に示すような、ウエハの表面処理として、SiOC製の絶縁膜120の上に形成されたレジストに、溝121のような所定のパターンを点線の位置まで形成する場合を考える。エッチング後のマスク材の表面には、プラズマからの入熱に伴うレジストの硬化層124を含んだ領域が残留している。この硬化層124内には、エッチングにより分離した絶縁膜120中のSiも堆積している。酸素プラズマのみでマスク材の除去を行なう方法では、このような、マスク材の表面の硬化したマスク層等の除去は不可能であった。また、膜層へのダメージ部125も生ずる。
【0010】
本発明の目的は、このような課題を解決して、同一真空容器内で容易にアッシング及びマスク材の除去をする表面処理装置及び表面処理方法を提供することである。
【0011】
本発明の他の目的は、エッチング後にマスク材表面に残留したケイ素成分や硬化したマスク層等を含んだ領域のマスク材の除去を容易に行ない、かつ、エッチング後の膜層へのダメージの少ない、表面処理装置及び表面処理方法を提供することである。
【0012】
本発明の他の目的は、マスク材の除去を容易に行ない、かつ、エッチング時に真空容器内壁に堆積したカーボン系、ケイ素系のデポ物の除去も行う表面処理装置及び表面処理方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の特徴は、真空容器と、該真空容器内でプラズマを発生させる手段、処理される試料を載置する試料台、および該試料に高周波バイアスを印加するための電源を備えた試料処理装置による表面処理方法であって、前記プラズマにより前記試料の表面処理を行うものにおいて、表面にマスク材を有する前記試料を前記試料台に載置し、前記真空容器内に第1のプラズマを生成し、前記試料台に前記高周波バイアスを印加し、該第1のプラズマにより前記試料の表面のエッチング処理を行ない、その後、前記真空容器内に酸素ガスとフッ素ガスを含んだ混合ガスを導入し、該混合ガスによる第2のプラズマを生成し、前記試料台に前記高周波バイアスを印加し、該真空容器内において前記第1のプラズマからの熱の入力により前記試料のマスク材表面に形成された硬化層を、前記第2のプラズマにより除去する処理を行ない、さらに、前記真空容器内に酸素ガスを導入し、該酸素ガスによる第3のプラズマを生成し、前記高周波バイアスの前記試料台への印加を停止し、該第3のプラズマにより前記硬化層除去後に残った前記マスク材を除去する、ことを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、同一真空容器を用いてエッチングとアッシングを実現することができる。
【0015】
本発明の他の特徴は、真空容器とその中にプラズマを発生させる手段および該プラズマにより表面処理される試料を設置する試料台と試料に高周波バイアスを印加するための電源を備え、試料の表面処理を行う表面処理装置において、該真空容器中に、アッシングガスとして、酸素ガスとフッ素を含んだガスの混合ガスを導入する手段を備えたことにある。
【0016】
本発明によれば、アッシングガスとして酸素ガスとフッ素を含んだガスの混合ガスを導入し、続いて酸素ガスのみを用いたプラズマで、アッシングガスすることで、マスク材と被エッチング材との選択比を増加することが可能となる。これらのガスの相乗効果により、高い選択比を保ちつつパターンのエッチング後形状をできるだけ維持したままマスク材のアッシングが実現できる。
【0017】
本発明の他の特徴は、真空容器中にプラズマを発生させ、試料を設置する試料台に高周波バイアスを印加し、前記試料の表面処理を行う試料の表面処理方法において、該真空容器中に酸素ガスとフッ素を含んだガスの混合ガスを導入し、前記プラズマにより前記試料の表面処理を行うことにある。
【0018】
本発明によれば、酸素ガスとフッ素ガスとの混合ガスをアッシングガスとして導入することで、マスク材表面に残留したケイ素成分や硬化したマスク層等を含んだ領域のマスク材の除去と真空容器の内壁に堆積したカーボン系、ケイ素系のデポ物デポ物の除去を同時に行なうことができる。また、低圧力でのマスク材除去をすることと、上記酸素ガスとフッ素ガスとの混合ガスのプラズマを用いたステップに引続き、酸素ガスのみのプラズマを用いる事により、エッチング後の膜層へのダメージ(エッチング)を少なくすることが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について説明する。まず、本発明の試料の表面処理を適用するプラズマエッチング装置の構成について説明する。
【0020】
図1は、本発明を適用するのに適した、電子サイクロトロン共鳴(ECR)を応用したプラズマ処理装置の模式図である。プラズマ処理装置は真空容器である複数の処理室1を備えている。各処理室1の周囲には、電子サイクロトロン共鳴(ECR)用磁場を発生するためにコイル2が設置されている。エッチング用ガスは、マスフローコントローラ3を介してガス源30に接続されたガス供給管4を通して各処理室1へ供給される。エッチング用ガスは、直径が0.4ないし0.5mm程度の微細な穴が数100個程度設けられたシリコンあるいはガラス状炭素からなるガス供給板5から、処理室1に導入される。ガス供給板5の上方には、UHF帯のマイクロ波を放射する円盤状のアンテナ6が設けられている。マイクロ波は、電源7からマッチング回路8、導入軸9を通してアンテナ6へ給電される。マイクロ波はアンテナ6の周囲から放射されるとともに、アンテナ6の上方の空間での共振電界が誘電体10を通って各処理室内に導入される。マイクロ波の周波数は、プラズマの電子温度を0.25eVから1eVの低温度にできる帯域が選定されていて、300MHzから1GHzの範囲である。本実施例では、450MHz付近の周波数帯を使用した。また、誘電体10としては、石英やアルミナを使用できる。あるいは、ポリイミドなどの耐熱性ポリマーで誘電損失が小さいものを使用しても良い。
【0021】
ガス供給板5の下方には、ウエハ載置電極11が設けられ、ウエハ12が静電吸着により支持されている。静電吸着用電源は図示を省略する。ウエハ12にプラズマ中のイオンを引き込むために、高周波電源13からウエハ載置電極11に、高周波バイアスが印加される。
【0022】
反応生成物のプラズマ発光強度や干渉光の変化をモニタ15,16で観察し、コントローラ17を介して終点を判定する。また、プラズマ処理装置は、測長SEMによって処理されたウエハの線幅等を測定する検査装置も備えている。
【0023】
なお、コントローラ17は、マスフローコントローラ3、電源7、高周波電源13、検査装置などの制御を含むプラズマ処理装置の全体を制御する。このコントローラ17は、たとえば、CPUやメモリ、プログラム、外部記憶装置および入出力手段などを備えたコンピュータにより構成されている。検査装置により、処理後のウエハについて、1枚毎に残渣の状況も検査され、ウエハの良否が判定される。検査の結果、残渣が大きくて不合格になったウエハは排除され、次の処理工程には送られない。他方、この検査結果で合格になったウエハについても、検査情報が次の処理工程に反映される。例えば、検査で合格にはなったものの残渣が比較的大きいウエハに関しては、次の工程でこの残渣を配慮した補正処理がなされる。
【0024】
また、コントローラ17の入出力手段として表示部を備えており、ウエハ1枚毎の残渣の状況や、検査の合否、現在の運転レシピ等が表示される。
【0025】
また、アンテナ6および処理室内壁14は、温度調節されている。すなわち、図示していない温度調節器から冷媒をアンテナ6及び処理室内壁14に導入して温度を調節することにより、アンテナ6、内壁14は一定の温度に保持されている。本実施例では30〜80℃に調節されるよう設定した。
【0026】
処理室1に直結接続された真空室には、排気速度が2000L/sから3000L/s程度のターボ分子ポンプが設置されている。また、図には示していないが、ターボ分子ポンプの開口部には排気速度調整用のコンダクタンスバルブが設置され、エッチングやアッシングに適した流量と圧力を達成するために排気速度が調節される。さらに、大気開放時などにターボ分子ポンプを隔離するためにストップバルブも設けられている。
【0027】
次に、上記プラズマエッチング装置を用いた、本発明の実施例における、エッチングとアッシングについて説明する。
【0028】
高真空に排気された状態の処理室1に、図には示していないが、搬送室から搬送アームによってウエハが搬入され、ウエハ載置電極11の上に受け渡される。搬送アームが後退して処理室1と搬送室間のバルブが閉じられた後、ウエハ載置電極11が上昇して、エッチングやアッシングに適した位置で停止する。本実施例の場合は、ウエハ12とガス導入板5との距離(電極間距離)を30nmから100nmとした。
【0029】
まず、プラズマ源を用いて真空容器内にプラズマを生成し、ウエハに対するエッチングがなされる。そして、同一真空容器内でアッシングを行ない、ウエハのマスク材の除去等を行なう。
【0030】
本発明の実施例におけるアッシングは、基本的に、次の第1のステップと第2のステップの、2つのステップからなっている。第1のステップはウエハ表面の上層、すなわちマスク材表面の硬化層及び、Si含有層の除去であり、第2のステップはウエハ表面の下層、すなわちマスク材の除去である。各ステップの処理条件の一例を示すと、次のとおりである。
【0031】
<実施例1>
(1)第1のステップ:
アッシングガス=O2とCF4の混合ガス
ガス流量(O2/CF4)=100sccm/5sccm
処理圧力=0.5Pa
UHFマイクロ波電源=周波数450MHz、出力400W
ウエハへの高周波電源=周波数800KHz、出力300W
(2)第2のステップ:
アッシングガス=O2単独ガス
ガス流量(O2)=100sccm
処理圧力=0.5Pa
UHFマイクロ波電源=周波数450MHz、出力400W
ウエハへの高周波電源の出力=0W
アッシングにおいて、上記いずれのステップでも、コイル2に電流を印加し、UHFマイクロ波450MHzの共鳴磁場0.016Tをガス供給板5とウエハ載置電極11(すなわちウエハ12)の間に発生させた。次に、マイクロ波電源7を動作させた。これに伴い、電子サイクロトロン共鳴により、磁場強度0.016TのECR領域に強いプラズマが発生する。
【0032】
アッシング特性の均一化を図る上で、ウエハ12の表面における入射イオン密度を均一にする必要があるが、ECR位置を磁場コイル2で自由に調節することができるため、最適なイオン密度分布が得られる。本実施例では、ECR領域の形状をウエハ12側に凸の状態にとした。
【0033】
プラズマが着火した後に、図には示していないが、高周波電源13に並列に接続された直流電源から高電圧がウエハ載置電極11に印加され、ウエハ12は、ウエハ載置電極11に静電吸着される。静電吸着されたウエハ12の裏面にヘリウムガスが導入され、冷媒により温度調節されたウエハ載置電極11のウエハ載置面とウエハ間でヘリウムガスを介してウエハの温度調節が行われる。
【0034】
次に、高周波電源13を動作させ、ウエハ載置電極11に高周波バイアスを印加する。これにより、ウエハ12にプラズマ中からイオンが垂直に入射する。バイアス電圧がウエハ12に印加されると同時に、アッシングが開始される。所定のアッシング時間でアッシングを終了する。あるいは、反応生成物のプラズマ発光強度や干渉光の変化をモニタ15,16で観察し、コントローラ17を介して終点を判定してアッシング終了時間を求め、適切なオーバーアッシングを実施した後、アッシングを終了する。アッシングの終了は、コントローラ17を介して高周波電源13のバイアス電圧の印加を停止したときである。これと同時に、アッシングガスの供給も停止する。
【0035】
マスク材の厚みが300nm〜400nmの場合、前記第1のステップの処理時間は30秒であり、前記第2のステップの処理時間は約240秒である。第1のステップと第2のステップの切り替えは、予め、同じ処理条件に関するデータを取得し、各々所定の時間を設定するようにすればよい。あるいは、反応生成物のプラズマ発光強度変化をモニタ観察し、第1のステップでウエハ表面の上層の処理を行ない、処理が終了したら第2のステップに移行し、ウエハ表面の下層を処理するように、自動的に切り替えるようにしても良い。
【0036】
図2により、本発明の実施例における、エッチングとアッシングによるウエハの表面処理の状況について説明する。
【0037】
図2の(A)に示すウエハの初期状態において、ウエハ12の表面は、下地膜SiCの上に形成されたSiOC製の絶縁膜120に、所定のパターン例えば表面に溝123を形成するための(CやHを含む)レジスト122が形成されている。このとき、処理室1の内壁面100は、反応生成物などの異物が付着していないきれいな状態にある。エッチング後、図2の(B)に示すように、レジスト122の上表面には、プラズマからの入熱に伴うレジストの硬化層124が形成されている。さらにこの硬化層124内には、エッチングにより分離した絶縁膜120中のSiも堆積している。また、処理室1の内壁には、レジストの成分であるC系統や、被エッチング材の成分であるSi系の反応生成物の付着層126が形成されている。
【0038】
前記条件でアッシングを行なうと、マスク材とエッチング後の膜層との選択比が高くなる。そのため、これら不要なマスク材の表面の硬化層124の除去が容易である。すなわち、図2の(C)に示すように、マスク材の表面の硬化層124が完全に除去されるとともに、処理室1の内壁の付着層126も完全に除去される。
【0039】
次に、静電吸着したウエハ12をウエハ載置電極10から脱着する工程が必要であり、除電ガスとしてアルゴンや実際にアッシングに使用するガス種などが使用される。静電吸着電圧の供給を停止して給電ラインをアースに接続した後、マイクロ波の放電を維持しながら10秒間程度の除電時間を設ける。これにより、ウエハ12上の電荷がプラズマを介してアースに除去され、ウエハ12が容易に脱着できるようになる。除電工程が終了すると、除電ガスの供給停止とともにマイクロ波の供給も停止される。さらには、コイル2への電流供給も停止する。また、ウエハ載置電極11の高さを、ウエハ受け渡し位置まで下降させる。
【0040】
この後しばらくの間、処理室1を高真空まで排気する。高真空排気が完了した時点で、搬送室間のバルブを開け、搬送アームを挿入してウエハ12を受け取り、搬出する。次のエッチングがある場合は、新しいウエハを搬入し、再び上述の手順に従ってアッシングが実施される。以上で、アッシング工程の代表的な流れを説明した。
【0041】
本発明の特徴の1つは、アッシングの条件として、処理圧力が低く、他方、UHFマイクロ波電源の周波数が高いことにある。低圧力でのマスク材除去をすることと、酸素ガスとフッ素ガスとの混合ガスのプラズマを用いた第1のステップに引続き、酸素ガスのみのプラズマを用いる第2のステップを実施することにより、エッチング後の膜層へのダメージ(サイドエッチングや溝底のエッチング)を少なくすることが可能となる。すなわち、処理圧力を低くし、UHFマイクロ波電源の周波数を高くすることで、酸素ラジカルの動きを制御が容易になり、エッチング後の膜層へのダメージを少なくしながら硬いマスク材の除去を行なうことができる。
【0042】
図3は、本発明の方法における、処理圧力と電源の周波数の望ましい範囲を示している。
【0043】
真空処理室での放電を安定させるためには、電源の周波数と処理圧力の関係を、図3の斜線領域にするのが望ましい。一方、エッチング後の膜層へのダメージ低減の観点から、処理圧力は2Pa以下が望ましい。つまり、図3に「有効領域」として示した、処理圧力0.2〜2Pa、UHFマイクロ波100MHz以上の範囲で、アッシングを行なうのが望ましい。
【0044】
表1に、本発明の一実施例の特徴的な処理条件、及びこれらと一部の条件を変えた場合の、効果の比較例を示す。
表1
【0045】
<実施例2>
処理圧力=2Pa、UHFマイクロ波電源=周波数450MHz、出力400Wとし、他の条件は実施例1と同じで、ウエハ表面の下層、すなわちマスク材の厚みが100nmの試料のアッシングを行なった。
【0046】
<実施例3>
処理条件は実施例1と同じで、ウエハ表面のアッシング及び処理室1の内壁表面のクリーニングを同時に行なった。
【0047】
<実施例4>
処理条件は実施例1と同じで、処理室1の内壁表面のクリーニングを行ない、C系あるいはSi系の反応生成物の除去を行なった。この実施例4は、実施例1の条件でウエハを複数枚処理した後、引き続き、クリーニングを行う方法として考えられる。
【0048】
なお、第1のステップで供給するフッ素を含んだガスとしては、CHF3、CH2F2、CF4、およびSF6のいずれかであることが好ましい。
【0049】
本発明の実施例によれば、プラズマを用いる表面処理装置で、アッシングガスとして酸素ガスにフッ素ガスを添加する。酸素ガスとフッ素ガスとの混合ガスをアッシングガスとして導入することでマスク材表面に残留したケイ素成分や硬化したマスク層等を含んだ領域のマスク材の除去と真空容器内壁に堆積したカーボン系、ケイ素系のデポ物の除去を同時に行なうことができる。
【0050】
また、低圧力でのマスク材除去をすることと、上記酸素ガスとフッ素ガスの混合ガスのプラズマを用いるステップに引続き、酸素ガスのみのプラズマを用いる事により、エッチング後の膜層へのダメージ(エッチング)を少なくすることが可能となる。
【0051】
なお、本実施例では、UHF型ECRプラズマエッチング装置を用いた場合を前提に説明したが、他のプラズマ源でも何等問題はなく、UHF型ECRプラズマエッチング装置に限定されるものではない。したがって、マイクロ波以外の誘導型プラズマ装置でも本発明を適用することができる。
【0052】
また、本発明の実施例によれば、同じ表面処理装置で、エッチングとアッシングを行なう例を述べたが、別々の表面処理装置で、エッチングとアッシングを行なう用にしても良い。
【0053】
【発明の効果】
以上のように本発明により、同一真空容器を用いてエッチングとアッシングを実現することができる。また、アッシング添加ガスにフッ素を含んだガスのステップと、酸素プラズマでのアッシングステップを用いることで、マスク材と被エッチング材との選択比を増加することが可能となる。これらの相乗効果により高い選択比を保ちつつパターンのエッチング後形状をできるだけ維持したままマスク材のアッシングが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適応するプラズマ処理装置の全体構成を示す模式図である。
【図2】本発明の処理方法における試料の表面と真空容器内壁の状態を示す図である。
【図3】本発明の方法における、処理圧力と電源の周波数の望ましい範囲を示す図である。
【図4】従来例における試料の表面と真空容器内壁の状態を示す図である。
【符号の説明】
1…エッチング室、2…コイル、3…マスフローコントローラ、4…ガス供給管、5…ガス供給板、6…アンテナ、7…マイクロ波電源、8…マッチング回路、9…高周波導入軸、10…誘電体、11…ウエハ載置電極、12…ウエハ、13…高周波電源、14…エッチング室内壁、15、16…モニタ、17…コントローラ、100…内壁面、120…絶縁膜、122…レジスト、123…溝、124…硬化層、125…ダメージ部、126…付着層
Claims (5)
- 真空容器と、該真空容器内でプラズマを発生させる手段、処理される試料を載置する試料台、および該試料に高周波バイアスを印加するための電源を備えた試料処理装置による表面処理方法であって、前記プラズマにより前記試料の表面処理を行うものにおいて、
表面にマスク材を有する前記試料を前記試料台に載置し、
前記真空容器内に第1のプラズマを生成し、前記試料台に前記高周波バイアスを印加し、該第1のプラズマにより前記試料の表面のエッチング処理を行ない、その後、
前記真空容器内に酸素ガスとフッ素ガスを含んだ混合ガスを導入し、該混合ガスによる第2のプラズマを生成し、前記試料台に前記高周波バイアスを印加し、該真空容器内において前記第1のプラズマからの熱の入力により前記試料のマスク材表面に形成された硬化層を、前記第2のプラズマにより除去する処理を行ない、さらに、
前記真空容器内に酸素ガスを導入し、該酸素ガスによる第3のプラズマを生成し、前記高周波バイアスの前記試料台への印加を停止し、該第3のプラズマにより前記硬化層除去後に残った前記マスク材を除去する、ことを特徴とする試料の表面処理方法。 - 請求項1において、
前記試料のマスク材表面に形成された硬化層を前記第2のプラズマにより除去する処理時、及び前記第3のプラズマにより前記硬化層除去後に残った前記マスク材を除去する処理時の前記真空容器中の圧力を、0.2〜2Paに保つことを特徴とする試料の表面処理方法。 - 請求項1において、
前記フッ素を含んだガスが、CHF3、CH2F2、CF4、およびSF6のいずれかであることを特徴とする試料の表面処理方法。 - 請求項1において、
前記試料のマスク材の除去と該真空容器の内壁に付着したデポ物の除去を同時に行うことを特徴とする試料の表面処理方法。 - 真空容器、該真空容器内に複数のガスを導入するガス導入手段、該真空容器内でプラズマを発生させる手段、該プラズマにより表面処理される試料を載置する試料台、該試料に高周波バイアスを印加するための電源、前記真空容器内の反応生成物のプラズマ発光強度または干渉光を測定するモニタ、および各部を制御するコントローラを備えた試料の表面処理装置による試料の表面処理方法であって、
表面にマスク材を有する前記試料を前記試料台に載置し、
前記真空容器内に第1のプラズマを生成し、前記試料台に前記高周波バイアスを印加し、該第1のプラズマにより前記試料の表面のエッチング処理を行ない、その後、
前記真空容器内に酸素ガスとフッ素を含んだガスの混合ガスを導入し、該混合ガスによる第2のプラズマを生成し、前記試料台に前記高周波バイアスを印加し、該真空容器内において前記第1のプラズマからの熱の入力により前記試料のマスク材表面に形成された硬化層を、前記第2のプラズマにより除去する処理を行ない、さらに、
前記真空容器内に酸素ガスを導入し、該酸素ガスによる第3のプラズマを生成し、前記高周波バイアスの前記試料台への印加を停止し、該第3のプラズマにより前記硬化層除去後に残った前記マスク材を除去し、
前記真空容器内の反応生成物のプラズマ発光強度及び干渉光をモニタし、
前記モニタ結果を用いて、前記表面処理の状態を自動的に決定し、前記酸素ガスまたは前記混合ガスの供給の切り替え及び前記試料台への前記高周波バイアスの印加の切り替えを行なう
ことを特徴とする試料の表面処理方法。
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