JP4381522B2 - 電気回路収容部における防水チェック構造 - Google Patents

電気回路収容部における防水チェック構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外部導線に連なる雌型または雄型のカプラを着脱可能にかつ水密に装着し得る雄型または雌型のカプラ部を有するハウジングに設けられて電気回路を収容可能な収容凹部と、電気回路を収納した状態にある前記収容凹部を閉塞して前記ハウジングに結合されるカバーとで構成される電気回路収容部において、カバーで閉塞された前記収容凹部内の防水性をチェックするための構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
収容凹部内に通じる連通孔をハウジングもしくはカバーに設けておき、電気回路を収容した後の収容凹部をカバーで閉塞した後に前記連通孔から収容凹部内に作用せしめた空気圧を基準値と比較することで、該収容凹部の防水性をチェックすることが従来から行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来のような連通孔では、防水チェックの完了後に該連通孔を塞ぐ必要があり、連通孔を塞ぐ部材が必要になるとともに連通孔を塞ぐ作業が必要になる。
【0004】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、防水チェックのための連通孔を塞ぐ部材ならびに連通孔を塞ぐ作業を不要とした電気回路収容部における防水チェック構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、外部導線に連なる雌型または雄型のカプラを着脱可能にかつ水密に装着し得る雄型または雌型のカプラ部を有するハウジングに設けられて電気回路を収容可能な収容凹部と、電気回路を収納した状態にある前記収容凹部を閉塞して前記ハウジングに結合されるカバーとで構成される電気回路収容部において、前記カプラ部および前記収容凹部は、何れも前記ハウジングに継ぎ目無く一体に形成され、前記カバーで閉塞された前記収容凹部内の防水性をチェックするために前記カプラ部内から前記収容凹部内に空気圧を作用せしめることを可能とした連通孔が、前記カプラ部内および前記収容凹部内を結んで前記ハウジングに設けられることを特徴とする。
【0006】
このような構成によれば、収容凹部と共にハウジングに継ぎ目無く一体化されて収容凹部からの連通孔が通じるカプラ部内は、該カプラ部へのカプラの装着により水密に保たれるので、防水チェック完了後に連通孔を塞ぐことは不要であり、連通孔を塞ぐ部材を不要として部品点数の低減を図ることが可能となるとともに、連通孔を塞ぐ作業も不要として作業工数の低減を図ることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
【0008】
図1〜図13は本発明をトルク検出器に適用したときの一実施例を示すものであり、図1はトルク検出器の縦断面図、図2は入力軸および可動部材の係合状態を示す横断面図、図3は図2の3−3線断面図、図4はコイル組立体およびバスバー組立体の分解斜視図、図5はコイル組立体およびバスバー組立体の分解平面図、図6は仮止め状態にあるコイル組立体およびバスバー組立体の平面図、図7は図6の7−7線断面図、図8はハウジングの型成形状態を図7に対応して示す断面図、図9はハウジングの平面図、図10は図9の10矢視図、図11は図9の11矢視図、図12は回路用接続端子の屈曲過程を図11の12−12線に沿って示す断面図、図13はカバー溶着状態での図11の13−13線断面図である。
【0009】
先ず図1において、このトルク検出器は、たとえば車両のパワーステアリング系に介設されるものであり、図示しないステアリングハンドル側に連なる入力軸11と、図示しない車輪側に連なって入力軸11と同軸に配置される出力軸12と、入力軸11および出力軸12間を連結するトーションバー13とを備え、入力軸11に入力されるトルクに応じてトーションバー13が捩れ変形することに伴なう入力軸11および出力軸12間に生じる相対角変位量を、前記入力トルクに応じた値として検出するものである。
【0010】
このトルク検出器のハウジング14は、ボビン15と、該ボビン15に巻装される第1および第2コイル16,17とを備えるコイル組立体18を覆うようにして、合成樹脂により筒状に形成されており、中空の略円筒状に形成される入力軸11は、ハウジング14の軸方向一端側で前記ボビン15に固定されるボールベアリング19を介して回転自在に支承されつつ、ハウジング14内に突入される。しかもボールベアリング19よりも軸方向外方側でハウジング14および入力軸11間にはダストシール20が設けられる。
【0011】
トーションバー13は入力軸11内に挿入されており、入力軸11およびトーションバー13の一端は連結ピン21で相互に連結される。これによりトーションバー13の一端側は入力軸11とともに回転するのに対し、トーションバー13の捩れ変形に応じてトーションバー13の他端部および入力軸11の他端は相対角変位可能である。
【0012】
前記ハウジング14の他端には、金属製の支持体22が締結されるものであり、該支持体22は車両の車体23に固定的に支持され、相互に締結されたハウジング14および支持体22内への水や塵埃の侵入を防止するための環状のシール部材24が支持体22および車体23間に介装される。
【0013】
出力軸12は、ボールベアリング25を介して支持体22に回転自在に支承されており、この出力軸12の一端部にトーションバー13の他端部がセレーション26を介して結合される。
【0014】
ハウジング14と一体化されたコイル組立体18におけるボビン15と、入力軸11の他端部との間には、合成樹脂から成る可動部材27が配置され、該可動部材27の外面にリング状のコア28が固着される。
【0015】
ところで、出力軸12の一端部には、その一直径線に沿って出力軸12の外面から外方に突出する一対の規制ピン29,29が装着されており、それらの規制ピン29,29の先端部を係合させる規制溝30,30が、出力軸12の軸方向に沿って長く延びて前記可動部材27の内面に設けられる。したがって可動部材27およびコア28は、出力軸12との相対回転が不能であるが規制ピン29,29が規制溝30,30で案内される範囲で出力軸12との軸方向相対移動が可能である。しかも出力軸12および支持体22間に設けられているボールベアリング25の内輪で受けられたリテーナ31と前記可動部材27との間には、コイルばね32が設けられており、このコイルばね32のばね力により可動部材27すなわちコア28は、出力軸12から離反する方向に付勢される。
【0016】
図2および図3において、可動部材27の内面には、螺旋状の案内溝33が設けられており、該案内溝33に嵌合するピン34が入力軸11に装着される。したがって、入力軸11へのトルク入力に応じたトーションバー13の捩れ変形により入力軸11および出力軸12間に相対角変位が生じたときに、その相対角変位量に応じて可動部材27およびコア28が入力軸11の軸線に沿う位置を変化させることになる。
【0017】
図4および図5を併せて参照して、ボビン15は、略円筒状のコイル巻装部15aと、該コイル巻装部15aの一端に同軸に連なる略円筒状の延長筒部15bとを有して、全体として段付きの略円筒状に形成される。コイル巻装部15aの一端側、中間部および他端側の外面には、該コイル巻装部15aの外面に巻装される第1および第2コイル16,17の巻付け範囲を規制する規制壁15c,15d,15eが半径方向外方に突出するようにして一体に設けられる。またコイル巻装部15aの一端側外面には、ボビン15およびハウジング14の結合を強化するための複数の突部15f,15f…が外端部を規制壁部15cの外端部と面一になるようにした放射状に突設され、コイル巻装部15aの他端側外面には、ボビン15およびハウジング14の結合を強化するための複数の突部15g,15g…が規制壁部15eよりも外方に突出するようにして放射状に突設される。
【0018】
ボビン15における延長筒部15bの先端部には、入力軸11およびハウジング14間に設けられるボールベアリング19が、その軸方向外端をわずかに延長筒部15bの先端から突出させるようにして嵌合されるものであり、そのボールベアリング19における外輪の内端を受ける鍔部15hが、延長筒部15bの内面から半径方向内方に張出すようにして延長筒部15bに一体に設けられる。
【0019】
コイル組立体18は、前記ボビン15と、該ボビン15に巻装される第1および第2コイル16,17と、ボビン15におけるコイル巻装部15aの一端側外面に装着される3つの導電金属製のバスバー37,38,39とを含む。
【0020】
バスバー37,38の一端側には、ボビン15における延長筒部15bの外方で該延長筒部15bの一端側に延びるコイル用接続端子37a,38aがそれぞれ形成され、バスバー37,38の他端側には、二叉に分岐した一対ずつの回路用接続端子37b,37b;38b,38bが、ボビン15の半径方向に沿って前記コイル巻装部15aの一端側外面から外方に突出するようにしてそれぞれ形成される。またバスバー39は、前記両バスバー37,38間でボビン15に装着されるものであり、該バスバー39の一端側には、二叉に分岐した一対のコイル用接続端子39a,39aが、前記延長筒部15bの外方で該延長筒部15bの一端側に延びるようにして形成され、バスバー39の他端側には、ボビン15の半径方向に沿って前記コイル巻装部15aの一端側外面から外方に突出する回路用接続端子39bが形成される。
【0021】
各バスバー37〜39のボビン15への装着状態で、バスバー37,38のコイル用接続端子37a,38aには、第1および第2コイル16,17の一端がヒュージング等でそれぞれ接続され、バスバー39のコイル用接続端子39a,39aには、第1および第2コイル16,17の他端がヒュージング等でそれぞれ接続される。
【0022】
ハウジング14の型成形時には、前記コイル組立体18と、該コイル組立体18のボビン15に嵌合される前記ボールベアリング19と、図6で示すように前記コイル組立体18に仮止めされるバスバー組立体40とが、成形型内に挿入されるものであり、バスバー組立体40もハウジング14で覆われる。
【0023】
バスバー組立体40は、導電金属から成る複数たとえば7つのバスバー41〜47の一部が、合成樹脂から成る被覆部48で被覆されて成るものである。
【0024】
各バスバー41〜47の一端には、バスバー組立体40をコイル組立体18に仮止めした状態でコイル組立体18の半径方向と平行な方向で被覆部48から外方に突出する外部導線用接続端子41a〜47aがそれぞれ形成されており、また各バスバー41〜47の他端には、バスバー組立体40をコイル組立体18に仮止めした状態でコイル組立体18の半径方向と平行な方向で被覆部48から外方に突出するコイル用接続端子41b〜47bがそれぞれ形成される。
【0025】
コイル用接続端子41b〜47bは、ボビン15に装着されているバスバー37〜39のコイル用接続端子37b…,38b…,39bがボビン15の軸線に直交する平面内に並ぶように配置されるのに対して、それらのコイル用接続端子37b…,38b…,39bの配列と略L字状に交差するようにしてボビン15の軸線方向に並ぶように配置される。また外部導線用接続端子41a〜47aは、前記各コイル用接続端子37b…,38b…,39b,41b〜47bが配置される部分とはボビン15の周方向にずれた位置で、ボビン15の軸線に直交する平面内に並ぶように配置される。
【0026】
被覆部48は、コイル組立体18における規制壁部15c〜15eの外周に内周を当接させ得るようにして略円弧状に形成されており、被覆部48を規制壁部15c〜15eに当接させた状態で、コイル組立体18のボビン15にかしめ係合し得るかしめ部49,50が、各バスバー41〜47のうちバスバー41に一体に形成され、またコイル組立体18のボビン15にかしめ係合し得るかしめ部51が、各バスバー41〜47のうちバスバー47に一体に形成される。
【0027】
一方、コイル組立体18のボビン15におけるコイル巻装部15aの一端側外面には、前記かしめ部50をかしめて係合するための係合孔52をコイル巻装部15aの一端側外面との間に形成する係止部53が一体に突設され、コイル組立体18のボビン15におけるコイル巻装部15aの他端側外面には、前記かしめ部49,51をかしめて係合するための係合孔54,56をコイル巻装部15aの他端側外面との間に形成する係止部55,57が一体に突設される。
【0028】
したがって被覆部48の内周をコイル組立体18における規制壁部15c,15eの外周に当接させた状態で、各かしめ部49〜51をボビン15の係止部53,55,57にかしめ係合することで、図6で示すように、バスバー組立体40がコイル組立体18に仮止めされることになる。
【0029】
図7を併せて参照して、バスバー組立体40の被覆部48には、かしめ部50の両側でボビン15における延長筒部15bの外面に先端を接触させる流れ制御部48a,48bが、被覆部48の外周に基端部を連設させるようにして一体に設けられており、これらの流れ制御部48a,48bは、コイル組立体18およびバスバー組立体40を覆うハウジング14の型成形時に、成形型内の溶融樹脂の流れがバスバー組立体40およびコイル組立体18間に流入することを回避して該溶融樹脂の流れをバスバー組立体40の外周側に導く機能を果す。
【0030】
すなわち図8で示すように、コイル組立体18、ボールベアリング19およびバスバー組立体40を成形型58内に挿入し、コイル組立体18、ボールベアリング19およびバスバー組立体40と成形型58との間に形成されるキャビティ59に、ボビン15の一端側であるゲート60から矢印で示すように溶融樹脂を圧入したときに、前記流れ制御部48a,48bにより、溶融樹脂はバスバー組立体40の外周側に導かれる。
【0031】
図9〜図11において、前記成形型58によって型成形されるハウジング14には、該ハウジング14を支持体22に締結するためのフランジ部14aが該ハウジング14の周方向に等間隔をあけた3箇所で外方に突出するようにして一体に設けられており、それらの3箇所でフランジ部14aには、支持体22に螺合されるボルト62…(図1参照)を挿通せしめる円筒状金属製のスリーブ61…がインサート結合される。
【0032】
またハウジング14には、横断面矩形の筒状に形成されて外方に突出する雄型のカプラ部14bが一体に形成され、ハウジング14でバスバー組立体40が覆われることで該ハウジング14にインサート結合されることになるバスバー41〜47の一端の外部導線用接続端子41a〜47aは、カプラ部14b内に臨むように配置される。
【0033】
さらにハウジング14には、横断面形状を略矩形とした筒部14cがハウジング14の半径方向外方に突出するようにして一体に形成されており、該筒部14cの内面を構成するようにしてハウジング14に設けられる収容凹部63がハウジング14に設けられる。前記筒部14cの外端にはフランジ65が一体に設けられており、収容凹部63を塞ぐ合成樹脂製のカバー64(図1参照)が、前記フランジ65に溶着される。
【0034】
収容凹部63には、図1で示すように、回路基板66にアンプ等の電気部品が搭載されて成る電気回路67が収容され、前記回路基板66がハウジング14に取付けられる。この電気回路67は、第1および第2コイル16,17のインダクタンス変化に伴って入力トルクに対応した信号を得るように構成されている。すなわち、入力軸11へのトルク入力に応じたトーションバー13の捩れ変形によって、コア28は、入力軸11の軸線に沿う位置すなわち第1および第2コイル16,17に対する相対位置を変化させるものであり、そのような相対位置変化が両コイル16,17の周辺に磁気的変化を生じさせることで両コイル16,17のインダクタンスがそれぞれ変化することになり、そのインダクタンス変化に応じて、入力トルクに対応した信号が電気回路67で得られる。
【0035】
回路基板66を取付けるために、ハウジング14における収容凹部63の底部には、回路基板66を受ける環状の受け面68と、該受け面68から突出する突部69とを先端部にそれぞれ備える複数たとえば3個のボス70,70…が一体に突設されており、突部69…を挿通せしめて受け面68…で受けられる回路基板66に前記突部69…の該回路基板66からの突出部をかしめて係合することにより、回路基板66がハウジング14に固定される。
【0036】
ところで、バスバー組立体40がハウジング14で覆われることで該ハウジング14にインサート結合されることになるバスバー41〜47の他端の回路用接続端子41b〜47bと、コイル組立体18がハウジング14で覆われることで該ハウジング14にインサート結合されることになるバスバー37〜39の一部で形成される回路用接続端子37b…,38b…,39bとは、収容凹部63に配置されるようにしてハウジング14から突出され、これらの回路用接続端子37b…,38b…,39b,41b〜47bは、その先端を回路基板66に挿通せしめた状態で該回路基板66に半田付け等により接続される。
【0037】
しかも各回路用接続端子37b…,38b…,39b,41b〜47bは、回路基板66への接続状態での熱による伸縮作用によって各回路用接続端子37b…,38b…,39b,41b〜47bの回路基板66への接続部が外れてしまうのを防止するために、回路基板66をハウジング14に取付ける前に予め屈曲されるものであり、収容凹部63内でハウジング14には、各回路用接続端子37b…,38b…,39b,41b〜47bに個別に対応した端子曲げ用台座71,71…が、該ハウジング14の型成形時に形成される。
【0038】
図12において、各端子曲げ用台座71,71…は、回路用接続端子37b…,38b…,39b,41b〜47bにその外方側で隣接するように配置されるものであり、回路用接続端子37b…,38b…,39b,41b〜47bの押付けによりそれらの回路用接続端子37b…,38b…,39b,41b〜47bを略L字状に屈曲させ得る形状に形成される。
【0039】
また端子曲げ用台座71,71…への押付けによって屈曲される部分で、各回路用接続端子37b…,38b…,39b,41b〜47bの両側面には、ノッチ72,72…が予め形成されている。
【0040】
各回路用接続端子37b…,38b…,39b,41b〜47bは、ハウジング14の型成形完了時にあっては、図12(a)で示すように、一直線状に延びてハウジング14から突出する形状となっているのであるが、それらの回路用接続端子37b…,38b…,39b,41b〜47bの曲げ加工時には、図12(b)で示すような曲げ加工治具73が用いられる。この曲げ加工治具73は、各回路用接続端子37b…,38b…,39b,41b〜47bを1つずつ曲げ加工すものであってもよいが、加工能率を向上するためには、1列に並んだ回路用接続端子37b…,38b…,39bと、1列に並んだ回路用接続端子41b〜47bをそれぞれ1度に曲げ加工し得るものであることが望ましい。このため、曲げ加工治具73は、各回路用接続端子37b…,38b…,39b;41b〜47bに個別に対応して複数の溝74…と、それらの溝74…の底面を形成するようにして三角形状に形成される押圧部75…とを先端部に備えるように形成される。而して押圧部75…を各回路用接続端子37b…,38b…,39b;41b〜47bに押し当てて、図12(c)で示すように端子曲げ用台座71…に押付けることにより、各回路用接続端子37b…,38b…,39b;41b〜47bが、ノッチ72,72…の部分でほぼ直角に曲るようにして屈曲されることになる。
【0041】
このようにして各回路用接続端子37b…,38b…,39b;41b〜47bが屈曲された後で回路基板66がハウジング14に取り付けられ、その後、回路基板66への各回路用接続端子37b…,38b…,39b;41b〜47bの接続が実行される。
【0042】
図13において、ハウジング14に設けられたカプラ部14bには、該カプラ部14b内に配置される外部導線用接続端子41a〜47aに個別に対応した外部導線78,78…に連なる雌型のカプラ77が着脱可能に装着されるものであり、該カプラ77は、カプラ部14bの外周に嵌装される筒部77aと、カプラ部14b内に挿入される挿入部77bとを有して合成樹脂により形成される。
【0043】
挿入部77bには、各外部導線用接続端子41a〜47aを個別に挿入せしめる挿入孔79,79…が設けられており、それらの挿入孔79,79…の内端には、外部導線78,78…に個別に連なるとともに各外部導線用接続端子41a〜47aを挿脱可能に嵌合させ得る端子79,79…が固定される。
【0044】
しかもカプラ77における挿入部77bの外周には、カプラ77をカプラ部14bに装着したときに該カプラ部14bの外周に密接してカプラ部14b内の水密性を保持する無端状のシール部材81が装着されている。
【0045】
ところで収容凹部63内への電気回路67の収容後に、フランジ65に溶着されるカバー64で閉塞される収容凹部63内の防水性をチェックする必要があり、その防水性チェックのために、収容凹部63と共にハウジング14に継ぎ目無く一体化されたカプラ部14b内から収容凹部63内に空気圧を作用せしめることを可能とした連通孔82が、カプラ部14b内および収容凹部63内を結んでハウジング14に設けられる。
【0046】
次にこの実施例の作用について説明すると、ハウジング14に設けられたカプラ部14bに臨ませる外部導線用接続端子41a〜47aを一端側に有するとともに、ハウジング14内に収容される電気回路67に接続される回路用接続端子41b〜47bを他端側に有するバスバー41〜47をハウジング14内にインサート結合するにあたり、ボビン15にかしめ係合可能なかしめ部49,50,51が設けられるバスバー41,47を含む複数のバスバー41〜47と、それらのバスバー41〜47の一部を被覆する合成樹脂製の被覆部48とで構成されるバスバー組立体40を、前記被覆部48がコイル組立体18に当接した状態で前記かしめ部49〜51をボビン15にかしめ係合することでコイル組立体18に仮止めするようにしている。このため、ハウジング14の型成形時の溶融樹脂の圧力によるバスバー41〜47の位置ずれが生じるのを防止することができ、複数のバスバー41〜47を正確に位置決めしてハウジング14にインサート結合することができる。
【0047】
しかもバスバー組立体40の被覆部48には、ハウジング14の型成形時に溶融樹脂の流れがバスバー組立体40およびコイル組立体18間に流入することを回避して該溶融樹脂の流れをバスバー組立体40の外周側に導く流れ制御部48a,48bが形成されているので、溶融樹脂の圧力がバスバー組立体40をコイル組立体18から離反せしめる方向で該バスバー組立体40に作用することを回避することができ、バスバー組立体40の位置ずれが生じるのをより一層確実に防止することが可能となるとともに、前記溶融樹脂の圧力によるバスバー組立体40の変形が生じるのを防止することができる。
【0048】
またハウジング14にインサート結合されるバスバー37,38,39,41〜47の一部で形成されてハウジング14から突出される回路用接続端子37b…,38b…,39b,41b〜47bは、ハウジング14に取付けられる回路基板66に半田付け等によって接続されるものであり、熱による前記各回路用接続端子37b…,38b…,39b,41b〜47bの伸縮作用によって各回路用接続端子37b…,38b…,39b,41b〜47bの回路基板への接続部が外れてしまうのを防止するために、回路用接続端子37b…,38b…,39b,41b〜47bを予め屈曲させておく必要があるが、ハウジング14には、前記回路用接続端子37b…,38b…,39b,41b〜47bに隣接する端子曲げ用台座71,71…が型成形時に形成されている。したがって回路用接続端子37b…,38b…,39b,41b〜47bを、端子曲げ用台座71,71…に押付けるだけで屈曲させることが可能であり、押付けのための曲げ加工治具73も簡単な形状のものであればよいので、単純な曲げ加工治具73で回路用接続端子37b…,38b…,39b,41b〜47bを容易に曲げ加工することができる。
【0049】
また回路用接続端子37b…,38b…,39b,41b〜47bにおいて、端子曲げ用台座71,71…への押付けで屈曲される部分には、ノッチ72,72…が予め形成されており、回路用接続端子37b…,38b…,39b,41b〜47bをより簡単に曲げることができる。
【0050】
さらにハウジング14に設けられた収容凹部63内への電気回路67の収容後に該収容凹部63はカバー64で閉塞されるのであるが、そのカバー64による閉塞状態で収容凹部63内の防水性をチェックするために、収容凹部63と共にハウジング14に継ぎ目無く一体化されたカプラ部14b内から収容凹部63内に空気圧を作用せしめることを可能とした連通孔82が、カプラ部14b内および収容凹部63内を結んでハウジング14に設けられており、、カプラ部14bにはカプラ77を着脱可能にかつ水密に装着することができる。したがって防水チェック完了後にカプラ部14bにカプラ77を装着することで、連通孔82を塞ぐことが不要となり、連通孔82を塞ぐ部材を不要として部品点数の低減を図ることが可能となるとともに、連通孔82を塞ぐ作業も不要として作業工数の低減を図ることができる。
【0051】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行なうことが可能である。
【0052】
たとえば上記実施例では、本発明をトルク検出器に適用した場合について説明したが、本発明は、外部導線に連なる雌型または雄型のカプラを着脱可能にかつ水密に装着し得る雄型または雌型のカプラ部を一体に有するハウジングに収容凹部が設けられ、電気回路の収容後に収容凹部をカバーで閉塞するようにしたものに関して広く適用可能である。
【0053】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、収容凹部と共にハウジングに継ぎ目無く一体化されて収容凹部からの連通孔が通じるカプラ部内は、該カプラ部へのカプラの装着により水密に保たれるので、防水チェック完了後に連通孔を塞ぐことは不要であり、連通孔を塞ぐ部材を不要として部品点数の低減を図ることが可能となるとともに、連通孔を塞ぐ作業も不要として作業工数の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トルク検出器の縦断面図である。
【図2】入力軸および可動部材の係合状態を示す横断面図である。
【図3】図2の3−3線断面図である。
【図4】コイル組立体およびバスバー組立体の分解斜視図である。
【図5】コイル組立体およびバスバー組立体の分解平面図である。
【図6】仮止め状態にあるコイル組立体およびバスバー組立体の平面図である。
【図7】図6の7−7線断面図である。
【図8】ハウジングの型成形状態を図7に対応して示す断面図である。
【図9】ハウジングの平面図である。
【図10】図9の10矢視図である。
【図11】図9の11矢視図である。
【図12】回路用接続端子の屈曲過程を図11の12−12線に沿って示す断面図である。
【図13】カバー溶着状態での図11の13−13線断面図である。
【符号の説明】
14・・・ハウジング
14b・・・カプラ部
63・・・収容凹部
64・・・カバー
67・・・電気回路
77・・・カプラ
78・・・外部導線
82・・・連通孔

Claims (1)

  1. 外部導線(78)に連なる雌型または雄型のカプラ(77)を着脱可能にかつ水密に装着し得る雄型または雌型のカプラ部(14b)を有するハウジング(14)に設けられて電気回路(67)を収容可能な収容凹部(63)と、電気回路(67)を収納した状態にある前記収容凹部(63)を閉塞して前記ハウジング(14)に結合されるカバー(64)とで構成される電気回路収容部において、
    前記カプラ部(14b)および前記収容凹部(63)は、何れも前記ハウジング(14)に継ぎ目無く一体に形成され、前記カバー(64)で閉塞された前記収容凹部(63)内の防水性をチェックするために前記カプラ部(14b)内から前記収容凹部(63)内に空気圧を作用せしめることを可能とした連通孔(82)が、前記カプラ部(14b)内および前記収容凹部(63)内を結んで前記ハウジング(14)に設けられることを特徴とする電気回路収容部における防水チェック構造。
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