JP4381219B2 - 自動機用刃体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば種々の材質の固形被処理物を細かく破砕する各種破砕機、同様の固形被処理物を粉砕する剪断式粉砕機、製本紙工業用の各種断裁機、木材チップや製紙原料チップの製造に用いるチッパーマシン及びフレーカーマシン、合板工業におけるロータリーレースマシンやスライサーマシン及び定寸切断機、丸鋸盤等のように、刃体の自動動作で対象物を破砕、切断、切削する種々の自動機用刃体の製造方法に関する。
プラスチック、木片、紙、金属等の廃材処理において、該廃材を細かく破砕するのにツイン・スリット型破砕機が汎用されている。このツイン・スリット型破砕機は、例えば図1及び図2に示すように、上部に投入口81a、下部に放出口81bを有する金属製ケーシング81内に、各々複数枚の環状破砕刃82…を環状スペーサ83を介して一定間隔置きに嵌装固定した駆動軸84と従動軸85とが、両軸84,85の一方側の各環状破砕刃82を他方の環状スペーサ83の位置に嵌合するように並設されると共に、両軸84,85に固着したギヤ86,87の噛合により、駆動軸84の内向き回転に伴って従動軸85も内向きに従動回転し、投入口81aから投入された被処理物Wを両軸84,85の環状破砕刃82…同士の噛み合い部分に引き込んでスリットカッター方式で破砕するようになっている。なお、88はケーシング81の両側壁内面側に櫛歯状に固着した落下防止板であり、両軸84,85の各環状スペーサ83とケーシング81の内面との間の間隙に配置して未破砕物の落下を防止する。
このような破砕機の環状破砕刃82…は、一般的に合金工具鋼、ダイス鋼、高速工具鋼等の高級鋼にて製作され、且つ剪断に関与する刃先部が特に摩耗し易いために熱処理等で硬度を高めているが、高級鋼の使用によって材料費及び加工費が高く付く上、熱処理によって全体の靱性が低下することから、使用中の破砕に伴う衝撃によって割れや欠損を生じ易く、これら割れや欠損で早期交換を余儀なくされて保全コストが更に増大すると共に、往々にして事故に繋がることがあった。
また、上述のようなツイン・スリット型破砕機に限らず、刃体の自動動作で対象物を破砕、切断、切削する他の種々の自動機に用いる刃体においても、高級鋼製で刃先部の硬度を高めるために熱処理等を施すものでは、やはり材料費及び加工費が高く付くと共に、同様に靱性低下による割れや欠損を生じ易くなるという難点は共通している。
しかして、ツイン・スリット型破砕機にあっては、環状破砕刃を中心側の円板状の取付け台部分とこれを取囲む刃先側部分とに分割し、更に刃先側部分を周方向複数個の部品に分割構成し、刃先部品のみに高級鋼を使用することにより、全体としての材料費及び加工費を低減すると共に、摩耗の進行で寿命に至った際、ならびに割れや欠損を生じた際に、刃先部品のみを交換可能として保全費を少なくし得るようにしたものが提案されている(特許文献1,2)。
実用新案公告昭57−31953号公報 特許第2813572号公報
しかしながら、前記提案のツイン・スリット型破砕機のように環状破砕刃を取付け台部分と複数個の刃先部品とに分割構成したものにおいても、刃体の全体寸法に対して刃先側部分の占める割合が大きいことから、刃先部品のみに高級鋼を使用しても相当な材料費がかかると共に、刃先部品は相互嵌合や取付け台部分への取付けのために形状的に複雑になるから、これを高級鋼製にした場合、その加工費は却って高く付く上、刃先部品自体の熱処理による靱性低下に起因した割れや欠損の問題は解決されない。また、他の種々の自動機に用いる刃体においても、取付け台部分と刃先側部分とに分割構成し、その刃先側部分のみに高級鋼を使用する構成とした場合、やはり加工費の増大を招くと共に、同様に刃先側部分の割れや欠損という問題が残ることになる。
本発明は、上述の情況に鑑み、自動機用刃体として、剪断に関与する刃先部が高硬度であって、且つ刃先部以外を耐衝撃値が高く使用中に割れや欠損を生じにくくすることを可能にし、しかも全体としての材料費及び加工費を安くできるものを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る自動機用刃体の製造方法は、所要の刃体形状に加工したCr含有量3重量%以下の低合金鋼からなる刃本体の刃先部に、C:0.05〜0.1重量%、Si:0.3〜1.0重量%、Mn:0.5〜1.0重量%、Cr:1.0〜3.0重量%、V:0.2〜1.0重量%、Mo:1.0〜1.5重量%、W:3.0〜5.0重量%、Ti,Nb,Ta及びBの4元素が合量で0〜1.0重量%、残部がFe及び不可避不純物からなる組成を有する溶接材料を肉盛溶接したのち、浸炭焼入れ処理、サブゼロ処理、焼き戻し処理を順次施し、更に表面を研磨加工することにより、刃先部に前記肉盛溶接による硬質金属層を備える刃体を仕上げることを特徴としている。
更に請求項の発明は、上記請求項の自動機用刃体の製造方法において、刃本体の母材をガス切断によって所要の刃体形状に加工する構成としている。
請求項1の発明によれば、所要の刃体形状に加工した特定の低合金鋼からなる刃本体の刃先部に、特定組成の低炭素溶接材料を肉盛溶接後、特定の加工を施すことから、上記自動機用刃体として、刃先部が高硬度で剪断性に優れると共に、使用中の衝撃による割れや欠損を生じにくく、耐久性に優れたものを安価に製造できる。
請求項の発明によれば、上記の自動機用刃体の製造方法において、刃本体の母材をガス切断によって所要の刃体形状に加工することから、その加工を容易に且つ安価に行える。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して具体的に説明する。図3は本発明をツイン・スリット型破砕機の環状破砕刃に適用した第一実施形態、図4は同環状破砕刃に適用した第二実施形態、図5及び図6は本発明を一軸型破砕機の回転刃及び固定刃に適用した第三実施形態、図7は本発明を木材チップや製紙原料チップの製造に用いるチッパーマシンのチッバーナイフに適用した第四実施形態、図8は本発明を製本用断裁機の断裁包丁に適用した第五実施形態、、図9は本発明を丸鋸盤の鋸刃に適用した第六実施形態、をそれぞれ示す。
図3(イ)(ロ)で示す第一実施形態の環状破砕刃1と図4(イ)〜(ハ)で示す第二実施形態の環状破砕刃2は、いずれも図1及び図2で示す既述のツイン・スリット型破砕機における環状破砕刃82に代えて用いるものである。しかして、破砕機自体の構造については、既述と同様であるために説明を省略する。
第一実施形態の環状破砕刃1では、刃本体1aが外周部に複数(図では6つ)の刃部11…を有して中央部に略正方形の軸挿嵌穴12を備える厚肉環形をなし、この刃本体1aの刃先側周辺部の両側面に開先加工として形成された各環状凹段部13に、肉盛溶接による硬質金属層10が設けてある。
また、第二実施形態の環状破砕刃2では、刃本体2aが、外周円形で中央に略正方形の軸挿嵌穴21aを備える厚肉環形の取付台部材21と、この取付台部材21の全周を取囲むように配置した複数個(図では6個)の刃先部材22…とに分割構成されており、これら刃先部材22…の両側面に肉盛溶接による硬質金属層10が設けてある。そして、各刃先部材22は、上面側に刃部22aが突設されると共に、凹円弧状をなす底面側に、長手方向全長にわたる係合溝22bと、長手方向中間に位置して厚み方向に沿うキー溝22cとが形成されており、係合溝22bを取付台部材21の外周面に設けた環状凸部(図示省略)に嵌合して、且つキー溝22cと該取付台部材21側に設けたキー溝21bとの間に挿嵌した係合キー23にて位置決めした状態で、前後二箇所のボルト挿通孔22dに挿入した取付けボルト(図示省略)を取付台部材21側のねじ孔(図示省略)に螺挿することにより、隣接する刃先部材22…同士で前後端面を密接した状態で取付台部材21に固着されるようになっている。
本発明の第三実施形態に適用する一軸型破砕機は、図5(イ)に示すように、ケーシング31内に回転駆動する太軸状のローター32が水平に配置し、このローター32の周面に長手方向一定間隔置きに設けられた各V字状周溝33の径方向に対向する二箇所にそれぞれ、直方体形状の刃取付用ブロック34が稜部を該周溝33に嵌合して溶接固着され、各刃取付用ブロック34の前端面に正方形厚板状の回転側刃体3がねじ止めされると共に、該ローター32に対向して厚肉鋸刃状の固定刃4がケーシング31側に固定されている。そして、回転側刃体3…は、ローター32の周面上においてローター長手方向中央に位置する刃体3Aを基点として 順次ローター回転方向に位置ずれし、全体として二重のV字状に配列しており、該ローター32の回転駆動により、上方から投入された被処理物(図示省略)を固定刃5側へ引き寄せつつ当該固定刃5に噛合して破砕するようになっている。
ここで、固定刃4は、図5(ロ)に示すように、刃本体4aの両側面に、それぞれ肉盛溶接による硬質金属層10が形成されたものとなっている。一方、回転側刃体3…としても、刃本体の刃先部となる前端周縁部に肉盛溶接による硬質金属層を設けたもの、例えば図6(イ)(ロ)で示す刃体3Aのように刃本体3aの前端周縁部から前端面全体にわたって硬質金属層10を有するもの、図6(ハ)(ニ)で示す刃体3Bのように刃本体3aの前端周縁部から周面全体にわたって硬質金属層10を有するもの、図6(ホ)(ヘ)で示す刃体3Cのように刃本体3aの前端周縁部と後端周縁部とに硬質金属層10を有するもの等が使用される。なお、これら回転側刃体3A〜3Cにおける硬質金属層10の表面は、その形成領域の開先加工と後の仕上げ加工により、刃本体3aの端面及び側面と面一にしてある。
図7(イ)(ロ)で示す第四実施形態のチッバーナイフ5は、厚肉帯板状の刃本体5aの片側側縁部が全長にわたって片側テーパの刃先部5bをなし、該刃本体5aの長手方向一定間隔置きに穿設された複数個(図では4個)の長孔51…を介してチッパーマシンの刃駆動部(図示省略)にねじ止めするように構成されている。しかして、刃先部5bは、斜面側から背面側にわたる表面全体が刃本体6aの開先加工部52への肉盛溶接による硬質金属層10となっている。
図8(イ)(ロ)で示す第五実施形態の断裁包丁6は、前記チッバーナイフ5と同様に、厚肉帯板状の刃本体6aの片側側縁部が全長にわたって片側テーパの刃先部6bをなし、該刃本体6aに長手方向一定間隔置きで且つ2列に穿設された多数個(図では16個)の取付孔61…を介して製本用断裁機の刃駆動部(図示省略)にねじ止めするように構成されており、刃先部6bの斜面側から背面側にわたる表面全体が刃本体6aの開先加工部62への肉盛溶接による硬質金属層10となっている。
図9(イ)(ロ)で示す第六実施形態の丸鋸盤用鋸刃7は、円板状の刃本体7aの周縁に設けた各刃先部7bの切込み側端面に開先加工の段部71が形成され、該段部71に肉盛溶接による硬質金属層10が設けられている。なお、刃本体7aの中心部には、駆動軸嵌合穴72と、その周囲に等配した複数の固定ボルト挿通孔73…とを備える。
上述した第一及び第二実施形態の環状破砕刃1,2、第三実施形態における回転側刃体3及び固定刃4、第四実施形態のチッバーナイフ5、第五実施形態の断裁包丁6、第六実施形態の丸鋸盤用鋸刃7(以下、総称して自動機用刃体1〜7という)は、いずれも刃先部に肉盛溶接による硬質金属層10を有するから、該刃先部が良好な剪断性を発揮し、破断、破砕、切断、断裁、切削等の各々の用途における優れた刃体能力が得られると共に、刃先部の摩耗を生じにくいものとなる。しかも、これら自動機用刃体1〜7にあっては、硬質金属層10によって刃先部に必要な剪断性を確保できるから、刃本体1a〜7aには低級鋼を使用でき、合金工具鋼や高速工具鋼等の高級鋼を用いる必要がないため、従来に比較して材料コストを大幅に低減できる。
刃本体1a〜7aに用いる低級鋼としては、特に制約されないが、例えばクロモリ鋼(SCM440)の如きCr含有量3重量%以下の低合金鋼が好適である。すなわち、このような低合金鋼を用いた刃本体1a〜7aは、浸炭焼入れ処理等の熱処理を経ても靱性を保持して耐衝撃値が高いことに加え、溶接性がよいために刃先部の硬質金属層10と強固に一体化し、もって自動機用刃体1〜7の使用に伴う衝撃の反復によっても割れや欠損を生じにくく、高耐久性で長寿命となり、また母材から刃本体1a〜7aの所要形状に加工する際にガス切断を利用でき、硬質金属層10の肉盛溶接による形成と相まって自動機用刃体1〜7の製作を低コストで容易に行える。
硬質金属層10としては、自動機用刃体1〜7の刃先部として必要な剪断性を発揮し得る硬度(剛性)を有すればよいが、鉄を主体として内部まで浸炭されていることが好ましく、浸炭による高硬度化で優れた剪断性が得られる。また、硬質金属層10のロックウェル硬度Hrcを60以上とすることにより、高硬度の刃先部によって優れた剪断性が得られる。しかして、このように浸炭された硬質金属層10を形成するには、低炭素溶接材料を肉盛溶接した上で浸炭焼入れ処理し、更に後述する各種熱処理を施
硬質金属層10の厚さは、自動機用刃体1〜7の種類、サイズ、被処理物の材質、設定する処理(加工)条件等によって最適値が異なるが、一般的には0.5〜7mmの範囲がよく、薄過ぎては充分な耐久性が得られず、逆に厚過ぎては一回の肉盛溶接では形成が困難で層の質も低下する。
なお、本発明は、前記第一〜第6実施形態で例示した自動機用刃体1〜7に限らず、例えば合板工業におけるロータリーレースマシン用のロータリーナイフやプレッシャーバー、スライサーマシン用のスライサーナイフ、定寸切断機用のクリッパーナイフ、製本用三方断裁機に用いる三方断裁包丁等、刃体の形状や構造に関係なく、刃体の自動動作で対象物を破砕、切断、切削する他の種々の自動機用刃体の製造にも同様に適用可能である。
上述のような刃本体の刃先部に肉盛溶接による硬質金属層を備える自動機用刃体製造方法するには、所要の刃体形状に加工した刃本体の刃先部に鉄を主体とする低炭素溶接材料を肉盛溶接したのち、浸炭焼入れ処理、サブゼロ処理、焼戻し処理を順次施し、更に表面を研磨加工することにより、刃先部に前記肉盛溶接による硬質金属層を備える刃体を仕上げる。
まず、刃本体を刃体形状に加工するには、母材としてクロモリ鋼(SCM440)の如きCr含有量3重量%以下の低合金鋼を用い、ガス切断によって粗加工し、必要に応じて刃先部の肉盛溶接による硬質金属層形成領域を開先加工し、この刃先部に低炭素溶接材料を好適には1層肉盛で厚さ0.5〜7mm程度に溶接したのち、この溶接面を研削して設計寸法に対して0.5mm程度の研磨加工代を残すように粗加工する。
肉盛溶接に用いる前記の低炭素溶接材料は、C:0.05〜0.1重量%、Si:0.3〜1.0重量%、Mn:0.5〜1.0重量%、Cr:1.0〜3.0重量%、V:0.2〜1.0重量%、Mo:1.0〜1.5重量%、W:3.0〜5.0重量%、Ti,Nb,Ta及びBの4元素が合量で0〜1.0重量%、残部がFe及び不可避不純物からなる組成を有するものである。
上記組成中、Cは、焼入れ性と硬さ及び強度の確保に寄与する成分であり、過少では最終的に得られる硬質金属層の硬度及び強度が不充分になり、過多では該硬質金属層の靱性低下が著しくなる。Siは、溶着のために必要な成分であることに加え、鋼の軟化抵抗を高めて強度を向上させる作用と、溶着金属の脱酸作用を示す。Mnは、溶着のために必要な成分であり、強度を向上させると共に、焼入れ性と靱性を向上させる作用がある。Crは、鋼の焼入れ性を高めて硬度及び強度に寄与するが、過剰に添加しても効果が飽和すると共にコスト高を招く。Vは、鋼の焼入れ性を高めて硬度及び強度に寄与すると共に、炭化物として析出して結晶粒を細かくする作用がある。Moは、炭化物生成元素であり、鋼の焼入れ性の改善、焼戻しに対する抵抗性の付与、焼戻し脆化の防止等の作用がある。Wは、炭化物として析出し、鋼の耐摩耗性を向上させる役割がある。Ti,Nb,Ta及びBは、炭化物生成元素として硬度及び強度に寄与するが、必須成分ではない。
肉盛溶接後の浸炭焼入れ処理は、例えばプラズマ浸炭法により、真空炉内の炭酸ガス雰囲気中等で肉盛溶接層への浸炭処理を行い、該肉盛溶接層の表層部、好ましくは表面から0.5〜3mmの深さまでの範囲に微細な炭化物を析出分散させて硬化させ、次いで該真空炉内において1000℃程度で焼入れ処理を行う。しかして、この浸炭焼入れ処理により、肉盛溶接層を最終的に得られる硬質金属層の表面から0.5〜3mmまでの深さを浸炭部として、好適には既述のように浸炭部のHrcが60以上で、非浸炭部のHrcが50以下となるように設定する。なお、最適には浸炭部のごく表面のHrcを65以上とするのがよい。
この浸炭焼入れ処理後の刃体原材は、次のサブゼロ処理によって高温から液体窒素等で超低温まで冷却する処理を施し、更に200℃前後で焼戻し処理を行い、最後に研磨加工によって所要の自動機用刃体に仕上げる。
図10は本発明方法にて作製した刃体サンプルの正面図である。この刃体サンプルは、SCM440からなる一辺約50mmの略正方形厚板状の刃本体Aの一辺側を刃先部として開先加工し、この開先加工領域に前記組成の低炭素溶接材料を約5mm厚に肉盛溶接し、既述の浸炭焼入れ処理、サブゼロ処理、焼戻し処理を順次施して研磨仕上げしたものであり、図における上辺部分が該肉盛溶接による硬質金属層Bになっている。この刃体サンプルのミクロ組織を調べるために、腐食液で表面を侵食させ、図10に示す刃先端部P1、肉盛層Bの中間部P2、肉盛層Bと母材Aとの境界部P3、母材A部P4の4ヵ所について顕微鏡写真を撮影した。これら断面ミクロ組織の顕微鏡写真(200倍)を図11に示す。
図11の顕微鏡写真図P1,P2に示すように、肉盛溶接層の浸炭部は、マルテンサイト基地に超微細な炭化物が点在している。一方、母材内部は、顕微鏡写真図P4に示すように、フェライト、ベイナイト、マルテンサイトの混合組織になっている。また、境界部は、顕微鏡写真図P3に示すように、母材と肉盛溶接層との間に明確な界面がなく、母材組織から溶接層組織へと連続的に移行しており、良好な溶接状態であることが判る。
なお、肉盛層の中間部P2と母材部P4の硬度を測定したところ、肉盛層の中間部P2(浸炭部)はHv896,Hrc67と高硬度が得られているのに対し、母材部P4はHv498,Hrc48と低い値であった。この硬度の測定結果からも、本発明に係る自動機用刃体は、刃先部の良好な剪断性と、刃本体側の高い耐衝撃値に基づく優れた耐久性とを併せ持つことが判る。
本発明に係る第一及び第二実施形態の環状破砕刃を適用するツイン・スリット型破砕機の構成例を示す横断面平面図である。 同破砕機の縦断正面図である。 本発明に係る第一実施形態の環状破砕刃を示し、(イ)は正面図、(ロ)は(イ)のローロ線の断面矢視図である。 本発明に係る第二実施形態の環状破砕刃を示し、(イ)は全体の正面図、(ロ)は刃先部材の正面図、(ハ)は(ロ)のハーハ線の断面矢視図である。 本発明に係る第三実施形態の回転側刃体及び固定刃を用いた一軸型破砕機を示し、(イ)は要部の平面図、(ロ)は(イ)のローロ線の断面矢視図である。 同破砕機の回転側刃体を示し、(イ)は一構成例の斜視図、(ロ)は(イ)のローロ線の断面矢視図、(ハ)は他の構成例の斜視図、(ニ)は(ハ)のニーニ線の断面矢視図、(ホ)は更に他の構成例の斜視図、(ヘ)は(ホ)のヘーヘ線の断面矢視図である。 本発明に係る第四実施形態のチッバーナイフを示し、(イ)は正面図、(ロ)は(イ)のローロ線の断面矢視図である。 本発明に係る第五実施形態の断裁包丁を示し、(イ)は正面図、(ロ)は(イ)のローロ線の断面矢視図である。 本発明に係る第六実施形態の丸鋸盤用鋸刃を示し、(イ)は正面図、(ロ)は刃先部の斜視図である。 本発明の製造方法による刃体サンプルを示す正面図である。 同刃体サンプルの断面ミクロ組織を示し、(P1)は図10中のP1部、(P2)は図10中のP2部、(P3)は図10中のP3部、(P4)は図10中のP4部、のそれぞれ顕微鏡写真図である。
符号の説明
1,2 環状破砕刃(自動機用刃体)
1a〜7a 刃本体
3 回転側刃体(自動機用刃体)
4 固定刃(自動機用刃体)
5 チッバーナイフ(自動機用刃体)
6 断裁包丁(自動機用刃体)
7 丸鋸盤用鋸刃(自動機用刃体)
10 硬質金属層

Claims (2)

  1. 所要の刃体形状に加工したCr含有量3重量%以下の低合金鋼からなる刃本体の刃先部に、
    C : 0.05〜0.1重量%、
    Si: 0.3〜1.0重量%、
    Mn: 0.5〜1.0重量%、
    Cr: 1.0〜3.0重量%、
    V : 0.2〜1.0重量%、
    Mo: 1.0〜1.5重量%、
    W : 3.0〜5.0重量%、
    Ti,Nb,Ta及びBの4元素の合量 : 0〜1.0重量%、
    Fe及び不可避不純物 : 残部、
    からなる組成を有する溶接材料を肉盛溶接したのち、浸炭焼入れ処理、サブゼロ処理、焼戻し処理を順次施し、更に表面を研磨加工することにより、刃先部に前記肉盛溶接による硬質金属層を備える刃体を仕上げることを特徴とする自動機用刃体の製造方法。
  2. 刃本体の母材をガス切断によって所要の刃体形状に加工する請求項に記載の自動機用刃体の製造方法。
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