JP4379951B2 - 多孔質静圧気体ねじ - Google Patents

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    • F16H25/00Gearings comprising primarily only cams, cam-followers and screw-and-nut mechanisms
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静圧気体ねじ、特に、多孔質焼結金属層を具備した多孔質静圧気体ねじに関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
可動体の送り機構等に用いられる静圧気体ねじは、雄ねじと雌ねじとの噛み合わせ部に気体膜を形成して、電動モータ等による送りねじ軸又はナットの相対回転で気体膜を介して可動体を移動させるために、好ましく製造された静圧気体ねじでは、噛み合わせ部に潤滑油及び給油が必要なく、低摩擦、低発熱でもって可動体を高精度に好ましく移動できる。
【0003】
静圧気体ねじの一つとしての、噛み合わせ部に高圧気体を噴出するための多孔質焼結金属層を具備した多孔質静圧気体ねじは、噛み合わせ部に高圧気体を噴出するために噴射ノズル孔等を特に穿設しなくても、通気性を有する多孔質焼結金属層の表面の多数の細孔から高圧気体を噴出できるので極めて好ましいのであるが、多孔質焼結金属層では、その全表面に多数の細孔が存在しているために、不必要な部位から高圧気体が噴出されて、供給される高圧気体の利用効率を下げ、噛み合わせ部の剛性を低下させ、而して、不安定振動を惹起させて送り機構の位置決め精度を低下させる虞がある。
【0004】
一方、多孔質焼結金属層の形成材料として、青銅、アルミニウム合金、ステンレスを主体としたもの、特に、青銅を主体としたものが多く用いられるが、このような形成材料を用いた多孔質焼結金属層では、それ自体は一応好ましい通気性を有するが、多孔質焼結金属層の寸法精度や表面粗さが十分でないので、多くの場合には、10−3mmオーダの軸受表面粗さを得るべく、軸受表面となるその面に更に機械加工が施される。
【0005】
この機械加工は、主として旋盤およびフライス加工や研削により行われるが、この旋盤およびフライス加工や研削は多孔質焼結金属層の表面に目詰りを惹起させ、その通気性(絞り特性)に大きく影響を与えることになる。特に、研削においては、多孔質焼結金属層の表面に塑性流動を惹起させ、カエリやバリを生じさせる。
【0006】
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、噴射ノズル孔等を特に穿設しなくても、ねじの噛み合わせ部に気体膜を所望に形成できる多孔質静圧気体ねじを提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的とするところは、供給高圧気体の利用効率を上げることができて、ねじの噛み合わせ部の剛性を向上させて、而して、不安定振動を惹起させないで送り機構の位置決め精度を上げることのできる多孔質静圧気体ねじを提供することにある。
【0008】
本発明の更に他の目的とするところは、好ましい通気性と平面度を有した高圧気体噴出面からなる多孔質静圧気体ねじを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の態様の多孔質静圧気体ねじは、周面を有したねじ基体と、ねじが形成された円筒状のねじ付き周面及びこのねじ付き周面に対向した対向周面を有しており、対向周面でねじ基体の周面に固定された中空の多孔質焼結金属層と、多孔質焼結金属層の対向周面に高圧気体を供給する通路手段とを具備している。
【0010】
第一の態様の多孔質静圧気体ねじによれば、ねじ付き周面を有する多孔質焼結金属層を具備するために、当該多孔質焼結金属層のねじ付き周面から高圧気体をねじの噛み合わせ部に噴出できる結果、噴射ノズル孔等を特に穿設しなくても、ねじの噛み合わせ部に気体膜を所望に形成できる。
【0011】
本発明の第二の態様の多孔質静圧気体ねじでは、第一の態様の多孔質静圧気体ねじにおいて、ねじ基体は、円筒状であって、ねじ基体の周面は、円筒状の内周面であり、多孔質焼結金属層の対向周面は、円筒状であって、多孔質焼結金属層は、ねじ基体の内周面に固定されている。
【0012】
第二の態様の多孔質静圧気体ねじによれば、当該多孔質静圧気体ねじを好ましくナットとして用いることができ、この場合、ねじ付き周面に形成されたねじは雌ねじとして機能して、ナットとしての当該多孔質静圧気体ねじは、通常、可動体としての直動体に回転自在に又は固定的に取り付けられる。
【0013】
本発明の第三の態様の多孔質静圧気体ねじでは、第一又は第二の態様の多孔質静圧気体ねじにおいて、通路手段は、多孔質焼結金属層の対向周面に形成された螺旋溝と、この螺旋溝に連通して、ねじ基体に形成された貫通孔とからなる。
【0014】
本発明の第四の態様の多孔質静圧気体ねじでは、第一又は第二の態様の多孔質静圧気体ねじにおいて、通路手段は、ねじ基体に形成された溝と、この溝に連通して、ねじ基体に形成された貫通孔とからなる。
【0015】
通路手段は、第三の態様のように、多孔質焼結金属層の対向周面に形成された螺旋溝を具備して構成されてもよく、第四の態様のように、ねじ基体に形成された溝を具備して構成されてもよく、更には、多孔質焼結金属層の対向周面に形成された互いに独立な複数の環状溝と、この環状溝を互いに連通するように、対向周面又はねじ基体に形成された連通孔又は連通溝と、環状溝又は連通孔若しくは連通溝に連通して、ねじ基体に形成された貫通孔とを具備して構成されてもよい。
【0016】
本発明の第五の態様の多孔質静圧気体ねじは、第一から第四のいずれかの態様の多孔質静圧気体ねじにおいて、ねじ付き周面のねじのねじ山頂面及びねじ溝底面からの高圧気体の噴出を防止するために、当該ねじ山頂面及びねじ溝底面に形成された封止材を更に具備している。
【0017】
第五の態様の多孔質静圧気体ねじでは、ねじ山頂面及びねじ溝底面が封止材により封孔されているために、ねじ山頂面及びねじ溝底面からの高圧気体の噴出を阻止でき、而して、供給高圧気体の利用効率を上げることができて、ねじの噛み合わせ部の剛性を向上させて、而して、不安定振動を惹起させないで送り機構の位置決め精度を上げることができる。
【0018】
本発明の第六の態様の多孔質静圧気体ねじでは、第一から第五のいずれかの態様の多孔質静圧気体ねじにおいて、封止材は、エポキシ樹脂又はフェノール樹脂からなる。
【0019】
封止材としては、上記のように、エポキシ樹脂又はフェノール樹脂が熱膨張係数が小さく、耐熱性を有する点で好ましいのであるが、本発明はこれらに限定されず、その他のα−シアノアクリレート系樹脂又は熱可塑性樹脂であってもよい。
【0020】
本発明の第七の態様の多孔質静圧気体ねじでは、第一から第六のいずれかの態様の多孔質静圧気体ねじにおいて、多孔質焼結金属層は、粒界に無機物質粒子が含有されている。
【0021】
第七の態様の多孔質静圧気体ねじによれば、多孔質焼結金属層の粒界には無機物質粒子が含有されているので、多孔質焼結金属層の目詰りが抑制されて、理想的な絞り構造となっており、而して、ねじの噛み合わせ部に所望の気体膜を形成できる。
【0022】
なお、本発明の多孔質静圧気体ねじにおいて、多孔質焼結金属層の露出表面の粗さを10−3mm以下にして、送り機構の可動体の位置決め精度をより高くするように構成するとよい。
【0023】
本発明の第八の態様の多孔質静圧気体ねじでは、第七の態様の多孔質静圧気体ねじにおいて、多孔質焼結金属層は、少なくとも錫、ニッケル、燐及び銅を含んでおり、無機物質粒子は、黒鉛、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、フッ化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素及び炭化ケイ素のうちの少なくとも一つからなる。
【0024】
本発明の第九の態様の多孔質静圧気体ねじでは、第一から第八のいずれかの態様の多孔質静圧気体ねじにおいて、多孔質焼結金属層は、その対向周面でねじ基体の周面に焼結により固定されている。
【0025】
第九の態様の多孔質静圧気体ねじによれば、焼結固定されているために、対向周面とねじ基体の周面とをぴったりとできるために、この相互面からの高圧気体の流出を防ぐことができる。
【0026】
本発明の第十の態様の多孔質静圧気体ねじでは、第一から第九のいずれかの態様の多孔質静圧気体ねじにおいて、ねじ基体は、鉄及び鉄合金並びに銅及び銅合金よりなる群から選ばれた金属からなる。
【0027】
多孔質静圧気体ねじは、上記のようにナットとして用いられてもよく、これに代えて、ねじ軸として用いられてもよいのであって、ねじ軸として用いられる場合には、ねじ付き周面のねじは雄ねじとして機能し、ねじ軸は、これに螺合されるナットが回転される場合には、固定されて設置され、反対にナットが固定される場合には、回転されるように設置される。なお、ねじ付き周面のねじは、加工の容易性の観点からは、好ましくは台形ねじであるが、本発明は、このような台形ねじに限定されず、メートルねじ等であってもよい。
【0028】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を、図に示す好ましい例に基づいて更に詳細に説明する。なお、本発明はこれら例に何等限定されないのである。
【0029】
図1及び図2において、本例の多孔質静圧気体ねじ1は、周面としての円筒状の内周面2を有しており、鉄及び鉄合金並びに銅及び銅合金よりなる群から選ばれた金属からなる円筒状に形成されたねじ基体3と、台形の雌ねじ4が形成された円筒状のねじ付きの内周面5及び内周面5に対向した対向周面としての円筒状の外周面7を有しており、外周面7でねじ基体3の内周面2に嵌合されて固定された中空円筒状の多孔質焼結金属層9と、多孔質焼結金属層9の外周面7に高圧気体を供給する通路手段10と、雌ねじ4のねじ山頂面11及びねじ溝底面12からの高圧気体の噴出を防止するために、当該ねじ山頂面11及びねじ溝底面12に形成された封止材13及び14とを具備している。
【0030】
多孔質焼結金属層9は、少なくとも錫、ニッケル、燐及び銅を含んでおり、多孔質焼結金属層9の粒界には、塑性変形をすることがない無機物質であるところの、黒鉛、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、フッ化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素及び炭化ケイ素のうちの少なくとも一つからなる無機物質粒子が含有されている。このような無機物質が多孔質焼結金属層9の錫、ニッケル、燐及び銅に分散配合されていると、このもの自体が機械加工によって塑性変形することがなく、加えて、多孔質焼結金属層9の素地の金属部分の塑性変形を分断し軽減する働きがあるため、機械加工における多孔質焼結金属層9の目詰りを抑えることができる。
【0031】
通路手段10は、多孔質焼結金属層9の外周面7に形成された螺旋溝21と、螺旋溝21に連通して且つねじ基体3を貫通して当該ねじ基体3に形成された導入孔22とからなる。
【0032】
夫々エポキシ樹脂又はフェノール樹脂からなる封止材13及び14の夫々は、エポキシ樹脂又はフェノール樹脂を塗布するか、又は流動浸漬させるかして形成される。
【0033】
なお、螺旋溝21及び多孔質焼結金属層9に供給された高圧気体がねじの噛み合わせ部に噴出されることなしに、ねじ基体3の両環状端面25及び26側から外部に排出されるのを防止するために、封止材13及び14と同様の封止材を、螺旋溝21の両端開口部に詰め込み、多孔質焼結金属層9の両端面27及び28に塗布等するとよい。
【0034】
以上の多孔質静圧気体ねじ1においては、その多孔質焼結金属層9の中空部に、雌ねじ4と相補的な形状をもった雄ねじ31を外表面に有した送りねじ軸32が、雌ねじ4と雄ねじ31との噛み合わせ部に微小隙間をもって螺合、挿通される。そして、導入孔22を介して螺旋溝21に供給された高圧気体が、内周面5の雌ねじ4の螺旋状の両傾斜面(フランク)33及び34の細孔から噴出されて雌ねじ4と雄ねじ31との噛み合わせ部に気体膜を形成する結果、多孔質静圧気体ねじ1は、センタリングされて中心軸Oの周りでR方向に送りねじ軸32に相対回転自在となる。ここで、例えば、送りねじ軸32が送り機構の電動モータ等によりR方向に回転されることにより、多孔質静圧気体ねじ1がH方向に移動されて、多孔質静圧気体ねじ1が取り付けられた可動体、例えばスライダはH方向に直線的に送られる。
【0035】
多孔質静圧気体ねじ1によれば、雌ねじ4が形成された内周面5を有する多孔質焼結金属層9を具備し、当該多孔質焼結金属層9を通った高圧気体を内周面5から噴出できるために、噴射ノズル孔等を特に穿設しなくても、雌ねじ4と雄ねじ31との噛み合わせ部に気体膜を所望に形成できる。
【0036】
また、多孔質静圧気体ねじ1では、ねじ山頂面11及びねじ溝底面12の細孔が封止材により封孔されているために、ねじ山頂面11及びねじ溝底面12からの高圧気体の噴出を阻止でき、両傾斜面33及び34の細孔のみから供給高圧気体を噴出でき、而して、供給高圧気体の利用効率を上げることができて、雌ねじ4と雄ねじ31との噛み合わせ部の剛性を向上させて、而して、不安定振動を惹起させないで多孔質静圧気体ねじ1が取り付けられた可動体の位置決め精度を上げることができる。
【0037】
更に、多孔質静圧気体ねじ1においては、多孔質焼結金属層9の粒界には無機物質粒子が含有されているので、多孔質焼結金属層9の目詰りが抑制されて、理想的な絞り構造となっており、而して、雌ねじ4と雄ねじ31との噛み合わせ部に所望の気体膜を形成できる。
【0038】
多孔質静圧気体ねじ1では、多孔質焼結金属層9の外周面7に形成された螺旋溝21をもって通路手段10を構成したが、これに代えて、図3に示すように、多孔質焼結金属層9の外周面7に螺旋溝21を形成することなしに、多孔質焼結金属層9を、その滑らかな円筒状の外周面7でねじ基体3の内周面2に嵌合して固定し、ねじ基体3に、複数個の直線溝41と直線溝41を互いに連通させる一個又は複数個の環状溝42とを形成して、直線溝41の一つを導入孔22に連通させて、これら導入孔22、直線溝41及び環状溝42をもって通路手段45を構成してもよい。
【0039】
図3に示す多孔質静圧気体ねじ51でも、多孔質静圧気体ねじ1と同様な作用をなし、ほぼ同様な効果を得ることができる。
【0040】
なお、多孔質静圧気体ねじ1及び51では、多孔質焼結金属層9をねじ基体3の内周面2に嵌合して固定したが、これに代えて、多孔質焼結金属層9をねじ基体3の内周面2に焼結により固定してもよく、このようにすると、外周面7とねじ基体3の内周面2とをぴったりと固定できるために、この相互固定からの高圧気体の流出を防ぐことができる。
【0041】
多孔質静圧気体ねじ1及び51は、上記のように固定ナットとして用いられてもよいのであるが、これに代えて、電動モータ等により回転される回転ナットとして用いられてもよく、この場合には、送りねじ32は固定されることになる。
【0042】
更に上記の例は、本発明の多孔質静圧気体ねじをナットとして用いた例であるが、多孔質静圧気体ねじをねじ軸として用いてもよいのである。なお、送りねじ軸32の雄ねじ31において、雌ねじ4の両傾斜面33及び34の夫々に対面する傾斜面に、ねじ山頂面11又はねじ溝底面12と平行に伸びる凹所(圧力溜凹所)を形成してもよい。
【0043】
多孔質静圧気体ねじ1及び51の製造方法の好ましい一例を説明すると、例えば、重量比で錫4〜10%、ニッケル10〜40%、燐0.5〜4%、黒鉛3〜10%及び残部銅からなる混合粉末を加圧成形して、外周面に螺旋溝が形成された又は外周面に螺旋溝が形成されない円筒状の圧粉体を製造し、この圧粉体を、鉄、鉄合金、銅又は銅合金等からなる円筒状のねじ基体3の内周面2に挿入又は載置し、これを還元性雰囲気もしくは真空中で800〜1150℃の温度で20〜60分間焼結して形成する。焼結中、圧粉体の表面を適宜の手段を用いて加圧して、圧粉体をねじ基体3に押し付けるとよい。圧粉体の製造においての圧粉圧力としては、2〜7トン/cm程度が好ましい。こうして焼結して得られた多孔質焼結金属層素材の露出面である内周面を荒引き加工してねじを形成し、このねじの形成後、当該ねじが形成された多孔質焼結金属層素材の内周面全面に、エポキシ樹脂又はフェノール樹脂を塗布するか又は流動浸漬させるかして、エポキシ樹脂又はフェノール樹脂の封止材となる均一厚みの封止膜を形成し、その後、多孔質焼結金属層素材の内周面の両傾斜面33及び34に相当する部分を研削してこの部分の封止膜を除去した後、当該部分の多孔質焼結金属層表面にその粗さが10−3mm以下となるように、研削やラッピングにより機械加工して所望の多孔質焼結金属層9を具備した多孔質静圧気体ねじ1又は51を得る。
【0044】
得られた多孔質静圧気体ねじ1及び51の多孔質焼結金属層9では、これから噴出される気体の流量が、機械加工前の多孔質焼結金属層素材における流量の1/10〜1/30程度になる。また、多孔質焼結金属層9は、ねじ基体3との間に相互に金属成分の拡散を生じ強固に密着一体化し、その密着強度も1000kg/cm以上を示し、しかも、両者の間には隙間はなく、この部分からの高圧気体の漏れは皆無であることが確認された。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、噴射ノズル孔等を特に穿設しなくても、ねじの噛み合わせ部に気体膜を所望に形成できる多孔質静圧気体ねじを提供することができる。
【0046】
また、本発明によれば、供給高圧気体の利用効率を上げることができて、ねじの噛み合わせ部の剛性を向上させて、そして、不安定振動を惹起させないで位置決め精度を上げることのできる多孔質静圧気体ねじを提供することができる。
【0047】
また、本発明によれば、好ましい通気性と平面度を有した高圧気体噴出面からなる多孔質静圧気体ねじを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施の形態の一例の断面図である。
【図2】図1に示す例の一部拡大側面図である。
【図3】本発明の好ましい実施の形態の他の例の断面図である。
【符号の説明】
1 多孔質静圧気体ねじ
2、5 内周面
3 ねじ基体
4 雌ねじ
7 外周面
9 多孔質焼結金属層
10 通路手段
11 ねじ山頂面
12 ねじ溝底面
13、14 封止材

Claims (6)

  1. 鉄及び鉄合金並びに銅及び銅合金よりなる群から選ばれた金属からなると共に周面を有したねじ基体と、ねじが形成された円筒状のねじ付き周面及びこのねじ付き周面に対向した対向周面を有しており、対向周面でねじ基体の周面に固定された中空の多孔質焼結金属層と、多孔質焼結金属層の対向周面に高圧気体を供給する通路手段と、ねじ付き周面のねじのねじ山頂面及びねじ溝底面からの高圧気体の噴出を防止するために、荒引き加工されたねじ山頂面及びねじ溝底面にエポキシ樹脂又はフェノール樹脂が塗布又は流動浸漬されて形成されて当該ねじ山頂面及びねじ溝底面に配された封止材とを具備しており、多孔質焼結金属層は、粒界に無機物質粒子を含んでいると共に少なくとも錫、ニッケル、燐及び銅を含んでおり、無機物質粒子は、黒鉛、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、フッ化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素及び炭化ケイ素のうちの少なくとも一つからなり、多孔質焼結金属層は、その対向周面でねじ基体の周面に焼結により固定されており、そのねじ付き周面のねじの両傾斜面で研削、ラッピングにより機械加工されてなる多孔質静圧気体ねじ。
  2. ねじ基体は、円筒状であって、ねじ基体の周面は、円筒状の内周面であり、多孔質焼結金属層の対向周面は、円筒状であって、多孔質焼結金属層は、ねじ基体の内周面に固定されている請求項1に記載の多孔質静圧気体ねじ。
  3. 通路手段は、多孔質焼結金属層の対向周面に形成された螺旋溝と、この螺旋溝に連通して、ねじ基体に形成された貫通孔とからなる請求項1又は2に記載の多孔質静圧気体ねじ。
  4. 通路手段は、ねじ基体に形成された溝と、この溝に連通して、ねじ基体に形成された貫通孔とからなる請求項1又は2に記載の多孔質静圧気体ねじ。
  5. ナット又はねじ軸として用いられている請求項1から4のいずれか一項に記載の多孔質静圧気体ねじ。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の多孔質静圧気体ねじを具備した送り機構。
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