JP2000027865A - 静圧多孔質軸受 - Google Patents

静圧多孔質軸受

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JP2000027865A
JP2000027865A JP19291398A JP19291398A JP2000027865A JP 2000027865 A JP2000027865 A JP 2000027865A JP 19291398 A JP19291398 A JP 19291398A JP 19291398 A JP19291398 A JP 19291398A JP 2000027865 A JP2000027865 A JP 2000027865A
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JP
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bearing
porous
hydrostatic
metal powder
base material
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Shuhei Honma
周平 本間
Sakae Takahashi
栄 高橋
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Shibaura Machine Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Machine Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軸受面の表層部の気孔のサイズ及び分布状態
を精度良く調整することが可能な静圧多孔質軸受の構造
を提供する。 【解決手段】 母材11は、平均粒径60μmの青銅粉
末(Sn:10wt%)の焼結体からなる多孔質材であ
り、表面絞り層12は、平均粒径5μmの青銅粉末(S
n:10wt%)の焼結体からなる多孔質材である。表
面絞り層12は、以下の様に母材11の上に接合され
る。即ち、母材11の接合面を機械加工によって仕上げ
た後、表面絞り層12を構成する青銅粉末を容器の中に
充填し、その上に母材11を接合面を下向きにして載
せ、焼結を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多孔質材からなる
母材の上に、同じく多孔質材からなる表面絞り層が積層
された二層構造を備えた静圧多孔質軸受に係る。
【0002】
【従来の技術】従来、静圧多孔質軸受において、軸受面
にグラファイトなどの多孔質材をそのまま使用した場
合、自励振動が発生し、高剛性、高精度を得ることがで
きないという問題があった。
【0003】この様な自励振動を防止するため、多孔質
材の表層部分に作動流体(通常、圧縮空気)の透過量を
調整する表面絞り層を設けることが有効であることが知
られている。例えば、特開平2−256915号公報に
は、多孔質グラファイトからなる母材の表層にフェノー
ル系の熱硬化性樹脂を含浸させることによって、二層構
造を備えた静圧多孔質軸受を製造する方法が記載されて
いる。即ち、多孔質グラファイトからなる母材の表面に
仕上げ加工を施した後、これをフェノール系の熱硬化性
樹脂の中に浸漬する。樹脂の粘度を適当に調整すること
によって、母材中の比較的大きな気孔のみに、選択的に
樹脂を浸透させることができる。樹脂が表面から所定の
深さまで浸透したところで浸漬を終了し、次いで、熱硬
化処理を行って、母材の表層部にある比較的大きな気孔
を樹脂で塞ぐ。この様にして軸受面の封孔状態を調整す
ることによって、静圧多孔質軸受の自励振動を抑制する
ことができる。
【0004】しかし、上記の静圧多孔質軸受の製造方法
では、母材としてグラファイトを使用しているので、母
材自体の剛性が低い。このため、軸受の裏面側から供給
される作動流体の圧力によってたわみを生じ、軸受と軸
とが互いに接触するおそれがある。従って、たわみに対
する剛性を増加させるためには、軸受装置全体の寸法を
大きくしなければならない。一方、接触を防止するため
に軸受間隙を大きく取ると、軸受としての剛性の低下を
招くなどの問題があった。
【0005】更に、上記の静圧多孔質軸受の製造方法で
は、表面絞り層の厚さを樹脂の含浸時間によって調整し
ているので、樹脂の含浸層の厚さが場所によって一様で
はなく、従って、高剛性を得ることが難しく、同一性能
の多孔質材を安定的に製造することが容易ではなかっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の様な
従来の静圧多孔質軸受の問題点に鑑み成されたもので、
本発明の目的は、静圧多孔質軸受において、軸受面の表
層部の気孔のサイズ及び分布状態を精度良く調整するこ
とが可能な静圧多孔質軸受の構造を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の静圧多孔質軸受
は、第一の金属粉末を焼結した多孔質材からなる母材の
上に、第二の金属粉末を焼結した多孔質材からなる表面
絞り層を接合することによって軸受面を形成した二層構
造の静圧多孔質軸受であって、前記表面絞り層を構成す
る前記第二の金属粉末の粒径は、前記第一の金属粉末の
粒径と比べて小さく、且つ、その粒径が1μm以上10
0μm以下であることを特徴とする。
【0008】本発明の静圧多孔質軸受によれば、母材及
び表面絞り層を構成する多孔質材として、グラファイト
(ヤング率:E=13GPa)と比べて遥かにヤング率
が高い金属焼結体からなる多孔質材を用いることによっ
て、作動流体の圧力による軸受のたわみを減少させるこ
とができる。これによって、軸受の寸法を増加させずに
たわみに対する剛性を確保することが可能になる。ま
た、軸受の間隙を大きく取る必要がなくなるので、高い
剛性を備えた軸受を製作することができる。
【0009】また、本発明の静圧多孔質軸受によれば、
表面絞り層を構成する多孔質材を金属粉末の焼結によっ
て形成しているので、表面絞り層の厚さを均一に設定す
ることができる。なお、表面絞り層の厚さは、金属粉末
の充填高さと収縮率によって決まる。従って、収縮率と
焼結条件(加熱温度、保持時間)との関係を予め調査し
ておけば、表面絞り層の厚さを精度良く調整することが
できる。従って、同一の特性を備えた静圧多孔質軸受を
安定的に製造することができる。
【0010】好ましくは、前記第一の金属粉末及び前記
第二の金属粉末のいずれか一方あるいは双方を、青銅の
金属粉末とする。特に、青銅の金属粉末の焼結体からな
る多孔質材は、高いヤング率(E=38GPa)を備え
ているので、これを用いることによって、たわみに対す
る剛性の確保に大きな効果が得られる。
【0011】なお、本発明の静圧多孔質軸受において、
表面絞り層側を構成する第二の金属粉末として、粒径1
〜100μmの粉末を使用する理由は、以下の通りであ
る。即ち、粒径1μm以下の粉末は、製造することが容
易ではなく、入手できる粉末は非常に高価なものとなる
ので実用的ではない。一方、粒径100μm以上の粉末
は、粒径が大き過ぎるので、焼結によって収縮させても
適正な絞り効果を得るのが難しい。
【0012】好ましくは、前記表面絞り層の厚さを、当
該表面絞り層を構成する前記第二の金属粉末の粒径の3
倍以上、500μm以下とする。この理由は、以下の通
りである。即ち、表面絞り層の厚さが粒子の3倍に満た
ない場合には、空気透過量を絞る効果が得られなくな
る。一方、表面絞り層の厚さが500μm以上の場合に
は、自励振動が生じる確率が高くなる。仮に、空気透過
量を小さくして対応しようとすると、自励振動は生じな
くなるが剛性が全く得られなくなる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に基づく静圧多孔質軸受の
構造の例について説明する。図1に、製作された静圧多
孔質軸受の形状を示す。母材11として、平均粒径60
μmの青銅粉末(Sn:10wt%)の焼結体からなる
多孔質材(外径40mm、厚さ6mmの円板)を使用し
た。表面絞り層12には、平均粒径5μmの青銅粉末
(Sn:10wt%)を使用し、これを、以下の様に焼
結法によって母材11の上に接合した。図中、13は、
母材11の外周に設けられたシール層である。
【0014】母材11の接合面(図1では下面)を、目
詰まりが無い様に機械加工によって仕上げた。表面絞り
層12を構成する青銅粉末(2.3g)を、外径42m
m、深さ0.55mmの円形の容器(図示せず)の中に
充填率約34%(気孔率66%)で充填した。その上
に、母材11を接合面を下向きにして載せ、焼結を行っ
た。焼結温度は、青銅の融点以下である820℃とし、
保持時間は40分とした。焼結の結果、形成された表面
絞り層12の厚さは、約0.35mmとなった。また、
青銅粉末の収縮によって、その充填率は68%(気孔率
32%)程度となった。
【0015】次いで、表面絞り層12の表層に切削加工
を施し、鏡面に仕上げるとともに、空気透過量が目標の
値になる様にその厚さの調整を行った。ここで、表面絞
り層12の厚さを0.30mmとしたとき、目標とする
空気透過量(2.5Nリットル/分)が得られた。
【0016】上記のプロセスによって製作された静圧多
孔質軸受について、以下の方法で、その空気透過量及び
剛性を測定した。供試体として、図2に示す様に、外径
36mm、厚さ6mmの円板状の静圧多孔質軸受23を
金属製のケーシング24に取り付けたものを作成した。
静圧多孔質軸受23の裏面側(軸受面と反対側)とケー
シング24との間には、作動流体溜り25が形成されて
いる。
【0017】実験条件は、以下の通りである。静圧多孔
質軸受23をベース26の上に、軸受面を対向させて配
置し、作動流体溜り25に圧力0.5MPa(一定)で
圧縮空気を供給するとともに、ケーシング24の後方側
から負荷(W)を与えた。その時の軸受間隙の値(h)
をマイクロメータで測定するとともに、圧縮空気の流量
を流量計で測定した。ここで、静圧多孔質軸受23の剛
性の評価及び比較は、次の式で定義される無次元剛性
(K)の値で行った。なお、ここで、Aは軸受面積、P
sは給気圧である。
【0018】K=(ΔW/Δh)・(h/A)・Ps 図3にその結果を示す。軸受間隙5.5μmのとき、無
次元剛性(K)は最大値を示し、その値は0.58であ
った。なお、比較のため、従来の多孔質グラファイトか
らなる母材に樹脂を含浸させる方法によって製作された
静圧多孔質軸受の無次元剛性(K)を、同様な方法で測
定したところ、その最大値は0.55であった。従っ
て、本発明に基づく静圧多孔質軸受の無次元剛性の値
は、従来のものと比べて約5%程向上したことになる。
【0019】また、その時の空気透過量は、2.5Nリ
ットル/minとなり、非常に小さな消費量であった。
但し、軸受隙間が2〜11μmの範囲から外れる場合に
は、無次元剛性の値が大きく低下してしまうので、使用
には適さない。
【0020】次に、作動流体の圧力による静圧多孔質軸
受自体のたわみ量をマイクロメータを用いて測定した。
図4にその測定方法を示す。本発明に基づく静圧多多孔
質体の場合、たわみ量は、円板の中央部で軸方向に1μ
mであった。なお、比較のため、従来の多孔質グラファ
イトからなる母材に樹脂を含浸させる方法によって製作
されたほぼ同等の性能を示す静圧多孔質軸受のたわみ量
を、同様な方法で測定したところ、その値は3μmであ
った。従って、本発明に基づく静圧多孔質軸受のたわみ
量は、従来のものと比べて約3分の1になったことにな
る。
【0021】
【発明の効果】本発明の静圧多孔質軸受によれば、作動
流体の圧力による軸受自体のたわみを減少させることが
できる。これによって、軸受の寸法を増加させずにたわ
みに対する剛性を確保することが可能になる。また、軸
受の間隙を大きく取る必要がないので、高い剛性を備え
た軸受を製作することができる。
【0022】また、本発明の静圧多孔質軸受によれば、
表面絞り層を構成する多孔質材を金属粉末の焼結によっ
て形成しているので、表面絞り層の厚さを均一且つ正確
に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく静圧多孔質軸受の一例を示す
図、(a)は平面図、(b)は正面図を表す。
【図2】本発明に基づく静圧多孔質軸受の剛性の測定方
法について説明する図。
【図3】本発明に基づく静圧多孔質軸受の無次元剛性値
の測定結果を示す図。
【図4】本発明に基づく静圧多孔質軸受のたわみ量の測
定方法について説明する図。
【符号の説明】
11・・・母材、 12・・・表面絞り層、 13・・・シール層、 23・・・静圧多孔質軸受、 24・・・ケーシング、 25・・・作動流体溜り、 26・・・ベース。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一の金属粉末を焼結した多孔質材から
    なる母材の上に、第二の金属粉末を焼結した多孔質材か
    らなる表面絞り層を接合することによって軸受面を形成
    した二層構造の静圧多孔質軸受であって、 前記表面絞り層を構成する前記第二の金属粉末の粒径
    は、前記第一の金属粉末の粒径と比べて小さく、且つ、
    その粒径が1μm以上100μm以下であることを特徴
    とする静圧多孔質軸受。
  2. 【請求項2】 前記表面絞り層の厚さは、当該表面絞り
    層を構成する前記第二の金属粉末の粒径の3倍以上、5
    00μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の
    静圧多孔質軸受。
  3. 【請求項3】 前記第一の金属粉末は、青銅からなるこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2に記載の静圧多
    孔質軸受。
  4. 【請求項4】 前記第二の金属粉末は、青銅からなるこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2に記載の静圧多
    孔質軸受。
  5. 【請求項5】 前記第一の金属粉末及び前記第二の金属
    粉末は、青銅からなることを特徴とする請求項1または
    請求項2に記載の静圧多孔質軸受。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002093777A (ja) * 2000-07-11 2002-03-29 Nisshinbo Ind Inc ドライエッチング装置
JP2007321838A (ja) * 2006-05-31 2007-12-13 Nsk Ltd 静圧軸受
JP2010156357A (ja) * 2008-12-26 2010-07-15 Ckd Corp 非接触支持装置
JP2011085253A (ja) * 2009-10-19 2011-04-28 Jtekt Corp 軸受装置

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