JP4379584B2 - 固体酸化物形燃料電池及びその製造方法 - Google Patents

固体酸化物形燃料電池及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、固体電解質を用いた固体酸化物形燃料電池(SOFC)に関する。
従来より、固体酸化物形燃料電池のセルデザインとして、平板型(スタック型)、円筒型(チューブ型)などが提案されている。
平板型セルは、板状の電解質の表面及び裏面に燃料極及び空気極をそれぞれ配置したものであり、こうして形成されたセルはセパレーターを介して複数個積層された状態で使用される。セパレーターは各セルに供給される燃料ガスと空気とを完全に分離する役割を果たしており、各セルとセパレーターとの間にはガスシールが施されている(例えば、特許文献1)。しかしながら、この平板型セルでは、セルに対して圧力をかけてガスシールを施すため、セルが振動や熱サイクルなどに対して脆弱であるなどの欠点があり、実用化に大きな課題を有している。
一方、円筒型セルは、円筒形の電解質の外周面及び内周面に燃料極及び空気極をそれぞれ配置したものであり、円筒縦縞型、円筒横縞型などが提案されている(例えば、特許文献2)。ところが、円筒型セルは、ガスシール性に優れるという利点を有する一方、平板型セルに比べて構造が複雑であるため、製造プロセスが複雑になり、製造コストが高くなるという欠点がある。
さらに、次の問題もある。平板型セル及び円筒型セルのいずれも、性能を向上させるためには電解質の薄膜化が要求され、電解質材料のオーミックな抵抗の低減が必要となるが、電解質が薄すぎると脆弱化してしまい、耐振性や耐久性が低下するという問題があった。
このため、上述した平板型、円筒型に代わる燃料電池として、燃料極及び空気極を固体電解質からなる基板の同一面上に配置し、燃料および空気の混合ガスを供給することにより発電が可能な非隔膜式固体酸化物形燃料電池が提案されている(例えば、特許文献3)。この燃料電池によれば、燃料ガスと空気とを分離する必要がないため、セパレーター及びガスシールが不要となり、構造及び製造工程の大幅な簡略化を図ることができる。
また、この非隔膜式固体酸化物形燃料電池では、酸素イオンの伝導が固体電解質の表層付近で起こり、燃料極と空気極とを固体電解質の同一面上に近接して形成するため、平板型や円筒型のように電解質の厚みが電池の性能に直接影響することはない。したがって、電池の性能を維持したまま電解質の厚みを増すことができ、これによって脆弱性を改善することが可能となる。
特開平5−3045号公報(第1頁、第6図) 特開平5−94830号公報(第1頁、第1図) 特開平8−264195号公報(第2−3頁、第1図)
ところで、上記のような燃料電池において高出力を得るためには、燃料極と空気極とからなる電極体を電解質上に複数配置する必要があるが、この場合、複数の電極体はインターコネクターによって接続される。このとき、インターコネクターは、短絡防止の観点から交差することができないという設計上の制約がある。そのため、電極体の数が多くなると、インターコネクターの交差を避けるために、その配線が複雑になるという問題があった。また、交差を避けるためにインターコネクターを長くすると、インターコネクター自身の電気抵抗が発電に影響を与えたり、断線が生じる可能性が高くなるという問題もある。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、短絡を防止しつつ、配線設計の自由度を向上することができる固体酸化物形燃料電池及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る固体酸化物形燃料電池は、上記問題を解決するためになされたものであり、電解質と、当該電解質の一方面に配置され、燃料極及び空気極により構成された複数の電極体と、前記複数の電極体を接続するインターコネクターとを備え、前記インターコネクターは、前記電極体の一部と離間した状態で交差する交差区間を備えている。
この構成によれば、インターコネクターが電極体の一部と離間した状態で交差しているため、インターコネクターと電極体の短絡を防止することができる。そのため、電解質の表面のみならず、電極体の上方にもインターコネクターを配置することができる。これにより、電解質の表面に配線されるインターコネクターを減少することができるため、配線の自由度を向上することができる。また、これに伴って、電解質上により多くの電極体を配置することができるため、高出力を得ることができる。
このような配線として、前記交差区間を、導電性のワイヤーで構成することができる。このようにワイヤーをインターコネクター用の配線として利用することで、電極体と非接触となる形状を容易に形成することができる。
また、次のように配線を施すこともできる。すなわち、交差区間と電極体との間に、絶縁層を形成しておくこともできる。こうすることで、インターコネクターと電極体とが交差しても、確実に短絡を防止することができ、上記のような効果を得ることができる。このとき、インターコネクターとして上記ワイヤーを用いると、絶縁性がさらに向上するとともに、絶縁層上にワイヤーが接するような配置も可能となるため、より短い配線が可能となる。さらに、ワイヤーが安定的に固定されるという利点もある。
また、本発明に係る固体酸化物形燃料電池の製造方法は、電解質の一方面に、燃料極及び空気極により構成された複数の電極体を形成する工程と、前記電極体上の一部に焼失材を配置する工程と、前記焼失材上を通過し、前記複数の電極体を接続するインターコネクターを形成する工程と、前記焼失材を加熱して焼失させ、前記電極体とインターコネクターとの間に空間を形成する工程とを備えている。
この方法によれば、電極体とインターコネクターとの間に空間を形成することができるため、電極体とインターコネクターとの短絡を防止しつつ、電極体の上方にもインターコネクターを配線することができる。したがって、電解質の表面のみならず、電極体の上方にも配線ができ、配線の自由度を向上することができる。これにより、電解質の表面に配置されるインターコネクターを減少することができるため、電解質上により多くの電極体を配置することができ、高い出力を得ることができる。なお、ここでいう「焼失材」は、焼成により炭化又は灰化する材料を意味しており、合成樹脂等の有機系材料、例えばアクリル系樹脂材料やセルロース系材料を用いることができる。
本発明に係る固体酸化物形燃料電池によれば、インターコネクターと電極体との短絡を防止しつつ、配線設計の自由度を向上することができる。その結果、例えば、電解質の表面に配置されるインターコネクターを減少することができるため、電極体の集積度の向上を図ることができる。
次に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。以下の説明では、同一構成には同一符号を付してその説明を省略することがある。
(第1実施形態)
以下、本発明に係る固体酸化物形燃料電池の第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は本実施形態に係る燃料電池の平面図であり、図2は図1の正面図である。
図1及び図2に示すように、この燃料電池は、矩形の板状に形成された電解質1と、電解質1の一方面に配置された複数の電極体E(ここでは、4個の電極体E1〜E4を表示)とを備えており、これら電極体Eは第1及び第2のインターコネクター7,9によって並列に接続されている。
各電極体Eは、燃料極3と空気極5とからなり、それぞれ櫛形に形成されている。つまり、これらの電極3,5は基部3a,5aとこの基部から垂直に延びる複数の歯部3b,5bとで構成されており、各電極3,5は歯部3b,5bが所定間隔をおいてかみあった状態で配置されている。このとき、歯部3b,5bの並ぶ方向における歯部同士の間隔Xは、1〜1000μmであることが好ましく、歯部3b,5bの延びる方向における歯部3b,5bの先端と基部3a,5aとの間隔Yは1〜1000μmとであることが好ましい。
また、4つの電極体Eは、次のように配置されている。すなわち、空気極5同士が対向配置された1対の電極体(E1,E2、及びE3,E4)が図1の左右方向に並ぶように配置されている。ここで、4つの空気極5は、印刷によって形成された第1のインターコネクター7によって接続されている。このインターコネクター7は、対向する空気極5の基部5a同士を接続する2つの支線7aと、これら支線7aを結び図1の左右方向に延びる本線7bとから構成されている。そして、本線7bの先端は電解質1の端部へと延びている。
各燃料極3は、導電性のワイヤーからなる第2のインターコネクター9によって接続されている。より詳細に説明すると、各燃料極3の基部3aには、集電部8が形成されており、図1の左右方向に並ぶ燃料極3の集電部8同士が第2のインターコネクター9によって接続されている。また、電解質1の右端部に形成された集電部8と、同図の右側の電極体E3,E4に配置された2個の集電部8とが第2のインターコネクター9によってそれぞれ接続されている。このとき、第2のインターコネクター9は、図2に示すように、電極体Eの上方を隙間を形成した状態で通過している。これにより、空気極5とインターコネクター9とが接触するのが防止され、両者が短絡するのを防止している。こうして、第1及び第2のインターコネクター7,9によって4つの電極体Eは並列に接続されている。
次に、上記のように構成された燃料電池の材質について説明する。電解質1の材料としては、固体酸化物形燃料電池の電解質として公知のものを使用することができ、例えば(Ce,Sm)O3,(Ce,Gd)O3などのセリア系、(La,Sr)(Ga,Mg)O3などのランタン・ガレード系、スカンジア安定化ジルコニア(ScSZ),イットリア安定化ジルコニア(YSZ)などのジルコニア系等の酸素イオン伝導性セラミックス系材料を用いることができる。電解質1は、基板として用いられるため、ある程度の強度が必要であることから、その厚みは、例えば200〜1000μmであることが好ましい。
燃料極3及び空気極5は、セラミックス粉末材料により形成することができる。このとき用いられる粉末の平均粒径は、通常10nm〜100μmであり、好ましくは50nm〜50μmであり、特に好ましくは100nm〜10μmである。
燃料極3を形成するセラミックス粉末材料としては、例えば、ニッケルと酸素イオン伝導性材料との混合物を用いることができる。このとき用いられる酸素イオン伝導性材料としては、例えば(Ce,Sm)O3,(Ce,Gd)O3などのセリア系、(La,Sr)(Ga,Mg)O3などのランタンガレード系、スカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)やイットリア安定化ジルコニア(YSZ)などのジルコニア系などの酸素イオン伝導性セラミックス材料を挙げることができ、このようなセラミックス材料と、ニッケルとの混合物で燃料極5を形成することが好ましい。このうち、ニッケル−セリア系酸化物のサーメットで燃料極5を形成することが特に好ましい。なお、酸素イオン伝導性セラミックス材料とニッケルとの混合形態は、物理的な混合形態であってもよいし、ニッケルへの粉末修飾などの形態であってもよい。また、上述したセラミックス材料は、1種を単独で、或いは2種以上を混合して使用することができる。
空気極5を形成するセラミックス粉末材料としては、例えば、ペロブスカイト型金属酸化物を使用することができる。具体的には(Sm,Sr)CoO3,(La,Sr)MnO3,(La,Sr)CoO3,(La,Sr)(Fe,Co)O3,(La,Sr)(Fe,Co,Ni)O3などを挙げることができる。これらセラミックス粉末は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を混合して使用することもできる。
また、第1のインターコネクター7は、燃料電池の動作温度付近で電子導電性を有する材料、例えば、Pt,Au,Ag,Cu,Ni,SUS等の導電性単金属、La(Cr,Mg)O3,(La,Ca)CrO3,(La,Sr)CrO3などのランタン・クロマイト系材料によって形成することができ、これらのうちの1種を単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。また、第2のインターコネクター9及び集電部8は、Pt,Au,Ag,Cu,Ni,SUS等の電子導電性に優れた金属材によって形成することができる。第2のインターコネクター9を構成するワイヤーは、断線を防止する観点から、その径が0.3〜1mmであることが好ましい。
上記燃料極3、及び空気極5は、上述した材料を主成分として、さらにワニス、有機溶媒などが適量加えられることにより形成される。そして、これら燃料極3及び空気極5の膜厚は焼結後に1μm〜500μmとなるように形成するが、10μm〜100μmとすることが好ましい。
次に、上述した燃料電池の製造方法の一例を説明する。まず、上述した材料からなる板状の電解質1を準備する。続いて、上述した燃料極3、及び空気極5用の粉末材料を主成分として、これらそれぞれにワニス、有機溶媒などを適量加えて混練し、燃料極ペースト、空気極ペーストをそれぞれ作成する。各ペーストの粘度は、次に説明するスクリーン印刷法に適合するように103〜106Pa・s程度であることが好ましい。同様に、集電部用ペースト及びインターコネクター用ペーストも、上述した粉末材料にワニス等の添加物を加えて作成しておく。このペーストの粘度は上述した燃料極ペースト等と同じである。
続いて、図1に示す電解質1上の4つの位置に、燃料極ペーストをスクリーン印刷法により櫛形に塗布した後、所定の時間及び温度で乾燥・焼結し、燃料極3を形成する。次に、図1に示すように各電解質1上の燃料極3とかみ合うように、空気極ペーストをスクリーン印刷法によって櫛形に塗布し、所定時間及び温度で乾燥・焼結することにより、空気極5を形成する。こうして、4個の電極体Eが形成される。続いて、電解質1の一方面に印刷によってインターコネクター用ペーストを線状に塗布し、各空気極5を接続する第1インターコネクター7を形成する。これに続いて、各燃料極3の基部3a及び電解質1の端部にAuからなるペーストを塗布して集電部8を形成した後、ワイヤーからなる第2のインターコネクター9でこれら集電部8を接続する。このとき、第2のインターコネクターはワイヤーボンディングによって電解質1上の空間を通過するように形成し、インターコネクター9と空気極5とが接触しないようにする。以上の工程により、図1及び図2に示すような燃料電池が完成する。
上記のように構成された燃料電池は、次のように発電が行われる。まず、電極体Eが配置された電解質1の一方面上に、メタンやエタンなどの炭化水素からなる燃料ガスと空気との混合ガスを高温の状態(例えば、400〜1000℃)で供給する。これにより、各電極体Eにおける燃料極3と空気極5との間の電解質1の表層付近で、酸素イオン伝導が起こって発電が行われる。
以上のように本実施形態に係る燃料電池では、導電性のワイヤーによって第2のインターコネクター9を形成し、これを電極体Eの上方に隙間をあけて通過させている。したがって、燃料極3を接続する第2のインターコネクター9と、これと異極の空気極5とが接触しないため、電極体Eの上方にも配線をすることができる。その結果、配線設計の自由度を向上することができる。これに伴って、電解質1の表面に形成されるインターコネクターを減少することができるため、電解質1上により多くの電極体Eを形成することが可能となり、高い出力を得ることができる。また、ワイヤーを使用することで、第2のインターコネクター9を電解質1の上方の空間を通過するような形状に容易に形成することができるという利点がある。特に、本実施形態のような複雑な形状の電極を用いると、インターコネクターの配線が複雑になるが、上記のようにインターコネクターを構成すると、櫛形電極3,5のいずれの位置(本実施形態では、電極の中央付近)からでも短絡を生じさせることなく集電が可能になるため有利である。
なお、本実施形態では、ワイヤー(第2インターコネクター)の形成方法として、ワイヤーボンディングを採用しているが、これに限定されるものではなく、一般的なワイヤー配線での結線方法を利用することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る固体酸化物形燃料電池の第2実施形態について図面を参照しつつ説明する。図3は本実施形態に係る燃料電池の平面図である。
図3に示すように、本実施形態に係る燃料電池は、板状の電解質1の一方面に、左右方向に並ぶ2個の電極体Eが形成されている。この電極体Eは、第1実施形態のものと同一構成であるので、詳しい説明は省略する。電極体Eの空気極5同士は、第1実施形態と同一の材料からなる第1のインターコネクター7によって接続されている。一方、燃料極3同士は、第3のインターコネクター11によって接続されている。このインターコネクター11は、隣接する燃料極3の端部同士を接続するものであり、その間に配置された空気極5の歯部5bを乗り越えた状態で形成されている。
図3の拡大断面図に示すように、空気極5上には絶縁層13が形成されており、この上に第3のインターコネクター11が形成されている。したがって、絶縁層13により、インターコネクター11と空気極5とは絶縁されている。絶縁層13を構成する材料としては、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミ等を挙げることができるが、これ以外であっても、電気的・イオン伝導的に絶縁性を有し、且つ燃料電池としての動作温度付近で変質しない材料であれば特に限定されない。また、1種類の上記材料を単独で用いることもできるし、2種類以上の材料を混合して使用することもできる。
上記のように構成された燃料電池の製造方法について説明する。まず、第1実施形態で示したように、スクリーン印刷によって電解質1の一方面に2個の電極体Eを形成するとともに、空気極5同士を接続する第1のインターコネクター7を形成する。次に、隣接する燃料極3の間に配置された空気極5の歯部5bを覆うように、絶縁層13を形成する。続いて、この絶縁層13上を通過し燃料極3を接続する第2のインターコネクター11を、スクリーン印刷によって形成する。こうして、図3に示す燃料電池が製造される。
以上のように、本実施形態によれば、電極体E上に絶縁層13を介してインターコネクター11を配線することで、燃料極3同士を接続する第3インターコネクター11と空気極5の短絡を防止している。これにより、電解質1の表面のみならず、電極体E上にもインターコネクター11を配置することができるため、配線設計の自由度を向上することができる。したがって、第1実施形態と同様に、電解質1上により多くの電極体Eを配置することができるようになり、高い出力を得ることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明に係る固体酸化物形燃料電池の第3実施形態について図面を参照しつつ説明する。図4は本実施形態に係る燃料電池の平面図である。
図4に示すように、本実施形態に係る燃料電池は、板状の電解質1の一方面に、左右方向に並ぶ2個の電極体Eが形成されている。この電極体Eは、第1実施形態のものと同一構成であるので、詳しい説明は省略する。電極体Eの空気極5同士は、第1実施形態と同一の材料からなる第1のインターコネクター7によって接続されている。一方、燃料極3同士は、第4のインターコネクター21によって接続されている。このインターコネクター21は、隣接する燃料極3の端部同士を接続するものであり、その間に配置された空気極5の歯部5bを乗り越えた状態で形成されている。つまり、図4の拡大断面図に示すように、第4のインターコネクターと空気極5との間には空間Sが形成されており、両者は非接触状態にある。なお、第1及び第4のインターコネクター7,21は、同一の材料で構成してもよいし、異なる材料で構成してもよい。
次に、上記のように構成された燃料電池の製造方法について図5を参照しつつ説明する。ここでは、第4のインターコネクター21の形成方法を中心に説明する。まず、第1実施形態と同様に、電解質1上に2つの電極体Eを形成する。続いて、図5(a)に示すように、隣接する燃料極3の間に配置された空気極5の歯部5bを覆い、空気極5にかかるように、焼失材23を塗布する。そして、図5(b)に示すように、この焼失材23上を通過して燃料極3同士を接続するように、第4のインターコネクター用ペーストをスクリーン印刷によって塗布する。続いて、このペーストを約150℃で約0.5時間乾燥させた後、約1時間、約1200℃で加熱して焼失させ、第4のインターコネクター21を形成する。このとき、加熱によって焼失材23は消失し、図5(c)に示すように、インターコネクター21と空気極5との間には、空間Sが形成される。なお、焼失材23とは、高温の加熱によって炭化又は灰化する材料であり、合成樹脂等の有機系材料、例えばアクリル系樹脂材料やセルロース系材料とすることができる。
以上のように、本実施形態によれば、燃料極3を接続するインターコネクター21と空気極5の間に空間Sを形成することで、両者の短絡を防止している。これにより、電解質1の表面のみならず、電極体E上にもインターコネクター21を配置することができるため、配線設計の自由度を向上することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、インターコネクターの配線は、上記したものに限定されるものではなく、インターコネクターの一部が電極体と交差し、その交差区間においてインターコネクターと電極体とが上記のように非接触状態で短絡が防止されていればよい。
上記各実施形態では、各電極を櫛形に形成しているが、電極の形状はこれに限定されるものではなく、燃料極と空気極とが所定間隔をおいて配置されていればよい。例えば、各電極を帯状に形成することもできる。
また、上記説明では、各ペーストの塗布にスクリーン印刷法を用いているが、これに限定されるものではなく、リソグラフィー法、ロ−ルコ−ト法、グラビアロ−ルコ−ト法、ディスペンスコート法、転写法等、その他一般的な印刷法を用いることができる。また、印刷後の後工程として、静水圧プレス、油圧プレス、その他の一般的なプレス工程を用いることができる。
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。
実施例として図1及び図2に示す固体酸化物形燃料電池を作成する。電解質1として、25mm×25mmで厚みが1mmの市販の板状の電解質を準備した。この電解質1は、セリア系の電解質であり、その材質はGDC[(Ce,Gd)O3]でセリアにガドリニウムがドープされている。
燃料極材料として、酸化ニッケル(NiO)粉末(粒径0.01〜10μm、平均粒径1μm)と、SDC[(Ce,Sm)O3]粉末(粒径0.01〜10μm、平均粒径0.1μm)とを重量比で7:3となるように混合した後、セルロース系ワニスを混合し、燃料極ペーストを作製した。燃料極ペーストの粘度はスクリーン印刷に適した5×105mPa・sとした。また、空気極材料として、SSC[(Sm,Sr)CoO3]粉末(0.1〜10μm、平均粒径3μm)を使用し、セルロース系ワニスを混合して空気極ペーストを作製した。空気極ペーストの粘度も同様に、スクリーン印刷法に適した5×105mPa・sとした。
空気極5間を接続する第1のインターコネクター用の材料としては、Au粉末(0.1〜5μm、平均粒径2.5μm)を使用し、これにセルロース系ワニスを混合してインターコネクター用ペーストを作製した。インターコネクター用ペーストの粘度はスクリーン印刷に適した5×105mPa・sとした。また、燃料極3同士を接続する第2のインターコネクター9として、Auからなる直径0.5mmのワイヤーを使用した。集電部8も、Auからなるペーストを使用した。
次に、電解質1上の4つの位置にスクリーン印刷法によって燃料極ペーストを櫛形に塗布した。燃料極3の寸法は、図6に示すとおりである。すなわち、外径幅L1=7500μm,外径長さL2=7500μm,歯部の幅L3=500μm、歯部の間隔L4=900μm、歯部の長さL5=7000μmとなっている。こうしてペーストを塗布した後、130℃で15分間乾燥した。その後、1450℃で1間時間焼結した。
続いて、各燃料極3と対向する位置で、歯部同士がかみ合うように空気極ペーストを櫛形に塗布した。寸法は図6に示すとおりで、燃料極3と同じである。このとき、空気極5と燃料極3との間隔は、図の左右方向の長さX=200μm、上下方向の長さY=200μmとした。その後、130℃で15分間乾燥した後、1200℃で1時間焼結した。
また、隣接する電極体Eの間隔は、左右方向,上下方向とも、2000μmとした。こうして形成される電極体Eと基板1との詳細な寸法は、図7に示すとおりである。
そして、各空気極5を接続するように、スクリーン印刷によってインターコネクター用ペーストを電解質1の一方面に塗布し、150℃で30分間乾燥して第1のンターコネクター7を形成した。このインターコネクター7の線幅は、800μmである。続いて、各燃料極3の基部3a、及び電解質1の端部にAuからなるペーストを塗布し、約150℃で約30分間乾燥後、約900℃で約2時間焼結しインターコネクター7及び計5個の集電部8を形成した。これに続いて、ワイヤーボンディングによって隣接する集電部8同士をAuからなるワイヤーで接続し、第2のインターコネクター9を形成した。以上の工程を経て、実施例に係る固体酸化物形燃料電池を得た。この実施例によれば、電極の形状にかかわらず、任意の位置から集電を行うことができ、配線設計の自由度を向上することができる。
本発明に係る固体酸化物形燃料電池の第1実施形態の平面図である。 図1に示す燃料電池の正面である。 本発明に係る固体酸化物形燃料電池の第2実施形態の平面図である。 本発明に係る固体酸化物形燃料電池の第3実施形態の平面図である。 図4の燃料電池の製造方法を示す図である。 実施例の電極体を示す平面図である。 実施例の電極体と基板との寸法を示す平面図である。
符号の説明
1 電解質
3 燃料極
5 空気極
7 第1インターコネクター
9 第2インターコネクター
11 第3ンターコネクター
13 絶縁層
21 第4インターコネクター





Claims (4)

  1. 電解質と、
    当該電解質の一方面に配置され、燃料極及び空気極により構成された複数の電極体と、
    前記複数の電極体を接続するインターコネクターとを備え、
    前記インターコネクターは、前記電極体の一部と離間した状態で交差する交差区間を備えている固体酸化物形燃料電池。
  2. 前記交差区間は、導電性のワイヤーで構成されている請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池。
  3. 前記交差区間と電極体との間には、絶縁層が形成されている請求項1または2に記載の固体酸化物形燃料電池。
  4. 電解質の一方面に、燃料極及び空気極により構成された複数の電極体を形成する工程と、
    前記電極体上の一部に焼失材を配置する工程と、
    前記焼失材上を通過し、前記複数の電極体を接続するインターコネクターを形成する工程と、
    前記焼失材を加熱して焼失させ、前記電極体とインターコネクターとの間に空間を形成する工程と
    を備えている固体酸化物形燃料電池の製造方法。
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