JP4379007B2 - 空間光変調装置及びプロジェクタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空間光変調装置及びプロジェクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
空間光変調装置として、ティルトミラーデバイスを使用するものが知られている。ティルトミラーデバイスの代表例としてデジタルマイクロミラーデバイス(以下、「DMD」という。)が挙げられる(例えば、特許文献1参照)。DMDは、液晶型の空間光変調装置に比較して以下の利点を有する。その利点は、(1)非偏光光学系を用いることができること、(2)開口率が高いこと、(3)像のコントラストが高いこと、(4)耐光性が高い結果、装置寿命が長いこと、(5)応答特性が速いため、動画特性が良好であること等である。このため、例えば、プロジェクタの空間光変調装置としてDMDが広く使用されている。DMDでは、可動ミラー素子がON(投写される方向)となっている状態の時間である時間開口率を制御することで、画像の階調表現を行っている。そして、CMOS等のICを使用して、可動ミラー素子を駆動する。
【0003】
【特許文献1】
米国特許第5,867,202号明細書
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、画像を8ビット階調表現する場合、最大1フレームの表示時間の1/256以下の時間で可動ミラー素子のON・OFFをスイッチングする必要がある。また、1つの空間光変調装置を使用する単板式のプロジェクタの場合、いわゆる色割れと言われるカラーブレイクアップ現象を低減するために、1フレームの表示時間が短縮される傾向にある。
【0005】
処理速度の速いIC等を使用すれば、可動ミラー素子をさらに高速にスイッチングすることができる。しかしながら、高速なICを使用すると装置全体のコストが高くなってしまう。また、可動ミラー素子のスイッチング時間のさらなる短縮化が進むと、単にICを高速化することでは対応が困難である。このため、DMDの時間開口率を制御することでは、低コストで高速なスイッチングを行うことは困難であるという問題を生ずる。
【0006】
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであり、低コストで短時間に所定の階調表現を行うことができる空間光変調装置及びプロジェクタを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明によれば、第1の反射位置と、第2の反射位置と、前記第1の反射位置と前記第2の反射位置との間の中間反射位置とを選択的に移動する複数の可動ミラー素子と、画像信号に応じた電圧を印加する第1の電極又は第2の電極とを有し、前記可動ミラー素子は、前記第1の反射位置のときに入射光を投写レンズの入射瞳へ略全て入射させる方向へ反射させ、前記第2の反射位置のときに前記入射光を前記投写レンズの前記入射瞳とは異なる方向へ反射させ、前記中間反射位置のときに前記入射光を画像信号に応じた光量が前記投写レンズの前記入射瞳に入射する方向へ反射させることを特徴とする空間光変調装置を提供できる。
【0008】
これにより、可動ミラー素子の反射位置を、画像信号に応じた電圧により連続的(アナログ的)に制御できる。そして、可動ミラー素子の反射位置に応じて、投写レンズの入射瞳に入射する光量を連続的に制御できる。この結果、画像の1フレームの表示時間において、可動ミラー素子の1回の駆動、即ち1回の走査で任意の階調表現を行うことができる。従って、ICの高速化を図ることなく容易に高速な画像表示ができる。
【0009】
前記可動ミラー素子の第1の端部に対応した位置に前記第1の電極が設けられ、前記可動ミラー素子の第2の端部に対応した位置に前記第2の電極が設けられ、前記可動ミラー素子は、前記画像信号に応じた電圧により発生する力で前記第1の電極又は前記第2の電極の方向へ傾斜することにより、前記第1の反射位置、前記第2の反射位置、又は前記中間反射位置をとることが望ましい。従来のティルトミラーデバイスは、可動ミラー素子を駆動するために、例えば、磁気又は静電力などを用いる。このような従来のティルトミラーデバイスの場合、電極に所定値以上の電圧を印加すると、可動ミラー素子の端部と電極とが接触する、いわゆるプルイン(pull in)現象が起こる。プルイン現象が起こる領域では、可動ミラー素子を制御できずに、常に可動ミラー素子が電極に接触してしまう。本態様では、このようなプルイン現象が生じないで、印加電圧に応じて可動ミラー素子を移動できる領域で可動ミラー素子を制御する。このためには、可動ミラー素子と、第1の電極又は第2の電極との間のギャップ間隔を従来のティルトミラーデバイスに比較して大きくする。これにより、1つの可動ミラー素子に画像信号に応じた電圧を1回印加するだけで所望の階調表現を得ることができる。
【0010】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記可動ミラー素子を移動可能に支持する支持部と、光学的に透明な透明電極と、前記透明電極上に設けられ、前記透明電極を透過した光の光量に応じて電気導電率が変化する導電率可変部とを有し、前記透明電極と前記第1の電極との間に所定電圧を印加する電源とを有し、前記第1の電極及び前記第2の電極は、前記導電率可変部上に設けられ、前記支持部は、前記可動ミラー素子と前記第1の電極とを同電位にする導電性を有する部材であり、前記第2の電極に対応する前記透明電極の位置へ入射する光量に応じて、前記第2の電極と、前記第1の電極と同電位の前記可動ミラー素子との間に所定の力が発生し、前記可動ミラー素子は、前記入射する光量に応じた前記所定の力により前記第2の電極の方向へ傾斜することで、前記第1の反射位置と、前記第2の反射位置と、前記中間反射位置とを選択的に移動することが望ましい。本態様の導電率可変部は、制御光が全く入射していない状態では、電気の導電率が略ゼロ、即ち絶縁体として機能する。これに対して、導電率可変部に制御光が入射すると、入射した光量に応じて電気の伝導率が大きくなる。これにより、可変ミラー素子へ入射させる制御光の光量に応じて所定の力、例えば、磁気又は静電力を発生させることができる。この結果、可変ミラー素子への制御光の連続的な強度変化に応じて、可動ミラー素子の反射位置を連続的に制御できる。なお、制御光量に応じて発生させる所定の力は、磁気又は静電力に代えて、圧電素子の伸縮による駆動力も可能である。以下、制御光で各可動ミラー素子を制御することを、「光アドレッシング」という。
【0011】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記第1の電極と、前記導電率可変部との間にさらに絶縁層を有することが望ましい。これにより、可動ミラー素子の第2の電極が形成されている領域を超えて制御光が照射された場合でも、透明電極と第1の電極との間は、所定の電圧に保つことができる。
【0012】
また、本発明によれば、第1の反射位置と、第2の反射位置とを選択的に移動する複数の可動ミラー素子を有し、前記可動ミラー素子は、前記第1の反射位置のときに入射光を第1の方向へ反射し、前記第2の反射位置のときに前記入射光を前記第1の方向とは異なる第2の方向へ反射し、複数の前記可動ミラー素子で1つの画素ユニットを形成するように前記可動ミラー素子を配列し、さらに、複数の前記画素ユニットで1つの画像を形成するように前記可動ミラー素子を配列し、1つの前記画素ユニット内の複数の前記可動ミラー素子のうち、前記第1の反射位置の状態にある割合と、前記第2の反射位置の状態にある割合とにより前記画像の階調表現を行うことを特徴とする空間光変調装置を提供できる。
【0013】
これにより、1つの画素ユニットを構成する複数の可動ミラー素子を、画像信号に応じて、前記第1の反射位置の状態にある割合と、前記第2の反射位置の状態にある割合とを制御する。この結果、画素ユニット内の可動ミラー素子が第1の反射位置又は第2の反射位置となっている面積比で階調を表現できる。この結果、時間開口率に依存せずに、高速に画像表示を行うことができる。
【0014】
また、本発明の好ましい態様によれば、画像をnビット(nは正の整数)で階調表現する場合、2n−1個の前記可動ミラー素子で1つの前記画素ユニットを形成するように前記可動ミラー素子を配列し、1つの前記画素ユニット内の2n−1個の前記可動ミラー素子のうち、前記第1の反射位置の状態にある割合と、前記第2の反射位置の状態にある割合とによりnビットの階調表現を行うことが望ましい。これにより、1つの画素ユニット内の可動ミラー素子を1回制御するだけで、階調表現を行うことができる。
【0015】
また、本発明の好ましい態様によれば、画像をnビット(nは正の整数)で階調表現する場合、n個の前記可動ミラー素子で1つの画素ユニットを形成するように前記可動ミラー素子を配列し、1つの前記画素ユニット内のn個の前記可動ミラー素子は、1つの前記画素ユニットの面積を基準とした時に各可動ミラー素子の反射面の面積比がそれぞれ略1/2m(m=1〜n)であることが望ましい。これにより、1つの画素ユニット内のn個の可動ミラー素子を1回制御するだけで、nビットの階調表現を行うことができる。
【0016】
また、本発明の好ましい態様によれば、さらに、前記可動ミラー素子を移動可能に支持する支持部と、光学的に透明な透明電極と、前記透明電極上に設けられ、前記透明電極を透過した光の光量に応じて電気導電率が変化する導電率可変部とを有し、前記透明電極と前記第1の電極との間に所定電圧を印加する電源とを有し、前記支持部は、前記可動ミラー素子と前記第1の電極とを同電位にする導電性を有する部材であり、前記第1の電極及び前記第2の電極は、前記導電率可変部上に設けられ、前記第2の電極に対応する前記透明電極の位置への入射光に応じて、前記第2の電極と、前記第1の電極と同電位の前記可動ミラー素子との間に所定の力が発生し、前記可動ミラー素子は、前記入射光により発生した前記所定の力により前記第2の電極の方向へ傾斜することで、第1の反射位置と、第2の反射位置と、を選択的に移動することが望ましい。制御光で各可動ミラー素子を走査して、第1の反射位置と第2の反射位置とを選択する。これにより、光アドレッシングすることで容易に第1の反射位置にある可動ミラー素子と第2の反射位置にある可動ミラー素子との面積比による階調表現を行うことができる。
【0017】
また、本発明の好ましい態様によれば、さらに、前記可動ミラー素子を移動可能に支持する支持部と、光学的に透明な透明電極と、前記透明電極上に設けられ、前記透明電極を透過した光の光量に応じて電気導電率が変化する導電率可変部と、前記透明電極と前記第1の電極との間に所定電圧を印加する電源とを有し、前記支持部は、前記可動ミラー素子と前記第1の電極とを同電位にする導電性を有する部材であり、前記第1の電極及び前記第2の電極は、前記導電率可変部上に設けられ、前記第2の電極に対応する前記透明電極の位置への入射光に応じて、前記第2の電極と、前記第1の電極と同電位の前記可動ミラー素子との間に所定の力が発生し、1つの前記画素ユニットに対して、所定の強度分布を有する光束を照射することで、前記可動ミラー素子は、前記光束の強度のうち閾値以上の強度の光に応じて発生した前記所定の力により前記第2の電極の方向へ傾斜することで、第1の反射位置と、第2の反射位置と、を選択的に移動することが望ましい。これにより、1つの画素ユニットに所定の強度分布を有する光束を1回照射することで、容易に第1の反射位置にある可動ミラー素子と第2の反射位置にある可動ミラー素子との面積比による階調表現を行うことができる。また、1つの画素ユニットに照射する光束としては、強度分布は一定で、かつ光束の断面形状の面積が画像の階調に比例している光束を用いることもできる。
【0018】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記可動ミラー素子の第1の端部に対応した位置に前記第1の電極が設けられ、前記可動ミラー素子の第2の端部に対応した位置に前記第2の電極が設けられ、前記可動ミラー素子は、前記画像信号に応じた電圧により発生する力で前記第1の電極又は前記第2の電極の方向へ傾斜することにより、前記第1の反射位置又は第2の反射位置となることが望ましい。これにより、従来の第1の反射位置と第2の反射位置との2値状態をとるティルトミラーデバイスを用いて、各可動ミラー素子に対して1回の電圧印加により第1の反射位置にある可動ミラー素子と第2の反射位置にある可動ミラー素子との面積比による階調表現を行うことができる。
【0019】
また、本発明によれば、光を供給する光源部と、前記光源部からの光を画像信号に応じて変調する上述の空間光変調装置と、前記変調された光を投写する投写レンズと、を有することを特徴とするプロジェクタを提供できる。これにより、低コストで、短時間の1フレームにおいてカラーブレイクアップの低減された投写像を得ることができる。
【0020】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記光源部は、第1色光と、第2色光と、第3色光とを供給する固体発光素子であることが望ましい。これにより、より正確な色再現の投写像を得ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るプロジェクタ100の概略構成を示す図である。光源部101は、赤色光(以下、「R光」という。)、緑色光(以下、「G光」という。)、及び青色光(以下、「B光」という。)を供給する。また、光源部101は、複数の、R光用固体発光素子102RとG光用固体発光素子102GとB光用固体発光素子102Bとから構成される。固体発光素子としては、LDやLED等を用いることができる。なお、光源部101として有機EL素子等を用いても良い。
【0022】
光源部101からの光は、照明レンズ103を介して空間光変調装置104に入射する。空間光変調装置104は、ティルトミラーデバイスで構成できる。ティルトミラーデバイスの詳細な構成は後述する。照明レンズ103は両凸形状の正単レンズで構成されている。照明レンズ103は、光源部101の像を、後述する投写レンズ105の入射瞳ENPの位置に形成させる。これにより、空間光変調装置104をケーラー照明することができる。空間光変調装置104は、光源部101からの光を映像信号に応じて変調して射出する。変調された光は投写レンズ105を介してスクリーン106に投写される。ここで、駆動制御部107は、光源部101、空間光変調装置104、制御用光源108及びガルバノミラー109の駆動制御を行う。この駆動制御の詳細については後述する。
【0023】
次に、図2に基づいてティルトミラーデバイス200の構成について説明する。光学的に透明な平行平板である硝子基板201上に、光学的に透明な透明電極202が形成されている。透明電極202は、ITO膜で構成する。透明電極202上には、透明電極202を透過した制御光L1の光量に応じて電気導電率が変化する導電率可変部203が形成されている。導電率可変部203は、例えばアモルフォス・シリコン(以下、「a−Si」という。)又は感光性有機膜などを用いることができる。例えば、a−Siは、水素を含んでいることが望ましい。また、a−Siは、気相成長法(CVD法)により形成する。a−Siは、制御光L1が全く照射されていない状態では、電気的な導電率が略ゼロ(即ち抵抗値が略無限大)の絶縁体として機能する。これに対して、a−Siに制御光が照射されると、その光量に応じて導電率が大きくなる(即ち抵抗値が小さくなる)。導電率可変部203において導電率が変化する領域は、制御光L1が照射された領域である。厳密には、制御光L1の強度と、その照射時間とに比例して照射位置を中心として、導電率が変化する領域が周辺へ拡がる傾向がある。ここで、ティルトミラーデバイス200の場合は、高速に制御光L1を走査して、順次、隣接するティルトミラーデバイス200を制御する。このため、制御光L1が照射された領域近傍のみの導電率が変化するものとして扱う。
【0024】
さらに、導電率可変部203上にスパッタ技術により絶縁層204が、導電率可変部203の略中央領域を除いた端部側の2箇所の位置に形成されている。絶縁層204として、SiO2やSin用いることができる。2箇所の絶縁層204上にはそれぞれ第1の電極205が設けられている。これにより、後述する第2の電極208が形成されている領域を超えて光が照射された場合でも、透明電極202と第1の電極205との間は、所定の電圧に保つことができる。ここで、2箇所の第1の電極205どうしは、同電位となるように電気的に接続されている。なお、第1の電極205は、第2の電極208の周囲を囲むようにして一体的に形成することもできる。また、第2の電極208は、導電率可変部203上に直接設けられている。第1の電極205と第2の電極208とはアルミニゥム(Al)で構成できる。電源209は、透明電極202と第1の電極205との間に所定電圧を印加する。さらに、第1の電極205上には、可動ミラー素子207を移動可能に支持する柱状の支持部206が形成されている。支持部206は、可動ミラー素子207と第1の電極205とを同電位にする導電性を有する部材で構成されている。
【0025】
上述の構成のティルトミラーデバイス200を制御光L1で制御する内容を説明する。第2の電極208に対応する透明電極202の位置Aへ制御光L1を入射させる。制御光L1は、図1に示すように、制御用光源108からのビーム光をガルバノミラー109で2次元平面(xy面内)で走査することで得られる。これにより、空間光変調装置104に配列されている任意のティルトミラーデバイス200の位置へ制御光L1を正確に照射させることができる。図2に戻って、制御光L1が入射する光量に応じて、導電率可変部203の導電率が大きくなる。電源209の一方の電極(例えばマイナス側)は、透明電極202と導電率可変部203とを経由して第2の電極208と電気的に接続されている。また、電源209の他方の電極(例えばプラス側)は、第1の電極205と支持部206とを経由して可動ミラー素子207と電気的に接続されている。この状態で、導電率可変部203の導電率が変化すると、その変化量に応じた電位差が、第1の電極205と同電位の可動ミラー素子207と、第2の電極208との間に発生する。そして、電位差に応じた所定の力、例えば静電力(引力)が生ずる。このため、可動ミラー素子207は、入射する制御光L1の光量に応じた所定の力である静電力により第2の電極208の方向へ傾斜する。
【0026】
このとき、制御光L1の光量が多くなれば、静電力も対応して多くなる。このため、制御光L1の光量を大きくする場合、又は制御光L1の照射時間を長くする場合に、可動ミラー素子207は、第2の電極208側へより大きく傾斜する。さらに、制御光L1を照射しない場合は、導電率可変部203は上述のように絶縁体として機能する、このため、可動ミラー素子207と第2の電極208との間には何ら力が発生しない。ここで、支持部206を導電性を有する可撓性部材、又は導電性を有する弾性部材(金属ばね等)で構成する。可動ミラー素子207と第2の電極208との間には何ら力が発生しない状態では、支持部206の復元力で、図2で示すような可動ミラー素子207が硝子基板201に対して水平となる位置へ戻る。これにより、可動ミラー素子207は、第1の反射位置と、第2の反射位置と、中間反射位置とを選択的に移動する。なお、電源209は、直流電源に限られない。
【0027】
(第1の反射位置)
次に、可動ミラー素子207の各反射位置とスクリーン106への投写光量との関係を、図3、4、5を参照して説明する。図3は、可動ミラー素子207が第1の反射位置にある状態を示す。制御光L1をティルトミラーデバイス200の硝子基板201側から照射する。そして、導電率可変部203を絶縁体の状態から導電率が大きくなる方向へ変化させる。制御光L1の強度に応じて、可動ミラー素子207と第2の電極208との間に発生している静電力が大きくなる。可動ミラー素子207は支持部206を中心として傾斜する。そして、可動ミラー素子207の支持部206が固着されている端部とは反対側の端部が、第1の電極205と当接する。この状態が可動ミラー素子207の第1の反射位置である。可動ミラー素子207は、第1の反射位置のときに光源部101からの入射光Linを投写レンズ105の入射瞳ENPへ略全て入射させる方向へ反射光Loutとして反射させる。なお、可動ミラー素子207と、可動ミラー素子207が当接する第1の電極205とは同電位である。このため、可動ミラー素子207と、可動ミラー素子207が当接する第1の電極部205との間では通電又は帯電することはない。これにより、可動ミラー素子207が、第1の電極205に当接した状態でも第1の電極205との間では静電力が発生しない。この結果、可動ミラー素子207が第1の電極205に当接したときに、第1の電極205に当接したままの状態で制御できなくなる事態を回避できる。
【0028】
(中間反射位置)
図4は、可動ミラー素子207が中間反射位置にある状態を示す。上述の第1の反射位置の場合と同様に、制御光L1の強度に応じて、可動ミラー素子207と第2の電極208との間に静電力が発生する。そして、可動ミラー素子207は支持部206を中心として傾斜する。このとき、可動ミラー素子207の支持部206が固着されている端部とは反対側の端部が、第1の電極205と所定間隔d1となる位置で停止するような静電力を発生させる。この状態が可動ミラー素子207の中間反射位置である。可動ミラー素子207は、中間反射位置のときに光源部101からの入射光Linを、画像信号に応じた光量が投写レンズ105の入射瞳ENPに入射する方向へ反射光Loutとして反射させる。
【0029】
(第2の反射位置)
図5は、可動ミラー素子207が第2の反射位置にある状態を示す。制御光L1をティルトミラーデバイス200対して照射しない。このとき、可動ミラー素子207と第2の電極208との間には何ら力が発生しない。そして、支持部206の復元力で、図5で示すような可動ミラー素子207が硝子基板201に対して水平となる位置へ戻る。この状態が可動ミラー素子207の第2の反射位置である。可動ミラー素子207は、第2の反射位置のときに光源部101からの入射光Linを投写レンズ105の入射瞳ENPとは異なる方向へ反射光Loutとして反射させる。
【0030】
ティルトミラーデバイス200では、制御光L1の強度を画像信号に応じて制御することで、第1の電極205と第2の電極208との間に、画像信号に応じた電圧を印加することができる。これにより、可動ミラー素子207の反射位置を、制御光L1により画像信号に応じた電圧により連続的(アナログ的)に制御できる。そして、可動ミラー素子207の反射位置に応じて、投写レンズ105の入射瞳ENPに入射する光量を連続的に制御できる。この結果、画像の1フレームの表示時間において、可動ミラー素子207の1回の駆動、即ち1回の制御光L1の走査で任意の階調表現を行うことができる。従って、ICの高速化を図ることなく容易に高速な画像表示ができる。なお、制御光L1の光量に応じて発生させる所定の力は、上述の静電力に代えて、磁気又は圧電素子の伸縮による駆動力も可能である。また、ティルトミラーデバイス200の構成では、従来の駆動用ICが不要となる。さらに、導電率可変部203よりも硝子基板201側の構造では、画素ごとの構造が不要となり、いわゆるベタな層を形成すれば良いため、製造工程、製造コストの効率化を図れる。加えて、画素構造が不要なため、導電率可変部203等をスピンコートするだけで良い。
【0031】
(第1実施形態の変形例)
上記第1実施形態のティルトミラーデバイス200の変形例を図6(a)、(b)を参照して説明する。図6(a)は従来技術のティルトミラーデバイス600を示し、図6(b)は本変形例のティルトミラーデバイス610をそれぞれ示す。上記第1実施形態では、光アドレッシングにより可動ミラー素子207の反射位置を制御している。これに対して、本変形例では、従来技術と同様の駆動方式のティルトミラーデバイスを用いる。まず、図6(a)を用いて、従来技術のティルトミラーデバイス600を説明する。可動ミラー素子601の第1の端部に対応した位置に第1の電極602が設けられ、可動ミラー素子601の第2の端部に対応した位置に第2の電極603が設けられている。そして、所定の電圧を、第1の電極602又は第2の電極603へ印加する。電圧に応じた静電力が、可動ミラー素子601と、第1の電極602又は第2の電極603との間のギャップ間隔d2において生じる。ここで、従来技術のティルトミラーデバイス600では、ギャップ間隔d2が小さい。このため、上述のプルイン現象を生じないで可動ミラー素子601を制御できる領域が少ない。
【0032】
これに対して、図6(b)に示す本変形例のティルトミラーデバイス610では、可動ミラー素子611と、第1の電極612又は第2の電極613との間のギャップ間隔d3が、図6(a)で示す従来技術におけるギャップ間隔d2よりも大きい。これにより、画像信号に応じた電圧により発生する力で、可動ミラー素子611が第1の電極612又は第2の電極の方向へ傾斜する。これにより、第1の反射位置、第2の反射位置、又は中間反射位置をとることができる。上述したように、磁気又は静電力などを用いる従来のティルトミラーデバイスの場合、電極に所定値以上の電圧を印加すると、プルイン現象が発生する。本変形例では、プルイン現象が生じない領域で可動ミラー素子611を制御できる。これにより、1つの可動ミラー素子611に画像信号に応じた電圧を1度印加するだけで所望の階調表現を得ることができる。
【0033】
(点灯タイミングチャート)
次に、図1に示す第1実施形態に係るプロジェクタ100においてフルカラー映像を得るためのR光用発光素子102RとG光用発光素子102GとB光用発光素子102Bとを点灯させる時間とタイミングについて説明する。図7(a)、(b)は、点灯時間とそのタイミングを示す図である。光源駆動部の機能も兼用する駆動制御部107は、R光用発光素子102RとG光用発光素子102GとB光用発光素子102Bとを順次切り換えて点灯させる。表示される映像の1フレーム内において各色発光素子の点灯時間を異ならせる。これにより、各色光の光束量を任意に設定できる。白色を得るためには、G光の光束量を全体の60%から80%程度にする必要がある。このため、図7(a)に示すように、G光用発光素子102Gの点灯時間GTを、R光用発光素子102Rの点灯時間RTとB光用発光素子102Bの点灯時間BTよりも長くする。
【0034】
次に、図7(b)を用いて、光源部の点灯時間の変形例を説明する。R光用発光素子102RとG光用発光素子102GとB光用発光素子102Bとの数量がそれぞれ略同じ場合について考える。この場合、各色の光源部の空間的な広がりは略同程度である。しかしながら、上述のように白色を得るためには、G光の光束量を全体の60%から80%程度にする必要がある。このため、G光用発光素子102Gを他の発光素子よりも長く点灯させてG光の階調表現時間GKを、R光階調表現時間RK及びB光階調表現時間BKよりも長くする。ここで、階調表現時間とは、ティルトミラーデバイス200が、画像信号に応じて各色光の強度(階調)を実現するために必要な時間期間である。
【0035】
この場合、映像の階調をnビット(nは正の整数)で表現すると、G光階調表現時間GKの単位ビットの長さとR光又はB光の階調表現時間RK、BKの単位ビットの長さとは異なる。また、駆動制御部107は、G光用発光素子102Gを駆動するときの駆動クロック信号の周波数と、R光用発光素子102R又はB光用発光素子102Bを駆動するときの駆動クロック信号の周波数とを異ならせることができる。さらに好ましくは、G光用光源駆動クロック信号と、R光、B光用光源駆動クロック信号とは、さらに両信号に共通の周波数の単位クロック信号を有することが望ましい。
【0036】
(第2実施形態)
図8(a)、(b)は、本発明の第2実施形態に係る空間光変調装置800をスクリーン106側から見た図である。上記第1実施形態では、可動ミラー素子207の位置を連続的に制御して画像の階調表現を行っている。これに対して、本実施形態では、ティルトミラーデバイスは、中間反射位置をとらないで、第1の反射位置又は第2の反射位置のみをとるON・OFFの2値型のティルトミラーデバイスを用いる。そして、第1の反射位置又は第2の反射位置となる可動ミラー素子の面積を制御することで階調表現を行う。なお、ティルトミラーデバイスの構成は、第1実施形態において図2で示したものと同様である。ただし、制御光L1を照射すること、又は照射しないことの何れかにより可動ミラー素子810(図8(b))を第1の反射位置(ON)又は第2の反射位置(OFF)にのみ制御する点が異なる。このため、ティルトミラーデバイスに関して重複する説明は省略する。
【0037】
(画素配列)
図8(a)は、空間光変調装置800の変調面の一部をスクリーン106の方向から見た図である。1つの画素を形成する画素ユニット801が直交する格子状に複数配列されている。図8(b)は、1つの画素ユニット801をさらに拡大して示す。1つの画素ユニット801は、可動ミラー素子810を有する複数のティルトミラーデバイスを配列することで構成されている。そして、1つの画素ユニット801内の複数の可動ミラー素子810のうち、第1の反射位置の状態にある割合と、第2の反射位置の状態にある割合とにより画像の階調表現を行う。図3と同様に、可動ミラー素子810が第1の反射位置(ONの位置)のときは、反射光Loutを第1の方向である投写レンズ105の入射瞳ENPに入射する方向へ反射する。これに対して、図5と同様に、可動ミラー素子810が第2の反射位置(OFFの位置)のときは、反射光Loutを第2の方向である投写レンズ105の入射瞳ENPとは異なる方向へ反射する。図8(b)において、第1の反射位置(ONの位置)にある可動ミラー素子810を白色で、第2の反射位置(OFFの位置)にある可動ミラー素子810を黒色で塗って示す。
【0038】
このように、1つの画素ユニット801を構成する複数の可動ミラー素子810を、画像信号に応じて、第1の反射位置の状態にある割合と、第2の反射位置の状態にある割合とを制御する。この結果、画素ユニット801内の可動ミラー素子が第1の反射位置又は第2の反射位置となっている面積比で階調を表現できる。この結果、時間開口率に依存せずに、高速に画像表示を行うことができる。
【0039】
具体的には、画像をnビット(nは正の整数)で階調表現する場合、2n−1個の可動ミラー素子810で1つの画素ユニット801を形成するように可動ミラー素子810を配列する。例えば、画像を8ビットで階調表現する場合、1つの画素ユニット801は、255(=28−1)個の可動ミラー素子810で構成する。画素ユニット801を正方形状とする場合は、可動ミラー素子810を16×16個の行列状に配列する。そして、1つの前記画素ユニット内の255個の前記可動ミラー素子のうち、前記第1の反射位置の状態にある割合と、前記第2の反射位置の状態にある割合とにより8ビットの階調表現を行う。可動ミラー素子810の255個の全てを第1の反射位置(ON)にすると、最大輝度の階調となる。これに対して、可動ミラー素子810の255個の全てを第2の反射位置(OFF)にすると、最小輝度の階調となる。そして、可動ミラー素子810の第1の反射位置(ON)の割合と、第2の反射位置(OFF)の割合とを制御することで、最小輝度と最大輝度との間の中間階調を表現できる。これにより、1つの画素ユニット801内の可動ミラー素子810を1回制御するだけで、階調表現を行うことができる。
【0040】
(光アドレッシングによる駆動)
本実施形態のティルトミラーデバイスの制御方法は、上述したように上記第1実施形態で述べた光アドレッシングによりON又はOFFの2値制御である。例えば、図8(b)の点線で示すように、第1行LN1から制御光L1(図2)のビーム走査を開始する。そして、各ティルトミラーデバイスの位置において制御光L1を照射すること、又は照射しないことを選択的に行う。図2において説明したように、ティルトミラーデバイスに制御光L1を照射すると、可動ミラー素子810は第1の反射位置(ON)になる。また、ティルトミラーデバイスに制御光L1を照射しないと、可動ミラー素子810は第2の反射位置(OFF)になる。第1行LN1の走査が終了すると、折り返して第1行LN1の時とは反対の方向へ第2行LN2のビーム走査を行う。以下、順次繰り返して、最終行である第16行LN16までビーム走査を行う。このように、画像を8ビットで階調表現する場合、1つの画素ユニットを16回走査すれば良い。また、光アドレッシングによるティルトミラーデバイスに限られず、従来技術のON又はOFFの2値を選択するDMDを用いることもできる。
【0041】
(第3実施形態)
図9(a)、(b)は、本発明の第3実施形態に係る空間光変調装置900をスクリーン106側から見た図である。本実施形態は、上記第2実施形態と同様にティルトミラーデバイスは、中間反射位置をとらないで、第1の反射位置又は第2の反射位置のみをとるON・OFFの2値型のティルトミラーデバイスを用いる。そして、第1の反射位置又は第2の反射位置となる面積の異なる可動ミラー素子を制御することで階調表現を行う。なお、ティルトミラーデバイスの構成は、第1実施形態において図2で示したものと同様である。ただし、制御光L1を照射すること、又は照射しないことの何れかにより可動ミラー素子910a〜910h(図9(b))を第1の反射位置(ON)又は第2の反射位置(OFF)にのみ制御する点が異なる。このため、ティルトミラーデバイスに関して重複する説明は省略する。
【0042】
(画素配列)
図9(a)は、空間光変調装置900の変調面の一部をスクリーン106の方向から見た図である。1つの画素を形成する画素ユニット901が直交する格子状に複数配列されている。図9(b)は、1つの画素ユニット901をさらに拡大して示す。画像をnビット(nは正の整数)で階調表現する場合、n個の可動ミラー素子で1つの画素ユニット901を形成するように可動ミラー素子を配列する。そして、1つの画素ユニット901内のn個の可動ミラー素子は、1つの画素ユニットの全体面積を基準とした時に各可動ミラー素子の反射面の面積比がそれぞれ略1/2m(m=1〜n)である。
【0043】
具体的には、画像を8ビットで階調表現する場合、8個の可動ミラー素子910a、910b、910c、910d、910e、910f、910g、910hで1つの画素ユニット901を形成する。そして、1つの画素ユニット901の面積を基準(=1)とする。このとき、各可動ミラー素子910a〜910hの反射面の面積比は、それぞれ略1/2、1/4、1/8、1/16、1/32、1/64、1/128、1/256である。
【0044】
可動ミラー素子910a〜910hの8個の全てを第1の反射位置(ON)にすると、最大輝度の階調となる。これに対して、可動ミラー素子910a〜910hの8個の全てを第2の反射位置(OFF)にすると、最小輝度の階調となる。そして、可動ミラー素子910a〜910hのうち、第1の反射位置(ON)にある割合と、第2の反射位置(OFF)の割合とを制御することで、最小輝度と最大輝度との間の中間階調を表現できる。これにより、1つの画素ユニット901内の可動ミラー素子910a〜910hを1回制御するだけで、階調表現を行うことができる。
【0045】
(光アドレッシングによる駆動)
本実施形態のティルトミラーデバイスの制御方法は、上述したように上記第1実施形態で述べた光アドレッシングによりON又はOFFの2値制御である。例えば、図9(b)の点線で示すように、第1行LN1から制御光L1(図2)のビーム走査を開始する。そして、各ティルトミラーデバイスの位置において制御光L1を照射すること、又は照射しないことを選択的に行う。図2において説明したように、ティルトミラーデバイスに制御光L1を照射すると、可動ミラー素子910a〜910hは第1の反射位置(ON)になる。また、ティルトミラーデバイスに制御光L1を照射しないと、可動ミラー素子910a〜910hは第2の反射位置(OFF)になる。第1行LN1の走査が終了すると、折り返して第1行LN1の時とは反対の方向へ第2行LN2のビーム走査を行う。以下、順次繰り返して、最終行である第5行LN5までビーム走査を行う。このように、画像を8ビットで階調表現する場合、1つの画素ユニットを5回走査すれば良い。本実施形態では、上記第2実施形態の16回の走査に比較して5回の走査で良い。このため、画像の階調表示のさらなる高速化が可能となる。また、光アドレッシングによるティルトミラーデバイスに限られず、従来技術のON又はOFFの2値を選択するDMDを用いることもできる。
【0046】
(第4実施形態)
図10(a)、(b)は、本発明の第4実施形態に係る空間光変調装置の1つの画素ユニット1000をスクリーン106側から見た図である。本実施形態は、上記第2実施形態と同様にティルトミラーデバイスは、中間反射位置をとらないで、第1の反射位置又は第2の反射位置のみをとるON・OFFの2値型のティルトミラーデバイスを用いる。そして、第1の反射位置又は第2の反射位置となる可動ミラー素子の数を制御することで階調表現を行う。なお、ティルトミラーデバイスの構成は、第1実施形態において図2で示したものと同様である。ただし、所定の強度分布を有する制御光L1を照射することで可動ミラー素子1001(図10(a))を第1の反射位置(ON)又は第2の反射位置(OFF)にのみ制御する点が異なる。このため、ティルトミラーデバイスに関して重複する説明は省略する。
【0047】
本実施形態では、1つの画素ユニット1000に対して255個のティルトミラーデバイスを配列している。そして、図10(b)に示すように、1つの画素ユニット1000に対して、所定の強度分布を有する光束I1を照射する場合を考える。各ティルトミラーデバイスは、光束I1の強度のうち閾値Ith以上の強度の光に応じて発生した所定の力、例えば静電力により第2の電極208(図2)の方向へ傾斜することで、第1の反射位置と、第2の反射位置と、を選択的に移動する。これにより、図10(a)の領域I1a内の可動ミラー素子1001を第1の反射位置(ON)にできる。同様に、図10(b)に点線で示すような強度分布の光束I2を画素ユニット1000に照射する場合を考える。この場合は、図10(a)に示す領域I2b内の可動ミラー素子1001を第1の反射位置(ON)にできる。このように、光束の強度分布を制御することで、第1の反射位置(ON)となる可動ミラー素子1001の数を制御できる。これにより、1つの画素ユニット1000に所定の強度分布を有する光束を1回照射することで、容易に第1の反射位置にある可動ミラー素子1001と第2の反射位置にある可動ミラー素子1001との面積比による階調表現を行うことができる。光束の強度分布の制御は、例えば曲率半径を可変にできる凹面反射鏡で制御光束を反射させることや制御光束の光量を変化させることで可能となる。また、1つの画素ユニット1000に照射する光束としては、強度分布は一定で、かつ光束の断面形状の面積が画像の階調に比例している光束を用いることもできる。この場合は、制御光束の断面形状、例えば4角形形状等の所望の形状に可変できる整形光学系を用いる。
【0048】
上述したように、上記各実施形態のプロジェクタによれば、簡便な構成で画像の1フレームの表示時間を容易に短縮化して高速な画像表示を行うことができる。これにより、いわゆるカラーブレイクアップの低減された良好な投写像を得ることができる。なお、上記各実施形態のプロジェクタは、投写レンズ105の一方の空間側に各色固体発光素子102R、102G、102Bを配置している。しかしこれに限られず、例えば、G光用固体発光素子102Gを投写レンズ105の反対側の空間に設けるような両側照明の構成とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態にかかるプロジェクタの概略構成図。
【図2】 第1実施形態におけるティルトミラーデバイスの概略構成図。
【図3】 ティルトミラーデバイスの第1反射位置状態図。
【図4】 ティルトミラーデバイスの中間位置状態図。
【図5】 ティルトミラーデバイスの第2反射位置状態図。
【図6】 第1実施形態の変形例のティルトミラーデバイスの概略構成図。
【図7】 (a)、(b)は点灯のタイミングチャート。
【図8】 (a)、(b)は第2実施形態におけるティルトミラーデバイスの説明図。
【図9】 (a)、(b)は第3実施形態におけるティルトミラーデバイスの説明図。
【図10】 (a)、(b)は第4実施形態におけるティルトミラーデバイスの説明図。
【符号の説明】
100 プロジェクタ、101 光源部、102R R光用固体発光素子、102G G光用固体発光素子、102B B光用固体発光素子、103 照明レンズ、104 空間光変調装置、105 投写レンズ、106 スクリーン、107 駆動制御部、108 制御用光源、109 ガルバノミラー、200 ティルトミラーデバイス、201 硝子基板、202 透明電極、203 導電率可変部、204 絶縁層、205 第1の電極、206 支持部、207 可動ミラー素子、208 第2の電極、209 電源、600 ティルトミラーデバイス、601 可動ミラー素子、602 第1の電極、603 第2の電極、610 ティルトミラーデバイス、611 可動ミラー素子、612 第1の電極、613 第2の電極、800 空間光変調装置、801 画素ユニット、810可動ミラー素子、900 空間光変調装置、901 画素ユニット、910a〜910h 可動ミラー素子、1000 画素ユニット、1001 可動ミラー素子、d1 ギャップ間隔、d2 ギャップ間隔、d3 ギャップ間隔、ENP入射瞳、I1 光束、I1a 領域、I2 光束、I2b 領域、Ith 閾値、L1 制御光、Lin 入射光、Lout 反射光

Claims (3)

  1. 第1の反射位置と、第2の反射位置と、前記第1の反射位置と前記第2の反射位置との間の中間反射位置とを選択的に移動する複数の可動ミラー素子と、
    前記可動ミラー素子を移動可能に支持する支持部と
    光学的に透明な透明電極と、
    前記透明電極上に設けられ、前記透明電極を透過した光の光量に応じて電気導電率が変化する導電率可変部と、
    前記導電率可変部上に設けられた第1の電極と、
    前記導電率可変部上に設けられた第2の電極と、
    前記透明電極と前記第1の電極との間に所定電圧を印加する電源と、を有し
    前記支持部は、前記可動ミラー素子と前記第1の電極とを同電位にする導電性を有する部材であり、
    前記第2の電極に対応する前記透明電極の位置へ入射する光量に応じて、前記第2の電極と、前記第1の電極と同電位の前記可動ミラー素子との間に画像信号に応じた電圧が印加されることにより所定の力が発生し、
    前記可動ミラー素子は、前記入射する光量に応じた前記所定の力により前記第2の電極の方向へ傾斜することで、前記第1の反射位置と、前記第2の反射位置と、前記中間反射位置とを選択的に移動させ、
    前記可動ミラー素子は、前記第1の反射位置のときに入射光を投写レンズの入射瞳へ略全て入射させる方向へ反射させ、前記第2の反射位置のときに前記入射光を前記投写レンズの前記入射瞳とは異なる方向へ反射させ、前記中間反射位置のときに前記入射光を画像信号に応じた光量が前記投写レンズの前記入射瞳に入射する方向へ反射させ
    前記第1の電極と、前記導電率可変部との間に絶縁層を有し、
    前記第1の電極は、前記導電率可変部上の端部又は周辺部に設けられ、
    前記第2の電極は、前記導電率可変部上で、前記第1の電極が設けられていない略中央領域に設けられ、
    前記絶縁層は、前記略中央領域を除いた領域に設けられることを特徴とする空間光変調装置
  2. 光を供給する光源部と、
    前記光源部からの光を画像信号に応じて変調する請求項1に記載の空間光変調装置と、
    前記変調された光を投写する投写レンズと、
    を有することを特徴とするプロジェクタ。
  3. 前記光源部は、第1色光と、第2色光と、第3色光とを供給する固体発光素子であることを特徴とする請求項に記載のプロジェクタ。
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