JP4378863B2 - 内燃機関のシリンダブロック - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関のシリンダブロックに関し、特に、複数のシリンダライナが鋳ぐるまれたシリンダブロックのシリンダボア間の壁部に、冷却水路が形成される内燃機関のシリンダブロックに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃機関のシリンダブロックとして、遠心鋳造等で作られた複数の鋳鉄製シリンダライナを鋳ぐるんだアルミ製シリンダブロックが知られている。このシリンダブロックには、全シリダボアを取り囲むウォータジャケットが形成されており、同ジャケットに冷却水が流される。各シリンダボアは混合気の燃焼に伴って発生する熱によって高温となるので、各シリンダボアの周囲から冷却することが重要である。そのためには、前記ウォータジャケットに連通する冷却水路を各シリンダボア間の壁部に設け、この冷却水路に冷却水を流すのが好ましい。この冷却水路は、ドリル等の工具によってあけられるドリルパッセージ孔で構成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、内燃機関の排気量を大きくするために各シリンダボアの容積を大きくすると、ボアピッチは決まっているので、各シリンダボア間の壁部が狭くなる。こうしてシリダボア間の壁部が狭くなると、ドリルパッセージ孔の加工が難しくなったり、同孔の加工ができなくなる不具合が生じる。すなわち、シリダボア間の壁部が狭くなると、同壁部にドリルパッセージ孔をドリル等の工具で加工する際に、ドリルが多少ブレたりして、ドリルでシリンダブロックのシリンダボア間の壁を突き破り、シリンダブロックとシリンダライナ間に水が浸入したり、ドリルが鋳鉄製シリンダライナに接触して折れたりするという問題があった。
【0004】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、シリンダボア間の壁部が狭い場合でも、同壁部にドリルパッセージ孔を容易に加工することができ、その作業効率の向上を図った内燃機関のシリンダブロックを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、シリンダボアを形成して鋳ぐるまれる複数のシリンダライナと、このシリンダライナの周囲に形成されるウォータジャケットと、隣り合うシリンダライナの間にあるシリンダボア間壁部に設けられて同ウォータジャケットに連通するドリルパッセージ孔とを有する内燃機関のシリンダブロックにおいて、前記ドリルパッセージ孔は、前記シリンダボア間壁部において隣り合うシリンダライナ間が最も狭くなる接近部位をライナ軸方向に対して斜めに通過するものであり、前記シリンダライナは、前記接近部位に対応する外周面上に前記ドリルパッセージ孔との間隔を拡大する溝が形成される中間部と、この中間部のライナ軸方向上方に設けられて前記溝の底面よりも径方向外側に外周面が形成される上方部と、前記中間部のライナ軸方向下方に設けられて前記溝の底面よりも径方向外側に外周面が形成される下方部とに区分されるものであり、前記溝は、前記接近部位におけるライナ軸方向の長さが前記接近部位における前記ドリルパッセージ孔のライナ軸方向の長さよりも大きく設定されるものであることを要旨としている。
【0006】
この発明によれば、各シリンダライナをシリンダブロックに鋳ぐるむ際に、各シリンダライナの溝にシリンダブロックの構成材料が充填されるので、この充填された部分では壁部の厚さが他の部分よりも厚くなる。この厚くなった部分では、シリンダライナの外周面とドリルパッセージ孔との間の距離が拡大され、寸法上の余裕が確保される。このため、ドリルパッセージ孔の加工時に、ドリルが多少ブレても、ドリルでシリンダボア間の壁部を突き破ったり、ドリルがシリンダライナに接触して折れたりするのを防ぐことができる。したがって、シリンダボア間の壁部が狭いシリンダブロックの場合でも、同壁部にドリルパッセージ孔を容易に加工することができ、その作業効率を向上させることができる。
また、各シリンダライナの溝にシリンダブロックがくい込んでいるので、シリンダブロックと各シリンダライナの結合力が大きくなり、各シリンダライナの沈み込みを防止することができる。これにより、シリンダライナの沈み込みを防止するために、従来一般に行われていたシリンダライナの外周面に凹凸をつけるための加工、例えば、その外周面にねじ状に溝を形成するスパイニ加工や同外周面に螺旋状に溝を形成する螺旋加工等が不要になる。
また、シリダボア間の壁部のうち、隣接するシリンダライナ間が最も狭くかつドリルパッセージ孔が形成される部分が厚くなり、同部分においてシリンダライナの外周面とドリルパッセージ孔との間の距離が拡大される。このため、その厚くなった部分を通るドリルパッセージ孔の加工がより一層容易になり、その作業効率がより一層向上する。
【0007】
(2)請求項2に記載の発明は、シリンダボアを形成して鋳ぐるまれる第1シリンダライナ及び第2シリンダライナと、これらシリンダライナの周囲に形成されるウォータジャケットと、前記第1シリンダライナと前記第2シリンダライナとの間にあるシリンダボア間壁部に設けられて同ウォータジャケットに連通するドリルパッセージ孔とを有する内燃機関のシリンダブロックにおいて、前記第1シリンダライナは、前記シリンダボア間壁部において前記第2シリンダライナとの間隔が最も狭くなる部位と対応する外周面上に溝が設けられるものであって、この溝の底面が同溝のライナ軸方向上方及び下方にある外周面よりも径方向内側に位置するものであり、前記第2シリンダライナは、前記第1シリンダライナの溝と対向する外周面上に溝が設けられるものであって、この溝の底面が同溝のライナ軸方向上方及び下方にある外周面よりも径方向内側に位置するものであり、前記ドリルパッセージ孔は、前記第1シリンダライナの溝と前記第2シリンダライナの溝との間をライナ軸方向に対して斜めに通過するものであることを要旨としている。
【0008】
この発明によれば、各シリンダライナをシリンダブロックに鋳ぐるむ際に、各シリンダライナの溝にシリンダブロックの構成材料が充填されるので、この充填された部分では壁部の厚さが他の部分よりも厚くなる。この厚くなった部分では、シリンダライナの外周面とドリルパッセージ孔との間の距離が拡大され、寸法上の余裕が確保される。このため、ドリルパッセージ孔の加工時に、ドリルが多少ブレても、ドリルでシリンダボア間の壁部を突き破ったり、ドリルがシリンダライナに接触して折れたりするのを抑制することができる。したがって、シリンダボア間の壁部が狭いシリンダブロックの場合でも、同壁部にドリルパッセージ孔を容易に加工することができ、その作業効率を向上させることができる。
【0009】
(3)請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の内燃機関のシリンダブロックにおいて、前記ドリルパッセージ孔は、前記シリンダボア間壁部の頂面から側面までにわたり同壁部を斜めに貫通するものであることを要旨としている。
【0010】
(4)請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の内燃機関のシリンダブロックにおいて、前記ドリルパッセージ孔は、シリンダライナ配列方向と直交する方向に沿う前記シリンダボア間壁部の断面において、前記頂面上の端部に一方の開口部が形成されるとともに前記側面上の前記溝よりもライナ軸方向下方に他方の開口部が形成されるものであることを要旨としている。
【0011】
この発明によれば、シリンダボア間の壁部が狭いシリンダブロックの場合でも、シリンダボア間の壁部に斜めに形成されるドリルパッセージ孔を容易に加工することができる。
【0012】
(5)請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関のシリンダブロックにおいて、前記シリンダブロックはアルミ製であり、前記シリンダライナは鋳鉄製あるいはアルミ製であることを要旨としている。
【0013】
この発明によれば、鋳鉄製或いはアルミ製のシリンダライナが鋳ぐるまれたアルミブロックの場合でも、シリンダボア間の壁部にドリルパッセージ孔を容易に加工することができる。
【0014】
(6)請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関のシリンダブロックにおいて、前記シリンダライナの溝は、その外周面の全周にわたり形成される環状の溝であることを要旨としている。
【0015】
この発明によれば、各シリンダライナの溝を円周溝としたので、各シリンダライナをシリンダブロックに鋳ぐるむ際に、シリンダブロックに対する各シリンダライナの位置決めが不要となり、製造が容易になる。
【0016】
(7)請求項7に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関のシリンダブロックにおいて、前記シリンダライナの溝は、その軸心に関して対称となる外周面上の2箇所に形成されるものであることを要旨としている。
【0017】
この発明によれば、各シリンダライナの必要な個所にのみ溝を形成しているので、シリンダライナの強度低下を抑制することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る内燃機関のシリンダブロックを、多気筒エンジン、例えば4気筒エンジンのシリンダブロックに適用した各実施形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
[第1実施形態]
第1実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。
図1及び図2に示すシリンダブロック12は、4つのシリンダライナ11を、金型ダイカスト鋳造によりアルミで鋳ぐるんだライナ鋳ぐるみアルミブロックである。
【0020】
シリンダブロック12の各シリンダボア13間の壁部、すなわち、隣接する2つのシリンダライナ11,11間の各壁部には、4つのシリンダボア13を取り囲む(シリンダボア周囲の)ウォータジャケット14に連通する冷却水路としてのドリルパッセージ孔15がそれぞれ形成される。
【0021】
同ドリルパッセージ孔15は、各シリンダボア13間の壁部に、ウォータジャケット14と、シリンダブロック12の上面12bに取り付けられる不図示のシリンダヘッド内のウォータジャケットとを連通するように、上面12b側から下方へ斜めに形成される(図1,図2参照)。なお、シリンダヘッドは、シリンダブロック12の上面12bに、ガスケット(図示略)を介して複数のヘッドボルトで締結される。図1で符号12cは、ヘッドボルトが螺合するボルト穴をそれぞれ示している。
【0022】
各シリンダライナ11は、図3に示すように、遠心鋳造等によりそれぞれ円筒状に形成された鋳鉄製ライナである。各シリンダライナ11の外周には、各シリンダボア13間の壁部のうち、各シリンダライナ11の外周面とドリルパッセージ孔15との間の距離が小さくなる部分において、同距離を拡大する形状の溝16がそれぞれ形成されている。すなわち、各シリンダライナ11の溝16は、隣接するシリンダライナ11,11間が最も狭くかつドリルパッセージ孔15が形成される部分12a(図1参照)において、ドリルパッセージ孔15との間の距離を拡大するように形成されている。
【0023】
具体的には、各シリンダライナ11の溝16は、各シリンダボア13間の壁部の隣接するシリンダライナ11,11間が最も狭く部分12aを斜めに横切るドリルパッセージ孔15との間の距離を拡大するように形成されている(図2参照)。本例では、各シリンダライナ11の溝16は、シリンダライナ11の上面12bの近傍で全周にわたって延びる1つの円周溝である。
【0024】
この溝16の幅寸法W(図3参照)は、ドリルパッセージ孔15のうち、少なくとも前記部分12aを斜めに横切る部分15a(図2参照)との間の距離を拡大するのに十分な大きさに設定されている。この溝16は、各シリンダライナ11をシリンダブロック12に鋳ぐるむ前に機械加工により形成される。
【0025】
このように構成された第1の実施形態によれば、次のような作用効果を奏することができる。
(1)各シリンダライナ11をシリンダブロック12に鋳ぐるむ際に、各シリンダライナ11の溝16にシリンダブロック12の構成材料であるアルミが充填されるので、この充填された部分では壁部の厚さS2が他の部分の厚さS1よりも厚くなる(図4参照)。この厚くなった部分では、各シリンダライナ11の外周面とドリルパッセージ孔15との間の距離が拡大され、寸法上の余裕が確保される。このため、ドリルパッセージ孔15の加工時に、ドリルが多少ブレても、ドリルでシリンダボア13間の壁部を突き破ったり、ドリルがシリンダライナ11に接触して折れたりするのを防ぐことができる。したがって、シリンダボア間の壁部が狭いシリンダブロック12の場合でも、同壁部にドリルパッセージ孔15を容易に加工することができ、その作業効率を向上させることができる。
【0026】
(2)各シリダボア13間の壁部のうち、隣接するシリンダライナ11,11間が最も狭くかつドリルパッセージ孔15が形成される部分が厚くなり(厚さS2)、同部分において各シリンダライナ11の外周面とドリルパッセージ孔15との間の距離が拡大される。このため、その厚くなった部分を通るドリルパッセージ孔15の加工がより一層容易になり、その作業効率がより一層向上する。
【0027】
(3)各シリンダライナ11の溝16は、その全周にわたって延びる1つの円周溝である。また、各溝16の幅寸法Wは、ドリルパッセージ孔15のうち、少なくとも前記部分12aを斜めに横切る部分15aとの間の距離を拡大するのに十分な大きさに設定されている。このため、ドリルパッセージ孔15の一部である前記部分15aがある長さにわたって、隣接するシリンダライナ11,11間が最も狭くなる部分12aを斜めに横切る場合でも、ドリルによるドリルパッセージ孔15を容易に加工することができる。
【0028】
(4)図4に示すように、各シリンダライナ11の溝16にシリンダブロック12がくい込んでいるので、シリンダブロック12と各シリンダライナ11の結合力が大きくなり、前記ヘッドボルトの締結による面圧を受けて各シリンダライナ11が沈み込むのを防止することができる。これにより、シリンダライナの沈み込みを防止するために、従来一般に行われていたシリンダライナ11の外周面に凹凸をつけるための加工、例えば、その外周面にねじ状に溝を形成するスパイニ加工や同外周面に螺旋状に溝を形成する螺旋加工等が不要になる。
【0029】
(5)シリンダブロック12はアルミブロックであり、同アルミブロックに、4つの鋳鉄製のシリンダライナ11が鋳ぐるまれている。このため、鋳鉄製シリンダライナが鋳ぐるまれたアルミブロックの場合でも、シリンダボア間の壁部にドリルパッセージ孔を容易に加工することができる。
【0030】
(6)各シリンダライナ11の溝16は、各シリンダライナの全周にわたって延びる1つの円周溝であるので、各シリンダライナ11をシリンダブロック12に鋳ぐるむ際に、シリンダブロック12に対する各シリンダライナ11の位置決めが不要となり、製造が容易になる。
【0031】
[第2実施形態]
図5は、第2実施形態に係るシリンダブロックに鋳ぐるむシリンダライナ11を示している。本例のシリンダライナ11では、上記第1の実施形態の溝16に対応する溝16Aが、その外周の軸心に関して略対称な2箇所に形成されている。なお、本例の各シリンダライナ11は、シリンダブロック12に鋳ぐるむ際に、各シリンダライナ11の溝16aが互いに対向するように、シリンダブロック12に対して位置決めする必要がある。
【0032】
第2実施形態によれば、次のような作用効果を奏することができる。
(7)各シリンダライナ11の必要な個所にのみ2つの溝16A,16Aを形成しているので、各シリンダライナ11の強度低下を抑制することができる。
【0033】
以上本発明の各実施形態について説明したが、上記各実施形態は以下に示すようにその構成を変更して実施することもできる。
・上記各実施形態では、本発明に係る内燃機関のシリンダブロックを4気筒エンジンのシリンダブロックに適用したが、4気筒以外の多気筒エンジンのシリンダブロックにも本発明は適用可能である。
【0034】
・上記各実施形態では、アルミ製のシリンダブロック(アルミブロック)12に、鋳鉄製のシリンダライナ11が鋳ぐるまれているが、同ライナ11を、アルミブロックに耐久性の高いアルミ合金製のシリンダライナとしてもよい。
【0035】
・各シリンダライナ11の溝16の形状は、ドリルパッセージ孔15との距離をかせげる形状、すなわち、シリンダライナ11の外周面とドリルパッセージ孔15との距離を拡大することができる形状であればよい。
【0036】
以下、上記各実施形態から把握できる技術思想について説明する。
(イ)シリンダボア間の壁部に、シリンダボア周囲のウォータジャケットに連通する冷却水路としてのドリルパッセージ孔が形成されるシリンダブロックに鋳ぐるまれる内燃機関のシリンダライナにおいて、前記シリンダライナの外周には、前記シリダボア間の壁部のうち、前記シリンダライナの外周面と前記ドリルパッセージ孔との間の距離が小さくなる部分において同距離を拡大する形状の溝が形成されていることを特徴とする内燃機関のシリンダライナ。
【0037】
このような構成を有するシリンダライナを内燃機関のシリンダブロックに鋳ぐるむことにより、シリンダボア間の壁部が狭いシリンダブロックの場合でも、同壁部にドリルパッセージ孔を容易に加工することができ、その作業効率を向上させることができる。また、シリンダブロックと各シリンダライナの結合力が大きくなり、各シリンダライナの沈み込みを防止することができる。
【0038】
(ロ)上記(イ)に記載の内燃機関のシリンダライナにおいて、前記各シリンダライナの溝は、前記シリダボア間の壁部のうち、隣接するシリンダライナ間が最も狭くかつ前記ドリルパッセージ孔が形成される部分において前記距離を拡大するように形成されていることを特徴とする内燃機関のシリンダライナ。
【0039】
このような構成を有するシリンダライナを内燃機関のシリンダブロックに鋳ぐるむことにより、ドリルパッセージ孔の加工がより一層容易になり、その作業効率がより一層向上する。
【0040】
(ハ)上記(イ)又は(ロ)に記載の内燃機関のシリンダライナにおいて、前記シリンダライナは、鋳鉄製或いはアルミ製であることを特徴とする内燃機関のシリンダライナ。
【0041】
(ニ)上記(イ)〜(ハ)のいずれかに記載の内燃機関のシリンダライナにおいて、前記ドリルパッセージ孔は、前記シリンダボア間の壁部に、前記シリンダブロック上面側から下方へ斜めに形成され、前記各シリンダライナの溝は、前記壁部の隣接するシリンダライナ間が最も狭くなる部分を斜めに横切る前記ドリルパッセージ孔との間の距離を拡大するように形成されていることを特徴とする内燃機関のシリンダライナ。
【0042】
このような構成を有するシリンダライナを内燃機関のシリンダブロックに鋳ぐるむことにより、シリンダボア間の壁部が狭いシリンダブロックの場合でも、シリンダボア間の壁部に斜めに形成されるドリルパッセージ孔を容易に加工することができる。
【0043】
(ホ)上記(イ)〜(ニ)のいずれかに記載の内燃機関のシリンダライナにおいて、前記シリンダライナの溝は、その全周にわたって延びる円周溝であることを特徴とする内燃機関のシリンダライナ。
【0044】
このような構成を有するシリンダライナによれば、シリンダライナをシリンダブロックに鋳ぐるむ際に、シリンダブロックに対するシリンダライナの位置決めが不要となり、製造が容易になる。
【0045】
(ヘ)上記(イ)〜(ホ)のいずれかに記載の内燃機関のシリンダライナにおいて、前記シリンダライナの溝は、その外周の、軸心に関して略対称な2箇所に形成されていることを特徴とする内燃機関のシリンダライナ。
【0046】
このような構成を有するシリンダライナによれば、シリンダライナの強度低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態に係る内燃機関のシリンダブロックの一部を示す平面図。
【図2】 図1のA−A線に沿う断面図。
【図3】 図1のシリンダブロックに用いるシリンダライナを示す側面図。
【図4】 図1のB−B線に沿う断面図。
【図5】 第2実施形態に係る内燃機関のシリンダブロックに用いるシリンダライナを示す側面図。
【符号の説明】
11…シリンダライナ、12…シリンダブロック、12a…隣接するシリンダライナ間が最も狭くなる部分、12b…シリンダブロックの上面、13…シリンダボア、14…ウォータジャケット、15…冷却水路としてのドリルパッセージ孔、16,16A…溝。

Claims (7)

  1. シリンダボアを形成して鋳ぐるまれる複数のシリンダライナと、このシリンダライナの周囲に形成されるウォータジャケットと、隣り合うシリンダライナの間にあるシリンダボア間壁部に設けられて同ウォータジャケットに連通するドリルパッセージ孔とを有する内燃機関のシリンダブロックにおいて、
    前記ドリルパッセージ孔は、前記シリンダボア間壁部において隣り合うシリンダライナ間が最も狭くなる接近部位をライナ軸方向に対して斜めに通過するものであり、
    前記シリンダライナは、前記接近部位に対応する外周面上に前記ドリルパッセージ孔との間隔を拡大する溝が形成される中間部と、この中間部のライナ軸方向上方に設けられて前記溝の底面よりも径方向外側に外周面が形成される上方部と、前記中間部のライナ軸方向下方に設けられて前記溝の底面よりも径方向外側に外周面が形成される下方部とに区分されるものであり、
    前記溝は、前記接近部位におけるライナ軸方向の長さが前記接近部位における前記ドリルパッセージ孔のライナ軸方向の長さよりも大きく設定されるものである
    ことを特徴とする内燃機関のシリンダブロック。
  2. シリンダボアを形成して鋳ぐるまれる第1シリンダライナ及び第2シリンダライナと、これらシリンダライナの周囲に形成されるウォータジャケットと、前記第1シリンダライナと前記第2シリンダライナとの間にあるシリンダボア間壁部に設けられて同ウォータジャケットに連通するドリルパッセージ孔とを有する内燃機関のシリンダブロックにおいて、
    前記第1シリンダライナは、前記シリンダボア間壁部において前記第2シリンダライナとの間隔が最も狭くなる部位と対応する外周面上に溝が設けられるものであって、この溝の底面が同溝のライナ軸方向上方及び下方にある外周面よりも径方向内側に位置するものであり、
    前記第2シリンダライナは、前記第1シリンダライナの溝と対向する外周面上に溝が設けられるものであって、この溝の底面が同溝のライナ軸方向上方及び下方にある外周面よりも径方向内側に位置するものであり、
    前記ドリルパッセージ孔は、前記第1シリンダライナの溝と前記第2シリンダライナの溝との間をライナ軸方向に対して斜めに通過するものである
    ことを特徴とする内燃機関のシリンダブロック。
  3. 請求項1または2に記載の内燃機関のシリンダブロックにおいて、
    前記ドリルパッセージ孔は、前記シリンダボア間壁部の頂面から側面までにわたり同壁部を斜めに貫通するものである
    ことを特徴とする内燃機関のシリンダブロック。
  4. 請求項3に記載の内燃機関のシリンダブロックにおいて、
    前記ドリルパッセージ孔は、シリンダライナ配列方向と直交する方向に沿う前記シリンダボア間壁部の断面において、前記頂面上の端部に一方の開口部が形成されるとともに前記側面上の前記溝よりもライナ軸方向下方に他方の開口部が形成されるものである
    ことを特徴とする内燃機関のシリンダブロック。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関のシリンダブロックにおいて、
    前記シリンダブロックはアルミ製であり、
    前記シリンダライナは鋳鉄製あるいはアルミ製である
    ことを特徴とする内燃機関のシリンダブロック。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関のシリンダブロックにおいて、
    前記シリンダライナの溝は、その外周面の全周にわたり形成される環状の溝である
    ことを特徴とする内燃機関のシリンダブロック。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関のシリンダブロックにおいて、
    前記シリンダライナの溝は、その軸心に関して対称となる外周面上の2箇所に形成されるものである
    ことを特徴とする内燃機関のシリンダブロック。
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