JP4378831B2 - 回転体の駆動装置およびこれを用いた画像形成装置ならびに回転体の駆動方法 - Google Patents

回転体の駆動装置およびこれを用いた画像形成装置ならびに回転体の駆動方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばデジタルモノクロ複写機、デジタルカラー複写機、デジタルタンデムカラー複写機、デジタルカラープリンタおよびファクシミリ等において、感光体ドラム等の複数の回転体を回転駆動するのに適用される回転体の駆動装置、およびこれを用いた画像形成装置ならびに回転体の駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のような電子写真式の画像形成装置においては、感光体ドラムに形成されたトナー像を忠実に転写紙上に転写するため、感光体ドラムや現像ローラ等の回転むらを極力抑制できる高精度な回転駆動装置の装備が不可欠とされている。
【0003】
そのため、従来、上記感光体ドラムを遊星ローラ減速機付きモータで回転駆動する構成の駆動装置が提案されている(例えば特開平5−53381号、特開平5−180290号)。
【0004】
ところが、上記従来のものは、感光体ドラムや現像ローラ等が個別の回転駆動装置で駆動される構成のため、回転駆動装置の実装のための占有スペースが大となってコンパクト化を進めるうえでの障害となっていた。
【0005】
そこで、コンパクト化を図った回転体の駆動装置として、たとえば特開平4ー245261号公報に示すように、一つの回転駆動源で複数の回転体を回転駆動する技術が提案されている。具体的には、一つの回転体を遊星ローラ減速機付サーボモータで直接駆動するとともに、モータによる回転力を、順次アイドラーローラを介して他の感光体ドラムに伝達させるようにしたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この場合、一つの回転体と他の回転体との間がアイドラーローラを介して機械的に圧接状態で連結されているので、一つの回転体に回転むらや振動等の低周波成分が発生すると、これがそのままアイドラーローラを介して他の回転体に伝達され、さらにアイドラーローラでも回転むら等の低周波成分が発生すると、これが増幅されて後段の回転体に伝達されることになり、駆動装置の高精度化に逆行することにもなりかねないという欠点があった。
【0007】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、小形化に容易に対応可能となり、しかも複数の回転体の一つに、他の回転体の回転むらや機械的振動等の影響を及ぼすのを防止することができる回転体の駆動装置およびこれを用いた画像形成装置ならびに回転体の駆動方法の提供を課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、複数の回転体と、減速手段と、一つの回転体に前記減速手段を介して回転力を伝達する回転駆動源と、前記一つの回転体の速度を検出する速度検出手段と、この速度検出手段の検出値に応じて前記回転駆動源を制御する制御手段と、前記回転駆動源の回転力を他の回転体駆動用として分岐する駆動分岐手段と、を備え、前記減速手段は遊星ローラ減速機であり、前記駆動分岐手段は、前記減速手段を中心として前記一つの回転体と反対側に配設されてなり、前記回転駆動源は、前記減速手段側に連結される回転軸の他に、該回転軸と一体回転し、かつ該回転軸と同軸上で減速手段と反対側に延びる回転軸を有し、この反対側の回転軸に前記駆動分岐手段が連結されてなることを特徴とする回転体の駆動装置によって解決される。
【0009】
この駆動装置によれば、回転駆動源の回転力が遊星ローラ減速機からなる減速手段を介して一つの回転体に伝達される一方、回転駆動源からの分岐回転力により他の回転体が回転される。つまり、複数の回転体に対する回転力を、一つの回転駆動源から供与できるので、回転駆動源の設置スペースの確保に苦慮することもなく、小形に製作することができる。
【0010】
しかも、前記一つの回転体の回転速度の検出値に従って回転駆動源が制御されることにより、上記一つの回転体の回転安定化が図れ、しかも、前記駆動分岐手段により、他の回転体での負荷変動が直接的に前記一つの回転体に伝達しにくくなる。
【0011】
また、前記駆動分岐手段は、前記減速手段を中心として前記一つの回転体と反対側に配設されてなるから、一つの回転体と他の回転体との間に減速手段が介在する状態となり、他の回転体の負荷変動を減速手段の伝達特性を利用して減衰させることが可能となり、負荷変動が上記一つの回転体に影響するのを防ぐことができる。
【0012】
さらに、前記回転駆動源は、前記減速手段側に連結される回転軸の他に、該回転軸と一体回転し、かつ該回転軸と同軸上で減速手段と反対側に延びる回転軸を有し、この反対側の回転軸に駆動分岐手段が連結されてなる構成であるから、上記の負荷変動に対する減衰作用に加えて、駆動源を中心として減速手段と反対側の空間領域を利用できるから、この駆動分岐手段を含め他の回転体への駆動伝達構造の採りうる設計自由度が広げられる。
【0013】
なお、回転体、速度検知手段の具体的構成は、特に限定されないが、例えば、前記一つの回転体が像担持体であり、速度検知手段がエンコーダで構成することができる。この場合には、周知の構成部品の組み合わせにより、画像形成用に適した駆動装置を容易に製作することができる。
【0014】
また、前記回転体の駆動装置を、画像を形成する作像手段を備えた画像形成装置に適用しても良い。この場合には、回転体の回転むらや振動が画像形成に悪影響を与えるおそれを確実に解消することができる。
【0015】
また、この発明に係る方法は、複数の回転体のうちの一つの回転体に対して回転駆動源の回転力を減速手段を介して伝達し、前記一つの回転体の回転速度の検出値に応じて前記回転駆動源を制御して、回転駆動源の回転力から駆動分岐手段により分岐された回転力を他の回転体に伝達する回転体の駆動方法であって、前記減速手段は遊星ローラ減速機であり、前記駆動分岐手段は、前記減速手段を中心として前記一つの回転体と反対側に配設されてなり、前記回転駆動源は、前記減速手段側に連結される回転軸の他に、該回転軸と一体回転し、かつ該回転軸と同軸上で減速手段と反対側に延びる回転軸を有し、この反対側の回転軸に前記駆動分岐手段が連結されてなることを特徴とする。
【0016】
この方法によれば、回転駆動源の実装占有スペースを増すことなく、高精度の回転力の伝達が達成される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る回転体の駆動装置を組み込んだ画像形成装置の実施形態を、デジタルタンデムカラー複写機への適用例で説明する。
【0018】
図1は、このデジタルタンデムカラー複写機(以下、単に「複写機」という。)Aの側面図を示している。
【0019】
この複写機は、いわゆるタンデム型複写機と称されるものであり、筐体10の最下部に挿抜可能にセットされた給紙カセット11から、筐体左側壁12に外方へ突出姿勢で装着された排紙トレー13に至るまでの筐体下部空間に水平に搬送ベルト14が架設され、この搬送ベルト14上にベルト長手方向に沿って複数(図示例では4個)の作像ユニット30C,30M,30Y,3OKが列設され、搬送ベルト14にて転写紙Sを搬送しながら各作像ユニットによって該転写紙S上に各色成分のトナー画像を転写し、各色の重ね合わせによりカラー画像を形成するものである。
【0020】
筐体10の上部には、イメージリーダ部15が配設されており、ここで光学的に読み取った原稿画像は画像処理部16により所要の画像処理が施され、Y(イエロ一),M(マゼンダ),C(シアン),K(ブラック)の各色成分に分解される。前記作像ユニット30C〜30Kの上部には、レーザダイオード41C〜41Kを備えた光ユニット40C〜40Kが配設されている。
【0021】
上記レーザダイオード41C〜41Kを各色成分信号に基づいて駆動することにより光変調されたレーザ光は、ポリゴンミラー42C〜42Kにより主走査方向へスキヤンされながら対応する色成分の作像ユニット30C〜30Kに導入される。
【0022】
作像ユニット30C〜30Kは、感光体ドラム31C〜31Kを中心として、その周囲に配設された帯電チャージャ(符号は省略)および現像器38C〜38K等を有し、前記レーザ光により矢印aの方向に回動する感光体ドラム31C〜31Kの表面を露光しながら、露光によって形成される静電潜像を、現像器38C〜38Kでトナ一として顕像化する。つまり、この作像ユニット30C〜30Kは、いわゆる静電複写方式で画像を形成するユニット構造体となっている。
【0023】
なお、各作像ユニット30C〜30Kの現像器38C〜38Kは、光ユニット40C〜40Kの光変調色成分に対応して、C,M,Y,Kの各トナーを現像剤として感光体ドラム31C〜31Kにそれぞれ供給する。また、各現像器38C〜38Kには、回転体としての現像ローラーが設けられている。
【0024】
各作像ユニット30C〜30Kにおける感光体ドラム31C〜31Kの直下位置には、搬送ベルト14を介して転写チャージャ17C〜17Kが配設されており、感光体ドラム31C〜31Kの表面のトナー画像を搬送ベルト14上の転写紙Sに転写するようにしてある。
【0025】
筐体10の左部空間には、搬送ベルト14の下流端の近傍に、転写後の転写紙Sに対する定着器26が配置されている。
【0026】
搬送ベルト14は、駆動ローラ18、従動ローラ19およびテンションローラ20で張架されており、駆動ローラ18が、図示しないモータによって矢印bの向きに回転駆動されると、搬送ベルト14は矢印cの方向に走行する。このとき、搬送ベルト14の走行速度と画像形成時の感光体ドラム31C〜31Kの周速(以下、プロセス速度という)とが一致するように、前記モータの回転速度が制御される。また、テンションローラ20は、図示しない引っ張りばねで矢印dの方向に引っ張られており、これによって、搬送ベルト14の張力が一定に保持される。
【0027】
また、各感光体ドラム31C〜31Kの上流側には、それぞれに対応してレジストセンサ32C〜32Kが設けられており、このレジストセンサ32C〜32Kによって、搬送ベルト14上を搬送される転写紙Sの先端が検出される。
【0028】
各レジストセンサ32C〜32Kは、対応する感光体ドラム31C〜31Kの露光位置から転写位置までの感光体ドラム31C〜31Kの周方向で感光体ドラム31C〜31Kが回転する向きに測った距離よりも長くなるように設置されている。
【0029】
各感光体ドラム31C〜31Kは、図2、図4に示すように個々に設けられた遊星ローラ減速機付駆動モータ部33(33C〜33K)で回転駆動される。
【0030】
すなわち、上記構成において、各感光体ドラム31C〜31Kは、それぞれ遊星ローラ減速機付駆動モータ部33C〜33Kで回転駆動されながら、その表面に荷電粒子が一様に分布するように帯電チャ−ジャで帯電された後、レーザ光で露光されて静電潜像が形成される。この後、現像器38C〜38Kでトナー粒子が付着されて顕像化される。
【0031】
一方、搬送ベルト14により転写紙Sが搬送されてくると、転写チャージャ17C〜17Kにより各感光体ドラム31C〜31Kのトナー像が転写紙Sに転写された後、定着器26でトナー像に対する定着処理が施された後、排紙トレイ13に排出される。
【0032】
図2は、回転体である感光体ドラム31C〜31Kおよび現像器38C〜38Kの現像ローラーを回転駆動するための駆動装置Bを示す構成図である。なお、前記駆動装置Bは、各感光体ドラムおよび現像器について同一の構成であり、図2では感光体ドラムを31、現像器を38、現像ローラーを37として説明する。
【0033】
遊星ローラ減速機付駆動モータ部33は、回転駆動源である駆動モータ(以下、単にモータと記す場合もある)331と遊星ローラ減速機332とからなり、両者331、332間に回路構成部品が実装された制御基板335が固定されている。
【0034】
駆動モータ331としては、ステッピングモータ、ACモータ、DCブラシレスモータ、さらには、サーボモータ等から任意に選択使用すればよい。
【0035】
この駆動モータ331の出力軸333が太陽ローラとなり、それを旋回中心軸として遊星ローラ334が転接して遊星運動を行う。この遊星ローラ334を回転自在に支持する出力軸71の先端部が駆動モータ部33としての最終段出力軸となっている。
【0036】
前記減速手段は、遊星ローラ減速機332に限らず、減速ギア機構、ベルト伝動機構等が使用可能である。
【0037】
上記出力軸71の先端部は、感光体ドラム31に対して、駆動モータ331からの回転力を伝達するためにカップリング70を介して連結されている。このカップリング70は、上記遊星ローラ減速機332や出力軸71等と共に第1の駆動伝達手段72を構成している。
【0038】
また、この出力軸71には、その回転速度を検出するための速度検出器73が装備されている。速度検出器73は、感光体ドラム31に回転むらが生じないように、つまり、感光体ドラム31の回転が一定速度になるように、検出された速度信号を駆動モータ331にフィードバックしている。
【0039】
なお、速度検出器73としては、パルスエンコーダ、タコジェネレータ等の各種のものを使用することができる。この実施形態では、パルスエンコーダを用いている。また、速度検出位置も任意に設定すればよい。
【0040】
速度検出信号は、たとえば速度検出器73がパルスエンコーダである場合、図2に示す矩形状のパルス信号fnである。駆動モータ331が元々有しており、基準信号発生部52から送出される基準信号(パルス)frと上記検出パルス信号fnとを位相比較部54で比較し、さらに基準電圧Vrが入力されるFーV変換器57でパルス信号fnの周波数を電圧に変換し、上記比較出力と変換出力とを混合部81に入力することにより感光体ドラム31の速度が所定値であるか否かを判別することができる。その信号の差分をAMP82で増幅し、スイッチング素子83をON/OFFさせて前記駆動モータ331をスイッチング制御することにより、該駆動モータ331の回転数が所定値に保持される。
【0041】
前記駆動モータ331は、前記回転軸333の他に、これと一体回転し、かつ同軸上で反対側に突出された別(第2)の回転軸336を有する。この第2の回転軸336には、駆動分岐手段74を介して別(第2)の駆動伝達手段75が連結されており、回転軸336の回転力を、上記駆動分岐手段74および第2の駆動伝達手段75を介して前記現像ローラ37に、分岐回転力として伝達させるようになっている。
【0042】
上記駆動分岐手段74は、たとえば前記第2の回転軸336に固定された原動ギア741と、この原動ギア742に噛合する減速ギア742とによる減速機構から構成されており、減速ギア742は、一対の軸受け部材91,92に回転自在に支承された第1および第2の伝動軸93,94のうちの第1の伝動軸93の一端部に固定されている。
【0043】
なお、この駆動分岐手段74は、上記のようなギア減速機構に限らず、ベルトやチェーン伝動機構で構成したり、あるいはインナー磁気回転体とアウター磁気回転体とを使用する磁気式連結機構等の各種のものを使用することができる。
【0044】
前記第2の駆動伝達手段75は、たとえば前記第1の伝動軸93に固定された第1の中間ギア751、前記第2の伝動軸94の一端部に固定されて第1の中間ギア751に噛合する第2の中間ギア752、第2の伝動軸94の他端部に固定された第3の中間ギア753ならびに現像ローラ軸47に固定されて第3の中間ギア753に噛合する従動ギア754からなる。
【0045】
なお、別の駆動伝達手段75についても、上記したギア機構に限らず、ベルトやチェーン伝動機構等で構成することが可能である。
【0046】
上記駆動系の構成において、駆動モータ331の回転軸333の回転力は、遊星ローラ減速器332で減速されて高トルクで出力軸71およびカップリング70を介して感光体ドラム31に伝達される。
【0047】
一方、駆動モータ331の別の回転軸336による分岐回転力は、減速機構74により減速されて高トルク下で第2の駆動伝達手段75を介して現像ローラ軸47に伝達され、現像ローラ37が回転駆動される。
【0048】
ここで、一つの駆動モータ331により感光体ドラム31や現像ローラ37を駆動するので、回転駆動源331の設置スペースを容易に確保することができる。さらに、出力軸71の回転速度、つまり感光体ドラム31の回転速度が速度検出手段73で検出され、その検出値に応じて駆動モータ331がフィードバック制御されるので、上記感光体ドラム31の回転が基本的に安定化される。しかも、この状態で駆動モータ331の回転力は、上記感光体ドラム31および現像ローラ37に対して、個別の駆動伝達ルートにより伝達されるので、現像ローラ37の回転むら等が直接的に感光体ドラム31に伝達されるのが防止され、感光体ドラム31の高精度な回転が維持される。
【0049】
とくに、この実施形態では、感光体ドラム31と現像ローラ37とが遊星ローラ減速機332を介しての連動状態となっているので、前記現像器38での振動等の負荷変動や、減速機構74のギア741,742の噛み合いによる負荷変動変動(低周波成分であるノイズ)が生じたりしても、これら低周波成分は、遊星ローラ減速機332の伝達特性により減衰されるため、感光体ドラム31に伝達されるのが有効に防止される。
【0050】
具体的には、予め図3に示すように回転駆動源331側からの入力ノイズによる遊星ローラ減速機332での出力ノイズのゲイン(=出力ノイズ/入力ノイズ)G、つまり前記遊星ローラ減速機332の伝達特性をデータとして調べておき、負荷変動周波数をゲイン1以下となるような周波数に設定する。
【0051】
いま、仮に、現像器38側での負荷変動周波数f1を、上記ゲインG=1の周波数領域に設定すると、回転駆動源331での入力ノイズと同等の出力ノイズが遊星ローラ減速機332から出力され、また、上記周波数f1を上記ゲインG>1の周波数領域に設定すると、回転駆動源331での入力ノイズよりも大きい出力ノイズが遊星ローラ減速機332から出力され、これらの場合には、現像器38側での負荷変動が感光体ドラム31の回転に影響を及ぼし、回転むら等が生じて良好な画像が得られにくくなる。
【0052】
これに対して、上記負荷変動周波数f1を、上記ゲインG<1(たとえばG=0.4)の周波数領域(図3の周波数fよりも高い周波数)に設定すれば、前記現像器38側での負荷変動の伝達を減衰させることができる。したがって、この場合、前記負荷変動が感光体ドラム31の回転に及ぼす影響が抑制され、高品位の画像形成が保証されることになる。
【0053】
また、上記駆動伝達手段74として、前述したような磁気式のもので構成すれば、現像ローラ37側での負荷変動を、駆動伝達手段74の構成部品間での滑り成分や非接触効果により、有効に減衰させることができる。
【0054】
なお、上記負荷変動周波数f1が固定されている場合は、共振周波数f0をフライホイール等で可変操作して、負荷変動周波数f1がゲイン1よりも小さい周波数領域なるように設定すればよい。
【0055】
ところで、上記実施形態では、駆動モータ331の第2の回転軸336からの回転力を現像ローラ37に伝達する構成としたので、駆動モータ331側方の回転軸336側の空間を利用して駆動分岐手段74を配置でき、設計自由度が大きくなる利点がある。
【0056】
勿論、前記駆動モータ331から現像ローラ37への回転力の分岐は、前記遊星ローラ減速機332と駆動モータ331の間において行っても、減速機332による負荷変動の減衰効果を生じさせることができる。
【0057】
図4は、駆動モータ部33(33C〜33K)の駆動制御部501を示すブロック図である。
【0058】
同図に示すように、駆動制御部501は、CPU基板500上のCPU51を中心にして、複写機全体を総括的に制御するメイン制御部61、基準信号発生部52C〜52K、ドライバーユニット53C〜53K、レジストセンサ32C〜32K、SOSセンサ43C〜43K、RAM58およびROM59が接続されて構成されており、CPU51は、ROM59に格納されたプログラムにしたがって制御を行う。また、メイン制御部61には、前記光ユニット40C〜40Kを制御する光ユニット制御部400やイメージリーダ部15、画像処理部16(不図示)が接続されている。なお、SOSセンサ43C〜43Kは光ユニット制御部400にも接続されている。
【0059】
基準信号発生部52Cは、CPU51が指示する周波数あるいは駆動制御部501内にある水晶による周波数に対応する周期のクロックパルスを発生する。このクロックパルスの周期を変更することで、駆動モータ331の回転速度を可変に制御できる(回転速度を示す基準信号となる。)
ドライバーユニット53C〜53Kは、CPU51から入力される駆動開始信号により前記クロックパルスに応じた回転速度で駆動モータ331を回転制御するものである。
【0060】
ここで、速度検出器73C〜73Kで検出された速度検出信号fnは、CPU51にフィードバックされ、基準信号frと比較される。これにより駆動モータ331の現在の回転速度が基準値より速いのかあるいは遅いのかを瞬時判断し、速い場合には、クロックパルス発生部52C〜52Kの周波数frを低くし、遅い場合には、周波数frを高くして駆動モータ331の回転数が所定値となるように制御する。
【0061】
図5は、前記遊星ローラ減速機付駆動モータ部33のフィードバック制御を示すフローチャート図である。なお、同図および以下の説明では、ステップをSで示す。
【0062】
機械の電源をONすると、S101では、コピー開始と同時に駆動モータ331の駆動がスタートしたか否かを判断し、さらに基準信号発生部52で基準パルスfrが発振されたか否かを判断する。駆動モータ331の駆動がスタートし、かつ基準パルスfrが発振されると(S101の判定がYES)、S102では、駆動モータ331に対して、検出パルス周波数のON/OFFデューティ比に応じたスイッチング制御を行い、所定回転数になるように励磁電流を印加する。
【0063】
駆動モータ331の駆動が開始されず、かつ基準信号発生部61で基準パルスfrが発振されないと(S101の判定がNO)、コピー終了に戻る。
【0064】
この後、S103で速度検出手段であるエンコーダ73から前記出力軸41の回転数(状態)に応じたパルス信号fnが出力される。
【0065】
S104では、エンコーダ73による検出パルスfnの周波数をf−V変換により電圧値VAに変換し、S105では、前記基準パルスfrとエンコーダ40による検出パルスfnの位相が同じか否かを判別し、誤差パルスを抽出する。
【0066】
そして、S106では、誤差パルスの周波数をf−V変換により電圧値VBに変換する。S107では、前記電圧値VAとVBを加算し、VCという電圧にし、基準電圧Vr(基準パルスの周波数に値する)と比較を行い、VCが小さい場合即ち回転速度が基準速度より遅い場合は(S107の判定がYES)、S108においてモータの励磁電流を増加して加速させる。VCが同じあるいは大きい場合即ち基準速度と同じあるいは速い場合は(S107の判定がNO)、前記励磁電流を増加させず、モータを加速させない。そして、S107、S108のステップ終了後、S101に戻り、常に基準速度と比較を行うことで、回転数を一定に制御可能となる。
【0067】
以上の実施形態では、複数の回転体として、感光体ドラム31(31C〜31K)と現像ローラ37を例示したが、感光体ドラム31以外の像担持体、つまり中間転写体等に係る他の回転体を対象としてもよく、さらに現像ローラ37以外の各種の回転体、例えば帯電、転写、清掃、定着、給紙等のためのローラ、ブラシ、ベルト等に係る回転体を対象としてもよい。勿論、回転体数も3個以上であってもよい。
【0068】
また、電子写真方式の複写機に限らず、たとえば直接記録方式の複写機等の各種画像形成装置に適用することができる。
【0069】
さらに、回転体の駆動装置および駆動方法は、画像形成装置に組み込まれるものに限らず、種々の回転体を有する機器に適用可能である。
【0070】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、回転駆動源の回転力が減速手段を介して一つの回転体に伝達される一方、回転駆動源からの分岐回転力により他の回転体が回転されるから、複数の回転体に対する回転力を、一つの回転駆動源から供与できるので、回転駆動源の設置スペースの確保に苦慮することもなく、小形に製作することができる。しかも、前記一つの回転体の回転速度の検出値に従って回転駆動源が制御されることにより、上記一つの回転体の回転安定化を図ることができ、また、前記駆動分岐手段により、他の回転体での負荷変動が直接的に前記一つの回転体に伝達されるのを防止できる。
【0071】
また、一つの回転体と他の回転体との間に減速手段が介在する状態となり、他の回転体の負荷変動を減速手段である遊星ローラ減速機の伝達特性を利用して減衰させることが可能となり、負荷変動が上記一つの回転体に影響するのを防ぐことができる。
【0072】
また、駆動源を中心として減速手段と反対側の空間領域を利用できるから、この駆動分岐手段を含め他の回転体への駆動伝達構造の採りうる設計自由度を広げることができる。
【0073】
請求項2に係る発明によれば、周知の構成部品の組み合わせにより、画像形成用に適した駆動装置を容易に製作することができる。
【0074】
請求項3に係る発明によれば、回転体の回転むらや振動が画像形成に悪影響を与えるおそれを確実に解消することができる。
【0075】
請求項4に係る発明によれば、該方法の実施により、回転駆動源の実装占有スペースを増すことなく、高精度の回転力の伝達を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る回転体の駆動装置を組み込んだ画像形成装置の一例を示す側面図である。
【図2】同じく画像形成装置における回転体の駆動装置を示す構成図である。
【図3】図2の回転体の駆動装置における減速手段の伝達特性の説明図である。
【図4】回転駆動源の制御手段を示すブロック図である。
【図5】同じく回転駆動源のフィードバック制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
30C〜30K・・・・・・・・作像手段
31・・・・・・・・・・・・・一つの回転体(像担持体)
331・・・・・・・・・・・・回転駆動源(駆動モータ)
332・・・・・・・・・・・・減速手段(遊星ローラ減速機)
333,336・・・・・・・・回転軸
37・・・・・・・・・・・・・他の回転体(現像ローラ)
72,75・・・・・・・・・・駆動伝達手段
73・・・・・・・・・・・・・速度検出器(エンコーダ)
74・・・・・・・・・・・・・駆動分岐手段
501・・・・・・・・・・・・制御手段
A・・・・・・・・・・・・・・画像形成装置
B・・・・・・・・・・・・・・回転体の駆動装置

Claims (4)

  1. 複数の回転体と、
    減速手段と、
    一つの回転体に前記減速手段を介して回転力を伝達する回転駆動源と、
    前記一つの回転体の速度を検出する速度検出手段と、
    この速度検出手段の検出値に応じて前記回転駆動源を制御する制御手段と、
    前記回転駆動源の回転力を他の回転体駆動用として分岐する駆動分岐手段と、
    を備え、
    前記減速手段は遊星ローラ減速機であり、前記駆動分岐手段は、前記減速手段を中心として前記一つの回転体と反対側に配設されてなり、前記回転駆動源は、前記減速手段側に連結される回転軸の他に、該回転軸と一体回転し、かつ該回転軸と同軸上で減速手段と反対側に延びる回転軸を有し、この反対側の回転軸に前記駆動分岐手段が連結されてなることを特徴とする回転体の駆動装置。
  2. 前記一つの回転体は像担持体であり、速度検出手段はエンコーダである請求項1に記載の回転体の駆動装置。
  3. 請求項1に記載の回転体の駆動装置と、この駆動装置で駆動される回転体を有し、画像を形成する作像手段と、を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  4. 複数の回転体のうちの一つの回転体に対して回転駆動源の回転力を減速手段を介して伝達し、前記一つの回転体の回転速度の検出値に応じて前記回転駆動源を制御して、回転駆動源の回転力から駆動分岐手段により分岐された回転力を他の回転体に伝達する回転体の駆動方法であって、
    前記減速手段は遊星ローラ減速機であり、前記駆動分岐手段は、前記減速手段を中心として前記一つの回転体と反対側に配設されてなり、前記回転駆動源は、前記減速手段側に連結される回転軸の他に、該回転軸と一体回転し、かつ該回転軸と同軸上で減速手段と反対側に延びる回転軸を有し、この反対側の回転軸に前記駆動分岐手段が連結されてなることを特徴とする回転体の駆動方法。
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