JP4378688B2 - ポリエチレンナフタレート系樹脂からなる扁平形状を有する厚肉容器 - Google Patents
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Description
(1)ポリエチレンナフタレート系樹脂(樹脂−I)からなる有底筒状のプリフォームであって、その胴部の平均肉厚が15〜50mmであり、少なくともその胴部において実質
的に球晶およびボイドを含有しないプリフォームを準備する工程(工程A)、
(2)該プリフォームをブロー成形可能に状態調節する空間内に、プリフォームを配置する工程(工程B)、
(3)前記工程Bの空間内に配置されたプリフォームを、ブロー成形可能に状態調節する工程(工程C)、
(4)ブロー成形品を形成するための型(型−ii)内において、ブロー成形可能に状態調節されたプリフォームを面倍率8〜20倍の範囲において膨らませ、一次ブロー成形体を形成する工程(工程D)、
(5)該一次ブロー成形体を冷却固化させることなく、少なくとも口部の中心軸に平行な方向において1.2〜50倍圧縮する工程(工程E)、
(6)前記工程Eにおける圧縮によりブロー成形品を所定の形状にするか、もしくは必要により前記工程Eの後ブロー成形品にさらに流体を吹き込むことによりブロー成形品を所定の形状にする工程(工程F)、並びに
(7)該形成後のブロー成形品を型内より取り出す工程(工程G)
からなる延伸ブロー成形法により製造されたことを特徴とするポリエチレンナフタレート系樹脂からなる扁平形状を有する口部付き厚肉容器にかかるものである。
が、有底円筒状のプリフォームを使用することにより、生産効率の点(後工程の削減および在庫管理の容易性など)並びに接合部分が全くなくそのガスバリヤー性や燃料漏洩のないことが長期間確実に保証される点で構成(1)の方法により得られた厚肉容器は有利であ
る。さらにはプリフォームの加熱工程において球晶が生じにくく、均質かつ十分に延伸されることが可能であるため、強度(特に耐衝撃性)がより優れた厚肉容器が達成される。
のボイドであり、その大きさの目安としては0.5mm以上の直径が挙げられる。構成(1)の発明においてボイドの存在はそれ自体の存在に起因しておよびボイドの存在が不均一
な延伸を誘発して容器の強度低下の要因となることから、構成(1)の発明はプリフォーム
中にボイドが存在しないことを規定する。したがってかかる強度低下を阻害しない程度の大きさのボイドは本発明において特に問題とされない。即ち肉眼以外の方法でなければ明確にボイドと確認できない大きさのボイドまでも本発明において排除するものではない。ボイドの存在の有無は、胴部が透明の場合には肉眼による観察の他、軟X線装置などを用いて確認することができる。
はポリマー鎖の十分な延伸配向を阻害する要因となることから、構成(1)の発明はプリフ
ォームが球晶を含有しないことを規定する。すなわち、かかる延伸配向を阻害しない程度の球晶は本発明において特に問題とされない。よってさらに拡大された倍率でなければ観察されない微結晶までも本発明において排除するものではない。
化させることなく圧縮することを要件とする。かかる操作を行うことにより一次ブロー成形体におけるポリマー鎖の結晶化を抑制しつつ、所定の加工を行うことが可能となる。構成(1)の発明においては単に上下方向の圧縮のみによって最終の製品形状を付与すること
も可能である。しかしながらより好適には圧縮と共にまたはその直後にさらに高い流体圧力を加えることによりブロー成形体を膨張させて最終の製品形状が付与される。かかる膨張を十分にかつ均一に行うためには、一次ブロー成形体が実質的に球晶を含有しないことが好ましい。ここで一次ブロー成形体を再加熱した場合、ポリマー鎖は既に延伸されているため結晶化はよりしやすい状態となっている。一方でポリマー鎖の構造によって結晶化
挙動を抑制すると、延伸によって期待される強度や耐衝撃性の向上が不十分となりやすい。したがって強度および耐衝撃性により優れ、かつ本発明のような扁平形状のブロー成形体を得るためには、ポリマーの種類とその加工方法のいずれの要因をも適切に組み合わせることが必要となる。前記構成(1)によれば、結晶化が抑制され十分かつ均一な延伸配向
が達成され、その結果良好な強度および耐衝撃性を有するPEN系樹脂からなる扁平形状の厚肉容器が提供される。
含有せず、かつ該一次ブロー成形体の胴部の密度からプリフォームの密度を差し引いた密度差が0.01〜0.03g/cm3である前記(1)の厚肉容器である。本発明においては、一次ブロー成形体を均一かつ十分に延伸することにより強度および耐衝撃性の良好な厚肉容器を得ることを可能とする。尚、ここで胴部の密度およびプリフォームの密度は、胴部およびプリフォームから切り出した試験片を用いてJIS K7112のD法に準拠して密度勾配管により20℃において測定を行ない算出される密度である。またかかる一次ブロー成形体の胴部とは、後述するように基本的に口部以外の部分を指すが、ブロー成形において理論的に膨張(延伸)し得ないプリフォームの底部に相当する部分は除かれる。
状態調節されたプリフォームをほぼ周囲の面に拘束されることのない状態下で面倍率8〜20倍の範囲において膨らませ、自由ブロー体を形成する工程(工程D’)である前記構成(1)〜(2)の厚肉容器である。前記の如く本発明においては一次ブロー成形体を均一かつ十分に延伸させることが重要である。一方一次ブロー成形体の形成は、通常の射出成形品を得るように型内において一次ブロー成形体の全表面が型内表面に拘束される方法であっても、またプリフォームをほぼ周囲の面に拘束されることがない状態下で膨らませたものであってもよい。しかしながら前者の型表面に拘束される方法の場合、型表面に接した部分と接していない部分とのポリマー鎖の自由度の差によって、延伸が不均一となる可能性を有する。このため、本発明においてはより好適な方法は後者の方法である。したがって前記構成(3)によれば、さらに十分かつ均一な延伸配向が達成され、その結果良好な強度
および耐衝撃性を有するPEN系樹脂からなる扁平形状の厚肉容器が提供される。
リフォームを、Tg−20(℃)〜Tg(℃)の範囲となるようプリフォームを予備加熱する工程(工程C−1)、およびさらにプリフォームを、Tg+5(℃)〜Tg+70(℃)の範囲となるよう最終加熱してブロー成形可能に状態調節する工程(工程C−2)からなる前記構成(1)〜(3)の厚肉容器である。かかる構成(4)によれば、比較的簡便な方法
によってプリフォーム加熱時の結晶化が抑制され、その結果より均一かつ十分な延伸配向が達成された厚保肉容器で提供される。
よびボイドを含有しないことを特徴とする前記構成(1)〜(4)の厚肉容器である。本発明においては所定のプリフォームより、前記構成(1)の各工程を経ることにより得られたブロ
ー成形品もまた球晶およびボイドを含有しないものとなる。したがってかかる構成(5)に
よれば、胴部が実質的に球晶およびボイドを含有せず、延伸配向が均一かつ十分になされた、強度、耐衝撃性、並びにガスバリヤー性に優れた厚肉容器が提供される。
いて球晶のないことを要件とする。そして該プリフォームを構成(1)における各工程を経
ることにより、得られたブロー成形品もまた実質的に球晶を含有しないものとなる。すなわち、かかる延伸配向を阻害しない程度の球晶は本発明において特に問題とされない。よってさらに拡大された倍率でなければ観察されない微結晶までも本発明において排除するものではない。またかかる構成(5)の発明におけるボイドの意味およびその有無の確認方
法は、前記構成(1)の発明の場合と同様である。
ことを特徴とする前記構成(1)〜(5)の厚肉容器である。本発明は極めて厚肉のプリフォームを使用することにより、その結果として扁平形状を有する厚肉容器を提供する。特に強度、耐衝撃性、軽量性、および生産性などを勘案すると1〜3mmが好適であり、かかる構成(6)によれば強度、耐衝撃性、軽量性、および生産性などに優れた厚肉容器が提供さ
れる。
を特徴とする前記構成(1)〜(7)の厚肉容器である。かかる構成(7)によれば、大型かつ剛
性にも優れた厚肉容器が提供される。
て、口部の中心軸に平行な方向の長さをHとし、該中心軸方向の投影面における最大の長さをLとしたとき、L/Hで表される扁平率が2〜50の範囲にあることを特徴とする前記構成(1)〜(7)の燃料タンク用容器である。かかる構成(8)によれば、扁平率の高い厚肉
容器が提供される。
せず、かつ該容器の胴部の密度から、プリフォームの密度を差し引いた密度差が0.01〜0.03g/cm3であることを特徴とする前記構成(1)〜(8)の厚肉容器である。実質
的に球晶およびボイドを含有しないプリフォームを、球晶およびボイドが生成しないようにブロー成形可能に状態調整し、その後十分に延伸された樹脂−Iからなるブロー成形品は良好な強度および耐衝撃性を有するものとなる。かかる点を構成(9)の発明は規定する
。すなわちブロー成形された容器の密度がプリフォームに比較して特定の割合で高くなることにより、その延伸配向度を的確に表すことができる。したがってかかる構成(9)によ
れば、そのポリマー鎖が十分に延伸配向され、強度および耐衝撃性に優れた厚肉容器が提供される。尚、ここで胴部の密度およびプリフォームの密度は、胴部およびプリフォームから切り出した試験片を用いてJIS K7112のD法に準拠して密度勾配管により20℃において測定を行ない算出される密度である。
置するための機械ユニットを取り付け可能とするネジまたはフランジ構造を有する厚肉容器である。かかる構成(12)によれば、容器にポンプに代表される各種の装置を取り付ける必要がある場合に、かかる装置を簡便、確実、かつ脱着可能に固定することが可能である。かかる固定は容器内容物の揮発による漏洩を最小限に抑制できる。
れることから、より過酷な条件で使用される乗り物搭載用容器に特に適する。
ii)該容器の胴部において口部の中心軸に平行な方向の長さをHとし、該中心軸方向の投影面における最大長さをLとしたとき、L/Hで表される扁平率が2〜50の範囲、(iv)該胴部の測定密度(d2)から該樹脂−Iの真密度(d1)を差し引いた密度差(d2−d1)が0.01〜0.03g/cm3、並びに(v)該胴部は実質的に球晶およびボ
イドを含有しない、を満足する扁平形状を有する口部付き厚肉容器にかかるものである。
ある。また胴部の測定密度(d2(g/cm3))とは、胴部から切り出した試験片を用いてJIS K7112のD法に準拠して密度勾配管により20℃において測定を行ない算出される密度である。一方、樹脂−Iの真密度(d1(g/cm3))とは、樹脂−Iが非晶性であり、延伸配向されておらず、かつボイドを含有していない状態の、樹脂−Iが元来有する密度である。かかる密度は、得られた厚肉容器から例えば次の方法により測定することができる。すなわち、容器胴部から切り出した試験片を窒素置換されたアンプルに入れて300℃程度にボイドを含まないよう均一に加熱して溶融し、該アンプルを液体窒素に浸漬して溶融物を急冷し、得られた試験片の真密度を密度勾配管を用いて測定する方法などが例示される。
(1)ポリエチレンナフタレート系樹脂(樹脂−I)からなる有底筒状のプリフォームであって、その胴部の平均肉厚が15〜50mmであり、少なくともその胴部において実質的に球晶およびボイドを含有しないプリフォームを準備する工程(工程A)、
(2)該プリフォームをブロー成形可能に状態調節する空間内に、プリフォームを配置する工程(工程B)、
(3)前記工程Bの空間内に配置されたプリフォームを、ブロー成形可能に状態調節する工程(工程C)、
(4)ブロー成形品を形成するための型(型−ii)内において、ブロー成形可能に状態調節されたプリフォームを面倍率8〜20倍の範囲において膨らませ、一次ブロー成形体を形成する工程(工程D)、
(5)該一次ブロー成形体を冷却固化させることなく、少なくとも口部の中心軸に平行な方向において1.2〜50倍圧縮する工程(工程E)、
(6)前記工程Eにおける圧縮によりブロー成形品を所定の形状にするか、もしくは必要により前記工程Eの後ブロー成形品にさらに流体を吹き込むことによりブロー成形品を所定の形状にする工程(工程F)、並びに
(7)該形成後のブロー成形品を型内より取り出す工程(工程G)
からなることを特徴とするポリエチレンナフタレート系樹脂からなる扁平形状を有する厚肉容器の製造方法にかかるものである。
前記工程Dは、型−ii内においてブロー成形可能に状態調節されたプリフォームをほぼ周囲の面に拘束されることのない状態下で面倍率8〜20倍の範囲において膨らませ、自由ブロー体を形成する工程(工程D’)である前記構成(14)の製造方法であり、さらに(17)前記工程Cは、前記工程Bの空間内に配置されたプリフォームを、Tg−20(℃)〜Tg(℃)の範囲となるようプリフォームを予備加熱する工程(工程C−1)、およびさらにプリフォームを、Tg+5(℃)〜Tg+70(℃)の範囲となるよう最終加熱してブロー成形可能に状態調節する工程(工程C−2)からなる前記構成(14)の製造方法である。かかる構成(15)〜(17)によれば、ポリマー鎖が十分に延伸配向され、強度および耐衝撃性に優れた厚肉容器を効率的に生産可能な新規な2軸延伸ブロー成形方法が提供される。
本発明の厚肉容器の内容物は、特に限定されず気体、液体、固体のいずれかの形態であってもよい。さらに無機化合物または有機化合物のいずれであっても、また親水性化合物または疎水性化合物のいずれであってもよい。またPEN系樹脂は良好な耐熱性を有することから、本発明の厚肉容器は100℃程度までの温度ならば常時加温して使用することも可能である。かかる加温により常温では固体または高粘度の液体を取扱容易な低粘度の液体とすることができる。また本発明の厚肉容器は常時冷却されて使用されてもよい。本発明の厚肉容器の用途は特に限定されないものの、例えば燃料用、ヒートポンプ用熱媒体用、圧力伝達媒体用、潤滑油用、飲料用(濃縮還元用の原料を含む)、培養用、農薬用、水耕栽培用および工業用試薬用の容器などが好適に例示される。特に本発明の好適な態様においては、多様な形状に適応可能であり、特に装置内の空間的制約に適応した厚肉容器が提供される。したがって装置内において使用される容器がより好適である。さらに本発明の厚肉容器は、良好な強度および耐衝撃性を有することから、乗り物に取り付けられる各種の容器としても十分な機能を発揮する。したがって乗り物に搭載される厚肉容器がより好適である。また燃料としては、例えばガソリン、軽油、重油、LPG、灯油、ジェット燃料、GTL軽油、DME(ジメチルエーテル)、並びにアルコール、エーテル、エステル、ケトン、およびフェノールなどの含酸素化合物および含酸素化合物混合燃料などが例示される。
前記構成(1)の発明における口部付き厚肉容器は、少なくとも1つの口部を有する厚肉
容器である。該厚肉容器をブロー成形により得た後、各種の後加工により該容器の口部以外に導通孔などを設けることができる。厚肉容器の口部は、加圧流体を吹き込みブロー成形するのに利用される。かかる口部は後加工するものに比較してより精度の高く形成することが可能であることから、漏洩を極力抑制できる嵌合構造などを設けることができる。これによりガスバリヤー性に極めて優れるPEN系樹脂の特性をより有効に生かした容器が提供されることとなる。
/cm3であることがより好ましく、0.02〜0.025g/cm3であることがさらに好ましい。かかる範囲を満足し、球晶およびボイドを含有しない容器は、良好な延伸配向が達成された結果として、良好な耐衝撃性を有する。また本発明の厚肉容器の密度は、好ましくは1.33〜.1.38g/cm3であり、より好ましくは1.34〜.1.37
g/cm3であり、さらに好ましくは1.35〜.1.36g/cm3の範囲である。
(工程A):プリフォームの準備工程
(工程B):プリフォームの配置工程
(工程C):プリフォームの状態調節工程
(工程D):一次ブロー成形体の成形工程
(工程E):一次ブロー成形体の圧縮工程
(工程F):ブロー成形品の仕上げ工程
(工程G):ブロー成形品の取り出し工程
工程Aは、胴部の平均肉厚が15〜50mmであり、少なくとも胴部において実質的に球晶およびボイドを含有しない有底筒状のプリフォーム準備する工程である。かかる工程Aが従来技術と大きく異なる点は、そのプリフォームが極めて厚肉である点である。
本発明の工程Bは、プリフォームをブロー成形可能に状態調節する空間内に、プリフォームを配置する工程である。すなわち、次の工程Cを行なうための空間内にプリフォームを配置する工程である。ここでブロー成形可能に状態調節するとは、所定の流体圧力の下でブロー成形が可能となるようにプリフォームの温度や周囲の圧力を調節することをいう。プリフォームのブロー成形可能な温度とは、理論上はガラス転移温度を超えれば大変形が可能となることから、ガラス転移温度を超える温度といえる。しかしながらブロー成形
時のプリフォームの温度が、あまりに低い場合には過剰な圧力が必要となり変形が不均一となりやすく、あまりに高いと形状保持性に劣り変形が不均一なりやすい。したがってブロー成形可能な温度とは、好ましくは樹脂−Iのガラス転移温度(Tg(℃))に対してTg+5(℃)〜Tg+70(℃)の範囲であり、より好ましくはTg+5(℃)〜Tg+45(℃)の範囲である。尚、本発明においてガラス転移温度は、JIS K7121に準拠した示差走査熱量計(DSC)測定により求められる値である。
本発明の工程Cは、前記工程Bの空間内に配置されたプリフォームをブロー成形可能に状態調節する工程である。かかる工程ではプリフォーム内に球晶が生成しないように状態調節をすることが均一なブロー成形の点からより好ましい。球晶が部分的に生成している場合かかる部分の延伸は困難となり、その結果プリフォーム胴部全体を均一に延伸することが困難となる。さらに球晶がプリフォーム全体において生成している場合には、ブロー成形自体が困難となりやすい。
ましくは100〜110℃である。工程C−1のより具体的な加熱方法としては、100〜120℃の雰囲気下においてプリフォームを加熱する方法が例示される。なお、特に気体雰囲気下ではプリフォームの温度が雰囲気温度まで到らない場合があるためTgよりも数℃高い雰囲気下で加熱することも可能である。かかる雰囲気下としては気体雰囲気下または液体雰囲気下のいずれであってもよいが、気体雰囲気下が装置および後処理の点で簡便でありより好ましい。気体雰囲気下の加熱方法としては熱風循環炉内に所定の時間(例えば0.5〜5時間程度)保管する方法が挙げられる。またかかる方法はマイクロ波による加熱方法などに比較して汎用性が高く装置コストが低い点でも好適である。
本発明の工程Dは、ブロー成形品を形成するための型(型−ii)内において、ブロー成形可能に状態調節されたプリフォームを面倍率8〜20倍の範囲において膨らませ、一次ブロー成形体を形成する工程である。
圧流体の吹き込みを行いつつ補助的に機械的外力を用いる方法などが例示され、いずれの方法も取ることができる。中でも簡便かつ均一な延伸を可能とする方法として(i)の加圧流体を吹き込む方法が好ましい。加圧流体としては圧縮された空気、窒素、炭酸ガス、および各種不活性ガスなどが例示され、特に圧縮空気が好適である。またこれらの加圧流体は、常温から冷却されたものでも、または高温にされたものであってもよく、かかる高温の温度は樹脂−Iのガラス転移温度を超える温度であってもよい。
る。即ち、かかる密度差を満足するように温度や圧力の条件が設定され、一次ブロー成形体の成形がなされることが好ましい。
くは2〜4MPaの範囲である。かかる方法では自由ブロー体の膨らみに従い自由ブロー体内の圧力は低下するが、この圧力低下は次の工程Eにおいて必要である。かかる圧力低下が必然的に得られる点においても前記例示の制御方法は好ましい態様である。工程Eに必要な圧力低下が得られるように圧力タンク内の容量および圧力を決定することが好ましい。
本発明の工程Eは、一次ブロー成形体を冷却固化させることなく少なくとも口部の中心軸に平行な方向において1.2〜50倍圧縮する工程である。かかる工程Eによって口部の面における長さが口部中心軸方向の高さに対して大となる扁平形状が賦形される。かかる扁平形状は従来のブロー成形法においては知られていない。ここで“中心軸に平行な方向において1.2〜50倍圧縮”とは、一次ブロー成形体の高さ(口部付け根から一次ブロー成形体底面までの距離)を、1/1.2〜1/50にすることをいう。かように一次ブロー成形体を冷却固化させる前に所定の形状に変形させることにより、該一次ブロー成形体はその後の最終製品の形状に至るまでの変形に対して、その強度や耐衝撃性を低下させること無く、高い自由度を有することが可能となる。ここで一旦冷却固化され再度の変形のために再加熱した場合、結晶が成長しやすい。該結晶は変形を阻害する因子となり、また耐衝撃性の点でも悪影響を与えやすい。一次ブロー成形体を得た後、工程Eを行う時間は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されるものではないが、連続した工程として速やかに行うことが好ましい。
らを組み合わせる方法などが例示される。また樹脂−I側に滑剤成分を含有させる方法を組み合せることも好適である。
本発明の工程Fは、前記工程Eにおける圧縮によりブロー成形品を所定の形状にするか、もしくは必要により前記工程Eの後ブロー成形品にさらに流体を吹き込むことによりブロー成形品を所定の形状にする工程である。かかる工程Fはブロー成形において最終形状を付与する仕上げ工程である。
本発明の工程Gは、所定の形状に形成後のブロー成形品を型内より取り出す工程である。工程Gはブロー成形品を冷却後金型から取り出す工程である。前記の如く工程Fにおいて金型温度は樹脂−IのTg(℃)よりもかなり高い温度に設定されていることから、ブロー成形品の冷却は、成形品内部から行うことが好ましい。かかる成形品内部からの冷却方法は特に限定されないものの、例えば加圧流体内に冷媒を混合し、内部圧力を維持しながらかかる混合加圧流体を循環させる方法が好適に例示される。冷媒としては、水からなるミストや、液体窒素をバブリングして得た冷却窒素などが例示され、水からなるミストが簡便に得られかつ効率的に成形品を冷却できる点において好ましい。
本発明に用いる樹脂−Iであるポリエチレンナフタレート系樹脂(PEN系樹脂)とは、2,6−ナフタレンジカルボン酸を主たる酸成分とし、エチレングリコールを主たるグリコール成分とするポリエステル樹脂である。ここで主たるとは、80モル%以上、好ましくは85モル%以上の割合であることをいい、したがって20モル%以下の他の酸成分
、グリコール成分、およびオキシ酸成分が共重合されるかまたはかかる成分からなるポリエステルが混合物として含有されていてもよい。本発明においてより好適なPEN系樹脂は、該ポリエステルを構成する全ジカルボン酸成分量100モル%中2,6−ナフタレンジカルボン酸成分が85〜97モル%であり、かつ全ジオール成分量100モル%中エチレングリコール成分が85〜100モル%である。2,6−ナフタレンジカルボン酸成分と他の酸成分との組み合わせは、その結晶性をある程度抑制させる一方で延伸配向による強度および耐衝撃性の向上を可能とする。本発明において2,6−ナフタレンジカルボン酸成分とは樹脂−I中に2,6−ナフタレンジカルボン酸に由来する繰返し単位をいい、2,6−ナフタレンジカルボン酸およびそのエステル形成性誘導体により樹脂−I中に導入することが可能である。また他の酸成分もかかる酸自体またはそのエステル形成性誘導体によって樹脂−I中に導入することが可能である。ここでエステル形成性誘導体としては、低級アルキルエステル、フェニルエステル、および酸無水物などが挙げられる。
メリット酸などが例示され、3官能以上のグリコール成分としてはグリセリン、トリメチルプロパン、およびペンタエリスリトールなどが例示される。3官能以上の成分は各構成成分100モル%中好ましくは2モル%以下、より好ましくは1モル%以下の割合で使用される。
リマーなど)、蛍光増白剤、近赤外線吸収剤、導電材(カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラファイト、金属フレーク、および金属コートフレークなど)、難燃剤(ハロゲン系難燃剤、リン酸エステル系難燃剤、およびホスファゼン系難燃剤など)、各種強化フィラー、流動改質材、抗菌剤、および光触媒系防汚材などを含有することができる。
2,6−ジメチルナフタレート、下記の他のジカルボン酸成分およびエチレングリコールを常法に従って酢酸マンガン触媒でエステル交換反応させた後、リン酸を添加し反応を停止させ、その後二酸化ゲルマニウムを添加し溶融重合反応を行った。実施例および比較例において使用したPEN系樹脂および他のポリエステル樹脂は以下のとおりである。
[樹脂2]:ジカルボン酸成分が2,6−ジメチルナフタレート95モル%およびジメチルテレフタレート5モル%からなるPEN形樹脂;IV:0.68
[樹脂3]:ジカルボン酸成分が2,6−ジメチルナフタレート85モル%およびジメチルテレフタレート15モル%からなるPEN系樹脂;IV:0.56
[樹脂4](比較用):帝人化成(株)製「TR8580HP」(PET樹脂)
(1)密度測定
容器胴部の密度測定は胴部上面、側面および底面においてそれぞれ3箇所ずつから超音波カッターにより15mm角程度を大枠で切り出した後、かかる切片の溶融した周囲部分をメスで丁寧に削りとり、縁部が滑らかであり層間剥離のない約10mm角の試験片を得た。得られた試験片を用いてJIS K7112のD法に準拠して密度勾配管により胴部の測定密度(d2(g/cm3))を20℃において測定した。一方プリフォームの密度は、その断面方向にバンドソーでスライスした約6mm厚みの薄肉片を、その切断面が残らないようにメスで丁寧に削りとり、2〜3mm厚みの前記胴部からの切片と同程度の大きさの試験片を得た。得られた試験片を用いて前記と同じ方法によりプリフォームの密度(d1(g/cm3))を求めた。以上の結果から計9箇所における容器胴部のd2−d1(g/cm3)の値を求め、その平均値および最大値と最小値との差を求めた。尚、プリフォ
ームにおける薄肉片の採取個所は、おおよそ容器の切片採取個所に対応する場所とし、これら対応する密度の差を算出した。
容器における球晶はその胴部の上面、側面、および底面からそれぞれ周縁部以外から任意に10点のサンプルを切り出し、500倍における偏光顕微鏡観察を行いその有無を確認した。またプリフォームにおける球晶はその胴部より任意に10点のサンプルを切り出し同様の方法によりその有無を確認した。(尚、今回の実験では球晶が生成したものは明らかに白化し、その球晶の有無は目視で明確であった)。尚、ブロー成形後の厚肉容器中に球晶の存在がなければ、一次ブロー成形体には当然球晶は存在しない。
プリフォームおよび燃料タンク用容器中のボイドの有無は、目視観察により確認した。尚、ブロー成形後の厚肉容器中にボイドの存在がなければ、一次ブロー成形体には当然ボイドは存在しない。
厚肉容器壁部から試験片(長さ80mm×幅80mm)を切り出し、島津製作所(株)製高速面衝撃試験機「ハイドロショットHYM−1」を用いて、温度23℃、相対湿度50%、2m/secの衝撃速度、先端が半径6.35mmの半球状である撃芯、および受台穴直径25.4mmの条件下で衝撃を与えたときの破壊エネルギー(J)を測定し、1mm当たりのエネルギー(J/mm)に換算した。
プリフォームにマーキングを行い、該マーキング部におけるプリフォームとブロー成形された容器の胴部肉厚を測定し、また肉厚変化率から延伸倍率を見積もった。かかるマーキングはプリフォームの胴部の上部、中央部、および下部のそれぞれにおいて所定の3箇所(容器胴部における上面、側面、および底面に対応する)において行った。胴部肉厚および延伸倍率においては、その平均値(数平均値)および最大値と最小値との差(肉厚ムラ)を求めた。
[参考例1〜4]
表1に記載の樹脂を用い、また図1に示す胴部肉厚25mmのプリフォームを射出成形した。表1記載の樹脂ペレットを160℃で4時間熱風循環式乾燥機により乾燥した。乾燥後、型締め力12700kN、シリンダー径110mmφの射出成形機(日本製鋼所製J1300E−C5)によりシリンダー温度270℃、金型温度約10℃で成形を行なった。かかる金型温度をチラーユニットにより10℃に冷却された水を循環することにより得た。また射出速度は110cm3/sec、保圧は12MPaで20secであった。
金型内の冷却時間は20秒とし、冷却後得られた成形品を金型から取り出し、熱電対を内部に直接突き刺す方法により、取り出し直後のプリフォーム胴部中央部の内部温度を測定した。温度はいずれの場合も約240℃であった。金型から取り出しされたプリフォームの内壁面にチラーユニットで10℃に冷却された水を連続的に150秒間噴射した。その結果プリフォーム内部に蓄積された余熱がプリフォーム外壁面の温度を再び上昇させ、サーモグラフィーにより測定されたプリフォーム胴部中央部の温度はいずれの場合も約170℃であった。
容器が得られた後超音波カッターにて切断した。
前記[I]のプリフォームの作成においてボイドおよび球晶の生成がなかったプリフォームのうちPF−1〜3を使用して、プリフォームの加熱条件について検討した。予備加熱においては記載された温度に調節された熱風循環式乾燥機中に保管することによりプリフォームの加熱を行った。その後1kWのセラミック赤外線ヒーターを出力約20%で使用することにより内壁面側の加熱を、一方で、平行に配置された1kWの石英ヒーター計20本を出力20%で使用し、かかるヒーター間にプリフォームを自転させながら配置することにより外壁面側の加熱を行った。さらにかかる最終加熱工程においては外壁面側の過熱を防止するために送風ブロアーにより空気を送風した。加熱条件の内容を表2に示した。最終加熱後におけるプリフォームの外壁面、内部、および内壁面の各部の温度は、プリフォームのほぼ中央部において熱電対により測定した。内部の温度は予めドリルによりあけられた孔部(直径2mm)に熱電対を挿入して測定した。かかる温度測定を行った後、同様の条件で加熱されたプリフォームに口部より、約13.5倍の面倍率となるよう3MPaで圧力タンク内に蓄えられた所定量の圧縮空気を該圧力タンクのバルブを開放することにより吹き込み、自由ブロー体の形成状態を観察した。表2には、一例としてPF−1の結果を示す(いずれの場合も温度はほぼ同程度であり、また自由ブロー体の形成の挙動も同様であった)。
[実施例1〜3、および比較例1]
前記プリフォームPF−1〜PF−4を用いて、図2に記載された形状の厚肉容器をブロー成形法により製造を試みた。かかる容器はプリフォームとして図1に示された形状(胴部肉厚:25mm、最底部における厚み:5mm、外壁部における直径(外径):200mm、内径:150mm、胴部の高さ:310mm、口部の高さ:48mm、目付け量
約5660g、)のものを用い、表2に記載の加熱条件1によりプリフォームの加熱を行い、該加熱後ブロー成形用の金型内に該プリフォームを配置した(図3[3−A])。
した状態で、成形体の前記側面と直角方向(“横側”とする)に位置する油圧スライドコアを両側共にスライドさせてブロー成形体の形状をさらに変形させた。縦側および横側の油圧スライドコアの動作が終了した後、最終形状を付与させる目的で3MPaの圧縮空気
でブロー成形体内を加圧した(図4[4−C])。横側のスライドコアを所定量移動させた後、圧縮空気経路のバルブを一部開放し、圧縮空気が内部循環するようにした。さらにかかる圧縮空気に水のミストを混合し、ブロー成形品の内部を冷却した。冷却は20sec間行い、その後金型から取り出した。金型の温度は160℃であり、またいずれのスライドコア表面部においてもシリコーンオイルを予め塗布し、金型表面に滑り性を付与して前記ブロー成形を行った。尚、プリフォームPF−1〜PF−3については厚肉容器を得ることができたものの、PF−4についてはブロー成形をすることができなかった。
前記PF−1のプリフォームを加熱条件1で加熱した後、直ちにブロー成形用の型内に配置し、その直後に約4〜20倍の面倍率となるよう所定量の圧縮空気を初期圧力3MPaで前記と同様の手法で吹き込み自由ブロー体の成形行った。各自由ブロー体から任意に前記(4)同様に試験片を切り出し耐衝撃性評価を行った。耐衝撃性の評価は23℃および−38℃のいずれかで行った。−38℃における評価はポリエチレンビーズを充填したステンレス容器の該ビーズ中に試験片を埋め、容器ごと−38℃の冷凍庫中に保管して平衡状態とした。試験時には冷凍庫から試験片をすばやく取出し、衝撃試験機に装着し試験を実施した。一方、それぞれの試験片におけるd2−d1(g/cm3)は、耐衝撃性評価
後のサンプルを前記(1)の評価方法と同様にd2およびd1をそれぞれ測定し算出した。得られた結果を図5に示した(尚、図5中、密度差0の点のみ、射出成形により製造した2mm厚板状成形品の値である)。
い用途への適用が可能である。さらに本発明の厚肉容器の製造方法は、新規な延伸ブロー成形法によって前記厚肉容器を製造することにより、製造工数やコストが削減され、かつ幅広い分野において有用な製造方法を提供するものである。以上から明らかなように本発明の厚肉容器は幅広い産業分野において利用可能であり、その奏する工業的効果は格別である。
2 プリフォームの胴部(平行部分の肉厚25mm、高さ310mm)
3 プリフォームの外壁面
4 プリフォームの内壁面
5 ゲート(ダイレクトゲート:直径10mm)
6 プリフォームの口部(肉厚8mm、高さ48mm)
7 プリフォームの口部フランジ構造
8 中心軸
21 厚肉容器本体
22 厚肉容器口部
23 厚肉容器胴部
24 厚肉容器口部周りへこみ部分
25 厚肉容器胴部上面
26 厚肉容器底面側角部へこみ部分(高さ約45mm)
27 厚肉容器側面(下側)
28 厚肉容器底面側角部へこみ部分(高さ約45mm)
29 厚肉容器底面側角部突き出し部分(高さ約45mm)
30 厚肉容器底面側角部突き出し部分(高さ約45mm)
41 プリフォーム
42 ブロー成形用金型
43 底面側圧縮用スライドコア
44 一次ブロー成形体(自由ブロー体)
45 圧縮空気の吹き込み
46 自由ブロー体を圧縮して得られたブロー成形体
47 底面側圧縮用スライドコアの移動および圧縮作用
48 容器胴部縦側面圧縮用スライドコア
49 容器胴部横側面圧縮用スライドコア
50 容器胴部縦側面圧縮用スライドコア
51 容器胴部横側面圧縮用スライドコア
52 容器胴部縦側面圧縮用スライドコアの移動および圧縮作用
53 容器胴部縦側面圧縮用スライドコアの移動および圧縮作用
54 圧縮および圧縮空気による金型表面での滑りを伴う延伸作用
55 圧縮作用後のブロー成形体
56 容器胴部横側面圧縮用スライドコアの移動および圧縮作用
57 容器胴部横側面圧縮用スライドコアの移動および圧縮作用
58 最終形状が付与されたブロー成形体
Claims (18)
- (1)ポリエチレンナフタレート系樹脂(樹脂−I)からなる有底筒状のプリフォームであって、その胴部の平均肉厚が15〜50mmであり、少なくともその胴部において実質的に球晶およびボイドを含有しないプリフォームを準備する工程(工程A)、
(2)該プリフォームをブロー成形可能に状態調節する空間内に、プリフォームを配置する工程(工程B)、
(3)前記工程Bの空間内に配置されたプリフォームを、ブロー成形可能に状態調節する工程(工程C)、
(4)ブロー成形品を形成するための型(型−ii)内において、ブロー成形可能に状態調節されたプリフォームを面倍率8〜20倍の範囲において膨らませ、一次ブロー成形体を形成する工程(工程D)、
(5)該一次ブロー成形体を冷却固化させることなく、少なくとも口部の中心軸に平行な方向において1.2〜50倍圧縮する工程(工程E)、
(6)前記工程Eにおける圧縮によりブロー成形品を所定の形状にするか、もしくは必要により前記工程Eの後ブロー成形品にさらに流体を吹き込むことによりブロー成形品を所定の形状にする工程(工程F)、並びに
(7)該形成後のブロー成形品を型内より取り出す工程(工程G)
からなる延伸ブロー成形法により製造されたことを特徴とするポリエチレンナフタレート系樹脂からなる扁平形状を有する口部付き厚肉容器。 - 該一次ブロー成形体は実質的に球晶およびボイドを含有せず、かつ該一次ブロー成形体の胴部の密度からプリフォームの密度を差し引いた密度差が0.01〜0.03g/cm3
である請求項1に記載の厚肉容器。 - 前記工程Dは、型−ii内においてブロー成形可能に状態調節されたプリフォームをほぼ周囲の面に拘束されることのない状態下で面倍率8〜20倍の範囲において膨らませ、自由ブロー体を形成する工程(工程D’)である請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の厚肉容器。
- 前記工程Cは、前記工程Bの空間内に配置されたプリフォームを、Tg−20(℃)〜Tg(℃)の範囲となるようプリフォームを予備加熱する工程(工程C−1)、およびさらにプリフォームを、Tg+5(℃)〜Tg+70(℃)の範囲となるよう最終加熱してブロー成形可能に状態調節する工程(工程C−2)からなる請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の厚肉容器。
- 前記厚肉容器は、その胴部において実質的に球晶およびボイドを含有しないことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の厚肉容器。
- 前記厚肉容器は、その平均肉厚が1〜3mmであることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の厚肉容器。
- 前記厚肉容器は、その内容積が5L以上であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の厚肉容器。
- 前記厚肉容器は、そのブロー成形された胴部において、口部の中心軸に平行な方向の長さをHとし、該中心軸方向の投影面における最大の長さをLとしたとき、L/Hで表される扁平率が2〜50の範囲にあることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の厚肉容器。
- 前記厚肉容器は、実質的に球晶およびボイドを含有せず、かつ該容器の胴部の密度から、プリフォームの密度を差し引いた密度差が0.01〜0.03g/cm3であることを特
徴とする請求項6〜請求項8のいずれか1項に記載の厚肉容器。 - 前記ポリエチレンナフタレート系樹脂(樹脂−I)は、該ポリエステルを構成する全ジカルボン酸成分量100モル%中2,6−ナフタレンジカルボン酸成分が85〜97モル%であり、かつ全ジオール成分量100モル%中エチレングリコール成分が85〜100モル%であることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の厚肉容器。
- 前記ポリエチレンナフタレート系樹脂(樹脂−I)は、該ポリエステルを構成する全ジカルボン酸成分量100モル%中2,6−ナフタレンジカルボン酸成分85〜97モル%、並びにイソフタル酸成分およびテレフタル酸成分から選択される少なくとも1種のジカルボン酸成分3〜15モル%であることを特徴とする請求項10に記載の厚肉容器。
- 前記口部はネジまたはフランジ構造を有する請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の厚肉容器。
- ポリエチレンナフタレート系樹脂(樹脂−I)からなり、次の要件(i)〜(v);(i)胴部の平均肉厚が1〜3mm、(ii)内容積が5L以上、(iii)該容器の胴部において口部の中心軸に平行な方向の長さをHとし、該中心軸方向の投影面における最大長さをLとしたとき、L/Hで表される扁平率が2〜50の範囲、(iv)該胴部の測定密度(d2)から該樹脂−Iの真密度(d1)を差し引いた密度差(d2−d1)が0.01〜0.03g/cm3、並びに(v)該胴部は実質的に球晶およびボイドを含有しない、を
満足する扁平形状を有する口部付き厚肉容器。 - ポリエチレンナフタレート系樹脂(樹脂−I)からなる扁平形状を有する厚肉容器の製造方法であって、
(1)ポリエチレンナフタレート系樹脂(樹脂−I)からなる有底筒状のプリフォームであって、その胴部の平均肉厚が15〜50mmであり、少なくともその胴部において実質的に球晶およびボイドを含有しないプリフォームを準備する工程(工程A)、
(2)該プリフォームをブロー成形可能に状態調節する空間内に、プリフォームを配置する工程(工程B)、
(3)前記工程Bの空間内に配置されたプリフォームを、ブロー成形可能に状態調節する工程(工程C)、
(4)ブロー成形品を形成するための型(型−ii)内において、ブロー成形可能に状態調節されたプリフォームを面倍率8〜20倍の範囲において膨らませ、一次ブロー成形体を形成する工程(工程D)、
(5)該一次ブロー成形体を冷却固化させることなく、少なくとも口部の中心軸に平行な方向において1.2〜50倍圧縮する工程(工程E)、
(6)前記工程Eにおける圧縮によりブロー成形品を所定の形状にするか、もしくは必要により前記工程Eの後ブロー成形品にさらに流体を吹き込むことによりブロー成形品を所定の形状にする工程(工程F)、並びに
(7)該形成後のブロー成形品を型内より取り出す工程(工程G)
からなることを特徴とするポリエチレンナフタレート系樹脂からなる扁平形状を有する厚肉容器の製造方法。 - 該一次ブロー成形体は実質的に球晶およびボイドを含有せず、かつ該一次ブロー成形体の胴部の密度からプリフォームの密度を差し引いた密度差が0.01〜0.03g/cm3
である請求項14記載の製造方法。 - 前記工程Dは、型−ii内においてブロー成形可能に状態調節されたプリフォームをほぼ周囲の面に拘束されることのない状態下で面倍率8〜20倍の範囲において膨らませ、自由ブロー体を形成する工程(工程D’)である請求項14記載の製造方法。
- 前記工程Cは、前記工程Bの空間内に配置されたプリフォームを、Tg−20(℃)〜Tg(℃)の範囲となるようプリフォームを予備加熱する工程(工程C−1)、およびさらにプリフォームを、Tg+5(℃)〜Tg+70(℃)の範囲となるよう最終加熱してブロー成形可能に状態調節する工程(工程C−2)からなる請求項14記載の製造方法。
- 前記工程Aのプリフォームは、胴部の平均肉厚が15〜50mmである有底円筒状のプリフォームを形成するための型(型−i)内に、ポリエチレンナフタレート系樹脂(樹脂−I)を射出充填して製造されてなるプリフォームである請求項14記載の製造方法。
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