JP4377629B2 - 広い色再現域を有する単一中心裸眼立体光学ディスプレイ - Google Patents

広い色再現域を有する単一中心裸眼立体光学ディスプレイ Download PDF

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Description

本発明は一般に、電子的に生成された画像を見るための裸眼立体(autostereoscopic)表示システムに関し、より詳しくは、単一中心的に光学コンポーネントを配置して視野を大幅に広げ、射出瞳を大きくすることにより、広い色再現域を有する左眼および右眼画像を生成するための装置と方法に関する。
裸眼立体表示システムの価値は、特にエンターテイメントやシミュレーションの分野において広く認められている。裸眼立体表示システムには、非常に広い視野を有する三次元画像で観察者を視覚的に取り囲むことにより、観察者に現実的な目視体験を提供するための「没入型」システムが含まれる。裸眼立体ディスプレイが、これを含む、より大きな分類の立体ディスプレイと区別される点として、裸眼立体ディスプレイの場合、たとえば、ゴーグル、ヘッドギア、あるいは特殊な眼鏡といった装用品目を一切必要としないことが特徴である。つまり、裸眼立体ディスプレイは観察者にとって「自然な」目視条件を提供しようとするものである。
SID(SOCIETY FOR INFORMATION DISPLAY)99 Digestのジー・ジェイ・キンツ(G.J. Kintz)による記事、”Autostereoscopic Properties of Spherical Panoramic Virtual Display”(球形パノラマ仮想ディスプレイの裸眼立体特性)において、ジー・ジェイ・キンツは広い視野を有する裸眼立体ディスプレイを提供するひとつの方法を開示している。キンツの方法を使用すると、眼鏡やヘッドギアは不要となる。しかしながら、視準された虚像を作るには、単一中心ミラーによって映像として形成される、LEDエミッタのアレイを有し、高速回転する球形のシェルの中に観察者の頭を入れなければならない。キンツの設計では、広い視野を有する本当の意味での裸眼立体システムのためのひとつのソリューションは得られるものの、この設計には大きな欠点がある。キンツの設計の欠点のひとつに、観察者の頭を高速回転表面の付近に置かなければならない点がある。このような方法には、回転表面とコンポーネントとの接触による事故や怪我の可能性を低減するための対策が必要となる。保護用シールドを使用しても、高速運動する表面は少なくとも観察者に不安を与える。さらに、このようなシステムの使用により、頭部の動きが著しく制約される。
一対のプロジェクタの射出瞳の映像を観察者の目に形成することによって、つまり、右眼および左眼瞳を形成することによって動作するタイプの裸眼立体システムが、エス・エー・ベントン(S.A.Benton)、ティー・イー・スロウ(T.E.Slowe)、エー・ビー・クロップ(A.B.Kropp)、エス・エル・スミス(S.L.Smith)の記事、Steroscopic Display and Virtual Reality Systems VI, SPIE、1999年1月号、”Micropolarizer−based Multiple−Viewer Autostereoscopic Display”(マイクロポラライザを用いた多眼裸眼立体ディスプレイ)の中で概説されている。上記記事の筆者ベントンのほか、ヘルムットワイス(Helmut Weiss)が開示しているように、瞳孔画像成形(ピューピル・イメージング: pupil imaging)は、大型のレンズまたはミラーを使って実現できる。観察者の目が画像成形された瞳孔と一致すると、眼鏡を一切使用することなく、クロストークのない立体シーンが見える。別の初期における瞳孔画像成形の開示は、動画の立体表示に関する米国特許第4,781,435号(リップマン(Lippmann)他)に見られる。
瞳孔画像成形を使った裸眼立体表示システムが提供する視覚体験の価値とリアリティ品質は、広い視野と大きな射出瞳による三次元画像を提供することによって改善できることは容易に推測される。このようなシステムは、観察者が、頭部を狭い空間の中に入れてほとんど動かせない状態にならず、またゴーグルその他の用具の装用を求められずに心地よく座っていられるのであれば、没入型視覚機能にとって、非常に有効である。十分に満足できる三次元視覚を得るために、このようなシステムは右眼と左眼に別の高解像度の画像を提供する必要がある。また、こうしたシステムは、実際に占める床面積と大きさをできるだけ小さくしながら、深く、広い視野の幻影を作るために、コンパクトに設計することが非常に好ましいことも容易にわかる。できるだけリアルに見えるようにするために、観察者には、遠くに出現する虚像を提示すべきである。
輻輳(vergence)に伴うデプスキュー(depth cues)と調節との不一致が視覚体験に影響与えることもまた知られている。輻輳とは、視野内の物体の別の画像を融合するために、観察者の視線が交差しなければならない度数を意味する。観察された物体が遠ざかると、輻輳が小さくなり、ゼロになる。調節とは、対象物体に網膜の焦点を当てた状態を保つために観察者の目の水晶体の形状を変える必要性を意味する。観察者がある程度の時間にわたり、輻輳のためのデプスキューと調節の不一致にさらされると、観察者の奥行き認識力が一時的に劣化することがわかっている。また、奥行き認識力に対するこのようなマイナスの影響は、調節キューが遠くの画像位置に対応すると緩和されることも知られている。
従来の裸眼立体表示ユニットの一例が特許文献1において開示されており、これによると、座った観察者は、片目につき1個の別々のプロジェクタから生成され、多数のミラーで構成される画像形成システムによって観察者に向けられる画像を使って実現される明瞭な三次元的視覚効果を体験できる。
立体画像形成のための従来のソリューションは、上記の課題のいくつかに対応しているが、依然として改善の余地がある。たとえば、初期の立体システムの一部は、特殊なヘッドウェア、ゴーグルまたは眼鏡を利用して三次元視覚体験を提供するものであった。こうしたシステムの一例として、米国特許第6,034,717号(デンティンガー(Dentinger)他)は、三次元効果を得るために、観察者が適当な画像をそれぞれの目に選択的に向けるための受動偏光眼鏡をかけなければならない投射表示システムを開示している。
明らかに、シミュレーションの場合等、立体的に見るためにはある種のヘッドギアが適当であると考えられる状況がある。このような用途として、米国特許第5,572,229号(フィッシャー(Fisher))は、広い視野を有する立体視を提供するプロジェクション表示ヘッドギアを開示している。しかしながら、可能なかぎり、米国特許第5,671,992号の装置において開示されているように、観察者がいかなる種類の装置も使用することなく、裸眼立体視が可能になることが有利である。また、頭がある程度、自由に動かせることも有利である。これに対し、米国特許第5,908,300号(ウォーカー(Walker)他)は、観察者の頭部が固定位置に保持されるハンググラディングシミュレーションシステムを開示している。こうしたソリューションは米国特許第5,908,300号において開示されている限定的なシミュレーション環境の場合には容認でき、装置全体の光学デザインを簡素化することが可能かもしれないが、没入型システムにおいて、頭部の動きが制約されることは不利であろう。明らかに、米国特許第5,908,300号において開示されているシステムは、視野を効果的に限定するナロービューイングアパーチャ(narrow viewing aperture)を採用している。軸外し方向に設置される複雑な従来のプロジェクションレンズが米国特許第5,908,300号の装置で採用されており、サイズを大きくすることによって所望の射出瞳サイズを得ている。
米国特許5,255,028号(バイルズ(Biles))において開示されているように、ビームスプリッタを使って観察者からの距離がそれぞれ異なる2つのスクリーンの複合画像を観察者に提示し、立体画像の幻影を作ることによって立体効果を提供するためのシステムが数多く開発されている。しかしながら、このタイプのシステムは小さな視野角に限定されているため、没入型の視覚体験を提供するのに適していない。さらに、このようなシステムを使って表示された画像は、観察者の近傍に提示された実像であり、上記のような輻輳と調節の問題を招きやすい。
一般に、輻輳と調節の影響を抑えるために、三次元ビューイングシステムは観察者から比較的離れた位置に、実像か虚像かを問わず、一対の立体画像を表示すべきであると認識されている。実像の場合、これは、大型の表示用スクリーンを、好ましくは観察者から適度な距離に設置して使用しなければならないことを意味する。しかし、虚像の場合、米国特許第5,908,300号において開示されているように、比較的小型の曲面ミラーを使用することができる。曲面ミラーはコリメータとして機能し、観察者から離れた地点に虚像を作る。立体画像形成のための別のシステムが、Stereoscopic Displays and Virtual Reality Systems VII, Proceedings of SPIE第3957号の”Membrane Mirror Based Autostereoscopic Display for Tele−Operation and Telepresence Applications”(テレオペレーションおよびテレプレゼンスのための薄膜ミラーを用いた裸眼立体ディスプレイ)(マッケイ、メア、メイソン、レビー(Mckay,Mair,Mason,Ravie))の中で開示されており、これは伸縮可能な薄膜ミラーを使用している。マッケイの記事において開示されている装置の射出瞳は小さいが、この瞳は投射光学装置のサイズを大きくすることによって単純に拡大することができる可能性が高い。しかしながら、マッケイの記事において開示されている装置は、従来の投射光学装置を使用していること、および薄膜ミラーの曲率を限定する寸法上の制約により、視野が限られている。
曲面ミラーはまた、立体システムの中で実像を提供するためにも使用され、この場合、曲面ミラーはコリメータとしては使用されていない。このようなシステムは、米国特許第4,623,223号(ケンプ(Kempf))および第4,799,763号(デイビス(Davis)他)等において開示されている。しかしながら、このようなシステムは、小さな視野しか必要ない場合、おおむね適切である。
特に、立体投射のための既存のソリューションは、その後、その画像が曲面から反射されるとしても、平坦なスクリーンの上に画像を投射する。フラットスクリーンディスプレイの一例が、特許文献2において開示されている。しかしながら、このタイプのディスプレイは、不要なゆがみその他画像の収差が発生しやすく、視野が制約され、画像品質全体が限定される。
光学的に見て、瞳孔画像形成を使った裸眼立体デザインには利点があることがわかる。瞳孔画像形成のために設計されるシステムは、左右の瞳孔に別の画像を対応的に提供し、最大限に自然な視覚条件を提供し、ゴーグルや特殊なヘッドギアの必要性を排除する必要がある。さらに、このようなシステムが観察者に最大限の射出瞳を提供し、ある程度の運動の自由度を実現し、きわめて広い視野を提供できれば有利であろう。光学分野において、これらの要件そのものは達成困難であると認識されている。理想的な裸眼立体画像形成システムは、より満足でき、リアルな視覚体験を提供するために、両方の要件を満たす必要がある。さらに、このようなシステムは、リアルな画像を形成するために、高い明度とコントラストで、十分な解像度を提供できなければならない。その上に、システムが小型である必要性から生じる物理的な制約と瞳孔分離のための寸法上の制約を考慮し、それぞれの目に向けられる別の画像が見る上で有利に間隔を空けられ、正しく分離されるようにする必要がある。視距離に関する制約により、単に投射レンズを大きくすることで非常に広い領域で大きな瞳孔直径を達成できる可能性が制限されるという点に注目すべきである。
単一中心映像形成システムは、平坦な物体の高解像度画像形成に大きな利点を提供するものとして示されており、たとえば、米国特許第3,748,015号(オフナ(Offner))は、ユニット拡大(unit magnification)のために設計された画像形成システムにおける、曲率中心を一致させた球面鏡の配置を教示している。米国特許第3,748,015号において開示されている単一中心型配置はさまざまな像収差を軽減し、概念的に単純であるため、高解像度の反射結像システムの光学デザインを簡素化することが可能となる。ミラーとレンズの単一中心型配置は、米国特許第4,331,390号(シェーファ(Shafer))において開示されているように、広い視野を有する望遠鏡システムにとっても有利であることが知られている。しかしながら、全体的な簡素化とゆがみと光学的収差の減少という単一中心設計の利点は評価できるものの、このような設計コンセプトは、合理的に小さな設置面積で広い視野と大きな射出瞳を必要とする没入型システムにおいては実現が困難である。さらに、完全に単一中心の設計では、左右の瞳孔について異なる画像を必要とする、完全立体画像形成の要件を満たすことができない。
米国特許第5,908,300号において開示されているように、従来の広視野投射レンズは瞳孔画像形成裸眼立体ディスプレイの投射レンズとして使用できる。しかしながら、従来の方法には多くの欠点がある。広角レンズ系は、効果的な没入型ビューイングに必要な画角を実現できるが、非常に複雑でコスト高である。たとえばドイツ、イエナのCarl−Zeiss−Stiftung社製のBiogon(登録商標)に代表される、典型的な大型フォーマットカメラ用広角レンズは、75度の画角を実現できる。Biogon(登録商標)のレンズは7枚のコンポーネントレンズで構成され、直系は80mm以上であるが、提供できる射出瞳のサイズは10mmにすぎない。大きな射出瞳を得るために、レンズを大きくしなければならないが、このようなレンズ本体の直径を大きくすることは、視点での視距離に関し、裸眼立体没入システムの設計上、非常に困難である。左右眼のアセンブリを隣り合わせに設置し、人間の瞳孔間隔と一致した空間をとって設置された一対のレンズを実現するようにレンズをカットするにはコストがかかり、困難な製造上の問題となる。視距離の制約により、それぞれの目の投射装置の空間的配置が限定され、単にレンズを大きくしただけで射出瞳のサイズを大きくすることができなくなる。さらに、有効な没入型システムの場合、最も有利な点として、非常に広い視野が得られ、好ましくは90度を十分に超え、大きな直径、好ましくは20mmの射出瞳を提供する。
広い視野の用途に適した別の手段として、専門的な光学機能のためにボールレンズが使用されており、特に小型ボールレンズが光ファイバのカップリング、送信用に使用され、たとえば米国特許第5,940,564号(ジュエル(Jewell))は、カップリング装置における小型ボールレンズの使用を開示している。より大型のものとして、ボールレンズは天文追跡装置として使用することができ、米国特許第5,206,499号(マントラバディ(Mantravadi)他)においては、60度を超える広い視野を提供し、軸外れ収差やゆがみを最低限にすることのできるボールレンズが使用されている。特に、固有の光学軸がないことが有利に利用され、ボールレンズを通過するすべての主光線がそれぞれの光学軸を画定すると考えることができる。このように、入射光の角度の変化に関する照度の低下が小さいため、この例では、空間からの光を複数のセンサに向けるために、ひとつのボールレンズが有利に使用されている。明らかに、ボールレンズの出力部分の光センサはカーブした焦点面に沿って配置される。
広角画像形成にとっての球面レンズまたはボールレンズの利点は、米国特許第5,319,968号(ビリングーロス(Billing−Ross)他)において開示されているように、スペースクラフトの姿勢を決定する装置においても使用されている。ここで、ミラーのアレイが光線にボールレンズを通過させる。このレンズの形状は、レンズを通過する光線が画像表面に対して直角に入射するため、有利である。このように光線はレンズの中央に向かって屈折し、その結果、視野の広い画像形成システムが得られる。ボールレンズの特徴のまた別の特別な用途が米国特許第4,854,688号(ヘイフォード(Hayford)他)で開示されている。Hayford他の特許による光学装置は、パイロットのヘッドギアに装備されているもののように、CRTで生成される二次元画像を非線形の経路に沿って伝達するためのものであり、ボールレンズは光学的無限遠において、視準された入力画像をパイロットが見えるように方向付ける。
ボールレンズの広角ビューイング能力を利用した別の例が米国特許第4,124,798号(トンプソン(Thompson))において開示されており、同特許は、夜間用の両眼光学装置の対物レンズの一部にボールレンズを使用することについて教示している。
ボールレンズを画像投影に使用することを開示した上記米国特許第4,124,798号および第4,854,688号は、ボールレンズが、サポート用光学装置との併用により、広い視野の画像形成を提供する一般的能力が提案されている。しかしながら、このような装置を没入型画像形成において有効に使用するためには、特に、投射のために画像を電子的に加工しなければならない場合に、克服しなければならない大きな問題がある。たとえば、空間光変調器等の装置を使用した従来の電子画像提示技術は、平坦な表面に画像を提供するが、平坦な視野への画像形成におけるボールレンズの性能はきわめて低い。
広い視野を提供するどのようなタイプの光学プロジェクションでも克服しなければならない没入型システムの問題として、また別の基本的な光学的制限がある。重要なものは、ラグランジェの不変量によって発生する。どのような画像形成システムであっても、ラグランジェの不変量に適合し、瞳孔の大きさとセミフィールドアングル(semi-field angle)との積は画像サイズと開口数との積に等しく、その光学システムの不変量である。これは、画像生成器として、比較的小さな開口数で動作できる比較的小さな空間光変調器または同様のピクセルアレイを使用した場合、その装置に関するラグランジェ値が小さいため、制約となりうる。しかしながら、大きな射出瞳で大きな視野を提供する単一中心画像形成システムのラグランジェ値は本来的に大きい。したがって、このような単一中心画像形成システムをラグランジェ値の小さな空間光変調器と併用した場合、ラグランジェ値の不一致により、視野または画像形成システムのアパーチャのいずれかまたは両方が要件を満たせなくなる。ラグランジェ不定量の詳しい説明については、McGraw−Hill,Inc.出版のウォレン・ジェイ・スミス(Warren J.Smith)によるModern Optical Engineering, The Design of Optical Systemsの42−45ページを参照のこと。
同時係属中の日本特許出願第2001−383200号と第2002−136771号は、裸眼立体画像形成システムにボールレンズを使用した広視野投射の可能性を利用している。これらの同時係属中の出願において、片眼ずつに対応する投射用ボールレンズに供給される原画像は、完全な二次元画像として提示される。各出願で開示されている画像発生源は、液晶表示(LCD)、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)またはこれに類する装置をはじめとする二次元アレイである。画像発生源はこのほか、陰極管(CRT)とすることもでき、CRTは、走査された電子ビームによって発生されるものの、完全な二次元画像をボールレンズ式の投射光学装置に供給する。
完全な二次元画像の供給には、本来的な制約がいくつかある。理想的には、曲面のイメージフィールド(image field)が好ましく、その曲率中心がボールレンズの中心と一致する配置であると、フィールド収差(field aberration)が最小限となる。しかしながら、曲面のイメージフィールドを提供するには、画像発生源そのものを湾曲させるか、画像形成経路の中に別の面板または特別なリレイ光学装置を設置する必要がある。二次元画像アレイを湾曲させ、画像発生源の球面曲率を得るか、これに近づけるのは困難でコスト高である。面板または特別なリレイ光学装置の平坦なイメージアレイとの併用は、コストがかさみ、全体的な明るさが損なわれる等の短所がある。投射に十分な明るさを維持するのは、小型の二次元アレイを使用した時に問題となる。なぜなら、これは特殊な設計技術とより高価なコンポーネントがなくては達成しにくいからである。したがって、立体視のために画像を発生し、投射するためシステム光学装置の全体的コストを改善できれば、これを評価することができる。
ボールレンズとボールレンズセグメントは、広視野光学走査のためのセンサにおける走査コンポーネントとして使用されてきた。米国特許第6,233,100号(チェン(Chen)他)は、ひとつまたは複数の反射面を有する回転可能な走査ボールレンズセグメントを使用した同心円センサ走査システムを開示している。米国特許第6,233,100号で開示されるシステムの場合、ボールレンズまたはボールレンズセグメントの回転が入射光を同心円状のセンサ群に向ける。しかしながら、既存の投射システムの設計は、より従来的なプロジェクタ用光学コンポーネントを利用しており、その中で、画像を生成するために光を走査された状態で投射する走査コンポーネントとしてボールレンズまたはボールレンズセグメントを使用する可能性を見落としてきた。
従来のCRT電子ビーム等の点光源あるいは線形光源での走査による二次元画像の形成に、多くの技術が使用されている。同時係属中の米国特許出願第10/010,500号は、走査システムを有するさまざまなタイプの線形光源の使用を開示している。米国特許出願第10/010,500号で提案されているソリューションには、LEDアレイや共振光ファイバスキャナ等がある。
マイクロマシンが、光加工、印刷、光データ記録、分光学、ディスプレイ等の各種用途における空間光変調器として開発されてきた。マイクロマシン変調器には、カリフォルニア州サニーヴェイルのSilicon Light Machinesが開発し、米国特許第5,311,360号(ブルーム(Bloom)他)において開示されているグレーティング・ライト・バルブ(GLV)や米国特許第6,307,663号(コワルツ(Kowarz))において開示されている電気機械等角回折格子デバイスが含まれる。これらの変調器は、電気機械位相回折格子を形成する反射素子の周期的シーケンスとして配置された、個々にアドレス可能なデバイスのアレイを使って、入射光線の位相と振幅を空間的に変化させる。このようなマイクロマシン回折格子デバイスは、二次元ディスプレイに十分なスピードを与え、コントラストと光学的効率に優れているため、線形変調器として特に注目されている。同時に、これらのデバイスは機械的に小型かつ堅牢であり、比較的低コストで製造できる。しかしながら、マイクロマシン変調器は、広い視野を提供する没入型光学装置に適したコンポーネントとしてはほとんど見過ごされてきた。しかしながら、安価なレーザー光源の出現により、マイクロマシン変調器等の光効率の良い代替物を中型から大型の没入型表示システムに利用する機会が生まれた。しかし、このタイプの光変調手段を、有効な没入型光学装置に必要な広い視野を提供できる画像投射システムと結合する必要がある。
デジタルテクノロジーの開発と全デジタル投射システムの実用化により、フィルムダイや蛍光物質の限られた色再現域で可能なものよりリアルで鮮明な画像を提供するために、表示可能な色の範囲または再現域を拡張することに対する関心が高まっている。Commission Internationale de l’Eclairage(国際照明学会)により開発された馴染み深い三刺激CIEカラーモデルは、標準的な人間の観察者によって近くされる色空間を示す。図20は、CIEカラーモデルを示し、可視色再現域200を一般的な「U字型」曲線として表している。可視色再現域200の中で、表示装置の色再現域は、たとえば標準的なSMPLTE(Society of Motion Picture and Television Engineers)蛍光物質等についての装置色再現域202で示すことができる。カラー投射技術分野で周知のごとく、画像の実際の色を忠実に表現するために、表示装置はできるだけ大きな可視色再現域200を提供することが望ましい。
図20において、純粋な飽和スペクトル色が可視色再現域200の「U字型」の周辺にマッピングされる。ディスプレイのコンポーネントカラーである、一般的には赤、緑、青(RGB)は、装置色再現域202の限界を画定するが、可視域再現域200の周辺にできるだけ近いことが理想である。「U字型」の内側には、たとえばスペクトル色の赤に白が加わりピンクとなるもの等、純色と白の混合を含めたすべての混色のマッピングが含まれる。
装置色再現域202を大きくするためのひとつの方法は、スペクトル的に純粋な光源からのコンポーネントカラーを使用することである。レーザーは、本来的にスペクトル純度が高いため、装置色再現域202を最大限にするのに特に有利である。色再現域を拡大する2つ目の方法は、装置色再現域202の従来の三角形から、図21で拡張された装置色再現域204として示されているように、多角形の領域に変形させることである。これを行うために、ひとつまたは複数のコンポーネントカラーを追加しなければならない。
3色以上の光源を使用する投射装置が提案されている。しかしながら、多くの場合、提案されているソリューションは、色再現域の拡張を目的にしたものではない。3色以上の光源を使ったプロジェクタの開示には以下のものがある。
米国特許第6,256,073号(ペティ(Pettit))は、明るさとホワイトポイントの純度を保持するために、4色を提供するフィルタホイール配置を使った投射装置を開示している。しかしながら、この構成において追加された4番目の色はスペクトル的に純粋ではないが、ディスプレイをより明るくし、不快な色合いを最小限にするために白である。白は「色再現域内」での色の追加であり、色理論から、白を加えると色再現域は実際に縮小する。同様に、米国特許第6,220,710号(ラジ(Raj)他)は、投射装置において、標準的なR,G,Bの光チャンネルに白い光チャンネルを追加することを開示している。前述のように、白い光を追加することにより明るさは増すが、色再現域は制約される。
米国特許第6,191,826号(ムラカミ(Murakami)他)は、白の光源から発生される4色を使った投射装置を開示しており、この中では、4番目の色としてオレンジを加えることで、原色の緑色の経路に影響を与えるスペクトル分布の好ましくない効果を補償している。米国特許第6,191,826号の装置において、使用される特定の白い光源は偶然、識別可能なオレンジのスペクトル成分を含んでいる。これを補償するために、フィルタを用いて、緑の光成分から好ましくないオレンジのスペクトル成分を減衰させ、スペクトル純度の高い緑色の光を得ている。次に、その結果生じる明るさの損失を補償するために、オレンジの光が4番目の色として追加される。この開示は、副作用としてある程度の色領域の拡張があることを示している。しかしながら、色再現域については、米国特許第6,191,826号で開示されているソリューションでは投射装置の色再現域を十分に拡張しているとはいえない。図20、図21について上述した多角形の色再現域について、オレンジの光を追加することによって4番目の頂点が加わる場合があるが、新たに加わったオレンジの頂点はいずれも、赤と緑の頂点の間にすでに形成されているラインに非常に近い。したがって、新たに形成される多角形の色再現域は、最大でも、3つのコンポーネントカラーを使って形成された三角形より若干面積が大きくなるにすぎない。さらに、実質的に純粋な波長のオレンジが提供されないかぎり、米国特許第6,191,826号による方法では、色再現域はわずかながら減少することさえある。
上記のいずれのソリューションをとっても、色再現域の拡張を目的としたものでなければ、色再現域の拡張を実現するための方法を開示するものでもない。事実、上記の各ソリューションについて、4番目の色を追加したことで、色再現域の損失さえ起こりうる。
上記特許の開示と反対に、特許出願WO01/95544A2号(ベン・デイビッド(Ben−David)他)は、4つ以上の実質的飽和色を有する空間光変調器を使い、図21に示すような色再現域を拡張させた表示装置とその方法を開示している。ひとつの実施形態において、出願WO01/95544号は、単独の空間光変調器に4つまたはそれ以上のコンポーネントカラーの各々を供給するカラーホイールを使用することを教示している。別の実施形態において、この出願は単独の光源からの光を4つまたはそれ以上のコンポーネントカラーに分割し、各コンポーネントカラーの専用空間光変調器を使用することを教示している。しかしながら、出願WO91/95544の教示が色再現域を改善する装置を示しているものの、ここに開示される従来のデザインソリューションにはいくつかの欠点がある。単独の空間光変調器を多重化し、3つより多い色を扱う場合、表示データタイミングに大きな問題がある。使用された空間光変調器は、データ処理経路において高速のサポートコンポーネントを使用して、非常に高速のリフレッシュ性能を示さなければならない。フリッカーが生じない動画表示を維持するために必要な速度で空間光変調器に画素データをローディングするためには、画像データの平行処理が必要となる可能性が高い。各色について10−20マイクロ秒の範囲が一般的な従来のLCD変調器のセトリングタイムにより、利用可能な投射時間がさらに短縮され、明るさが限定される。さらに、十分な高速で連続するコンポーネントカラーを供給するためのフィルタホイールを使用することがさらに不利である。このようなフィルタホイールは非常に速いスピードで回転させなければならないため、データのローティングとデバイス変調のタイミングの正確なタイミングを保持するために、精密な制御フィードバックループが必要となる。フィルタの色遷移中にさらに「デッド・タイム(dead time)」が生じるが、これは3色のカラーフィルタを使った装置においてすでに大きく、その結果、明るさを低減させ、タイミング同期を複雑にする。フィルタホイールと、これも光路内で回転する中性濃度フィルタとを連結させることにより、コストと複雑さが増す。
回転するフィルタホイールがカラー投射装置に採用されているが、このような機械的ソリューションの本来的な不利点はよく知られている。各色専用の空間光変調器を使った他のソリューションにも、コンポーネントカラーに関する適正なアラインメントを含めた別の問題がある。出願WO01/95544号の開示は、各色について別の投射システムを使用することを教示しているが、これはコストがかさみ、表示スクリーンサイズと距離に応じて異なるアラインメント手順が必要となる。単独の光源から照明を行うことにより、明るさとコントラストが低減する。したがって、出願WO01/95544号の開示は理論上の色再現域拡張を教示しているが、実際には、同出願で提案されている設計ソリューションには大きな欠点が多数ある。出願WO01/95544号について検討した結果、タイミング同期、カラーアラインメント、明るさとコントラストの維持、空間光変調器のコストと全体的な複雑さといった、3色投射について解決が困難な問題が、4つまたはそれ以上のコンポーネントカラーの使用を試みた場合、さらに大きな問題となる。
投射用の変調された有色光を結合する従来のコンポーネントには、Xプリズムとも呼ばれるXキューブとフィリップスプリズムがある。これらの従来のコンポーネントは、3つの入力色を共通のマルチカラー出力光学軸に結合するために設計されている。しかしながら、変調経路に4つ目の色を加えると、より複雑となる。そこで、3色および4色、5色または6色の投射装置について同じコンポーネントを使用するソリューションは有利であることがわかる。
先行技術によるソリューションにおける欠点にかかわらず、色再現域が拡張された没入型画像形成を提供できれば非常に有利だと認識されている。自然の色をよりリアルに再現することができるであろう。同時に、自然界に見られる色とトーンとは一致しないコンピュータ生成画像を、よりドラマチックに表現することができるであろう。そこで、色再現域が拡張された画像を見るための改善された裸眼立体画像形成ソリューションであり、構造的に単純な装置を提供し、収差と画像のゆがみを最小限にし、広い視野、大きな射出瞳、高い明るさレベル、低コスト化に関する厳しい要件を満たすソリューションが必要である。
米国特許第5,671,992号公報 米国特許第5,936,774号公報
本発明の目的は、色再現域が拡張された裸眼立体表示装置を提供することである。この目的を念頭に、本発明は左画像と右画像からなるカラー立体画像を表示するための裸眼立体光学装置を提供し、この装置は少なくとも4つの光源を有する画像生成システムを備え、各光源の色が異なる。
好ましい実施形態において、本発明は、画像画素のアレイを備えるマルチカラー立体虚像を表示するための裸眼立体光学装置を提供し、前記立体虚像は観察者が左側の瞳孔で見る左側画像と観察者が右側の瞳孔で見る右側画像からなり、この装置は次のもので成る。
(a)左側二次元中間画像を形成するための左側画像生成システムと、右側二次元中間画像を形成するための右側画像生成システム、左右両側の画像生成システムは別個のコンポーネントで同様に構成されており、各画像生成システムは、
(a1)第一の入射光線を提供する第一の色の第一の光源、第二の入射光線を提供する第二の色の第二の光源、第三の入射光線を提供する第三の色の第三の光源、第四の入射光線を提供する第四の色の第四の光源、
(a2)前記第一、第二、第三、第四の入射光線を変調して対応する第一、第二、第三、第四の変調光線を提供し、第一、第二、第三、第四の変調光線を共通軸上に結合し、マルチカラー変調光線を形成し、マルチカラー変調光線を拡散表面に向けることにより、拡散表面上にマルチカラーの原画素(ソースピクセル: source pixel)のラインを形成するためのマルチカラー線形アレイ変調器、
(a3)マルチカラーの原画素のラインを投射し、中間線画像を形成するための走査ボールレンズアセンブリ、走査ボールレンズアセンブリは以下を備え、
(a3a)マルチカラーの原画像画素のラインから中間線画像に光を反射させる、少なくともひとつの反射表面、
(a3b)走査ボールレンズ瞳を有するボールレンズセグメント、ボールレンズセグメントは前記少なくともひとつの反射表面の曲率中心を有し、
を備え、
走査ボールレンズアセンブリは軸を中心に回転し、二次元中間画像を連続的に形成するために一連の中間線画像を形成し、
(b)曲率中心が、左側画像生成システムの走査ボールレンズアセンブリと右側画像生成システムの走査ボールレンズアセンブリとの間のほぼ光学中心にある曲面ミラー、
(c)左側画像生成システムからの光学経路を折り重ね、曲面ミラーの前方焦点面付近に左側二次元中間画像を形成し、右側画像生成システムからの光学経路を折り重ね、曲面ミラーの前方焦点面付近に右側二次元中間画像を形成するように設置されたビームスプリッタ、
曲面ミラーは左右の二次元中間画像の仮想立体画像を形成し、ビームスプリッタを通じて左側瞳孔で左側走査ボールレンズの瞳の実像と右側瞳孔で右側走査ボールレンズの瞳の実像を形成する。
本発明によれば、線形(一次元)または空間(二次元)光変調装置のいずれでも使用できる。
本発明の特徴は、スペクトル純度と高い飽和度を有する4つまたはそれ以上の色を使用し、立体画像形成のための色再現域を拡張する点である。
本発明の別の特徴は、光学コンポーネントを単一中心に配置し、設計を簡素化し、収差を最小限にし、大きな射出瞳で広い視野を提供する点である。
本発明のさらに別の特徴は、多くの構成にすることができる点であり、必要な光学コンポーネントの数を減らす構成のほか、ビームスプリッタが不要な構成まで可能である。
本発明の別の利点は、投射用の中間画像を生成するために、安価で明るい高原を使用することができる点である。レーザー光源の高いスペクトル純度は、表示装置の実現可能な色再現域を最大限にするのに役立つ。
本発明のさらに別の利点は、立体左眼および右眼画像を投射するのに使用される色の数の選択を管理することができる点である。
本発明のまた別の利点は、光学コンポーネントをコンパクトに配置し、設置面積の小さな表示システムを構成することができる点である。
本発明の別の利点は、従来の投射レンズシステムの費用と比較した場合、安価な広視野立体投射のためのソリューションを提供することである。
本発明のさらに別の利点は、観察者がゴーグルその他の器具を装用せずに立体視を提供することである。
本発明のまた別の利点は、ディスプレイに関する観察者の位置関係があまり重要とならない、十分な大きさの射出瞳を提供することである。
本発明の上記およびその他の目的、特徴、利点は、本発明の実施形態が示された図面と以下の詳細な説明を読むことで、当業者にとって明らかとなる。
以上のように、非常に視野が広く、視覚瞳孔が大きく、色再現域が広い裸眼立体ディスプレイのための単一中心光学装置が提供される。
この説明は、本発明による装置の一部を構成する、あるいはその装置とより直接的に協働する要素に関するものである。特に図示または説明されていない要素は、当業者にとってよく知られているさまざまな形態をとることができると理解すべきである。
図1は、裸眼立体画像形成システム10の透視図である。観察者12は通常、左右の視覚瞳孔(viewing pupil)14l,14rから仮想立体画像を見る位置に座っている。最適な視覚条件は、観察者12の左右の目の瞳孔68l,68rが、それぞれに対応する左右の視覚瞳孔14l,14rと一致するときに得られる。
左側走査ボールレンズアセンブリ100lと、線形画像源としての左側原画素ライン36lを有する左側画像生成システム70lは、左側の視覚瞳孔14lのための画像を投射する。これに対応し、右側走査ボールレンズアセンブリ100rと、線形画像源としての右側原画素ライン36rを有する右側画像生成システム70rは、右側の視覚瞳孔14rのための画像を投射する。左側画像生成システム70lは、画像を観察者12と曲面ミラー24との間に設置されたビームスプリッタ16に向ける。曲面ミラー24の焦点面22の付近に左側中間画像76lが形成される。左側中間画像76lは、左側瞳孔14lにおいて虚像106として提示され、これは観察者12にとって、画像が曲面ミラー24の背後にあるように見える。同様に、右側画像生成システム70rは、画像を観察者12と曲面ミラー24の間に設置されたビームスプリッタ16に向ける。これによって、曲面ミラー24の焦点面22の付近に右側中間画像76rが形成される。右側中間画像76rは、右側瞳孔14rにおいて虚像106として提示され、これは観察者12にとって、画像が曲面ミラー24の背後にあるように見える。その結果、観察者12には、別々の左右画像からなる仮想立体画像が提示される。仮想立体画像は曲面ミラー24の背後の、曲面ミラー24の背面と無限大の間のどこかにあるように見える。
以下の説明は、光を視覚瞳孔14lと14rのいずれか一方に向ける光学コンポーネントに関するものである。左側画像生成システムと右側画像生成システムについて、つまり、左右の光学経路両方について、同様の光学コンポーネントを使用できる点に注意すべきである。明確を期すために、以下の説明は、左右両方の画像生成システム70のコンポーネントに当てはまる。左右の光学経路の区別は、厳密にする上で必要な場合にかぎり行われる。(このため、以下の説明において、部品番号に付与された左を示す“l”と右を示す“r”は、必要のないかぎり、省く。)
図1に示すように、観察者12が見る立体画像には2つのコンポーネントがある。図1に表されているように、左右の光学経路は、曲面ミラー24による画像形成のために、システム10の中で交差する。
図1は、光学設計の観点から、解決すべき主要な問題のいくつかを示しており、本発明が提供するソリューションの概要を示す。最もリアルな立体視を実現するための主要な設計上の考慮事項について検討することが有益である。観察者12に効果的な没入体験を提供するために、先行技術を使用して得られる60度を超える広い視野が重要である。観察者12が心地よく使用できるようにするには、視覚瞳孔14l,14rが十分に大きくなければならない。設計の目標として、本発明による裸眼立体画像形成システム10は、直径20mmを超える視覚瞳孔14で少なくとも90度の視野を提供しようとするものである。人間の視距離の範囲で見ることのできる立体虚像を提供するために、走査ボールレンズアセンブリ100lと100rは、適当な、経験的に決定された軸間(interaxial)距離だけ分離することが有利である。
あるいは、走査ボールレンズアセンブリ100l,100rの間の軸間距離は、観察者12の視距離に適した状態となるよう手作業で調整するか、または裸眼立体画像形成システム10が自動的に感知、調整するようにも構成できる。左右の画像生成システム70l,70rのコンポーネントは、たとえばブームの上に設置し、各画像生成システム70l,70rが相互に関して移動できるようにすることにより、視距離の差を補償してもよい。共通の譲受人に譲渡された日本特許出願第2002−136771号には、ボールレンズを使って、左眼と右眼の投射アセンブリを自動的に感知、調整することが記載されている。この先出願において開示されているものと同じフィードバックループ装置と方法は、本発明の装置にも適用できる。
画像経路の単一中心設計
本発明の装置における光学コンポーネントが単一中心で配置されていることにより、像収差の削減と視野拡大にとっての明確な利点が多数提供される。図2aにおいて、展開した状態で、光学経路における主要コンポーネントの光学的に同心円状の関係が示されており、これは左右の画像形成システム70l,70rの両方に当てはまる。やはり展開した状態の図2bの上面図において、ミラー24の曲率中心はCSであり、これは左右の走査ボールレンズアセンブリ100l,200rの間に位置する。図2aに示す一般例において、原画素ライン36は、Cの符号が付与された中心におけるその曲率半径の中心で湾曲するのが好ましく、これは、図2bに示される左側または右側の走査ボールレンズアセンブリ100lまたは100rの中心ClまたはCrに対応する。原画素ライン36は、狭い画像ラインを1本ずつ発生し、これが後に投射される。走査ボールレンズアセンブリ100は、原画素ライン36を投射し、中間画像76を形成する。図2aに示されているように、中間画像76もまた湾曲しており、中心Cにおいて、走査ボールレンズアセンブリ100と同じ曲率中心を共有する。図1と図2aにおいて、中間画像76は曲面ミラー24の焦点面22の付近に位置する。曲面ミラー24の焦点面Fmirrorは、光学軸Oを有する焦点面22の交点にある。曲面ミラー24は好ましくは球面で、やはり中心Cにおいて、走査ボールレンズアセンブリ100と同じ曲率中心を共有する。
図2aは、光学経路を展開した状態のコンポーネントの関係を一般的に示した第一次近似であることに注意すると有益である。図2bの上面図をよく見ると、図2bにおいてCSの符号が付与された曲面ミラー24の曲率中心の実際の位置が、それぞれClとCrの符号を付与された左右の走査ボールレンズアセンブリ100lと100rの曲率中心の間の途中に示されている。観察者12にとって理想的な左右の走査ボールレンズアセンブリ100lと100rの位置は、曲面ミラー24によって形成されるその実像がそれぞれ左右の視覚瞳孔14lと14rの位置と視距離に対応する位置である点に注意することもまた有益である。
参考までに図1に戻ると、中間画像76の最適な位置は、焦点面22の「付近」と考えられる範囲内にある。好ましい範囲は、外側限界となる焦点面22そのものから、内側限界となる、焦点面22から曲面ミラー24の表面までの距離の約20%以内までである。中間画像76が焦点面22と観察者12の間に形成されると、虚像106は焦点が合わないように見える。
走査レンズアセンブリ100が、図2の展開した配置によって示されるように、中心Cに曲率中心を有する球面であるため、像収差をできるだけ少なくして、広い視野が提供される。本発明の設計は、同一の瞳倍率(ユニティ・ピューピル・マグニフィケーション: unity pupil magnification)のために最適化されているが、同一の瞳倍率とは異なるものも、本発明の範囲内で実現可能である点に注意しなければならない。
図3は、図2aに示す光学装置の光学経路を折り曲げたものの側面図であり、視覚瞳孔14がビースプリッタ16の追加によって形成される様子を示す。ビームスプリッタ16は、走査ボールレンズアセンブリ100から投射された光を、中間画像76を形成するように方向付ける。これにより、曲面ミラー24によって形成された虚像106がビームスプリッタ16を通じて視覚瞳孔14において可視化される。
図2aと図3において示される光学経路と次のものは、それぞれ独立した左右の画像生成システム70lと70rについて同一である。一般に、各画像生成システム70lと70rの中では別個の画像形成コンポーネントが使用される。本願の以下の説明では、左眼および右眼画像両方を生成するために、一式の画像形成コンポーネントを多重化するという別の方法も開示している。
原画素ライン36の使用
走査ボールレンズアセンブリ100は、反射スキャナと投射レンズの両方として機能する。図4−7に、走査機能と投射機能の両方が示されている。走査ボールレンズアセンブリ内の反射面102は、図5にあるように、光学走査技術において周知の走査ミラーのように、走査機能を果たす。この走査機能において、走査ボールレンズアセンブリ100は軸Aを中心として回転し、原画素ライン36のうちの対応するラインから、中間画像76の各ラインを逐次的に投射する。
図5において、原画素ライン36は、投射のために、個々の原画素104の連続を線形配置で提供する。図5に特に示されているように、原画素ライン36の全体的な形状は、曲面で、各原画素104が走査ボールレンズアセンブリ100の中心Cから同じ半径距離rであることが好ましい。画像生成システム70そのものは、画像形成分野において周知の走査同期技術を使い、画像形成論理回路(図示せず)によって制御される。単純な構成において、図5における原画素ライン36は曲面LEDで生成し、各原画素104がひとつのLEDに対応するようにすることができる。このような配置の場合、曲面LEDアレイそのものが拡散光源を形成し、光はLEDで直接変調される。これにより、光出力変調のための周知の技術のいずれを使用しても個々の原画素104を変調することが可能となる。従来の方法には、パルス幅偏重や振幅変調等がある。たとえば、ビット指向パルス幅変調を使用し、原画素ライン36に伝えられるエネルギーの総和が、たとえば8ビットのビット深さを有するパルス幅の合計となるようにすることができる。振幅変調は、原画素ライン36の個々の原画素104における光レベルを単純に変更することによって行われる。そのほか、パルス幅変調と振幅変調を組み合わせたものを使用し、ダイナミックレンジを拡張してもよい。以下に、好ましい幾何学形状と拡散特性を有する画像形成表面において、原画素ライン36を形成するための多数の方法について説明する。
走査動作
図5と図6aを合わせて見た場合、走査ボールレンズアセンブリ100がその反射面102から原画素ライン36を投射し、画像画素ライン108からなる中間線画像52を形成する走査動作が示される。例として、図5においては原画素104がわずかしか描かれていない。好ましい実施形態において、原画素ライン36は、少なくとも数百の個々の原画素104からなる1本のラインを提供し、個々の原画素104は、中間線画像52内の対応する画像画素108に結像される。走査ボールレンズアセンブリ100が軸Aを中心としてRaxis方向に回転すると、連続する中間線画像52が形成される。このように、中間線画像52’がある瞬間で形成され、その後、走査ボールレンズアセンブリ100が所定の距離だけ回転した後、次の中間線画像52が形成され、これが繰り返される。走査ボールレンズアセンブリ100による投射の特性により、原画素104は原画素ライン36から反転され、中間線画像52を形成する。図5に示されるように、この連続的動作が、S方向への走査によって中間画像76を形成する。
図4にもどり、曲面ミラー24の焦点面22付近に中間画像76を形成するための画像生成システム70の走査動作の透視図が示されている。本発明の装置と方法により、中間画像76のアスペクト比がある範囲内で変化する点を特筆する。図5を見ると、原画素ライン36の長さは、利用可能な最大のライン長さより小さい数値とすることができる。直角方向に、形成される中間線画像52の数もまた、利用できる最大のライン数より小さい数値とすることができる。アクティベートされる画素104の数と作られる中間線画像52の数を変えることにより、画像生成システム70は中間画像76のアスペクト比を、裸眼立体画像形成システム10の性能特性と観察者12の選好の両方に適したものとするよう最適化できる。
再び図6aを見ると、一度に1個の中間線画像52ずつ、中間画像76を形成するための走査ボールレンズアセンブリ100の回転の上面図が示されている。前述のとおり、中間画像76は、左右両方の走査ボールレンズアセンブリ100lと100rの走査動作によって形成される。図6b,図6cを見ると、左右の走査ボールレンズアセンブリ100lと100rが相互に関して回転する別の方法が示されている。図6bの例において、左右両方の走査ボールレンズアセンブリ100lと100rは、それぞれ当初位置IlとIrから次の位置JlとJrまで中間線画像52を掃引しながら同じ方向に回転する。これに対し、図6cでは、左右の走査ボールレンズアセンブリ100lと100rが反対方向に回転している。どちらタイプの相対的運動パターンでも、画像生成システム70に利用できる。
図4に示すように、走査ボールレンズアセンブリ100の回転を駆動するのはモータ32である。好ましい実施形態において、走査ボールレンズアセンブリ100の回転速度は1800RPMである。もちろん、機械分野で周知の技術により、一連の歯車、ベルトその他並進運動駆動用コンポーネントを使うことにより、左右両方の走査ボールレンズアセンブリ100lと100rをひとつのモータ32で駆動することができる。
走査ボールレンズアセンブル100の製造
図7において、好ましい実施形態における走査ボールレンズアセンブリ1000の構造の断面図が示される。中央球面レンズ46は、2つのメニスカスレンズ42,44の間に設置される。メニスカスレンズ42,44の屈折率とその他の特性は、光学設計分野においてよく知られているように、軸上の球面収差と色収差を低減するよう意図されている。ストッパ48は、入射瞳を走査ボールレンズアセンブリ100から出ないようにする。ストッパ48は物理的である必要はなく、外側のメニスカスレンズ42と球面レンズ46の間の界面での全内反射を利用して実現してもよい。
好ましい実施形態において、中間画像76における像収差を低減し、画像品質を最適化するためにメニスカスレンズ42,44が選択される。走査ボールレンズアセンブリ100は、中央球面レンズ46を囲むサポートレンズの配置をいくつ使用して構成してもよい点に注意する必要がある。これらのサポートレンズの表面は、いくつ使用されているかを問わず、中央球面レンズ46と同じ曲率中心Cを共有する。さらに、走査ボールレンズアセンブリ100のレンズコンポーネントに使用される屈折材料も、本発明の範囲内で変えることができる。たとえば、標準的な光学ガラスレンズのほか、中央球面レンズ46をプラスチックにし、メニスカスレンズ42,44をガラス、プラスチック、囲みこんだ液体またはその他適当な屈折材料としても、すべて本発明の範囲内である。最も単純な実施形態において、走査ボールレンズアセンブリ100は、反射面102を有する1枚の中央球面レンズ46でもよい。
平面反射面102を製造するには、多数の方法がある。好ましい実施形態において、反射面102は両面式で、アルミニウムコーティングを使い、球面レンズ46用の半球の半分の上に形成される。次に、一般的には光学セメントを使って走査ボールレンズアセンブリ100が構成され、2つの反対の反射面を有する反射表面102が走査ボールレンズアセンブリ100のメリジオナル表面に設けられる。別のオプションとして、コスト高になるが、広帯域干渉コーティングを球面レンズ46の半球の一方または両方に施し、反射率を高めることもできる。反射面102は、図5に示されているように、メリジオナル表面の全面に形成してもよい。あるいは、表示光学装置の幾何学形状に応じて、図7に示されるように、反射面102は、走査ボールレンズ100のメリジオナル表面の中央部分だけとすることもできる。
図7において、機械的回転に最適な配置は、反射面102を二面鏡として構成し、半球レンズセグメント112を各反射面102の上に設置するものである。別の配置として、走査ボールレンズアセンブリ100のレンズ構造は単純に、単独の半球レンズセグメント112とし、片側だけの反射表面102とすることができる。しかし、この場合、走査ボールレンズアセンブリ100の部分的回転のための別の機械的技術を採用する必要がある。たとえば、ひとつだけの半球レンズセグメント112を有する走査ボールレンズアセンブリ100を使い、反射面102を片面とすることも可能である。しかし、このような配置での完全回転を使用すると、スキャナのデューティサイクルが2分の1になる。この場合、裸眼立体画像形成システム10の最大速度について利用可能なオプションには、走査ボールレンズアセンブリ100によって操作するための往復運動を提供する機械的装置がある。しかし、このような方法ではコストと機械的複雑さが増大し、不均一な走査速度を補償することが必要となる。
走査ボールレンズアセンブリ100は、それが完全回転する間ずっと動作することはできないが、使用可能範囲またはデューティサイクルにある程度の制約がある点を特筆する。これが制約要因となると、走査ボールレンズアセンブリ100の往復運動により、デューティサイクルが改善され、その分、コストと機械的複雑さが増す。
図1から図7に示されるコンポーネントの配置は、投射システムにおける広い視野を実現するという課題に対する新規なアプローチであることがわかる。
画像生成システム70の線形アレイ変調器の実施形態
図8aにおいて、好ましい実施形態における、ひとつの色チャンネルについての画像生成システム70の略図が示されている。光源20が発する照明は、球面レンズ72と円柱レンズ74を通じて、反射鏡82に向けられる。反射鏡82から反射された光は、電気機械的回折格子光変調器85で変調される。電気機械的回折格子光変調器85からの変調された回折光は、反射鏡82から回折され、ミラー83で折り曲げられ、レンズ75によって拡散表面30に向けられ、原画素ライン36が形成される。一般的原理として、光学効率は電気機械的回折格子光変調器85から捕獲された回折オーダー数の関数である。好ましい実施形態において高い光学効率、高いコントラストを実現するために、原画素ライン36は、好ましくは、電気機械的回折格子光変調器85からの変調光の2またはそれ以上の回折オーダーから形成される。走査ボールレンズアセンブリ100内の反射面102は次に、原画素ライン36を投射し、図4、図5、図6a、図6b、図6cのように、中間画像76を形成する。
広い色再現域で高品質の没入型画像形成を行うために必要な明るさとスペクトルコンテンツを提供するために、好ましい実施形態において、光源20はレーザーである。たとえば、赤の光源20rは、シャープ株式会社製のシングルモードのレーザーダイオードとすることができる。
好ましい実施形態において、電気機械的回折格子光変調器85は、米国特許第6,307,663号に開示されているように、電気機械的等角回折格子装置である。このような装置は、他のタイプの回折格子光変調器と比較し、性能上有利であり、たとえば、回折表面の位置が最適であり、空間分離も改善される。GLVデバイスのような、他のタイプの回折格子光変調器も使用できる。
拡散表面30は曲面画像形成面となり、その上に原画素ライン36が形成される。再び図8aを見ると、走査ボールレンズアセンブリ100にボールレンズ瞳101があることがわかる。均一な視覚瞳孔14を提供するために、ボールレンズ瞳101を均等に実質的に満たす必要があることから、拡散表面30が必要となる。好ましい実施形態において、拡散表面30は、たとえばマサチューセッツ州チャールトンのIncom, Inc.製のもの等、光ファイバフェースプレートである。拡散表面30はまた、原画素ライン36を形成するのに適した曲率の表面を有する、ガラスまたは適当なポリマー材料の透明基板をエッチングまたは研削したものから製造することもできる。拡散表面30は、適当に湾曲している適当な透明基板または光ファイバのフェースプレート上に拡散コーティングを施すことによって形成してもよい。レンズ75は、湾曲した拡散表面30上に原画素ライン36を形成するために適した負の像面曲率を提供するよう設計されている。
図8bにおいて、3原色を結合し、原画素ライン36をフルカラー画像として形成するためのマルチカラー線形変調器としての画像生成システム70の配置が示されている。赤の光源20r、緑の光源20g、青の光源20bが、各々の電気機械的回折格子光変調器85において別々に変調される。次に色結合キューブ73を使い、変調された赤、緑、青(RGB)の光を結合し、拡散表面30の上に原画素ライン36を形成する。好ましい実施形態では、RGBの色を使用するが、別の色を使用することもできる。さらに、4つまたはそれ以上の色を結合して色再現域を拡張することも可能であり、これについて以下に説明する。
色結合キューブ73は、好ましい実施形態において、XキューブまたはXプリズムである。あるいは、たとえばフィリップスプリズム等、他の色結合コンポーネントも使用できる。さらには、デジタル画像投射技術において周知のごとく、各色の経路からの変調された光を結合する、ダイクロニック表面を使って色の合成を行ってもよい。
鏡面ミラー24の配置例
図1,2a,2b,3について示したように、鏡面ミラー24は、裸眼立体画像形成システム10内の反射画像形成表面として機能する。観察者12の視距離にマッチするように、曲面ミラー24の実際の形状は、正確な球面形状からある程度異なるように調整できる。たとえば、軸はずれ瞳孔収差を低減するために、鏡面ミラーに非球面形状を使用することができる。
曲面ミラー24は、従来の成形、研削、研磨技術では製造コストの高いコンポーネントとなる可能性がある。2個またはそれ以上のより小さなミラーセグメントを連結してひとつの大型ミラー24を構成することにより、ミラー24を製造するほうが実用的である。
さらに別の実施形態として、曲面ミラー24は、ストレッチされた反射表面の背後にある気密キャビティで発生する真空状態の制御によって曲率が決定する、ストレッチャブル・メンブレイン・ミラー(SMM)に代表される薄膜ミラーでもよい。ストレッチャブル・メンブレイン・ミラーの使用は、前述のマッケイによる記事において開示されている。
曲面ミラー24は、たとえばアリゾナ州タスコンのComposite Mirror Applications, Inc.が製造する複製ミラー(レプリケイテッド・ミラー: replicated mirror)に代表される複製ミラーとすることができる。複合複製ミラー技術を使って製造される単独の曲面複製ミラーは、コスト、重量、耐久性の点で特に有利である。曲面ミラー24にはその他、フレネルミラーまたは再帰反射ミラーまたは表面も使用できる。
図9において、別の、実質的に単一中心の配置が示されており、この中で、左右の走査ボールレンズアセンブリ100lと100rが光学軸25の付近に設置され、図1から図4に示されるようなビームスプリッタ16を使用することなく、曲面ミラー24に直接投射する。このような配置の場合、曲面ミラー24は、視覚瞳孔14lと14rの各々に関する画像経路が曲面ミラー24の曲率中心CSに関して中心からかなりずれていなければならないため、その軸外れ性能が容認できるものである必要がある。このような配置には非球面ミラーを使用できる。図9の配置を実現可能にするために、球面曲面ミラー24の焦点長さに対する軸外れ距離に対する比率(図9においてはCS対Cm)が小さくなければならない。目分量で、球面を有する曲面ミラー24は、左右の走査ボールレンズアセンブリ100lと100rに対する軸外れ角が約6度以内であれば、満足に動作できる。
軸外れ角が6度を超える場合、曲面ミラー24の非球面がより適当である。このような非球面について、第一の曲率中心点Cm’は視覚瞳孔14lと14rの中間にある。第二の曲率中心点Cmは、走査ボールレンズアセンブリ100lと100rの各中心点ClとCrの中間にある。このような非球面設計は環状で、中心点CmとCm’を通過する軸Eに関して単一中心的である。断面を見ると、このように製造された曲面ミラー24は楕円で、中心点CmとCm’は楕円の焦点となる。
図10において、図9のものと似た、やはりビームスプリッタ16を使用しないさらに別の配置が示されている。図10では、曲面ミラー24は円筒状に湾曲した反射フレネルミラー66である。図10に示すコンポーネントの配置は、図9と同様に、軸Eに関して単一中心である。反射フレネルミラー66は、一方のみに強度を有する。反射フレネルミラー66は、たとえば、ニューヨーク州ロチェスターのFresnel Opticsが製造するフレネル光学コンポーネントのように、柔軟基板上に製造された平面素子とすることができる。フレネルミラー66は、図9に示すように、軸Eを中心としてほぼ円柱状に湾曲させることができる。あるいは、フレネルミラー66は、実質的に平坦としてもよい。フレネルミラー66は、曲面ミラー24について上述したものと同様の方法で、走査ボールレンズアセンブリ100lと100rの射出瞳の像を視覚瞳孔14l,14rに作る。
さらに別のオプションとして、曲面ミラー24は、曲率中心が走査ボールレンズアセンブリ100の中心と一致する、実質的に球形の表面等、再帰反射表面とすることができる。再帰反射表面は、曲面ミラーでの反射が原因となるイメージ・クロシング(image-crossing)効果を発生させない。しかしながら、この配置では、好ましい実施形態における裸眼立体画像形成システム10により、虚像ではなく実像が提供されることに注意しなければならない。
走査ボールレンズアセンブリ100の実施形態例
図11において、本発明の実施形態例が示されており、この中で、走査ボールレンズアセンブリ100内の反射面102に代わり、部分的に反射するビームスプリッタ表面203が設けられている。この構成により、走査ボールレンズアセンブリ100は屈折性の回転ビームスプリッタとして有効に動作する。原画素ライン36からの光は、ビームスプリッタ表面203から反射して球面ミラー150に入り、ビームスプリッタ表面203を通って送られ、中間画像76を形成する。図11は、ひとつの考えられる走査経路を示しており、走査ボールレンズアセンブリ100は時計回りに回転し、中間画像76のラインを当初位置Iから次の位置Jまで追跡する。このような配置により、湾曲した原画素ライン36が球面ミラー160の表面に複合されて戻される(conjugateされる)。球面ミラー150は、実質的に球面であり、その曲率中心は走査ボールレンズアセンブリ100の中心Cと一致する。
図11に示される光学コンポーネントの別の配置には、新たな実践的設計上の利点がある。原画素ライン36と球面ミラー150の複合表面(コンジュゲートサーフィス: conjugate surface)の間の倍率により、原画素ライン36は他の実施形態で実現可能なものより大きくなり、サイズ上の制約を軽減し、原画素ライン36の発生コストを削減することができる。
両眼画像連続形成の実施形態
裸眼立体画像形成システム10の別の実施形態は、電気機械的回折格子光変調器85の速度を利用し、ひとつの改造型画像生成システム70’を使って左眼と右眼両方の画像を提供する。図12に示すコンポーネント配置を使い、改造型画像生成システム70’は高速で周期動作を行い、連続画像投射が可能となるのに十分な速度で高速に左側中間画像76lと右側中間画像76rを形成する。図12において、改造型画像生成システム70’は、左右両側の走査ボールレンズアセンブリ100lと100rおよびビームスプリッタ140、ミラー142で構成される。画像をレンズ75に提供する上流の画像形成コンポーネントは、図8bに示すものと同じである。左右の走査ボールレンズアセンブリ100lと100bの回転と同期された適正な画像データのローディングを調整するために必要な、各種のタイミング、同期および画像データ経路論理コンポーネントは図示されていない。
前述のとおり、走査ボールレンズアセンブリ100の回転中にある程度の「デッド・タイム」があり、この間、反射面102は中間画像76を形成するのに適した角度ではなくなる。図13を見ると、図12の配置は両側の走査ボールレンズアセンブリ100のデッド・タイムを同期させ、右側走査ボールレンズアセンブリ100rのデッド・タイムの間に、左側走査ボールレンズアセンブリ100lを使って左側中間画像76lが形成されるようにする。これに対応し、右側中間画像76rは、左側走査ボールレンズアセンブリ100lのデッド・タイム中に右側走査ボールレンズアセンブリ100rを使って形成される。この配置により、左右の中間画像76lと76rの投射の間にシャッタが不要となる。
図12において、変調光の画像経路は次のとおりである。レンズ75は変調光をビームスプリッタ150に向け、ビームスプリッタ150はその光を左右の画像形成経路に均等に分割する。各経路において、ミラー142が変調光を拡散表面30に向け、それぞれ左右の原画素ライン36l,36rを形成する。左側中間画像76lは、左側走査ボールレンズアセンブリ100lが適当な角度で走査するときに、図のように弧に形成される。そのすぐ後に、図13に示されているように、右側中間画像76rが、右側走査ボールレンズアセンブリ100rによって形成される。この構成を使い、同じ画像が両側の走査ボールレンズアセンブリ100l,100rに向けられる。走査ボールレンズアセンブリ100の各々は、それぞれの中間画像76を交互に形成するか、あるいはそれぞれのデッド・タイム中に不要な変調光を効果的に屈折させる。好ましい実施形態において、走査ボールレンズアセンブリ100l,100rの回転角を一致させ、回転中、各々の反射面102l,102rを実質的に平行な平面に保持する。別の配置も可能である。
ビームスプリッタ140は、レンズ75からの光を左右別の経路に分割するための単純かつ安価なアプローチを実現するが、図12と図13の配置は利用可能な光の半分を無駄にする。それぞれ左眼、右眼について左右の原画素ライン36l,36rを使って画像を形成するのに、レンズ75からの光の全光線を利用できるように、光を切り替えることが有利である。光学分野において広く使用されている光の切り替え方法には、たとえば、反射された表面を機械的に操作する方法がある。図14には、改造型画像生成システム70’の別の配置が示され、この中で、レンズ75からの光の全部が、左眼と右眼経路の間で連続的に切り替えられる。液晶シャッタ182が、レンズ75からの入射光の偏光状態を回転することによって作動する。偏光ビームスプリッタ180は、ひとつの偏光状態を有する光を透過させ、反対の偏光状態を有する光を反射する。レンズ75からの入射光を各偏光状態に切り替えることにより、液晶シャッタ182は、左側および右側走査ボールレンズアセンブリ100l,100rと同期して、光を左側または右側の原画素ライン36lまたは36rのいずれかに有効に向ける。同様に、液晶シャッタ182の代わりに、偏光状態を連続的に切り替える回転波長板を使用してもよい。図14に関して説明したように、偏光状態を切り替える方法には、レンズ75から出る各色の光が同じ偏光状態を持っていることが必要となる。これは、従来のタイプの色結合コンポーネントでは達成しにくいかもしれない。しかしながら、光学設計分野で周知の方法により、マルチオーダーの波長板を使って異なる色の偏光状態を選択的に回転させることができる。図14について、選択的に偏光状態を変更するためのひとつの方法では、レンズ75と液晶シャッタ182の間に設置された、適当な設計のマルチオーダー波長板を使用する。
図15b、図15cにおいて、光を切り替えるためのさらに別の方法により、パターン化されたミラー156を使用する。この方法は、電気機械的回折格子光変調器85から変調された光の空間パターンを利用する。図15aに示し、また米国特許第6,411,425号において詳しく説明されているように、このパターンは本質的に、第一の回折オーダー171と第二の回折オーダー173で構成される。図15bに示すように、パターン化されたミラー156は、反射部152と透過部154を有し、その寸法は、第一の回折オーダー171と第二の回折オーダー173の空間位置に対応する。図15bに示されるように、パターン化されたミラー156のある位置において、透過部154は、第一と第二の回折オーダー171,173が透過されるよう整列される。次に、図15cに示されるように、パターン化されたミラー156を横方向に移行させることで、図15cにおいて概略が示されている第一と第二の回折オーダー171,173が反射されるように、反射部152が整列される。図15bと図15cに描かれている位置の間での往復運動により、パターン化されたミラー156は光学スイッチを形成し、これを図12のビームスプリッタ140の位置に設置し、レンズ75からの光の全部を左右の原画素ライン36l,36rに交互に向けることができる。
図12、図13、図14の配置はコスト面で有利であることがわかる。なぜなら、同じ画像変調およびコンディショニングコンポーネントを左右の画像経路に使用できるからである。図12、図13、図14に示す光学コンポーネントの配置は、電気機械的回折格子装置のほか、別のタイプの線形画像変調器と一緒に使用することが可能である点を強調することが重要である。たとえば、図12、図13、図14に示されるアプローチは、共振ファイバ、走査レーザーまたはその他ポイントソース、あるいは同時係属中の米国特許出願第10/010,500号および第10/095,341号に記載されているような線形LEDと一緒に使用することが可能である。そのため、単独の線形画像変調コンポーネントは、この配置によって左右両方の中間画像76を提供することができる。
4色以上を使用する配置
図16において、好ましい実施形態による、マルチカラー線形変調器としての4色画像生成システム70の色生成コンポーネントの配置が示されている。図8bに関して述べたように、各色の経路に固有のコンポーネントには付属文字の符号が付与される場合があり、r,g,bは従来の赤、緑、青、yは4番目の色を表し、これは黄色、黄緑、青緑その他、色再現域の拡張に適した色とすることができる。赤と青の別々の変調経路において、光源20rと20bは、ゼロオーダー反射のためのストッパの役割も果たすミラー82を回転することにより、それぞれの電気機械的回折格子光変調器85r,85bに向けられる。変調された赤と青の光は次に、色結合キューブ73により投射のため、共通軸Oにまとめられ、原画素ライン36を形成する。緑と黄色の色変調回路は、偏光ビームスプリッタ93を使い、異なる方法で扱われ、結合される。緑の光源20gと黄色の光源20yは、ダイクロイックコンバイナ92により、偏光ビームスプリッタ93に向けられる。偏光ビームスプリッタ93は、p偏向光を透過し、s偏向光を反射する。両方向矢印で示されるp偏光状態の緑の光は、偏光ビームスプリッタ93とリターダ91gを通じて電気機械的回折格子光変調器85gへと透過される。電気機械的回折格子光変調器85gからの変調された緑の光は、再びリターダ91gを通過した後にs偏光状態となり、変調された光を色結合キューブ73へと向ける偏向ビームスプリッタ93により反射される。黄色の光はまず、ダイクロイックコンバイナ92で反射され、偏光ビームスプリッタ93に向けられる。s偏光状態を有する黄色の光は偏光ビームスプリッタ93によって反射され、リターダ91yから透過され、黄色の電気機械的回折格子光変調器85yによって変調される。変調された黄色の光は再びリターダ91yを通過し、偏光ビームスプリッタ93から透過され、色結合キューブ73に到達する。
好ましくは四分の一波長リターダであるリターダ91g,91yは、それぞれ、入射する(入る)、および変調された(出て行く)緑と黄色の光の偏光状態を回転させる。その結果、変調された黄色の光は、偏光ビームスプリッタ93から透過され、色結合キューブ73によって共通軸Oに向けられる。マルチオーダーの波長板97は、偏光ビームスプリッタ93から出る変調光の偏光状態を修正し、変調された緑と黄色の両方の光が色結合キューブ73による効率的な取扱を受けるのに必要な偏光状態を有するようにする。次に、色結合キューブ73は、変調された光の全部を共通軸Oに沿って方向付け、拡散表面30に原画素ライン36を形成する。
図16に示す配置は、4個の電気機械的回折格子光変調器85を使っており、各色専用に利用される各々が同時に動作できる。ストッパ95は、2つまたはそれ以上の色を結合する色経路についてゼロオーダーの反射をブロックする。最も単純な形態においては、ストッパ95は反射性のものではない。
画像品質を落とすことなく、画像生成システム70の複雑さを軽減し、コストを削減することが有利であると判断できる。図17において、電気機械的回折格子光変調器85を3個だけ使用することによってコストを削減した別の4色画像生成システム70を示す。色結合キューブ73の表面について直角に配置された3個の電気機械的回折格子光変調器85は、反射鏡82を必要とせず、ゼロオーダーの反射をブロックするためのストッパ95だけが必要である。電子機械的回折格子光変調器85rと85bは、それぞれ光源20rと20bからの赤と青の光を変調し、変調された光を、回折オーダーとして、色結合キューブ73に向ける。次に、色結合キューブ73は、変調された赤と青の光を共通軸Oに向け、投射によって拡散面30上に原画素ライン36を形成する。しかしながら、黄色と緑の色変調の扱いは異なる。電気機械的回折格子光変調器85gyは、ダイクロイックコンバイナ92から透過された光源20gからの緑の入射光を受ける。光源20yからの黄色の光は、ダイクロイックコンバイナ92から反射され、電気機械的回折格子光変調器85gyに入る。電気機械的回折格子光変調器85gyは、一度に1色しか変調できないため、コントロールプロセッサ111を設け、たとえば60Hz等、人間の観察者には知覚できない速度で、両方の色の変調を連続的に行うよう、交互に光源20yと20gを照明する。光源20gと20yがレーザーの場合、コントロールプロセッサ111は、レーザーの出力を直接周期的に変化させることにより、この多重化動作に十分な速度で照明を制御することができる。あるいは、この目的で、照明経路にシャッタ(図示せず)を使用することも可能である。
さらに図17において、黄と緑の経路について示されたパターンを反復することにより、4色について電気機械的回折格子光変調器85が2個しか必要でないように、コストを一層削減することが可能であることに注意すべきである。つまり、赤と青の光源20rと20bは、別のダイクロイックコンバイナ92に向けることができ、赤と青の光についてひとつの電気機械的回折格子光変調器85は、コントロールプロセッサ111によって制御され、多重化されたカラー画像を形成し、これが色結合手段73に向けられる。
図17の全体的配置で、図16について説明したものと同様の、偏光状態を使って光を分離する技術を使い、ダイクロイックコンバイナ92の代わりに偏光ビームスプリッタ93を使用することができる。しかしながら、これにはマルチオーダーのリターダの使用が必要で、同じ電気機械的回折格子光変調器85によって2つの異なる色が変調される場合、変調後の各色が適当な偏光状態を持つようにする必要がある。
カラー多重化線形変調器を使用する場合、二次元画像が形成される際、個々の色のラインが若干ずれることによって生じる、意図しなかった画像形成異常が発生することがあると認められる。若干のずれを補償する技術には、同じ線形変調器を共有する色の連続を周期的に変える方法がある。
図18において、4色画像生成システム70のための別の配置が示されている。ここで、色結合キューブ73のために、緑と黄の色変調経路を結合するのにダイクロイックコンバイナ113が使用される。各コンポーネントカラーについて、別の電気機械的回折格子光変調器85が使用される。
図19において、共振ファイバスキャナ137を使用したマルチカラー線形変調器としての4色画像生成システム70の別の配置が示されている。共振ファイバ光学走査において、Eric J Seibel, Quinn Y.J. Smithwick, Chris M.Brown, Per G. ReinhallによるProceedings of SPIE, Vol.4158(2001)の29−39ページに掲載された記事、”Single Fiber Endoscope: General Design for Small Size, High Resolution, and Wide Field of View”(シングル・ファイバ・エンドスコープ:小型、高解像度、広視野のための一般設計)の中で説明されているように、光ファイバ素子が共振周波数で作動され、これにより、たとえば線形ラスタパターン等、規則的パターンの小さな領域について制御可能な走査を行う。同じ譲受人に譲渡される同時係属中の米国特許出願第10/095,341号は、裸眼立体ディスプレイにおける3色画像を形成するための共振ファイバ走査の使用を開示している。図19において、赤の光源143r、緑の光源143g、青の光源143b、黄の光源143yが設けられ、それぞれ、その光を対応する赤、緑、青または黄の光ファイバ138r,138g,138b,138yに向ける。光導体として機能する光ファイバ138r,138g,138b,138yは、光をマルチカラー光ファイバ138tに方向付けて結合し、これにより、多分岐ファイバアセンブリ151を形成する。アクチュエータ141は、マルチカラー共振カンチレバー部139tを作動させ、有効な原画素104’を形成する。次に、レンズアセンブリ122は、これによって形成された走査画像を拡散面30に投射し、原画素104を形成する。
共振ファイバスキャナ137により拡散面30に追跡された走査パターンは、走査ボールレンズアセンブリ100が操作する原画素ライン36を形成することができる。あるいは、同じ譲受人に譲渡された同時係属中の米国特許出願第10/095,341号において開示されているように、共振ファイバスキャナ137は、ラスタ走査パターンを追跡し、これにより、拡散面30に二次元画像を生成する。米国特許出願第10/095,341号において開示されているように、拡散面30上に二次元画像を形成する場合、走査ボールレンズアセンブリ100の代わりに固定ボールレンズアセンブリを使用することができる。
光源結合のためのその他の技術
レーザーの出力は、ひとつまたは複数のレーザー光線をひとつの光路にまとめることによって高められることが知られている。図22について、画像生成システム70は、赤、緑、青の電気機械的回折格子光変調器85r,85g,85bを備える。特に赤の光路について、複数の赤の光源20r1,20r2,20r3が設けられている。ダイクロイックフィルタ40r1,40r2,40r3を使い、複数の赤の光源20r1,20r2,20r3からの光をひとつの経路にまとめ、これが電気機械的回折格子光変調器85rによって変調される。この機能を持たせるために、個々の光源20r1,20r2,20r3の出力波長を、対応するダイクロイックフィルタ40r1,40r2,40r3のフィルタ特性と一致させる必要がある。図24において、ダイクロイックフィルタ40r1,40r2,40r3についての一連の代表的応答曲線240a,240b,240cが示されている。曲線240a,240b,240cは、波長に対するパーセンテージとしてのフィルタ透過率をプロットしている。この原理を使い、図22において示されているように、ダイクロイックフィルタ40r1は光源20r1からの光を反射し、光源20r2と20r3からの光は透過させる。同様に、ダイクロイックフィルタ40r2は、光源20r2からの光を反射し、光源20r3からの光を透過させる。ダイクロイックフィルタ40r3は、光源20r3からの光を反射し、ひとつまたは複数の追加光源20からの光を透過させるよう設計することができる。光源20r3が一連の光源の最後である場合、ダイクロイックフィルタ40r3の代わりにミラーを使用するか、あるいは光源20r3を、ダイクロイックフィルタ40r2から直接透過されるように配置することができる。このパターンには、光源20r1,20r2,20r3を、ダイクロイックフィルタ40r1,40r2,40r3による選択的な反射と透過を可能にするのに十分な程度に相互に異なる、それぞれの波長に応じて分類することが必要である。図24のグラフに戻り、光源20r1の出力波長と一致されたダイクロイックフィルタ40r1は、曲線240aの透過応答特性を有する。これにより、ダイクロイックフィルタ40r1は、約638nm以上の赤の波長を少なくとも80%の効率で透過させる。光源20r2の出力波長と一致されたダイクロイックフィルタ40r2は、曲線240bの透過応答特性を有する。これにより、ダイクロイックフィルタ40r2は、約648nm以上の赤の波長を少なくとも80%の効率で透過させる。同様に、光源20r2の出力波長と一致され、曲線240bの透過応答特性を有するダイクロイックフィルタ40r2は、約658nm以上の赤の波長を少なくとも80%の効率が透過させる。このパターンを使い、最も低い波長応答を有するダイクロイックフィルタ40r1は、これ以上のすべての波長を通過させる。その後のダイクロイックフィルタ40はすべて、より限定的となる。
図23において、図22に示した連動光源の設計を延長したものが示されている。この中で、4つの異なる複合色経路が設けられ、ダイクロイックミラー40は各色の光を電気機械的回折格子光変調器85へと導く。
図22、図23に示すコンポーネント配置により、各色の経路内に、選択的に明るさを追加することができる。しかしながら、このソリューションが明るさを増す一方で、複合色のスペクトル純度が低下することから、必然的に色再現域の損失が起こる。
図17、図18に示すコントロールプロセッサ111は、光源20r,20g,20b,20yの動作をさまざまな方法で指示するよう拡張することができる。明らかに、コントロールプロセッサ111は、図17、図18に関して説明したように、同じ電気機械的回折格子光変調器85に向けられる2つの別個の光源20の連続動作を制御できる。さらに、コントロールプロセッサ111は、視覚体験を最適化するために、いずれかの色の表示を所望のとおりに選択または禁止するようプログラムすることが可能である。たとえば、一部のタイプのシーンコンテンツは、たとえば3色のみを使用して生成すると有利な場合がある。
図16、図17、図18、図19、図22、図23は、画像生成システム70の中でも色変調に使用されるコンポーネントだけを示していることを指摘しなければならない。原画素ライン36を投射するための走査光学装置のメカニクスは、図8bについて前述したものと同様である。
図16、図17、図18、図19、図23は、広い色再現域を実現するための好ましい色の選択、つまり、赤、緑、青、黄を示している。しかしながら、特定のタイプの画像または視覚条件には別の色も適しており、これもまた本発明の範囲内であることを強調する必要がある。
図12、図13、図14の改造型画像生成システム70’に示される光学スイッチ配置は、色光源20の数がいくつのシステムにも使用できる。先の説明のように、これにより、単独の画像生成システム70’は左眼と右眼両方の画像を提供することができる。
本発明の好ましい実施形態では、広い色再現域、例外的に広い視野、20mmに近い大きさの視覚瞳孔14で、90度の範囲を越えた立体画像形成に必要な明るさが得られる。さらに、走査ボールレンズアセンブリ100は、優れた軸外れ性能を提供し、おそらくは最高180度までと、広い視野を実現する。これにより、観察者12は、ヘッドセット、ゴーグルその他の器具を装用せずに、改善された視覚体験を得ることができる。
本発明は、特定の好ましい実施形態に関連して詳細に説明したが、前述のように、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者は、前述のように、また付属の特許請求範囲に記載されているように、各種の変更、改造を本発明の範囲内で実現することができることを理解すべきである。たとえば、サポートする投射光学装置、色の多重化および配列、鏡面について、本発明について開示されているコンポーネントの単一中心配置で使用できる多くの配置がある。
本明細書において説明された多数の色結合方法は、各種の空間光変調器を使って採用できる。たとえば、反射および透過液晶装置(LCD)を光変調器として使用することができる。デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)等のその他のタイプの画像変調器を、本発明の範囲内で、画像形成に使用することが可能である。4色バージョンではまだ市販されていないが、LEDアレイやOLEDはさらに別の画像形成装置となる見込みであり、これらの装置は発生された光を直接変調し、中間画像を形成するための拡散面を提供するという利点がある。二次元空間光変調器を使用して別の色を結合する方法は、本願で説明した線形変調器について説明された方法に匹敵する。二次元空間光変調器を使用した裸眼立体表示装置について、同じ譲受人に譲渡された同時係属中の日本特許出願第2001−383200号を参照する。
裸眼立体画像形成システムにおける本発明による装置の主要コンポーネントを示す透視図である。 光学的に展開した状態で、投射光学装置の実質的に同心円状の関係を示す、側面図である。 光学的に展開した状態で、投射光学装置の実質的に同心円状の関係を示す、上面略図である。 光学的に折り曲げた状態で、システムで使用される投射光学装置の同心円状の関係を示す略図である。 ひとつの左側または右側画像について、線形画像生成システムと走査ボールレンズアセンブリとの協働から得られる走査動作を示す透視図である。 原画素の連続ラインが、走査ボールレンズアセンブリによって投射された湾曲線形画像源(イメージソース:image source) を形成し、二次元中間画像を形成する様子を、詳細部を誇張して示す透視図である。 湾曲線形画像源と走査ボールレンズアセンブリとの関係と、捜査された中間画像を形成するためのこれらのコンポーネントの相互作用を示す上面図である。 湾曲線形画像源と走査ボールレンズアセンブリとの関係と、捜査された中間画像を形成するためのこれらのコンポーネントの相互作用を示す上面図である。 湾曲線形画像源と走査ボールレンズアセンブリとの関係と、捜査された中間画像を形成するためのこれらのコンポーネントの相互作用を示す上面図である。 走査ボールレンズアセンブリの構成を示す断面図である。 本発明の画像生成システムにおける、1色の線形走査メカニズムを示す略図である。 画像生成システムのコンポーネントの複合的な3色配置を示す略図である。 曲面ミラーと実質的な近軸光学装置を使った、別の実施形態による裸眼立体画像形成システムのための、本発明による装置の主要コンポーネントを示す透視図である。 フレネルミラーと実質的な近軸光学装置を使った、さらに別の実施形態による裸眼立体画像形成システムのための、本発明による装置の主要コンポーネントを示す透視図である。 走査ボールレンズアセンブリにビームスプリッタ表面が備えられた別の実施形態を示す略図である。 左眼と右眼の別の視界のために生成された画像を逐次的に走査するコンポーネントの配置を示す略図である。 図12の配置を使用した、右眼画像の逐次的生成を示す略図である。 左眼および右眼画像の逐次的生成のための別の実施形態を示す略図である。 選択された実施形態において使用されるパターン化されたミラーの動作を示す平面図である。 選択された実施形態において使用されるパターン化されたミラーの動作を示す平面図である。 選択された実施形態において使用されるパターン化されたミラーの動作を示す平面図である。 4色画像生成システムのための配置の一例を示す略図である。 3つの光変調機を使用した4色画像生成システムの別の配置を示す略図である。 各色変調経路に反射鏡を使用した、4色画像生成システムの別の配置を示す略図である。 共振光ファイバを使用した、4色画像生成システムのブロック図である。 3つのコンポーネントカラーで画定される一般的な色空間を示すグラフである。 4つのコンポーネントカラーで画定される色空間を示すグラフである。 3つのコンポーネントカラーの経路内で結合される複数の有色光源を使った配置を示す略図である。 3つのコンポーネントカラーの経路内で結合される4つの有色光源を使った配置を示す略図である。 狭い波長範囲についてのカラーフィルタの代表的特性曲線を示すグラフである。
符号の説明
10 裸眼立体画像形成システム、12 観察者、14 視覚瞳孔、16,140 ビームスプリッタ、20 光源、22 焦点面、24,150 曲面ミラー、25 光学軸、30 拡散面、32 モータ、36 原画素ライン、40 ダイクロイックフィルタ、42,44 メニスカスレンズ、46 球面レンズ、48,95 ストッパ、52 中間線画像、66 フレネルミラー、68 人間の目の瞳孔、70 画像生成システム、72 球面レンズ、73 色結合キューブ、74 円柱レンズ、75 レンズ、76 中間画像、82 反射鏡、83 ミラー、85 電気機械的回折格子光変調器、91 リターダ、92,113 ダイクロイックコンバイナ、93 偏光ビームスプリッタ、97 マルチオーダー波長板、100 走査ボールレンズアセンブリ、101 ボールレンズ瞳孔、102 反射面、104 原画素、106 虚像、108 画像画素、111 コントロールプロセッサ、112 半球レンズセグメント、122 レンズアセンブリ、137 共振ファイバスキャナ、138 光ファイバ、141 アクチュエータ、142 ミラー、143 光源、151 多分器ファイバアセンブリ、152 反射部、154 透過部、156 パターン化されたミラー、171 第一の回折オーダー、173 第二の回折オーダー、180 偏光ビームスプリッタ、182 液晶シャッタ、200 目に見える色再現域、202 デバイス色再現域、203 ビームスプリッタ表面、204 拡張されたデバイス色再現域。

Claims (9)

  1. 左側画像と右側画像からなるカラー立体画像を表示するための裸眼立体光学装置であって、
    少なくとも4つの光源であって、各光源の色はそれぞれ異なり、変調されていない入射光線を供給する光源と、
    前記入射光線を変調して変調光線を生成する少なくとも1つの画像変調器と、
    前記変調光線を1つの光軸上に結合するカラー結合器と、
    曲面反射面と、
    前記変調光線を前記曲面反射面に向けることで二次元仮想画像を形成する光学システムであって、結合された変調光線を反射する少なくとも一つの反射面を有するボールレンズセグメントを有し、前記ボールレンズセグメントは軸を中心に回転し、前記二次元仮想画像を形成するために一連の中間線画像を形成する光学システムと、
    を有する画像生成システムを備えることを特徴とする裸眼立体光学装置。
  2. 請求項1に記載の裸眼立体光学装置であって、
    前記左側画像は左側視覚瞳孔に提供され、前記右側画像は右側視覚瞳孔に提供されることを特徴とする裸眼立体光学装置。
  3. 請求項1に記載の裸眼立体光学装置であって、
    前記画像生成システムは、左側画像と右側画像を交互に繰り返し形成することを特徴とする裸眼立体光学装置。
  4. 請求項1に記載の裸眼立体光学装置であって、
    前記画像生成システムは、2つの前記画像変調器を用いて左側画像と右側画像を同時に形成することを特徴とする裸眼立体光学装置。
  5. 請求項1に記載の裸眼立体光学装置であって、
    前記画像変調器の少なくとも1つは、線形画像変調器であることを特徴とする裸眼立体光学装置。
  6. 請求項1に記載の裸眼立体光学装置であって、
    前記画像変調器の少なくとも1つは、二次元空間光変調器であることを特徴とする裸眼立体光学装置。
  7. 請求項1に記載の裸眼立体光学装置であって、
    前記色は、赤、緑、青、青緑、黄緑、黄色からなるグループから選択されることを特徴とする裸眼立体光学装置。
  8. 請求項5に記載の裸眼立体光学装置であって、
    前記線形画像変調器は、共振光ファイバ、電気機械的回折格子装置、等角回折格子装置、回折格子ライトバルブからなるグループから選択されることを特徴とする裸眼立体光学装置。
  9. 請求項6に記載の裸眼立体光学装置であって、
    前記二次元空間光変調器は、反射LCD、透過LCD、デジタルマイクロミラーデバイスからなるグループから選択されることを特徴とする裸眼立体光学装置。
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