JP4377420B2 - 同時双方向データ送受信システム - Google Patents
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Description
この公報で示された回路は、送受信回路内の送信回路の出力部を抵抗器及び伝送線路を介して対向する送受信回路に接続し、更に送信回路の出力信号を分圧用抵抗器を介して基準電圧と合成して差動入力型レシーバ回路の参照電圧として入力し、且つ上記差動入力型レシーバ回路の比較入力部には伝送線路上の信号を入力する構成となっており、この差動入力型レシーバ回路が自局の送信信号のみをキャンセルし他局から送られてくる信号を再生している。
このような背景の中、LSIの価格や外形寸法は信号ピン数が少ないほど低減されると言われており、ピンの本数を低減させる様々な工夫が進めれている。
先に示した1本の信号線路を用いて同時に且つ双方向のデータ送受信を可能とする技術を用いればLSIの信号ピン数を半減できる。
しかしながらこの技術では、送信すべきデータに何の処理も施さないでデータ伝送を行わせているため、幾つかの問題点がある。
第2に、上記現象によりパターンジッタが発生し、タイミングマージンが減少し、高速化が妨げられてしまう。
第3に、上記第2の問題点に対処するため、データを伝送させる伝送線路とは別に、タイミング情報を伝送させる伝送線路が必要になってしまう。
第2の目的は、伝送線路本数とLSI信号ピン数を従来の技術よりも大幅に低減でき、トランスペアレントが保障され、正確に且つ高速なデータ伝送が行える同時双方向送受信を可能にすることにある。
第3の目的は、タイミング情報の伝送を不要とする同時双方向送受信を可能にすることにある。
1本の伝送線路の各端局間でそれぞれ同時にデータの送受信を可能とする同時双方向送受信方法において、
伝送線路上の直流バランスを保障していない伝送すべき第1のシリアルデータを直流バランスを保障できる第2のシリアルデータに符号化して送信し、受信した前記第2のシリアルデータを前記第1のシリアルデータに復号化するようにしている。
また、1本の伝送線路の各端局に接続されたデータ送信回路とデータ受信回路とをから成り、各端局間でそれぞれ同時にデータの送受信を可能とする同時双方向送受信回路において、
伝送線路上の直流バランスを保障していない伝送すべき第1のシリアルデータを直流バランスを保障できる第2のシリアルデータに符号化処理する符号化手段と、受信した前記第2のシリアルデータを前記第1のシリアルデータに復号化処理する復号化手段を備えるようにしている。
さらに、送信すべきパラレルデータを前記第1のシリアルデータに変換するパラレル-シリアル変換回路と、受信した前記第2のシリアルデータを復号化処理して得られた前記第1のシリアルデータをパラレルデータに変換するシリアル-パラレル変換回路とを備えるようにしている。
さらに、受信した前記第2のシリアルデータから同期用クロック信号を抽出する手段を備えるようにしている。
さらに、伝送線路上の直流バランスを取るためのトレーニングパターンを生成し、データ送受信を開始させる前の時間に伝送線路上に送出する手段を備えるようにしている。
また、符号化処理を行う前段でパラレルデータをシリアルデータに変換し、復号化処理を行った後段でシリアルデータをパラレルデータに変換するため、伝送線路本数とLSI信号ピン数を従来の技術よりも大幅に低減でき、トランスペアレントが保障され、正確に且つ高速なデータ送受信が行える同時双方向送受信回路を構築できる。
また、他局から送られてくるデータから同期のためのクロック信号を抽出するようにしているため、タイミング情報の伝送を不要とする同時双方向送受信回路を構築できる。
また、データ送受信開始前にトレーニングパターンを送信するため、トランスペアレントの保障をさらに良くすることができる。
図1は本発明の実施例を示し、同時双方向送受信回路を1本の伝送線路で接続したデータ送受信システムのブロック構成を示したものである。
図1において、1aはパラレル-シリアル変換回路、1gはシリアル-パラレル変換回路、1bは同時双方向送受信回路、1cは符号化回路、1dはデータ送受信回路、1fは複合化回路、1eは伝送線路である。
ここでは4ビットのパラレルデータをシリアルデータに変換してデータの送受信を行う例を挙げ、各ブロックの回路構成例及び動作を以下に示す。
図において、クロック信号CLK0はPLLシンセサイザ2aに入力され、4倍の周波数を持つクロック信号CLK1と8倍の周波数を持つクロック信号CLK2が生成される。
入力された4ビットのパラレルデータTPDは、クロック信号CLK1によって4周期に1回だけD型フリップフロップ2dに取り込まれる。この取り込まれたデータが右シフトレジスタによってシフトされ、シリアルデータTSD0として最終段のD型フリップフロップ2dの出力から出ていく。各部のタイミングチャートは図3のようになる。
Q0,QA,QBのアンドを取るアンドゲート3b-0がローレベルのとき、アンドゲート2b-0がハイレベルになり(Hはハイレベル信号)、クロック信号CLK1の立ち下がりでフリップフロップ2d-0がセットされQ0がハイレベルになり、このQ0のハイレベルはアンドゲート2b-A,2b-Bを介してクロック信号CLK1の立ち下がり時に順次フリップフロップ2d-A,2d-Bをセットする。
Q0,QA,QBが全てハイレベルになると、アンドゲート3b-0がハイレベルになり、アンドゲート2b-0がローレベルになり、クロック信号CLK1の立ち下がりでフリップフロップ2d-0がリセットされQ0がローレベルになり、また、アンドゲート2b-A,2b-B,2b-C,2b-Dが閉じる。
一方、アンドゲート3b-0がハイレベルになると、アンドゲート3b-A,3b-B,3b-C,3b-Dが開き、パラレルデータTPDのA,B,C,Dがクロック信号CLK1の立ち下がりでフリップフロップ2d-A,2d-B,2d-C,2d-Dにそれぞれセットされる。
以後、再びアンドゲート3b-0がローレベルになるため、アンドゲート2b-0,2b-A,2b-B,2b-C,2b-Dが開き、逆にアンドゲート3b-A,3b-B,3b-C,3b-Dは閉じるため、フリップフロップ2d-A,2d-B,2d-C,2d-DにそれぞれセットされたデータA,B,C,Dはクロック信号CLK1の立ち下がりの度に順次シフトされ、シリアルデータTSD0として出力される。
図において、クロック信号CLK1、CLK2はパラレル-シリアル変換回路内のPLLシンセサイザによって生成された信号である。
シリアルデータTSD0とクロック信号CLK1とをEOR回路4aに入力し、その出力結果がクロック信号CLK2によってD型フリップフロップ4bに取り込まれる。
このようにして、'0'信号又は'1'信号が連続しないようなシリアルデータTSD1が生成できる。
なお、ここで挙げた例は'0'信号を'01'に、'1'信号を'10'にコード化したマンチェスタコードであり、タイミングチャートは図5のようになる。
図において、ドライバ回路6aは抵抗器Rtaを介してシリアルデータTSD1aを、ドライバ回路6bは抵抗器Rtbを介してシリアルデータTSD1bを任意のタイミングで伝送線路6cに送り出す。
抵抗器Rta、Rtbの値を伝送線路6cの特性インピーダンスZ0と等しく設定しておけば、伝送線路6c上には双方から送り出されたシリアルデータTSD1a、TSD1bの合成波である3値の電圧信号が現れる。
すなわち、ドライバ回路6aまたは6bの出力信号振幅のハイレベル時の振幅の電位を例えばhとすれば、TSD1a,TSD1bが共にローレベルのときには、LSDa,LSDbは共に0レベルに、TSD1aがハイレベルでTSD1bがローレベル、またはTSD1aがローレベルでTSD1bがハイレベルのときには、LSDa,LSDbは共にh/2レベルに、TSD1a,TSD1bが共にハイレベルのときには、LSDa,LSDbは共にhレベルになる。
すなわち、LSDa,LSDbは共に同じ値を取り、TSD1a,TSD1bが共にローレベルのときには0レベル、ハイレベルとローレベルの組合せのときには1/2レベル、共にハイレベルのときには1レベルになる。TSD1a,TSD1bが図7のように変化すれば、LSDa,LSDbは共に、2/4− 0 −2/4−4/4−2/4− 0 −2/4 のように変化する。
一方、Vrefaは、 1/4−1/4−3/4−3/4−1/4−1/4−3/4 のように変化し、
Vrefbは、 3/4−1/4−1/4−3/4−3/4−1/4−1/4 のように変化する。
RSD1aは(LSDa)-(Vrefa)であり、
1/4−-1/4−-1/4−1/4−1/4−-1/4−-1/4 のように変化し、
RSD1bは(LSDb)-(Vrefb)であり、
-1/4−-1/4−1/4−1/4−-1/4−-1/4−1/4 のように変化する。
このようにして、RSD1aにはTSD1bの信号が出力され、RSD1bにはTSD1aの信号が出力される。
図において、PLLシンセサイザ8aを構成する位相比較器PFCのフィードバック入力信号には、電圧制御発振器VCOの出力信号を1/2分周した信号Ffdbを入力する。
また、シリアルデータRSD1の極性変化点を示す信号DIFOは、微分回路8bによって得られた信号であり、この信号と、電圧制御発振器VCOの出力信号を1/2分周した信号Ffdbの位相をインバータ8fとフリップフロップ8e-1により1/4周期ずらした(進めた)信号とをAND回路8cに入力し、その結果を位相比較器PFCの参照入力信号としている。
このようにして、シリアルデータRSD1の2倍の周波数を持つクロック信号CLKaが得られ、クロック信号が抽出される。
更に、シリアルデータRSD1と電圧制御発振器VCOの出力信号を1/2分周した信号FfdbとをEOR回路8dに入力する。その出力結果は、クロック信号CLKaの立ち下がり時にD型フリップフロップ8e-2に取り込まれる。このようにして、符号化される前のシリアルデータTSD0と同形式のシリアルデータRSD0が得られる。各部のタイミングチャートは図9のようになる。
図において、クロック信号CLK3は復号化回路内のPLLシンセサイザによって生成された信号である。また、クロック信号CLK4はクロック信号CLK3を1/4分周した信号である。
入力されたシリアルデータRSD0は、クロック信号CLK3をNOT回路10aで反転させた信号によってD型フリップフロップ10bに取り込まれ、右シフトされる。
この信号が4周期に1回だけクロック信号CLK4によりD型フリップフロップ10cに取り込まれる。
これにより、パラレルデータRPDが得られる。各部のタイミングチャートは図11のようになる。
これにより、トランスペアレントが保障され、正確に且つ高速なデータ送受信が行え、伝送線路本数とLSI信号ピン数を従来の技術よりも大幅に減少させることができ、タイミング情報の伝送を不要とする同時双方向送受信回路システムを構築できる。
上記トレーニングパターンとは、ハイレベルとローレベルとがほぼ交互に表れる波形パターンを持つ信号であり、例えば、マンチェスタコードで表される信号である。このトレーニングパターンをデータ送受信を開始させる前の時間に送信しておくことにより、伝送線路上の直流バランスを取ることができる。
上記した実施例においては、データ送受信を開始する前に、符号化回路にシリアル信号入力として、一定期間のローレベル信号または一定期間のハイレベル信号を入力する手段を設け、これにより、伝送線路にはトレーニングパターンとして、一定期間のマンチェスタコードで表される信号が出力され、データ送受信開始前に伝送線路上の直流バランスが取られる。
ドリブルアップ現象とは、伝送線路特有の波形ひずみ現象である。
図12に示すように、伝送線路にステップ関数を入力した場合、伝送線路を通過して来た波形の10%-90%の立ち上がり時間は、50%立ち上がる時間に対し約29倍も必要になってしまう。
また、同時双方向通信方式では図6の回路構成を見れば明らかなように、単方向通信方式に比べ受信側での信号振幅が半分しかないので、ドリブルアップ現象が伝送系の信頼性に大きく影響してくる。
図13は、従来の同時双方向送受信回路におけるタイミングチャートであり、TSD1a、TSD1bは各端局の入力波形である。
LSDa、LSDbは差動入力型レシーバ回路の入力波形を示しており、実線が伝送線路上の3値の電圧信号であり、破線は参照電圧Vrefa、Vrefbである。
ここでは、長い時間'0'信号が連続した後データが切り替わった場合の動作を挙げており、伝送線路のドリブルアップ現象により、差動入力型レシーバ回路の入力オーバドライブ電圧が減少してしいる様子を示している。
また、RSD1a、RSD1bは差動入力型レシーバ回路の出力波形であり、上記現象によりパターンジッタが発生する様子を示している。
このように、従来の技術を用いた同時双方向送受信回路では、長い時間'0'信号又は'1'信号が連続した場合、動作マージンが減少してしまう。
TSD1a、TSD1bは符号化後の入力波形であり、ここではマンチェスタコードの例を挙げている。
LSDa、LSDbは差動入力型レシーバ回路の入力波形を示しており、実線が伝送線路上の3値の電圧信号であり、破線は参照電圧Vrefa、Vrefbである。
本発明では、装置のパワーオン直後等のデータ送受信を開始させる前の時間に、伝送線路上の直流レベルを安定させるためにトレーニングパターンを送信しておく。
このようにしておけば、伝送線路上の波形がドライバ回路の出力信号振幅の1/2の電位を中心に遷移するので、従来方式よりも差動入力型レシーバ回路の入力オーバドライブ電圧を多く確保できる。
また、RSD1a、RSD1bは差動入力型レシーバ回路の出力波形であり、従来方式よりもパターンジッタの幅を低減している様子を示している。
このように、本発明の技術を用いた同時双方向送受信回路では、長い時間'0'信号又は'1'信号が連続した場合でも、従来技術に比べ動作マージンが広がる。
1b 同時双方向送受信回路
1c 符号化回路
1d データ送受信回路
1e 伝送線路
1f 復号化回路
1g シリアル−パラレル変換回路
Claims (4)
- 1本の伝送線路の各端局間でそれぞれ同時にデータの送受信を行う同時双方向データ送受信システムにおいて、
各端局は、他局へ送信するパラレルデータを第1のシリアルデータに変換するパラレル−シリアル変換手段と、前記変換された第1のシリアルデータを‘0’信号又は‘1’信号が各々所定個数以上は連続しないで交互に出現する第2のシリアルデータに符号化する符号化手段と、前記符号化した第2のシリアルデータを前記伝送線路に送信すると共に、前記伝送線路上の他局からの送信データと自局からの送信データとの合成波から、他局から受信した信号を再生して符号化された第2のシリアルデータを得るデータ送受信手段と、前記他局から受信した符号化された第2のシリアルデータを第1のシリアルデータに復号化する復号化手段と、前記復号化された第1のシリアルデータをパラレルデータに変換するシリアル−パラレル変換手段と、データ送受信を開始する前に前記符号化手段に一定期間のローレベル信号またはハイレベル信号を入力する手段とを備え、
前記データ送受信手段は、前記符号化した第2のシリアルデータを第1の抵抗器を介して前記伝送線路に送信するドライバ回路と、前記ドライバ回路の出力端と所定電圧端間を第2の抵抗器と第3の抵抗器でシリアル接続して両抵抗器の接続点を参照電圧とし前記伝送線路からの信号を入力して符号化された第2のシリアルデータを出力する差動入力型レシーバ回路を有することを特徴とする同時双方向データ送受信システム。 - 前記第2の抵抗器の抵抗値と前記第3の抵抗器の抵抗値を同一に設定し、前記所定電圧を前記ドライバ回路の出力信号振幅レベルの1/2の電位に設定することを特徴とする請求項1記載の同時双方向データ送受信システム。
- 前記他局から受信した第2のシリアルデータから同期用クロック信号を抽出する手段を備えることを特徴とする請求項1記載の同時双方向データ送受信システム。
- 前記符号化手段は、第1のシリアルデータをマンチェスタコードに符号化することを特徴とする請求項1記載の同時双方向データ送受信システム。
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